JP4439043B2 - 出入口付きシャッター装置及びそのシャッターカーテン製造方法 - Google Patents

出入口付きシャッター装置及びそのシャッターカーテン製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物等に設置され、シャッターカーテンがその設置箇所で開閉動作のうち少なくとも閉じ動作するシャッター装置に係り、特に、シャッターカーテンに閉鎖部材で開放、閉鎖される出入口が形成されているシャッター装置に係り、例えば、シャッターカーテンがシートで形成されているシャッター装置に利用できるものである。
【0002】
【背景技術】
建物内に防災区画の形成のために設置されるシャッター装置には、天井裏に配置される巻取軸から繰り出され、巻き取られることにより開閉動作を行うシャッターカーテンの全部又は一部を耐火性シートで形成したものがある。また、この防災用シャッター装置には、防火、防煙のため閉じ動作が主要な動作になっているシャッターカーテンに閉鎖部材で開放自在に閉鎖される出入口を設け、火災時等の非常時にこの出入口から脱出できるようにしたものもある。
【0003】
このように、シャッターカーテンに閉鎖部材で開放自在に閉鎖される出入口を設けた従来の出入口付きシャッター装置では、シャッターカーテンの基本部分を形成しているカーテン基本部材の全体又は主要部が耐火性シートで形成されているとともに、閉鎖部材も耐火性シートで形成されている。また、シャッターカーテンのカーテン基本部材は、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの金属製の中桟よりも上側の耐火性シートと、この中桟よりも下側の耐火性シートとで形成され、中桟によって上側の耐火性シートに連結される下側の耐火性シートをシャッターカーテンの幅方向に間隔を開けて複数設けることにより、この間隔の部分が出入口となっていた。この出入口と対応する箇所には上記閉鎖部材である閉鎖用耐火性シートが配置され、この閉鎖用耐火性シートの上辺部を上記中桟に取り付けることにより、出入口は閉鎖用耐火性シートで閉鎖され、この閉鎖用耐火性シートをめくることによって出入口が開放され、この出入口から人がシャッターカーテンを通過できるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の出入口付きシャッター装置のシャッターカーテンでは、出入口を開放自在に閉鎖するための閉鎖用耐火性シートをシャッターカーテンのカーテン基本部材に取り付けるためには、カーテン基本部材にシャッターカーテンの全幅に亘る長さとなった中桟を設けなければならなかった。これによると、耐火性シート以外に、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟のための金属材料を用意し、この金属材料から形成された中桟を介してカーテン基本部材を形成する前記上側の耐火性シートと前記下側の耐火性シートとを連結する作業、及び中桟に閉鎖用耐火性シートの上辺部を取り付ける作業などを行わなければならず、使用する材料量及び作業工数の点で問題があった。
【0005】
特に、出入口付きシャッター装置がシャッターカーテンの幅寸法が大きい大スパン用のものである場合には、中桟用の金属材料使用量が一層多くなり、中桟をシャッターカーテンの全幅を通して連続したものとすることも難しく、また、中桟を介して上側の耐火性シートと下側の耐火性シートとを連結するための作業や、中桟に閉鎖用耐火性シートを取り付けための作業に一層多くの手間がかかり、作業効率を低下させることになってしまう。
【0006】
本発明の目的は、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材を省略できるようになる出入口付きシャッター装置及びそのシャッターカーテン製造方法を提供するところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る出入口付きシャッター装置は、開閉動作のうち少なくとも閉動作するシャッターカーテンが、カーテン基本部材と、通り抜け可能な出入口と、前記カーテン基本部材に取り付けられ、前記出入口を開放自在に閉鎖する閉鎖部材とを有して形成された出入口付きシャッター装置において、前記閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部が前記カーテン基本部材に直接結合されていることを特徴とするものである。
【0008】
この出入口付きシャッター装置によると、出入口を開放自在に閉鎖する閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部がカーテン基本部材に直接結合されているため、すなわち、閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部がカーテン基本部材に直接接触して結合されているため、シャッターカーテンに出入口を開放、閉鎖するための閉鎖部材を設ける場合に、カーテン基本部材に閉鎖部材を取り付けるための中桟又はこの中桟と同様な部材は不要になり、このため、使用する材料の削減、シャッターカーテンの製造のための作業の簡単化を図ることができるようになる。
【0009】
ここで、カーテン基本部材へ閉鎖部材を結合する手段は、カーテン基本部材と閉鎖部材のうちの少なくとも一方が耐火性を有する又は有しないシートで形成されている場合には、縫着でもよく、接着でもよく、リベット、ボルト・ナット、ビス等の止着具を使用した止着でもよく、溶着でもよく、ファスナーを使用した結合でもよい。カーテン基本部材と閉鎖部材のうちの少なくとも一方がシート以外の材料、例えば、金属で形成されている場合には、接着でもよく、リベット、ボルト・ナット、ビス等の止着具を使用した止着でもよく、溶着でもよく、ファスナーを使用した結合でもよい。
【0010】
また、閉鎖部材はカーテン基本部材の表面又は裏面だけに設けてもよく、表裏両面に設けてもよい。閉鎖部材をカーテン基本部材の表裏両面に設ける場合には、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を1枚とする場合と、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を複数枚とする場合と、表裏のいずれか一方については閉鎖部材を1枚とし、他方については閉鎖部材を複数枚とする場合とを含む。
【0011】
閉鎖部材をカーテン基本部材の表裏両面に設ける場合には、表裏両面に設けたこれらの閉鎖部材のカーテン基本部材への結合箇所を一致させてもよく、これらの閉鎖部材のカーテン基本部材への結合箇所をずらしてもよい。
【0012】
