JP3994361B2 - ランガサイト型結晶の作製方法 - Google Patents

ランガサイト型結晶の作製方法 Download PDF

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    • H10N30/85Piezoelectric or electrostrictive active materials

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電性の光学材料に関し、特にランガサイト型結晶の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル通信機器の需要性が急速に高まってきている。携帯電話、PHSなどに代表される移動体通信機器の躍進は目を見張るものがある。これらデジタル化が進む通信機器分野において、フィルタ、振動子の素子高性能化がいっそう重要視されるようになってきている。
圧電結晶は、フィルタや発振器、振動子といった通信機器用の電子部品として極めて重要な材料である。
携帯電話向けのSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタには水晶が、テレビやVTRのフィルタにはLiTaO3 が現在多く用いられている。
この場合、水晶は温度変化に強いという優れた性質があるが、帯域幅が狭いという欠点があり、LiTaO3 は帯域幅が広い反面、温度変化に弱いという欠点を有している。
このため両者の特長を併せ持った、即ち温度による周波数変動が少ない、安定した発振、広い帯域幅、挿入損失が小さいといった特長を持つ新しい材料の開発が待ち望まれていた。
【0003】
その候補として、これまでα−AlPO4やLi247といった結晶が開発されてきたが、α−AlPO4は双晶の発生等により結晶作製が困難、Li247は潮解性を有し、かつ成長速度が遅いという問題があった。
これに対しLa3Ga5SiO14に代表されるランガサイト型結晶は、水晶とLiTaO3の特徴を併せ持った特性を有し、かつ、結晶作製が容易、加工性に優れる等の点から優れた新しい圧電材料として注目されはじめている。
その他のランガサイト型結晶としてLa3Nb0.5Ga5.5 14やLa3Ta0.5 Ga5.514といった新材料も見出されている。これらLa3Nb0.5Ga5.514やLa3Ta0.5Ga5.514はLa3Ga5SiO14と同様に優れた圧電特性を示し、かつ、結晶の作製が容易で加工性も良く、将来の圧電材料として有望視されている。
これらの中でも特に、La3Ta0.5Ga5.514は、結晶の作製が容易なことから大型の結晶が得やすく、大量生産に適したランガサイト型圧電結晶材料として最も有望視されている。
【0004】
これらのランガサイト型結晶は、La、Ga、Ta等を含む融液を用い、酸素雰囲気中で、結晶を引き上げるチョクラルスキー法によって作製される。
SAWフィルタ等のデバイスを作製するためにはこれらの結晶の大型化が不可欠であるため、これらの結晶の最適な作製条件を得るためにさまざまな検討が行われている。
例えば、La3Ga5SiO14、La3 Nb0.5Ga5.514及びLa3Ta0.5Ga5.5 14結晶の作製においては、これらの結晶の引き上げ速度、結晶回転数、融液の温度勾配、融液組成、融液を収納するるつぼの材質、結晶育成中の雰囲気ガスなどのパラメータの最適化が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、La3Ga5SiO14及びLa3Nb0.5Ga5.514等のランガサイト型結晶の作製の際、これらの結晶は、橙色あるいは赤色に着色するという問題を生じていた。
ランガサイト型結晶が着色すると、ランガサイト型結晶の屈折率等の光学的特性が劣化してしまうので、ランガサイト型結晶を作製する際には着色しないようにすることが重要である。この着色は、ランガサイト型結晶中に添加した不純物或いは、これらの結晶作製中に発生した格子欠陥や転位が原因と考えられている。
【0006】
一方、これらのランガサイト型結晶の作製は、融液中に含まれるGaの蒸発を抑制するために酸素を含む雰囲気中で行われる。
もし仮に、この融液からGaが蒸発してしまうと、融液の組成変動が生じるので、この融液から作製されたランガサイト型結晶は、組成バラツキ、インクルージョンやクラックを生じてしまう。
