JP4430307B2 - 2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造方法 - Google Patents

2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの合成の分野に存し、特に、1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシル)−チミン(L−FMAU)の効率的な合成及び製造方法に向けられている。
本件特許出願は、2001年3月30日に出願された米国仮特許出願第60/280,307号に対する優先権を主張する。
B型肝炎ウイルスによる感染は、非常に大きい重要問題である。B型肝炎ウイルスは、世界的な流行レベルに達している。世界中で3億5千万人もの多くの人々が、継続してHBVにより感染しており、その多くが、慢性肝不全、硬変及び肝細胞癌のような、付随する病理を発達させている。HBV感染は、宿主が感染に気づいていない2ヶ月から3ヶ月の潜伏期の後に、腹痛、黄疸及びある種の酵素の血中濃度増加を引き起こす、急性肝炎及び肝障害に至り得る。これらの約1%から2%は、劇症肝炎、即ち、60%から70%の死亡率で、肝臓の塊状部分が破壊される、急速に進行する、しばしば致命的な疾患の形態を発達させる。
エプスタイン−バー・ウイルスは、ガンマヘルペスウイルス亜科に属するリンホクリプトバイラス(Lymphocryptovirus)属の一員である。これは顕著にリンパ親和性である。EBVは、ヘルペスウイルスの標準的構造を有する。即ち、その二本鎖DNAゲノムは、二十五面体のヌクレオカプシドの中に含まれ、これは、ウイルス糖タンパク質が埋め込まれた脂質エンベロープによって取り囲まれている。EBVは、現在、B−細胞リンパ球増殖性疾患の原因として認められており、エイズ患者に於ける希進行性(rare progressive)単核球症様症候群及び口内毛様白板を含む、種々の他の重い慢性の疾患に結び付けられている。EBVが慢性疲労の主原因であるとの示唆は、吟味に耐えるものではない。EBVは、主として、唾液により伝搬するけれども、感染のあるものは、輸血により伝搬する。感染性単核球症の急性期にある患者の85%より多くが、EBVを分泌する。
天然DNA構成成分の鏡像である或る種のL−ヌクレオシドが、ウイルスDNA合成の第一段階にあるウイルスポリメラーゼに緊密に結合することにより、三リン酸レベルでDNA合成を阻害するであろうことが見出された。
2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドは、一般式:
Figure 0004430307
(式中、Bは、ピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基である)
を有する。
L−FMAUの報告された合成
Yung Chi Cheng、Chung K.Chu及びその他は、最初に、1−(2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシル)−チミン(L−FMAU)が、B型肝炎ウイルス及びエプスタイン−バー・ウイルスに対して優れた活性を示すことを、1994年に報告した。米国特許第5,587,362号、同第5,567,688号、同第5,565,438及び同第5,808,040号並びにWO第95/20595号として公開された国際特許出願参照。
Figure 0004430307
Chengの特許には、糖L−キシロース(式A)並びに糖L−リボース(式B)からのL−FMAUの合成が記載されている。
Figure 0004430307
これらの特許には、主要中間体である1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノースへの転化による、L−キシロースからのL−FMAUの合成が記載されている(例えば、米国特許第5,567,688号、第4欄第62行から始まる個所を参照)。この主要中間体は、L−キシロースから20%の合計収率で合成された(L.Vargha、Chem.Ber.、1954年、第87巻、第1351頁;Holy,Aら、核酸化学に於ける合成手順(Synthetic Procedures in Nucleic Acid Chemistry)、V1、第163−67頁も参照)。この合成は、また、Ma,T.;Pai,S.B.;Zhu,Y.L.;Lin,T.S.;Shanmunganathan,K.;Du,J.F.;Wang,C.G.;Kim,H.;Newton,G.M.;Cheng,Y.C.;Chu,C.K.、J.Med.Chem.、1996年、第39巻、第2835頁に於いても報告された。L−キシロースのヒドロキシ基の反転は、5−O−ベンゾイル−1,2−O−イソプロピリデン−α−L−リボフラノシドの形成、続くNaBHによるシクロケトンフラノシドの還元の間の立体選択的水素化物イオン移動によって達成された。次いで、得られたリボフラノシドは、L−FMAUの合成に於ける主要中間体である1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノースに転化された(反応図式A参照)。
Figure 0004430307
1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノースは、また、より高価な出発物質であるL−リボースから直接合成することができる(例えば、米国特許第5,567,688号、第6欄第30行から始まる個所及びHoly,Aら、核酸化学に於ける合成手順、V1、第163−67頁参照)。1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノースのこの代わりの合成(53%の収率)は、また、Chu.C.K.ら、Antimicrobial Agents Chemother、1995年、第39巻、第979頁によっても報告された。L−FMAUのこの合成経路を、下記の反応図式Bに示す。
Figure 0004430307
この主要中間体を、続いて、Cでの求核性置換反応でフッ素化して、1,3,5−トリ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースを得、これをブロモ糖によりチミン(5−メチルウラシル)のような所望の塩基と共に縮合させて、2’−デオキシ−2’−フルオロ−アラビノフラノシルヌクレオシドを種々の収率で得た。
Chuらは、その後、L−アラビノースから14工程で8%の総収率で、L−FMAUの製造のための合成を開発した(Du.J.;Choi,Y.;Lee,K.;Chun,B.K.;Hong,J.H.;Chu,C.K.、Nucleosides and Nucleosides、1999年、第18巻、第187頁)。L−アラビノースは、5工程でL−リボースに転化された(反応図式C)。次いで、L−リボースは、1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノースの合成に於いて使用され、前記のようにL−FMAUの形成に至った。
Figure 0004430307
上記の工程は、高価な糖(L−リボース又はL−キシロース)から出発するか及び/又は非常に長く、低い収率である。更に、これには、取り扱うことが困難であり、活性化ヒドロキシル基の置換を必要とする、KHF又はEtN−3HFのようなフッ化物の求核性形を使用することが含まれる。DASTの不安定性は、その大規模な使用の妨げとなる。1−O−アセチル−2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノース(TBAR)の1,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノースへの転化は、副生物として、TBARに再転化させることができるが、2,3,5−トリ−O−ベンゾイル−β−L−リボフラノースを生じる。
1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−アラビノフラノシドの報告された合成
1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシドの合成は、Wrightらによって報告された(Wright,J.A.;Taylor,N.F.;Fox,J.J.、J.Org.Chem.、1969年、第34巻、第2632頁及びその中の文献)。この報告に於いては、D−キシロースが、出発物質として使用され、これは対応するフラノースへの転化及び一連の保護反応の後、中間体としてエポキシフラノシドを与えた。この化合物は、更に、5−O−ベンジル−1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシドに転化され、これは、ベンジル基の除去の後、1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−α−D−アラビノフラノシドを与えた(反応図式D)。
Figure 0004430307
1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノシド(上記の化合物のアノマー)の合成は、Marquezらによって報告された(Wysocki,R.J.;Siddiqui,M.A.;Barchi,J.J.;Driscoll,J.S.;Marquez,V.E.、Synthesis、1991年、第1005頁)。D−リボースは、数工程で、1,3,5−トリ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−アラビノフラノースに転化され、対応するブロモ糖誘導体が、HBr/AcOH条件下で生成され、メタノール中の炭酸カリウムの反応により所望の化合物が得られた(反応図式E)。
Figure 0004430307
2−デオキシ−2−フルオロ−D−アラビノスピラノースの報告された合成
2−デオキシ−2−フルオロ−D−アラビノピラノースは、以前に、反応図式Fに示されるように、D−アラビノースからD−アラビナールを経て製造された(Albano,E.L.ら、Carbohyd.Res.、1971年、第19巻、第63頁)。
Figure 0004430307
同じ物質は、下記の反応図式Gに示されるようにD−リボースから製造された(Bols,M.;Lundt,I.、Acta Chem.Scand.、1990年、第44巻、第252頁)。
Figure 0004430307
2−デオキシ−2−フルオロ−3,4−ジ−O−アセチル−D−アラビノスピラノースの報告された合成
標題化合物は、前に、D−アラビナールへのセレクトフルオル(selectfluor)の求電子付加の結果として製造された(Albert,M.ら、Tetrahedron、1998年、第54巻、第4839頁;反応図式H)。
Figure 0004430307
L−FMAUの商業的重要性及びB型肝炎及びエプスタイン−バーウイルスに苦しむ患者の治療でのその使用に鑑みて、本発明の目的は、L−FMAU及び関連するヌクレオシドの改良された合成を提供することである。
本発明の他の目的は、安価な出発物質から、比較的高い収率で、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの合成を提供することである。
本発明は、市販されており、L−リボース又はL−キシロースよりも安価であるL−アラビノースからの、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシド、特に、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミン(L−FMAU)の製造方法である。この方法には、求電子ハロゲン化剤、特にフッ素化剤による、2−デオキシ−2−ハロ−3,4−ジ−O−保護−L−アラビノスピラノースの最初の合成が含まれる。脱保護及び異性化によって、この合成に於ける重要な中間体である、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシドが得られる。次いで、3−及び5−ヒドロキシル基を、好ましくはベンゾイル化によって保護することができ、1位を、活性化する、好ましくはハロゲン化する、なお更に好ましくは臭素化することができる。次いで、この化合物を、保護されたピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基と縮合させて、所望の2’−デオキシ−2’−フルオロ−L−アラビノフラノシルヌクレオシドを形成することができる。
2’−デオキシ−2’−フルオロ−L−アラビノフラノシルヌクレオシド、特にL−FMAUの製造のためのこの方法は、10工程での、L−アラビノースからのこの種類のヌクレオシドの最初の合成である。試薬及び出発物質の全ては安価であり、この反応を実施するために、特別の装置は必要ない。この合成のための重要な工程は、ピラノシドである2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの、フラノシドである2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシドへの転化である。