カーテン基本部材の表裏両面に設けた閉鎖部材をカーテン基本部材に結合箇所を一致させて結合するようにした場合には、これらの閉鎖部材をカーテン基本部材に同時に結合できるという効果を得られる。
【0013】
また、カーテン基本部材の表裏両面に設けた閉鎖部材をカーテン基本部材に結合箇所をずらして結合するようにした場合には、閉鎖部材やカーテン基本部材の厚さ等のため、表裏両面に設けたこれらの閉鎖部材をカーテン基本部材に同時に結合できないときに、カーテン基本部材への閉鎖部材の結合を表裏の閉鎖部材ごとに行えるという効果を得られる。
【0014】
また、閉鎖部材のカーテン基本部材への結合は、閉鎖部材における上辺部等の一つの端辺部だけについて行ってもよく、この一つの端辺部と、この端辺部の両端から角度をなして延びる他の端辺部における前記一つの端辺部との接続隣接部分とについて行ってもよい。
【0015】
後者にすると、閉鎖部材のカーテン基本部材への結合強度を大きくできる。
【0016】
また、本発明に係る出入口付きシャッター装置は、開閉動作のうち少なくとも閉動作するシャッターカーテンが、カーテン基本部材と、通り抜け可能な出入口と、前記カーテン基本部材に取り付けられ、前記出入口を開放自在に閉鎖する閉鎖部材とを有して形成された出入口付きシャッター装置において、前記閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部が前記シャッターカーテンの幅寸法よりも短い長さを有している押え部材で前記カーテン基本部材に押し付けられ、前記閉鎖部材の端辺部と前記押え部材とを貫通する止着具により、前記閉鎖部材がカーテン基本部材に結合されていることを特徴とするものである。
【0017】
このシャッター装置によると、閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部をカーテン基本部材に押し付ける押え部材が使用されているが、この押え部材はシャッターカーテンの幅寸法よりも短い長さになっているため、従来使用されていたシャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材は不要になり、それだけ使用材料を削減できる。また、閉鎖部材のカーテン基本部材への結合は、閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部と押え部材とに止着具を貫通させるだけでよいため、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材を使用した場合よりも、シャッターカーテンを製造するために必要な作業を簡単化できる。
【0018】
このシャッター装置において、押え部材を閉鎖部材の幅寸法と同じ又はほぼ同じ長さの長寸のものとしてもよく、あるいは、座金等のように短寸のものとし、この短寸の押え部材を閉鎖部材におけるカーテン基本部材に結合される端辺部の長さ方向に複数設けるようにしてもよい。
【0019】
この出入口付きシャッター装置でも、閉鎖部材をカーテン基本部材の表面又は裏面だけに設けてもよく、表裏両面に設けてもよい。閉鎖部材をカーテン基本部材の表裏両面に設ける場合には、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を1枚とする場合と、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を複数枚とする場合と、表裏のいずれか一方については閉鎖部材を1枚とし、他方については閉鎖部材を複数枚とする場合とを含む。
【0020】
また、本発明に係る出入口付きシャッター装置は、開閉動作のうち少なくとも閉動作するシャッターカーテンが、カーテン基本部材と、通り抜け可能な出入口と、前記カーテン基本部材に取り付けられ、前記出入口を開放自在に閉鎖する閉鎖部材とを有して形成された出入口付きシャッター装置において、前記閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部が前記シャッターカーテンの幅寸法よりも短い長さを有している芯部材の外周に巻回され、この芯部材に巻回された閉鎖部材の端辺部と前記芯部材とを貫通する止着具により、前記閉鎖部材がカーテン基本部材に結合されていることを特徴とするものである。
【0021】
この出入口付きシャッター装置によると、閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を巻回する芯部材が使用されているが、この芯部材はシャッターカーテンの幅寸法よりも短い長さになっているため、従来使用されていたシャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材は不要になり、それだけ使用材料を削減できる。また、閉鎖部材のカーテン基本部材への結合は、芯部材に巻回された閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部と芯部材とに止着具を貫通させるだけでよいため、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材を使用した場合よりも、シャッターカーテンを製造するために必要な作業を簡単化できる。
【0022】
さらに、このシャッター装置によると、芯部材は閉鎖部材の端辺部で巻回されるため、この芯部材を外部に露出させない構造にできる。
【0023】
また、このシャッター装置でも、芯部材を、前記押え部材と同様に、閉鎖部材の幅寸法と同じ又はほぼ同じ長さの長寸のものとしてもよく、あるいは、座金等のように短寸のものとし、この短寸の芯部材を閉鎖部材におけるカーテン基本部材に結合される端辺部の長さ方向に複数設けるようにしてもよい。
【0024】
そして、この出入口付きシャッター装置でも、閉鎖部材をカーテン基本部材の表面又は裏面だけに設けてもよく、表裏両面に設けてもよい。閉鎖部材をカーテン基本部材の表裏両面に設ける場合には、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を1枚とする場合と、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を複数枚とする場合と、表裏のいずれか一方については閉鎖部材を1枚とし、他方については閉鎖部材を複数枚とする場合とを含む。
【0025】
