JP4442010B2 - 自動販売機におけるコラムチェンジ方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動販売機におけるコラムチェンジ方法に関し、詳しくは、自動販売機への商品入替えのためのコラムチェンジおよびこれに付随する見本缶の配置作業を行うオペレータ業務を支援するための自動販売機におけるコラムチェンジ方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、自動販売機においては、設置場所、季節、嗜好の変化、人の流れ等種々の要因で売れ筋商品が変化するため、常に売れ筋商品を死に筋商品（売れ行きの悪い商品）と入替える、いわゆるコラムチェンジを行う必要がある。また、それに伴って見本缶のレイアウトの変更を行うと共に、必要に応じてコラムと価格の対応付け、コラムと商品コードの対応付け、冷温表示の切替え等の各種設定条件の変更操作を行う必要がある。従来は、このような操作は、オペレータ（作業者）が経験に基づいて勘で操作していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、売れ筋商品および死に筋商品は自動販売機毎に異なり、しかも商品を収納するコラムと見本缶とは１対１で対応しているとは限らず、最適商品をコラムに入れ替え、同時に見本缶のレイアウトを最適に設定することはオペレータにとって困難な作業であり、特に次々と新商品も登場するため、オペレータのコラムチェンジ業務は非常に煩雑になってきている。さらに、見本缶のレイアウトは売れ行きに大きな影響があるため、最適の見本缶レイアウトが求められるが、オペレータが勘だけで判断するのは困難であった。したがって、従来は熟練したオペレータでないとコラムチェンジ業務は困難であった。
【０００４】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、自動販売機毎の商品売上情報に基づいて商品のコラム配置および見本缶レイアウトをコンピュータで作成し、この作成結果をオペレータが利用可能のハンドヘルドターミナルまたは帳票に出力することにより、オペレータの勘に頼らず最適のコラム配置および見本缶レイアウトに係る作業指示を行うことができ、初心者のオペレータでも簡単かつ適切にコラムチェンジが可能な自動販売機におけるコラムチェンジ方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の自動販売機におけるコラムチェンジ方法は、コンピュータにより自動販売機毎の商品売上情報を収集してこの情報に基づいて売れ筋商品および死に筋商品を分析し、この分析結果に基づいて前記コンピュータで当該自動販売機における商品のコラム配置および見本缶レイアウトを作成し、この作成結果を前記コンピュータが自動販売機の制御部へ送信可能なハンドヘルドターミナルに出力し、該ハンドヘルドターミナルで自動販売機のコラム配置および見本缶レイアウトに係る作業指示を行うことを特徴とする。
【０００６】
また、前記分析結果に基づいて、コラムと商品選択ボタンとの対応設定、コラム別商品コード設定、コラム別販売価格設定、または交互販売グループ設定を含む自動販売機設定条件を前記コンピュータで作成し前記ハンドヘルドターミナルへ出力するようにすることができる。
【０００７】
また、前記ハンドヘルドターミナルは、画面表示可能な表示部と、入力部と、自動販売機の制御部へ前記コンピュータから出力される商品のコラム配置および見本缶レイアウトの作成結果を送信可能な通信部と、前記コンピュータから出力される商品のコラム配置および見本缶レイアウトの作成結果を記憶する記憶装置とを備えた構成とすることができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の自動販売機におけるコラムチェンジ方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【０００９】