特に、本発明の一つの実施態様に於いて、式(I):
Figure 0004430307
[式中、Xはハロゲン(F、Cl、Br又はI)、好ましくはフッ素であり、Bは、ピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基である]
の2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造方法であって、
(a)式(II):
Figure 0004430307
(式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを得ること、
(b)2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースに転化させること、
(c)ORを、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基で場合によって置換すること、
(d)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基に結合させること、及び
(e)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドを得ること
を含む方法が提供される。
本発明の他の実施態様に於いて、式(I):
Figure 0004430307
[式中、Xはハロゲン(F、Cl、Br又はI)、好ましくはフッ素であり、Bは、ピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基である]
の2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造方法であって、
(a)式(IV):
Figure 0004430307
(式中、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の場合によって保護されたL−アラビノースを得ること、
(b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrで置換して、式(V):
Figure 0004430307
[式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrである]
の化合物を得ること、
(c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
Figure 0004430307
の化合物を形成すること、
(d)式(III)の化合物をハロゲン化し、必要な場合脱保護して、式(II)
Figure 0004430307
[式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはFである]
の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを形成すること、
(e)2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースに転化させること、
(f)ORを、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基で場合によって置換すること、
(g)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基に結合させること、及び
(h)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドを得ること
を含む方法が提供される。
本発明の一つの特別の実施態様に於いて、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースへの転化は、1当量の硫酸を使用して達成される。本発明の別の実施態様に於いて、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースへの転化は、乾燥メタノール中で達成される。好ましい実施態様に於いて、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースへの転化は、乾燥メタノール中の1当量の硫酸を使用して達成される。
本発明の他の実施態様に於いて、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミン(L−FMAU)の製造方法は、
(a)式(II−a):
Figure 0004430307
(式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを得ること、
(b)2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースに転化させること、
(c)ORを、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基で場合によって置換すること、
(d)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたチミジンに結合させること、及び
(e)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミジンを得ること
を含む。
本発明の更に他の実施態様に於いて、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミン(L−FMAU)の製造方法は、
(a)式(IV):
Figure 0004430307
(式中、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の場合によって保護されたL−アラビノースを得ること、
(b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrで置換して、式(V):
Figure 0004430307
[式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrである]
の化合物を得ること、
(c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
Figure 0004430307
の化合物を形成すること、
(d)式(III)の化合物をフッ素化し、必要な場合脱保護して、式(II−a)
Figure 0004430307
の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを形成すること、
(f)2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースに転化させること、
(g)ORを、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基で場合によって置換すること、
(h)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたチミンに結合させること、及び
(i)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミジンを得ること
を含む。
本発明の特別の実施態様に於いて、式(III)の化合物のハロゲン化、特にフッ素化は、ニトロメタン:水の中で達成される。別の実施態様に於いて、式(III)の化合物のハロゲン化、特にフッ素化は、アセトン:水の中で達成される。
本発明の一つの特別の実施態様に於いて、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースへの転化は、1当量の硫酸を使用して達成される。本発明の別の実施態様に於いて、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースへの転化は、乾燥メタノール中で達成される。好ましい実施態様に於いて、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースへの転化は、乾燥メタノール中の1当量の硫酸を使用して達成される。
本発明の一つの実施態様に於いて、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシド、特に2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミンは、更に、リン酸化又はアシル化のように官能化して、医薬適合性の塩又はプロドラッグを形成することができる。
本発明は、市販されており、L−リボース又はL−キシロースよりも安価であるL−アラビノースからの、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシド、特に、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミン(L−FMAU)の製造方法である。この方法には、求電子ハロゲン化剤、特にフッ素化剤による、2−デオキシ−2−ハロ−3,4−ジ−O−保護−L−アラビノスピラノース、特に、2−デオキシ−2−フルオロ−3,4−ジ−O−アセチル−L−アラビノスピラノースの最初の合成が含まれる。脱保護及び異性化によって、この合成に於ける重要な中間体である、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシド、特に、1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノシドが得られる。次いで、3−及び5−ヒドロキシル基を、好ましくはベンゾイル化によって保護することができ、1位を、活性化して、好ましくはハロゲン化して、なお更に好ましくは臭素化して、例えば、1−ブロモ−3,5−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースを形成することができる。次いで、この化合物を、保護されたピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基と縮合させて、所望の2’−デオキシ−2’−フルオロ−L−アラビノフラノシルヌクレオシドを形成することができる。
2’−デオキシ−2’−フルオロ−L−アラビノフラノシルヌクレオシド、特にL−FMAUの製造のためのこの方法は、10工程での、L−アラビノースからのこの種類のヌクレオシドの最初の合成である。試薬及び出発物質の全ては安価であり、この反応を実施するために、特別の装置は必要ない。この合成のための重要な工程は、ピラノシドである2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの、フラノシドである2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノシドへの転化である。
本明細書で使用されるとき、用語「L−FMAU類似物」又は「関連するヌクレオシド」は、2−フルオロアラビノフラノシル単位に結合されたピリミジン又はプリン塩基から形成されたヌクレオシドを指す。
特に、本発明の一つの実施態様に於いて、式(I):
Figure 0004430307
[式中、Xはハロゲン(F、Cl、Br又はI)、好ましくはフッ素であり、Bは、ピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基である]
の2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造方法であって、
(a)式(II):
Figure 0004430307
(式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを得ること、
(b)2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースに転化させること、
(c)ORを、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基で場合によって置換すること、
(d)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基に結合させること、及び
(e)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドを得ること
を含む方法が提供される。
本発明の特別の実施態様に於いて、式(II):
Figure 0004430307
(式中、R及びRは、前記定義された通りである)
の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースは、
(a)式(III):
Figure 0004430307