さらに、本発明に係る出入口付きシャッター装置は、開閉動作のうち少なくとも閉動作するシャッターカーテンが、カーテン基本部材と、通り抜け可能な出入口と、前記カーテン基本部材に取り付けられ、前記出入口を開放自在に閉鎖する閉鎖部材とを有して形成された出入口付きシャッター装置において、前記カーテン基本部材に前記シャッターカーテンの幅寸法よりも短い長さを有している係止部材が取り付けられ、この係止部材に前記閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部が係止されることによりこの閉鎖部材が前記カーテン基本部材に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0026】
この出入口付きシャッター装置によっても、閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を係止するための係止部材が使用されているが、この係止部材はシャッターカーテンの幅寸法よりも短い長さになっているため、従来使用されていたシャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材は不要になり、それだけ使用材料を削減できる。また、閉鎖部材のカーテン基本部材への結合は、カーテン基本部材に取り付けられた係止部材に閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を係止するだけでよいため、出入口付きのシャッターカーテンの製造を容易化できる。
【0027】
また、この出入口付きシャッター装置によると、係止部材に係止されている閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を係止部材の係止から外すと、閉鎖部材をカーテン基本部材から容易に取り外すことができるため、閉鎖部材の交換を簡単に行えるという効果を得られる。
【0028】
なお、この出入口付きシャッター装置において、閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を係止部材に係止するとは、カーテン基本部材とこのカーテン基本部材に取り付けられた係止部材との間で、閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を挟着状態で係止することと、係止部材自体に係止部を設け、この係止部に閉鎖部材の一つの端辺部を係止することとを含むものである。
【0029】
また、この出入口付きシャッター装置でも、係止部材を閉鎖部材の幅寸法と同じ又はほぼ同じ長さの長寸のものとしてもよく、あるいは、座金等のように短寸のものとし、この短寸の係止部材を閉鎖部材におけるカーテン基本部材に結合される端辺部の長さ方向に複数設けるようにしてもよい。
【0030】
また、この出入口付きシャッター装置でも、閉鎖部材をカーテン基本部材の表面又は裏面だけに設けてもよく、表裏両面に設けてもよい。閉鎖部材をカーテン基本部材の表裏両面に設ける場合には、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を1枚とする場合と、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を複数枚とする場合と、表裏のいずれか一方については閉鎖部材を1枚とし、他方については閉鎖部材を複数枚とする場合とを含む。
【0031】
また、本発明に係る出入口付きシャッター装置は、開閉動作のうち少なくとも閉動作するシャッターカーテンが、カーテン基本部材と、通り抜け可能な出入口と、前記カーテン基本部材に取り付けられ、前記出入口を開放自在に閉鎖する閉鎖部材とを有して形成された出入口付きシャッター装置において、前記カーテン基本部材は、前記閉鎖部材の幅方向両側に配置された少なくとも2つの基本部材形成用部材を含んで形成され、前記閉鎖部材の幅方向と直角をなす方向の前記閉鎖部材の長さは前記出入口の長さよりも大きく、この閉鎖部材の幅方向両端部が前記基本部材形成用部材に前記閉鎖部材の長さ方向の途中まで結合され、前記基本部材形成用部材に結合されていない前記閉鎖部材のめくり自在な部分と対応する箇所が、このめくり自在な部分で開放自在に閉鎖される前記出入口となっていることを特徴とするものである。
【0032】
この出入口付きシャッター装置によると、閉鎖部材の幅方向両端部が、この閉鎖部材の幅方向両側に配置された少なくとも2つの基本部材形成用部材に閉鎖部材の長さ方向の途中まで結合されることにより、閉鎖部材のめくり自在な部分と対応する箇所が、このめくり自在な部分で開放自在に閉鎖される出入口になっているため、閉鎖部材の幅方向両端部を基本部材形成用部材に閉鎖部材の長さ方向の途中まで結合する作業を行うだけで、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材を使用することなく、シャッターカーテンに出入口と、この出入口を開放、閉鎖自在とする部材とを設けることができる。
【0033】
この出入口付きシャッター装置において、閉鎖部材を1枚とし、これにより出入口を開放、閉鎖自在とする閉鎖部材の部分を1つとしてもよく、また、閉鎖部材を表裏2枚とし、これにより出入口を開放、閉鎖自在とする閉鎖部材の部分を表裏の2つとしてもよい。
【0034】
また、本発明に係る出入口付きシャッター装置のシャッターカーテン製造方法は、複数の基本部材形成用部材の端部同士を結合することによりカーテン基本部材を形成する作業を行う工程と、次いで、このカーテン基本部材の一部を切ることにより通り抜け可能な出入口を形成する作業を行う工程と、この後、この出入口と対応する位置に配置される閉鎖部材で前記出入口を開放、閉鎖自在とするために、この閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を前記カーテン基本部材に直接結合する作業を行う工程と、を有していることを特徴とするものである。
【0035】
このシャッターカーテン製造方法によると、基本部材形成用部材の端部同士の結合で形成されたカーテン基本部材に閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を直接結合することにより、閉鎖部材のカーテン基本部材への取り付けを行うため、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材を使用しなくても、カーテン基本部材に閉鎖部材を取り付けることができる。
【0036】
さらに、本発明に係る出入口付きシャッター装置のシャッターカーテン製造方法は、複数の基本部材形成用部材の端部同士を結合することによりカーテン基本部材を形成する作業、及びこのカーテン基本部材に閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を直接結合する作業を行う工程と、次いで、前記閉鎖部材の配置位置と対応する前記カーテン基本部材の箇所を切る作業を行い、この箇所に、通り抜け可能であって前記閉鎖部材で閉鎖、開放自在となる出入口を形成する作業を行う工程と、を有していることを特徴とするものである。
