以下図面を参照して、本発明の形態について説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号が付してある。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
本発明の実施の形態に係るパターン発生システムは、図1に示すように、パターン発生ユニット10、入力装置12、出力装置14、外部記憶装置16、及び描画システム18等を備える。また、パターン発生ユニット10は、入力部30、領域設定部32、パターン抽出部34、領域抽出部36、被覆率算出部38、パターン処理部40、出力部42、及び内部メモリ44等を備えている。
パターン発生ユニット10は、設計情報を格納したファイルから配線パターンを規定する配線レイアウトデータ、及び配線パターンに接続可能なホールパターンを規定するホールレイアウトデータを読み出す。同一配線層レベル内でパターン処理領域の配線パターンに接続されるホールパターンを抽出し、ホールパターンを囲む第1の処理領域を抽出する。第1の処理領域に含まれる配線パターンのパターン被覆率を算出し、第1の処理領域にパターン被覆率に基づいて追加パターンを発生させる。
パターン発生ユニット10は、通常のコンピュータシステムの中央処理装置(CPU)の一部として構成すればよい。入力部30、領域設定部32、パターン抽出部34、領域抽出部36、被覆率算出部38、パターン処理部40、及び出力部42は、それぞれ専用のハードウェアで構成しても良く、通常のコンピュータシステムのCPUを用いて、ソフトウェアで実質的に等価な機能を有していても構わない。
パターン発生ユニット10に接続された外部記憶装置16は、設計情報ファイル20、製造情報ファイル22、及び描画データファイル24等を備える。設計情報ファイル20は、半導体装置の回路の仕様及び回路のレイアウト等を含むフォトマスクの設計情報を格納している。製造情報ファイル22は、半導体装置の製造仕様、製造条件等を格納している。描画データファイル24は、フォトマスクの作製に用いるマスクパターンの描画データを格納している。また、外部記憶装置16は、パターン発生ユニット10で実行される各処理のプログラム命令を記憶している。プログラム命令は必要に応じてパターン発生ユニット10に読み込まれ、演算処理が実行される。外部記憶装置16は、それぞれ、半導体ROM、半導体RAM等の半導体メモリ装置、磁気ディスク装置、磁気ドラム装置、磁気テープ装置などの補助記憶装置で構成してもよく、コンピュータのCPUの主記憶装置で構成しても構わない。
描画システム18は、図示を省略した描画制御ユニット及び描画装置等を備える。描画制御ユニットは、描画データファイル24あるいはパターン発生ユニット10からマスクパターンの描画データを取得する。描画装置は、描画制御ユニットにより取得された描画データを用いてフォトマスクの作製を実施する。
パターン発生ユニット10の入力部30は、設計情報ファイル20に格納されている配線パターン及びホールパターンのレイアウトを読み出して取得する。例えば、配線レイアウト60は、図2に示すように、配線パターン62a、62b、及び62cを含む。ホールレイアウト64は、図3に示すように、ホールパターン66を含む。ここで、配線パターン62aは、周辺領域のパターン被覆率が20%以下の孤立パターンである。図示を省略した領域に密集パターンが配置されている。
図2及び図3に示した配線レイアウト60及びホールレイアウト64は、同一配線層レベル内の配線パターン62a、62b、62cとホールパターン66をそれぞれ規定するものであって、図4に示すように、配線パターン62aの一端部にホールパターン66が重なるように配置されている。例えば、配線レイアウト60及びホールレイアウト64を基に作製されたフォトマスクを用いて、デュアルダマシン構造の溝加工が行われる。図5に示すように、下層配線としてバリア層271及び導電膜71が第1の層間絶縁膜70に形成される。下層配線及び第1の層間絶縁膜70上に拡散防止膜170が成膜される。拡散防止膜170の表面にホール層絶縁膜72a、配線層絶縁膜72b、及びキャップ絶縁膜72cが成膜され、第2の層間絶縁膜74が形成される。配線パターン62a及びホールパターン66に対応して、配線層絶縁膜72bに配線溝76、及びホール層絶縁膜72aにビアホール78がそれぞれ形成される。形成した配線溝76及びビアホール78に金属を充填してデュアルダマシン構造の配線層が形成される。
領域設定部32は、図6に示すように、配線パターン62a、62b、62cをパターン処理領域80に配置する。そして、配線パターン62a、62b、62cに対して、予め定められた設計規則に基いて禁止領域82a、82b、82cを配線パターン62a、62b、62cそれぞれの周囲に設定する。ここで、「禁止領域」とは、配線間及び配線層間の容量低減、光近接効果補正(OPC)によるパターン接近や重なり発生の制限、及び上下配線層のパッドや電源ライン等のパターン配置による制約等から規定される設計規則に基いて、新たなパターンの発生が禁止された領域である。なお、実施の形態では、パターン処理領域80として、例えば配線レイアウト60、あるいはホールレイアウト64の面を約200μm角に分割した領域を用いる。
パターン抽出部34は、図7に示すように、パターン処理領域80にホールレイアウト64を配置する。例えば、ホールレイアウト64の中から配線パターン62aと重なるホールパターン66が抽出される。なお、便宜のため図7には、配線パターン62a、62b、62c、及び禁止領域82a、82b、82cの図示が省略されている。