(式中、Rのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の場合によって保護されたL−アラビナールを得ること、
(b)式(III)の化合物をハロゲン化し、必要な場合脱保護して、式(II)の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを形成すること
を含む方法によって提供される。
本発明のなお更に特別の実施態様に於いて、式(II):
Figure 0004430307
(式中、R及びRは、前記定義された通りである)
の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースは、
(a)式(IV):
Figure 0004430307
(式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の場合によって保護されたL−アラビノースを得ること、
(b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrで置換して、式(V):
Figure 0004430307
[式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrである]
の化合物を得ること、
(c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
Figure 0004430307
の化合物を形成すること、
(d)式(III)の化合物をハロゲン化し、必要な場合脱保護して、式(II)の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを形成すること
を含む方法によって提供される。
本発明の一つの実施態様に於いて、式(I):
Figure 0004430307
[式中、Xはハロゲン(F、Cl、Br又はI)、好ましくはフッ素であり、Bは、ピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基である]
の2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造方法であって、
(a)式(IV):
Figure 0004430307
(式中、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の場合によって保護されたL−アラビノースを得ること、
(b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrで置換して、式(V):
Figure 0004430307
[式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrである]
の化合物を得ること、
(c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
Figure 0004430307
の化合物を形成すること、
(d)式(III)の化合物をハロゲン化し、必要な場合脱保護して、式(II)
Figure 0004430307
[式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはFである]
の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを形成すること、
(e)2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースに転化させること、
(f)ORを、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基で場合によって置換すること、
(g)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基に結合させること、及び
(h)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドを得ること
を含む方法が提供される。
本発明の一つの特別の実施態様に於いて、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースへの転化は、1当量の硫酸を使用して達成される。本発明の別の実施態様に於いて、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースへの転化は、乾燥メタノール中で達成される。好ましい実施態様に於いて、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースへの転化は、乾燥メタノール中の1当量の硫酸を使用して達成される。
本発明の他の実施態様に於いて、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミン(L−FMAU)の製造方法は、
(a)式(II−a):
Figure 0004430307
(式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを得ること、
(b)2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースに転化させること、
(c)ORを、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基で場合によって置換すること、
(d)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたチミジンに結合させること、及び
(e)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミジンを得ること
を含む。
本発明の特別の実施態様に於いて、式(II−a):
Figure 0004430307
(式中、R及びRは、前記定義された通りである)
の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースは、
(a)式(III):
Figure 0004430307
(式中、Rのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の場合によって保護されたL−アラビナールを得ること、
(b)式(III)の化合物をフッ素化し、必要な場合脱保護して、式(II−a)の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを形成すること
を含む方法によって提供される。
本発明のなお更に特別の実施態様に於いて、式(II−a):
Figure 0004430307
(式中、R及びRは、前記定義された通りである)
の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースは、
(a)式(IV):
Figure 0004430307
(式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の場合によって保護されたL−アラビノースを得ること、
(b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrで置換して、式(V):
Figure 0004430307
[式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrである]
の化合物を得ること、
(c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
Figure 0004430307
の化合物を形成すること、
(d)式(III)の化合物をフッ素化し、必要な場合脱保護して、式(II−a)の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを形成すること
を含む方法によって提供される。
本発明の一つの実施態様に於いて、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミン(L−FMAU)の製造方法は、
(a)式(IV):
Figure 0004430307
(式中、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリルのような適切な酸素保護基である)
の場合によって保護されたL−アラビノースを得ること、
(b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrで置換して、式(V):
Figure 0004430307
[式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはBrである]
の化合物を得ること、
(c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
Figure 0004430307
の化合物を形成すること
(d)式(III)の化合物をフッ素化し、必要な場合脱保護して、式(II−a)
Figure 0004430307
の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを形成すること、
(f)2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースに転化させること、
(g)ORを、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基で場合によって置換すること、
(h)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたチミンに結合させること、及び
(i)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミジンを得ること
を含む。
本発明の特別の実施態様に於いて、式(III)の化合物のハロゲン化、特にフッ素化は、ニトロメタン:水の中で達成される。別の実施態様に於いて、式(III)の化合物のハロゲン化、特にフッ素化は、アセトン:水の中で達成される。
本発明の一つの特別の実施態様に於いて、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースへの転化は、1当量の硫酸を使用して達成される。本発明の別の実施態様に於いて、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースへの転化は、乾燥メタノール中で達成される。好ましい実施態様に於いて、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースへの転化は、乾燥メタノール中の1当量の硫酸を使用して達成される。
L−アラビナールへのフッ素の求電子的付加に於いて使用することができるフッ素化剤の限定されない例には、次亜フッ素酸トリフルオロメチル(CFOF)、次亜フッ素酸アセチル(CHCOOF)、二フッ化キセノン(XeF)、元素状フッ素(F)が含まれる。好ましい実施態様に於いて、フッ素化剤はセレクトフルオル(登録商標)(F−TEDA−BF)である。
I.本発明により合成することができるヌクレオシド
本明細書に開示されたような本発明は、式(C):
Figure 0004430307
[式中、R及びR’のそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル、アリール、一リン酸、二リン酸、三リン酸、アミノ酸又は酸素保護基であり、
Xはハロゲン(F、Cl、Br又はI)、好ましくはフッ素であり、
Bは、ピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基である]
の化合物を製造するために使用することができる。
これらの化合物は、抗ウイルス(即ち、抗B型肝炎ウイルス又は抗エプスタイン−バーウイルス)活性を有し、このような活性を示す化合物に代謝されるか又はこのような活性を有する化合物を製造するための製造方法で使用することができる。
II.定義
本明細書で使用されるとき、用語「実質的に含有しない」又は「実質的に不存在下」は、少なくとも95%から98%又は更に好ましくは99%から100%のこのヌクレオシドの指定したエナンチオマーを含有するヌクレオシド組成物を指す。好ましい実施態様に於いて、この化合物は、その対応するβ−D−異性体を実質的に含有しないで製造される。
用語「エナンチオマー富化した」は、本明細書を通して、少なくとも約95%、好ましくは少なくとも96%、更に好ましくは少なくとも97%、なお更に好ましくは少なくとも98%、なお更に好ましくは少なくとも約99%以上の、このヌクレオシドの単一のエナンチオマーを含有するヌクレオシドを記載するために使用される。本明細書に於いて、特別の立体配置(D又はL)のヌクレオシドを参照するとき、このヌクレオシドは、他に記載しない限り、エナンチオマー的に富化したヌクレオシドであるとみなされる。