このため、ランガサイト型結晶は、酸素雰囲気中で作製することが必要不可欠であるが、あまり酸素濃度を増加しすぎると、このランガサイト型結晶が着色してしまう。
特にLa3Ga5SiO14及びLa3Nb0.5Ga5.514は橙色や赤色への着色度合いが著しく発生する。
【0007】
また、一般的に、これらのランガサイト型結晶の作製の際には、融液の組成は、この融液から作製される結晶の組成と一致する調和溶融組成を用いることが要求される。
融液の組成が調和溶融組成となっていない場合には、結晶化が進むにつれて融液の組成が変動し、所望の単結晶が得られない。
例えば、LiNbO3を作製する場合の融液の調和溶融組成は、Li2O:Nb2O=50:50ではなく、48.3:51.7であり、融液の組成変動が防止され、大型のLiNbO3単結晶を得ることができる。
多くのランガサイト型結晶では、融液の調和溶融組成の最適化が十分行なわれていないため、融液から作製される結晶の組成と、融液の組成に差を生じる。
この融液の組成と結晶の組成の差は、結晶化が進むにつれて増大し、この結晶の結晶性が悪くなるので、この内部にインクルージョンやクラック、あるいは組成バラツキを生じてしまう。
このため、SAWフィルタ等のデバイスを作製する際には、このデバイスの歩留まりを低下させていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、着色がなく、またインクルージョンやクラックの発生がない大型のランガサイト型結晶の作製方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本願各発明は次の手段を有する。
1)チョクラルスキ−法を用いたランガサイト型結晶の作製方法において、
酸化ランタン,酸化タンタル,及び酸化ガリウムが混合された融液を用いると共に、前記融液を、前記酸化ランタン、前記酸化タンタル、前記酸化ガリウムの混合比をそれぞれX、Y、Zとしたときに、33.14≦X≦33.41、5.24≦Y≦5.73、61.02≦Z≦61.45であり、かつX+Y+Z=100で表す各関係式を満たす調和溶融組成とすることを特徴とするランガサイト型結晶の作製方法である。
2)前記ランガサイト型結晶の引き上げを、アルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガス中で行うことを特徴とする1)項記載のランガサイト型結晶の作製方法である。
3)前記混合ガスにおける酸素濃度を0.1体積%〜1.0体積%の範囲内とすることを特徴とする2)項記載のランガサイト型結晶の作製方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
一般的に、ランガサイト型結晶の作製には、チョクラルスキー炉1を用いたチョクラルスキー法が用いられる。
図1は、ランガサイト型結晶の作製に用いられる高周波誘導加熱型のチョクラルスキー炉の断面図である。
まず初めに、チョクラルスキー炉1の構成について説明する。
加熱用の高周波コイル3は、石英管2の外周囲に設けられ、石英管2の内側には、複数の保温筒4に囲まれて、融液6を入れるイリジウム(Ir)製のるつぼ5が配置されている。高周波コイル3の上端部とるつぼ5の上端部の高さは、ほぼ揃えられている。るつぼ5の大きさは、例えば、作製しようとする結晶の径の約倍の大きさの内径を有するものを用いる。石英管2中央上部には、一定速度で回転しながらかつ、一定速度で引き上げられる引き上げ棒8が備えられている。
【0014】
次に、このチョクラルスキー炉1を用いたLa3Ta0.5Ga5.514(以下、LTGと省略する。)結晶7の作製方法について説明する。
まず初めに、融液6を以下のようにして作製する。
純度99.99%の酸化ランタン(La23 )、酸化タンタル(Ta25)、酸化ガリウム(Ga23)の粉末をLTG結晶7の化学量論組成比の近傍で混合する。
更に、この混合粉末をボールミルを用いて、数日間混合粉砕する。粉砕後の混合粉末は、みかけ上の体積がかなり増加するため、数回に分けてIr製のるつぼ5中に入れ、加熱溶融して、融液6を作製する。この時の加熱温度は約1500℃とする。
【0015】
次に、LTGの種結晶を引き上げ棒8の下端に固定し、その先端をるつぼ5内の融液6に浸し、なじませる。
その後、石英管2内に純度99.998%の不活性ガスであるアルゴン(Ar)に酸素(O2)を混入させた混合ガスを導入する。
この際、アルゴンの流量1l/minに対して酸素の流量は0〜20mil/minで行う。
