JP4438004B2 - 回路構成体 - Google Patents

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Description

本発明は、回路構成体に関する。
従来より、2つの異なる回路基板同士を電気的に接続してなる回路構成体を、ハウジング内に収容した電気接続箱が知られている(特許文献1参照)。
特開平10−35375号公報
上記の構成に係る回路構成体の小型化を図るため、2つの回路基板に形成された回路に対応するものを、絶縁板の表面及び裏面のそれぞれに形成することが考えられる。これにより1つの絶縁板の表裏に2つの回路基板に対応した回路が形成されるから、回路構成体を小型化できる。
しかしながら上記の構成によると、両回路の間には絶縁板が介在するから、両回路の双方に接続されるような電子部品を回路構成体に実装する際には、例えば、絶縁板の一方の面側の導電路に接続された電子部品の一つの端子にジャンパ線の一端を接続し、このジャンパ線の他端を絶縁板の他方の面側にまで延出し、この絶縁板の他方の面側の導電路と接続しなければならない。このため、多数の電子部品が実装される場合には、ジャンパ線と導電路との接続工程が煩雑になる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型化されると共に、電子部品と導電路との接続工程が簡略化された回路構成体を提供することを目的とする。
本願発明に係る回路構成体は、開口部を有する絶縁板と、この絶縁板の一方の面に沿うように配される第1バスバーと、前記絶縁板の他方の面に沿うように配されると共に前記開口部内に露出する第2バスバーと、接続端子を備え、その接続端子が前記開口部内において前記第2バスバーと電気的に接続される電子部品とを備えてなるものである。
これにより、1つの絶縁板の両面に、2つの回路が形成されるから、両回路が別々の回路基板上に形成された場合に比べて、回路構成体を小型化できる。
さらに、電子部品の接続端子は、絶縁板に形成された開口部において、この開口部内に露出する第2バスバーと直接に接続されている。これにより、電子部品と第2バスバーとの間の接続作業工程を簡略化できる。
また、絶縁板の両面に回路が形成されている場合に両回路同士を接続しようとすると、絶縁板の一方の面側のバスバーの端部とジャンパ線の一端とを接続し、このジャンパ線の他端と、絶縁板の他方の面側のバスバーの端部とを接続しなければならず、作業が面倒であった。
この点に鑑み、本願発明においては、前記絶縁板にはバスバー接続用開口部が形成されており、前記バスバー接続用開口部内には前記第1及び第2バスバーのうちいずれか一方が露出しており、他方のバスバーの端部のうち少なくとも1つは前記バスバー接続用開口部内において前記一方のバスバーと電気的に接続されている構成とした。
これにより、絶縁板の両面に配されたバスバーの端部のうち少なくとも一方はバスバー接続用開口部内に露出し、他方のバスバーはバスバー接続用開口部内において、一方のバスバーと、ジャンパ線を介することなく直接に接続されるようになっている。これにより、絶縁板の両面に配されたバスバー間の接続作業工程を簡略化できる。
本発明によれば、回路構成体の小型化を図ると共に、電子部品とバスバーとの接続工程を簡略化することができる。
本発明の実施形態1に係る回路構成体を用いた電力分配ユニットの断面図 電力分配ユニットの分解斜視図 回路構成体の一部拡大分解斜視図 回路構成体の一部拡大断面図 回路構成体の一部拡大平面図 電力分配ユニットの斜視図 本発明の実施形態2に係る回路構成体の一部拡大断面図 同じく回路構成体の一部拡大断面図 本発明の実施形態3に係る回路構成体の一部拡大平面図
符号の説明
10…回路構成体
14…絶縁板
15…制御用バスバー(第1バスバー)
16…リレー(電子部品)
17…抵抗素子(サージ吸収素子)
17B…端子
18…電力用バスバー(第2バスバー)
23…開口部
25A…制御用端子
26…位置合わせ部
27…溝部
42…壁部
50…バスバー接続用開口部
51…溶接用開口部
52…基台部
