JP2008110983A - 4’−c−エチニルヌクレオシド化合物 - Google Patents

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悟 向後
Eiichi Kodama
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Masao Matsuoka
雅雄 松岡
Hiroaki Mitsuya
裕明 満屋
Kenji Kitano
健司 北濃
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Abstract

【課題】
4’−C−エチニルプリンヌクレオシド化合物及びその医薬用途、特にエイズ(AIDS)の治療用用途を提供する。
【解決手段】
下記式[I]で表される4’−C−エチニルプリンヌクレオシド化合物およびそれら化合物と薬学的に許容される担体とを含有してなる医薬組成物に関する。
【化1】
Figure 2008110983

[I]
(式中、Bは、プリンもしくはその誘導体からなる群より選ばれた塩基を示し、Xは水素原子または水酸基を示し、Rは水素原子またはリン酸残基を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、4’−C−エチニルヌクレオシド及びその医薬用途、特にエイズ(AIDS)の治療用用途に関するものである。
AZT(ジドブジン)、ddI(ジダノシン)、ddC(ザルシタビン)、d4T(スタブジン)3TC(ラミブジン)などのヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(nucleoside reverse transcriptase inhibitors;NRTIs)にプロテアーゼ阻害剤(protease inhibitors;PIs)を加えた、いわゆる「強力な抗レトロウイルス剤による化学療法(highly active antiretroviral therapy;HAART)」と呼ばれる多剤併用療法によって、AIDSの臨床像は一変し、AIDSによる死亡者数も各国で激減した(Textbook of AIDS Medicine, p751(Williams & Wilkins, Baltimore, 1999))。
しかし、HAARTによりAIDSによる死亡者が激減する一方で、複数の薬剤に対して交叉耐性を示す多剤耐性HIV−1(human immunodeficiency virus-1)株が出現し、たとえば、AZTと3TCの両方に耐性のHIVに感染した患者は、1990年初頭ではほとんど見られなかったのに対し、1995〜1996年になると42%にものぼっていることが報告されている(AIDS, 11, 1184(1997))。
このような多剤耐性ウイルス株(multi-drug resistant virus)の出現により、「治療の失敗(drug failure:いったんウイルス血症レベルが検出限界以下になった症例で、再びウイルス血症が持続的に見られるようになったもの)」も30〜60%にも及んでいることが報告され(AIDS, 12, 1631(1998))、大きな問題となっている。
従来、多剤耐性ウイルス株に対して抗ウイルス活性を示す化合物としては、多くのPIsに耐性なHIV−1株(multi-PI resistant HIV-1)に対して抗ウイルス活性を示すプロテアーゼ阻害剤:JE−2147などが知られているのみで(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96,8675(1999))、ヌクレオシド系化合物において、多剤耐性ウイルス株に対して抗ウイルス活性を示す化合物は報告されていない。
発明者の一人である大類らは、1−(4−C−エチニル−β−D−リボ−ペントフラノシル)チミン、4’−C−エチニルウリジン及び4’−C−エチニルシチジンを合成し、抗ウイルス活性、抗腫瘍活性などの生物活性を測定したが、それらの化合物に生物活性は観察されなかった(Biosci. Biotechnol. Biochem., 63(4), 736-742, 1999)。
また、松田らは4’−C−エチニルチミジンを合成し、抗HIV活性を測定しているが、当該化合物の抗HIV活性はAZTの抗HIV活性よりも弱いものであった。なお、松田らの論文における抗HIV活性の測定は、MT−4細胞とHIV−1 IIIb株を用いた通常の抗HIV活性測定法であって、多剤耐性ウイルス株を用いたものではない(Bioorg. Med. Chem. Lett., 9(1999), 385-388)。
Biosci. Biotechnol. Biochem., 63(4), 736-742, 1999 Bioorg. Med. Chem. Lett., 9(1999), 385-388
本発明者らは、AZT以上の抗ウイルス活性を有する化合物を見つけるべく、種々の4’−C−エチニルヌクレオシドを合成し、抗ウイルス活性を測定した結果、(1)特定の構造を有する4’−C−エチニルヌクレオシドがAZTと同等あるいはAZTを凌ぐ優れた抗HIV活性を有すること、(2)AZT、ddI、ddC、d4T、3TCなどの複数の抗HIV剤に耐性を有する多剤耐性ウイルス株にも有効なこと、(3)細胞毒性も問題となるほど強くないことを確認し、本願発明を完成させた。
すなわち、本発明は、式[I]で表される4’−C−エチニルヌクレオシド(ただし、4’−C−エチニルチミジンを除く)および当該化合物と薬学的に許容される担体とを含有してなる医薬組成物に関するものである。
Figure 2008110983
[I]
(式中、Bは、ピリミジン、プリンもしくはそれらの誘導体からなる群より選ばれた塩基を示し、Xは水素原子または水酸基を示し、Rは水素原子またはリン酸残基を示す。)
また、本発明は、上記式[I]の化合物の医薬としての使用に関するものである。
さらに、本発明は、上記式[I]の化合物をヒトを含む動物に投与することを特徴とするエイズの治療方法に関するものである。
本発明化合物は、後述試験例にも示すように、優れた抗HIV作用、特にAZT、DDI、DDC、D4T、3TCなどの抗HIV剤の複数の薬剤に耐性を有する多剤耐性HIV株にも有効で、細胞毒性も問題となるほど強くないことから、医薬品、特にエイズ治療薬としての開発が期待されるものである。
(1)化合物
本発明化合物は、前記式[I]で表されるものであり、式中のBで表される塩基としては、ピリミジン、プリン(アザプリン及びデアザプリンをも含む)またはそれら塩基の誘導体を例示することができる。
塩基の誘導体としては、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルメルカプト基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基などの置換基を有するものが挙げられ、置換基の数及び位置は特に制限されるものではない。
置換基としてのハロゲン原子としては、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素が例示される。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピルなどの炭素数1〜7の低級アルキル基が例示される。ハロアルキル基としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ブロモメチル、ブロモエチルなどの炭素数1〜7のアルキルを有するハロアルキル基が例示される。アルケニル基としては、ビニル、アリルなどの炭素数2〜7のアルケニル基が例示される。ハロアルケニル基としては、ブロモビニル、クロロビニルなどの炭素数2〜7のアルケニルを有するハロアルケニル基が例示される。アルキニル基としては、エチニル、プロピニルなどの炭素数2〜7のアルキニル基が例示される。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノなどの炭素数1〜7のアルキルを有するアルキルアミノ基が例示される。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシなどの炭素数1〜7のアルコキシ基が例示される。アルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト、エチルメルカプトなどの炭素数1〜7のアルキルを有するアルキルメルカプト基が例示される。アリール基としては、フェニル基;メチルフェニル、エチルフェニルなどの炭素数1〜5のアルキルを有するアルキルフェニル基;メトキシフェニル、エトキシフェニルなどの炭素数1〜5のアルコキシを有するアルコキシフェニル基;ジメチルアミノフェニル、ジエチルアミノフェニルなどの炭素数1〜5のアルキルアミノを有するアルキルアミノフェニル基;クロロフェニル、ブロモフェニルなどのハロゲノフェニル基などが例示される。
ピリミジン系の塩基およびその誘導体を具体的に例示すれば、シトシン、ウラシル、5ーフルオロシトシン、5ーフルオロウラシル、5ークロロシトシン、5ークロロウラシル、5ーブロモシトシン、5ーブロモウラシル、5ーヨードシトシン、5ーヨードウラシル、5ーメチルシトシン、5ーエチルシトシン、5ーメチルウラシル(チミン)、5ーエチルウラシル、5ーフルオロメチルシトシン、5ーフルオロウラシル、5ートリフルオロシトシン、5ートリフルオロウラシル、5ービニルウラシル、5ーブロモビニルウラシル、5ークロロビニルウラシル、5ーエチニルシトシン、5ーエチニルウラシル、5ープロピニルウラシル、ピリミジンー2ーオン、4ーヒドロキシアミノピリミジンー2ーオン、4ーアミノオキシピリミジンー2ーオン、4ーメトキシピリミジンー2ーオン、4ーアセトキシピリミジンー2ーオン、4ーフルオロピリミジンー2ーオン、5ーフルオロピリミジンー2ーオンなどが挙げられる。
プリン系の塩基およびその誘導体を具体的に例示すれば、プリン、6ーアミノプリン(アデニン)、6ーヒドロキシプリン、6ーフルオロプリン、6ークロロプリン、6ーメチルアミノプリン、6ージメチルアミノプリン、6ートリフルオロメチルアミノプリン、6ーベンゾイルアミノプリン、6ーアセチルアミノプリン、6ーヒドロキシアミノプリン、6ーアミノオキシプリン、6ーメトキシプリン、6ーアセトキシプリン、6ーベンゾイルオキシプリン、6ーメチルプリン、6ーエチルプリン、6ートリフルオロメチルプリン、6ーフェニルプリン、6ーメルカプトプリン、6ーメチルメルカプトプリン、6ーアミノプリンー1ーオキシド、6ーヒドロキシプリンー1ーオキシド、2ーアミノー6ーヒドロキシプリン(グアニン)、2,6−ジアミノプリン、2ーアミノー6ークロロプリン、2ーアミノー6ーヨードプリン、2ーアミノプリン、2ーアミノー6ーメルカプトプリン、2ーアミノー6ーメチルメルカプトプリン、2ーアミノー6ーヒドロキシアミノプリン、2ーアミノー6ーメトキシプリン、2ーアミノー6ーベンゾイルオキシプリン、2ーアミノー6ーアセトキシプリン、2ーアミノー6ーメチルプリン、2ーアミノー6ーサイクロプロピルアミノメチルプリン、2ーアミノー6ーフェニルプリン、2ーアミノー8ーブロモプリン、6ーシアノプリン、6ーアミノー2ークロロプリン(2ークロロアデニン)、6ーアミノー2ーフルオロプリン(2ーフルオロアデニン)、6ーアミノー3ーデアザプリン、6ーアミノー8ーアザプリン、2ーアミノー6ーヒドロキシー8ーアザプリン、6ーアミノー7ーデアザプリン、6ーアミノー1ーデアザプリン、6ーアミノー2ーアザプリンなどが挙げられる。
Bがピリミジン系の塩基で、Xが水素原子である化合物としては、たとえば以下に示す化合物またはその5’−リン酸エステルが挙げられる。
4’−C−エチニル−2’−デオキシシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−ハロゲノシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−アルキルシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−ハロアルキルシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−アルケニルシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−ハロアルケニルシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−アルキニルシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−ハロゲノウリジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−アルキルウリジン(ただし、4’−C−エチニルチミジンを除く)
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−ハロアルキルウリジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−アルケニルウリジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−ハロアルケニルウリジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−アルキニルウリジン
Bがピリミジン系の塩基で、Xが水酸基である化合物としては、たとえば以下に示す化合物またはその5’−リン酸エステルが挙げられる。
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)シトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−ハロゲノシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−アルキルシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−ハロアルキルシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−アルケニルシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシ)−5−ハロアルケニルシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−アルキニルシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−ハロゲノウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−アルキルウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−ハロアルキルウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−アルケニルウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−ハロアルケニルウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−アルキニルウラシル
Bがプリン系の塩基で、Xが水素原子である化合物としては、たとえば以下に示す化合物またはその5’−リン酸エステルが挙げられる。
4’−C−エチニル−2’−デオキシアデノシン
4’−C−エチニル−2’−デオキシグアノシン
4’−C−エチニル−2’−デオキシイノシン
9−(4−C−エチニル−2−デオキシ−β−D−リボ−フラノシル)プリン
9−(4−C−エチニル−2−デオキシ−β−D−リボ−フラノシル)−2,6−ジアミノプリン
Bがプリン系の塩基で、Xが水酸基である化合物としては、たとえば以下に示す化合物またはその5’−リン酸エステルが挙げられる。
9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)アデニン
9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)グアニン
9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)ヒポキサンチン
9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)プリン
9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−2,6−ジアミノプリン
本発明化合物のうち、好ましい化合物としては、以下の化合物を例示することができる。
(1)4’−C−エチニルピリミジンヌクレオシド
1) 前記式[I]中のXが水素原子である化合物
2) 前記式[I]中のXが水酸基である化合物
3) 前記式[I]中のBがシトシンまたはその誘導体である化合物
4) 前記式[I]中のBがシトシンまたはその誘導体であり、Xが水素原子である化合物
5) 前記式[I]中のBがシトシンまたはその誘導体であり、Xが水酸基である化合物
6) 4’−C−エチニル−2’−デオキシシチジン
7) 4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−フルオロシチジン
8) 1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)シトシン
(2)4’−C−エチニルプリンヌクレオシド
1) 前記式[I]中のXが水素原子である化合物
2) 前記式[I]中のXが水酸基である化合物
3) 前記式[I]中のBが、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、ジアミノプリンまたはその誘導体からなる群より選択されたものである化合物
4) 前記式[I]中のBが、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、ジアミノプリンまたはその誘導体からなる群より選択されたものであり、Xが水素原子である化合物
5) 前記式[I]中のBが、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、ジアミノプリンまたはその誘導体からなる群より選択されたものであり、Xが水酸基である化合物
6) 4’−C−エチニル−2’−デオキシアデノシン
7) 4’−C−エチニル−2’−デオキシグアノシン
8) 4’−C−エチニル−2’−デオキシイノシン
9) 9−(4−C−エチニル−2−デオキシ−β−D−リボ−ペントフラノシル)−2,6−ジアミノプリン
10) 9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)アデニン
本発明化合物は、塩、水和物または溶媒和物の形態であってもよい。そのような塩としては、Rが水素原子である場合には塩酸塩または硫酸塩などの酸付加物、Rがリン酸残基である場合にはナトリウム塩、カリウム塩またはリチウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩もしくはアンモニウム塩などの薬学的に許容される任意の塩が例示される。
また、水和物または溶媒和物としては、本発明の化合物またはその塩1分子に対し、0.1〜3.0分子の水または溶媒が付着したものを例示することができる。さらに、本発明の化合物には、互変異性体などの各種異性体も包含されうる。
(2)製造法
本発明化合物のうち、Xが水素原子である2’−デオキシ体は、以下に説明する工程により製造することができる。
第1工程;
第1工程は、式[II]で表される化合物の4位のハイドロキシメチル基を酸化してアルデヒド化合物とし、さらにアルキン化合物へ変換することにより式[III]で表される化合物を得る工程である。
Figure 2008110983
[II] [III]
(式中、R1〜R2は保護基を示し、R3は水素原子または保護基を示し、Bnはベンジル基を示す。)
原料化合物は、式[II]で表される公知化合物である(Biosci. Biotech. Biochem., 57, 1433-1438(1993))。
R1〜R2で表わされる保護基としては、水酸基などで通常使用されるものであればよく、たとえばエーテル系保護基、アシル系保護基、シリル系保護基、アセタール系保護基などを例示することができる。より具体的には、エーテル系保護基としては、メチルエーテル、第3級ブチルエーテル、ベンジルエーテル、メトキシベンジルエーテル、トリチルエーテルなどを、アシル系保護基としてはアセチル、ベンゾイル、ピバロイルなどを、シリル系保護基としてはtーブチルジメチルシリル、tーブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリルなどを、アセタール系保護基としてはイソプロピリデン、エチリデン、メチリデン、ベンジリデン、テトラヒドロピラニル、メトキシメチルなどをそれぞれ使用することができる。
式[II]で表される化合物の4位のハイドロキシメチル基をアルデヒドに変換する場合、用いる酸化剤としては、無水クロム酸、ピリジンと無水酢酸との複合試薬、ピリジンクロロクロメート、ピリジンジクロメートなどのクロム系酸化剤;デス−マーチン試薬などの高原子価ヨウ素酸化剤;ジメチルスルホキシドと無水酢酸、塩化オキサリルまたはジシクロヘキシルカルボジイミドとを組み合わせて用いるジメチルスルホキシド系酸化剤などを例示することができる。
反応条件は用いる酸化剤により異なり、たとえば、塩化オキサリルとジメチルスルホキシドを用いて酸化する場合、ジクロロメタンなどの有機溶媒中、必要によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下、式[II]化合物1モルに対して塩化オキサリルとジメチルスルホキシドをそれぞれ0.5〜5モル、1.5〜6モル用い、−100〜0℃で15分から2時間程度反応させ、トリエチルアミンなどの塩基類を2〜10モル添加し、さらに室温にて15分から2時間程度反応させることにより実施できる。
次に、得られたアルデヒド化合物からアルキン化合物への変換は、アルデヒド化合物を増炭反応(C−C結合形成反応)に付し、強塩基で処理してメタルアルキニル化合物とし、最後に保護基を導入することにより実施できる。
増炭反応は、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどの有機溶媒中、必要によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下、先に得られたアルデヒド化合物1モルに対して四臭化炭素とトリフェニルホスフィンをそれぞれ1〜5モル、2〜10モル用い、0〜50℃で15分から3時間程度反応させればよい。
強塩基処理は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタンなどの有機溶媒中、必要によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下、増炭反応により得られた化合物1モルに対してn−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムなどのリチウム化合物2〜4モル用い、−100〜−20℃で5〜60分程度反応させることにより実施できる。
さらに、得られた化合物のアルキニル基にR3で表されるシリル系保護基を導入する場合、上記強塩基処理に続けてクロロトリエチルシランなどのシリル化剤を添加し、反応させる。また、水酸基への保護基の導入は、常法により行うことができ、たとえば、アセチル基の導入は、無水酢酸などのアセチル化剤と反応させることにより実施することができる。
こうして得られた式[III]の化合物の単離精製は、通常の保護された糖類の分離精製手段を適宜選択して用いればよく、例えば酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水で分配後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付すことにより行うことができる。