ここで、酸素と共に用いられるガスは、不活性ガスであればよいので、アルゴンを窒素(N2)に変えても良い。
更に、引き上げ棒8を10rpm〜20rpmの回転速度でゆっくり回転させながら、1〜3mm/hの速度で種結晶を引き上げていく。
このいわゆるチョクラルスキー法を用いた結晶成長方法により、直径約24mm、長さ約145mmの大型LTG結晶7を作製することができる。
なお、るつぼ5の材質としてIrを用いているが、一般的に用いられているような白金(Pt)を用いても同様である。
【0016】
このようにして作製されたLTG結晶7の結晶評価について以下に図を参照しながら説明する。
まず初めに、LTG結晶7の酸素の濃度依存性について図2を用いて説明する。
図2は、アルゴンに対する酸素の濃度比を変化させて作製されたLTG結晶7の評価を示す図である。
図2中のArに対するO2の濃度比γ(=O2 /Ar)は、アルゴン流量に対する酸素の流量であり、その単位は体積%である。
試料▲1▼乃至▲5▼はArに対するO2の濃度比γを0体積%乃至2.0%の範囲内で変化させ、その他の条件は一定にして作製されたLTG結晶7である。
【0017】
試料▲1▼はArに対するO2を混入させない条件下で作製されたLTG結晶7である。
この場合、LTG結晶7の大きさは、直径約24mm、長さ約130mmであり、その結晶化率は約60%である。
ここで、結晶化率とは、るつぼ5中の融液の重量に対するこの融液から作製されたLTG結晶7の重量比である。
このため、融液6が全てLTG結晶7になった場合の結晶化率が100%であるので、試料▲1▼の場合、融液の60%が結晶化していることになる。
【0018】
LTG結晶7は全く着色がなく、無色透明であったが、結晶化率が50%乃至60%の範囲では多数のインクルージョンが発生していた。
これは、石英管2内がGaで汚染されていたことから融液からGaの蒸発が激しく、融液組成に変動を生じ、Gaが化学量論的組成からずれてしまったためと考えられる。
このインクルージョンをX線回折を行って調べた結果、このインクルージョンはLaGaO3相であることがわかった。
また、LTG結晶7の表面には多数の激しい皺状の凹凸が発生し、これを起点としていくつかの小さなクラックが観察された。
このように、LTG結晶7には着色の発生はないが、インクルージョンやクラックの発生があり、圧電材料として不適であることがわかった。
【0019】
試料▲2▼はArに対するO2の濃度比γが0.1体積%の条件下で作製されたLTG結晶7である。
この場合、LTG結晶7の大きさは、直径約24mm、長さ約140mmであり、その結晶化率は約65%である。
LTG結晶7は無色透明であり、インクルージョンの発生もなかった。
また、結晶表面には僅かに皺状の凹凸が観察されたが、クラックの発生は確認されなかった。
このように、LTG結晶7には着色の発生もなく、インクルージョンやクラックの発生もないので、圧電材料に好適的なLTG結晶7を得ることができることがわかった。
【0020】
試料▲3▼は、Arに対するO2の濃度比γが0.5体積%の条件下で作製されたLTG結晶7である。
この場合、LTG結晶7の大きさは、直径約24mm、長さ約145mmであり、その結晶化率は約67%である。
LTG結晶7は、無色透明であり、このLTG結晶7にクラックやインクルージョンは観察されなかった。
また、LTG結晶7の表面は滑らかであり、皺状の凹凸の発生もなかった。
このような条件で行った場合には、LTG結晶7に着色の発生もなく、インクルージョンやクラックの発生もないので、圧電材料に好適的なLTG結晶7を得ることができることがわかった。
【0021】
試料▲4▼は、Arに対するO2の濃度比γが1.0体積%の条件下で作製されたLTG結晶7である。
この場合、LTG結晶7の大きさは、直径約24mm、長さ約145mmであり、その結晶化率は約67%である。
LTG結晶7は、無色透明であり、このLTG結晶7にクラックやインクルージョンは観察されなかった。
また、LTG結晶7の表面は滑らかであり、皺状の凹凸の発生もなかった。
このような条件で行った場合には、LTG結晶7に着色の発生もなく、インクルージョンやクラックの発生もないので、圧電材料に好適的なLTG結晶7を得ることができることがわかった。
【0022】
試料▲5▼は、Arに対するO2の濃度比γが2.0体積%の条件下で作製されたLTG結晶7である。
この場合、LTG結晶7の大きさは、直径約24mm、長さ約140mmであり、その結晶化率は約65%である。