図１は、自動販売機の制御部と、この制御部をリモコン操作するハンドヘルドターミナル（ＨＨＴ）のブロック図である。自動販売機の制御部１は、通信部２と、記憶装置３と、選択ボタン設定部４と、自動販売機内の庫の冷熱制御部５と、これら全体を制御する制御装置６とで概略構成されている。また、ハンドヘルドターミナル１０は、通信部１１と、記憶装置１２と、表示部１３と、入力部１４と、制御装置１５とで概略構成されている。ハンドヘルドターミナル１０は自動販売機のオペレータが携帯可能の端末機器であって、液晶等の表示部１３およびタッチパネル等の入力部１４が外側に設けられている。
【００１０】
図２は、上記ハンドヘルドターミナル１０への設定方法を示すフローチャートである。
自動販売機を管理する営業所等のセンターでは、各自動販売機の商品売上情報（ＰＯＳ情報）を収集する（ステップＳ１）。この収集方法は、センターで集中管理している場合はオンラインで行われるが、それ以外の場合はルートマンが収集した情報に基づくオフラインで行われる。この商品売上情報をセンターのコンピュータ１５に入力し、売れ筋商品と死に筋商品の分析を行う（ステップＳ２）。この分析結果に基づいて、センターの管理者が販売商品の決定を行う（ステップＳ３）。
【００１１】
次に、各自動販売機毎にコラム最適化設定を行う（ステップＳ４）。すなわち、自動販売機内のコラムへの商品配置、およびこれに付随する見本缶のレイアウトをコンピュータ１５で作成する。この際、分析結果に基づいて、自動販売機への各種設定条件、例えば商品選択ボタン毎の商品の対応、コラム毎の商品の対応、庫毎の冷熱状態等も作成される。そして、この作成結果に基づいてハンドヘルドターミナルへ出力１０するか、または後述のように帳票に出力する。ハンドヘルドターミナル１０では記憶装置１２に上記の作成結果が格納される。
【００１２】
次に、図３のフローチャートにより、ハンドヘルドターミナルを使用してオペレータが自動販売機のコラムチェンジ業務を行う場合の動作を説明する。なお、以下の入力操作は入力部（タッチパネル）１４へのタッチ操作で行われる。
【００１３】
オペレータがハンドヘルドターミナル１０の入力部１４をタッチ操作することにより、操作を開始、ハンドヘルドターミナル１０の表示部１３に起動画面が表示される（ステップＳ１１）。通信部１１の動作のためのタッチ操作を行うと、通信部１１から自動販売機１の通信部２へ赤外線通信等のリモコン通信手段により通信が開始される。次に、タッチ操作すると、表示部１３に、前記コンピュータ１５で設定した見本缶のレイアウトがグラフィカルに画面表示される（ステップＳ１２）。オペレータは、その画面に従って自動販売機の前面の見本缶の配置替えを行う。
【００１４】
次に、入力部１４をタッチ操作すると、自動販売機の庫の冷熱状態の切替指示画面が表示される（ステップＳ１３）。オペレータは、その指示に従って庫毎に冷却または加熱に切替える。この冷熱切替指示も赤外線通信で行うこともできる。
【００１５】
次に、タッチ操作すると、コラムチェンジモード選択画面が表示される（ステップＳ１４）。このとき、通信部１１の動作のためのタッチ操作を行うと、通信部１１から自動販売機１の通信部２へ通信が行われ、ステップＳ１４のコラムチェンジモードが記憶装置３に格納され、コラム設定が行われる。このコラム設定は、例えばコラムと自動販売商品選択ボタンとの対応設定、コラム別商品コード設定、コラム別販売価格設定、あるいは交互販売グループ設定（同一商品を複数のコラムに収納した場合、販売に偏りが出ないように交互に販売する設定）等の項目からなり、これらの設定条件が記憶装置３に格納される。なお、この設定項目の種類は任意であり、これに限定するものではない。
【００１６】
次に、タッチ操作により表示部１３に商品の排出・補充指示画面が表示され、商品の排出・補充をガイダンスするための手順の決め方を指示する。上述のセンターのコンピュータ１５からの指示と自動販売機の現コラム別商品コード情報を比較し、差分から手順を導き出す。そして、前記ステップＳ１４で決定した手順に従い、ハンドヘルドターミナルがステップ順に、（１）排出、（２）補充、（３）排出・補充の指示画面を順番に表示する。
【００１７】
次に、タッチ操作により、自動設定指定画面が表示部１３に表示され、通信部１１の動作のためのタッチ操作を行うと、自動販売機１の記憶装置３には、商品選択ボタンとコラム対応、コラム別商品コード、コラム別販売価格、交互販売（同一商品の見本缶を複数配置した場合、販売に偏りがでないように交互に販売する設定）等の自動設定が行われる（ステップＳ１６）。
