JP4266402B2 - 方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ - Google Patents

方向性傾斜溝を備えた乗用車用空気入りラジアル・タイヤ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は空気入りタイヤに関するもので、特に、タイヤ軸方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる複数の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びる多数の方向性傾斜溝とによって、タイヤ周方向に間隔を置いて多数のブロックが形成され、該方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向が指定されている方向性トレッド・パターンを備えた高運動性乗用車用空気入りラジアル・タイヤに関するものである。
【0002】
本明細書において、「方向性傾斜溝」とは、周方向に対して傾斜して延びる溝であって、該溝の傾斜して延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着する際のタイヤの回転(正転)方向が指定されている、いわゆる方向性トレッド・パターンが形成される溝を意味する。
【0003】
【従来の技術】
高運動性乗用車用空気入りラジアル・タイヤには、濡れた路面を走行したときの排水性能を高度に保ちながら、乾燥した路面での操縦安定性能に優れしかもタイヤ騒音レベルの低いことが要求される。しかしながら、これらのタイヤ要求性能はパターン設計上互いに相反する要求性能であって、濡れた路面を走行したときの排水性能、乾燥した路面での操縦安定性能およびタイヤ騒音性能のいずれにおいても優れた性能を備えたタイヤを提供することは、従来、極めて困難であった。
例えば、濡れた路面を走行したときの排水性能を高めるために、周方向に直線状に延びる複数本の周方向溝と、周方向に対して傾斜した方向に延びる傾斜溝とによって、タイヤ軸方向および周方向に間隔を置いて多数のブロックが形成されたトレッド・パターンが提案され、実用化されている。濡れた路面を走行したときの排水性能をさらに高めるためには、上記の傾斜溝を周方向に対して小さな傾斜角度で延びる急傾斜溝にすることが好ましいが、一方、乾燥した路面での操縦安定性能を高めるためには、上記の傾斜溝を周方向に対して大きな傾斜角度で延びる緩傾斜溝にすることが好ましい。さらにやっかいなことに、上記の傾斜溝を周方向に対して大きな傾斜角度にすると、タイヤの騒音レベルが悪化するという不具合が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような従来技術の不具合を解消して、濡れた路面を走行したときの排水性能を高度に保ちながら、乾燥した路面での操縦安定性能に優れしかもタイヤ騒音レベルの低い、高運動性乗用車用空気入りラジアル・タイヤを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、タイヤ軸方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる複数の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びる多数の方向性傾斜溝とによって、タイヤ周方向と軸方向に間隔を置いて多数のブロックが形成され、該方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向が指定されているトレッド・パターンを備えた空気入りタイヤにおいて、(1)該方向性傾斜溝の少なくとも一部は、パターン・センター中央部近傍に配置された該周方向溝から分岐し左右に延びてトレッド端に開口し、(2)該ブロックの隅部の少なくとも一部には、該周方向溝と該方向性傾斜溝とによって10乃至60度の鋭角が形成され、(3)上記10乃至60度の鋭角が形成されている隅部の表面は、踏み込み端部も蹴りだし端部も、先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように、先細先端部から太幅部に向けて10乃至30mmに亙って面取りされていることを特徴とする高運動性乗用車用空気入りラジアル・タイヤである。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤでは、該周方向溝と該方向性傾斜溝とによって形成されている該ブロックの隅部の上記角度が、センター寄りの隅部ではショルダー寄りの隅部と比べ相対的に小さいことが好ましい。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤでは、パターン・センター中央部近傍に形成された該ブロックの隅部の2つの辺のうち、タイヤ赤道面側の辺が周方向に対し0乃至20度の角度で延びていることが好ましい。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤでは、10乃至60度の鋭角が形成されている該隅部のうち、踏み込み側の隅部に隣接する該方向性傾斜溝の溝幅は、蹴り出し側の隅部に隣接する該方向性傾斜溝の溝幅より狭いことが好ましい。