【0037】
このシャッターカーテン製造方法によっても、基本部材形成用部材の端部同士の結合で形成されたカーテン基本部材に閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を直接結合することにより、閉鎖部材のカーテン基本部材への取り付けを行うため、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材を使用しなくても、カーテン基本部材に閉鎖部材を取り付けることができる。
【0038】
特に、このシャッターカーテン製造方法によると、カーテン基本部材を形成するために基本部材形成用部材の端部同士を結合する作業と、カーテン基本部材に閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を結合する作業とを先に行い、この後、カーテン基本部材における閉鎖部材の配置位置と対応する箇所を切ることにより出入口を形成する作業を行うため、同じ又は同様な機械、器具等を用いて行われる結合作業をまとめて先に行えるようになり、作業効率を向上させることができる。
【0039】
以上の本発明に係る出入口付きシャッター装置のシャッターカーテン製造方法における結合作業は、カーテン基本部材へ閉鎖部材を結合する手段は、カーテン基本部材と閉鎖部材のうちの少なくとも一方とが耐火性を有する又は有しないシートで形成されている場合には、縫着でもよく、接着でもよく、リベット、ボルト・ナット、ビス等の止着具を使用した止着でもよく、溶着でもよく、ファスナーを使用した結合でもよい。カーテン基本部材と閉鎖部材のうちの少なくとも一方がシート以外の材料、例えば、金属で形成されている場合には、接着でもよく、リベット、ボルト・ナット、ビス等の止着具を使用した止着でもよく、溶着でもよく、ファスナーを使用した結合でもよい。
【0040】
また、閉鎖部材をカーテン基本部材の表面又は裏面だけに設けてもよく、表裏両面に設けてもよい。閉鎖部材をカーテン基本部材の表裏両面に設ける場合には、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を1枚とする場合と、表裏両面のそれぞれについて閉鎖部材を複数枚とする場合と、表裏のいずれか一方については閉鎖部材を1枚とし、他方については閉鎖部材を複数枚とする場合とを含む。
【0041】
以上の本発明は、シャッターカーテンの全部又は主要部がシートで形成されているシャッター装置にも、また、スラットの連設や、パネルの連設で形成されているシャッター装置にも適用できる。また、シャッターカーテンの全部又は主要部が、例えば、シート部分とスラットの連設部分との組み合わせ、シート部分とパネルの連設部分との組み合わせなどのように、異種部材を複合させて形成されているシャッター装置にも適用できる。
【0042】
また、シャッターカーテンの開閉動作の方向は垂直方向でもよく、水平方向でもよく、これらの方向に対して傾斜した方向でもよい。
【0043】
さらに、シャッターカーテンがシートを含んで形成されている場合であって、前述したカーテン基本部材、基本部材形成用部材、閉鎖部材がシートで形成されている場合には、これらのカーテン基本部材、基本部材形成用部材、閉鎖部材は1枚のシートからなるものでもよく、あるいは一方向又は複数方向に複数のシートを連続的に結合して形成した1枚仕立てのシートからなるものでもよい。
【0044】
さらに、本発明において、シャッターカーテンに設ける前記出入口は、面積を有する開口部によるものでもよく、1個のスリットによるものでもよく、複数個のスリット、例えば3個のスリットを端部同士を連結させてコ字形状等の直列屈曲状に形成し、これらのスリットで囲まれた部分をめくり自在な開口部としたものでもよい。
【0045】
そして、出入口を以上のように1個又は複数個のスリットによって形成した場合には、閉鎖部材をスリットごとに用意された細幅のものとし、この細幅の閉鎖部材をスリットに被せながらスリットと平行になった一方の長辺部のみをカーテン基本部材に結合し、細幅の閉鎖部材をめくることによりスリットを露出させることができる構造としてもよい。また、出入口を、端部同士を連結させてコ字形状等の直列屈曲状とした複数のスリットで形成した場合には、閉鎖部材をこれらのスリットの全部を覆う1枚のものとしてもよい。
【0046】
また、本発明において、カーテン基本部材の表裏両面に閉鎖部材を設ける場合には、表裏のいずれか一方に設ける閉鎖部材と、他方に設ける閉鎖部材とで、カーテン基本部材に対して閉鎖部材を結合する結合構造を同じにしてもよく、相違させてもよい。
【0047】
そして、シートからなる閉鎖部材をカーテン基本部材に縫着で結合する場合には、閉鎖部材の縫着される部分を1回又は複数回折り返した折返部とし、これにより閉鎖部材の大きな縫着強度を得られるようにしてもよい。
【0048】
また、本発明は、防災用シャッター装置のようにシャッターカーテンが耐火性シートで形成されているシャッター装置にも適用でき、また、工場の出入口に設置されるシャッター装置のように、出入口を高速で開閉するシャッターカーテンが塩化ビニルやウレタン等の合成樹脂製シートで形成されているシャッター装置にも適用でき、任意な目的のためのシャッター装置に適用できる。
【0049】
さらに、本発明は、建物用はもちろんこと、例えば、地下街用や船舶用などのシャッター装置にも適用できる。
【0050】
また、本発明は、小スパンのシャッター装置、すなわちシャッターカーテンの幅寸法が小さいシャッター装置にも適用でき、大スパンのシャッター装置にも適用でき、シャッターカーテンに設ける前記出入口の個数は1個でもよく、複数個でもよい。
【0051】
さらに、シャッターカーテンに複数個の出入口を設ける場合には、出入口の個数に対する前記閉鎖部材の個数は任意であり、例えば、複数個の出入口に対してシャッターカーテンの表裏の少なくとも一方に設ける閉鎖部材をこれらの出入口について共通とした1枚としてもよい。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態に係るシャッター装置の全体を示す正面図で、図2は、図1のII−II線断面図である。初めに、各実施形態に共通するこのシャッター装置の基本的構造、作用を説明する。
【0053】
図1において、建物の天井裏空間Sには左右一対のブラケット1が配置されており、これらのブラケット1は天井裏空間Sに存在する建物躯体に取り付けられ、これらのブラケット1には、シャッター装置のシャッターカーテン2が巻かれた巻取軸3が回転自在に架け渡されている。この実施形態に係わるシャッター装置は、建物内に防災区画を形成し、火災発生時に炎、煙の進行を遮断するための防災用シャッター装置であり、シャッターカーテン2の全部又は主要部は、シリカクロス又はガラスクロス自体又はこれらに耐火塗料を塗布した耐火性シートで形成されている。