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6によって説明する。本実施形態は、図示しない電源から図示しない複数の電装品に電力を分配するための電力分配ユニットであって、本発明に係る回路構成体10に、放熱板11と、コネクタ12と、ヒューズブロック13とを装着してなる。
図1に示すように、回路構成体10は、横長の略矩形状(図2参照)をなす合成樹脂製の絶縁板14と、絶縁板14の図1における上面(本発明に係る一方の面に該当)に、複数本の制御用バスバー(本発明に係る第1バスバーに該当)15を沿わして形成されてなる制御回路と、この上面に実装されたリレー16(本発明に係る電子部品に該当)と、絶縁板14の下面(本発明に係る他方の面に該当)に、複数本の電力用バスバー(本発明に係る第2バスバーに該当)18を沿わして形成されてなる電力回路とを備えてなる。なお、図2においては、制御用バスバー15、及び電力用バスバー18の詳細な回路パターンについては省略してある。
制御用バスバー15及び電力用バスバー18は、金属板を所定形状に打抜き加工して形成されてなる。制御用バスバー15は、絶縁板14の上面に、絶縁性を有する図示しない接着層を介して接着されている。一方、電力用バスバー18は、絶縁板14の下面に、絶縁性を有する図示しない接着層を介して接着されている。上記の接着層は、絶縁板14の上面及び下面のうち、制御用バスバー15及び電力用バスバー18の貼付される領域にのみ塗布された接着剤層であってもよく、また、後述する開口部23、バスバー接続用開口部50及び溶接用開口部51に対応する位置に開口を設けた接着シートであってもよい。
制御用バスバー15のうち所定のものは、図1における左端が、絶縁板14の上面側において二度直角曲げされることで、先端が図1における左方に向けて、絶縁板14の周縁部から突出している。また、電力用バスバー18のうち所定のものは、図1における絶縁板14の左端から左方に突出すると共に、絶縁板14の上面側において二度直角曲げされることで、先端が図1における左方に向けて、絶縁板14の周縁部から突出している。
制御用バスバー15及び電力用バスバー18のうち、上述したように図1の左方に向けて絶縁板14の周縁部から突出した端部は、後述するコネクタフード部28内に上下方向に並んで突出して、図示しない相手側端子と接続する端子部19とされる。
また、電力用バスバー18のうち所定のものは、図1における右端が、絶縁板14の上面側において二度直角曲げされることで、先端が図1における右方に向けて、絶縁板14の周縁部から突出している。この端部は、後述するヒューズブロック13のヒューズ装着部20内に突出して、ヒューズ21の端子21Aと接続するヒューズ接続部22とされる。ヒューズ接続部22の先端には、一対のアーム部41,41が形成されている。アーム部41,41の先端は、内方に向かって突出しており、ヒューズ21の端子21Aがアーム部41,41の間に挿入されると、ヒューズ21の端子21Aを挟持するようになっている(図2参照)。
図1において、絶縁板14の上方には、絶縁板14と離間して、バスバー構成板31が保持されている。バスバー構成板31は、板状をなす合成樹脂製の支持部32と、合成樹脂製の押さえ部33との間に、複数本の構成板用バスバー34を挟みつけて保持してなる。上記の押さえ部33は、中央部が開放された枠体35と、枠体35のうち図2の左手前側の端部、及び右奥側の端部から絶縁板14側に向けて延出された脚部36,36とからなる。支持部32の下面には、図示しない溝が形成されており、支持部32と押さえ部33とを組み付けた状態において、この溝内に構成板用バスバー34が収容されると共に、支持部32と枠体35との間に挟み込まれることで回路パターンが形成され、バスバー構成板31が形成されるようになっている。このように、構成板用バスバー34は枠体35と支持部32とにより周囲を挟みつけられた状態になっているから、枠体35と支持部32との間に安定して保持することができる。なお、図2においては、バスバー構成板31の詳細な回路パターンについては省略してある。