【0009】
本発明の空気入りタイヤは上記のような構成であり、特に、複数の周方向溝と多数の方向性傾斜溝とによって、タイヤ周方向と軸方向に間隔を置いて多数のブロックが形成され、この傾斜溝の少なくとも一部は、パターン・センター中央部近傍に配置された周方向溝から分岐し左右に延びてトレッド端に開口し、ブロックの隅部の少なくとも一部には、周方向溝と傾斜溝とによって10乃至60度の鋭角が形成され、上記10乃至60度の鋭角が形成されている隅部の表面は、先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように、先細先端部から太幅部に向けて10乃至30mmに亙って面取りされているので、水流の分岐や合流がスムースに行われ、水流内に気泡が発生することなく、パターン・センターからトレッド端に向けた溝体積を有効に活用した排水作用がスムースに行われ、濡れた路面を走行したときの排水性能に優れた高運動性乗用車用空気入りラジアル・タイヤが得られる。周方向溝と傾斜溝とによってブロックの隅部に形成され上記の角度が60度より大きくなるとスムースな水流が得られず、濡れた路面を走行したときの排水性能に支障を来し、一方、上記の角度が10度より小さくなるとブロック剛性が不足し、乾燥した路面での操縦安定性能に支障を来す。
【0010】
濡れた路面を走行したときの排水性能とタイヤ騒音性能を両立するためには上記の傾斜溝を、特にトレッド中央領域では、周方向に対して小さな傾斜角度で延びる急傾斜溝にすることが好ましく、乾燥した路面での操縦安定性能を高めるためブロック剛性を確保するにはピッチ長さを大きく設定することが好ましい。そうすると必然的に踏み込み端部から蹴りだし端部までのブロックの周方向長さが大きくなる。周方向に長いブロックは周方向剛性が大きく、タイヤ転動時に踏み込み蹴りだし部分でブロックが突っ張り、接地圧が高くなり、このためインパクト成分が強くなってタイヤ騒音性能が悪化する傾向がある。ブロックの長さがトレッドの接地長さの1/3以上になるとこの傾向が顕著になる。
本発明の空気入りタイヤは上記のような構成であり、特に、
ブロックの隅部の少なくとも一部には、周方向溝と傾斜溝とによって10乃至60度の鋭角が形成され、
上記10乃至60度の鋭角が形成されている隅部の表面は、踏み込み端部も蹴りだし端部も、先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように面取りされているので、
インパクト成分が強くなってタイヤ騒音性能が悪化する傾向を抑制または防止することができ、濡れた路面を走行したときの排水性能と乾燥した路面での操縦安定性能に優れた低騒音空気入りタイヤが得られる。
ブロックの隅部の上記蹴りだし端部は周方向溝と傾斜溝の合流ポイントに相当し、スムースな水流を得るために、上記のように、ブロックの隅部の表面が先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように面取りされていることが好ましい。
【0011】
本発明の空気入りタイヤは上記のような構成であり、特に、パターン・センター中央部近傍に形成された該ブロックの隅部の2つの辺のうち、タイヤ赤道面側の辺が周方向に対し0乃至20度の角度で延びているので、タイヤ騒音性能の優れたタイヤが得られる。
すなわち、この値が20度より大きくなると、ブロックの隅部の踏み込み端部のインパクト成分が著しく増加し、排水面でそれに見合った傾斜溝幅も広くなるのでインパクト成分とエアーボリュームが増加するのでタイヤ騒音性能が悪化する傾向にある。
【0012】
本発明の空気入りタイヤは上記のような構成であり、特に、10乃至60度の鋭角が形成されているブロックの隅部のうち、踏み込み側の隅部に隣接する傾斜溝の溝幅は、蹴り出し側の隅部に隣接する該傾斜溝の溝幅より狭いので、インパクト成分が低下しタイヤ騒音レベルの低いタイヤが得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明について図面を参照して説明すると、図1乃至3は本発明に従う実施例1乃至3のタイヤのトレッド・パターンの一部拡大正面図であって、タイヤ・サイズは225/50R16で、トレッド幅TWは200mmである。
【0014】
図1に示す本発明に基づく実施例1のタイヤは、タイヤ軸方向に間隔を置いて配置されタイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる複数の周方向溝1、2と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びる多数の方向性傾斜溝4、5、6とによって、タイヤ周方向と軸方向に間隔を置いて多数のブロック7、8、9が形成され、方向性傾斜溝4、5の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向Dが指定されている方向性トレッド・パターンを備えている。傾斜溝4は、パターン・センター中央部近傍に配置された周方向溝1から分岐し左右に延びてトレッド端Eに開口し、ブロック7、8、9の隅部の少なくとも一部の隅部71、72、81、91には、周方向溝1、2と傾斜溝4、5、6とによって15度、50度、45度、25度の鋭角が形成され、上記の鋭角が形成されている隅部71、72、81、91の表面は、先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように、先細先端部から太幅部に向けて30mm、15mm、10mm、20mmに亙って面取りされている。