JP4442018B2 - 車両の補助走行装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の補助走行装置に関し、更に詳しくは湿潤路面を車両が走行するときの走行性能及び/又は制動性能を向上するようにした車両の補助走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
湿潤路面は表面が水膜で覆われているため、乾燥路面に比べて路面とタイヤとの摩擦係数が減少する。したがって、図4に示すように前輪2と後輪3を設けた車両Cが走行中にブレーキをかけたときの制動性が低下し、また高速走行すると水膜1の上で前後輪2,3が空転してハイドロプレーニング現象が生じるということがある。
【0003】
従来、このような制動性能や走行性能の低下現象を改善するために、タイヤの前方に水膜を掻き取るヘラを設けたり、空気や排気ガス等の気体を吹き付ける装置を設けること等が提案されている。しかし、へらを設ける対策は、ヘラが路面に接触するときの摩擦抵抗が大きくなり過ぎ、それを改善するため路面から浮かせると、水膜を十分に除去できなくなるという欠点がある。また、気体を吹き付ける対策は、単に走行方向の面内で気体を路面に吹き付けるだけであったため、必ずしもタイヤ前方の水膜を効率よく除去する効果が得られていない欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来法に比べてより効果的にタイヤ前方の水膜を除去し、車両の湿潤路面上の走行性及び/又は湿潤制動性を向上させる補助走行装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両の補助走行装置は、少なくともフロントタイヤの前方に該フロントタイヤよりも径の小さい小型車輪を設け、この小型車輪がドライバーのスイッチ操作又は湿潤センサが所定量以上の湿潤度を検知することで降下の待機状態になり、ブレーキの作動に連動して接地するように構成し、接地した小型車輪により湿潤路の水膜を車体外側方向に向けて排除することを特徴とする。
【0006】
このようにリヤタイヤに比べて水膜の影響を最も受けるフロントタイヤの前方に小型車輪を設け、この小型車輪が水膜を車両の外側方向へ向けて跳ね除けるためフロントタイヤ前方の水膜残存量を最も少ない状態にし走行性及び/又は制動性を向上することができる。また、走行速度が上がってもハイドロプレーニングを起こさないようにすることができる。この効果は、小型車輪が転動するため、ヘラのように大きな抵抗を与えることなく実施することができ、また水膜の排除方向を車両の外側方向へ向けるようにしているので、フロントタイヤ前方の水膜残存を極力少ない状態にすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の補助走行装置を設けた車両の一例を示す。
【0009】
車両Cは、車体5の前後に前輪2と後輪3を有し、それぞれ前輪2にフロントタイヤ2aを、後輪3にリヤタイヤ3aを装着している。また、車体5には、フロントタイヤ2aよりも前方に、フロントタイヤ2aよりも小さい径の小型車輪4が昇降可能に取り付けられ、路面に接地する位置と車体5内に収納される位置とに交互に切り換えられるようになっている。小型車輪4は少なくともフロントタイヤ2aの前方に設けられる必要があるが、リヤタイヤ3aの前方にも設けるようにしてもよい。
【0010】
上記小型車輪4は、車体5に設けた湿潤センサ(図示せず)が路面の水膜1が所定量以上の湿潤度になっていることを検知するか、又はドライバーが確認してスイッチ操作することで降下し、路面に接地するように構成することもできるが、本発明では、ドライバーのスイッチ操作又は湿潤センサが所定量以上の湿潤度を検知することで降下の待機状態になり、ブレーキ操作すると連動して路面に接地するようになっている。
【0011】
小型車輪4は、例えば接地部の形状が図2(A)或いは図2(B)のように形成されていることにより、湿潤路面に転動しながら接地すると、フロントタイヤ2a前方の水膜1を効率よく車体5の外側方向、すなわち横外側に向けて排除する。この水膜1の排除作用により、常時接地させて走行するときは走行状態を安定させ、また高速走行してもハイドロプレーニングを起こさない。また、小型車輪4がブレーキ動作に連動して接地するときは、制動性能を向上する。リヤタイヤ3a前方の水膜1は実質的にフロントタイヤ2aが排除するので、リヤタイヤ3aの制動性等が水膜により影響されることは少ないが、リヤタイヤ3aの前方にも同様の小型車輪4を設けるようにすれば、湿潤路における走行性能や制動性能は一層向上するようになる。
【0012】
