JP4561343B2 - 遮煙・排煙システム - Google Patents

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Description

本発明は、建物や地下鉄駅舎などの構造物において火災が発生した際に、火災室から隣接区画(非火災室)に煙が拡散するのを防止するための遮煙・排煙システムに関するものである。
従来より、火災時に階段室や附室、廊下等に外気を供給し、それら非火災室の圧力を火災室よりも高くすることで、火災室から非火災室への煙拡散や延焼拡大を防ぐシステムが知られている。このシステムでは、火災室と非火災室との間に、煙拡散の防止に必要な差圧が生じるように給気量が設定される。
ところが、火災室と非火災室間の差圧は防火扉の開閉状態によって変動し、例えば、避難者により防火扉が開放されたときや、障害物や閉鎖機構の不具合により防火扉の閉鎖が不十分なときには、火災室と非火災室間の差圧が低下する。
このため、例えば、防火扉が閉鎖していることを前提にして給気量を設定した場合には、防火扉の開放時や閉鎖が不十分なときに上記必要な差圧を確保することができず、火災室から非火災室に煙が拡散する虞があった。一方、防火扉が開放されていることを前提にして給気量を設定した場合には、防火扉の閉鎖が不十分な状態であっても上記必要な差圧を確保することができる反面、防火扉の閉鎖時には、差圧が必要以上に大きくなって防火扉の開閉が困難になる懸念があった。
他方、煙の拡散を防止する防煙壁としては、例えば特許文献1に記載されているような巻取式可動たれ壁が知られている。この可動たれ壁は、建物の天井部に配設された巻取軸に巻き取られ下端に重錘が取り付けられた防煙シートと、防煙シートの左右端部を案内するガイドレールとを備えたもので、火災発生時には、ガイドレールに沿って防煙シートが下降することにより、2空間(火災室と非火災室)間の開口部を半閉または全閉するようになっている。
しかしながら、上記可動たれ壁においては、防煙シートを自重で垂直に下降させるようにしているため、例えば、上記可動たれ壁の片側の空間に外気を供給して加圧状態にすると、防煙シートに水平方向の力が作用して防煙シートがガイドレール等に引っかかり易くなり、防煙シートの下降に支障が出る虞があった。すなわち、上記可動たれ壁が本来の防煙性能を発揮できなくなる懸念があった。このため、非火災室に外気を供給して煙拡散を防止するシステムにおいて、上記可動たれ壁を適用することはできなかった。
特開平07−328138号公報
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、火災室の煙が非火災室に侵入するのを阻止することができ、しかも火災室と非火災室間の開口部を避難者が容易且つ安全に通行することができる信頼性および安全性に優れた遮煙・排煙システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、第1内部空間と、上記第1内部空間に隣接し且つ上記第1内部空間との境界面に開口部を有する第2内部空間とを備えた構造物において上記第1内部空間で火災が発生した際の遮煙・排煙システムであって、火災時に、上記第2内部空間に空気を供給する給気設備と、上記第1内部空間内の煙および空気を排気する開口と、上記開口部の予め設定された領域を閉塞する遮煙スクリーンとを備え、上記遮煙スクリーンには、当該遮煙スクリーンの周縁部よりも中央部を上記第2内部空間側に膨出させた状態で保持するための骨部材が取り付けられているとともに、上記空気の供給時には、上記遮煙スクリーンと、その左右の壁面或いは下方の床面との間に隙間が生じることにより、上記開口部の少なくとも一部が開放されるようになっていることを特徴とするものである。
ここで、上記構造物は、開口部を介して互いに連続する複数の内部空間を有する構造物であれば、地上或いは地下の如何なる構造物であってもよい。第1内部空間と第2内部空間の組合せとしては、例えば建物内の居室と避難経路(廊下、附室、階段室など)との組合せや、建物内アトリウムと通路或いは階段との組合せ、駅舎や空港などのコンコースと通路或いは階段との組合せなどが挙げられるが、開口部を介して互いに連続する内部空間の組合せであれば如何なる組合せであってもよく、また両空間の間に明確な境界(例えば、壁要素や段差等)が無くてもよい。