領域抽出部36は、図7に示すように、ホールパターン66を囲む周辺領域に第1の処理領域86を抽出する。また、図8に示すように、禁止領域82a、82b、82c、及び第1の処理領域86を除いた第2の処理領域88を抽出する。実施の形態では、第1の処理領域86として、例えば約20μm角の領域を用いる。
被覆率算出部38は、第1及び第2の処理領域86、88のそれぞれで配線パターンのパターン被覆率を算出する。ここで、パターン被覆率は、処理領域の面積に対する処理領域内に配置された配線パターンの面積の比である。
パターン処理部40は、算出された第1及び第2の処理領域86、88それぞれのパターン被覆率に基いて第1及び第2の処理領域86、88に追加パターンを発生させる。具体的には、第1及び第2の処理領域86、88それぞれにパターン被覆率の基準値が、予め定められる。実施の形態では、第1及び第2の処理領域86、88それぞれのパターン被覆率の基準値は、例えば共に20%と定めている。
図9に示すように、第1の処理領域86で算出されたパターン被覆率が基準値より大きくなるように第1の処理領域86に第1の追加パターンとして、第1の周期PAで配列されたダミーパターン90a、90b、・・・、90i、90j、90k、・・・を発生させる。更に、図10に示すように、第2の処理領域88で算出されたパターン被覆率が基準値より大きくなるように第2の処理領域88に第2の追加パターンとして、第2の周期PBで配列されたダミーパターン92a、92b、・・・、92i、92j、・・・を発生させる。その結果、図11に示すように、パターン処理領域80に、ダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・が発生させられる。
第1の処理領域86に含まれる配線パターン62aは、孤立パターンであり、第2の処理領域88には密集パターンが含まれている。また、ダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・のサイズは、ほぼ同じである。したがって、第1の処理領域86に配列されたダミーパターン90a〜90k、・・・、の第1の周期PAは、第2の処理領域88に配列されたダミーパターン92a〜92j、・・・の第2の周期PBより小さい。
更に、パターン処理部40は、発生させたダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・を配線レイアウト60に追加する。その結果、図12及び図13に示すように、配線パターン62a〜62cにダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・が追加された配線レイアウト60a、及びホールパターン66を有するホールレイアウト64がそれぞれ作成される。
出力部42は、作成された配線レイアウト60a及びホールレイアウト64を描画データとして外部記憶装置16の描画データファイル24に格納する。あるいは、出力部42は、配線レイアウト60a及びホールレイアウト64を直接描画システム18に伝送してもよい。
内部メモリ44は、入力部30で取得されたレイアウト、領域設定部32で設定されたパターン処理領域及び禁止領域、パターン抽出部34で抽出されたホールパターン、領域抽出部36で抽出された第1及び第2の処理領域、被覆率算出部38で算出されたパターン被覆率、並びにパターン処理部40で作成された追加パターン及びレイアウト等を格納する。
入力装置12は、キーボード、マウス等の機器を指す。入力装置12から入力操作が行われると対応するキー情報がパターン発生ユニット10に伝達される。出力装置14は、モニタなどの画面を指し、ブラウン管、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオード(LED)パネル、エレクトロルミネセンス(EL)パネル等が使用可能である。出力装置14は、パターン発生ユニット10により処理されるパターン処理領域や得られるレイアウト等を表示する。外部記憶装置16は、取得したレイアウトのパターン抽出、領域設定、領域抽出、パターン被覆率の算出、パターン発生、あるいはパターン処理等をパターン発生ユニット10に実行させるためのプログラムを保存している。また、パターン発生ユニット10の内部メモリ44又は外部記憶装置16は、パターン発生ユニット10における演算やパターン処理において、計算途中や処理途中のデータを一時的に保存する。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るパターン発生システムでは、図7に示したように、配線パターン62aと重なるホールパターン66を抽出して、ホールパターン66の周辺領域に第1の処理領域86を抽出している。第1の処理領域86内の配線パターンのパターン被覆率に基いて、図9に示したようにダミーパターン90a〜90k、・・・を発生させている。このように、第1の処理領域86のパターン被覆率を、第1の処理領域86を含むパターン処理領域80のパターン被覆率に依存することなく算出することができる。したがって、密集パターンを含むパターン処理領域に配置された孤立パターン周辺の処理領域のパターン被覆率を増加させるようにダミーパターン等の追加パターンを発生させることが可能となる。
例えば、化学機械研磨(CMP)法により平坦化された配線部の表面に、層間絶縁膜で覆われる配線等のパターン被覆率に従って窪み(ディッシング)が生じる。平坦性確保のため、疎配線領域にダミーパターン等を追加して、パターン被覆率の分布を一様にするのが望ましい。しかし、配線間及び配線層間の配線容量低減のためには、実際には不要なダミーパターン等を追加することは望ましくない。このようなトレードオフ関係のために、所望のパターン被覆率が確保できずに残された疎配線箇所が存在する場合が生じる。