LTG結晶7にクラックやインクルージョンは観察されなかったが、濃い橙色に着色した。
これは、混合ガス中のO2過多のためLTG結晶7中の結晶欠陥や転位が発生してしまうためと考えられる。
このように、LTG結晶7にインクルージョンやクラックの発生はないが、橙色に着色してしまうので、圧電材料として不適であることがわかった。
【0023】
以上のように、Arに対するO2の濃度比を0.1体積%乃至1.5体積%の混合ガス雰囲気中でLTG結晶7を作製すれば、透明で着色が少なく、クラックやインクルージョンのない圧電材料に好適なLTG結晶7を得ることができる。
【0024】
次に、全ての結晶領域で単結晶化するLTG結晶を作製する融液の調和溶融組成の範囲について図3及び図4を用いて説明する。
LTG結晶の単結晶化した領域の組成を測定して、全ての結晶領域で単結晶化するLTG結晶が作製できる融液の調和溶融組成範囲を求めた。
図3は、LTG結晶の単結晶領域の組成と融液の混合比の関係を示す図である。
図4は、LTG結晶の単結晶領域の組成と融液の混合比の関係を示す三元組成図である。
図3及び図4中において、LTG結晶組成及び融液の混合比は、それぞれmol%で表わされ、LTG結晶A1、B1、C1、D1、E1は、LTG結晶A1、B1、C1、D1、E1を作製する融液A、B、C、D、Eにそれぞれ対応し、La23 、Ta23及びGa23の融液の混合比をLTG結晶の化学量論組成に対して±1.25mol%の範囲で変化させ、その他の条件は、一定にして作製されたものである。
なお、LTG結晶A1、B1、C1、D1、E1の組成値は、単結晶領域だけを測定したものであり、図4中には、これらの単結晶領域の組成値をプロットしてある。
【0025】
融液A、B、C、D、Eから作製されたLTG結晶A1、B1、C1、D1、E1の組成分析には、分析精度±0.1mol%以下である蛍光X線分析装置を用いた。
この蛍光X線分析では、LTG結晶A1、B1、C1、D1、E1の組成は、La23、Ta25及びGa23の組成比として測定される。
即ち、LTG結晶が化学量論組成である場合には、LTG結晶の組成比は、La23:Ta25:Ga23=33.33:5.56:61.11となる。
このため、融液としてのLa23、Ta25及びGa23の混合比とLTG結晶の組成分析結果を比較することができるので、融液の組成を変化させることによって、LTG結晶の調和溶融組成の範囲を得ることができる。
【0026】
LTG結晶A1は、La23:Ta25:Ga23=33.33:5.56:61.11からなる融液の組成Aから作製されたものである。
LTG結晶A1の大きさは、直径約24mm、長さ約165mmであり、その結晶化率は約99%である。
この場合、結晶化率が0%乃至78%の範囲では、無色透明でクラックのない良好な単結晶が得られ、蛍光X線分析を行った結果、この単結晶領域の組成は、La23:Ta25:Ga23=33.29:5.52:61.19であった。
【0027】
LTG結晶B1は、La23:Ta25:Ga23=32.26:5.38:62.36からなる融液の組成Bから作製されたものである。
LTG結晶B1の大きさは、直径約24mm、長さ約160mmであり、その結晶化率は約92%である。
この場合、結晶化率が0%乃至10%の範囲では、無色透明でクラックのない良好な単結晶が得られ、蛍光X線分析を行った結果、この単結晶領域の組成は、La23:Ta25:Ga23=33.24:5.49:61.27であった。
【0028】
LTG結晶C1は、La23:Ta25:Ga23=34.50:5.46:60.04からなる融液の組成Cから作製されたものである。
LTG結晶C1の大きさは、直径約24mm、長さ約140mmであり、その結晶化率は約78%である。
この場合、結晶化率が0%乃至14%の範囲では、無色透明でクラックのない良好な単結晶が得られ、蛍光X線分析を行った結果、この単結晶領域の組成は、La23:Ta25:Ga23=33.30:5.42:61.28であった。
【0029】
LTG結晶D1は、La23:Ta25:Ga23=33.16:6.06:60.79からなる融液の組成Dから作製されたものである。
LTG結晶D1の大きさは、直径約24mm、長さ約170mmであり、その結晶化率は約99%である。
この場合、結晶化率が0%乃至6%の範囲では、無色透明でクラックのない良好な単結晶が得られ、蛍光X線分析を行った結果、この単結晶領域の組成は、La23:Ta25:Ga23=33.25:5.63:61.12であった。