また、詳細には図示しないが、押さえ部33の脚部36,36の下端縁が、絶縁板14の上面に上方から当接することで、バスバー構成板31を、絶縁板14の上方に、絶縁板14から離間した状態で、絶縁板14に沿わして保持するようになっている。
なお、支持部32及び脚部36,36は、電力分配ユニットの外部に露出しており、この電力分配ユニットのケーシングとして機能している。
構成板用バスバー34の端部のうち所定のものは、枠体35のうち図1の左端から延出されて、絶縁板14側に二度直角曲げされることで、先端が図1の左方に向けて、バスバー構成板31の周縁部から突出している。この端部は、コネクタフード部28内に突出して、図示しない相手側端子と接続する端子部38とされる。この端子部38は、上述した、制御用バスバー15及び電力用バスバー18に形成された端子部19よりも上方に位置するようになっている。
構成板用バスバー34の端部のうち所定のものは、枠体35のうち図1の右端から延出されて、絶縁板14側に二度直角曲げされることで、先端が図1の右方に向けて、バスバー構成板31の周縁部から突出している。この端部は、ヒューズブロック13のヒューズ装着部20内に突出して、ヒューズ21の端子21Aと接続されるヒューズ接続部39とされる。このヒューズ接続部39は、電力用バスバー18に形成されたヒューズ接続部22と対応する位置に形成されていると共に、電力用バスバー18に形成されたヒューズ接続部22よりも上方に位置するようになっている。ヒューズ接続部39の先端には、一対のアーム部41,41が形成されている。アーム部41,41の先端は、内方に向かって突出しており、ヒューズ21の端子21Aがアーム部41,41の間に挿入されると、ヒューズ21の端子21Aを挟持するようになっている。
なお、図1における支持部32の左端縁は下方に向けて延出されていると共に、支持部32の右端縁は、絶縁板14側に二度直角曲げ形成されて右方に延出されて、延出片40,40が形成されている。この延出片40,40が、構成板用バスバー34のうち絶縁板14側に曲げ形成された部位と左右方向から当接することにより、構成板用バスバー34が図1における左右方向に変位するのを規制するようになっている。
図1に示すように、電力用バスバー18の下面には、略矩形状(図2参照)をなす金属製の放熱板11が、絶縁性を有する図示しない接着層を介して接着されている。放熱板11の図1における下面は電力分配ユニットの外部に露出しており、これにより、リレー16、電力用バスバー18などから発生した熱が、電力分配ユニットの外部に放散されるようになっている。
図1において、回路構成体10の左方には、コネクタ12が取り付けられている。コネクタ12は、図1の左方に開口するコネクタフード部28と、図1の右方に開口して、回路構成体10の左端縁に左方から嵌合する嵌合筒部29とからなる。コネクタフード部28の奥壁からは、上述した端子部19及び端子部38が奥壁を貫通すると共に、上下方向に並んで左方に突出している。一方、嵌合筒部29には、回路構成体10の左端縁が緊密に嵌まり込むようになっている。
図1において、回路構成体10の右方には、ヒューズブロック13が取り付けられている。ヒューズブロック13は、図1の右方に開口するヒューズ装着部20と、図1の左方に開口して、回路構成体10及び放熱板11の右端縁に右方から嵌合する嵌合筒部30とからなる。ヒューズ装着部20内には、上述したヒューズ接続部22及びヒューズ接続部39がヒューズ装着部20の奥壁を貫通すると共に上下方向に並んで右方に突出しており、ヒューズ21の端子21Aと接続している。また、嵌合筒部30には、回路構成体10及び放熱板11の右端縁が緊密に嵌り込むようになっている。
図1に示すように、ヒューズ装着部20内にはヒューズ21が収容されており、ヒューズ21の各端子21Aが、電力用バスバー18側のヒューズ接続部22のアーム部41,41の間に挿入されると共に、構成板用バスバー34側のヒューズ接続部39のアーム部41,41の間に挿入されることで、バスバー構成板31と、電力回路とが電気的に接続されている。
この電力分配ユニットは、図6に示すように、ヒューズブロック13側を上方に向けた縦向きの姿勢とされ、リレーボックス(図示せず)内に収容された状態でエンジンルーム(図示せず)内に固定されるようになっている。