第2工程;
第2工程は、式[III]で表される化合物とBで表される塩基類とを縮合反応に付し、次に2’位水酸基をデオキシ化してデオキシ体とし、糖部の保護基を除去し、必要により5’位水酸基をリン酸化して式[I]で表される化合物を得る工程である。
Figure 2008110983
[III] [I]
(式中、Bは、ピリミジン、プリン(アザプリンまたはデアザプリンをも含む)もしくはそれらの誘導体からなる群より選ばれた塩基を示し(ただし、チミンは除く)、Rは水素原子またはリン酸残基を示し、R1〜R2は保護基を示し、R3は水素原子または保護基を示し、Bnはベンジル基を示す。)
式[III]で表される化合物とBで表される塩基類との縮合は、ルイス酸存在下、式[III]の化合物をBで表される塩基類と反応させることによって行うことができる。
Bで表される塩基類はシリル化したものを用いてもよく、このようなシリル化した塩基類は公知の方法、たとえばヘキサメチルジシラザンとトリメチルクロロシラン中で加熱還流する方法により得ることができる。
使用するルイス酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、四塩化すず、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウムなどが例示される。
縮合反応は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、トルエン等の有機溶媒中、必要によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下、式[III]の化合物1モルに対しBで表される塩基類1〜10モルおよびルイス酸0.1〜10モルとを用い、−20〜150℃で30分〜3時間程度反応させることにより実施することができる。
2’位水酸基のデオキシ化は、2’位水酸基をハロゲン化体(ヨウ素体、臭素体、塩素体)、フェノキシチオカルボニル体、チオカルボニルイミダゾール体、メチルジチオカルボネート体等に変換した後、ラジカル開始剤存在下、ラジカル還元剤により還元することによって行うことができる。
例えば、フェノキシチオカルボニル体に導いてデオキシ化する場合、フェノキシチオカルボニル化反応は、必要によりアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン等の有機溶媒中、ジメチルアミノピリジン、ピリジン等の塩基共存下、2’位水酸基の保護基のみ除去された上記縮合物1モルに対してクロロチオノギ酸フェニル誘導体1〜10モル、好ましくは1.1〜2モル用い、0〜50℃で0.5〜5時間程度撹拌反応させることにより実施することができる。また、ブロモ体に導いてデオキシ化する場合、ブロモ化反応は、必要によりアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタン等の有機溶媒中、脱保護された上記縮合物1モルに対して臭化アセチル等のブロモ化剤1〜50モル、好ましくは5〜20モル用い、0〜150℃で0.5〜5時間程度撹拌反応させることにより実施することができる。
続けて行う還元反応は、トルエン、ベンゼン等の有機溶媒中、必要によりアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤存在下、上記フェノキシチオカルボニル体またはブロモ体1モルに対して水素化トリブチルスズ等のラジカル還元剤1〜10モル、好ましくは2〜5モル用い、50〜150℃で1〜5時間程度撹拌反応させることにより実施される。
また、本発明化合物のうち、Xが水酸基であるアラビノ体は、以下に説明する工程により製造することができる。
第1工程;
第1工程は、式[III]で表される化合物とBで表される塩基類とを縮合反応に付し、次に2’位水酸基を立体反転してアラビノ体とし、糖部の保護基を除去し、必要により5’位水酸基をリン酸化して式[I]で表される化合物を得る工程である。
Figure 2008110983
[III] [I]
(式中、Bは、ピリミジン、プリン(アザプリンまたはデアザプリンも含む)もしくはそれらの誘導体からなる群より選ばれた塩基を示し、Rは水素原子またはリン酸残基を示し、R1とR2は保護基を示し、Bnはベンジル基を示す。)
式[III]で表される化合物とBで表される塩基類との縮合は、ルイス酸存在下、式[III]の化合物をBで表される塩基類と反応させることによって行うことができる。
Bで表される塩基類はシリル化したものを用いてもよく、このようなシリル化した塩基類は公知の方法、たとえばヘキサメチルジシラザンとトリメチルクロロシラン中で加熱還流する方法により得ることができる。
使用するルイス酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、四塩化すず、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウムなどが例示される。
縮合反応は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、トルエン等の有機溶媒中、必要によりアルゴン、窒素などの不活性ガス雰囲気下、式[III]の化合物1モルに対しBで表される塩基類1〜10モルおよびルイス酸0.1〜10モルとを用い、−20〜150℃で30分〜3時間程度反応させることにより実施することができる。
2’位水酸基の立体反転は、2,2’−アンヒドロシクロヌクレオシドに変換後、加水分解することによって行うことができる。アンヒドロシクロ化反応は、塩化メタンスルホニル等のスルホン化剤を用いて処理するか、三フッ化ジエチルアミノ硫黄等のフッ素化剤で処理することによって行うことができる。
例えば、三フッ化ジエチルアミノ硫黄によりアンヒドロシクロ化する場合、ジクロロメタン、トルエン等の有機溶媒中、必要によりアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、2’位水酸基の保護基のみ除去された上記縮合物1モルに対して三フッ化ジエチルアミノ硫黄1.1〜5モル、好ましくは1.5〜2モル用い、0℃〜室温で5分〜2時間程度反応させることにより実施することができる。また、塩化メタンスルホニルによりアンヒドロシクロ化する場合、ピリジン等の有機溶媒中、必要によりアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、2’位水酸基の保護基のみ除去された上記縮合物1モルに対して塩化メタンスルホニル1.1〜5モル、好ましくは1.5〜2モル用い、0〜50℃で5分〜10時間程度反応させることにより実施することができる。
続けて行う加水分解反応は、適当な塩基または酸触媒を用いて行うことができ、例えば塩基触媒を用いる場合、エタノール等のアルコール系溶媒と水との混合溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基存在下、室温〜100℃で30分〜5時間程度反応させることにより実施できる。
さらに、目的化合物のBがアミノ基を有する塩基である化合物の場合には、水酸基を有する塩基である化合物から公知の方法により変換することも可能である。たとえば、ピリミジン塩基の4位をアミノ化したい場合には、ピリミジン塩基の4位の水酸基をクロル体、シリルオキシ体、アルキルオキシ体、スルホニルオキシ体、チオ体、アルキルチオ体、トリアゾール体等に変換した後、アンモニアと反応させればよい。例えばトリアゾール体を経由して変換する場合、トリエチルアミン等の塩基およびオキシ塩化リン、4ークロロフェニルホスホロジクロリデート等のリン酸化剤の存在下、ジクロロメタン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ピリジン等の有機溶媒中(ただし、ピリジンを使用する場合には必ずしもトリエチルアミン等の塩基を共存させなくてもよい)、必要によりアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下、上記縮合物1モルに対して1,2,4−トリアゾール1〜20モル、好ましくは2〜10モルを用い、0℃〜室温で12〜72時間程度撹拌反応させた後、反応混合物にアンモニア水を適量加え、0℃〜室温で1〜12時間程度撹拌反応させることによって実施できる。
さらに、塩基中のアミノ基を脱アミノしたい場合には、アデノシンデアミナーゼ、シチジンデアミナーゼなどの各種デアミナーゼを用いて常法により脱アミノすることも可能である。
このようにして得られた化合物の保護基を除去し、Rが水素である本発明化合物を得る。
保護基の除去は、使用した保護基に応じ、酸性加水分解、アルカリ性加水分解、フッ化テトラブチルアンモニウム処理、接触還元などの通常の処理方法から適宜選択して行えばよい。
また、Rがモノリン酸残基、ジリン酸残基などのリン酸残基である化合物を得る場合には、Rが水素原子である化合物をオキシ塩化リン、テトラクロロピロリン酸などのヌクレオシドの5’位の選択的なリン酸化に使用されるリン酸化剤と反応させることにより、遊離酸型または塩型の目的化合物を得ることができる。
本発明化合物は、一般のヌクレオシド、ヌクレオチドの単離精製に使用されている方法(例えば、再結晶法、イオン交換カラムクロマトグラフィー、吸着カラムクロマトグラフィーなど)を適宜組み合せて分離精製することができる。このようにして得られた化合物は、必要に応じて塩型とすることもできる。
(3)用途
本発明化合物は、後述の試験例に示すようにヘルペスウイルスまたはレトロウイルスに対して優れた抗ウイルス作用を有することから、これらを有効成分とする本発明組成物は医薬として使用、具体的にはヘルペスウイルスまたはレトロウイルスの感染症の処置、特にHIV感染に起因するエイズの治療に有用である。
対象のウイルスとしては、たとえばヘルペスウイルス科に属する単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV−2)および水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、レトロウイルス科に属するヒト免疫不全ウイルス(HIV)などを挙げることができる。
本発明化合物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病、患者の重篤度、薬物による忍容性、投与方法などにより異なり、これらの条件を総合した上で適宜決定されるものであるが、通常1日当たり0.00001〜1000mg/kg体重、好ましくは0.0001〜100mg/kg体重の範囲内から選ばれ、一回または複数回に分けて投与される。
投与方法は、経口、非経口、経腸、局所投与などのいずれの経路によっても投与することができる。
本発明化合物の製剤化に際しては、通常使用される製剤用担体、賦形剤、その他の添加剤を含む組成物として使用するのが普通である。担体としては、乳糖、カオリン、ショ糖、結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、寒天、ペクチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、塩化ナトリウムなどの個体状担体、グリセリン、落花生油、ポリビニルピロリドン、オリーブ油、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、水などの液状担体を例示することができる。
剤型としては任意の形態を採ることができ、たとえば個体状担体を使用する場合には錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル化剤、座剤、トローチ剤などを、液状担体を使用する場合にはシロップ、乳液、軟ゼラチンカプセル、クリーム、ゲル、ペースト、スプレー、注射などをそれぞれ例示することができる。
以下、本発明を合成例、試験例、製剤例などをあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
合成例1
(1)4−C−formyl−3,5−di−O−benzyl−1,2−O−isopropylidene−α−D−ribo−pentofuranose(化合物2)の合成
Figure 2008110983
塩化オキサリル(3.38ml、38.7mmol)をジクロロメタン(80.0ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃でジメチルスルホキシド(5.50ml、77.5mmol)を滴下、同温度で15分間撹拌した。−78℃で4−C−hydroxymethyl−3,5−di−O−benzyl−1,2−O−isopropylidene−α−D−ribo−pentofuranose 1(10.3g、25.7mmol)のジクロロメタン溶液(100ml)を滴下し、30分間撹拌した。トリエチルアミン(10.9ml、77.6mmol)を加えた後、反応液を室温に戻し、30分間撹拌した。水を加え撹拌した後、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1500ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物2(9.68g、24.3mmol、94.1%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 9.92(1H,s,formyl),7.33−7.24(10H,m,aromatic),5.84(1H,d,H−1 J1,2=3.30),4.71,4.59(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.00),4.60(1H,br.t,H−2),4.52,4.46(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.00),4.37(1H,d,H−3,J2,3=4.50),3.68,3.61(each 1H,d,H−5,Jgem=10.95),1.60,1.35(each 3H,s,acetonide)
EIMS m/z:398(M+).
HRMS m/z(M+):Calcd. for C23266
:398.1729,Found:398.1732
[α]D+24.5°(c=1.03,CHCl3
(2)4−C−(2,2−dibromoethenyl)−3,5−di−O−benzyl−1,2−O−isopropylidene−α−D−ribo−pentofuranose(化合物3)の合成
Figure 2008110983
化合物2(9.50g、23.8mmol)をジクロロメタン(200ml)に溶解し、氷冷下、四臭化炭素(15.8g、47.6mmol)、トリフェニルホスフィン(25.0g、95.3mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。トリエチルアミン(20.0ml、142mmol)を加え、10分間撹拌した後、反応溶液をn−ヘキサン(1000ml)に注ぎ、生成した沈殿を濾別した。濾液を減圧下留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1500ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物3(12.6g、22.7mmol、95.4%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 7.34−7.24(10H,m,aromatic),7.16(1H,s,Br2C=CH−),5.76(1H,d,H−1 J1,2=3.90),4.72,4.60(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.00),4.53(1H,br.t,H−2),4.60,4.42(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.00),4.21(1H,d,H−3,J2,3=4.80),3.83,3.39(each 1H,d,H−5,Jgem=11.40),1.59,1.30(each 3H,s,acetonide)
EIMS m/z:473,475(M−Br).
[α]D +6.20°(c=1.00,CHCl3
(3)4−C−ethynyl−3,5−di−O−benzyl−1,2−O−isopropylidene−α−D−ribo−pentofuranose(化合物4)の合成
Figure 2008110983
化合物 3(12.4g、22.4mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(160ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃で1.6M n−ブチルリチウムn−ヘキサン溶液(30.7ml、49.1mmol)を加え、同温度で30分間撹拌した。水を加え撹拌した後、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1500ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物4(7.95g、20.2mmol、90.3%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ7.39−7.22(10H,m,aromatic),5.70(1H,d,H−1 J1,2=3.60),4.78,4.69(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.60),4.55(1H,br.t,H−2),4.53,4.44(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.30),4.16(1H,d,H−3,J2,3=4.50),3.71,3.56(each 1H,d,H−5,Jgem=11.40),1.73,1.33(each 3H,s,acetonide)
EIMS m/z:394(M+).
HRMS m/z(M+): Calcd. for C24265
:394.1780, Found:394.1777
[α]D +22.6°(c=1.00,CHCl3
(4)4−C−triethylsilylethynyl−3,5−di−O−benzyl−1,2−O−isopropylidene−α−D−ribo−pentofuranose(化合物5)の合成
Figure 2008110983
化合物4(5.00g、12.7mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(100ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃で1.6M n−ブチルリチウムn−ヘキサン溶液(9.50ml、15.2mmol)を加え、同温度で5分間撹拌した。同条件下、クロロトリエチルシラン(2.55ml、15.2mmol)を加え、30分間撹拌した。水を加え撹拌した後、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1000ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)により精製し、無色透明油状の化合物 5(6.32g、12.4mmol、97.6%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 7.41−7.22(10H,m,aromatic),5.71(1H,d,H−1,J1,2=3.85),4.77,4.65(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.09),4.63(1H,br.t,H−2),4.57,4.48(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.09),4.23(1H,d,H−3,J2,3=4.67),1.73,1.33(each 3H,s,acetonide),0.98(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.83),0.60(6H,Si−CH2−CH3,J=7.97)
EIMS m/z:508(M+).
HRMS m/z(M+):Calcd. for C30405Si:508,2645, Found:508,2642
[α]D −27.27°(c=1.045,CHCl3
(5)4−C−triethylsilylethynyl−1,2−di−O−acetyl−3,5−di−O−benzyl−D−ribo−pentofuranose(化合物6)の合成
Figure 2008110983
化合物 5(5.55g、10.9mmol)を酢酸(70.0ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(10.0ml)、水(30.0ml)を加え、室温で終夜撹拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で化合物5の消失を確認し、反応溶液を減圧下留去した。残渣をトルエンで3回共沸したのち、ピリジン(50.0ml)に溶解し、無水酢酸(10.3ml、0.11mol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液を減圧下留去し、残渣を酢酸エチルに溶解、有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1000ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物 6(4.80g、8.68mmol、79.6%)をアノマー混合物(α:β=1:6.6)として得た。
1H−NMR for α anomer(CDCl3)δ 7.38−7.28(10H,m,aromatic),6.39(1H,d,H−1,J1,2=4.67),5.13(1H,dd,H−2,J1,2=4.67,J2,3=6.87),4.80,4.55(each 1H,benzyl,d,Jgem=12.09),4.61,4.52(each 1H,d,benzyl,Jgem=12.09),4.30(1H,d,H−3,J2,3=6.87),3.62(2H,d,H−5,J=0.55),2.12,2.07(each 3H,s.acetyl),0.94(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.97),0.55(6H,Si−CH2−CH3,J=7.97)
[α]D −21.8°(c=1.00,CHCl3
1H−NMR for β anomer(CDCl3)δ 7.35−7.24(10H,m,aromatic),6.20(1H,d,H−1,J1,2=0.82),5.33(1H,dd,H−2,J1,2=0.82,J2,3=4.67),4.66,4.61(each 1H,benzyl,d,Jgem=11.81),4.56,4.47(each 1H,benzyl,d,Jgem=11.81),4.48(1H,d,H−3,J2,3=4.67),3.69,3.62(each 1H,d,H−5,Jgem=10.99),2.09,1.84(each 3H,s.acetyl),0.96(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.97),0.58(6H,Si−CH2−CH3,J=7.97)
[α]D −58.0°(c=1.00,CHCl3
EIMS m/z:552(M+).
HRMS m/z(M+):Calcd. for C31407Si:552.2543, Found:552.2551
(6)4'−C−triethylsilylethynyl−2'−O−acetyl−3',5'−di−O−benzyluridine(化合物7)の合成
Figure 2008110983