【0054】
シャッターカーテン2の左右端部は、天井4より下の室内空間に存在する壁、柱等の不動体5に取り付けられた左右のガイドレール6の内部に挿入され、巻取軸3の正逆回転でシャッターカーテン2が巻取軸3から繰り出され、巻き取られることにより行われるこのシャッターカーテン2の開閉動作は、これらの左右端部がガイドレール6に案内されながら行われる。シャッターカーテン2の左右端部には、これらの左右端部がガイドレール6から抜けるのを防止するためのボルト・ナット等による抜け止め部材7が設けられている。
【0055】
左右一対のブラケット1のうち、一方のブラケット1には開閉機8が取り付けられ、この開閉機8はモータ9とブレーキ10とを組み合わせたものである。モータ9の駆動軸は、スプロケット、チェーンからなる動力伝達手段11を介して巻取軸3に接続されており、この駆動軸の回転はブレーキ10がオン作動することにより止められる構造になっている。
【0056】
シャッターカーテン2の最下部に設けられている座板12は、通常時には、天井4に形成されているシャッターカーテン通過用のまぐさの位置まで上昇しており、このときには、ブレーキ10はオン作動しているため、座板12はまぐさの位置で停止している。火災が発生し、この火災による炎や煙あるいは熱が図示しないセンサで検出されると、このセンサからの信号によりブレーキ10はオフ作動する。この結果、座板12やシャッターカーテン2の重量により、シャッターカーテン2は巻取軸3を回転させながら下降し、シャッターカーテン2が巻取軸3から繰り出されて座板12が床13に達することにより、シャッターカーテン2は全閉状態となる。
【0057】
なお、以上はシャッター装置がセンサを使用した自動閉鎖式である場合であるが、シャッター装置が手動閉鎖式である場合には、火災発生時にレバー等の操作部材が人為的に操作されると、ブレーキ10がオフ作動し、以下同様にして座板12やシャッターカーテン2の重量によってシャッターカーテン2が下降して全閉状態となるようになっている。
【0058】
また、図示しないスイッチを操作するとモータ9は駆動し、これにより、巻取軸3は動力伝達手段11を介して上述のシャッターカーテン2の下降時とは逆方向に回転する。この結果、シャッターカーテン2は巻取軸3に巻き取られて上昇し、座板12がまぐさの位置に達すると、モータ9は停止するとともにブレーキ10はオン作動する。
【0059】
シャッターカーテン2は、シャッターカーテン2の大部分を占め、シャッターカーテン2の基本部分を形成している耐火性シート製のカーテン基本部材15と、このカーテン基本部材15の下部の一部に下辺が開口辺となって形成された出入口である脱出口16と、この脱出口16を開放、閉鎖自在とする耐火性シート製の閉鎖部材17とを含んで形成されている。この閉鎖部材17は、図2で示すようにカーテン基本部材15の表裏に2枚あり、また、図1で示すとおり、脱出口16の下辺に前記座板12が通っている。また、それぞれの閉鎖部材17の袋状となっている下端部にはワイヤ等による形状維持部材18が配置されている。
【0060】
なお、カーテン基本部材15は、例えば、このカーテン基本部材15の大きさに応じて1枚の耐火性シートで形成してもよく、端部同士を結合させた複数枚の耐火性シートで形成してもよい。閉鎖部材17についても同様である。
【0061】
閉鎖部材17の上下寸法及び左右寸法(シャッターカーテン2の幅方向の寸法)は脱出口16よりも大きい。このような寸法を有している閉鎖部材17は、脱出口16よりも左右の外側部分との重ね代及び脱出口16よりも上側の部分との重ね代をもった状態において、脱出口16の箇所に配置されているとともに、閉鎖部材17の一つの端辺部である上辺部は、脱出口16の上側でカーテン基本部材15に縫着により直接結合されている。この縫着部19は耐火性を有する金属製線材を縫い糸としたものであり、図2に示すように、カーテン基本部材15の表裏にある2枚の閉鎖部材17は、縫着部19を一致させてカーテン基本部材15に結合されている。
【0062】
これらの閉鎖部材17は、通常時には脱出口16を閉鎖しているが、縫着部19が設けられた上辺部以外の端辺部においてめくり自在となっているため、脱出口16を開放自在に閉鎖している。このため、火災が発生したシャッターカーテン2の全閉時において、表面側の閉鎖部材17をめくることにより脱出口16を開放して裏面側の閉鎖部材17を押すことにより、人はシャッターカーテン2を通過して火災発生現場又はこれに近い場所から脱出できるようになっている。
【0063】
この実施形態によると、シャッターカーテン2のカーテン基本部材15に閉鎖部材17を取り付けることは、閉鎖部材17をカーテン基本部材15に接触させて行う縫着による直接結合方式によって行われているため、この取り付けのために、シャッターカーテン2の全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材を使用する必要がなくなり、材料使用量及び使用材料種類の点で有利となる。また、縫着によってカーテン基本部材15に閉鎖部材17を簡単に取り付けることができ、閉鎖部部材17を備えたシャッターカーテン2の製造作業を容易化できる。
【0064】
また、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟を使用した場合には、この中桟は重量物であるため、前述のとおり座板12が天井4のまぐさの位置に達しているシャッターカーテン2の全開時に、中桟がシャッターカーテン2の大部分を巻き取った巻取軸3の中心に対し座板12とは反対側の位置にあると、火災発生でシャッターカーテンが座板等の自重で下降しようとしても、この中桟の重量と座板等の重量とが均衡してしまい、このため、シャッターカーテンが円滑に下降しないおそれがあるが、この実施形態では、このような中桟を使用していないため、シャッターカーテン2の円滑な下降を確保できる。
【0065】
また、この実施形態では、カーテン基本部材15の表裏に2枚ある閉鎖部材17は、これらの閉鎖部材17について同一箇所とした縫着部19でカーテン基本部材15に結合されているため、縫着により2枚の閉鎖部材17をカーテン基本部材15に結合する作業を同時に行える。
【0066】
図3は、第2実施形態を示す。この実施形態でもカーテン基本部材15の表裏に2枚の耐火性シート製の閉鎖部材20が配置され、それぞれ閉鎖部材20の上辺部が縫着部21でカーテン基本部材15に直接結合されているが、2枚の閉鎖部材20の縫着部21は一致しておらず、上下にずれている。