さて、図3ないし図5に示すように、絶縁板14には、所定の位置に開口部23が形成されており、開口部23は、リレー16の端子25が収容可能な大きさに設定されている。また、絶縁板14には、所定位置にバスバー接続用開口部50が形成されている。開口部23及びバスバー接続用開口部50からは、電力用バスバー18が露出している。この電力用バスバー18は、上述したように、絶縁板14の下面のうち電力用バスバー18が貼付される領域に塗布された接着剤、又は電力用バスバー18が貼付される領域を覆うと共に、開口部23、及びバスバー接続用開口部50に対応する位置に開口が形成された接着シートにより接着されているから、開口部23及びバスバー接続用開口部50から露出した電力用バスバー18の上面には接着層が付着していないようになっている。
また、制御用バスバー15のうち所定の端部24は、下方へ一段下がって形成されると共に、バスバー接続用開口部50内に収容されて、電力用バスバー18と接続されている。
絶縁板14の上面にはリレー16が実装されている。このリレー16からは複数本(本実施形態では6本)の端子25が延出されている。これら端子25のうち、図5におけるリレー16の上縁から上方に延出された端子25であって最も右側に配されたものと、図5におけるリレー16の下縁から下方に延出された端子25であって最も右側に位置するものは、リレー16の作動を制御するための信号が制御回路から入力される一対の制御用端子25Aとされている。この制御用端子25Aの一方は、制御用バスバー15のうちの1本の上面に重ねられて溶接されており、制御用端子25Aの他方は、制御用バスバー15のうちの他の一本の上面に重ねられて溶接されている。
また、リレー16の端子25のうち、図5におけるリレー16の下縁から下方に延出された端子25であって、図5の左右方向の中央に配されたものは、電力回路の通断電を制御するための電力用端子25Bとされている。この電力用端子25Bは、絶縁板14の開口部23内に収容されて、電力用バスバー18の上面に重ねられて、溶接されている。
さらに、リレー16の端子25のうち、図5におけるリレー16の下縁から下方に延出された端子25であって最も左側に配されたものは、制御回路及び電力回路の双方と接続される端子25Cとされている。この端子25Cは、バスバー接続用開口部50内に収容されて、電力用バスバー18に重ねられた制御用バスバー15の端部24の上面に更に重ねられており、これら電力用バスバー18、制御用バスバー15及び端子25Cは、同時的に溶接されるようになっている。
絶縁板14の上面には、制御回路に接続されて、リレー16を、通断電制御に伴うサージ電流(短時間に急激に立ち上がる非周期的な過渡電圧によって流れる電流)から保護するための抵抗素子17(本発明に係るサージ吸収素子に該当)が実装されている。抵抗素子17は、リレー16のうち、制御用端子25Aが形成された側の側縁に隣接して配されており、本実施形態では、図5におけるリレー16の右方に配されている。抵抗素子17は、横長形状で略円筒形をなす本体17Aと、本体17Aの長手方向の両端から延出された1対の端子17Bとからなる。
絶縁板14の上面には、所定の位置に、抵抗素子17を位置合わせして載置するための位置合わせ部26が形成されている。位置合わせ部26は、絶縁板14の上面から上方に突出して形成された基台部52の上面に形成された溝部27からなる。基台部52は、図1の左右方向に細長い形状であって、略直方体形状をなしている。溝部27は、基台部52の長手方向に沿って形成されており、抵抗素子17の本体17Aが溝部27内に設置できるようになっている。基台部52の長手方向の長さ寸法は、抵抗素子17の本体17Aの長手方向の長さ寸法よりもやや大きく設定されている。また、溝部27の幅寸法は、抵抗素子17の本体17Aの幅寸法と略等しく設定されている。