化合物 6(3.00g、5.43mmol)を1,2−ジクロロエタン(100ml)に溶解し、ウラシル(1.52g、13.6mmol)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(9.40ml、38.0mmol)を加え、1時間加熱環流した。反応液を室温に戻した後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(1.97ml、10.9mmol)を加え、50℃で終夜撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌した後、不溶の沈殿を濾別し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル300ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物7(2.50g、4.13mmol、76.1%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 8.63(1H,br.s,3−NH),7.59(1H,d,6−H,J5,6=8.24),7.41−7.24(10H,m,aromatic),6.31(1H,d,H−1',J1',2'=4.95),5.34(1H,d,H−5,J5,6=8.24),5.21(1H,dd,H−2',J1',2'=4.95,J2',3'=6.04),4.71,4.58(each 1H,d,benzyl,Jgem=11.81),4.48(2H,s,benzyl),4.34(1H,d,H−3',J2',3'=6.04),3.86,3.67(each 1H,d,H−5',Jgem=10.50),2.05(3H,s,acetyl),0.97(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.95),0.60(6H,Si−CH2−CH3,J=7.95).
FABMS m/z:605(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC334127Si:605.2683, Found:605.2683.
[α]D −21.97°(c=1.015,CHCl3).
(7)4'−C−triethylsilylethynyl−3',5'−di−O−benzyluridine(化合物8)の合成
Figure 2008110983
化合物 7(2.00g、3.3mmol)をメタノール(90.0ml)に溶解し、トリエチルアミン(10.0ml)を加え、室温で48時間撹拌した。反応溶液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1にて溶出)により精製し、白色粉末状の化合物8(1.72g、3.06mmol、92.4%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 8.43(1H,br.s,3−NH),7.55(1H,d,H−6,J5,6=8.24),7.41−7.25(10H,m,aromatic),6.10(1H,d,H−1',J1',2'=5.22),5.37(1H,dd,H−5,J5,6=8.24),4.96,4.66(each 1H,d,benzyl,Jgem=11.54),4.56,4.50(each 1H,d,benzyl,Jgem=11.00),4.21(1H,m,H−2'),4.17(1H,d,H−3',J2',3'=5.77),3.87,3.74(each 1H,d,H−5',Jgem=10.44),3.02(1H,br.d,2'−OH),0.97(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.69),0.60(6H,Si−CH2−CH3,J=7.69).
FABMS m/z:563(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC313926Si:563.2577, Found:563.2586.
[α]D −21.56°(c=1.025,CHCl3
m.p. 119−120℃
(8)4'−C−triethylsilylethynyluridine(化合物9)の合成
Figure 2008110983