層間絶縁膜には、誘電率低減のため多孔質膜等のlow−k絶縁膜が用いられる。low−k絶縁膜は機械的強度が小さい。そのため、製造工程での機械的損傷の保護のため緻密な酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(Si3N4)等のキャップ絶縁膜がlow−k絶縁膜等の表面に設けられる。low−k絶縁膜等の成膜される層間絶縁膜には、反応性イオンエッチング(RIE)等によるダメージを受けやすく、水分や残留ガス成分等が吸着し易い。層間絶縁膜に含まれる水分や残留ガス等は、キャップ絶縁膜を透過するのは困難で、層間絶縁膜中に閉じ込められる。
例えば、層間絶縁膜に掘り込まれたビアホール及びコンタクトホール等のホールや配線溝等に金属を埋めこむ成膜工程では、金属堆積の前に脱ガスが行われる。配線等のパターン被覆率が一定値以上に確保された密集配線パターンが転写された領域の層間絶縁膜では、キャップ絶縁膜が除去されたホール部や配線溝部から脱ガスが行われる。しかし、孤立配線パターンの領域においては、脱ガス中に層間絶縁膜中の水分及び残留ガス成分等が十分抜け切れず残留する。疎配線パターン領域では、バリア層や埋め込み金属の成膜工程中あるいは成膜後に、層間絶縁膜中の水分及び残留ガスにより、バリア層が酸化、あるいは変質する。その結果、バリア層と、ホールに埋め込まれたビアプラグやコンタクト等の金属及び層間絶縁膜との密着性不良が生じ、ストレス誘起ボイド形成(SIV)が引き起こされる。SIVにより、配線層間の高抵抗化や断線等の配線不良が発生する。
実施の形態では、例えば、図12及び図13に示した配線レイアウト60a及びホールレイアウト64の描画データを基にフォトマスクが作製される。作製したフォトマスクを用いて配線溝76及びビアホール78を形成すると、図14に示すように、ダミーパターン90i〜90kに対応するダミー溝77i、77j、77kが形成される。
第2の層間絶縁膜74のホール層絶縁膜72a、配線層絶縁膜72bを形成するためのlow-k絶縁膜の材料としては、炭素添加酸化シリコン(SiOC)、無機スピンオングラス(SOG)等の無機材料、あるいは有機SOG等の有機材料が使用できる。また、low-k絶縁膜として、無機材料膜及び有機材料膜等の積層膜を用いてもよい。更に、ホール層絶縁膜72a、配線層絶縁膜72bとして、多孔質のlow−k絶縁膜を用いることが層間、配線間容量低減を図る上で特に望ましい。キャップ絶縁膜72cには、機械的強度の弱いlow-k絶縁膜を保護するためSiO2やSi3N4等のガス透過率の小さな絶縁膜が用いられる。なお、ホール層絶縁膜72a及び配線層絶縁膜72bは異なる絶縁膜を用いているが、単一のlow-k絶縁膜で形成してもよい。
ホール層絶縁膜72aには、水分や残留ガスが含まれている。例えば、引き続き実施される金属埋め込み工程の前に、ホール層絶縁膜72aの脱ガスが行われる。実施の形態では、配線溝76及びビアホール78の周辺に、配線層絶縁膜72b、及びガス透過率の小さなキャップ絶縁膜72cが除去されたダミー溝77i、77j、77kが形成されているので、ホール層絶縁膜72aの脱ガスを効率よく実施することが可能となる。
なお、実施の形態の説明では、パターン処理領域80として、配線レイアウト60、あるいはホールレイアウト64の面を約200μm角に分割した領域を用いている。しかし、パターン処理領域80は、約200μm角に制限されない。例えば、パターン処理領域80として、200μm角以下に細分割した領域でもよく、あるいは、分割せずにレイアウト全面をパターン処理領域としてもよい。実際の運用に際して、細かいパターン処理領域では処理量が増加し処理時間が長くなること、大きいパターン処理領域ではパターン処理の精度が劣化すること等を考慮して、適宜パターン処理領域を定めればよい。
また、第1の処理領域86として、約20μm角の領域が抽出されている。しかし、第1の処理領域86の大きさは、制限されない。第1の処理領域の大きさは、図14に示したホール層絶縁膜72aの膜特性に基いて定めればよい。ホール層絶縁膜72aに用いるlow-k絶縁膜が、より多孔質で脱ガスが多い材料であれば、適宜第1の処理領域を小さくするのが望ましい。
また、第1の処理領域86は、ホールパターン66がほぼ中央に位置するように抽出されている。ホールパターン66が接続される配線パターン62aが、周辺領域のパターン被覆率がほぼ一様な孤立パターンである場合、有効である。しかし、ホールパターン66が中央からずれた任意の位置になるような第1の処理領域が抽出されてもよい。例えば、ホールパターンが接続される配線パターンの周辺領域において、パターン被覆率に疎密分布がある場合、ホールパターン66を第1の処理領域の端部あるいは角部に位置させて、第1の処理領域が、パターン被覆率が疎な周辺領域に配置されるように抽出されてもよい。
また、第1の処理領域86は、図7に示したように、パターン処理領域80内に含まれている。しかし、抽出される第1の処理領域86は、パターン処理領域80内に限定されない。例えば、抽出されたホールパターン66がパターン処理領域80の端部あるいは角部に位置している場合、第1の処理領域86が、パターン処理領域80の境界を越えるように抽出されてもよい。
また、第1及び第2の処理領域86、88のパターン被覆率の基準値を、共に20%としている。しかし、パターン被覆率の基準値は、20%に制限されない。特に、第1の処理領域のパターン被覆率の基準値を第2の処理領域より大きくすることが望ましい。即ち、ホール層絶縁膜72aに用いるlow-k絶縁膜が、より多孔質で脱ガスが多い材料であれば、第1の処理領域のパターン被覆率の基準値を、適宜大きくすることにより、脱ガスが効率よく実施できる。