また、第1内部空間内の煙を排気する開口は、排煙設備の排煙口であっても、屋外に通ずる単なる開口であってもよい。また、開口は第1内部空間に配置されて第1内部空間の煙を直接排気するものであっても、他の内部空間に配置されて第1内部空間の煙を他の内部空間から排気するものであってもよい。同様に、給気設備は、第2内部空間に直接空気を供給するものであっても、他の内部空間を経由して第2内部空間に空気を供給するものであってもよい。
請求項に記載の発明は、請求項1記載の遮煙・排煙システムにおいて、上記遮煙スクリーンの下部には、避難者が通り抜け可能な大きさの切欠部が形成されていることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の遮煙・排煙システムにおいて、上記開口部が完全に開放されている状態においても、上記第1内部空間と上記第2内部空間との間に、煙拡散の防止に必要な差圧が生じるように、上記空気の供給量が設定されていることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れかに記載の遮煙・排煙システムにおいて、上記遮煙スクリーンは、耐熱性または不燃性のシートからなり、平常時には上記開口部の一端側に設けられた収納部に収納されて上記開口部を開放し、火災時には、上記収納部から上記開口部の他端側に向けて繰り出されて、上記開口部の予め設定された領域を閉塞することを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れかに記載の遮煙・排煙システムにおいて、火災発生を検知するための火災検知手段を備え、この火災検知手段から出力される検知信号に基づいて、上記遮煙スクリーンが収納部から繰り出されるようになっていることを特徴とするものである。
請求項に記載の発明は、請求項1〜の何れかに記載の遮煙・排煙システムにおいて、上記遮煙スクリーンは、牽引部材に引張られて収納部から引き出される構成となっていることを特徴とするものである。
本発明によれば、火災時に、第2内部空間に空気を供給する給気設備と、第1内部空間内の煙および空気を排気する開口と、上記開口部の予め設定された領域を閉塞する遮煙スクリーンとを有し、上記空気の供給時には上記開口部の少なくとも一部が開放されるようになっているので、火災時には、第2内部空間から上記開口部の開放箇所を通って第1内部空間に向かう空気の流れを形成することができ、この空気の流れによって、第1内部空間の煙が第2内部空間に侵入するのを阻止することができる。また、上記空気の供給時に上記開口部の少なくとも一部を開放するようにしたので、第1内部空間と第2内部空間との間の差圧が極端に大きくなって通行が困難になるような心配はなく、避難者は、遮煙スクリーンの下方を潜り抜けたり、或いは側方を擦り抜けることによって、上記開口部を容易且つ安全に通行することができる。
また、遮煙スクリーンには、その周縁部よりも中央部を第2内部空間側に膨出させた状態で保持するための骨部材が取り付けられているため、第2内部空間から第1内部空間に向かう空気をスムーズに流すことができ、遮煙スクリーンに作用する気流の圧力を緩和することができる。
さらに、遮煙スクリーンの下部には、避難者が通り抜け可能な大きさの切欠部が形成されているため、避難者は速やかに上記開口部を通り抜けることができる。
また、開口部が完全に開放されていることを前提にして空気の供給量が設定されているため、開口部における開閉状態が如何なる状態にあっても、第1内部空間と第2内部空間との間に煙拡散や延焼拡大の防止に必要な差圧を確保することができる。したがって、例えば避難者が開口部を通過するときなど、開口部の開放箇所が一時的に拡大するようなことがあっても、第1内部空間内の煙が第2内部空間に侵入するのを阻止することができ、システムの信頼性および安全性を向上させることができる。
さらに、牽引部材により引張って遮煙スクリーンを引き出すようにしたので、第2内部空間から第1内部空間に向かう空気の流れを形成したとしても、従来の可動たれ壁等のように遮煙スクリーンがガイドレール等に引っかかる心配がなく、本来の防煙性能を発揮できる位置まで確実に遮煙スクリーンを下降させることができる。
[第1の実施形態]
