JP4067845B2 - マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶およびその製造方法 - Google Patents

マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光変調器や波長変換素子等の光学素子に使用されるニオブ酸リチウム単結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】
ニオブ酸リチウム単結晶は、光変調器や波長変換素子等の光学素子として広く使用されている。ところが、ニオブ酸リチウム単結晶の基板に緑色や青色の短波長のレーザ光を照射すると、光誘起屈折率効果により屈折率が変化してしまう、いわゆる光損傷が生じる。この光損傷により、ニオブ酸リチウム単結晶を透過したビームは広がり、レーザ光の強度は低下する。したがって、この光損傷を抑制することは、ニオブ酸リチウム単結晶の実用化のために非常に重要となる。
【0003】
ニオブ酸リチウム単結晶における光損傷を抑制すべく、様々な研究がなされている。例えば、ニオブ酸リチウム単結晶中に、幾つかの元素をドーパントとして添加させることが検討されている。そのうちの一つに、コングルエント組成のニオブ酸リチウム単結晶に、マグネシウム(Mg)を4.5モル%以上添加することで、光損傷を抑制できるという報告がある(D.A.Bryan,R.Gerson,H.E.Tomaschke,Appl.Phys.Lett,44(1984)847〜849)。ここで、コングルエント組成とは、融液組成とその融液から得られた単結晶組成とが一致するような組成、いわゆる一致溶融組成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記コングルエント組成のニオブ酸リチウム単結晶にMgを4.5モル%程度添加した単結晶では、光損傷はある程度抑制されるものの、その耐光損傷特性は充分なものとはいえなかった。また、結晶にクラックが発生し易いことに加え、Mgの偏析が存在して、結晶の上部と下部とで組成が不均一になるという問題もあった。結晶中における組成が不均一であると、屈折率の変化を引き起こし、光学用としての均質が保てない。また、透過するレーザ光の強度が低下するため事実上使用が困難となる。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、光損傷が少なく、かつ、結晶中におけるMgの偏析がなく、結晶組成が均一なマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を提供することを課題とする。また、そのようなマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を簡便に製造する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、LiとNbとの原子比が0.9425≦Li/Nb≦0.9440であり、Mgの含有割合が5.00モル%を超え5.30モル%以下であることを特徴とする。
【0007】
本発明者は、結晶におけるLiとNbとの原子比、および結晶中のMg量を調整することで、光損傷が少ないだけでなく、Mgの偏析も生じにくいマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶が得られると考えた。
【0008】
一般に、コングルエント組成のニオブ酸リチウム単結晶は、リチウムサイトに欠陥のある欠陥構造を有している。そして、ニオブ酸リチウム単結晶にMgが添加されると、まずその欠陥にMg原子が配置され、余剰のMgはニオブサイトに配置されると考えられる。本発明者は、添加されるMgが、ニオブ酸リチウム単結晶の結晶構造における欠陥の数とほぼ同じであれば、光損傷が生じ難いことに加え、Mgの偏析が少なく組成が均一な単結晶になるという知見を得た。すなわち、欠陥の数よりもMgが多い場合には、過剰なMgにより結晶構造が不安定になり、Mgの偏析が生じ易くなる。反対に、欠陥の数よりもMgが少ない場合であっても、結晶中の組成が不均一となる。
【0009】
本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、上記知見に基づくものであり、ニオブ酸リチウム単結晶の結晶構造における欠陥に着目し、LiとNbとの原子比、および結晶中のMg量を適正なものとすることで、光損傷が少なく、かつ、結晶中におけるMgの偏析のない組成が均一な単結晶となる。
【0010】
上記本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、その製造方法が特に限定されるものではない。例えば、以下の本発明の方法により簡便に製造することができる。すなわち、本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の製造方法は、リチウム源となる炭酸リチウム(Li2CO3)とニオブ源となる五酸化ニオブ(Nb25)とマグネシウム源となる酸化マグネシウム(MgO)とを、以下の2つの条件、
(1)LiとNbとの原子比 ; 0.9425≦Li/Nb≦0.9440
(2)Li2CO3およびNb25からLiNbO3が生成されるとした場合におけるLiNbO3とMgOとのモル比 ; 0.050<MgO/(MgO+LiNbO3)≦0.053