図3ないし図5に示すように、抵抗素子17の端子17Bは、溝部27の両側端から外方に延出された後、図4における下方に曲げ形成され、更に両下端がリレー16の配された方向(図5における左方)に向けて直角曲げされている。抵抗素子17の本体17Aを溝部27に載置すると、1対の端子17Bは1対の制御用端子25Aの上に重なるようになっている。制御用バスバー15と、リレー16の制御用端子25Aと、抵抗素子17の端子17Bとは、溶接されることにより電気的に接続されている。なお、絶縁板14には、リレー16の制御用端子25Aに対応する位置に、絶縁板14の裏面側から図示しない溶接用の治具を挿入するための溶接用開口部51が形成されている。これにより、制御用バスバー15と、リレー16の制御用端子25Aと、抵抗素子17の端子17Bとを、溶接用の治具により上下方向から挟み込んで、圧力を加えながら同時的に溶接できるようになっている。
次に、実施形態1の作用、効果について説明する。
まず、合成樹脂を射出成形することにより絶縁板14を形成する。絶縁板14には、所定の位置に開口部23、バスバー接続用開口部50、及び溶接用開口部51を形成すると共に、溶接用開口部51の近傍に、位置合わせ部26を形成する。
続いて、金属板を所定形状に打抜き加工することにより制御用バスバー15を形成する。この制御用バスバー15を、絶縁板14の図1における上面に接着する。このとき、制御用バスバー15のうち、電力用バスバー18と接続される端部24は、バスバー接続用開口部50内に収容される。また、リレー16の制御用端子25Aと接続される端部は、溶接用開口部51の上方に配される。
また、金属板を所定形状に打抜き加工することにより電力用バスバー18を形成する。この電力用バスバー18を、絶縁板14の下面に接着する。このとき電力用バスバー18は、開口部23及びバスバー接続用開口部50内に露出するようになっている。
絶縁板14に、制御用バスバー15と電力用バスバー18とを接着した後、絶縁板14の上方からリレー16を、絶縁板14の上面に載置する。このとき、リレー16の端子25のうち、電力用端子25Bが開口部23内に収容されるように配すると共に、制御回路及び電力回路の双方と接続される端子25Cがバスバー接続用開口部50内に収容されるように配する。すると、電力用端子25Bは電力用バスバー18の上面に重なった状態になり、また、制御回路及び電力回路の双方と接続される端子25Cは、電力用バスバー18に重ねられた制御用バスバー15の端部24の上面に更に重なった状態になる。一方、リレー16の制御用端子25Aは、溶接用開口部51の上方に配されると共に、制御用バスバー15の上面に重なった状態になる。
リレー16を載置した後、抵抗素子17の本体17Aを溝部27内に載置する。このとき、抵抗素子17の端子17Bをリレー16の制御用端子25Aの上面に重なるように配する。
次に、一対の溶接用の治具の一方を、下方からバスバー接続用開口部50内に挿入して電力用バスバー18の下面に下方から当接する共に、溶接用治具の他方を、上方からリレー16の端子25Cの上面に上方から当接する。その後、上下方向から溶接用の治具により、電力用バスバー18と、制御用バスバー15と、リレー16の端子25Cとを挟みつけながら、圧力を加えつつ、超音波により接続面を溶融させて同時的に溶接を行う。これにより、電力用バスバー18と、制御用バスバー15と、リレー16の端子25Cとを電気的に接続する。
また、一対の溶接用の治具の一方を、下方から開口部23内に挿入して電力用バスバー18の下面に下方から当接する共に、溶接用治具の他方を、上方からリレー16の電力用端子25Bの上面に上方から当接する。その後、上記と同様にして、同時的に超音波溶接を行い、電力用バスバー18と、リレー16の電力用端子25Bとを電気的に接続する。
また、一対の溶接用の治具の一方を、下方から溶接用開口部51内に挿入して制御用バスバー15の下面に下方から当接する共に、溶接用治具の他方を、上方から抵抗素子17の端子17Bに上方から当接する。その後、上記と同様にして、同時的に超音波溶接を行い、電力用バスバー18と、リレー16の制御用端子25Aと、抵抗素子17の端子17Bとを電気的に接続する。