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」は、他に特定されない限り、典型的にC〜C18の、飽和直鎖、分枝鎖又は環式の、第一級、第二級又は第三級炭化水素を指し、低級アルキル基を含み、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル及び2,3−ジメチルブチルを含む。このアルキル基は、所望により、当業者に公知のように、例えば、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons)、第2版、1991年刊(ここに、参照して組み込まれる)に教示されているように、官能基で場合によって置換されていてよい。本明細書で使用されるとき及び他に特定されない限り、用語「低級アルキル基」は、置換形及び非置換形の両方を含む、C〜C飽和直鎖、分枝鎖又は適切な場合環式(例えば、シクロプロピル)アルキル基を指す。
本明細書で使用されるとき及び他に特定されない限り、用語「保護された」は、その更なる反応を防止するため又は他の目的のために、酸素、窒素又はリン原子に付加された基を指す。広範囲の種々の酸素及び窒素保護基は、この技術分野又は有機合成分野の当業者に公知である。適切な保護基は、例えば、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、第2版、1991年刊(ここに、参照して組み込まれる)に記載されている。
本明細書で使用されるとき及び他に特定されない限り、用語「アリール」は、フェニル、ビフェニル又はナフチル、好ましくはフェニルを指す。このアリール基は、例えば、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、第2版、1991年刊に教示されているように、当業者に公知であるように場合によって置換されていてよい。
用語「アシル」は、式−C(O)R’(式中、R’は、アルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、ヘテロ芳香族、複素環式、メトキシメチルを含むアルコキシアルキル、ベンジルを含むアリールアルキル、フェノキシメチルのようなアリールオキシアルキル、ハロ基、C〜Cアルキル若しくはC〜Cアルコキシで場合によって置換されたフェニルを含むアリール又はアミノ酸の残基である)の単位を指す。
用語「シリル」は、式−SiR’(式中、それぞれのR’は、独立に、本明細書で定義されているようなアルキル又はアリールである)の単位を指す。このアルキル基又はアリール基は、例えば、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、第2版、1991年刊に教示されているように、当業者に公知であるように場合によって置換されていてよい。
本明細書で使用されるとき、用語「ハロゲン」には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。
用語「プリン」又は「ピリミジン」塩基には、これらに限定されないが、アデニン、6−アルキルプリン、6−アシルプリン(但し、アシルは、C(O)(アルキル、アリール、アルキルアリール又はアリールアルキル)である)、6−ベンジルプリン、6−ハロプリン、N−アシルプリン、6−ヒドロキシアルキルプリン、6−チオアルキルプリン、N−アルキルプリン、N−アルキル−6−チオプリン、チミン、シトシン、5−フルオロシトシン、5−メチルシトシン、6−アザピリミジン(6−アザシトシンを含む)、2−及び/又は4−メルカプトピリミジン、ウラシル、5−ハロウラシル(5−フルオロウラシルを含む)、C−アルキルピリミジン、C−ベンジルピリミジン、C−ハロピリミジン、C−ビニルピリミジン、C−アセチレンピリミジン、C−アシルピリミジン、C−ヒドロキシアルキルピリミジン、C−アミドピリミジン、C−シアノピリミジン、C−ニトロピリミジン、C−アミノピリミジン、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル及びピラゾロピリミジニルが含まれる。プリン塩基には、これらに限定されないが、グアニン、アデニン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン及び6−クロロプリンが含まれる。塩基上の官能性酸素及び窒素基は、必要なとき又は所望のとき保護することができる。適切な保護基は当業者に公知であり、これには、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル及びt−ブチルジフェニルシリル、トリチル、アルキル基、アセチル及びプロピオニルのようなアシル基、メタンスルホニル及びp−トルエンスルホニルが含まれる。ヘテロ芳香族基は、場合によって、アリールについて前記したように置換されていてよい。
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロアリール」又は「へテロ芳香族」は、芳香族環内に少なくとも1個の硫黄、酸素、窒素又はリンを含有する芳香族を指す。用語「複素環式」は、環内に酸素、硫黄、窒素又はリンのような少なくとも1個のヘテロ原子が存在する非芳香族環式基を指す。ヘテロアリール及び複素環式基の限定されない例には、フリル、フラニル、ピリジル、ピリミジル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、プリニル、カルバゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソキサゾリル、ピロリル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、キサンチニル、ヒポキサンチニル、チオフェン、フラン、ピロール、イソピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリミジン又はピリダジン及びプテリジニル、アジリジン、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、チアジン、ピリジン、ピラジン、ピペラジン、ピロリジン、オキサジラン、フェナジン、フェノチアジン、モルホリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、キノキサリニル、キサンチニル、ヒポキサンチニル、プテリジニル、5−アザシチジニル、5−アザウラシリル、トリアゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、アデニン、N−アルキルプリン、N−ベンジルプリン、N−ハロプリン、N−ビニルプリン、N−アセチレンプリン、N−アシルプリン、N−ヒドロキシアルキルプリン、N−チオアルキルプリン、チミン、シトシン、6−アザピリミジン、2−メルカプトピリミジン、ウラシル、N−アルキルピリミジン、N−ベンジルピリミジン、N−ハロピリミジン、N−ビニルピリミジン、N−アセチレンピリミジン、N−アシルピリミジン、N−ヒドロキシアルキルプリン及びN−チオアルキルプリン並びにイソキサゾリルが含まれる。ヘテロ芳香族基は、場合によって、アリールについて前記したように置換されていてよい。複素環式又はヘテロ芳香族基は、場合によって、ハロゲン、ハロアルキル、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシル誘導体、アミド、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノから選択された、1個又は2個以上の置換基で置換されていてよい。所望により、ヘテロ芳香族は、部分的に又は全体的に水素化されていてよい。限定されない例として、ピリジンの代わりにジヒドロピリジンを使用することができる。複素環式又はヘテロアリール基上の官能性酸素及び窒素基は、必要なとき又は所望のとき保護することができる。適切な保護基は当業者に公知であり、これには、トリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル及びt−ブチルジフェニルシリル、トリチル又は置換されたトリチル、アルキル基、アセチル及びプロピオニルのようなアシル基、メタンスルホニル及びp−トルエニルスルホニルが含まれる。
これらのプリン又はピリミジン塩基、ヘテロ芳香族及び複素環は、アルキル基又は複素環環系に、単結合若しくは二重結合により結合された若しくは縮合された芳香族環で置換することができる。プリン塩基、ピリミジン塩基、ヘテロ芳香族又は複素環は、環窒素及び環炭素を含む、全ての利用可能な原子を介して糖単位に結合させる(C−ヌクレオシドを生成する)ことができる。
III.方法工程の詳細な説明
出発物質−2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノース(II)の製造
この方法のための重要な出発物質は、適切に置換された2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノース(II)である。2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノース(II)は、購入することができるか又は標準的還元及び求電子付加技術を含む全ての公知の手段によって製造することができる。一つの実施態様に於いて、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノース(II)は、L−アラビナールから続いてハロゲン化することにより製造される。L−アラビナールは、購入することができるか又は標準的還元技術を含む全ての公知の手段によって製造することができる。例えば、L−アラビナールは、適切に保護された、好ましくはアセチル基のようなアシル基で保護されたL−アラビノースから、下記のプロトコル:
Figure 0004430307
に従って製造することができる。
L−アラビノース(1)は、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、第2版、1991年刊に教示されているように、当業者に公知である方法によって保護して、適切に保護されたL−アラビノース(2)(式中、それぞれのPは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリル基、好ましくはアセチル基のようなアシル基のような適切な酸素保護基である)を形成することができる。この保護は、所望の結果を容易にもたらす全ての適切な溶媒中で実施することができる。一つの実施態様に於いて、この反応は、ピリジンのような穏和な塩基中で実施される。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は0℃から室温である。
次いで、適切に置換されたL−アラビノース(2)を、適切なハロゲン化物を使用して、全ての適切な条件下、好ましくは酸性条件下でハロゲン化、好ましくは臭素化して、1−α−ブロモ−2,3,4−トリ−O−アセチル−L−アラビノースのような1−α−ハロ−2,3,4−トリ−O−保護−L−アラビノース(3)を得ることができる。このハロゲン化は、所望の結果を容易にもたらす全ての適切な溶媒中で実施することができる。一つの限定されない例において、化合物(2)を、H−X(式中、XはF、Cl、Br又はI、好ましくはBrである)で、場合によって適切な酸、好ましくは酢酸のようなアシル酸と共に、場合によって無水酢酸のようなアシル無水物と共にハロゲン化することができる。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は室温から還流条件までである。
次いで、1−α−ハロ−2,3,4−トリ−O−保護−L−アラビノース(3)を、全ての適切な還元剤を使用して還元して、L−アラビナール(4)を得ることができる。可能な還元剤は、これらに限定されないが、AcOH/HO中のCuSO・五水和物及び酢酸ナトリウムの存在下での亜鉛ダストを含む、還元を促進する試薬である。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は−5℃より下から室温までである。L−アラビナールは、温度及び試薬の溶解度のために適している全ての溶媒中で製造することができる。溶媒は、これらに限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール若しくはヘキサノールのようなアルコール、酢酸のようなアシル酸、水又はこれらの全ての組合せ物を含む全てのプロトン性溶媒からなっていてよく、好ましくは、溶媒は酢酸及び水である。
Figure 0004430307