を満たすように混合して原料混合物を調製する原料混合物調製工程と、該原料混合物を溶融させて原料混合物融液とする原料混合物溶融工程と、該原料混合物融液の中に種結晶を浸し、引き上げることでマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を育成する単結晶育成工程とを含んで構成される。
【0011】
従来、例えば、チョクラルスキー法等により、Mgを含んだ所定の原料を混合、溶融して結晶を育成した場合には、育成される結晶と残融液とにおいて、Mgの分配係数が1にはならないという問題があった。すなわち、原料である融液と育成された結晶とでは、Mgの含有割合が異なってしまうのである。このため、結晶を引き上げる過程でMgの濃度勾配が生じ、育成された結晶において先に引き上げられた部分と後に引き上げられた部分、つまり、結晶の上部と下部とで組成が不均一になっていた。
【0012】
本発明の製造方法は、リチウム源とニオブ源とマグネシウム源とからなる三成分系の原料組成に着目し、各原料の混合割合を、結晶と残融液とのMgの分配係数がほぼ1となるように特定したものである。すなわち、原料となる上記三種類の化合物を、上記(1)および(2)に示す条件を満たすように混合した原料混合物を出発原料とすることで、結晶と残融液とのMgの分配係数をほぼ1にすることができる。Mgの分配係数がほぼ1となることにより、結晶の上部と下部とで組成が均一となり、Mgも偏析し難くくなる。したがって、本発明の製造方法によれば、原料となる三種類の化合物を上記特定の割合で混合するだけで、光損傷が少なく均質なマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を簡便に得ることができる。
【0013】
また、本発明の製造方法により得られるマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、Mgの偏析が少なく組成が均一であるため、クラックの発生は少なく、結晶全体において耐光損傷特性が良好なものとなる。したがって、本発明の製造方法によれば、光損傷が少なく、結晶組成が均一なマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を高収率で得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶およびその製造方法を詳細に説明する。なお、説明する実施形態は一実施形態にすぎず、本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶およびその製造方法が、下記の実施形態に限定されるものではない。下記実施形態を始めとして、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0015】
〈マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶〉
本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、LiとNbとの原子比が0.9425≦Li/Nb≦0.9440であり、Mgの含有割合が5.00モル%を超え5.30モル%以下である。
【0016】
LiとNbとの原子比は、ニオブ酸リチウム単結晶のコングルエント組成を考慮して、0.9425≦Li/Nb≦0.9440とする。Li/Nbの値が0.9425未満の場合には、結晶組成の変動が大きくなる、つまり、結晶の上部と下部とでLiとNbとの原子比が異なるため、それが光散乱因子となって耐光損傷特性が低下するからである。特に、0.9429≦Li/Nbとするとより好適である。また、Li/Nbの値が0.9440を超える場合も、上記同様に、結晶組成の変動が大きくなり、耐光損傷特性が低くなる。特に、Li/Nb≦0.9436とするとより好適である。
【0017】
また、Mgの含有割合は5.00モル%を超え5.30モル%以下とする。ここで、Mgの含有割合とは、本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を構成する原子全体を100モル%とした場合のMgの含有割合を意味する。Mgの含有割合が5.00モル%以下の場合には、結晶組成が不均一となり耐光損傷特性が低くなる。特に、5.05モル%以上とするとより好適である。また、Mgの含有割合が5.30モル%を超えると、結晶中にMgの偏析が生じて組成が不均一となり、耐光損傷特性が低くなる。特に、5.20モル%以下とするとより好適である。
【0018】
〈マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の製造方法〉
本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の製造方法は、原料混合物調製工程と、原料混合物溶融工程と、単結晶育成工程とを含んで構成される。以下、各工程について説明する。
【0019】
(1)原料混合物調製工程
本工程は、リチウム源となる炭酸リチウム(Li2CO3)とニオブ源となる五酸化ニオブ(Nb25)とマグネシウム源となる酸化マグネシウム(MgO)とを、以下2つの条件、
(1)LiとNbとの原子比 ; 0.9425≦Li/Nb≦0.9440
(2)Li2CO3およびNb25からLiNbO3が生成されるとした場合におけるLiNbO3とMgOとのモル比 ; 0.050<MgO/(MgO+LiNbO3)≦0.053
を満たすように混合して原料混合物を調製する工程である。
【0020】