図1〜図5は、本発明に係る遮煙・排煙システムの第1の実施形態を示すもので、図中符号11が第1内部空間(例えば居室)、符号12が第2内部空間(例えば廊下)である。第1内部空間11と第2内部空間12の境界面には開口部10が形成され、この開口部10周縁の天井部には、図1および図2に示すように、遮煙スクリーン1の収納部2が設けられている。
遮煙スクリーン1は、耐熱性または不燃性を有するシートであれば如何なる素材のものであってもよく、具体的には、シリカクロス、ガラスクロス、グラスファイバークロス、カーボンクロス、或いはアクリル系耐炎繊維等の素材を用いることが可能である。これら素材は、耐熱性または不燃性のみならず、何れも軽量で柔軟性を有するものであるため、避難者が開口部10を通行する際には、当該遮煙スクリーン1を容易に捲り上げることができる。
この遮煙スクリーン1の収納構造としては、例えば図3(a)に示すように、巻取装置2aによってロール状に巻取る構造や、図3(b)に示すように、収納箱2b内に蛇腹状に収納する構造、或いは図4(a)に示すように、遮煙スクリーン1の基端部をバネやゴム等の弾性部材4で引張って遮煙スクリーン1を平面形状のまま収納する構造や、図4(b)に示すように、遮煙スクリーン1を可動式ロール5で二つ折りにした状態でセットバックして収納する構造を適用することが可能である。
また、遮煙スクリーン1の繰り出し構造としては、例えばワイヤやケーブル等の牽引部材3を遮煙スクリーン1先端の左右隅角部等に括り付けて、それら牽引部材3を巻取装置7で巻き取ることにより引張る構造を適用することが可能である。このような構造によれば、第2内部空間12から第1内部空間11に向かう空気の流れを形成した場合においても、遮煙スクリーン1を予め設定された位置(例えば下端部が床面近傍に至る位置)まで確実に引き出すことが可能である。なお、左右の牽引部材3は互いに同期させて牽引することが好ましく、その同期方法としては、牽引部材3を巻き取るバネ車をシャフトで連結することにより、その動きを同期させる方法や、左右のバネ車の回転数をパルスカウンタ或いはトルクゲージ等で電気的に測定し、左右で同じ回転数になるように電動モータで調節する方法などを適用することが可能である。
また、第1内部空間11の天井部には開口(図示省略)が設けられ、この開口には、当該開口より吸入した煙を屋外に導く排煙ダクトが接続されている。この排煙ダクトには、排煙ダンパが介装され、これら排煙ダンパ、排煙ダクトおよび開口等により、第1内部空間11内の煙および空気を排気する排煙設備が構成されている。また、第1内部空間11の天井部には、煙感知器や熱感知器等の火災検知手段が設置されている。
一方、第2内部空間12には、室内に外気(空気)を供給する給気口(図示省略)が設けられている。給気口には、複数の可動式ベーンが配設され、それらベーンの傾斜角度を調整することによって空気の吹出方向が制御可能となっている。また、給気口には、平常時は閉状態とされた給気ダンパを介して給気ダクトが接続され、この給気ダクトには、上記給気口に向けて外気を送り込む給気ファンが介装されている。また、建物の制御室等には、給気ファンの回転数を制御して外気の供給量を制御する制御装置(図示省略)が設置されている。なお、外気の供給量(給気ファンの回転数)は、開口部10が100%開放されている状態(図1の状態)においても、煙拡散の防止に必要な差圧が第1内部空間(火災室)11と第2内部空間(非火災室)12との間に生じるような値に予め設定されている。本実施形態では、給気口、給気ダンパ、給気ダクト、給気ファンおよび制御装置等によって、火災時に第2内部空間12に空気を供給する給気設備が構成されている。
上記構成からなる遮煙・排煙システムによれば、例えば図1に示すように、第1内部空間11において火災が発生した際に、その火災の発生が火災検知手段によって検知され、その検知信号に基づいて牽引部材3の巻取装置7が作動して、遮煙スクリーン1が収納部2から引き出されることにより、図2に示すように、開口部10の予め設定された領域が遮煙スクリーン1によって閉塞されることとなる(開口部10の開口面積が縮小する)。なお、遮煙スクリーン1は、上述したように、軽量で柔軟な素材により構成されているため、遮煙スクリーン1で開口部10のほぼ全域を覆うようにした場合においても、遮煙スクリーン1と、その左右の壁面或いは下方の床面との間には隙間Sが生じ、開口部10の一部が開放された状態となる。