次いで、L−アラビナール(4)を、適切な求電子ハロゲン化剤を使用してハロゲン化、好ましくはフッ素化して、化合物(5)を得ることができる。可能な求電子ハロゲン化剤は、位置特異的ハロゲン化を促進する試薬である。一つの特別の実施態様に於いて、求電子フッ素化剤が使用される。L−アラビナールへのフッ素の求電子付加で使用することができるフッ素化剤の限定されない例には、これらに限定されないが、次亜フッ素酸トリフルオロメチル(CFOF)、次亜フッ素酸アセチル(CHCOOF)、二フッ化キセノン(XeF)、元素状フッ素(F)が含まれる。別の実施態様に於いて、フッ素化剤はセレクトフルオル(登録商標)である。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は室温から還流条件までである。このハロゲン化は、温度及び試薬の溶解度のために適している全ての溶媒中で実施することができる。溶媒は、これらに限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール若しくはヘキサノールのようなアルコール、アセトン、酢酸エチル、ジチアン、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、水又はこれらの全ての組合せ物を含む全ての極性プロトン性又は非プロトン性溶媒からなっていてよく、好ましくは、溶媒は水/ニトロメタン及び水/アセトン(1/2)である。
次いで、場合によって保護された2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノース(5)を、必要な場合、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、第2版、1991年刊に教示されているように、当業者に公知である方法によって脱保護して、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノース(II)を得ることができる。この脱保護は、所望の結果を容易にもたらす全ての適切な溶媒中で実施することができる。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。例えば、アシル保護基、特にアセチル保護基は、室温でメタノール中のナトリウムメトキシドで脱保護することができる。
本発明の一つの好ましい実施態様に於いて、この手順は、L−FMAU又はL−FMAU類似体の合成のために重要な中間体化合物を製造するために適合させることができる。
2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースの製造
Figure 0004430307
2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノース(II)を、触媒量又は過剰の、これらに限定されないが、硫酸又は塩酸のような全ての適切な酸(気体状又は液体状)と反応させて、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース(7)を形成することができる。本発明の一つの実施態様に於いて、この反応のために1モル当量の硫酸が使用される。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は室温から還流条件までである。この反応は、温度及び試薬の溶解度のために適している全ての溶媒中で実施することができる。溶媒は、これらに限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール若しくはヘキサノールのようなアルコール、アセトン、酢酸エチル、ジチアン、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、水又はこれらの全ての組合せ物を含む全ての極性プロトン性又は非プロトン性溶媒からなっていてよく、好ましくは、溶媒はメタノールである。
2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース(7)は、場合によって、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、第2版、1991年刊に教示されているように、当業者に公知である方法によって保護して、適切に保護された2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース(8)(式中、それぞれのPは、独立に、水素又はアルキル、アシル若しくはシリル基、好ましくはアセチル基のようなアシル基のような適切な酸素保護基である)を形成することができる。この保護は、所望の結果を容易にもたらす全ての適切な溶媒中で実施することができる。一つの実施態様に於いて、この反応は、ピリジンのような穏和な塩基中で実施される。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は0℃から室温である。
2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造
Figure 0004430307
適切に保護された2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース(8)を、場合によって、活性化して、活性化2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース(9)(式中、LGは、O−アシル(OAcを含む)又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)、好ましくはハロゲン、なお更に好ましくはBrのような適切な離脱基である)を形成する。一つの限定されない例に於いて、化合物(8)を、H−X(式中、XはF、Cl、Br又はI、好ましくはBrである)で、場合によって適切な酸、好ましくは酢酸のようなアシル酸と共にハロゲン化して、化合物(9)を得る。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は室温である。この反応は、温度及び試薬の溶解度のために適している全ての溶媒中で実施することができる。溶媒は、これらに限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール若しくはヘキサノールのようなアルコール、アセトン、酢酸エチル、ジチアン、THF、ジオキサン、アセトニトリル、ニトロメタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、水又はこれらの全ての組合せ物を含む全ての極性プロトン性又は非プロトン性溶媒からなっていてよく、好ましくは、溶媒はジクロロメタンである。
Figure 0004430307
次いで、活性化2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノース(9)を、場合によって保護された、ピリミジン、プリン、複素環式又はヘテロ芳香族塩基と結合させて、場合によって保護された2’−デオキシ−2’−ハロ−L−アラビノヌクレオシド(11)を得ることができる。所望の溶媒系中の溶解度を促進するために、可溶化置換基を、プリン塩基、ピリミジン塩基、ヘテロ芳香族又は複素環に付加することができる。また、不必要な副反応を防止するために、プリン塩基、ピリミジン塩基、ヘテロ芳香族又は複素環のある種の官能基を保護する必要があるかもしれないことが、理解されるべきである。この反応性単位は、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、第2版、1991年刊に教示されているように、当業者に公知である一般的手段及び適切な保護基を使用して保護することができる。例えば、シトシン上の遊離アミンは、N位での不必要な結合を防止するために、塩化ベンゾイル又は全ての他の適切なアシル化合物との反応により保護し、シトシン塩基を活性化させ及び/又は有機溶媒中のこの化合物の溶解を助けることができる。また、チミンのような、プリン塩基、ピリミジン塩基、ヘテロ芳香族又は複素環上の遊離アミン及び/又は遊離ヒドロキシルを、不必要な副生成物を防止するために塩化トリメチルシリルのようなシリル基で保護し、プリン塩基、ピリミジン塩基、ヘテロ芳香族若しくは複素環を活性化させ及び/又は有機溶媒中のこの化合物の溶解を助けることができる。電子欠損の中心と反応することができる窒素を含有する全ての化合物を、この縮合反応で使用することができる。一つの実施態様に於いて、O−保護されたチミン塩基、例えば、トリメチルシリルチミンのようなシリル化チミンを、化合物(9)と結合させる。好ましい実施態様に於いて、ピリミジン又はプリン塩基を、適切なシリル化剤でシリル化して、シリル化塩基を形成させる。可能性のあるシリル化剤は、場合によって、触媒量の硫酸アンモニウムを含有する、これらに限定されないが、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンを含む、シリル化を促進する試薬である。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は還流条件である。
この結合反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。好ましい温度は室温である。この反応は、適切な温度及び試薬の溶解度を与える全ての溶媒中で行うことができる。溶媒の例には、ヘキサン及びシクロヘキサンのようなアルキル溶媒、トルエン、アセトン、酢酸エチル、ジチアン、THF、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、ピリジン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン又はこれらの全ての組合せのような全ての非プロトン性溶媒、好ましくは、ジクロロメタン、ジクロロエタン又はクロロホルムと1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンとの組合せが含まれる。
次いで、場合によって保護された2’−デオキシ−2’−ハロ−L−アラビノヌクレオシド(11)を、必要な場合、Greeneら著、「有機合成に於ける保護基」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社、第2版、1991年刊に教示されているように、当業者に公知である方法によって脱保護して、2’−デオキシ−2’−ハロ−L−アラビノヌクレオシド(I)を得ることができる。この脱保護は、所望の結果を容易にもたらす全ての適切な溶媒中で実施することができる。この反応は、分解又は過剰の副生成物を促進することなく、許容できる速度で反応を進行させる、全ての温度で達成できる。例えば、アシル保護基、特にベンゾイル基は、還流下で、メタノール中のn−ブチルアミンで脱保護することができる。
化合物が、安定な非毒性酸又は塩基塩を形成するために十分に塩基性又は酸性である場合に、医薬適合性の塩を合成することができる。医薬適合性の塩には、医薬適合性の無機又は有機の塩基又は酸から誘導されたものが含まれる。適切な塩には、カリウム及びナトリウムのようなアルカリ金属、カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属、医薬技術分野で公知の多数の他の酸から誘導されたものが含まれる。特に、医薬適合性の塩の例は、生理学的に許容されるアニオンを形成する酸と共に形成された有機酸付加塩、例えば、トシラート、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩及びα−グリセロリン酸塩である。硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩及び炭酸塩を含む適切な無機塩も形成させることができる。
医薬適合性の塩は、この技術分野で公知の標準的手順を使用して、例えば、アミンのような十分に塩基性の化合物を、生理学的に許容されるアニオンを与える適切な酸と反応させることによって得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム又はリチウム)又はアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩を、製造することもできる。
本明細書に記載したヌクレオシドのいずれも、そのヌクレオシド又はヌクレオチドプロドラッグに誘導することができる。多数のヌクレオチドプロドラッグ配位子が知られている。一般的に、ヌクレオシドの一、二又は三リン酸のアルキル化、アシル化又は他の親油性変性が、この技術分野で公知である。リン酸単位の1個又は2個以上の水素を置き換えることができる置換基の例は、アルキル、アリール、ステロイド、糖を含む炭水化物、1,2−ジアシルグリセロール及びアルコールである。多数のものが、R.Jones及びN.Bischofberger、Antiviral Research、第27巻(1995年)、第1頁から17頁に記載されている。これらのいずれも、開示されたヌクレオシドを官能化して所望のプロドラッグを得るために使用することができる。