上記のような小型車輪4の水膜排除作用は、車体5の外側方向に向けて積極的に行うことにより効果を上げることができる。そのため小型車輪4の接地部の形状として、図2(A)や図2(B)のような子午線断面形状にすることが好ましく、特に図2(A)の形状にすることが好ましい。
【0013】
図2(A)に例示した小型車輪4は、子午線断面の幅方向において車体内側寄り部分に外側に凸曲面をなす接地部4aを形成し、車体外側寄りのショルダー部4bに内側に窪んだ凹曲面を形成している。その凹曲面のショルダー部4bは、接地部4aが排除した水膜を車体の外側方向に向け強制的に指向させるように作用する。また、図2(B)の小型車輪4は、子午線断面の幅方向中央に曲率半径の小さな凸曲面を形成し、両側のショルダー部4bに内側に窪んだ凹曲面を形成している。この場合は、接地部4aに排除された水膜が、車両の外側方向と共に、内側方向にも強制的に指向させられるようになっている。
【0014】
小型車輪4は接地時の転動抵抗を小さくし、かつ収納時にスペースを小さくするためフロントタイヤよりも小径にしたものとする。また、幅としては、フロントタイヤ幅の1/10〜3/4が好ましい。小型車輪はソリッドタイヤから形成し、かつ転動抵抗の小さいゴム又は樹脂等の材料を使うことが好ましい。また、路面に対する接地は、完全な接地ではなく、路面より0.5〜2.0mm浮かした状態にすると転動抵抗を更に下げることができる。
【0015】
図3(A)(B)は本発明の他の実施形態からなる補助走行装置を設けた車両を示す。
【0016】
この実施形態では車体5に設けた前輪2と小型車輪4との間に更に高圧気体を噴射する排出管6を設けている。排出管6は高圧気体を車体5の内側から外側方向へ向け、車両Cの進行方向を横切るように路面に噴射することにより、小型車輪4が排除しきれなかった水膜を排除するように作用する。したがって、更に高い走行安定性及び/又は制動性能を発揮することができる。
【0017】
この実施形態において上記高圧気体としては圧縮空気や排気ガス等が使われる。排出管6の設置位置は、小型車輪4とフロントタイヤ2aとの間が好ましいが小型車輪4との前後関係を逆の配置にしても差し支えない。また、小型車輪4は水膜の排除手段として使用する以外に、その回転数を検出することにより真の車体速度を測定するセンサにもなるので、前輪2及び後輪3の車輪速度と共に制御装置7に入力すればアンチロックブレーキ装置(ABS)の制御にも利用することができる。従来のABSでは、制動時の真の車体速度は正確に測定されておらず、予測計算により算出しているが、小型車輪4を車体速度のセンサとして利用すれば、ABSの動作精度を向上することができる。
【0018】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、リヤタイヤに比べて水膜の影響を最も受けるフロントタイヤの前方に小型車輪を設け、この小型車輪が水膜を車両の外側方向へ向けて跳ね除けるためフロントタイヤ前方の水膜残存量を最も少ない状態にし走行性及び/又は制動性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補助走行装置を装備した車両を例示する概略側面図である。
【図2】(A)(B)はそれぞれ本発明に使用される小型車輪を左右に配置したときの子午線断面図である
【図3】(A)(B)は本発明の他の実施形態の補助走行装置を設けた車両の概略側面図及び要部の概略平面図である。
【図4】従来の車両を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 (湿潤路面の)水膜
2 前輪
2a フロントタイヤ
3 後輪
3a リヤタイヤ
4 小型車輪
5 車体
C 車両
Claims (4)
- 少なくともフロントタイヤの前方に該フロントタイヤよりも径の小さい小型車輪を設け、この小型車輪がドライバーのスイッチ操作又は湿潤センサが所定量以上の湿潤度を検知することで降下の待機状態になり、ブレーキの作動に連動して接地するように構成し、接地した小型車輪により湿潤路の水膜を車体外側方向に向けて排除するようにした車両の補助走行装置。
- 前記小型車輪の回転数を検出することにより真の車体速度を測定し、この測定した車体速度を、前輪及び後輪の車輪速度と共にアンチロックブレーキ装置の制御装置に入力する構成にした請求項1に記載の車両の補助走行装置。
- 前記小型車輪の子午線断面における接地部を外側に凸の曲面にすると共に車体外側に対応するショルダー部を内側に凹の曲面に形成した請求項1または2に記載の車両の補助走行装置。
- フロントタイヤの前方に高圧気体排出口を設け、該排出口から噴射した高圧気体により前記湿潤路の水膜を車体外側方向に排除するようにした請求項1〜3のいずれかに記載の車両の補助走行装置。
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