また、第1内部空間11において火災が発生した際には、上記検知信号に基づいて、第1内部空間11の排煙ダンパおよび第2内部空間12の給気ダンパが開放されるとともに、制御装置によって給気ファンの作動が開始される。これにより、第2内部空間12内に給気口から外気(空気)が供給されて、第2内部空間12から開口部11の開放箇所Sを通って第1内部空間11に向かう空気の流れが形成される。
このため、本実施形態の遮煙・排煙システムによれば、上記空気の流れによって、第1内部空間11の煙が第2内部空間12に侵入するのを阻止することができる。また、開口部10の一部が開放された状態となるので、第1内部空間11と第2内部空間12との間の差圧が極端に大きくなって通行が困難になるような心配はなく、避難者は、遮煙スクリーン1の下方を潜り抜けたり、或いは側方を擦り抜けることによって、開口部10を容易且つ安全に通行することができる。
また、開口部10が100%開放されていることを前提にして外気の供給量が設定されているため、開口部10における開閉状態が如何なる状態にあっても、第1内部空間11と第2内部空間12との間に煙拡散や延焼拡大の防止に必要な差圧を確保することができる。したがって、例えば避難者が開口部10を通過するときなど、開放箇所Sが一時的に拡大するようなことがあっても、第1内部空間11内の煙が第2内部空間12に侵入するのを阻止することができ、システムの信頼性および安全性を向上させることができる。
さらに、牽引部材3により引張って遮煙スクリーン1を引き出すようにしたので、第2内部空間12から第1内部空間11に向かう空気の流れを形成したとしても、従来の可動たれ壁等のように遮煙スクリーン1がガイドレール等に引っかかる心配がなく、本来の防煙性能を発揮できる位置まで確実に遮煙スクリーン1を下降させることができる。
また、図2に示すように、開口部10のほぼ全域を遮煙スクリーン1により覆うようにすれば、火災室の火炎や煙が非火災室から見え難くなり、非火災室の避難者に安心感を与えることができる。また、遮煙スクリーン1の非火災室側の面が外気の供給により冷却されることとなるため、遮煙スクリーン1の温度上昇を抑えることができる上に、火炎や煙からの輻射熱や対流熱を遮断することもできる。
なお、本実施形態では、開口部10周縁の天井部に遮煙スクリーン1の収納部2を設置して、遮煙スクリーン1を天井部から下方向に繰り出す構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば開口部10周縁の側壁部や床下部に遮煙スクリーン1の収納部を設置して、遮煙スクリーン1を水平方向或いは上方向に繰り出す構成とすることも可能である。側壁部や床下部に遮煙スクリーン1の収納部を設置する場合には、天井部に収納部を設置する場合と同様に、図5に示すように、格納スペース内に蛇腹状に収納する構造を適用することが可能である。図5の例では、遮煙スクリーン1の一端に繰出用のワイヤ9aが、他端に緊張用のワイヤ9bがそれぞれ接続され、それらワイヤ9a,9bを各々の巻取装置8で巻き取ることにより、遮煙スクリーン1の繰出し動作或いは遮煙スクリーン1を緊張させる動作が行われるようになっている。この構造の場合、収納スペースの開口が避難者の通行の妨げとならないよう、遮煙スクリーン1を繰り出した後に収納スペースの開口を蓋6で閉塞する構造とすることが望ましい。さらに、側壁部或いは床下部収納では、遮煙スクリーン1を引き出したときに上部にも隙間ができる可能性があるので、その隙間を閉塞するために100mm程度の仕切板を設けることが好ましい。
[第2の実施形態]
図6および図7は、本発明に係る遮煙・排煙システムの第2の実施形態を示すもので、上述した第1の実施形態と同一構成部分については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
上記第1の実施形態では、第1内部空間11が建物の居室、第2内部空間12が廊下や附室等である場合を想定していたのに対して、この第2の実施形態では、第1内部空間11と第2内部空間12が、連続した複数の区画(区画S1,S2,・・・Sn)からなる長距離空間の中の互いに隣接する2区画(例えば、区画S5とS6)である場合を想定している。