【0067】
この実施形態によると、カーテン基本部材15、閉鎖部材17を形成している耐火性シートの厚さが厚く、したがって、2枚の閉鎖部材17をカーテン基本部材15に同時の縫着できない場合に、この縫着を1枚1枚の閉鎖部材17ごとに行えるようになる。
【0068】
図4は、第3実施形態を示す。この実施形態では、カーテン基本部材15の表裏に2枚ある耐火性シート製の閉鎖部材22の上辺部が、水平の縫着部23でカーテン基本部材15に結合されているとともに、この上辺部の両端から下向きに延びる左右両側辺部における上辺部との接続隣接部分も、垂直の縫着部24でカーテン基本部材15に結合されている。
【0069】
すなわち、この実施形態では、閉鎖部材22はカーテン基本部材15に1個の縫着部23と2個の縫着部24で直接結合されているため、その結合強度を大きくできる。
【0070】
図5は、第4実施形態を示し、図6は、図5のVI−VI線断面図である。図6に示すとおり、カーテン基本部材15の表裏に2枚ある耐火性シート製の閉鎖部材25のそれぞれの上辺部は、金属又は耐熱性を有する合成樹脂等による押え部材26でカーテン基本部材15に押し付けられている。この押え部材26は、図5から理解できるように、閉鎖部材25の幅寸法と同じ又はほぼ同じ長さになっている。
【0071】
図6に示すとおり、それぞれの押え部材26で押えられた閉鎖部材25の上辺部とそれぞれの押え部材26とに止着具であるボルト27が貫通し、このボルト27は両押え部材26の間のカーテン基本部材15にも貫通し、ボルト27の先端にナット28が螺合されている。図5に示されているように、このボルト27、ナット28は閉鎖部材25の幅方向に複数設けられ、これらのボルト27、ナット28で閉鎖部材25の上辺部はカーテン基本部材15に結合されている。
【0072】
この実施形態によると、シャッターカーテン2の幅方向に延びる押え部材26が使用されているが、この押え部材26の長さは閉鎖部材25の幅寸法と対応し、シャッターカーテン2の全幅に亘る長さになっていないため、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様の部材を使用した場合よりも材料使用量を少なくできる。また、押え部材26の長さはそれ程長くならず、したがってその重量はそれ程重くならないため、シャッターカーテン2の全開時に押え部材26が巻取軸3の中心に対し座板12とは反対側の位置にあったとしても、この押え部材26は座板12の重量と均衡する重量物とはならない。このため、火災発生時に座板12等の重量でシャッターカーテン2は円滑に下降する。
【0073】
また、この実施形態によると、閉鎖部材25をカーテン基本部材15に取り付けるためには、閉鎖部材25の上辺部と押え部材26とに孔明け加工で貫通孔を形成するとともに、カーテン基本部材15にも貫通孔を形成し、これらの貫通孔にボルト27を挿通させてナット28を螺合するだけでよく、この取付作業を簡単に行える。
【0074】
また、ボルト27は両方の閉鎖部材25の上辺部と両方の押え部材26とを貫通するものとなっているため、2枚の閉鎖部材25のカーテン基本部材15への取り付けを共通のボルト27で同時に行える。
【0075】
図7は、第5実施形態を示す。この実施形態でも閉鎖部材の上辺部を閉鎖部材の幅寸法と同じ又はほぼ同じ長さになっている部材を用いてカーテン基本部材に結合しているため、第4実施形態と実質的に同じ部材には第4実施形態と同一の符号を付している。すなわち、25は閉鎖部材、27はボルト、28はナットである。
【0076】
カーテン基本部材15の表裏に配置されているそれぞれの閉鎖部材25の上辺部は、閉鎖部材25の幅寸法と同じ又はほぼ同じ長さになっている金属又は耐熱性を有する合成樹脂等による芯部材26’の外周に巻回され、これらの芯部材26’とそれぞれの芯部材26’に巻回された閉鎖部材25の上辺部とにボルト27が貫通し、このボルト27は両芯部材26’の間のカーテン基本部材15にも貫通し、ボルト27の先端にナット28が螺合されている。このボルト27、ナット28は、第4実施形態と同じく、閉鎖部材25の幅方向に複数設けられている。
【0077】
この実施形態によると、第4実施形態と同様の効果を得られるとともに、芯部材26’の外周の全部に閉鎖部材25の上辺部が巻回され、そしてこれらにボルト27が貫通しているため、ボルト27、ナット28によるカーテン基本部材15への閉鎖部材25の取付強度を大きくでき、また、金属又は硬質合成樹脂からなる芯部材26’を外部に露出させない構造とすることができる。
【0078】
図8は、第6実施形態を示す。この実施形態では、カーテン基本部材15に耐火性シート製の閉鎖部材30の上辺部を取り付けるために、金属又は耐熱性を有する合成樹脂等からなる係止部材31が使用されている。この係止部材31は、カーテン基本部材15に当てがわれた平板状部31Aと、この平板状部31Aの下部に形成され、カーテン基本部材15から離れる側に膨出した膨出部31Bとからなり、膨出部31Bの先端とカーテン基本部材15との間には、閉鎖部材30の2枚分程度の厚さと同じ大きさの隙間Aが設けられている。
【0079】
閉鎖部材30の上辺部は折り返されて縫着された袋状部となっており、この袋状部の内部にワイヤ等による線材32が挿入されている。このため、閉鎖部材30の上辺部は線材32で膨らんでいることから、係止部材31に対する被係止部30Aとなっている。
【0080】
カーテン基本部材15の表裏に2枚配置されるそれぞれの閉鎖部材30に被係止部30Aが形成され、この被係止部30Aで閉鎖部材30をカーテン基本部材15の取り付けるための係止部材31も2個用意されている。これらの係止部材31の長さは、図6の押え部材26、図7の芯部材26’と同じく、閉鎖部材30の幅寸法と同じ又はほぼ同じである。
【0081】
閉鎖部材30をカーテン基本部材16に取り付けるときは、先ず、閉鎖部材30の被係止部30Aを係止部材31の膨出部31Bの内部に入れながら、係止部材31の平板状部31Aをカーテン基本部材15に当てがい、カーテン基本部材15の表裏両面に当てがった2個の係止部材31の平板状部31Aとカーテン基本部材15とに止着具であるボルト33を挿通し、ボルト33の先端にナット34を螺合する。係止部材31の長さ方向にこのようなボルト33、ナット34を複数設けることにより、係止部材31をカーテン基本部材15に取り付ける。
【0082】
ボルト33、ナット34で係止部材31をカーテン基本部材15に取り付けたときには、閉鎖部材30の被係止部30Aは、係止部材31の膨出部31Bとカーテン基本部材15とで挟着された状態で係止部材31に係止されており、これにより、閉鎖部材30は係止部材31を介してカーテン基本部材15に取り付けられたことになる。