また、第1及び第2の処理領域86、88には、図9及び図10に示したように、同一のサイズの追加パターンを発生させている。しかし、追加パターンのサイズは、第1及び第2の処理領域86、88で異なっていてもよく、各処理領域において望まれるパターン被覆率に応じて、処理領域ごとに追加パターンのサイズと周期を設定すればよい。特に、第1の処理領域86の第1の追加パターンのサイズと周期を第2の処理領域88の第2の追加パターンより小さくすることが望ましい。第1の処理領域86の第1の追加パターンの局所的パターン被覆率が同じであれば、追加パターンのサイズを小さくすると周期も小さくなる。ここで、局所的パターン被覆率とは、周期的に配列されたパターンの1周期でのパターン被覆率である。例えば、図15に示すように、直交軸のそれぞれに沿って周期P及び幅Sで配列されたパターン990の局所的パターン被覆率は、(S2/P2)となる。
例えば、図16に示すように、第1の処理領域86に発生させるダミーパターン94a、94b、・・・、94i、94j、94k、・・・の第1の幅SAは、第2の処理領域88のダミーパターン92a〜92j、・・・の第2の幅SBより小さい。また、ダミーパターン94a〜94k、・・・の第1の周期PAの値は、ダミーパターン92a〜92j、・・・の第2の周期PB、及び図9に示したダミーパターン90a〜90k、・・・の第1の周期PAの値よりも小さい。したがって、禁止領域82a、82b、82cの周囲において、ダミーパターン94a〜94k、・・・の第1の局所的パターン被覆率の分布を一様にすることができる。更に、ホールパターン66の周囲のホール層絶縁膜72aからの脱ガスを効率よく行うため、ダミーパターン92a〜92j、・・・の第2の局所的パターン被覆率に比べ、第1の局所的パターン被覆率を大きくすることが望ましい。
更に、図11に示したように、第1及び第2の追加パターンとして、矩形状のダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・を用いている。しかし、ダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・の形状は制限されず、任意の形状であってもよい。また、追加パターンとして、ダミーパターンだけでなく、配線パターンを追加してもよい。
次に、本発明の実施の形態に係るパターン発生方法を、図17に示すフローチャートを用いて説明する。なお、外部記憶装置16の設計情報ファイル20に半導体装置の回路のレイアウトが格納されている。
(イ)ステップS100で、図1に示すパターン発生ユニット10の入力部30により、設計情報ファイル20から図2及び図3に示す配線レイアウト60及びホールレイアウト64が取得される。配線レイアウト60は、配線パターン62a、62b、及び62cを含む。ホールレイアウト64は、ホールパターン66を含む。
(ロ)ステップS101で、領域設定部32により、図6に示すパターン処理領域80が設定され、配線パターン62a、62b、62cがパターン処理領域80に配置される。そして、配線パターン62a、62b、62cに対して、予め定められた設計規則に基いて禁止領域82a、82b、82cが、配線パターン62a、62b、62cそれぞれの周囲に設定される。
(ハ)ステップS102で、パターン抽出部34により、パターン処理領域80に配置されたホールレイアウト64の中から配線パターン62aと重なるホールパターン66が抽出される。ステップS104で、領域抽出部36により、ホールパターン66を囲む周辺領域に図7に示す第1の処理領域86が抽出される。また、禁止領域82a、82b、82c、及び第1の処理領域86を除いて図8に示す第2の処理領域88が抽出される。
(ニ)ステップS105で、被覆率算出部38により、第1及び第2の処理領域86、88のそれぞれで配線パターンのパターン被覆率が算出される。ステップS106で、パターン処理部40により、算出された第1及び第2の処理領域86、88それぞれのパターン被覆率に基いて第1及び第2の処理領域86、88に第1及び第2の追加パターンとして、ダミーパターン90a〜90k、・・・、及び92a〜92j、・・・が発生させられる。図2に示した配線レイアウト60に対してダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・が追加されて、図12に示す配線レイアウト60aが作成される。
(ホ)ステップS107で、出力部42により、作成された配線レイアウト60a及びホールレイアウト64が描画データとして外部記憶装置16の描画データファイル24に格納される。ステップS108で、描画システム18により、配線レイアウト60a及びホールレイアウト64の描画データを基にフォトマスクが作製される。ステップS109で、半導体基板上の層間絶縁膜に塗布装置により塗布されたレジスト膜に、作製されたフォトマスクのパターンがフォトリソグラフィ装置により転写される。転写されたレジストパターンをマスクとして、エッチング装置により選択エッチングして配線溝等を層間絶縁膜に形成して半導体装置の配線層の製造工程が実施される。
実施の形態に係るパターン発生方法によれば、孤立パターン周辺の処理領域のパターン被覆率を増加させるようにダミーパターン等の追加パターンを発生させることが可能となる。
次に、ステップS109で実施される半導体装置の製造方法として、配線層の製造工程を、図18〜図22に示す断面図を用いて説明する。図示を省略した半導体基板に半導体装置のトランジスタ等の素子が形成されている。半導体基板の上に多層の配線層が形成される。配線層の配線及びこの配線の下面に接続されるプラグは、デュアルダマシン工程で形成される。説明では、ビアホール形成後に配線溝を形成しているが、配線溝形成の後にビアホールを形成してもよい。