この第2の実施形態においては、図6(a)に示すように、遮煙スクリーン1の幅方向に亘って水平に、複数の骨部材21が一定の間隔で取り付けられている。この骨部材21は、図6(b)および図6(c)に示すように、緩やかに湾曲した形状或いは両端部が斜めに折曲した形状となっていて、何れも中央部が第2内部空間12側に凸となるように遮煙スクリーン1に取り付けられている。
この遮煙スクリーン1の収納構造としては、例えば前述した巻取装置2aによってロール状に巻取る構造(図3(a)参照)や、図7(a)および図7(b)に示すように、セットバックして収納する構造を適用することが可能である。セットバック方式では、可動式ロール22に接続されたワイヤ23が巻取装置24によって巻き取られることによって、図7(b)に示すように、遮煙スクリーン1が二つ折りの状態で収納スペース25に引き込まれる一方、巻取装置24に設けたストッパによる係止が解除されてワイヤ23が解放されることにより、遮煙スクリーン1が繰り出し可能な状態に変換される。巻取装置24は例えばスイッチ操作により巻取動作を開始し、火災検知手段からの検知信号に基づいてワイヤ23に対する係止を解除するようになっている。
また、第1内部空間11から見て第2内部空間12と反対方向に位置する他の内部空間(第1内部空間11と隣接してなくともよい)11A、若しくは第1内部空間11には、当該第1内部空間11の煙および空気を排気するための開口が設けられている。同様に、第2内部空間12から見て第1内部空間11と反対方向に位置する他の内部空間(第2内部空間12と隣接してなくともよい)12A、若しくは第2内部空間12には、第2内部空間12に外気(空気)を供給するための給気口が設けられている。給気口には、複数の可動式ベーンが配設され、それらベーンの傾斜角度を調整することによって空気の吹出方向が制御可能となっている。本実施形態では、開口部10に向かう方向に空気の吹出方向が設定されている。
上記構成からなる遮煙・排煙システムによれば、例えば、第1内部空間11から見て第2内部空間12と反対方向に位置する他の内部空間11A、若しくは第1内部空間11において火災が発生した際に、その火災の発生が火災検知手段によって検知され、その検知信号に基づいて、巻取装置24のワイヤ23に対する係止が解除された後、牽引部材3の巻取装置7が作動して、遮煙スクリーン1が収納スペース25から引き出されることにより、図6(a)に示すように、開口部10の予め設定された領域が遮煙スクリーン1によって閉塞される。なお、遮煙スクリーン1は、上述したように、緩やかに湾曲した形状或いは両端部が斜めに折曲した形状の骨部材21が取り付けられているため、遮煙スクリーン1で開口部10のほぼ全域を覆うようにした場合においても、遮煙スクリーン1の周縁部よりも中央部が第2内部空間12側に膨出する状態にスクリーン全体が湾曲して、遮煙スクリーン1と、その左右の壁面或いは下方の床面との間に隙間Sが形成されることとなる。
また、第1内部空間11において火災が発生した際には、上記検知信号に基づいて、排煙設備の排煙ダンパおよび給気設備の給気ダンパが開放されるとともに、制御装置によって給気ファンの作動が開始される。これにより、第2内部空間12から見て第1内部空間11と反対方向に位置する他の内部空間12A内、若しくは第2内部空間12内に、給気口から外気(空気)が供給されて、第2内部空間12から開口部11の開放箇所Sを通って第1内部空間11に向かう空気の流れが形成される。
このため、本実施形態の遮煙・排煙システムによれば、前述した第1の実施形態と同様、上記空気の流れによって、第1内部空間11の煙が第2内部空間12に侵入するのを阻止することができる。また、開口部10の一部が開放された状態となるので、第1内部空間11と第2内部空間12との間の差圧が極端に大きくなって通行が困難になるような心配はなく、避難者は、遮煙スクリーン1の下方を潜り抜けたり、或いは側方を擦り抜けることによって、開口部10を容易且つ安全に通行することができる。
さらに、本実施形態では、遮煙スクリーン1に、その周縁部よりも中央部を第2内部空間側に膨出させた状態で保持するための骨部材21を取り付けるようにしたため、図6(b)および図6(c)に示すように、第2内部空間12から第1内部空間11に向かう空気をスムーズに流すことができ、遮煙スクリーン1に作用する気流の圧力を緩和することができる。
