JP4434207B2 - タンタル酸リチウム単結晶および光学撮像系デバイス - Google Patents

タンタル酸リチウム単結晶および光学撮像系デバイス Download PDF

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Description

この発明は、光学撮像系デバイスの材料に用いるタンタル酸リチウム単結晶およびこれを用いたレンズまたはプリズムを搭載した光学撮像系デバイスに関するものである。
光学系デバイスの材料としては、ガラス、プラスチックが知られている。
ガラスやプラスチックの屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるが、近年の撮像機器、映像機器の小型化及び薄型化に対応するためには、より大きな屈折率を有する材料が求められている。そこで、屈折率が1.7〜2.0となるガラス材料も開発されてはいるが、高屈折率になるほど着色が生じ、可視光領域における短波長領域380〜450nmでの透過率が低下する傾向があるという問題がある。
他の光学系デバイスの材料としては、近年、タンタル酸リチウムの単結晶が注目されている。このタンタル酸リチウム単結晶は、従来のガラスやプラスチック材と比較して、屈折率が大きく(d線589.29nmにおける屈折率がnd=2.18)、光の内部透過率が可視光領域で高く(400−700nmで95%以上)、熱伝導率が大きい(ガラスの5倍以上)という特徴があり、撮像機器,映像機器の小型化、薄型化さらには、映像の高解像度、高画質化の可能性を秘めている。しかしながら、一方でタンタル酸リチウム単結晶は、一軸性結晶であるため常光線と異常光線の屈折率が異なり、複屈折を生じるという問題も有している。
光学応用は、一般的にレーザー光を利用した応用と、太陽光、水銀灯、ハロゲンランプなど白色光を利用した応用とに分類される。利用分野としては、前者は通信、記録媒体、加工用が挙げられ、後者は撮像用、映像用が挙げられる。前者のレーザー光を利用した応用(以降レーザー応用系と呼ぶ)には、一般的にそれを用いるデバイスが必要とする波長は単一の波長であることがほとんどであるため、利用波長のみで生じる量の複屈折を考慮すればよいと言える。例えば、DVD装置で言えば、DVD規格として650nmの波長が定められているので、この650nmの波長において生じるある一定の複屈折量を考慮してデバイス全体の調整を行えば良いと言える。よって、このレーザー応用系の分野においては、可視光領域(400−700nm)によって生じる複屈折量に差異のあるタンタル酸リチウム単結晶を材料として用いたとしても、そのことが起因して収差の問題が起こることは実質的にないと考えられる。
これに対し、後者の白色光を利用した応用(以降、光学撮像系と呼ぶ)には、ある一つの波長だけでなく、いわゆる可視光領域全域において生じる複屈折を問題にする必要がある。
例えば、特許文献1では、Li2O/(Ta25+Li2O)のモル比が0.490以上0.500未満の間にあるタンタル酸リチウムに対して、Mgが0.1〜3mol%含有するタンタル酸リチウム単結晶が提案されている。この公報では、レーザー応用系デバイスに用いる光学材料を提案することを想定している。しかしながら、本願発明者が鋭意研究した結果、記載されている各構成元素の組成比では、可視光領域の各波長における複屈折量が異なり、特に短波長側になるほど複屈折量が大きくなることがわかった。つまり、特許文献1で開示された組成のタンタル酸リチウム単結晶を光学撮像系デバイスに搭載するレンズ等の材料に適用しようとすると、可視光領域全体における複屈折起因の収差を調整することが困難であり、光学撮像系デバイスに用いる部材の材料として満足するものとはならないことが確認された。
特開2001−287999号公報
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る、光学撮像系デバイスの材料に用いるタンタル酸リチウム単結晶を提供しようとすることである。
本発明は、LiとTaとMgからなるタンタル酸リチウム単結晶であって、Li/(Li+Ta)のモル比を横軸(x軸)にとり、Mg/Taのモル比を縦軸(y軸)にとった場合、Li/(Li+Ta)のモル比およびMg/Taのモル比を、(0.4937,0.0308)、(0.4937,0.0362)、(0.4970,0.0384)、(0.4970,0.0309)の4点で囲まれる範囲内の値とし、光学撮像系デバイス材料に用いることを特徴とする、タンタル酸リチウム単結晶である。