上記の溶接作業において、例えば、上下面に回路が形成されたプリント配線基板の上面からレーザー光線又はドリルによってプリント配線基板を切削加工し、プリント配線基板の下面に形成された銅箔を露出させ、この銅箔に対して溶接作業を行うことが考えられる。しかしこの場合、この銅箔の上面には接着剤が塗布されているので、銅箔と、制御用端子25Aや端子17Bとを溶接するためには、接着剤を除去する作業が必要となる。
これに対し本実施形態では、上述したように開口部23及びバスバー接続用開口部50内に露出する電力用バスバー18の上面には接着層が付着しないようになっているから、接着剤層の除去作業が不要であり、溶接作業を容易に行うことができる。
以上説明したように、実施形態1によれば、絶縁板14の上面に制御用バスバー15により制御回路が形成されていると共に、下面には電力用バスバー18により電力回路が形成されている。これにより、両回路が別々の回路基板上に形成された場合に比べて、回路構成体を小型化できる。
また、実施形態1によれば、リレー16の電力用端子25Bは、開口部23内に収容されて、電力用バスバー18と溶接されているから、電力回路とリレー16の電力用端子25Bとを例えばジャンパ線により接続する場合に比べて、接続箇所を少なくすることができ、接続作業工程を簡略化できる。さらに、電力用バスバー18と、制御用バスバー15の端部24と、リレー16の端子25Cとは、バスバー接続用開口部50内で溶接されているから、上記と同様に、制御回路と、電力回路とを接続する際の接続作業工程をも簡略化できる。
また、実施形態1によれば、位置合わせ部26により抵抗素子17を絶縁板14の所定位置に載置できるから、抵抗素子17を絶縁板14に固定する前に抵抗素子17が位置ズレすることを防止できる。
さらに、抵抗素子17の本体17Aは横長の略円筒形をなしているため、転がりやすくなっている。この点に鑑みて実施形態1においては、基台部52の上面に溝部27を形成したから、この溝部27に抵抗素子17の本体17Aを載置することにより、抵抗素子17が転がることを防止できる。
加えて、絶縁板は合成樹脂を射出成形してなるから、位置合わせ部26を絶縁板14から上方に突出する形態で形成することができる。これにより、絶縁板14の上面側から抵抗素子17を組み付ける際に、溝部27内に抵抗素子17を載置しやすくなっている。
また、従来、抵抗素子17は、絶縁板14の制御回路に接続されており、この制御回路の導電路を介して、リレー16の制御用端子25Aと電気的に接続されていた。実施形態1によれば、抵抗素子17の端子17Bと、制御用端子25Aと、制御用バスバー15とが同時的に溶接されているから、端子17B、制御用端子25A及び制御用バスバー15を個別に接続する場合に比べて、接続作業を効率よく行うことができる。また、抵抗素子17と、制御用端子25Aとの間を電気的に接続するための導電路を省略できる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図7及び図8によって説明する。実施形態1との相違は、位置合わせ部26の形態を異ならせたところにあり、その他は実施形態1と同様である。実施形態1と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。
位置合わせ部26の、図8における上下両端部からは、リレー16が配された方向(図8の左方)に向けて、1対の壁部42,42が形成されている。この壁部42,42は、図7における絶縁板14の上面から上方に向けて突出した形態になっていると共に、互いに対向して形成されている。壁部42,42の内面同士の間隔Lは、リレー16の、図8における上下方向の長さ寸法と等しく設定されている。また、位置合わせ部26の長手方向の長さ寸法は、リレー16の図8における上下方向の長さ寸法よりもやや大きく設定されている。一方、図7に示すように、この壁部42,42の、絶縁板14の上面からの高さ寸法は、壁部17Cの上端縁が、リレー16の下端縁よりも上方に位置するように設定されている。
次に、実施形態2の作用、効果について説明する。