(イ)図18に示すように、対象配線層の下層配線としてバリア層271及び導電膜71を有する第1の層間絶縁膜70上に拡散防止膜170が堆積される。拡散防止膜170上に第2の層間絶縁膜74として、ホール層絶縁膜72a、及びキャップ絶縁膜72cが成膜される。例えば、バリア層271は、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、タングステン(W)、バナジウム(V)等の高融点金属膜、高融点金属の窒化膜、あるいは高融点金属及び高融点金属の窒化物等の積層膜等である。導電膜71は、銅(Cu)を主成分とする金属等である。第1の層間絶縁膜70は、low-k絶縁膜、SiO2膜、あるいはlow-k絶縁膜及びSiO2膜等の積層膜等である。拡散防止膜170は、Si3N4膜、炭化シリコン(SiC)膜、窒素添加炭化シリコン(SiCN)膜等である。ホール層絶縁膜72aは、low-k絶縁膜等、キャップ絶縁膜72cは、SiO2膜、Si3N4膜等である。なお、ここでは、第2の層間絶縁膜74を単一のlow−k絶縁膜で形成する場合を示すが、図5、図14に示したようにホール層絶縁膜72aとは異なる絶縁膜を使用して配線層絶縁膜を形成しても構わない。
(ロ)図13に示すホールレイアウト64が描画されたフォトマスクを用いて、フォトリソグラフィ及びRIE等により、第2の層間絶縁膜74が選択的に除去される。図19に示すように、導電膜71の表面が露出するようにビアホール78が形成される。
(ハ)図12に示す配線レイアウト60aが描画されたフォトマスクを用いて、フォトリソグラフィ及びRIE等により、第2の層間絶縁膜74が選択的に除去される。図20に示すように、ビアホール78の上部に配線溝76、及び配線溝76の周辺にダミー溝77i、77j、77kが形成される。
(ニ)第2の層間絶縁膜74に配線溝76、ビアホール78、及びダミー溝77i〜77k等が形成された半導体基板が、例えばスパッタ装置等に装着される。第2の層間絶縁膜74を加熱してホール層絶縁膜72aの脱ガスが実施される。その後、バリア層275、及びシード膜がスパッタ法により堆積される。更に、電解メッキ法、スパッタ法、CVD法等により充填膜が成膜され、図21に示すように、第2の層間絶縁膜74を覆うように導電膜75が形成される。配線溝76、ビアホール78、及びダミー溝77i〜77kはそれぞれ、導電膜75で充填される。例えば、バリア層275として、Ta、Nb、Ti、W、V等の高融点金属膜、高融点金属の窒化膜、あるいは高融点金属及び高融点金属の窒化物等の積層膜等が用いられる。シード膜及び充填膜として、Cuを主成分とした金属が用いられる。
(ホ)CMP等により導電膜75及びバリア層275が、第2の層間絶縁膜74のキャップ絶縁膜72cの表面が露出するように平坦化される。平坦化された表面に、図22に示すように、拡散防止膜180が堆積される。このようにして、配線176a、配線176a及び導電膜71を接続するプラグ178、並びにダミー配線177i、177j、177kが形成される。
図23に示すように、第2の層間絶縁膜74の表面に形成された配線溝に埋め込まれた配線176a、176b、176cが、配線領域260に設けられる。第1の幅Saを有するダミー配線177a、177b、・・・、177i、177j、177k、・・・(第1のダミー配線)は、配線領域260内で配線176aの下面に接続するプラグ178を含む第1の領域286に第1の周期Paで配置されている。また、第2の幅Sbを有するダミー配線179a、179b、・・・、179i、179j、・・・(第2のダミー配線)は、配線領域260内で第1の領域286を除いた第2の領域288に第1の周期Paとは異なる第2の周期Pbで配置されている。なお、図23に示す例では、第1及び第2の幅Sa、Sbは、ほぼ同じとしてあるが、異なっていてもよい。プラグ178が配置される第1の領域286の脱ガスを効率よく実施する観点から、第1の幅Saを第2の幅Sbより小さくすることが望ましい。
実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、配線溝76及びビアホール78の周辺に、ガス透過率の小さなキャップ絶縁膜72cが除去されたダミー溝77i、77j、77kが形成されているので、ホール層絶縁膜72aの脱ガスを効率よく実施することが可能となる。その結果、配線176a〜176c及びプラグ178におけるバリア層277表面が酸化、あるいは変質することを抑制することができ、配線層間の高抵抗化や断線等の配線不良の発生を低減することが可能となる。
次に、追加パターンの周期及びサイズで決定されるダミーパターンの局所的パターン被覆率を変化させて、第2の層間絶縁膜74に形成されたプラグ178の抵抗の局所的パターン被覆率依存性を評価する。例えば、プラグ178の抵抗の臨界値として、設計仕様値に比べて100%増加する測定抵抗値に対応する周期及びサイズが求められる。ホール層絶縁膜72aとして、比誘電率が約2.2〜約2.6(以下、絶縁膜Aと称す。)及び約2.4〜約2.8(以下、絶縁膜Bと称す。)のlow-k絶縁膜が用いられる。バリア層277として、Ta及びTiが用いられる。なお、追加パターンのサイズとして、追加パターンの幅が用いられる。また、ホール層絶縁膜72a及びバリア層277として、例えば、絶縁膜A及びTaの組み合わせの場合、「絶縁膜A−Ta」と記載する。