また本発明は、Li/(Li+Ta)のモル比およびMg/Taのモル比を、(0.4937,0.0330)、(0.4937,0.0345)、(0.4970,0.0359)、(0.4970,0.0338)の4点で囲まれる範囲内の値とする、上記タンタル酸リチウム単結晶である。
さらに本発明は、上記タンタル酸リチウム単結晶を用いたレンズまたはプリズムを搭載した光学撮像系デバイスである。
本発明によれば、可視光領域全体において生じる複屈折量と波長による複屈折量の差が、光学撮像系デバイスの材料として好ましいとする±0.0007以内に収めることができる。このため、本発明の組成のタンタル酸リチウム単結晶を光学撮像系デバイスに搭載するレンズ等の材料に適用すると、可視光領域における複屈折起因の収差を防ぐことができる。
本発明のタンタル酸リチウム単結晶の組成範囲を示すものである。 実施例1のタンタル酸リチウム単結晶の複屈折量を示すグラフであり、Mgの含有量によって変化することを示すものである。 実施例2のタンタル酸リチウム単結晶の複屈折量を示すグラフであり、Mgの含有量によって変化することを示すものである。 実施例3のタンタル酸リチウム単結晶の複屈折量を示すグラフであり、Mgの含有量によって変化することを示すものである。 実施例4のタンタル酸リチウム単結晶の複屈折量を示すグラフであり、Mgの含有量によって変化することを示すものである。 溶液組成から作製される結晶組成のLi/(Li+Ta)のモル比を示すものである。
(実施形態1)
本発明は、LiとTaとMgからなるタンタル酸リチウム単結晶であって、Li/(Li+Ta)のモル比を横軸(x軸)にとり、Mg/Taのモル比を縦軸(y軸)にとった場合、Li/(Li+Ta)のモル比およびMg/Taのモル比を、(0.4937,0.0308)、(0.4937,0.0362)、(0.4970,0.0384)、(0.4970,0.0309)の4点で囲まれる範囲内の値とし、光学撮像系デバイスの材料に用いることを特徴とする、タンタル酸リチウムを提供する。
本発明によれば、可視光領域全体において生じる複屈折量と波長による複屈折量の差が、光学撮像系デバイスの材料として好ましいとされる±0.0007以内に収めることができる。このため、本発明の組成のタンタル酸リチウム単結晶を光学撮像系デバイスに搭載するレンズ等の材料に適用すると、可視光領域における複屈折起因の収差を防ぐことができる。
上記可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0007以内に収まる、タンタル酸リチウム単結晶を構成するLi、TaおよびMgの組成の範囲は、概略以下のようにして求めた。
まず、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4937であり、Mg/Taのモル比がそれぞれ0.031、0.034、0.039であるタンタル酸リチウム単結晶を得た。これら3種類の単結晶について、波長532nmにおける複屈折量Δnおよび波長409nmと833nmにおける複屈折量の差Δnf(409−833)をプロットし、図2を作成した。
図2は、縦軸に複屈折量および複屈折量の差、横軸に含有させたMgのTaに対するモル比を示している。実線は532nm波長において、MgO含有量が異なれば複屈折量がどのように変化するかを示すものである。破線は409−833nm間の複屈折量の差がMgOの含有量によってどのように変化するかを表すものである。その結果、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0007以内に収まるTaに対するMgのモル比範囲は、0.0308以上0.0362以下であることが確かめられた。
同様にして、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4948であり、Mg/Taのモル比がそれぞれ0.032、0.034、0.037であるタンタル酸リチウム単結晶を得、同様のプロットから、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0007以内に収まるTaに対するMgのモル比範囲は、0.0310以上0.0371以下であることが確かめられた。
さらに同様にして、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4962であり、Mg/Taのモル比がそれぞれ0.029、0.034、0.037であるタンタル酸リチウム単結晶を得、同様のプロットから、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0007以内に収まるTaに対するMgのモル比範囲は、0.0309以上0.0380以下であることが確かめられた。