実施形態2によれば、リレー16を絶縁板14に実装する際、まず、リレー16を壁部42,42の内壁面に当接させながら、絶縁板14の上面に載置する。これにより、リレーを所定位置に位置合わせすることができる。次に、リレー16が位置合わせされた状態で、抵抗素子17、制御回路及び電力回路と溶接することにより、絶縁板14に固定する。これにより、リレー16を絶縁板16に固定する前にリレー16が位置ズレすることを防止できる。
<実施形態3>
実施形態1においては、リレー16をサージ電流から保護するために抵抗素子17を実装する構成としたが、例えばサージ電流の発生を抑制するための回路が設けられている場合等、リレー16の制御用端子25Aに直接サージ電流が流れない構成になっている場合には、図9に示すように、抵抗素子17を省略できる。また、抵抗素子17の位置合わせを行うための位置合わせ部26も省略できる。
これにより、回路構成体10を小型化できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態では、両面接続電子部品としてリレー16を用いたが、これに限られず、半導体リレーでもよい。この場合、半導体リレーのソース端子及びドレイン端子を絶縁板14の開口部23内に収容して電力用バスバー18と接続し、ゲート端子を制御用バスバー15と接続する構成としてもよい。さらに、ドレイン端子を半導体リレーの底面に配し、半導体リレー全体を開口部23内に収容する構成とすることで、回路構成体の低背化を図ることができる。
(2)本実施形態においては、位置合わせ部26は、絶縁板14の上面から上方に突出して形成される構成としたが、これに限られず、絶縁板14の上面に、抵抗素子17の本体17Aが載置されるための溝が形成される構成としてもよい。
(3)本実施形態においては、壁部42は、絶縁板14の上面から上方に突出して形成されてなる、互いに対向する1対の壁部としたが、これに限られず、上方から見て直線状をなす壁部でもよいし、上方から見て略コ字状をなす壁部でもよいし、4つの壁部が連結されて筒状をなす構成としてもよく、リレー16を所定の位置に位置合わせして保持可能であれば、任意の形状としてよい。
(4)本実施形態においては、リレー16の各端子25、電力用バスバー18、制御用バスバー15、及び抵抗素子17の端子17Bはそれぞれ、超音波溶接により接続される構成としたが、これに限られず、レーザー溶接、アーク溶接、抵抗溶接により接続してもよい。また、ろう付け、半田付け等により接続してもよい。
(5)本実施形態においては、制御用バスバー15と、電力用バスバー18と、リレー16の端子25Cとを一つのバスバー接続用開口部50内に収容して、これらをまとめて接続する構成としたが、これに限られず、制御用バスバー15と電力用バスバー18とを接続するためのバスバー接続用開口部50と、電力用バスバー18とリレー16の端子25Cとを接続するための開口部23を別個に形成する構成としてもよい。
(6)本実施形態においては、絶縁板14のうち、リレー16の制御用端子25Aに対応する位置に溶接用開口部51を設け、この溶接用開口部内23Aに溶接用の治具を挿入して、抵抗素子17の端子17B、制御用端子25A、及び制御用バスバー15を1対の溶接用の治具により挟みつけて、圧力を加えながら溶接する構成としたが、例えばレーザー溶接など、治具により圧力を加えなくても溶接可能な方法によれば、溶接用開口部51を省略できる。
(7)本実施形態においては、絶縁板14に設けられたバスバー接続用開口部50内には電力用バスバー18が露出する構成としたが、これに限られず、バスバー接続用開口部50内に制御用バスバー15が露出し、電力用バスバー18がバスバー接続用開口部50内に収容されて制御用バスバー15と接続される構成としてもよい。
(8)本実施形態においては、制御用バスバー15及び電力用バスバー18は、絶縁板14の上面及び下面のそれぞれに、接着層を介して配される構成としたが、これに限られず、絶縁板14の上面及び下面の所定位置に樹脂ピンを立設し、制御用バスバー15及び電力用バスバー18を所定位置に配した後、樹脂ピンの頭部を溶融、加圧して変形させ、変形した樹脂ピンの頭部と絶縁板14の上面及び下面との間で制御用バスバー15及び電力用バスバー18を挟み込むことにより、絶縁板14の上面及び下面に沿うようにして制御用バスバー15及び電力用バスバー18を配する構成としてもよい。