なお、図6の例では、開口や切欠部のない略矩形状の遮煙スクリーン1を用いるようにしたが、例えば図8に示すように、避難者が通り抜け可能な大きさの切欠部26a,26b,26cが予め形成された遮煙スクリーンを用いるようにしてもよい。切欠部の形状は、例えば三角形状、半円状或いは矩形状など、如何なる形状であってもよい。このような切欠部26a,26b,26cが形成された遮煙スクリーンを用いた場合には、開口部10を通行する際に、避難者は遮煙スクリーンを捲り上げる必要がなくなり、例えば子供等を抱えていて両手が使えないような状況にあっても、速やかに開口部10を通り抜けることができる。
また、例えば図9に示すように、下側部分が開閉自在な遮煙スクリーンを用いるようにしてもよい。図9の例では、遮煙スクリーン1の下側部分と牽引部材3とが切り離されていて、遮煙スクリーン1の下側部分を捲り上げることにより、或いはプルコードやボールチェーン等を使って遮煙スクリーン1の下側部分を巻き上げることによって、遮煙スクリーン1の下側部分を開放できるようになっている。このような構成によれば、切欠部が形成された遮煙スクリーンと同様に、避難者は速やかに開口部10を通り抜けることができる。
また、以上の各実施形態では、巻取装置7で巻き取って牽引部材3を引張る構成としたが、手動により牽引部材3を引張るようにしてもよい。また、本実施形態では、煙感知器や熱感知器等の火災検知手段から出力される検知信号に基づいて上記巻取装置7が作動することにより、遮煙スクリーン1の繰り出し操作が行われる構成としたが、利用者のボタン操作等により上記巻取装置7が作動して遮煙スクリーン1の繰り出し操作が行われる構成とすることも可能である。
また、遮煙スクリーン1の近傍位置に、避難者の接近を検知するセンサを設置して、このセンサの検知信号に基づいて、遮煙スクリーン1の巻き上げ動作を開始する構成とすることも可能である。若しくは、遮煙スクリーン1の近傍位置に、避難者が所有する発信器から出力される信号を受信する受信器を設置して、発信器からの信号受信に基づいて、遮煙スクリーン1の巻き上げ動作を開始する構成とすることも可能である。このような構成によれば、避難者はより一層容易に開口部10を通行することができ、車椅子等を利用していても、火災室から速やかに避難することができる。また、伸縮する部材で牽引部材3を構成するようにしたり、牽引部材3として、緊張力を調整可能な牽引部材を用いるようにしたり、或いは牽引部材3の長さを変える装置を設置するようにしてもよく、そうすることで、図10に示すように、遮煙スクリーン1の下方に、車椅子や担架等が通過するためのスペースを容易に形成することができ、避難者の安全性をさらに向上させることができる。具体的に、緊張力を調整可能な牽引部材としては、例えば図11に示すように、ある温度でコイル状或いは蛇腹状の形状を記憶させた形状記憶合金の針金3aと普通の針金でできたコイルバネ3bを並列に組み合わせた構造の牽引部材を用いることが可能である。この牽引部材を用いる際には、形状記憶合金に記憶させた形状の長さを普通の針金でできたコイルバネ3bよりも長くしておく。そして、避難者の接近または通過の電気信号の受信により、電熱線等により形状記憶合金を所定の温度に制御し、コイルバネ3bの引張力に対抗するように形状記憶合金の形状復元力を働かせ、牽引部材の緊張力を低下させる。避難者の通過後は、電気を遮断して温度制御を解除し、形状記憶合金の形状復元力を無くし、上記牽引部材の緊張力を元の大きさにする。
また、上記牽引部材3の長さを変える装置としては、例えば図12に示すように、上記牽引部材3の巻き取りをステップモータ27で行い、避難者の接近または通過の電気信号の受信により、ステップモータ27の回転度を所定の位置で制御する構造の装置を適用することが可能である。
また、以上の各実施形態では、牽引部材3により引張って遮煙スクリーン1を引き出す構成としたが、例えば、遮煙スクリーン1の下端部に複数のウェイトを一列に配置するようにしたり、或いは遮煙スクリーン1の繰り出し方向に沿って複数のウェイトを設けるようにして、自重により遮煙スクリーン1を下降させる構成とすることも可能である。この場合、ウェイトとして使用する部材は如何なるものであってもよく、例えば、火災時に水等の不燃材が注入されて膨らむチューブ状のウェイトを用いるようにしてもよい。このチューブ状のウェイトの場合、損傷して不燃材が漏れても火災を助長することが無いという利点がある。