さらに同様にして、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4970であり、Mg/Taのモル比がそれぞれ0.031、0.034、0.037であるタンタル酸リチウム単結晶を得、同様のプロットから、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0007以内に収まるTaに対するMgのモル比範囲は、0.0309以上0.0384以下であることが確かめられた。
ここで、図1は、本発明のタンタル酸リチウム単結晶の組成範囲を示すグラフである。図1において、実線で囲まれた範囲は、上記のようにして求めた、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0007以内に収まる組成範囲である。なお、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4948の場合におけるTaに対するMgのモル比の値0.0310および0.0371および、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4962の場合におけるTaに対するMgのモル比の値0.0309および0.0380は、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4937の場合と0.4970の場合における、Taに対するMgのモル比の値をそれぞれ結んだ直線状にほぼ位置する。したがって、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4937の場合と0.4970の場合で確かめられた4点で囲まれた範囲内を本発明におけるタンタル酸リチウム単結晶の組成範囲を表すものとした。
(実施形態2)
また本発明は、Li/(Li+Ta)のモル比およびMg/Taのモル比を、(0.4937,0.0330)、(0.4937,0.0345)、(0.4970,0.0359)、(0.4970,0.0338)の4点で囲まれる範囲内の値とし、光学撮像系デバイスの材料に用いることを特徴とする、タンタル酸リチウム単結晶を提供する。
本発明によれば、可視光領域全体において生じる複屈折量と波長と波長による複屈折量の差が、光学撮像系デバイスの材料として好ましいとされる±0.0005以内に収めることができる。このため、本発明の組成のタンタル酸リチウム単結晶を光学撮像系デバイスに搭載するレンズ等の材料に適用すると、可視光領域における複屈折起因の収差をさらに防ぐことができる。
上記可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0005以内に収まる、タンタル酸リチウム単結晶を構成するLi,TaおよびMgの組成の範囲は、概略以下のようにして求めた。
まず、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4937であり、Mg/Taのモル比がそれぞれ0.031、0.034、0.039であるタンタル酸リチウム単結晶を得た。これら3種類の単結晶について、波長532nmにおける複屈折量Δnおよび波長409nmと833nmにおける複屈折量の差Δnf(409−833)をプロットし、図2を作成した。
図2は、縦軸に複屈折量および複屈折量の差、横軸に含有させたMgのTaに対するモル比を示している。実線は532nm波長において、MgO含有量が異なれば複屈折量がどのように変化するかを示すものである。破線は409−833nm間の複屈折量の差がMgOの含有量によってどのように変化するかを表すものである。その結果、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0005以内に収まるTaに対するMgのモル比範囲は、0.0330以上0.0345以下であることが確かめられた。
同様にして、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4948であり、Mg/Taのモル比がそれぞれ0.032、0.035、0.037であるタンタル酸リチウム単結晶を得、同様のプロットから、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0005以内に収まるTaに対するMgのモル比範囲は、0.0330以上0.0350以下であることが確かめられた。