化合物 8(1.50g、2.67mmol)をジクロロメタン(75.0ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃で1.0M 三塩化ホウ素ジクロロメタン溶液(26.7ml、26.7mmol)を加え、同温度で3時間撹拌した。−78℃でピリジン(10.0ml)、メタノール(20.0ml)混合溶液を加え、10分間撹拌した後、反応溶液を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルと水で分配し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。反応溶液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200ml、クロロホルム:メタノール=9:1にて溶出)により精製し、白色粉末状の化合物9(0.95g、2.48mmol、92.9%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 11.36(1H,d,3−NH),7.81(1H,d,H−6,J5,6=8.24),5.92(1H,d,H−1',J1',2'=6.32),5.68(1H,dd,J5,6=8.24),5.55(1H,t,5'−OH),5.33(1H,d,2'−OH),5.16(1H,d,3'−OH),4.13(1H,dd,H−2',J1',2'=6.32,J2',3'=5.77),4.07(1H,t,H−3',J2',3'=5.77),3.58(1H,d,H−5'),0.96(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.97),0.57(6H,Si−CH2−CH3,J=7.97).
FABMS m/z:383(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC172726Si:383,1638, Found:383.1645.
[α]D −4.50°(c=1.00,CH3OH)
m.p. 183−186℃
(9)4'−C−triethylsilylethynyl−3',5'−di−O−acetyl−2'−deoxyuridine(化合物11)の合成
Figure 2008110983

Figure 2008110983
化合物 9(0.80g、2.09mmol)をアセトニトリル(20.0ml)に懸濁し、85℃で、臭化アセチル(1.55ml、21.0mmol)アセトニトリル溶液(20.0ml)を30分間かけて滴下し、さらに1時間加熱環流した。反応溶液を減圧下留去した後、残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下留去し、4'−C−triethylsilylethynyl−3',5'−di−O−acetyl−2'−bromo−2'−deoxyuridine 10を得た。粗精製の化合物10を乾燥トルエンで3回共沸した後、乾燥トルエン(50.0ml)に溶解し、85℃で水素化トリn−ブチルスズ(1.08ml、4.19mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(0.01g)を加え、アルゴン雰囲気下、1時間加熱撹拌した。反応溶液を減圧下留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル300ml、トルエン:酢酸エチルにて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物11(0.40g、42.6%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 7.49(1H,d,H−6,J5,6=8.24),6.34(1H,t,H−1',J1',2'=6.46),5.77(1H,dd,H−5,J5,6=8.24),5.37(1H,dd,H−3',J2',3'=4.95,7.42),4.42,4.37(each 1H,d,H−5',Jgem=11.81),2.62,2.32(each 1H,m,H−2'),2.13(6H,s,acetyl),1.00(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.82),0.63(6H,Si−CH2−CH3,J=7.82).
FABMS m/z:451(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC213127Si:451.1900, Found:451.1934.
[α]D −11.7°(c=1.04,CHCl3
(10)4'−C−ethynyl−2'−deoxycytidine(化合物13)の合成
Figure 2008110983