リチウム源となるLi2CO3とニオブ源となるNb25とは、LiとNbとの原子比が0.9425≦Li/Nb≦0.9440となるように混合する。Li/Nbの値が0.9425未満の場合には、育成される結晶と残融液とにおけるMgの分配係数が1にはならず、得られる結晶の上部と下部とで組成が不均一になる。このため、結晶中でMgの含有割合がばらつき、それが光散乱因子となって耐光損傷特性が低下するからである。特に、0.9429≦Li/Nbとするとより好適である。また、Li/Nbの値が0.9440を超えると、同様に、Mgの分配係数が1にはならないことに加え、結晶中にMgの偏析が生じて組成が不均一となり、耐光損傷特性が低くなる。特に、Li/Nb≦0.9436とするとより好適である。
【0021】
また、Li2CO3およびNb25から生成されるニオブ酸リチウムの単結晶の化学式をLiNbO3として、MgOの混合割合を決定する。これにより、生成されるマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶におけるMgの含有割合が決まることになる。具体的には、マグネシウム源となるMgOを、LiNbO3とMgOとのモル比が0.050<MgO/(MgO+LiNbO3)≦0.053となるように混合する。MgO/(MgO+LiNbO3)≦0.050となる場合には、育成される結晶と残融液とにおけるMgの分配係数が1にはならず、得られる結晶の上部と下部とで組成が不均一になり、耐光損傷特性が低下するからである。特に、0.0505≦MgO/(MgO+LiNbO3)とするとより好適である。また、0.053<MgO/(MgO+LiNbO3)となる場合には、同様に、Mgの分配係数が1にはならないことに加え、結晶中にMgの偏析が生じて組成が不均一となり、耐光損傷特性が低くなる。特に、MgO/(MgO+LiNbO3)≦0.052とするとより好適である。なお、上記範囲の割合でMgOを混合すると、得られる結晶中のMgの含有割合が5.05モル%以上5.20モル%以下となる。なお、上記三種類の原料の混合は、既に公知の方法で行えばよく、例えば、ボールミル等を用いて混合すればよい。混合時間は、特に限定されるものではなく、例えば、10時間程度行えばよい。
【0022】
また、上記各原料を混合して原料混合物を調製した後、焼成して次工程へ供してもよい。この場合には、本発明の製造方法は、原料混合物調製工程の後に、さらに、調製された原料混合物を焼成する原料混合物焼成工程を含んで構成される。原料混合物焼成工程における焼成温度は、特に限定されるものではなく、例えば、900〜1200℃の範囲で行えばよい。また、焼成は一回でもよく、複数回に分けて行ってもよい。焼成時間も特に限定されるものではなく、10時間程度行えばよい。
【0023】
(2)原料混合物溶融工程
本工程は、前の工程で得られた原料混合物を溶融させて原料混合物融液とする工程である。原料混合物の溶融方法は、特に限定されるものではない。例えば、白金製の坩堝に原料混合物を入れて、高周波誘導加熱により溶融させればよい。溶融する温度は、1260〜1300℃とすればよい。
【0024】
(3)単結晶育成工程
本工程は、前記原料混合物溶融工程で得られた原料混合物融液の中に種結晶を浸し、引き上げることでマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を育成する工程である。ここで、種結晶は、目的とする軸の方位に切り出したニオブ酸リチウム単結晶片を使用すればよい。この種結晶を原料混合物融液の中に浸し、引き上げることでマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を育成する。単結晶の引き上げ条件は、特に限定されるものではなく、例えば、回転数5〜20rpm、引き上げ速度1〜10mm/hr等で行えばよい。
【0025】
【実施例】
上記実施の形態に基づいて、本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を種々製造した。また、比較例として、原料混合物の組成を変更してマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を製造した。そして、製造したマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶について種々の測定を行うことにより、耐光損傷特性を評価した。以下、マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の製造、各々の測定結果および耐光損傷特性の評価について説明する。
【0026】
〈マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の製造〉
(1)Li/Nbの値が0.9433、Mgの含有割合が5.00〜5.40モル%であるマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を5種類製造した。
【0027】
まず、Li/Nbの値が0.9433となるように、またLiNbO3とMgOとのモル比、すなわち、MgO/(MgO+LiNbO3)の値が0.050〜0.054の各値となるように、Li2CO3とNb25とMgOとをボールミルにより混合して、5種類の原料混合物を調製した。調製した原料混合物を、1000℃で10時間焼成した後、白金製の坩堝に入れ、高周波誘導加熱により溶融させた。溶融温度は1300℃とした。この原料混合物融液の中に種結晶を浸し、回転数10rpm、引き上げ速度5mm/hrで引き上げて、直径約80mm、長さ約60mmの単結晶を得た。得られたマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を#11〜#15の単結晶と番号付けした。
