JP4436327B2 - 上部装置の格納方法 - Google Patents
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また、上部装置の上端部には、アームの先端部から昇降用ワイヤが掛け渡されており、アームの先端部から上部装置を吊り下げることができる。
また、積載スペースの上方に移送した上部装置の振れを防ぐために、上部装置をアーム部材等によってベースマシンに連結する必要がなくなり、ベースマシン上の狭いスペースで煩雑な作業を行う必要がなくなるため、上部装置をベースマシンに格納するときの作業効率及び安全性を向上させることができる。
まず、本実施形態の杭施工装置について説明した後に、その杭施工装置に設けられた上部装置の格納方法について説明する。
なお、以下の説明において、前後方向とは、図1に示す前後方向に対応しており、左右方向とは、図2に示す左右方向に対応している。
本実施形態の杭施工装置について説明する。
図1は、本実施形態の杭施工装置を示した側面図である。図2は、本実施形態の杭施工装置における移動式クレーンの車体前部を示した平面図である。
本実施形態の杭施工装置1は、図1に示すように、上下方向に傾動自在であるとともに長手方向に伸縮自在なアーム11を有する移動式クレーン10(特許請求の範囲における「ベースマシン」)と、アーム11の先端部11aに上端部が支持されることにより、地面上に立設された柱状のリーダ20とを備え、アーム11の先端部11aとリーダ20の上端部とが上部装置30を介して連結されている。そして、杭施工手段であるアースオーガ及び打撃ハンマ(図示せず)が、リーダ20に沿って昇降するように構成されている。
移動式クレーン10は、図1及び図2に示すように、アーム11を有する既存のラフタークレーンである。アーム11の基部は、車体後部12bにおいて車幅方向の中央に取り付けられている。このアーム11は、車体後部12bから車体前部12aの上方を通過して、その先端部11aが車体前部12aよりも前方に配置されている。
リーダ20は、図1に示すように、柱状の部材であり、横断面が矩形となっている。また、リーダ20の四隅には高さ方向に沿って円柱形状のガイド部材21a,22aが取り付けられている。このガイド部材21a,22aには、アースオーガ及び打撃ハンマ(図示せず)がスライド可能に取り付けられる。
また、リーダ20は、上下方向に連結された複数のリーダ21,22によって構成されており、上端部を構成する基本リーダ21と、基本リーダ21の下方に連結されている複数の分割リーダ22・・・とから構成されている。
上部装置30は、図1に示すように、アーム11にリーダ20を取り付けるための部材であり、アーム11の先端部11aと、リーダ20の上端部との間に介設されている。
この上部装置30は、左右方向に幅広となっており、上端部31(一端)がリーダステー40を介してアーム11の先端部11aに取り付けられている。一方、上部装置30の下端部32(他端)には、リーダ20の上端部が取り付けられている。
また、上部装置30では、下端部32が上端部31に対して横回転可能となっており、下端部32に取り付けられたリーダ20を横回転させることができる。
なお、上部装置30の上端部31には、三体の滑車が左右方向に並設されており、アーム11の先端部11aからオーガ用ワイヤ、ハンマ用ワイヤ及び杭用ワイヤ(図示せず)が掛け渡されている(図8参照)。
次に、図1に示す杭施工装置1において、上部装置30を移動式クレーン10の積載スペース13に格納する方法について説明する。
図3は、本実施形態における上部装置の格納方法を示した図で、(a)は上部装置から分割リーダを取り外した状態の側面図、(b)は上部装置を横回転させた状態の側面図である。図4は、本実施形態における上部装置の格納方法を示した図で、(a)は上部装置を傾倒させた状態の側面図、(b)はオーガ用ワイヤに引き込み用ワイヤを引っ掛けた状態の側面図である。図5は、本実施形態における上部装置の格納方法を示した図で、上部装置を吊り上げて移送する態様の側面図である。図6は、本実施形態における上部装置の格納方法を示した図で、(a)は車体を車幅方向に傾ける前の概略正面図、(b)は車体を車幅方向に傾けた後の概略正面図である。図7は、本実施形態における上部装置の格納方法を示した図で、上部装置を積載スペースに載置した状態の側面図である。図8は、本実施形態における上部装置の格納方法を示した図で、上部装置を移動式クレーンに格納した状態の平面図である。図9は、本実施形態における上部装置の格納方法を示した図で、上部装置を移動式クレーンに格納した状態の側面図である。