周方向溝1、2と傾斜溝4とによって形成されているブロック7の隅部71、72の上記角度が、センター寄りの隅部71ではショルダー寄りの隅部72と比べ相対的に小さくなっている。パターン・センター中央部近傍に形成されたブロック7の隅部71の2つの辺のうち、タイヤ赤道面側の辺が周方向に対し3度の角度で延びている。周方向溝1、2と傾斜溝4とによって形成されているブロック7の隅部71、72のうち、踏み込み側の隅部71に隣接する傾斜溝4の溝幅は、蹴り出し側の隅部72に隣接する傾斜溝4の溝幅より狭くなっている。周方向溝2は、隣接する2本の方向性傾斜溝5に連通し、方向性傾斜溝5と同じ向きで、すなわち、使用時にセンター側の部位からトレッド側方の部位へ順次踏面と接地する向きで、かつタイヤ周方向に対し比較的小さな角度、好ましくは3乃至15度の角度で傾斜して延びている。周方向溝2の配設によって、トレッドのワイピング、すなわち円弧を平面に押し付けたときの変形が容易になり、接地性が向上する。なお、トレッド端からトレッド幅の25%程度内側に入った位置がバックリングが起きやすい場所であるので、この位置に周方向溝2を配置するのは、ブロックの損傷を生じ易いので好ましくない。また、周方向溝2を方向性傾斜溝5と同じ向きにかつタイヤ周方向に対し比較的小さな角度とすることによりショルダー・ブロック8、9が、蹴りだし側の隅部の角度が大きな、ほぼ平行四辺形形状となり横力に対して充分なブロック剛性が得られるので、操縦安定性に有利に作用するとともに、周方向溝2がトレッド側方に向かって順次接地域内に入るようにされているので排水性に有利に作用する。方向性傾斜溝6は、隣接する2本の方向性傾斜溝5の間に位置し、これら方向性傾斜溝5と実質的に平行に、このましくはタイヤ周方向に対し65乃至85度の角度で、周方向溝2からトレッド端に開口するまで延びている。このような方向性傾斜溝4、5の配設によって形成されたブロックでは、ショルダー側のブロックはセンター側のブロックと比べ接地面積が大きくなる傾向にあり、半径差による引き摺りや横力によるブロックの動きでヒール・アンド・トー摩耗が発生する傾向がある。本発明では、前記周方向溝2および方向性傾斜溝6を配設することによって、大きなショルダー側のブロックが相対的に小さな2つのショルダー・ブロック8、9に区分されるので、ヒール・アンド・トー摩耗発生を抑制するとともに排水性を補うことができる。
【0015】
図2に示す本発明に基づく実施例2のタイヤは、タイヤ軸方向に間隔を置いて配置されタイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる複数の周方向溝1、2、3と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びる多数の方向性傾斜溝4、5、6とによって、タイヤ周方向と軸方向に間隔を置いて多数のブロック7、8、9が形成され、方向性傾斜溝4、5の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向Dが指定されている方向性トレッド・パターンを備えている。傾斜溝4は、パターン・センター中央部近傍に配置された周方向溝1から分岐し左右に延びてトレッド端Eに開口し、ブロック7、9の隅部の少なくとも一部の隅部71、72、91には、周方向溝1、3と傾斜溝4、6とによって20度、25度、30度の鋭角が形成され、上記の鋭角が形成されている隅部71、72、91の表面は、先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように、先細先端部から太幅部に向けて25mm、20mm、15mmに亙って面取りされている。周方向溝1、2、3と傾斜溝4、6とによって形成されているブロック7の隅部71、72の上記角度が、センター寄りの隅部71ではショルダー寄りの隅部72と比べ相対的に小さくなっている。パターン・センター中央部近傍に形成されたブロック7の隅部71の2つの辺のうち、タイヤ赤道面側の辺が周方向に対し3度の角度で延びている。ブロック7の隅部71、72のうち、踏み込み側の隅部71に隣接する傾斜溝4の溝幅は、蹴り出し側の隅部72に隣接する傾斜溝4の溝幅より狭くなっている。
【0016】
図3に示す本発明に基づく実施例3のタイヤは、タイヤ軸方向に間隔を置いて配置されタイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる複数の周方向溝1、2と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びる多数の方向性傾斜溝4、5とによって、タイヤ周方向と軸方向に間隔を置いて多数のブロック7、8が形成され、方向性傾斜溝4、5の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向Dが指定されている方向性トレッド・パターンを備えている。