【0028】
(2)Li/Nbの値が0.9421〜0.9444、Mgの含有割合が5.15モル%であるマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を4種類製造した。
【0029】
まず、Li/Nbの値が0.9421〜0.9444の各値となるように、またLiNbO3とMgOとのモル比、すなわち、MgO/(MgO+LiNbO3)の値が0.0515となるように、Li2CO3とNb25とMgOとを混合して、4種類の原料混合物を調製した。以下、上記(1)における#11〜#15の単結晶と同様に製造して各単結晶を得た。得られたマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を#21〜#24の単結晶と番号付けした。
【0030】
〈製造したマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の耐光損傷特性の評価〉
製造した上記#11〜#15、#21〜#24の各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶について、それぞれ結晶の上端から5mm、30mm、60mmの部分から厚さ1mmの結晶ブロックを切り出した。なお、結晶において種結晶に近い側、すなわち、先に引き上げられた方の端部を上端とした。そして、そのブロックの両面を鏡面研磨して測定用ウェーハを作製した。つまり、マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶ごとに、切り出した部分によって上部、中部、下部の3種類の測定用ウェーハを作製した。作製した各測定用ウェーハを使用して、種々の測定および分析を行った。以下、各項目ごとに述べる。
【0031】
(1)Mgの分配係数の算出
得られたマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶と残融液とのMgの分配係数を求めるため、作製した上記各ウェーハおよび残融液のMgの含有割合を誘電結合プラズマ発光分析法(ICP−AES)により分析した。そして、各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶について、3個のウェーハにおけるMgの含有割合の平均値を求めた。その平均値をそれぞれの残融液におけるMgの含有割合の値で除することにより、Mgの分配係数を求めた。
【0032】
(2)結晶の位置による屈折率変動の測定
作製した上記各ウェーハの屈折率を、プリズムカップラー(METRICON社製、PC−2000)により分析した。測定条件は、波長632.8nm、温度24℃とした。そして、各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶ごとに、上部から切り出したウェーハの屈折率と下部から切り出したウェーハの屈折率との差を求め、その差の値を屈折率変動値とした。
【0033】
(3)透過ビーム形状の観察
レーザ光を照射した時の屈折率の変化の有無、すなわち光損傷の有無を調べるため、作製した上記各ウェーハに高出力アルゴングリーンレーザ光を照射して、透過ビームの形状を観察した。レーザ光の照射により、屈折率が変化する光損傷が生じた時には、透過ビームの形状が変化する。図1に、観察に用いた光学系を模式的に示す。光学系1は、アルゴンレーザ10とミラー20とレンズ30と測定用ウェーハ40とスクリーン50とを備える。アルゴンレーザ10にはパワーコントローラー11が付設されている。ミラー20とレンズ30との間にはフィルタ12が配置されている。アルゴンレーザ10の波長は、488nmに調整され、パワーコントローラー11およびフィルタ12により、パワー密度が1.7MW/cm2に調整されている。
【0034】
アルゴンレーザ10から出射されたレーザ光は、ミラー20を介し、レンズ30で絞り込まれる。測定用ウェーハ40に入射される前のビーム形状は円形であり、その半径は20μmとなっている。そして、測定用ウェーハ40に入射され、測定用ウェーハ40を透過したビームは、スクリーン50に映し出される。この測定用ウェーハ40に上記各ウェーハを使用して、各ウェーハを透過したビームの形状を観察した。
【0035】
(4)クラックフリー率
上記各組成のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の製造の際、どれ位の割合でクラックが発生したかを調査した。上記各組成のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を、上記方法によりそれぞれ20個製造し、クラックが発生しなかったものの割合を算出してクラックフリー率(%)とした。
【0036】
(5)収率