【0030】
LTG結晶E1は、La23:Ta25:Ga23=33.51:5.06:61.43からなる融液の組成Eから作製されたものである。
LTG結晶E1の大きさは、直径約24mm、長さ約165mmであり、その結晶化率は約99%である。
この場合、結晶化率が0%乃至5%の範囲では、無色透明でクラックのない良好な単結晶が得られ、蛍光X線分析を行った結果、この単結晶領域の組成は、La23:Ta25:Ga23=33.31:5.34:61.35であった。
【0031】
以上のように、融液の組成をLTG結晶の化学量論組成に対して±1.25mol%の範囲で変化させた場合には、良好な単結晶領域が存在するLTG結晶が得られることがわかった。
LTG結晶の内の単結晶領域の組成を融液の組成として用いれば、融液は、調和溶融組成とすることができる。
この結果、融液の組成は、LTG結晶の組成と一致し、変動がなくなるので、LTG結晶は、結晶化率が0%乃至100%の範囲で良好な単結晶となる。
【0032】
また、蛍光X線分析装置の分析精度(±0.1mol%以下)を考慮して、図3で得られた結果を図4に示す3元組成図にプロットすると、融液が調和溶融組成となる領域は斜線で示した領域Qとなる。
この結果、領域Qの範囲内にある組成の融液を用いれば、調和溶融組成からの成長が可能となり、インクル-ジョンやクラックのない、結晶化率が0%乃至100%の範囲で良好な単結晶が得られる。
この領域Qは、La23、Ta25及びGa23の混合比をそれぞれに対応してX、Y、Zとすると、33.14mol%≦X≦33.41mol%、5.24mol%≦Y≦5.73mol%、61.02mol%≦Z≦61.45mol%、かつX+Y+Z=100mol%である。
このような混合比の融液からLTG結晶を作製すれば、融液の組成は、LTG結晶の組成と一致し、変動がなくなるので、インクル-ジョンやクラックのない良好なLTGの単結晶を得ることができる。
即ち、調和溶融組成の融液から作製されたLTG結晶の組成を化学式LauTavGaw14で表すと、Laの組成u、Taの組成v、Gaの組成wにおいて、それぞれの範囲は、2.9826≦u≦3.0069、0.4716≦v≦0.5157、5.4918≦w≦5.5305と表すことができる。
以上のように、調和溶融組成から作製されたLauTavGaw14は、結晶化率が0%乃至100%の範囲で良好な単結晶となる。
本発明について、実施の形態に沿って説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0033】
【発明の効果】
本発明のランガサイト型結晶の作製方法によれば、インクルージョンやクラックのない良好な単結晶となるランガサイト型結晶を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のランガサイト型結晶の作製に用いられるチョクラルスキー炉を示す断面図である。
【図2】本発明のランガサイト型結晶の作製方法によって作製されたLTG結晶の評価を示す図である。
【図3】LTG結晶の単結晶領域の組成と融液の混合比の関係を示す図である。
【図4】LTG結晶の単結晶領域のと融液の混合比の関係を示す三元組成図である。
【符号の説明】
1…チョクラルスキ−炉、2…石英管、3…高周波コイル、4…保温筒、5…るつぼ、6…融液、7…LTG結晶、8…引上げ棒

Claims (3)

  1. チョクラルスキ−法を用いたランガサイト型結晶の作製方法において、
    酸化ランタン,酸化タンタル,及び酸化ガリウムが混合された融液を用いると共に、前記融液を、前記酸化ランタン、前記酸化タンタル、前記酸化ガリウムの混合比をそれぞれX、Y、Zとしたときに、33.14≦X≦33.41、5.24≦Y≦5.73、61.02≦Z≦61.45であり、かつX+Y+Z=100で表す各関係式を満たす調和溶融組成とすることを特徴とするランガサイト型結晶の作製方法。
  2. 前記ランガサイト型結晶の引き上げを、アルゴン(Ar)と酸素(O)の混合ガス中で行うことを特徴とする請求項1記載のランガサイト型結晶の作製方法。
  3. 前記混合ガスにおける酸素濃度を0.1体積%〜1.0体積%の範囲内とすることを特徴とする請求項2記載のランガサイト型結晶の作製方法。
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