傾斜溝4は、パターン・センター中央部近傍に配置された周方向溝1から分岐し左右に延びてトレッド端Eに開口し、ブロック7、8の隅部の少なくとも一部の隅部71、72、81には、周方向溝1、2と傾斜溝4、5とによって25度、45度、45度の鋭角が形成され、上記の鋭角が形成されている隅部71、72、81の表面は、先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように、先細先端部から太幅部に向けて20mm、10mm、10mmに亙って面取りされている。周方向溝1、2と傾斜溝4とによって形成されているブロック7の隅部71、72の上記角度が、センター寄りの隅部71ではショルダー寄りの隅部72と比べ相対的に小さくなっている。パターン・センター中央部近傍に形成されたブロック7の隅部71の2つの辺のうち、タイヤ赤道面側の辺が周方向に対し5度の角度で延びている。ブロック7の隅部71、72のうち、踏み込み側の隅部71に隣接する傾斜溝4の溝幅は、蹴り出し側の隅部72に隣接する傾斜溝4の溝幅より狭くなっている。
【0017】
図4は従来例1のタイヤのトレッド・パターンの一部拡大正面図である。
従来例のタイヤは、周方向に直線状に延びる5本の周方向溝と、周方向に対して45度程度の傾斜角度で延びる多数の傾斜溝とによって、タイヤ軸方向および周方向に間隔を置いて多数のブロックが形成されたトレッド・パターンを備えている。
【0018】
本発明に基づく上記実施例1乃至3のタイヤと上記従来例のタイヤについて、濡れた路面を走行したときの排水性能、乾燥した路面での操縦安定性能およびタイヤ騒音性能の評価試験を実施した。
濡れた路面を走行したときの排水性能は水深5mmの濡れた路面を走行したときのハイドロプレーニング発生限界速度をフィーリングで評価したもので、乾燥した路面での操縦安定性能は乾燥した状態のサーキット・コースを各種走行モードによりスポーツ走行したときのテスト・ドライバイーによるフィーリングで評価したもので、タイヤ騒音性能は、直線平滑路を100km/hから惰行したときの車内音をフィーリングで評価したものである。
【0019】
上記の評価試験の結果では、上記従来例のタイヤを100とすると本発明に基づく上記実施例1、2および3のタイヤは、乾燥した路面での操縦安定性能が110、105および100であり、タイヤ騒音性能が100、105および120であった。一方、濡れた路面を走行したときの排水性能は、上記従来例のタイヤを100とすると、本発明に基づく上記実施例1、2および3のタイヤは130、125および110であった。
【0020】
【発明の効果】
上記の結果から、本発明によって、乾燥した路面での操縦安定性能およびタイヤ騒音性能を低下することなく、濡れた路面を走行したときの排水性能に優れた乗用車用空気入りラジアル・タイヤが得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタイヤのトレッド・パターンの一部拡大正面図である。
【図2】本発明によるタイヤのトレッド・パターンの一部拡大正面図である。
【図3】本発明によるタイヤのトレッド・パターンの一部拡大正面図である。
【図4】従来例のタイヤのトレッド・パターンの一部拡大正面図である。
【符号の説明】
1、2、3 傾斜溝
4、5、6 周方向溝
7、8、9 ブロック
D タイヤ回転方向
E トレッド端

Claims (4)

  1. タイヤ軸方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に平行またはほぼ平行に延びる複数の周方向溝と、タイヤ周方向に間隔を置いて配置され、タイヤ周方向に傾斜した方向に延びる多数の方向性傾斜溝とによって、タイヤ周方向と軸方向に間隔を置いて多数のブロックが形成され、該方向性傾斜溝の溝が延びる部分のタイヤ赤道面に近い側が先に接地して、赤道面に遠い側が後に接地するように車両に装着する際のタイヤの回転方向が指定されているトレッド・パターンを備えた空気入りタイヤにおいて、(1)該方向性傾斜溝の少なくとも一部は、パターン・センター中央部近傍に配置された該周方向溝から分岐し左右に延びてトレッド端に開口し、(2)該ブロックの隅部の少なくとも一部には、該周方向溝と該方向性傾斜溝とによって10乃至60度の鋭角が形成され、(3)上記10乃至60度の鋭角が形成されている隅部の表面は、踏み込み端部も蹴りだし端部も、先細先端部から太幅部に向けて徐々に浅くなるように、先細先端部から太幅部に向けて10乃至30mmに亙って面取りされていることを特徴とする高運動性乗用車用空気入りラジアル・タイヤ。
  2. 該周方向溝と該方向性傾斜溝とによって形成されている該ブロックの隅部の上記角度が、センター寄りの隅部ではショルダー寄りの隅部と比べ相対的に小さいことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. パターン・センター中央部近傍に形成された該ブロックの隅部の2つの辺のうち、タイヤ赤道面側の辺が周方向に対し0乃至20度の角度で延びていることを特徴とする請求項1乃至2記載の空気入りタイヤ。
  4. 10乃至60度の鋭角が形成されている該隅部のうち、踏み込み側の隅部に隣接する該方向性傾斜溝の溝幅は、蹴り出し側の隅部に隣接する該方向性傾斜溝の溝幅より狭いことを特徴とする請求項1乃至3記載の空気入りタイヤ。
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