また、活性ヌクレオシドは、下記の文献(これらは、ここに参照して組み込まれる)に開示されているように、5’−ホスホエーテル脂質又は5’−エーテル脂質として与えることができる。Kucera,L.S.、N.Iyer、E.Leake、A.Raben、Modest E.K.、D.L.W.及びC.Piantadosi、1990年、「感染性HIV−1産生を阻害し、欠陥ウイルス形成を誘発する、新規な膜相互作用エーテル脂質類似体(Novel membrane−interactive ether lipid analogs that inhibit infectious HIV−1 production and induce defective virus formation)」、AIDS Res.Hum.Retro Viruses、第6巻、第491−501頁;Piantadosi,C.、J.Marasco C.J.、S.L.Morris−Natschke、K.L.Meyer、F.Gumus、J.R.Surles、K.S.Ishaq、L.S.Kucera、N.Iyer、C.A.Wa11en、S.Piantadosi及びE.J.Modest、1991年、「抗HIV活性のための新規なエーテル脂質ヌクレオシド抱合体の合成及び評価(Synthesis and evaluation of novel ether lipid nucleoside conjugates for anti−HIV activity)」、J.Med.Chem.、第34巻、第l408−1414頁;Hoste11er,K.Y.、D.D.Richman、D.A.Carson、L.M.Stuhmi11er、G.M.T.van Wijk及びH.van den Bosch、l992年、「3’−デオキシチミジン二リン酸ジミリストイルグリセロール、3’−デオキシチミジンの脂質プロドラッグによる、CEM及びHT4−6C細胞中のヒト免疫不全ウイルス1型複製の大きく増強された阻害(Greatly enhanced inhibition of human immunodeficiency virus type 1 replication in CEM and HT4−6C cells by 3’−deoxythymidine diphosphate dimyristoylglycero1,a lipid prodrug of 3’−deoxythymidine)」、Antimicrob.Agents Chemother.、第36巻、第2025−2029頁;Hosetler,K.Y.、L.M.Stuhmiller、H.B.Lenting、H.van den Bosch及びD.D.Richman、l990年、「アジドチミジン及び他の抗ウイルスヌクレオシドのリン脂質類似体の合成及び抗レトロウイルス活性(Synthesis and antiretroviral activity of phospholipid analogs of azidothymidine and other antiviral nucleosides)」、J.Biol.Chem.、第265巻、第61127頁。
好ましくは、ヌクレオシド又は親油性製剤の5’−OH位で、ヌクレオシドの中に共有結合で含有させることができる適切な親油性置換基を開示している米国特許の限定されない例には、米国特許第第5,149,794号(1992年9月22日、Yatvinら);米国特許第5,194,654号(1993年3月16日、Hostetlerら);米国特許第5,223,263号(1993年6月29日、Hostetlerら);米国特許第5,256,641号(1993年10月26日、Yatvinら);米国特許第5,411,947号(1995年5月2日、Hostetlerら);米国特許第5,463,092号(1995年10月31日、Hostetlerら);米国特許第5,543,389号(1996年8月6日、Yatvinら);米国特許第5,543,390号(1996年8月6日、Yatvinら);米国特許第5,543,391(1996年8月6日、Yatvinら)及び米国特許第5,554,728号(1996年9月10日、Basavaら)(これらの全ては、ここに参照して組み込まれる)が含まれる。本発明のヌクレオシド又は親油性製剤に結合させることができる親油性置換基を開示している外国の特許出願には、国際特許出願第89/02733号、国際特許出願第90/00555号、国際特許出願第91/16920号、国際特許出願第91/18914号、国際特許出願第93/00910号、国際特許出願第94/26273号、国際特許出願第96/15132号、欧州特許出願第0350287号、欧州特許出願第93917054.4号及び国際特許出願第91/19721号が含まれる。
2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミジン(L−FMAU)の製造
L−アラビノースの過アセチル化ブロモ糖(図1、15)は、文献記載の方法に従って、エーテルから結晶化した後57%収率で、固体として得ることができる(Balog,A.;Yu,M.S.;Curran,D.P.、Synthetic Comm.、1996年、第26巻、第935頁)。この物質は室温で非常に不安定であり、直ちに使用するか又は冷凍庫内に貯蔵しなくてはならなかった。
場合によって保護されたL−アラビナールは、文献記載の方法に従って、カラムクロマトグラフィーの後で60%収率で得ることができる(Smiatacz,Z.;Myszka,H.、Carbohydr.Res.、1988年、第172巻、第171頁)。
次いで、場合によって保護されたL−アラビナールを、文献記載の方法の修正により、セレクトフルオル(登録商標)の添加によりフッ素化して、場合によって保護された2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースをシロップとして42%収率で得ることができる(Albert,M.;Dax,K.;Ortner、J.Tetrahedron、1998年、第54巻、第4839頁)。微量のおそらくL−リボ異性体であると思われるもののが、19F−NMRによって検出された(L−アラビノ:L−リボ比 30:1)。2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースのD−異性体は、同様の方法によって製造された(Albert,M.;Dax,K.;Ortner,J.、Tetrahedron、1998年、第54巻、第4839頁)。この文献に於いて、ニトロメタン:水が溶媒として使用され、これはより良い収率(D−アラビノ異性体68%及びD−リボ異性体7%)をもたらすことができた。また、アセトン:水を使用することができ、これはより良い選択率をもたらすことができる。
次いで、場合によって保護された2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを、必要な場合に脱保護することができる。例えば、3,4−ジ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノース(図1、17)の脱アセチル化は、メタノール中のNaOMeにより、室温で1時間以内に達成できる。所望の保護されていない2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノース(18)を、油として100%収率で得た。H−NMR及び13C−NMRは、D−異性体について文献に記載されたものと一致する(Bols,M.;Lundt,I.、Acta Chem.Scand.、1990年、第44巻、第252頁)。18のD−異性体は、以前に、より低い効率の方法で、三つの異なったグループにより製造された。
室温で1当量の硫酸又は塩酸による保護されていない2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの処理は、所望のフラノシドを得ることに失敗した。未反応の出発物質のみが検出された。9当量の塩酸を使用して、所望の生成物である2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースが得られ、これは、出発物質で汚染されていた(2:1比)。今までのところ、最良の結果は、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを乾燥メタノール中の1当量の硫酸と共に還流することによって達成された。6時間後に、出発物質の全ては消失して、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースを油として、80%収率で与えた。H−、13C−及び19F−NMRは、幾つかの少量の不純物を含む、アノマーの3:1 α:β混合物を示した。L−リボ−及びL−アラビノピラノシド並びにL−リボフラノシドが、可能性のある副生成物である。2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースのD−異性体は、以前に、より低い効率の方法で、二つの異なったグループにより製造された(Wright,J.A.;Taylor,N.F.;Fox,J.J.、J.Org.Chem.、1969年、第34巻、第2632頁及びWysocki,R.J.;Siddiqui,M.A.;Barchi,J.J.;Driscoll,J.S.;Marquez,V.E.、Synthesis、1991年、第1005頁)。
次いで、2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースを、場合によって保護することができる。例えば、粗製2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースのベンゾイル化によって混合物を得、この混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって分割して、1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−3,5−ジ−O−ベンゾイル−L−アラビノフラノシド(20)のαフラノシド形を、油として44%収率で得た。他の画分を単離し、キャラクタリゼーションして、対応するβ−L−アラビノフラノシド誘導体が、主な不純物として検出された。同じ反応がD−異性体について記載されている(J.Med.Ckem.、1970年、第13巻、第269頁)。これには、20のD−異性体光学回転及びCHNが記載されているが、分光学的データは示されていなかった。光学回転についての絶対値は、D−異性体について記載されているものと同様であった;[α] 20=−98(c1.0EtOH)(文献値:[α] 20=+108(c1.8EtOH)D−異性体について)。
次いで、場合によって保護された2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースを、好ましくは臭素化によって活性化し、トリメチルシリルチミンのような場合によって保護されたチミンに結合させて、場合によって保護された2’−デオキシ−2’−フルオロ−L−アラビノフラノシル−チミンを得ることができる。例えば、メチルグリコシド(20)を、HBr/AcOH条件下で中間体ブロモ糖に転化し、次いでこれを、標準的条件下でシリル化チミン(22)と結合させて、公知のジ−O−ベンゾイル−L−FMAU(23)を42%の粗製収率(EtOHからの結晶化の後に30%)で得ることができる。H−NMRは、L−及びD−異性体について文献に記載されているもの(Du,J.;Choi,Y.;Lee,K;Chun,B.K.;Hong,J.H.;Chu,C.K.、Nucleosides and Nucleotides、1999年、第18巻、第187頁)及び参照サンプル(Ma,T.;Pai,S.B.;Zhu,Y.L.;Lin,T.S.;Shanmunganathan,K.;Du,J.F.;Wang,C.−G.;Kim,H.;Newton,G.M.;Cheng,Y.−C.;Chu,C.K.、J.Med.Chem.1996年、第39巻、第2835頁;及びDu,J.;Choi,Y.;Lee,K.;Chun,B.K.;Hong,J.H.;Chu,C.K.、Nucleosides and Nucleotides、1999年、第18巻、第187頁;及びTan,C.H.;Brodfuehrer,P.R.;Brundidge,S.P.;Sapino,C.;Howell,H.G.、J.Org.Chem.、1985年、第50巻、第3647頁)と同一であった。しかしながら、融点(160℃)は、参照サンプルと同一であったが、文献で公表された値、即ち、D−異性体について120℃から122℃及びL−異性体について118℃から120℃(Tan,C.H.;Brodfuehrer,P.R.;Brundidge,S.P.;Sapino,C.;Howell,H.G.、J.Org.Chem.、1985年、第50巻、第3647頁及びDu,J.;Choi,Y.;Lee,K.;Chun,B.K.;Hong,J.H.;Chu,C.K.、Nucleosides and Nucleotides、1999年、第18巻、第187頁)とは異なっている。