【００１８】
最後に、タッチ操作により、表示部１３に終了画面が表示される（ステップＳ１７）。この画面で確認作業のためのタッチ操作を行うと、見本缶配置確認画面（ステップＳ１８）およびコラム状態確認画面（ステップＳ１９）がグラフィカルに表示され、見本缶レイアウトが正確に行われたか否か、コラムへの商品入れ替えが正確に行われたか否かを確認することができる。
【００１９】
一方、上述のようにセンターのコンピュータ１５での作成結果に基づいて帳票として出力する場合は、上記フローチャートで示した各画面が帳票に表示され、オペレータはこの帳票を見ながら自動販売機のコラムへ商品の入れ替えを行うと共に、見本缶のレイアウトに従って見本缶の配置換えを行い、かつ上述した各種条件の設定を手動で行う。
【００２０】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、自動販売機毎の商品売上情報に基づいて商品のコラム配置および見本缶レイアウトをコンピュータで作成し、この作成結果を自動販売機のオペレータが利用可能のハンドヘルドターミナルに出力することにより、オペレータはこのハンドヘルドターミナルで自動販売機に最適のコラム配置および見本缶レイアウトを自動設定することができ、オペレータの勘に頼ることなく、自動販売機のコラムチェンジ業務を少ない労力で正確に行うことができる。
【００２１】
また、ハンドヘルドターミナルの代わりに帳票に出力することにより、オペレータはこの帳票を見ながら自動販売機に最適のコラム配置および見本缶レイアウトを設定することができ、同様にオペレータの勘に頼ることなく、自動販売機のコラムチェンジ業務を少ない労力で正確に行うことができる。
【００２２】
また、ロケーションの応じた最適のコラムチェンジが行えることで、商品の売上げも向上すると共に、コラムチェンジ後の売上げをフィードバックすることにより、さらに最適のコラムチェンジを行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】ハンドヘルドターミナルおよび自動販売機のシステム構成を示すブロック図である。
【図２】商品売上情報に基づくコラム最適化作成工程を示すフローチャートである。
【図３】ハンドヘルドターミナルの操作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
１ 自動販売機の制御部
１０ ハンドヘルドターミナル
１１ 通信部
１２ 記憶装置
１３ 表示部
１４ 入力部
１５ 制御装置
１６ コンピュータ

Claims (3)

1. コンピュータにより自動販売機毎の商品売上情報を収集してこの情報に基づいて売れ筋商品および死に筋商品を分析し、この分析結果に基づいて前記コンピュータで当該自動販売機における商品のコラム配置および見本缶レイアウトを作成し、この作成結果を前記コンピュータが自動販売機の制御部へ送信可能なハンドヘルドターミナルに出力し、該ハンドヘルドターミナルで自動販売機のコラム配置および見本缶レイアウトに係る作業指示を行うことを特徴とする自動販売機におけるコラムチェンジ方法。
2. 前記分析結果に基づいて、コラムと商品選択ボタンとの対応設定、コラム別商品コード設定、コラム別販売価格設定、または交互販売グループ設定を含む自動販売機設定条件を前記コンピュータで作成し前記ハンドヘルドターミナルへ出力することを特徴とする請求項１記載の自動販売機におけるコラムチェンジ方法。
3. 前記ハンドヘルドターミナルは、画面表示可能な表示部と、入力部と、自動販売機の制御部へ前記コンピュータから出力される商品のコラム配置および見本缶レイアウトの作成結果を送信可能な通信部と、前記コンピュータから出力される商品のコラム配置および見本缶レイアウトの作成結果を記憶する記憶装置とを備えたことを特徴とする請求項１または２記載の自動販売機におけるコラムチェンジ方法。

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