製造した上記#11〜#15、#21〜#24の各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶について、レーザ光を照射しても屈折率が変化しなかった部分の全体における割合を求めた。具体的には、製造した各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を厚さ1mmの結晶ブロックに切り分け、各々の結晶ブロックの両面を鏡面研磨してウェーハとした。各ウェーハにレーザ光を照射して、屈折率の変化を測定した。そして、次式[(屈折率が変化しなかったウェーハ数/全ウェーハ数)×100]により得られた値を収率(%)とした。
【0037】
(6)測定結果および耐光損傷特性の評価
上記(1)〜(5)の分析および測定結果をまとめて表1および表2に示す。表1には、#11〜#15の各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶についての結果を、表2には、#21〜#24の各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶についての結果を示す。表1および表2において、Mgの偏析の有無は、目視および透過ビームの形状の変化を基準に判断したものである。また、透過ビームの形状の変化は、透過ビームの形状において、その長径が2倍程度になり、楕円形に変化した場合を、散乱有りとした。
【0038】
【表1】
Figure 0004067845
【0039】
【表2】
Figure 0004067845
【0040】
まず、表1について説明する。表1より、Mgの含有割合が5.05〜5.30モル%である#12、#13、#14のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、いずれもMgの分配係数がほぼ1となった。これは、単結晶と残融液とで、Mgの含有割合がほぼ一致することを示すものである。つまり、結晶の上部と下部とで組成は均一となる。このことは、屈折率変動値が小さいことからも確認できる。これに対し、Mgの含有割合が5.00モル%、あるいは5.40モル%である#11、#15のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、Mgの分配係数がそれぞれ0.993、1.004となった。このため、結晶の上部と下部とでMgの含有割合が異なり、屈折率変動値も大きくなった。
【0041】
また、#12、#13、#14のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、それらから作製した各々のウェーハに上記レーザ光を照射した場合であっても、透過ビームの形状に変化は見られなかった。つまり、1.7MW/cm2という高いパワー密度でレーザ光を照射しても、屈折率は変化せず光損傷が生じなかったことがわかる。目視でもMgの偏析は生じていないことが確認された。これは、結晶中のリチウムサイトの欠陥に飽和するようにMgが入り、結晶構造が安定化したためと考えられる。これに対し、#11、#15のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶では、各々のウェーハを透過したビームの形状に変化が見られた。具体的には、各単結晶の下部から作製されたウェーハを透過したビームの形状が円形から楕円形に変化した。このことは、レーザ光を照射することにより、屈折率が変化して光損傷が生じたことを示すものである。さらに、#15のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の下部から作製されたウェーハには、Mgの偏析が生じていた。
【0042】
また、#12、#13、#14のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶では、ほとんどクラックが発生せず、さらにレーザ光を照射しても屈折率が変化した部分がほとんどなく収率が高いことが確認できる。一方、#11のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶では、クラックが発生し易く、収率も低いことがわかる。同様に、#15のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶では、クラックの発生率は若干低下するものの、収率は低いことがわかる。
【0043】
以上より、Li/Nbの値が0.9433、かつ、0.050<MgO/(MgO+LiNbO3)≦0.053となるように、各原料を混合して製造した本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、結晶の上部と下部とで組成が均一であり、耐光損傷特性に優れた単結晶となることが確認できた。
【0044】
次に、表2について説明する。表2より、Li/Nbの値が0.9425、0.9440である#22、#23の各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、いずれもMgの分配係数がほぼ1となった。これは、単結晶と残融液とで、Mgの含有割合がほぼ一致することを示すものである。つまり、結晶の上部と下部とで組成は均一となる。このことは、屈折率変動値が小さいことからも確認できる。これに対し、Li/Nbの値が0.9421、0.9443である#21、#24の各マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、Mgの分配係数がそれぞれ0.997、1.003となった。このため、結晶の上部と下部とでMgの含有割合が異なり、屈折率変動値も大きくなった。
【0045】