Figure 2008110983
化合物 11(0.30g、0.67mmol)をピリジン(15.0ml)に溶解し、氷冷下、p−クロロフェニルホスホロジクロリダート(0.33ml、2.00mmol)を加え、2分間撹拌後、1,2,4−トリアゾール(0.46g、6.66mmol)を加え、室温で7日間撹拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で原料の消失を確認後、反応溶液を減圧下留去し、残渣を酢酸エチルと水で分配、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の4−(1,2,4−triazolo)−4'−C−ethynyl−2'−deoxyuridine 12を得た。化合物12をジオキサン(30.0ml)に溶解し、25%アンモニア水(10.0ml)を加え、室温で終夜撹拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で12が消失したのを確認した後、反応溶液を減圧下留去した。残渣をメタノール(45.0ml)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(5.00ml、5.00mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。酢酸(0.29ml、5.00mmol)を加え、反応溶液を減圧下留去した後、残渣を逆相中圧カラムクロマトグラフィー(Wakosil 40C18 50g、5%アセトニトリル水溶液にて溶出)により精製した。化合物13を含む分画を減圧下乾固し、残渣をメタノール−エーテルから結晶化し、白色結晶状の化合物13(0.12g、0.48mmol、71.6%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 7.78(1H,d,H−6,J5,6=7.50),7.17(2H,br.d,NH2),6.14(1H,dd,H−1',J1',2'=4.76,7.20),5.72(1H,d,H−5,J5,6=7.50),5.49(1H,d,3'−OH),5.42(1H,t,5'−OH),4.30(1H,t,H−3',J2',3'=7.20),3.64,3.58(each 1H,m,H−5'),3.48(1H,s,ethynyl),2,25,2.07(each 1H,m,H−2')
[α]D +75.0°(c=1.00,CH3OH)
FABMS m/z:252(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC111434
:252.0984, Found:252.0979.
UV λmax(CH3OH)nm(ε):271(9227)
m.p. 220℃ (Dec)
合成例2
合成例1の(6)のウラシルの代わりに5−フルオロウラシル、5−エチルウラシル、5−ブロモビニルウラシル、5−エチニルウラシルを用いて以下同様に反応させ〔ただし、必要により(10)のトリアゾールを用いたアミノ化反応は省略〕、以下の化合物を合成する。
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−フルオロウリジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−エチルウリジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−ブロモビニルウリジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−エチニルウリジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−エチルシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−ブロモビニルシチジン
4’−C−エチニル−2’−デオキシ−5−エチニルシチジン
合成例3
(1)4−C−ethynyl−1,2−di−O−acetyl−3,5−di−O−benzyl−D−ribo−pentofuranose(化合物14)の合成
Figure 2008110983
化合物4(6.00g、15.2mmol)を酢酸(70.0ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(10.0ml)、水(30.0ml)を加え、室温で終夜撹拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で化合物4の消失を確認し、反応溶液を減圧下留去した。残渣をトルエンで3回共沸したのち、ピリジン(50.0ml)に溶解し、無水酢酸(14.3ml、0.15mol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液を減圧下留去し、残渣を酢酸エチルに溶解、有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル1000ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物14(5.40g、12.3mmol、80.9%)をアノマー混合物(α:β=1:3.0)として得た。
1H−NMR for α anomer(CDCl3)δ 7.39−7.25(10H,m,aromatic),6.42(1H,d,H−1,J1,2=4.67),5.13(1H,dd,H−2,J1,2=4.67,J2,3=6.87),4.81,4.60(each1H,benzyl,d,Jgem=12.09),4.59,4.51(each1H,d,benzyl,Jgem=12.09),4.30(1H,d,H−3,J2,3=6.87),3.63(2H,d,H−5,J=0.55),2.73(1H,s,ethynyl),2.10,2.02(each3H,s.acetyl).
1H−NMR for β anomer(CDCl3)δ 7.35−7.20(10H,m,aromatic),6.21(1H,d,H−1,J1,2=0.82),5.40(1H,dd,H−2,J1,2=0.82,J2,3=4.67),4.66,4.60(each1H,benzyl,d,Jgem=11.81),4.50,4.47(each1H,benzyl,d,Jgem=11.81),4.42(1H,d,H−3,J2,3=4.67),3.70,3.66(each1H,d,H−5,Jgem=10.99),2.80(1H,s,ethynyl),2.08,1.81(each3H,s.acetyl).
EIMS m/z:438(M+).
HRMS m/z(M+):Calcd. for C25267
:438.1679,Found:438.1681
(2)4'−C−ethynyl−2'−O−acetyl−3',5'−di−O−benzyluridine(化合物15)の合成
Figure 2008110983
化合物14(2.50g、5.70mmol)を1,2−ジクロロエタン(80.0ml)に溶解し、ウラシル(1.60g、14.27mmol)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(9.86ml、39.74mmol)を加え、1時間加熱環流した。反応液を室温に戻した後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(2.06ml、11.40mmol)を加え、50℃で終夜撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌した後、不溶の沈殿を濾別し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル300ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:3にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物15(2.44g、4.97mmol、87.2%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 8.52(1H,br.s,3−NH),7.55(1H,d,6−H,J5,6=8.24),7.40−7.22(10H,m,aromatic),6.25(1H,d,H−1',J1',2'=4.40),5.33(1H,d,H−5,J5,6=8.24),5.22(1H,dd,H−2',J1',2'=4.40,J2',3'=5,77),4.63(2H,s,benzyl),4.45,4.40(each1H,d,benzyl,Jgem=10.99),4.34(1H,d,H−3',J2',3'=5.77),3.84,3.62(each1H,d,H−5',Jgem=10.58),2.69(1H,s,ethynyl),2.11(3H,s,acetyl).
FABMS m/z:491(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.for C272727: 491.1818, Found:491.1821.
[α]D 29.0°(c=1.00,CHCl3).
(3)1−(4−C−ethynyl−2−O−acetyl−3,5−di−O−benzyl−β−D−arabino−pentofuranosyl)uracil(化合物16)の合成
Figure 2008110983

化合物15(2.30g、4.69mmol)をメタノール(90.0ml)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(10.0ml)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を酢酸で中和した後、減圧下乾固し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を水洗後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、有機層を減圧下乾固した。残渣をピリジン少量で3回共沸し、残渣をピリジン(50.0ml)に溶解し、氷冷下、塩化メタンスルホニル(0.73ml、9.41mmol)を加え、3時間撹拌した。反応溶液へ水少量を加え減圧下乾固した後、残渣を酢酸エチルに溶解し、水洗した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下乾固した。残渣をテトラヒドロフラン(30.0ml)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(50.0ml)を加え、1時間加熱環流した。反応溶液を酢酸で中和した後、目的物を酢酸エチルにより抽出し、有機層を合わせ無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下乾固した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル250ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2にて溶出)により精製し、白色粉末状の化合物16(1.54g、3.43mmol、73.1%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 9.82(1H,br.s,3−NH),7.73(1H,d,6−H,J5,6=8.06),7.41−7.19(10H,m,aromatic),6.24(1H,d,H−1',J1',2'=5,86),5.25(1H,d,H−5,J5,6=8.06),4.88,4.76(each1H,d,benzyl,Jgem=12.21),4.78(1H,H−2'),4.52(1H,2'−OH),4.46,4.39(each1H,d,benzyl,Jgem=11.11),4.19(1H,d,H−3',J2',3'=6.59),3.834,3.64(each1H,d,H−5',Jgem=10.62),2.67(1H,s,ethynyl).
FABMS m/z:449(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.for C252526: 449.1712, Found:449.1713.
[α]D 40.7°(c=1.00,CHCl3).
m.p. 105−106℃
(4)1−(4−C−ethynyl−2,3,5−tri−O−acetyl−β−D−arabino−pentofuranosyl)uracil(化合物17)の合成
Figure 2008110983

化合物16(1.40g、3.12mmol)をジクロロメタン(40.0ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃で1.0M三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(15.6ml、15.6mmol)を加え、同温度で3時間撹拌した。−78℃でピリジン(5.00ml)、メタノール(10.0ml)混合溶液を加え、10分間撹拌した後、反応溶液を減圧下留去した。残渣をメタノール少量で3回、ピリジン少量で3回共沸した後、残渣をピリジン(50.0ml)に溶解し、無水酢酸(4.42ml、46.7mmol)を加え、室温で終夜撹拌した。反応溶液を減圧下乾固し、残渣をトルエン少量で3回共沸した後、残渣を酢酸エチルと水で分配し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。反応溶液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150ml、クロロホルム:メタノール=20:1にて溶出)により精製し、白色粉末状の化合物17(1.15g、2.92mmol、93.6%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 8.99(1H,br.s,3−NH),7.42(1H,d,6−H,J5,6=8.24),6.45(1H,d,H−1',J1',2'=4.95),5.76(1H,dd,H−5,J5,6=8.24),5.55(1H,dd,H−2',J1',2'=4.95,J2',3'=3.57),5.34(1H,d,H−3',J2',3'=3.57),4.51,4.42(each1H,d,H−5',Jgem=11.81),2.73(1H,s,ethynyl).
FABMS m/z:395(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.for C171929:395.1090, Found:395.1092.
[α]D 18.2°(c=1.00,CHCl3).
m.p. 160−162℃
(5)1−(4−C−ethynyl−β−D−arabino−pentofuranosyl)cytosine(化合物19)の合成
Figure 2008110983

Figure 2008110983

化合物17(1.00g、2.54mmol)をピリジン(50.0ml)に溶解し、氷冷下、p−クロロフェニルホスホロジクロリダート(1.05ml、6.38mmol)を加え、5分間撹拌後、1,2,4−トリアゾール(1.75g、25.3mmol)を加え、室温で7日間撹拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で原料の消失を確認後、反応溶液を減圧下留去し、残渣を酢酸エチルと水で分配、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=1:3にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の1−(4−C−ethynyl−2,3,5−tri−O−acetyl−β−D−arabino−pentofuranosyl)−4−(1,2,4−triazolo)uracil 18を得た。化合物18をジオキサン(60.0ml)に溶解し、25%アンモニア水(20.0ml)を加え、室温で終夜撹拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー上で化合物18が消失したのを確認した後、反応溶液を減圧下留去した。残渣を逆相中圧カラムクロマトグラフィー(Wakosil 40C18 50g、3%アセトニトリル水溶液にて溶出)により精製した。化合物19を含む分画を減圧下乾固し、残渣をメタノール−エーテルから結晶化し、白色結晶状の化合物19(0.51g、1.91mmol、75.2%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 7.52(1H,d,H−6,J5,6=7.42),7.10(2H,br.d,NH2),6.17(1H,dd,H−1',J1',2'=6.04),5.66(1H,d,H−5,J5,6=7.42),5.62,5.49(each1H,d,2'−OH,3'−OH),5.42(1H,t,5'−OH),4.16(1H,q,H−2',J1',2'=J2',3'=6.04),3.97(1H,t,H−3',J2',3'=6.04),3.58(2H,m,H−5'),3.48(1H,s,ethynyl).
[α]D +95.7°(c=1.00,CH3OH)
FABMS m/z:268(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.for C111435:268.0933, Found:268.0965.
UV λmax(CH3OH)nm(ε):271(9350)
m.p. 〜200℃(Dec)
合成例4
合成例3の(2)のウラシルの代わりに5−フルオロウラシル、5−エチルウラシル、5−ブロモビニルウラシル、5−エチニルウラシルを用いて以下同様に反応させ〔ただし、必要により(5)のトリアゾールを用いたアミノ化反応は省略〕、以下の化合物を合成する。
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−フルオロウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−エチルウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−ブロモビニルウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−エチニルウラシル
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−フルオロシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−エチルシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−ブロモビニルシトシン
1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−5−エチニルシトシン
合成例5
(1)2'−O−acetyl−3',5'−di−O−benzyl−4'−C−triethylsilylethynyladenosine(化合物20)の合成
Figure 2008110983