図24に示すように、プラグ抵抗が臨界値となる条件として、第2の周期Pbを減少させれば、第1の周期Paは増加する。また、図25に示すように、プラグ抵抗が臨界値となる条件として、第2の幅Sbを減少させれば、第1の幅Saは増加する。なお、図24及び図25に示す実線は測定値のフィッティング曲線であり、点線は第1及び第2の周期Pa、Pb並びに第1及び第2の幅Sa、Sbがそれぞれ等しい時の直線である。
プラグ抵抗を臨界値以下にするために、フィッティング曲線以下の第1及び第2の周期Pa、Pbが適用される。また、プラグが配置される第1の領域を第2の領域より高い局所的パターン被覆率にすることが望ましい。例えば、絶縁膜A−Ta、絶縁膜A−Ti,及び絶縁膜B−Taの場合のそれぞれに対して、プラグ抵抗を臨界値以下にするための第1及び第2の周期Pa、Pbの関係は、次のように表せる。
Pa < 1.6 × (Pb - 1.5)2 + 0.3, Pa < Pb (1)
Pa < 2.1 × (Pb - 1.7)2 + 0.7, Pa < Pb (2)
Pa < 1.6 × (Pb - 1.95)2 + 0.7, Pa < Pb (3)
また、第1及び第2の幅Sa、Sbの関係は、次のように表せる。
Sa < 3.7 × (Sb - 1)2 + 0.18, Sa < Sb (4)
Sa < 7.5 × (Sb - 1.1)2 + 0.48, Sa < Sb (5)
Sa < 6.5 × (Sb - 1.25)2 + 0.5, Sa < Sb (6)
また、図24及び図25に示したように、プラグ抵抗の臨界値は、ホール層絶縁膜及びバリア層の材料に依存する。プラグ抵抗を臨界値以下にするためには、絶縁膜Bに比べ絶縁膜Aで、また、Tiに比べTaで、周期及びサイズを減少させる必要がある。即ち、絶縁膜Aの比誘電率は絶縁膜Bより小さく多孔質な膜であるため、水分や残留ガス成分等が吸着し易い。また、TaはTiに比べ表面が酸化、あるいは変質し易い。
このように、プラグ抵抗を臨界値以下とするように、第1及び第2の周期Pa、Pb、並びに第1及び第2の幅Sa、Sbを選べばよい。また、第1及び第2の周期Pa、Pb、並びに第1及び第2の幅Sa、Sbに対応する周期及びサイズを有するダミーパターンを第1及び第2の領域に対応する第1及び第2の処理領域に発生させればよい。なお、上記説明では、臨界値として、設計仕様値+100%の抵抗値が用いられている。しかし、臨界値は任意の値でよく、例えば、半導体装置に求められる性能に基いて定められる抵抗値であればよい。
また、プラグ抵抗の測定値は、図26に示すように、プラグ及び隣接するダミーパターン間の距離に依存する。具体的に約75nmの径を有するプラグに対し、ダミーパターンの局所的パターン被覆率が14%、25%、及び30%のいずれの場合においても、プラグ及びダミーパターン間距離が約1μm以下ではプラグ抵抗はほぼ一定である。プラグ及びダミーパターン間距離が約1μmを越えると、プラグ抵抗は増加する。したがって、約75nmの径を有するプラグでは、プラグ及びダミーパターン間距離が約1μm以下であれば、プラグ抵抗の増加を抑制することができる。プラグの径が大きくなると、プラグ抵抗がほぼ一定となる上限のプラグ及びダミーパターン間距離も大きくなるが、プラグの径とプラグ及びダミーパターン間距離の上限値の関係はほぼ同じとなる。即ち、プラグ及びダミーパターン間距離がプラグの径の約13倍以下であれば、プラグ抵抗の増加を抑制することができる。
プラグの周囲には、設計規則に基いて設定された禁止領域に対応して、追加パターンが配置されない。例えば、禁止領域の範囲が広く、プラグから隣接するダミーパターンまでの距離がプラグの径の約13倍より大きくなる場合がある。半導体装置の性能を実現するために、プラグの抵抗の増加を抑制することが必要であれば、禁止領域の上限として、プラグの径の約13倍の距離を適用することが望ましい。
なお、図17に示した一連のパターン発生処理は、図17と等価なアルゴリズムのプログラムにより、図1に示したパターン発生システムを制御して実行出来る。プログラムは、このパターン発生システムに用いられるコンピュータシステムのプログラム記憶装置(図示省略)に記憶させればよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記録媒体に保存し、記録媒体をパターン発生システムのプログラム記憶装置に読み込ませることにより、一連のパターン発生処理を実行することができる。
ここで、「コンピュータ読取り可能な記録媒体」とは、例えばコンピュータの外部メモリ装置、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるような媒体などを意味する。具体的には、フレキシブルディスク、CD−ROM、MOディスク等が「コンピュータ読取り可能な記録媒体」に含まれる。
例えば、パターン発生システムの本体は、フレキシブルディスク装置(フレキシブルディスクドライブ)および光ディスク装置(光ディスクドライブ)を内蔵若しくは外部接続するように構成できる。フレキシブルディスクドライブに対してはフレキシブルディスクを、また光ディスクドライブに対してはCD−ROMをその挿入口から挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記録媒体に格納されたプログラムをパターン発生システムに用いられるプログラム記憶装置にインストールすることができる。また、所定のドライブ装置を接続することにより、例えばゲームパック等に利用されているメモリ装置としてのROMや、磁気テープ装置としてのカセットテープを用いることもできる。さらに、インターネット等の情報処理ネットワークを介して、プログラムをプログラム記憶装置に格納することが可能である。