【0083】
この実施形態でも、シャッターカーテン2の幅方向に延びる係止部材31が使用されているが、この係止部材31の長さは、図6の押え部材26、図7の芯部材26’と同じく、閉鎖部材25の幅寸法と対応し、シャッターカーテン2の全幅に亘る長さになっていないため、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様の部材を使用した場合よりも材料使用量を少なくできる。また、係止部材31の長さはそれ程長くならず、その重量はそれ程重くならないため、シャッターカーテン2の全開時に係止部材31がたとえ巻取軸3の中心に対し座板12とは反対側の位置にあったとしても、火災発生時に座板12等の重量でシャッターカーテン2は円滑に下降する。
【0084】
また、この実施形態によると、係止部材31をボルト33、ナット34でカーテン基本部材15に取り付けると同時に、係止部材31による係止作用で閉鎖部材30をカーテン基本部材15に取り付けることができ、この取付作業を簡単に行える。また、ボルト33、ナット34はカーテン基本部材15の両側に配置された2個の係止部材31について共通となった止着具になっているため、2枚の閉鎖部材30をカーテン基本部材15に同時に取り付けることができる。
【0085】
特に、この実施形態によると、ボルト33、ナット34を緩めると、閉鎖部材30の被係止部30Aを係止部材31の係止から容易に解除することができ、また、ボルト33、ナット34の締め付けを行うと、係止部材31に閉鎖部材30の被係止部30Aを簡単に係止することができるため、閉鎖部材30が破損等したときに、その交換作業を容易に行えるという利点を得られる。
【0086】
図9は、第7実施形態を示す。この実施形態でも、カーテン基本部材15の表裏に2枚設けられる耐火性シート製の閉鎖部材35は、上辺部が水平の縫着部36で直接結合されることにより、カーテン基本部材15に取り付けられている。そして、この実施形態では、2枚の閉鎖部材35は幅方向中央で上下方向に延びる縫着部37で互いに結合されている。
【0087】
この実施形態によると、2枚の閉鎖部材35は縫着部37によって一体性が高まり、したがって、火災発生時の炎や煙等の圧力で閉鎖部材35が振れ動くのを防止でき、脱出口16を煙等が通過するのを阻止できる。また、人が脱出口16を通り抜けて火災発生場所等から脱出しようとした場合には、閉鎖部材35のうち、縫着部37で仕切られている左右のいずれかの一方の部分をめくって脱出することになり、このため、全閉時のシャッターカーテン2の遮断性を向上させることができる。
【0088】
なお、この実施形態の閉鎖部材35は、上辺部が縫着部36でカーテン基本部材15に結合されることによりカーテン基本部材15に取り付けられていたが、以上のように表裏2枚の閉鎖部材35同士を上下方向に延びる縫着部37で結合することは、これまで説明した図3の実施形態、図4の実施形態、図5と図6の実施形態、図7の実施形態、図8の実施形態のように閉鎖部材をカーテン基本部材15に取り付けた場合にも実施できる。
【0089】
図10は、第8実施形態を示す。この実施形態でも、カーテン基本部材15の表裏に2枚設けられる耐火性シート製の閉鎖部材40は、上辺部が水平の縫着部41で直接結合されることにより、カーテン基本部材15に取り付けられている。そして、この実施形態では、それぞれの閉鎖部材40の表面又は裏面に幅方向に延びる袋状部が上下方向に複数設けられ、それぞれの袋状部にワイヤ等による形状維持部材42が挿入されている。
【0090】
この実施形態によると、閉鎖部材40がシート製であっても、閉鎖部材40が複数の線状の形状維持部材42を備えたことにより、閉鎖部材40は、火災発生時の炎や煙の圧力に対して、また閉鎖部材40をめくったときに、もとの形状を維持しようとするため、脱出口16を閉鎖するための閉鎖機能が向上する。
【0091】
このように閉鎖部材40に複数の形状維持部材42を設けた場合でも、閉鎖部材40をカーテン基本部材15に図3の実施形態、図4の実施形態、図5と図6の実施形態、図7の実施形態、図8の実施形態のように取り付けてもよい。
【0092】
図11は、第9実施形態を示す。この実施形態は、シャッターカーテンの構造に係るものである。
【0093】
このシャッターカーテン50は、縦長の3枚の耐火性シート50A,50B,50Cを幅方向に並設することにより形成されており、中央のシート50Bは閉鎖部材52を形成するものである。同じ長さになっているこれらのシート50A,50B,50Cは互いに対向する側端部同士が重ねられ、これらの重ね端部が上端から縫着部53で結合されているとともに、それぞれの縫着部53は、下端から同一の所定距離を残した位置まで延びている。
【0094】
このため、シート50Bにおける縫着部53よりも下側の部分は、閉鎖部材52のめくり自在な部分52Aとなっており、この部分52Aと対応する個所がシャッターカーテン50の通り抜け自在な脱出口54となっている。そして、左右両側のシート50A,50Cが、カーテン基本部材51を形成するための基本部材形成用部材となっている。
【0095】
この実施形態において、めくり自在な部分52Aを表裏2枚設ける場合には、中央のシート50Bを表裏2枚としてもよく、また、1枚のシート50Bの裏側に、シート50Bと同じ幅寸法で上下寸法が脱出口54よりも少し大きい耐火性シートを設け、この耐火性シートの上辺部をシート50A,50B,50Cに縫着等で結合するようにしてもよい。
【0096】
この実施形態によると、脱出口54よりも長さが大きい複数のシート50A,50B,50Cを端部同士を重ねて幅方向に並べ、これらのシート50A,50B,50Cを長さ方向の途中まで縫着するだけで、カーテン基本部材51、めくり自在な部分52Aを有する閉鎖部材52、脱出口54を形成することができ、シャッターカーテンを製造する上で、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様の部材は不要になり、また、この中桟を介してシャッターカーテン形成用部材同士を連結する面倒な作業も省略できるようになる。
【0097】
図12は、第10実施形態を示す。この実施形態は、シャッターカーテンの製造方法に係わるものである。
【0098】
シャッターカーテン60のカーテン基本部材61は、横長の3枚の耐火性シート61A,61B,61Cを上下方向に並設することにより形成されている。先ず、(A)に示すように、これらのシート61A,61B,61Cを、互いに重ねられた対向端部同士を縫着部62で結合することにより、連結する。次いで、(B)に示すとおり、基本部材形成用部材となっているシート61A,61B,61Cで形成されたカーテン基本部材61の所定個所を切除し、この切除によって脱出口63を設ける。