化合物6(1.1g,2mmol)の1,2−ジクロロエタン(16.5ml)溶液にアデニン(0.405g,3mmol)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.7ml,11mmol)を加え、1.5時間加熱還流した。室温まで冷却した後、0℃、アルゴン雰囲気撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.77ml,4mmol)を滴下した。室温で15分間撹拌した後、24時間加熱還流させ、室温まで冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム水を0℃下で加え、室温にて15分間撹拌した。セライトろ過を行い不溶物をろ別した後、ろ液の有機層を分取し、水層をクロロホルムで1回抽出した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧下溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラム(15g)に付し、酢酸エチル:n−ヘキサン:エタノール(20:20:1)で溶出し、化合物20を0.69g(55%)得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 8.32(1H,s,purine−H),8.01(1H,s,purine−H),7.27−7.37(10H,m,2xPh),6.37(1H,d,J=5.1Hz,H−1’),5.60(1H,t,J=5.6Hz,H−2’),5.59(2H,br s,NH2),4.75(1H,d,J=11.0Hz,CH’Ph),4.69(1H,d,J=5.6Hz,H−3’),4.60(1H,d,J=11.0Hz,CHH’Ph),4.58(1H,d,J=11.2Hz,CH’Ph),4.51(1H,d,J=11.0Hz,CHH'Ph),3.84(1H,d,J=11.1Hz,H−5’),3.69(1H,d,J=11.1Hz,H−5’)2.03(3H,s,Ac),0.98(9H,t,J=8.7Hz,3xC 3 CH2),0.61(6H,q,J=8.7Hz,3xCH3 2 ).
(2)3',5'−di−O−benzyl−4'−C−triethylsilylethynyladenosine(化合物21)の合成
Figure 2008110983

化合物20(0.354g,0.565mmol)のメタノ−ル(14ml)溶液にトリエチルアミン(3.3ml)を加え、密栓して室温下で1日間撹拌した。減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラム(10g)に付し、酢酸エチル:n−ヘキサン:エタノール(20:10:1)で溶出し、化合物21を0.283g(86%)得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 8.30(1H,s,purine−H),8.00(1H,s,purine−H),7.30−7.42(10H,m,2xPh),6.17(1H,d,J=5.6Hz,H−1’),5.55(2H,br s,NH2),4.97(1H,d,J=11.1Hz,CH’Ph),4.75−4.80(1H,m,H−2’),4.72(1H,d,J=11.1Hz,CHH'Ph),4.59(1H,d,J=11.6Hz,CH’Ph),4.54(1H,d,J=11.6Hz,CHH'Ph),4.50(1H,d,J=5.6Hz,H−3’),3.84(1H,d,J=11.1Hz,H−5’),3.74(1H,d,J=11.1Hz,H−5’),3.50(1H,d,J=8.3Hz,OH),0.98(9H,t,J=7.9Hz,3xC 3 CH2),0.62(6H,q,J=7.9Hz,3xCH3 2 ).
(3)3',5'−di−O−benzyl−2'−deoxy−4'−C−triethylsilylethynyladenosine(化合物22)の合成

Figure 2008110983

化合物21(0.18g,0.308mmol)、DMAP(0.113g,0.924mmol)のアセトニトリル(10.6ml)溶液に室温、アルゴン雰囲気撹拌下、4−フルオロフェニルクロロチオノホルメート(0.065ml,0.462mmol)を滴下し、室温にて1時間撹拌した後、減圧下濃縮した。水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を水で1回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下溶媒を留去し、残留物をショートシリカゲルカラムに付し、酢酸エチル:n−ヘキサン:エタノール(20:20:1)で溶出し、粗製のチオカーボネート体を得た。
このチオカ−ボネ−ト体をトルエン(9ml)に溶解し、水素化トリブチルスズ(0.41ml,1.85mmol)と2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(0.013g,0.077mmol)を加え、反応混合物を85℃、アルゴン雰囲気下、1時間撹拌し、室温まで冷却した。減圧下溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラム(20g)に付し、酢酸エチル:n−ヘキサン:エタノール(20:10:1)で溶出し、化合物22を0.10g(57%)得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 8.32(1H,s,purine−H),8.11(1H,s,purine−H),7.26−7.37(10H,m,2xPh),6.51(1H,t,J=6.0Hz,H−1’),5.54(2H,br s,NH2),4.72(1H,d,J=12.0Hz,CH’Ph),4.61(2H,d,J=10.5Hz,CH2Ph),4.60(1H,t,J=6.6Hz,H−3’),4.55(1H,d,J=12.0Hz,CHH'Ph),3.88(1H,d,J=10.7Hz,H−5’),3.76(1H,d,J=10.7Hz,H−5’),2.71−2.76(2H,m,H−2’),0.99(9H,t,J=7.8Hz,3xC 3 CH2),0.62(6H,q,J=7.5Hz,3xCH3 2 ).
(4)2'−deoxy−4'−C−ethynyladenosine(化合物23),および9−(2−deoxy−4−C−ethynyl−β−D−ribofuranosyl)purine(化合物24)の合成
Figure 2008110983

化合物22(0.23g,0.404mmol)のテトラヒドロフラン(9.4ml)溶液に室温撹拌下1.0Mテトラブチルアンモニウムフロリド(0.44ml,0.44mmol)を加え、同温度にて30分間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。残留物をショートシリカゲルカラムに付し、酢酸エチルで溶出し、粗精製の脱トリエチルシリル体を0.186g得た。
フラスコに上記脱トリエチルシリル体のテトラヒドロフラン(1.8ml)溶液と無水エタノール(0.18ml)を加え、−78℃下でアンモニアガスを用いて約18ml凝縮させ、アルゴン雰囲気下、金属ナトリウム(0.047g,2.02mmol)を速やかに加え、同温度で15分間撹拌した。また、金属ナトリウム(0.023g)を加え、さらに10分間撹拌した後、塩化アンモニウムを加え、室温下で1.5時間撹拌した後、残留物にエタノ−ルを加え、不溶物をセライトでろ別した。不溶物をエタノールで2回洗浄した後、ろ液と洗液を減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラム(10g)に付し、酢酸エチル:メタノール(20:1)で溶出し、化合物23と24の混合物0.079gを得た。続いて、混合物を逆相ODSシリカゲルカラムに付し、5%エタノール水溶液で溶出して化合物24を0.028g(27%)得、さらに、7.5%エタノール水溶液で溶出して化合物23を0.021g(19%)得た。
(化合物23)
1H−NMR(DMSO−d6)δ8.33(1H,s,purine−H),8.15(1H,s,purine−H),7.30(2H,br s,NH2),6.36(1H,t,J=6.4Hz,H−1’),5.54(1H,d,J=5.4Hz,OH),5.53(1H,t,J=5.4Hz,OH),4.58(1H,q,J=5.9Hz,H−3’),3.66(1H,dd,J=12.2,5.4Hz,H−5’),3.56(1H,dd,J=11.7,7.3Hz,H−5’),3.50(1H,s,ethynyl−H),2.76(1H,dt,J=13.2,6.4Hz,H−2’),2.41(1H,dt,J=13.2,6.8Hz,H−2’).
(化合物24)
1H−NMR(DMSO−d6)δ 9.18(1H,s,purine−H),8.96(1H,s,purine−H),8.79(1H,s,purine−H),6.50(1H,t,J=7.3,4.9Hz,H−1’),5.60(1H,d,J=5.9Hz,OH),5.29(1H,t,J=5.4Hz,OH),4.67(1H,q,J=5.9Hz,H−3’),3.67(1H,dd,J=11.7,5.9Hz,H−5’),3.58(1H,dd,J=11.7,6.8Hz,H−5’),3.53(1H,s,ethynyl−H),2.85(1H,ddd,J=13.2,6.8,4.9Hz,H−2’),2.48−2.56(1H,m,H−2’).
合成例6
(1)9−(2−O−acetyl−3,5−di−O−benzyl−4−C−triethylsilylethynyl−β−D−ribofuranosyl)−2,6−diaminopurine(化合物25)の合成
Figure 2008110983