次いで、場合によって保護された2’−デオキシ−2’−フルオロ−L−アラビノフラノシル−チミンを、必要な場合脱保護することができる。例えば、ジ−O−ベンゾイル−L−FMAU(23)を、還流メタノール中でn−ブチルアミンで脱ベンゾイル化して、反応時間を、室温でアンモニアを使用したとき必要であった24時間又は48時間から、3時間に短縮することができる(Ma,T.;Pai,S.B.;Zhu,Y.L.;Lin,T.S.;Shanmunganathan,K.;Du,J.F.;Wang,C.−G.;Kim,H.;Newton,G.M.;Cheng,Y.−C.;Chu,C.K.、J.Med.Chem.1996年、第39巻、第2835頁;及びDu,J.;Choi,Y.;Lee,K.;Chun,B.K.;Hong,J.H.;Chu,C.K.、Nucleosides and Nucleotides、1999年、第18巻、第187頁)。L−FMAU(24)の収率は77%であった。融点:D−異性体について188℃(文献mp:185℃から187℃、184℃から185℃、187℃から188℃);[α] 20=−93(c0.25MeOH)(文献値:[α] 20=−111(c0.23MeOH)、[α] 20=−112(c0.23MeOH));H−NMRは、文献に記載されているもの及び参照サンプル(Ma,T.;Pai,S.B.;Zhu,Y.L.;Lin,T.S.;Shanmunganathan,K.;Du,J.F.;Wang,C.−G.;Kim,H.;Newton,G.M.;Cheng,Y.−C.;Chu,C.K.、J.Med.Chem.1996年、第39巻、第2835頁;及びDu,J.;Choi,Y.;Lee,K.;Chun,B.K.;Hong,J.H.;Chu,C.K.、Nucleosides and Nucleotides、1999年、第18巻、第187頁;及びTan,C.H.;Brodfuehrer,P.R.;Brundidge,S.P.;Sapino,C.;Howell,H.G.、J.Org.Chem.、1985年、第50巻、第3647頁)と同一であった。
(実施例)
融点は、ガレンカンプ(Gallenkamp)MFB−595−010M装置で、開放毛細管内で決定し、補正しなかった。UV吸収スペクトルは、ウビコン(Uvikon)931(コントロン(KONTRON))分光光度計で、エタノール中で記録した。H−NMRスペクトルは、室温でDMSO−d中で、ブルカー(Bruker)AC250又は400分光計で測定した。化学シフトはppmで示し、参照としてDMSO−dを2.49ppmで設定する。重水素交換、デカップリング実験又は2D−COSYを、プロトンアサインメントを確認するために実施した。信号多重度は、s(一重項)、d(二重項)、dd(二重項の二重項)、t(三重項)、q(四重項)、br(広い)、m(多重項)として表される。全てのJ−値はHzでである。FAB質量スペクトルは、JEOL DX300質量分析計で、正(FAB>0)又は負(FAB<0)イオンモードで記録した。マトリックスは、3−ニトロベンジルアルコール(NBA)又はグリセロールとチオグリセロール(GT)との混合物(50:50、v/v)であった。比回転は、パーキン・エルマー(Perkin−Elmer)241分光旋光計(路長1cm)で測定し、10−1度cm−1の単位で示す。元素分析は、「Service de Microanalyses du CNRS, Division de Vernaison」(フランス)によって実施した。元素又は官能基の記号で示された分析は、理論値の±0.4%内であった。薄層クロマトグラフィーを、シリカゲル60F254(メルク社(Merck)、Art.5554)の予備被覆したアルミニウムシート上で実施し、生成物の可視化を、UV吸収性、続く10%エタノール性硫酸で焦がし、加熱することによって達成した。カラムクロマトグラフィーを、大気圧でシリカゲル60(メルク社、Art.9385)上で実施した。
1,2,3,4−テトラ−O−アセチル−L−アラビノピラノース(14)
0℃の、乾燥ピリジン(270mL)中のL−アラビノース(13)(100g、0.67モル)の十分に攪拌した懸濁液に、無水酢酸(360mL、388g、3.8モル)をゆっくり添加した。次いで、この懸濁液を室温で4時間攪拌し、その後、これは明褐色溶液になった。過剰のピリジン及び無水酢酸を、トルエンとの共沸蒸発によって除去した。粗製物(14)を透明油として得、如何なる更なる精製も無しに次の工程で使用した。
1−α−ブロモ−2,3,4−トリ−O−アセチル−L−アラビノピラノース(15)
粗製テトラ−O−アセチル−L−アラビノピラノース(14)を、AcOH(400mL、2.0モル)及び無水酢酸(8.0mL)中の30重量%HBrの混合物中に溶解させた。この溶液を、室温で36時間攪拌した。この反応混合物を塩化メチレン(400mL)で希釈し、水(3×600mL)、飽和NaHCO(2×500mL)及び水(3×600mL)で逐次的に洗浄し、乾燥させ、濾過し、シロップにまで蒸発させ、このシロップをエチルエーテルから結晶化させて、(14)(129g、0.380モル、13から57%)を白色固体として得た。
Figure 0004430307
3,4−ジ−O−アセチル−L−アラビナール(16)
−5℃の、水(200mL)中のNaOAc(35g、0.43モル)及びAcOH(115mL)の十分に攪拌した溶液に、温度を−5℃以下に維持して、水(23mL)中のCuSO・5HO(7g、28ミリモル)の溶液をゆっくり添加し、次いでZnダスト(70g、0.11モル)を少しずつ添加した。この懸濁液に、ブロモ糖15(34g、0.10モル)を少しずつ添加し、この混合物を−5℃で3時間、次いで室温で一晩激しく攪拌した。この混合物を濾過し、水(250mL)及び塩化メチレン(250mL)で洗浄した。相を分離し、水層を塩化メチレン(2×125mL)で洗浄した。一緒にした有機層を、水(2×250mL)、飽和NaHCO(2×1250mL)及び水(2×250mL)で逐次的に洗浄し、乾燥させ、濾過し、無色シロップ(〜20g)にまで蒸発させた。このシロップをフラッシュカラムクロマトグラフィー(300gのシリカゲル、ヘキサン:EtOAc4:1)によって精製して、16(12.0g、60ミリモル、60%)を無色シロップとして得た。
Figure 0004430307
3,4−ジ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノース(17)
アセトン:水(4:2 v:v、120mL)中のグリカール(16)(12.0g、60ミリモル)の十分に攪拌した溶液に、セレクトフルオル(登録商標)(26g、73ミリモル)を添加した。この溶液を室温で一晩攪拌した。次いで、この溶液を還流下で1時間加熱して、反応を完結させた。室温にまで冷却した後、アセトンを真空中で除去した。水(150mL)を添加し、EtOAc(3×150mL)で抽出した。一緒にした有機画分を、1N HCl(2×200mL)及び水(2×200mL)で逐次的に洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて、17(6.0g、25ミリモル、42%)をシロップとして得た。
Figure 0004430307
分析 C13Fについての計算値:C,45.77;H,5.55。実測値:C,45.64;H,5.51。
2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノース(18)
乾燥メタノール(220mL)中の17(5.7g、24.1ミリモル)の溶液を、メタノール中の0.1N NaOMe(114mL、11.4ミリモル)で処理し、室温で1時間攪拌した。次いで、この溶液をダウエックス(DOWEX)50W X8−100で中和し、濾過し、蒸発させて、18(3.7g、24ミリモル、100%)を黄色シロップとして得た。
Figure 0004430307
1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノシド(19)
乾燥メタノール(12.2mL)中の18(790mg、5.2ミリモル)及びHSO(60.1μL、1.1ミリモル)の溶液を、還流下で6時間処理した。この反応物を室温にまで冷却し、ダウエックスSBRで中和し、濾過し、蒸発させて、19(700mg、4.21ミリモル、80%)をシロップとして得た。
Figure 0004430307
1−O−メチル−2−デオキシ−2−フルオロ−3,5−ジ−O−ベンゾイル−L−アラビノフラノシド(20)
0℃の、乾燥ピリジン(10mL)中の19(664mg、4ミリモル)の十分に攪拌した溶液に、塩化ベンゾイル(2.5mL、3.0g、21.5ミリモル)をゆっくり添加した。0℃で30分間攪拌した後、これを室温で3時間放置した。この反応物を、水(10mL)及び飽和NaHCO(30mL)でクエンチし、30分間攪拌した。次いで、これを塩化メチレン(50mL)及び更なる飽和NaHCO(30mL)で希釈した。有機層を分離し、飽和NaHCO(50mL)、水(2×50mL)、1N HCl(2×50mL)、水(50mL)、飽和NaHCO(50mL)及び水(2×50mL)で逐次的に洗浄し、乾燥させ、濾過し、褐色シロップ(1.9g)にまで蒸発させ、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(50gのシリカゲル、ヘキサン:EtOAc95:5)によって精製した。主画分をシロップとして単離し、20(αアノマー、670mg、1.79ミリモル、44%)としてキャラクタリゼーションした:[α] 20=−98(c1.0EtOH)(文献値:[α] 20=+108(c1.8EtOH)D−異性体について)。
Figure 0004430307
分析 C2019Fについての計算値:C,64.17;H,5.12。実測値:C,64.14;H,5.08。
1−(3,5−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−β−L−アラビノフラノシル)チミン(23)
0℃の、乾燥塩化メチレン(0.56mL)中の20(289mg、0.75ミリモル)の十分に攪拌した溶液に、AcOH中の30重量%HBr(0.8mL、1.08g、0.32gのHBr、4.0ミリモル)をゆっくり添加した。次いで、この溶液を室温で一晩攪拌した。赤褐色溶液を真空下で40℃以下で蒸発させた。次いで、これを乾燥ベンゼン(3×3mL)と共に共蒸発させ、次いで乾燥クロロホルム(3mL)と共に一度共蒸発させた。シロップであるブロモ糖21を、乾燥クロロホルム(2mL)中に再溶解させた:溶液A。同時に、乾燥クロロホルム(7.12mL)中の、チミン(25、208mg、1.65ミリモル)、硫酸アンモニウム(19mg)及び1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(798mg、1.04mL、4.95ミリモル)の混合物を、還流下で一晩加熱した。得られた透明溶液(全てのチミンがシリル化されて、化合物22を形成したことを示す)を、室温にまで冷却した:溶液B。溶液Aを溶液Bに添加し、還流下で4時間加熱した。水(10mL)を添加し、この混合物を20分間攪拌した。クロロホルム(10mL)を添加し、有機相を分離し、水(2×10mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、シロップにまで蒸発させ、このシロップをフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc1:1)によって精製した。粗製の23(150mg、0.32ミリモル、42%)を固体として得た。これをEtOHから結晶化させて、純粋の23(100mg、0.22ミリモル、30%)を白色固体として得た。mp160℃は、23の本来のサンプル(文献値:mp D−異性体について120℃から122℃及びL−異性体について118℃から120℃)と同一であった。
Figure 0004430307
1−(2−デオキシ−2−フルオロ−β−L−アラビノフラノシル)チミン(24)
メタノール(2mL)中の、23(47mg、0.1ミリモル)及びn−ブチルアミン(0.74g、1.0mL、10ミリモル)の溶液を、還流下で3時間加熱した。この溶液を乾固まで蒸発させ、エチルエーテルと共に粉砕して、固体を得、これを濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させて、24(20mg、0.077ミリモル、77%)を白色固体として得た:mp188℃(文献値:D−異性体についてmp185℃から187℃、184℃から185℃、187℃から188℃);[α] 20=−93(c0.25MeOH);(文献値:[α] 20=−111(c0.23MeOH)、[α] 20=−122(c0.23MeOH))。
Figure 0004430307
本発明の多くの修正及び他の実施態様が、前記の説明及び添付される図面に示された教示の利益を有する、本発明が関係する当業者に明らかである。それで、本発明は開示された特別の実施態様に限定されるべきではないこと及び修正及び他の実施態様が含まれるように意図されることが理解されるべきである。本明細書に於いて特別の用語を使用するけれども、これらは一般的で且つ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的のために使用されない。