また、#22、#23のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、それらから作製した各々のウェーハに上記レーザ光を照射した場合であっても、透過ビームの形状に変化は見られなかった。つまり、1.7MW/cm2という高いパワー密度でレーザ光を照射しても、屈折率は変化せず光損傷が生じなかったことがわかる。目視でもMgの偏析は生じていないことが確認された。これに対し、#21、#24のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶では、各々のウェーハを透過したビームの形状に変化が見られた。具体的には、各単結晶の下部から作製されたウェーハを透過したビームの形状が円形から楕円形に変化した。このことは、レーザ光を照射することにより、屈折率が変化して光損傷が生じたことを示すものである。さらに、#24のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の下部から作製されたウェーハには、Mgの偏析が生じていた。
【0046】
また、#22、#23のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶では、ほとんどクラックが発生せず、さらにレーザ光を照射しても屈折率が変化した部分がほとんどなく収率が高いことが確認できる。一方、#21、#24のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶では、比較的クラックが発生し易く、収率も低いことがわかる。
【0047】
以上より、Li/Nbの値が0.9425≦Li/Nb≦0.9440、かつ、MgO/(MgO+LiNbO3)の値が0.0515となるように、各原料を混合して製造した本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、結晶の上部と下部とで組成が均一であり、耐光損傷特性に優れた単結晶となることが確認できた。
【0048】
まとめると、Li/Nbの値が0.9425≦Li/Nb≦0.9440であり、Mgの含有割合が5.00モル%を超え5.30モル%である本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、結晶の上部と下部とで組成が均一であり、Mgの偏析がなく、耐光損傷特性に優れた単結晶であることが確認できた。このような本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を用いれば、SHG等の波長変換素子、光変調器、光スイッチ、高出力レーザ等の分野において、高性能な光学素子を実現することができる。
【0049】
【発明の効果】
本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶は、LiとNbとの原子比が0.9425≦Li/Nb≦0.9440であり、Mgの含有割合が5.00モル%を超え5.30モル%以下であるため、光損傷が少なく、かつ、結晶中におけるMgの偏析のない組成が均一な単結晶となる。また、本発明の製造方法によれば、製造される結晶と残融液とのMgの分配係数をほぼ1にすることができる。このため、結晶の上部と下部とで組成が均一となり、Mgも偏析し難くくなる。したがって、本発明の製造方法によれば、上記本発明のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を高収率で簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 透過ビーム形状の観察に用いた光学系を模式的に示す。
【符号の説明】
1:光学系
10:アルゴンレーザ 11:パワーコントローラー 12:フィルタ
20:ミラー 30:レンズ 40:測定用ウェーハ 50:スクリーン

Claims (3)

  1. LiとNbとの原子比が0.9429≦Li/Nb≦0.9436であり、Mgの含有割合が5.00モル%を超え5.30モル%以下であり、光損傷の有無による収率が96%以上であるマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶。
  2. 前記Mgの含有割合が5.05モル%以上5.20モル%以下である請求項1に記載のマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶。
  3. リチウム源となる炭酸リチウム(LiCO)とニオブ源となる五酸化ニオブ(Nb)とマグネシウム源となる酸化マグネシウム(MgO)とを、以下の2つの条件、
    (1)LiとNbとの原子比 ; 0.9425≦Li/Nb≦0.9440
    (2)LiCOおよびNbからLiNbOが生成されるとした場合におけるLiNbOとMgOとのモル比; 0.050<MgO/(MgO+LiNbO)≦0.053
    を満たすように混合して原料混合物を調製する原料混合物調製工程と、
    該原料混合物を溶融させて原料混合物融液とする原料混合物溶融工程と、
    該原料混合物融液の中に種結晶を浸し、引き上げることでマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶を育成する単結晶育成工程と
    を含む、光損傷の有無による収率が96%以上であるマグネシウムニオブ酸リチウム単結晶の製造方法。
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