さらに同様にして、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4962であり、Mg/Taのモル比がそれぞれ0.029、0.034、0.037であるタンタル酸リチウム単結晶を得、同様のプロットから、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0005以内に収まるTaに対するMgのモル比範囲は、0.0331以上0.0353以下であることが確かめられた。
さらに同様にして、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4970であり、Mg/Taのモル比がそれぞれ0.031、0.034、0.037であるタンタル酸リチウム単結晶を得、同様のプロットから、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0005以内に収まるTaに対するMgのモル比範囲は、0.0338以上0.0359以下であることが確かめられた。
ここで、図1は、破線で囲まれた範囲は、上記のようにして求めた、可視光領域全体において生じる複屈折量および波長による複屈折量の差の両者が±0.0005以内に収まる組成範囲である。なお、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4948の場合におけるTaに対するMgのモル比の値0.0330および0.0350および、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4962の場合におけるTaに対するMgのモル比の値0.0331および0.0353は、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4937の場合と0.4970の場合における、Taに対するMgのモル比の値をそれぞれ結んだ直線状にほぼ位置する。したがって、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4937の場合と0.4970の場合で確かめられた4点で囲まれた範囲内を本発明におけるタンタル酸リチウム単結晶の組成範囲を表すものとした。
(1)試料作製
溶液原料段階で、Li/(Li+Ta)のモル比が0.54となるよう、Li2CO3とTa25をトータルで390gとなるよう調合したものを3セット作り、これらを出発原料とした。これら出発原料をフッ素樹脂製ポットに入れ、吸湿に注意しながら1時間攪拌混合を行った。次にPt製のるつぼに押し固め、1300℃、空気中で8時間仮焼し目的となる原料を得た。次に、これら仮焼粉3セットに、それぞれMgOを原料中のTa25に対するモル比が0.034、0.042、0.046となるよう追加した。この投入したMgO量は、最終的に結晶となった段階では、結晶中のTaに対してMgが0.031、0.034、0.039のモル比で含有することになるよう算出された量である。
次に、この3セットのMgOを追加した原料を、それぞれ直径50mm、高さ50mmのIr製のるつぼに入れ昇温し、溶融を確認した。その後、雰囲気を0.08%酸素を含む窒素中として1時間放置し、自然攪拌による雰囲気の均質化を行った。均質化後、xあるいはy結晶方位に切り出した5×5mm角、長さ50mmのタンタル酸リチウム単結晶を種結晶として融液面上部と接触させ、結晶回転速度を6rpmとし、一定の引き上げ速度で融液面上方鉛直方向に引き上げ、単結晶を育成した。育成中は、結晶育成装置に設置されているロードセルにより結晶重量をモニタリングし、育成結晶直径が26mmとなるよう自動直径制御を行った。
約1日間の育成により直径約26mm、長さ約28mmの大きさで、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4937の3個のタンタル酸リチウム単結晶を得た。結晶育成では、図6に示す各種組成比Li/(Li+Ta)の溶液原料から作製したインゴットについて定量し、あらかじめ作製しておいた検量線により見積もった。
これら得られた3個の単結晶に対して単分域化処理を施すため、それぞれC軸方向に対してPt板で挟み、抵抗加熱炉の中に設置した。その後750℃まで昇温し、十分保持した後、Pt板を電極として、一定の電流密度で直流電流を流しながら、20℃/hの速度で室温まで徐冷した。得られた結晶について、26mm定径部の種結晶側から厚み0.7mmのウエハーをそれぞれ2枚ずつ切り出した。