(変形例)
本発明の実施の形態の変形例に係るパターン発生方法では、図2に示した配線レイアウト60を配置するパターン処理領域80aの全面に対して、配線パターン62a〜62cのパターン被覆率が算出される。図27に示すように、算出されたパターン被覆率に基いて、パターン処理領域80aの全面にダミーパターン92が発生させられる。
図28に示すように、図6に示した禁止領域82a〜82cがパターン処理領域80aに設定される。設定された禁止領域82a〜82cに重なるダミーパターン92を削除して、図29に示すように、ダミーパターン92a〜92j、・・・が作成される。
次に、実施の形態と同様に、パターン処理領域80に第1の処理領域86を設定して、第1の処理領域86内の配線パターン62a〜62cのパターン被覆率が算出される。算出されたパターン被覆率に基いて、図30に示すように、第1の処理領域86の全面に、ダミーパターン90が発生させられる。図31に示すように、パターン処理領域80aで作成された禁止領域82a〜82c及びダミーパターン92a〜92j、・・・がパターン処理領域80に重ね合わせられる。禁止領域82a〜82cに重なるダミーパターン90を削除して、図32に示すように、ダミーパターン90a〜90k、・・・が作成される。その結果、図33に示すように、実施の形態の変形例でも実施の形態と同様に、パターン処理領域80に、ダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・が発生させられる。
実施の形態の変形例に係るパターン発生方法では、パターン処理領域80aにダミーパターン92を発生させ禁止領域82a〜82cに重なるダミーパターン92を削除し、第1の処理領域86にダミーパターン90を発生させ禁止領域82a〜82cに重なるダミーパターン90を削除する点が、実施の形態と異なる。他の構成は、実施の形態と同様であるので、重複する記載は省略する。
次に、本発明の実施の形態の変形例に係るパターン発生方法を、図34に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図1に示した外部記憶装置16の設計情報ファイル20に半導体装置の回路のレイアウトが格納されている。
(イ)ステップS120で、図1に示したパターン発生ユニット10の入力部30により、設計情報ファイル20から図2及び図3に示す配線レイアウト60及びホールレイアウト64が取得される。
(ロ)ステップS121で、領域設定部32により、予め定められた設計規則に基いて、図6に示した禁止領域82a、82b、82cが、配線パターン62a、62b、62cそれぞれの周囲に設定される。
(ハ)ステップS122で、被覆率算出部38により、図27に示したパターン処理領域80aで、配線パターン62a〜62cのパターン被覆率が算出される。ステップS123で、パターン処理部40により、算出されたパターン被覆率に基いてダミーパターン92が発生させられる。ステップS124で、パターン処理部40により、パターン処理領域80aで設定された禁止領域82a〜82cに重なるダミーパターン92が削除される。
(ニ)ステップS125で、パターン抽出部34により、パターン処理領域80に配置されたホールレイアウト64の中から配線パターン62aと重なるホールパターン66が抽出される。ステップS127で、領域抽出部36により、ホールパターン66を囲む周辺領域に図7に示す第1の処理領域86が抽出される。
(ホ)ステップS128で、被覆率算出部38により、第1の処理領域86で配線パターン62a〜62cのパターン被覆率が算出される。ステップS129で、パターン処理部40により、算出されたパターン被覆率に基いて第1の処理領域86にダミーパターン90が発生させられる。ステップS130で、パターン処理部40により、パターン処理領域80で設定された禁止領域82a〜82cに重なるダミーパターン90が削除される。このようにして、パターン処理領域80に、図33に示すダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・が発生させられる。引き続き、図2に示した配線レイアウト60に対してダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・が追加されて、図12に示す配線レイアウト60aが作成される。
実施の形態の変形例に係るパターン発生方法によれば、孤立パターン周辺の処理領域のパターン被覆率を増加させるようにダミーパターン等の追加パターンを発生させることが可能となる。
なお、ダミーパターン92a〜92j、・・・のうち、第1の処理領域86に追加されたダミーパターン92が、ダミーパターン90a〜90k、・・・と一部重なって発生する場合がある。実際の運用に際して、パターン発生処理の処理量が増加し処理時間が長くなること等を考慮して、第1の処理領域86に追加されたダミーパターン92を削除してもよい。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者にはさまざまな代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明の実施の形態においては、配線パターン62a〜62cに重なるホールパターン66を用いて説明している。しかし、複数のホールパターンが配線パターン62a〜62cに重なってもよい。例えば、図35に示すように、隣接するホールパターン66、66aが、配線パターン62aと重なっている。このような場合、図36に示すように、ホールパターン66に対する第1の処理領域86と、ホールパターン66aに対する第1の処理領域86aを抽出すればよい。第1の処理領域86に対してダミーパターン90a〜90k、・・・を発生させ、第1の処理領域86aに対しては、第1の処理領域86と重複しない部分にダミーパターン91a、91b、・・・を発生させればよい。