化合物6(1.1g,2mmol)の1,2−ジクロロエタン(16.5ml)溶液にジアミノプリン(0.45g,3mmol)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(4.4ml,18mmol)を加え、3時間加熱還流し、室温まで冷却後、0℃、アルゴン雰囲気撹拌下、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.77ml,4mmol)を滴下した。室温で15分間撹拌した後、24時間加熱還流させ、室温まで冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム水を0℃下で加え、室温にて15分間撹拌し、セライトろ過を行い不溶物をろ別した後、ろ液の有機層を分取した。水層をクロロホルムで1回抽出した後、有機層を飽和塩化ナトリウム水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラム(20g)に付し、酢酸エチル:n−ヘキサン:エタノール(20:10:1)で溶出し、化合物25を0.85g(66%)得た。
1H−NMR (CDCl3)δ 7.68(1H,s,H−8),7.26−7.37(10H,m,2xPh),6.17(1H,d,J=6.5Hz,H−1’),5.78(1H,dd,J=6.5,6.0Hz,H−2’),5.34(2H,br s,NH2),4.76(1H,d,J=11.4Hz,CH’Ph),4.69(1H,d,J=6.0Hz,H−3’),4.61(1H,d,J=11.4Hz,CHH’Ph),4.60(1H,d,J=11.9Hz,CH’Ph),4.55(2H,br s,NH2),4.52(1H,d,J=11.9Hz,CHH'Ph),3.83(1H,d,J=10.7Hz,H−5’),3.70(1H,d,J=10.7Hz,H−5’),2.04(3H,s,Ac),0.99(9H,t,J=8.3Hz,3xC 3 CH2),0.61(6H,q,J=8.3Hz,3xCH3 2 ).
(2)2,6−diamino−9−(3,5−di−O−benzyl−4−C−triethylsilylethynyl−β−D−ribofuranosyl)purine(化合物26)の合成
Figure 2008110983
化合物25(0.85g,1.32mmol)を化合物21の合成と同様に処理して、残留物をシリカゲルカラム(15g)に付し、酢酸エチル:n−ヘキサン:エタノール(30:10:1)で溶出し、化合物26を0.74g(93%)得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 7.70(1H,s,H−8),7.29−7.42(10H,m,2xPh),6.00(1H,d,J=4.9Hz,H−1’),5.35(2H,br s,NH2),4.93(1H,d,J=11.5Hz,CH’Ph),4.74(1H,d,J=11.5Hz,CHH'Ph),4.73(1H,t,J=5.8Hz,H−2’),4.60(1H,d,J=12.0Hz,CH’Ph),4.55(2H,br s,NH2),4.54(1H,d,J=12.0Hz,CHH’Ph),4.49(1H,d,J=5.9Hz,H−3’),3.81(1H,d,J=10.7Hz,H−5’),3.72(1H,d,J=10.7Hz,H−5’),3.62(1H,br s,OH),0.99(9H,t,J=7.8Hz,3xC 3 CH2),0.62(6H,q,J=7.8Hz,3xCH3 2 ).
(3)2,6−diamino−9−(3,5−di−O−benzyl−2−deoxy−4−C−triethylsilylethynyl−β−D−ribofuranosyl)purine(化合物27)の合成
Figure 2008110983
化合物26(0.103g,0.171mmol)を化合物22の合成と同様に処理して、残留物をシリカゲルカラム(10g)に付し、酢酸エチル:n−ヘキサン:エタノール(30:10:1)で溶出し、化合物27を0.055g(55%)得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 7.79(1H,s,H−8),7.26−7.37(10H,m,2xPh),6.34(1H,dd,J=6.6,5.5Hz,H−1’),5.36(2H,br s,NH2),4.72(1H,d,J=11.7Hz,CH’Ph),4.56−4.63(5H,m,CH2Ph,H−3’),4.57(1H,d,J=11.7Hz,CHH'Ph),3.85(1H,d,J=10.1Hz,H−5’),3.75(1H,d,J=10.6Hz,H−5’),2.62−2.73(2H,m,H−2’),0.99(9H,t,J=7.9Hz,3xC 3 CH2),0.62(6H,q,J=7.9Hz,3xCH3 2 ).
(4)2,6−diamino−9−(2−deoxy−4−C−ethynyl−β−D−ribofuranosyl)purine(化合物28)の合成
Figure 2008110983
化合物27(0.263g,0.45mmol)のテトラヒドロフラン(10.3ml)溶液に室温撹拌下1.0Mテトラブチルアンモニウムフロリド(0.5ml,0.5mmol)を加え、同温度にて30分間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。残留物をショートシリカゲルカラムに付し、酢酸エチル:エタノール(30:1)で溶出し、粗製の脱トリエチルシリル体を0.214g得た。
フラスコに上記脱トリエチルシリル体のテトラヒドロフラン(2ml)溶液と無水エタノール(0.1ml)を加え、−78℃下、アンモニアガスを用いて約20ml凝縮させ、アルゴン雰囲気下、金属ナトリウム(0.062g,2.7mmol)を速やかに加え、同温度で30分間撹拌した。塩化アンモニウムを加えた後、室温下で2時間撹拌し、残留物にエタノ−ルを加え、不溶物をセライトでろ別した。不溶物をエタノールで2回洗浄した後、ろ液と洗液を減圧下濃縮し、残留物をシリカゲルカラム(13g)に付し、酢酸エチル:メタノール(10:1)で溶出し、化合物28を0.099g(76%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ 7.89(1H,s,H−8),6.71(2H,br s,NH2),6.20(1H,t,J=6.3Hz,H−1’),5.74(2H,br s,NH2),5.59(1H,t,J=5.9Hz,OH),5.47(1H,d,J=4.9Hz,OH),4.50(1H,q,J=5.9Hz,H−3'),3.65(1H,dd,J=11.7,5.4Hz,H−5’),3.56(1H,dd,J=11.7,7.3Hz,H−5’),3.46(1H,s,ethynyl−H),2.64(1H,dt,J=12.7,6.4Hz,H−2'),2.32(1H,dt,J=13.2,6.4Hz,H−2').
合成例7
2'−deoxy−4'−C−ethynylinosine(化合物29)の合成
Figure 2008110983
化合物23(0.022g,0.08mmol)のトリス塩酸緩衝液(6ml,pH7.5)溶液にアデノシンデアミナーゼ(0.044ml,20unit)を加え、40℃下で2.5時間撹拌した。室温まで冷ました後、反応液を逆相ODSシリカゲルカラム(50g)に付し、水(500ml)を流して脱塩した後、2.5%エタノール水溶液を流して化合物29を溶出させた。さらに、イソプロパノールにより粉末化を行い、化合物29を0.016g(72%)得た。
1H−NMR (DMSO−d6) δ 12.28(1H,brs,NH),8.29(1H,s,purine−H),8.06(1H,s,purine−H),6.32(1H,dd,J=6.8,4.9Hz,H−1’),5.57(1H,d,J=5.4Hz,OH),5.32(1H,t,J=5.9Hz,OH),4.56(1H,dt,J=6.4,5.4Hz,H−3'),3.65(1H,dd,J=12.2,5.9Hz,H−5’),3.57(1H,dd,J=11.7,6.4Hz,H−5’),3.50(1H,s,ethynyl−H),2.66(1H,dt,J=12.2,5.9Hz,H−2'),2.46(1H,dt,J=13.2,6.9Hz,H−2').
合成例8
2'−deoxy−4'−C−ethynylguanosine(化合物30)の合成
Figure 2008110983
化合物28(0.03g,0.103mmol)のトリス塩酸緩衝液(7.8ml,pH7.5)溶液にアデノシンデアミナーゼ(0.057ml,20unit)を加え、40℃下で2時間撹拌した。室温まで冷ました後、反応液を逆相ODSシリカゲルカラム(50g)に付し、水(500ml)を流して脱塩した後、2.5%エタノール水溶液を流して化合物30を溶出させた。さらに、水より再結晶を行い、化合物30を0.015g(50%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6) δ 10.61(1H,br s,NH),7.90(1H,s,H−8),6.48(2H,br s,NH2),6.13(1H,dd,J=7.3,5.9Hz,H−1’),5.51(1H,d,J=4.9Hz,OH),5.30(1H,t,J=5.9Hz,OH),4.47(1H,dt,J=6.4,5.4Hz,H−3'),3.62(1H,dd,J=12.2,6.4Hz,H−5’),3.54(1H,dd,J=12.2,6.4Hz,H−5’),3.47(1H,s,ethynyl−H),2.56(1H,dt,J=12.2,6.4Hz,H−2'),2.36(1H,dt,J=12.7,6.8Hz,H−2').
合成例9
合成例3の(2)のウラシルの代わりにアデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリンを用いて以下同様に反応させ〔ただし、(5)のトリアゾールを用いたアミノ化反応は省略〕、以下の化合物を合成する。
9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)アデニン
9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)グアニン
9−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−2,6−ジアミノプリン
合成例10
(1)2'−O−acetyl−3',5'−di−O−benzyl−4'−C−triethylsilylethynyl−5−fluorouridine(化合物31)の合成
Figure 2008110983
化合物 6(2.00g、3.62mmol)を1,2−ジクロロエタン(60.0ml)に溶解し、5−フルオロウラシル(0.71g、5.46mmol)、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(5.37ml、21.7mmol)を加え、1時間加熱環流した。反応液を室温に戻した後、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.85ml、4.70mmol)を加え、50℃で終夜撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え撹拌した後、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル300ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1にて溶出)により精製し、無色透明アメ状の化合物31(0.80g、1.28mmol、35.4%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 7.86(1H,d,H−6,J6,F=6.35),7.37−7.29(10H,m,aromatic),6.32(1H,dd,H−1',J=5.62,1.47),5.17(1H,t,H−2',J2',3'=5.62),4.73,4.55(each 1H,d,benzyl,Jgem=11.72),4.55,4.50(each 1H,d,benzyl,Jgem=11.72),4.32(1H,d,H−3’,J2',3'=5.86),3.87,3.63(each 1H,d,H−5’,Jgem=10.50),2.04(3H,s,acetyl),0.96(9H,t,Si−CH2−CH3,J=8.06),0.59(6H,Si−CH2−CH3,J=7.81).
FABMS m/z:623(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC3340FN27Si:623.2589, Found:623.2589.
[α]D −23.3°(c=0.18,CHCl3).
(2)3',5'−di−O−benzyl−4'−C−triethylsilylethynyl−5−fluorouridine(化合物32)の合成
Figure 2008110983
化合物 31(0.77g、1.24mmol)をメタノール(45.0ml)に溶解し、トリエチルアミン(5.00ml)を加え、30℃で48時間撹拌した。反応溶液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1にて溶出)により精製し、白色粉末状の化合物32(0.68g、1.17mmol、94.4%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 8.42(1H,br.s,3−NH),7.80(1H,d,J6,F=6.10),7.38−7.29(10H,m,aromatic),6.10(1H,dd,H−1',J=5.98,1.47),5.00,4.63(each 1H,d,benzyl,Jgem=11.23),4.58,4.54(each 1H,d,benzyl,Jgem=10.99),4.20(1H,m,H−2’),4.13(1H,d,H−3',J2',3'=5.86),3.88,3.70(each 1H,d,H−5',Jgem=10.25),2.99(1H,d,2'−OH,J=9.77),0.96(9H,t,Si−CH2−CH3,J=8.06),0.58(6H,Si−CH2−CH3,J=7.82).
FABMS m/z:581(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC3138FN26Si:581.2483, Found:581.2484.
[α]D −16.3°(c=1.05,CHCl3
m.p. 138−139℃
(3)4'−C−triethylsilylethynyl−5−fluorouridine(化合物33)の合成
Figure 2008110983

化合物 32(1.00g、1.72mmol)をジクロロメタン(50.0ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下、−78℃で1.0M 三塩化ホウ素ジクロロメタン溶液(17.2ml、17.2mmol)を加え、同温度で3時間撹拌した。−78℃でピリジン(10.0ml)、メタノール(20.0ml)混合溶液を加え、30分間撹拌した後、反応溶液を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルと水で分配し、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。反応溶液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル150ml、クロロホルム:メタノール=10:1にて溶出)により精製し、白色粉末状の化合物33(0.64g、1.60mmol、93.0%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 11.93(1H,d,3−NH,J=5.13),8.13(1H,d,H−6,J6,F=7.08),5.89(1H,dd,H−1',J=6.35,1.95),5.71(1H,t,5'−OH,J=5.37),5.37,5.23(each 1H,d,2'−OH,3'−OH,J=6.35),4.12(1H,q,H−2’,J=6.35),4.05(1H,t,H−3’,J=5.61),3.61−3.57(2H,m,H−5’),3.35(1H,s,ethynyl),0.95(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.81),0.55(6H,Si−CH2−CH3,J=7.81).
FABMS m/z:401(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC1726FN26Si:401.1544, Found:401.1550.
[α]D −2.30°(c=1.00,CH3OH)
m.p. 180−183℃
(4)3',5'−di−O−acetyl−2'−deoxy−4'−C−triethylsilylethynyl−5−fluorouridine(化合物34)の合成
Figure 2008110983