(9)絶縁板14の下面(本発明の他方の面に相当)に制御用バスバー(本発明の第2バスバーに相当)を配設して開口部23内に露出させ、絶縁板14の上面(本発明の一方の面に相当)に位置合わせ部26を形成し、抵抗素子17を位置合わせ部26の上端に載置し、開口部23内に、抵抗素子17の端子17Bを収容し、さらに、開口部23内にはリレー16の制御用端子25Aを端子17Bの上方から収容し、端子17Bを、制御用バスバーと、制御用端子25Aとの間に挟んだ状態で溶接することにより、端子17Bと、制御用バスバーと、制御用端子25Aとを電気的に接続する構成としてもよい。
本発明は、小型化されると共に、電子部品と導電路との接続工程が簡略化された回路構成体を提供することを目的とする。

Claims (9)

  1. 開口部を有する絶縁板と、この絶縁板の一方の面に沿うように配される第1バスバーと、前記絶縁板の他方の面に沿うように配されると共に前記開口部内に露出する第2バスバーと、接続端子を備え、その接続端子が前記開口部内において前記第2バスバーと電気的に接続される電子部品とを備えてなり、
    前記絶縁板の一方の面には一対の制御用端子を有するリレーが実装されると共に、前記一方の面に配された前記第1バスバーは複数本備えられ、それらのうちの1本が前記制御用端子の一方に、他の1本が他方に接続され、さらに一対のリードを有するサージ吸収素子が前記一対の制御用端子間に接続されると共に、そのサージ吸収素子の各リードは前記リレーの制御用端子と前記第1バスバーとの溶接またはろう付け工程によって同時的に接続されていることを特徴とする回路構成体。
  2. 前記絶縁板にはバスバー接続用開口部が形成されており、前記バスバー接続用開口部内には前記第1及び第2バスバーのうちいずれか一方が露出しており、他方のバスバーの端部のうち少なくとも1つは前記バスバー接続用開口部内において前記一方のバスバーと電気的に接続されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の回路構成体。
  3. 前記絶縁板の一方の面には、前記電子部品を前記絶縁板に当接させて位置合わせするための位置合わせ部が突設されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の回路構成体。
  4. 前記絶縁板の一方の面には、前記電子部品を前記絶縁板に当接させて位置合わせするための位置合わせ部が突設されていることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の回路構成体。
  5. 前記電子部品は抵抗素子であって、
    前記位置合わせ部は、前記絶縁板の一方の面側に突設された基台部の上面に形成された溝部からなることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の回路構成体。
  6. 前記電子部品は抵抗素子であって、
    前記位置合わせ部は、前記絶縁板の一方の面側に突設された基台部の上面に形成された溝部からなることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の回路構成体。
  7. 前記電子部品はリレーであって、
    前記位置合わせ部は、前記絶縁板の一方の面側に突設された一対の壁部からなることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の回路構成体。
  8. 前記電子部品はリレーであって、
    前記位置合わせ部は、前記絶縁板の一方の面側に突設された一対の壁部からなることを特徴とする請求の範囲第4項に記載の回路構成体。
  9. 前記絶縁板には、前記制御用端子に対応する位置に、前記絶縁板の他方の面側から溶接用の治具を挿入するための溶接用開口部が形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第8項に記載の回路構成体。
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