また、上部装置30をリーダステー40から取り外し、アーム11の先端部11aから上部装置30を吊り下げる。そして、基本リーダ21の下端面を地面に接地させて、上部装置30を地面に立設させるとともに、ハンマ用ワイヤW2及び杭用ワイヤW3は少し引き出した状態にする。このとき、上部装置30は、アーム11の先端部11aに取り付けられていたときの向き、すなわち、左右方向に幅広な状態で地面に立設している。
また、引き込み用ワイヤ50の先端部には、引き込み用滑車51bが設けられている。具体的には、引き込み用ワイヤ50のワイヤ本体50aの先端部に形成された輪に、既存のフックブロック51のフック51aが引っ掛けられており、このフックブロック51に引き込み用滑車51bが設けられている。
以上のような上部装置30の格納方法では、次のような作用効果を奏する。
本実施形態における上部装置30の格納方法では、図5に示すように、上部装置30の上端部31と下端部32とが水平になるように地面に配置し、アーム11から上部装置30の上端部31に掛け渡されたオーガ用ワイヤW1を、上部装置30の下端部32側に取り付けられた引き込み用ワイヤ50によって、上部装置30の下端部32側に引き込むことにより、オーガ用ワイヤW1による鉛直方向への引き上げ力の作用点を上部装置30の重心位置の上方に移動させることができる。これにより、上部装置30の上端部31と下端部32とを水平状態に保ちながら、上部装置30を吊り上げることができるため、上部装置30を安定した状態で移動式クレーン10の積載スペース13に移送して載置することができる。したがって、上部装置30と移動式クレーン10との接触を防ぐことができ、上部装置30及び移動式クレーン10の損傷を防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、本実施形態では、図4(b)に示すように、引き込み用ワイヤ50の先端部に、フックブロック51を設け、このフックブロック51の引き込み用滑車51bをオーガ用ワイヤW1に引っ掛けているが、引き込み用ワイヤ50の先端部にシャックルやフックを設けて、オーガ用ワイヤW1に引っ掛けるように構成してもよい。
10 移動式クレーン
11 アーム
13 積載スペース
20 リーダ
21 基本リーダ
22 分割リーダ
30 上部装置
40 リーダステー
50 引き込み用ワイヤ
51 フックブラケット
51b 引き込み用滑車
W1 オーガ用ワイヤ
Claims (3)
- 一端にベースマシンのアームの先端部が取り付け可能であるとともに、他端に杭施工手段の昇降を案内するためのリーダを取り付け可能な上部装置の格納方法であって、
前記上部装置の一端には、前記アームの先端部から昇降用索条が掛け渡されており、
前記上部装置を前記アームから取り外し、前記上部装置の一端及び他端が水平になるように、前記上部装置を地面上に配置する段階と、
前記上部装置の他端側に引き込み用索条の基部を取り付ける段階と、
前記引き込み用索条の先端部を、前記昇降用索条にスライド可能に引っ掛けて、前記昇降用索条において前記引き込み用索条の先端部が連結された部位を、前記上部装置の他端側に引き込む段階と、
前記昇降用索条を上方に引き上げることで、前記引き込み用索条の先端部が、前記昇降用索条上でスライドして前記上部装置の重心位置の上方に移動し、前記昇降用索条による鉛直方向の引き上げ力の作用点が、前記上部装置の重心位置の上方に調整されることにより、前記上部装置の一端と他端とを水平状態に保ちながら、前記上部装置を吊り上げる段階と、
前記アームを駆動させるとともに、前記昇降用索条を繰り出して、前記上部装置を前記ベースマシンの積載スペースに載置する段階と、
を含むことを特徴とする上部装置の格納方法。 - 前記引き込み用索条の先端部には、引き込み用滑車が設けられており、前記引き込み用滑車を前記昇降用索条にスライド可能に引っ掛けることにより、前記昇降用索条において前記引き込み用索条の先端部が連結された部位を、前記上部装置の他端側に引き込むことを特徴とする請求項1に記載の上部装置の格納方法。
- 前記ベースマシンは、車体前部に前記積載スペースが設けられているとともに、前記積載スペースと車幅方向に並設して、前記車体前部に運転室が設けられており、車体後部に取り付けられた前記アームが前記車体前部の上方を通過するように配置され、
前記上部装置を前記積載スペースに載置する段階において、前記運転室側が上方となるように、車体全体を車幅方向に傾斜させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の上部装置の格納方法。
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