Figure 2008110983
化合物 33(0.54g、1.35mmol)をアセトニトリル(30.0ml)に懸濁し、85℃で、臭化アセチル(1.00ml、13.5mmol)アセトニトリル溶液(20.0ml)を1時間かけて滴下し、さらに3時間加熱環流した。反応溶液を減圧下留去した後、残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した後、減圧下留去し、粗製の3',5'−di−O−acetyl−2'−bromo−2'−deoxy−4'−C−triethylsilylethynyl−5−fluorouridine 34を得た。粗精製の化合物34を乾燥トルエンで3回共沸した後、乾燥トルエン(20.0ml)に溶解し、85℃で水素化トリn−ブチルスズ(0.75ml、2.91mmol)、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(0.01g)を加え、アルゴン雰囲気下、30分間加熱撹拌した。反応溶液を減圧下留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200ml、n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1にて溶出)により精製し、白色粉末状の化合物35(0.41g、0.88mmol、65.2%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ 9.23(1H,br.s,3−NH),7.70(1H,d,H−6,J6,F=6.10),6.35(1H,t,H−1’,J1',2'=7.08),5.36(1H,t,H−3',J2',3'=7.57),4.43,4.39(each 1H,d,H−5',Jgem=12.21),2.65,2.33(each 1H,m,H−2'),2.17,2.13(each 3H,s,acetyl),1.00(9H,t,Si−CH2−CH3,J=7.82),0.63(6H,Si−CH2−CH3,J=7.82).
FABMS m/z:469(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC2130FN27Si:469.1806, Found:469.1810.
[α]D −12.9°(c=1.00,CHCl3
m.p. 111−112℃
(5)4'−C−ethynyl−2'−deoxy−5−fluorocytidine(化合物37)の合成
Figure 2008110983

Figure 2008110983
化合物 35(0.35g、0.75mmol)をピリジン(5.00ml)に溶解し、氷冷下、p−クロロフェニルホスホロジクロリダート(0.62ml、3.77mmol)を加え、5分間撹拌後、1,2,4−トリアゾール(0.78g、11.3mmol)を加え、30℃で24時間撹拌した。反応溶液を減圧下留去し、残渣を酢酸エチルと水で分配、有機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。有機層を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50ml、酢酸エチルにて溶出)により精製し、無色透明アメ状の4'−C−triethylsilylethynyl−2'−deoxy−5−fluoro−4−(1,2,4−triazolo)uridine 36を得た。化合物36をジオキサン(15.0ml)に溶解し、25%アンモニア水(5.00ml)を加え、室温で終夜撹拌した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー上(クロロホルム:メタノール=10:1)で化合物36が消失したのを確認した後、反応溶液を減圧下留去した。残渣をメタノール(45.0ml)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(5.00ml、5.00mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。酢酸(0.29ml、5.00mmol)を加え、反応溶液を減圧下留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル50ml、クロロホルム:エタノール=4:1にて溶出)により精製した。化合物37を含む分画を減圧下乾固し、残渣をメタノール−エーテルから結晶化し、白色結晶状の化合物37(0.12g、0.45mmol、60.0%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ 8.06(1H,d,H−6,J6,F=7.08),7.79,7.54(each 1H,br.s,NH2),6.05(1H,m,H−1'),5.57,5.50(each 1H,br,3'−OH,5'−OH),4.31(1H,br.q,H−3’),3.66,3.60(each 1H,d,H−5’Jgem=11.72),3.51(1H,s,ethynyl),2.25,2.12(each 1H,m,H−2')
[α]D +77.9°(c=1.00,CH3OH)
FABMS m/z:270(MH+).
HRMS m/z(MH+):Calcd.forC1113FN34
:270.0890, Found:270.0888.
m.p. 〜225℃ (Dec)
製剤例1:錠剤
本発明化合物 30.0mg
微粉末セルロース 25.0mg
乳糖 39.5mg
スターチ 40.0mg
タルク 5.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
上記組成から常法によって錠剤を調製する。
製剤例2:カプセル剤
本発明化合物 30.0mg
乳糖 40.0mg
スターチ 15.0mg
タルク 5.0mg
上記組成から常法によってカプセル剤を調製する。
製剤例3:注射剤
本発明化合物 30.0mg
グルコース 100.0mg
上記組成を注射用精製水に溶解して注射剤を調製する。
以下に試験例を示す。試験においては薬剤として以下の7つの本発明化合物と2つの公知化合物を使用した。
本発明化合物:
化合物13:4’−C−エチニル−2’−デオキシシチジン
化合物19:1−(4−C−エチニル−β−D−アラビノ−ペントフラノシル)シトシン
化合物23:9−(2−デオキシ−4−C−エチニル−β−D−リボ−ペントフラノシル)アデニン〔4’−C−エチニル−2’−デオキシアデノシン〕
化合物28:9−(2−デオキシ−4−C−エチニル−β−D−リボ−ペントフラノシル)−2,6−ジアミノプリン
化合物29:9−(2−デオキシ−4−C−エチニル−β−D−リボ−ペントフラノシル)ヒポキサンチン〔4’−C−エチニル−2’−デオキシイノシン〕
化合物30:9−(2−デオキシ−4−C−エチニル−β−D−リボ−ペントフラノシル)グアニン〔4’−C−エチニル−2’−デオキシグアノシン〕
化合物37:4’−C−エチニル−2'−デオキシ−5−フルオロシチジン
公知化合物:
4’−C−エチニルチミジン
AZT
試験例
<方法>
(1)抗HSV1活性
1.ヒト胎児肺由来線維芽細胞を10%準胎児牛血清(三菱化学)含有イ−グルMEMで4〜5日毎に1:2〜4スプリット継代培養する。
2.親細胞から1:2スプリットで得た細胞懸濁液を200μl/ウエルの割合で 96穴マイクロプレ−トに播種し、炭酸ガスインキュベ−タ−内で、37℃, 4日間培養する。
3.培養液を捨て、各ウエルが所定の被験薬剤濃度になるように、各薬剤の最大試験濃度の2倍濃度の被験薬剤を含むMEMハンクスを用いて96穴マイクロプレ−ト上で段階希釈する。
4.100〜320TCID50の1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)VR-3株を含む5%準胎児牛血清含有イ−グルMEMを100μl/ウエル加え、ウイルスを接種し、炭酸ガスインキュベ−タ−内にて37℃で培養する。
5.2〜3日間培養後、被験薬剤を含まない対照がウイルス感染により完全に細胞変性を起こした時点で(CPEスコア=4)、顕微鏡下で各ウエルのCPEの程度を観察し、スコア(0〜4)をつける。
6.CPEを50%以上阻止(CPEスコア2以下)する被験薬剤の最小濃度を最小有効濃度(ED50)とする。
(2)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)活性
1)MT−4細胞を用いたMTT法
1.96ウエルプレートを用いて被験薬剤を希釈する(100μl)。ここに1ウエルあたり10000個になるようにHIV−1(IIIb strain;100 TCID50)感染および非感染MT−4細胞を加えて、37℃で5日間培養する。
2.MTT(20μl、7.5mg/ml)を加えてさらに2〜3時間培養する。
3.培養終了後、120μlをとり、MTT停止液(Triton X−100 4%、HCl 0.04Nを加えたイソプロパノール(Isopropanol))を加え、撹拌して生成したホルマザン(formazam)を溶解し、540nmにおける吸光度を測定する。この測定値は生細胞数に比例するため、感染MT−4細胞を用いた試験の測定値が50%になった被験薬剤の濃度をEC50、また非感染MT−4細胞を用いた試験の測定値が50%になった被験薬剤の濃度をCC50とする。
2)HeLa CD4/LTR-beta-Gal細胞を用いたMAGIアッセイ
1.HeLa CD4/LTR-beta-Gal細胞を1ウエルあたり10000個の割合で96ウエルに加える。12〜24時間後に培養液を捨て、希釈した被験薬剤(100μlを加える。
2.各種HIV株(野生株:WT、耐性株:MDR、M184V、NL4−3、104pre及びC;各50 TCID50相当)を加えて48時間培養する。
3.培養終了後、1%ホルムアルデヒド(formaldehyde)、0.2% グルタールアルデヒド(glutaraldehyde)を加えたPBSで細胞を5分間固定する。
4.PBSで3回洗浄後、0.4mg/ml X−Galで1時間染色し、青く染色された細胞の数を透過型実体顕微鏡下で各ウエルのプラーク数を数え、青染された細胞を50%減少させる被験薬剤の濃度をEC50、90%減少させる被薬剤の濃度をEC90とする。
5.細胞毒性は、ウイルスに非感染のHeLa CD4/LTR-beta-Gal細胞を用いてMTT法と同様に測定する。
<結果>(1)抗HSV−1活性
Figure 2008110983
(2)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)活性および細胞毒性
表2〜表7は2〜5回の測定値の平均を示したものである。
MT−4細胞を用いたMTT法

Figure 2008110983
Figure 2008110983


Figure 2008110983
HeLa CD4/LTR-beta-Gal細胞を用いたMAGIアッセイ

Figure 2008110983


Figure 2008110983

Figure 2008110983

Claims (10)

  1. 式[I]で表される4’−C−エチニルプリンヌクレオシド。
    Figure 2008110983
    [I]
    (式中、Bは、アデニン、グアニン、ジアミノプリンもしくはその誘導体からなる群より選ばれた塩基を示し、Xは水素原子を示し、Rは水素原子またはリン酸残基を示す。ただし、Bで表されるアデニン誘導体、グアニン誘導体もしくはジアミノプリン誘導体とは、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルメルカプト基、アリール基、アリールオキシ基、及びシアノ基からなる群より選択された置換基を有するアデニン、グアニンもしくはジアミノプリンである。)
  2. 4’−C−エチニル−2’−デオキシアデノシンである、請求項1記載の化合物。
  3. 4’−C−エチニル−2’−デオキシグアノシンである、請求項1記載の化合物。
  4. 9−(4−C−エチニル−2−デオキシ−β−D−リボ−ペントフラノシル)−2,6−ジアミノプリンである、請求項1記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の4’−C−エチニルプリンヌクレオシドと薬学的に許容される担体とを含有してなる医薬組成物。
  6. 抗HIV剤である、請求項5記載の医薬組成物。
  7. エイズ治療薬である、請求項5記載の医薬組成物。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の4’−C−エチニルプリンヌクレオシドの医薬製造のための使用。
  9. 医薬が、抗HIV剤である請求項8記載の使用。
  10. 医薬が、エイズ治療薬である請求項8記載の使用。
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