【0099】
この後、(C)に示すように、脱出口63の位置に耐火性シート製の閉鎖部材64を配置し、この閉鎖部材64の上辺部を縫着部65でカーテン基本部材61に結合する。これにより脱出口63は閉鎖部材64で開放、閉鎖自在となる。
【0100】
なお、閉鎖部材64をカーテン基本部材61の表裏に2枚設ける場合には、これらの閉鎖部材64をカーテン基本部材61に縫着する方式は、図2で示したものでもよく、図3で示したものでもよい。
【0101】
この実施形態によると、カーテン基本部材61、脱出口63、閉鎖部材64を有しているシャッターカーテン60を、シャッターカーテン60の全幅の長さに亘る中桟又はこの中桟と同様な部材を使用することなく、簡単な作業で製造できるようになる。
【0102】
図13は、第11実施形態を示す。この実施形態は、シャッターカーテンの別の製造方法に係わるものである。
【0103】
この実施形態でも、シャッターカーテン60のカーテン基本部材61は、横長の3枚の耐火性シート61A,61B,61Cを上下方向に並設することにより形成されている。先ず、(A)に示すように、これらのシート61A,61B,61Cを、互いに重ねられた対向端部同士を縫着部62で結合することにより、連結する。次いで、(B)に示すとおり、基本部材形成用部材となっているシート61A,61B,61Cで形成されたカーテン基本部材61における脱出口63を形成すべき所定位置に、耐火性シート製の閉鎖部材64を配置し、この閉鎖部材64の上辺部を縫着部65でカーテン基本部材61に結合する。
【0104】
なお、閉鎖部材64をカーテン基本部材61の表裏に2枚設ける場合には、これら2枚の閉鎖部材64についての縫着部65を、図2と同じように一致させてもよく、図3と同じようにずらしてもよい。
【0105】
また、先に3枚の耐火性シート61A,61B,61Cを縫着部62で連結するのではなく、先に耐火性シート61Bに閉鎖部材64を縫着部65で結合し、この後、3枚の耐火性シート61A,61B,61Cを縫着部62で連結するようにしてもよい。
【0106】
この後、(C)に示すように、カーテン基本部材61における閉鎖部材64の配置位置と対応する個所を切除し、この切除により、閉鎖部材64で開放、閉鎖自在となる脱出口63を設ける。
【0107】
この実施形態によると、図12の実施形態と同じ効果を得られるとともに、カーテン基本部材61の一部を切除して脱出口63を形成する前に、カーテン基本部材61を形成するために3枚の耐火性シート61A,61B,61Cを縫着部62で連結する縫着作業と、閉鎖部材64をカーテン基本部材61に縫着部65で取り付ける縫着作業とを行うため、同じ縫着用作業機械、器具を使用する作業をまとめて行うことができ、したがって、作業効率の向上を図ることができるようになる。
【0108】
【発明の効果】
本発明によると、シャッターカーテンの全幅に亘る長さの中桟又はこの中桟と同様な部材を省略できるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るシャッター装置の全体を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】第2実施形態を示す図2と同様の図である。
【図4】第3実施形態を示す図1と同様の図である。
【図5】第4実施形態を示す図1と同様の図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】第5実施形態を示す図6と同様の図である。
【図8】第6実施形態を示す図6と同様の図である。
【図9】第7実施形態を示す図1と同様の図である。
【図10】第8実施形態を示す図1と同様の図である。
【図11】シャッターカーテンの構造に係る第9実施形態を示すシャッターカーテンの展開図である。
【図12】シャッターカーテンの製造方法を(A)(B)(C)の順序で示した第10実施形態を示す図である。
【図13】シャッターカーテンの別の製造方法を(A)(B)(C)の順序で示した第11実施形態を示す図である。
【符号の説明】
2,50,60 シャッターカーテン
3 巻取軸
6 ガイドレール
15,51,61 カーテン基本部材
16,54,63 出入口である脱出口
19,21,23,24,36,37,53,62,65 縫着部
17,20,22,25,30,35,52,64 閉鎖部材
26 押え部材
26’ 芯部材
27,33 止着具であるボルト
31 係止部材
50A,50C,61A,61B,61C 基本部材形成用部材である耐火性シート
50B 閉鎖部材を形成する耐火性シート

Claims (3)

  1. 開閉動作のうち少なくとも閉動作するシャッターカーテンが、カーテン基本部材と、通り抜け可能な出入口と、前記カーテン基本部材に取り付けられ、前記出入口を開放自在に閉鎖する閉鎖部材とを有して形成された出入口付きシャッター装置において、前記閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部が前記シャッターカーテンの幅寸法よりも短い長さを有している芯部材の外周に巻回され、この芯部材に巻回された閉鎖部材の端辺部と前記芯部材とを貫通する止着具により、前記閉鎖部材がカーテン基本部材に結合されていることを特徴とする出入口付きシャッター装置。
  2. 複数の基本部材形成用部材の端部同士を結合することによりカーテン基本部材を形成する作業を行う工程と、
    次いで、このカーテン基本部材の一部を切ることにより通り抜け可能な出入口を形成する作業を行う工程と、
    この後、この出入口と対応する位置に配置される閉鎖部材で前記出入口を開放、閉鎖自在とするために、この閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を前記カーテン基本部材に直接結合する作業を行う工程と、
    を有していることを特徴とする出入口付きシャッター装置のシャッターカーテン製造方法。
  3. 複数の基本部材形成用部材の端部同士を結合することによりカーテン基本部材を形成する作業、及びこのカーテン基本部材に閉鎖部材の少なくとも一つの端辺部を直接結合する作業を行う工程と、
    次いで、前記閉鎖部材の配置位置と対応する前記カーテン基本部材の箇所を切る作業を行い、この箇所に、通り抜け可能であって前記閉鎖部材で閉鎖、開放自在となる出入口を形成する作業を行う工程と、
    を有していることを特徴とする出入口付きシャッター装置のシャッターカーテン製造方法。
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