また、図37に示すように、ホールパターン66及び66bが、配線パターン62a及び62bにそれぞれ重なっている。このような場合、図38に示すように、ホールパターン66に対する第1の処理領域86と、ホールパターン66bに対する第1の処理領域86bを抽出すればよい。第1の処理領域86に対してダミーパターン90a〜90k、・・・を発生させ、第1の処理領域86bに対しては、第1の処理領域86と重複しない部分にダミーパターン91p、91q、・・・を発生させればよい。
また、実施の形態では、図12及び図13に示したように、配線レイアウト60aに追加パターンを発生させ、ホールレイアウト64は設計レイアウトのまま用いている。例えば、図39及び図40に示すように、配線レイアウト60は設計レイアウトのままで用い、ホールレイアウト64aに追加パターンとして、ダミーパターン90a〜90k、・・・、92a〜92j、・・・を、下層の配線パターンを適宜避けつつ発生させてもよい。配線レイアウト60及び追加パターンを配置したホールレイアウト64aを基に作製したフォトマスクによれば、図41に示すように、配線溝76及びビアホール78の周辺領域にダミーホール79i、79j、79kが第2の層間絶縁膜74に形成される。この場合でも、第2の層間絶縁膜74のホール層絶縁膜72aの脱ガスは、配線溝76、ビアホール78、及びダミーホール79i〜79kを介して効率よく実施できる。なお、ホールレイアウト64aを用いれば、シングルダマシン工程にも適用できることは、勿論である。
また、第1の処理領域86は、図7に示したように、ホールパターン66の周囲に設定されている。例えば、第1の処理領域86を、図42に示すように、複数の領域、例えば4分割して、小領域87a、87b、87c、87dを設定してもよい。この場合、各小領域87a〜87d毎に配線パターンのパターン被覆率が算出される。算出されたパターン被覆率に基いて、図43に示すように、各小領域87a〜87d毎にダミーパターン190a、190b、190c、190dが発生させられる。したがって、配線パターン62aのようにパターン被覆率が第1の処理領域86内で分布している孤立パターンに対して、効果的に追加パターンを発生させることが可能となる。
また、実施の形態及び実施の形態の変形例では、ホールパターン66が接続される配線パターン62aの周辺領域で、第1の処理領域86が抽出されている。しかし、抽出される第1の処理領域86は複数であってもよい。例えば、ホールパターン66が接続される配線パターン62aの周辺領域で、検査領域として所定面積の第1の処理領域86を所定の間隔でずらしながら、それぞれの第1の処理領域86でパターン被覆率を算出する。パターン被覆率が基準値より小さい複数の第1の処理領域86に対して、図36や図38に示されるような論理和図形処理を行って、ダミーパターンが発生される。検査領域をずらす間隔は細かいほど、パターン被覆率が基準値より小さい第1の処理領域86の抽出精度は向上する。しかし、間隔が細かくなれば、処理量が増大する。したがって、検査領域をずらす間隔は、ホール層絶縁膜の膜質、対象となる周辺領域のパターン被覆率の疎密分布、及び処理時間等を参酌して適宜定めればよい。
更に、実施の形態及び実施の形態の変形例では、図17及び図34に示したように、配線パターン62aに接続されるホールパターン66が抽出された後に、第1の処理領域86が抽出されている。しかし、第1の処理領域86の抽出手順は、以下に示すように変更可能であり限定されない。すなわち、配線パターン62a〜62cが配置されたパターン処理領域80aの全域で、第1の処理領域86と同じ所定面積の検査領域を設定して、各検査領域でパターン被覆率を算出する。次いで、パターン被覆率が基準値より小さい検査領域を抽出し、抽出された検査領域の中から、配線パターン62aに接続されるホールパターン66を含む検査領域が第1の処理領域86として抽出されてもよい。この場合も、所定面積の検査領域を所定の間隔でずらしながら各検査領域でパターン被覆率を算出することで、最終的に抽出される第1の処理領域86が複数となってもよい。
また、実施の形態の変形例では、図31に示したように、第1の処理領域86に発生させたダミーパターン90に、パターン処理領域80aで発生させたダミーパターン92a〜92jがパターン処理領域80aで重ね合わされている。しかし、ダミーパターン92a〜92jが配置されたパターン処理領域80aで、第1の処理領域86を抽出してダミーパターン90を発生させてもよい。
例えば、配線パターン62a〜62c及びダミーパターン92a〜92jが配置されたパターン処理領域80aの全域で、第1の処理領域86と同じ面積の検査領域を所定の間隔でずらしながら、各検査領域でパターン被覆率を算出する。パターン被覆率が基準値より小さい検査領域を抽出する。抽出された検査領域の中から、配線パターン62aに接続されるホールパターン66を含む検査領域が第1の処理領域86として抽出される。
パターン処理領域80aには、既にダミーパターン92a〜92jが配置され、パターン被覆率が増加している。その結果、抽出される検査領域が減少して処理時間の短縮が可能となる。このように、配線パターン62aの周辺領域に、より効果的に追加パターンを発生させることが可能となる。
このように、本発明はここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ定められるものである。