本発明に係る遮煙・排煙システムの第1の実施形態を示すもので、(a)は遮煙スクリーンが繰り出される前の状態を示す正面図、(b)は縦断面図である。 本発明に係る遮煙・排煙システムの第1の実施形態を示すもので、(a)は遮煙スクリーンが繰り出された後の状態を示す正面図、(b)は縦断面図である。 天井部に遮煙スクリーンを収納する場合の収納構造例1を示す概略構成図である。 天井部に遮煙スクリーンを収納する場合の収納構造例2を示す概略構成図である。 床下部に遮煙スクリーンを収納する場合の収納構造例を示す概略構成図である。 本発明に係る遮煙・排煙システムの第2の実施形態を示すもので、(a)は遮煙スクリーンが繰り出された後の状態を示す正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図、(c)は(b)の変形例を示す断面図である。 図6の遮煙・排煙システムの縦断面図で、(a)は遮煙スクリーンが繰り出された後の状態、(b)は遮煙スクリーンが繰り出される前の状態をそれぞれ示している。 遮煙スクリーンの変形例を示す図である。 遮煙スクリーンのその他の変形例を示す図である。 牽引部材の変形例を示すもので、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。 緊張力を調整可能な牽引部材の一例を示す図である。 牽引部材の長さを変える装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 遮煙スクリーン
2 収納部
3 牽引部材
10 開口部
11 第1内部空間
12 第2内部空間
21 骨部材
26a,26b,26c 切欠部

Claims (6)

  1. 第1内部空間と、上記第1内部空間に隣接し且つ上記第1内部空間との境界面に開口部を有する第2内部空間とを備えた構造物において上記第1内部空間で火災が発生した際の遮煙・排煙システムであって、
    火災時に、上記第2内部空間に空気を供給する給気設備と、上記第1内部空間内の煙および空気を排気する開口と、上記開口部の予め設定された領域を閉塞する遮煙スクリーンとを備え、
    上記遮煙スクリーンには、当該遮煙スクリーンの周縁部よりも中央部を上記第2内部空間側に膨出させた状態で保持するための骨部材が取り付けられているとともに、
    上記空気の供給時には、上記遮煙スクリーンと、その左右の壁面或いは下方の床面との間に隙間が生じることにより、上記開口部の少なくとも一部が開放されるようになっていることを特徴とする遮煙・排煙システム。
  2. 上記遮煙スクリーンの下部には、避難者が通り抜け可能な大きさの切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の遮煙・排煙システム。
  3. 上記開口部が完全に開放されている状態においても、上記第1内部空間と上記第2内部空間との間に、煙拡散の防止に必要な差圧が生じるように、上記空気の供給量が設定されてことを特徴とする請求項1または2に記載の遮煙・排煙システム。
  4. 上記遮煙スクリーンは、耐熱性または不燃性のシートからなり、平常時には上記開口部の一端側に設けられた収納部に収納されて上記開口部を開放し、火災時には、上記収納部から上記開口部の他端側に向けて繰り出されて、上記開口部の予め設定された領域を閉塞することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の遮煙・排煙システム。
  5. 火災発生を検知するための火災検知手段を備え、この火災検知手段から出力される検知信号に基づいて、上記遮煙スクリーンが収納部から繰り出されるようになっていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遮煙・排煙システム。
  6. 上記遮煙スクリーンは、牽引部材に引張られて収納部から引き出される構成となっていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の遮煙・排煙システム。
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