(2)評価方法
0.7mm厚ウエハーのうち1枚は、ウエハー中央部分から7mm角のウエハーを切り出し、MgO含有量を化学分析により求めた。0.7mm厚ウエハーの残り1枚は、ウエハー両面を鏡面研磨し、屈折率測定試料とした。
屈折率は、Metricon社 プリズムカプラー法による屈折率測定装置2010を用いて、測定波長=409、532、833nmについて測定を行った。光源は半導体レーザーのTEモードを用いた。
得られた結果から、測定波長532nmにおける複屈折量Δnと測定波長409nmと833nmにおける複屈折量の差Δnf(409−833nm)をプロットし、図2を作成した。
(3)評価結果
図2は、縦軸に複屈折量および複屈折量の差、横軸に含有させたMgのTaに対するモル比を示している。実線は532nm波長においてMgO含有量が異なれば複屈折量がどのように変化するかを表すものである。破線は409−833nm間の複屈折量の差がMgOの含有量によってどのように変化するかを表すものである。光学撮像用として用いられる光学材料において複屈折の管理幅に対する納入品質の公的な規格はないため、本発明ではこの両者が±0.0007間に収まっていることを光学撮像系デバイスに適用できる最低条件と設定し、この条件に合うMgOの含有量を見極めた。その結果、Taに対するMgのモル比範囲は、0.0308以上0.0362以下であることが確かめられた。
また、光学撮像系レンズ材料の納入品質として一般的に用いられている屈折率の管理幅である±0.0005を本発明の評価指標として適用した場合、つまり前述の条件よりさらに厳しい条件を設定したとすると、Taに対するMgのモル比範囲は0.0330以上0.0345以下である必要があることも確かめられた。
溶液原料段階で、Li/(Li+Ta)のモル比が0.55となるよう、Li2CO3とTa25をトータルで390gとなるよう調合したものを3セット作り、これらを出発原料とした。これら出発原料を、実施例1と同様に1時間攪拌混合し、空気中で8時間仮焼して目的となる原料を得た。次に、これら仮焼粉3セットに、それぞれMgOを原料中のTa25に対するモル比が0.034、0.042、0.046となるよう追加した。この投入したMgO量は、最終的に結晶となった段階では、結晶中のTaに対してMgが0.032、0.035、0.037のモル比で含有することになるよう算出された量である。この3セットのMgOを追加した原料を、それぞれ実施例1と同様に引き上げ法により育成し、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4948の3個のタンタル酸リチウム単結晶を得た。
この3個のタンタル酸リチウム単結晶を実施例1と同様に評価し、図3を作成した。この図3から、Taに対するMgのモル比範囲を0.0310以上0.0371以下とすると、所望のタンタル酸リチウム単結晶であることが確かめられた。
また、±0.0005を条件とした場合、この条件に合うTaに対するMgのモル比範囲は0.0330以上0.0350以下である必要があることも確かめられた。
溶液原料段階で、Li/(Li+Ta)のモル比が0.56となるよう、Li2CO3とTa25をトータルで390gとなるよう調合したものを3セット作り、これらを出発原料とした。これら出発原料を、実施例1と同様に1時間攪拌混合し、空気中で8時間仮焼して目的となる原料を得た。次に、これら仮焼粉3セットに、それぞれMgOを原料中のTa25に対するモル比が0.034、0.046、0.052となるよう追加した。この投入したMgO量は、最終的に結晶となった段階では、結晶中のTaに対してMgが0.029、0.034、0.037のモル比で含有することになるよう算出された量である。この3セットのMgOを追加した原料を、それぞれ実施例1と同様に引き上げ法により育成し、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4962の3個のタンタル酸リチウム単結晶を得た。
この3個のタンタル酸リチウム単結晶を実施例1と同様に評価し、図4を作成した。この図4から、Taに対するMgのモル比範囲を0.0309以上0.0380以下とすると、所望のタンタル酸リチウム単結晶であることが確かめられた。
また、±0.0005を条件とした場合、この条件に合うTaに対するMgのモル比範囲は0.0331以上0.0353以下である必要があることも確かめられた。