本発明による、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミンの製造方法の限定されない例。

Claims (13)

  1. 式(I):
    Figure 0004430307
    [式中、Xはハロゲン(F、Cl、Br又はI)であり、Bは、ピリミジン又はプリン塩基である]
    の2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造方法であって、
    (a)式(II):
    Figure 0004430307
    (式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル又はシリルである)
    の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを得る工程
    (b)2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースに転化させる工程であって、1当量の硫酸を使用して達成させる工程、
    (c)2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースのOR を、O−アシル又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)で置換する工程、
    (d)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたピリミジン又はプリン塩基に結合させる工程及び
    (e)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドを得る工程
    を含む、前記方法。
  2. 前記方法が、更に、
    (a)式(III):
    Figure 0004430307
    (式中、 及びのそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル又はシリルである)
    の場合によって保護されたL−アラビナールを得る工程、
    (b)式(III)の化合物をハロゲン化し、必要な場合脱保護して、式(II)の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを形成する工程
    を含む、式(II)の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの製造方法を含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記方法が、更に、
    (a)式(IV):
    Figure 0004430307
    (式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル又はシリルである)
    の場合によって保護されたL−アラビノースを得る工程、
    (b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)で置換して、式(V):
    Figure 0004430307
    [式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)である]
    の化合物を得る工程、
    (c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
    Figure 0004430307
    の化合物を形成する工程、
    (d)式(III)の化合物をハロゲン化し、必要な場合脱保護して、式(II)の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを形成する工程
    を含む、式(II)の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースの製造方法を含む、請求項1記載の方法。
  4. 式(I):
    Figure 0004430307
    [式中、Xはハロゲン(F、Cl、Br又はI)であり、Bは、ピリミジン又はプリン塩基である]
    の2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドの製造方法であって、
    (a)式(IV):
    Figure 0004430307
    (式中、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル又はシリルである)
    の場合によって保護されたL−アラビノースを得る工程、
    (b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)で置換して、式(V):
    Figure 0004430307
    [式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)である]
    の化合物を得る工程、
    (c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
    Figure 0004430307
    の化合物を形成する工程、
    (d)式(III)の化合物をハロゲン化し、必要な場合脱保護して、式(II)
    Figure 0004430307
    [式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)である]
    の2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを形成する工程、
    (e)2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースに転化させる工程、
    (f)ORを、O−アシル又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)で置換する工程、
    (g)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたピリミジン又はプリン塩基に結合させる工程、及び
    (h)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−ハロ−β−L−アラビノフラノシルヌクレオシドを得る工程
    を含む方法。
  5. (a)式(II−a):
    Figure 0004430307
    (式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル又はシリルである)
    の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを得る工程
    (b)2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースに転化させる工程であって、1当量の硫酸を使用して達成させる工程、
    (c)OR を、O−アシル又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)で置換する工程、
    (d)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたチミジンに結合させる工程及び
    (e)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミジンを得る工程
    を含む、2−デオキシ−2−ハロ−L−アラビノフラノースを製造することによる、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミン(L−FMAU)の製造方法。
  6. 前記方法が、更に、
    (a)式(III):
    Figure 0004430307
    (式中、 及びのそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル又はシリルである)
    の場合によって保護されたL−アラビナールを得る工程、
    (b)式(III)の化合物をフッ素化し、必要な場合脱保護して、式(II−a)の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを形成する工程
    を含む、式(II−a)の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの製造方法を含む、請求項記載の方法。
  7. 前記方法が、更に、
    (a)式(IV):
    Figure 0004430307
    (式中、R及びRのそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル又はシリルである)
    の場合によって保護されたL−アラビノースを得る工程、
    (b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)で置換して、式(V):
    Figure 0004430307
    [式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)である]
    の化合物を得る工程、
    (c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
    Figure 0004430307
    の化合物を形成する工程、
    (d)式(III)の化合物をフッ素化し、必要な場合脱保護して、式(II−a)の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを形成する工程
    を含む、式(II−a)の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースの製造方法を含む、請求項記載の方法。
  8. (a)式(IV):
    Figure 0004430307
    (式中、R、R、R及びRのそれぞれは、独立に、水素、アルキル、アシル又はシリルである)
    の場合によって保護されたL−アラビノースを得る工程、
    (b)ORを、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)で置換して、式(V):
    Figure 0004430307
    [式中、Xは、ハロゲン(F、Br、Cl又はI)である]
    の化合物を得る工程、
    (c)式(V)の化合物を還元して、式(III):
    Figure 0004430307
    の化合物を形成する工程、
    (d)式(III)の化合物をフッ素化し、必要な場合脱保護して、式(II−a)
    Figure 0004430307
    の2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを形成する工程、
    (e)2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノピラノースを2−デオキシ−2−フルオロ−L−アラビノフラノースに転化させる工程、
    (f)ORを、O−アシル又はハロゲン(F、Br、Cl又はI)で置換する工程、
    (g)このアラビノフラノースを、場合によって保護されたチミンに結合させる工程、及び
    (h)必要な場合脱保護して、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミジンを得る工程
    を含む、2’−デオキシ−2’−フルオロ−β−L−アラビノフラノシルチミン(L−FMAU)の製造方法。
  9. 式(III)の化合物のハロゲン化がニトロメタン:水の中で達成される、請求項から4及び6から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 式(III)の化合物のハロゲン化がアセトン:水の中で達成される、請求項から4及び6から8のいずれか1項に記載の方法。
  11. L−アラビノピラノースのL−アラビノフラノースへの転化が、1当量の硫酸を使用して達成される、請求項4又は8に記載の方法。
  12. L−アラビノピラノースのL−アラビノフラノースへの転化が、乾燥メタノール中で達成される、請求項1からのいずれか1項に記載の方法。
  13. 式(III)の化合物のフッ素化が、F−TEDA−BF 使用して達成される、請求項6からのいずれか1項に記載の方法。
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