溶液原料段階で、Li/(Li+Ta)のモル比が0.57となるよう、Li2CO3とTa25をとータルで390gとなるよう調合したものを3セット作り、これらを出発原料とした。これら出発原料を、実施例1と同様に1時間攪拌混合し、空気中で8時間仮焼して目的となる原料を得た。次に、これら仮焼粉3セットに、それぞれMgOを原料中のTa25に対するモル比が0.046、0.052、0.059となるよう追加した。この投入したMgO量は、最終的に結晶となった段階では、結晶中のTaに対してMgが0.031、0.034、0.037のモル比で含有することになるよう算出された量である。この3セットのMgOを追加した原料を、それぞれ実施例1と同様に引き上げ法により育成し、Li/(Li+Ta)のモル比が0.4970の3個のタンタル酸リチウム単結晶を得た。
この3個のタンタル酸リチウム単結晶を実施例1と同様に評価し、図5を作成した。この図5から、Taに対するMgのモル比範囲を0.0309以上0.0384以下とすると、所望のタンタル酸リチウム単結晶であることが確かめられた。
また、±0.0005を条件とした場合、この条件に合うTaに対するMgのモル比範囲は0.0338以上0.0359以下である必要があることも確かめられた。
以上の実施例から、図1に示すように、Li/(Li+Ta)のモル比を横軸(x軸)とし、Mg/Taのモル比を縦軸(y軸)とした座標に、各実施例で確かめられた可視光領域における複屈折量および複屈折量の差が±0.0007の範囲内であることを条件とした時の組成の数値をプロットし、実施例1と実施例4のプロットを実線で結び、その囲まれた範囲内を本発明におけるタンタル酸リチウム単結晶の組成範囲を表すものとした。実施例2および3の値は、実施例1と実施例4の値を結んだ直線上にほぼ一致しているので、実施例1と実施例4で確かめられた4点で囲まれた範囲内を本発明におけるタンタル酸リチウム単結晶の組成範囲を表すものとした。結晶組成がこの範囲内であれば複屈折量の公差の範囲が±0.0007におさまり、光学撮像系デバイスの材料として可視光領域における複屈折起因の収差を最小限に防ぐことができる。
さらに、図1には、可視光領域における複屈折量および複屈折量の差が±0.0005であることを条件とした時の組成の数値をプロットし、実施例1と実施例4のプロットを破線で結んだ組成範囲も図示している。先と同様に、実施例2および3の値は、実施例1と実施例4の値を結んだ直線上にほぼ一致しているので、実施例1と実施例4で確かめられた4点で囲まれた範囲内を、本発明におけるタンタル酸リチウム単結晶の特に好ましい組成範囲を表すものとした。結晶組成がこの範囲内であれば複屈折量の公差の範囲が±0.0005におさまり、光学撮像系デバイスの材料として可視光領域における複屈折起因の収差をさらに最小限に防ぐことができる。
このような可視光領域全域において光学特性の優れている本発明のタンタル酸リチウム単結晶を材料とするレンズまたはプリズムといった光学部材を、例えばプロジェクターやデジタルカメラ等の光学撮像系デバイスに搭載すると、それら光学部材は可視光領域における複屈折量の公差の範囲が±0.0007と小さいので、高解像度、高画質の映像を映し出すことが可能となる。さらに本発明のタンタル酸リチウム単結晶を材料とする基板を、非線形光学効果を利用した波長変換素子や電気光学効果を利用した光変調素子に適用することも可能である。

Claims (3)

  1. LiとTaとMgからなるタンタル酸リチウム単結晶であって、
    Li/(Li+Ta)のモル比を横軸(x軸)にとり、Mg/Taのモル比を縦軸(y軸)にとった場合、
    Li/(Li+Ta)のモル比およびMg/Taのモル比を、(0.4937,0.0308)、(0.4937,0.0362)、(0.4970,0.0384)、(0.4970,0.0309)の4点で囲まれる範囲内の値とし、光学撮像系デバイス材料に用いることを特徴とする、タンタル酸リチウム単結晶。
  2. Li/(Li+Ta)のモル比およびMg/Taのモル比を、(0.4937,0.0330)、(0.4937,0.0345)、(0.4970,0.0359)、(0.4970,0.0338)の4点で囲まれる範囲内の値とし、光学撮像系デバイス材料に用いることを特徴とする、請求項1記載のタンタル酸リチウム単結晶。
  3. 請求項1または請求項2に記載のタンタル酸リチウム単結晶を用いたレンズまたはプリズムを搭載した光学撮像系デバイス。
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