JPH10168096A - 2’−アジド−2’−デオキシ−4’−チオリボヌクレオシド - Google Patents

2’−アジド−2’−デオキシ−4’−チオリボヌクレオシド

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JPH10168096A
JPH10168096A JP8339056A JP33905696A JPH10168096A JP H10168096 A JPH10168096 A JP H10168096A JP 8339056 A JP8339056 A JP 8339056A JP 33905696 A JP33905696 A JP 33905696A JP H10168096 A JPH10168096 A JP H10168096A
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azido
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deoxy
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JP8339056A
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English (en)
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Kohei Yamada
浩平 山田
Yuichi Yoshimura
祐一 吉村
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Yamasa Shoyu KK
Original Assignee
Yamasa Shoyu KK
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2’−アジド−2’−デオキシ−4’−
チオヌクレオシドの合成法を確立し、新規な2’−アジ
ド−2’−デオキシ−4’−チオヌクレオシドを提供す
る事を目的とする。 【解決手段】 式[I]で表される2’−アジド−2’
−デオキシ−4’−チオリボヌクレオシドに関する。 【化1】 (式中、Bはピリミジン、プリン、アザプリンおよびデ
アザプリンからなる群から選択された塩基を示し、それ
らはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アル
ケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、アミノ
基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、
アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキル
メルカプト基、アリール基、アリールオキシ基またはシ
アノ基によって置換されていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、2’−アジド−2’−
デオキシ−4’−チオリボヌクレオシドに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、リボヌクレオチド還元酵素の阻害
剤として2’−アジド−2’−デオキシヌクレオシドが
知られており、その合成および生物活性に関しては既に
詳細な報告がなされている(J. Org. Chem., 36, 250(1
971)、Biochemistry,12,5138(1973)、Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,91,8403(1994)など参照)。これらのリボヌクレ
オチド還元酵素の阻害剤は、抗ウイルス活性、抗腫瘍活
性を有し、医薬品としての開発が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、2’−アジド
−2’−デオキシヌクレオシドの4’位の酸素原子を硫
黄原子に変換した2’−アジド−2’−デオキシ−4’
−チオヌクレオシドに関しては、2’−アジド−2’−
デオキシヌクレオシドと同等あるいはそれ以上の優れた
薬理活性が期待できるものの、未だ合成されたとの報告
はなされていない。この理由として、2’−アジド−
2’−デオキシ−4’−チオヌクレオシドは既知の2’
−アジド−2’−デオキシヌクレオシドとは糖部分で相
違しており、チオ糖部分の構築が新たに必要であるた
め、既知の2’−アジド−2’−デオキシヌクレオシド
とは全く異なる合成方法を採用しなければならないとい
うことを挙げることができる。従って、本発明は、2’
−アジド−2’−デオキシ−4’−チオヌクレオシドの
合成法を確立し、新規な2’−アジド−2’−デオキシ
−4’−チオヌクレオシドを提供する事を目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、本発明者ら
によって見い出された新規な合成法により、簡単に種々
の2’−アジド−2’−デオキシ−4’−チオリボヌク
レオシドを取得することができることを見いだし、本発
明を完成させた。すなわち、本発明は、下記式[I]で
表される2’−アジド−2’−デオキシ−4’−チオリ
ボヌクレオシドに関するものである。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Bはピリミジン、プリン、アザプ
リンおよびデアザプリンからなる群から選択された塩基
を示し、それらはハロゲン原子、アルキル基、ハロアル
キル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル
基、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシ
アミノ基、アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト
基、アルキルメルカプト基、アリール基、アリールオキ
シ基またはシアノ基によって置換されていてもよい。)
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)化合物 本発明化合物は、前記式[I]で表されるものであり、
式中のBで表される塩基としてはピリミジン、プリン、
アザプリンおよびデアザプリンからなる群から選択され
た塩基を示し、それらはハロゲン原子、アルキル基、ハ
ロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アル
キニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒド
ロキシアミノ基、アミノキシ基、アルコキシ基、メルカ
プト基、アルキルメルカプト基、アリール基、アリール
オキシ基またはシアノ基などの置換基を有していても構
わない。また、そのような置換基の位置および数は特に
制限されるものではない。
【0008】置換基としてのハロゲン原子としては、塩
素、フッ素、ヨウ素、臭素が例示される。アルキル基と
しては、メチル、エチルなどの炭素数1〜7の低級アル
キル基が例示される。ハロアルキル基としては、フルオ
ロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ブ
ロモメチル、ブロモエチルなどの炭素数1〜7のアルキ
ルを有するハロアルキル基が例示される。アルケニル基
としては、ビニル、アリルなどの炭素数2〜7のアルケ
ニル基が例示される。ハロアルケニル基としては、ブロ
モビニル、クロロビニルなどの炭素数2〜7のアルケニ
ル基を有するハロアルケニル基が例示される。アルキニ
ル基としては、エチニル、プロピニルなどの炭素数2〜
7のアルキニル基が例示される。
【0009】アルキルアミノ基としては、メチルアミ
ノ、エチルアミノなどの炭素数1〜7のアルキル基を有
するアルキルアミノ基を有することができる。アルコキ
シ基としては、メトキシ、エトキシなどの炭素数1〜7
のアルコキシ基が例示される。アルキルメルカプト基と
しては、メチルメルカプト、エチルメルカプトなどの炭
素数1〜7のアルキル基を有するアルキルメルカプト基
が例示される。アリール基としては、フェニル基;メチ
ルフェニル、エチルフェニルなどの炭素数1〜5のアル
キルを有するアルキルフェニル基;メトキシフェニル、
エトキシフェニルなどの炭素数1〜5のアルコキシフェ
ニル基;ジメチルアミノフェニル、ジエチルアミノフェ
ニルなどの炭素数1〜5のアルキルアミノを有するアル
キルアミノフェニル基;クロロフェニル、ブロモフェニ
ルなどのハロゲノフェニル基などが例示される。
【0010】ピリミジン塩基を具体的に例示すれば、シ
トシン、ウラシル、5−フルオロシトシン、5−フルオ
ロウラシル、5−クロロシトシン、5−クロロウラシ
ル、5−ブロモシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨ
ードシトシン、5−ヨードウラシル、5−メチルシトシ
ン、5−メチルウラシル(チミン)、5−エチルシトシ
ン、5−エチルウラシル、5−フルオロメチルシトシ
ン、5−フルオロウラシル、5−トリフルオロシトシ
ン、5−トリフルオロウラシル、5−ビニルウラシル、
5−ブロモビニルウラシル、5−クロロビニルウラシ
ル、5−エチニルシトシン、5−エチニルウラシル、5
−プロピニルウラシル、ピリミジン−2−オン、4−ヒ
ドロキシアミノピリミジン−2−オン、4−アミノオキ
シピリミジン−2−オン、4−メトキシピリミジン−2
−オン、4−アセトキシピリミジン−2−オン、5−フ
ルオロピリミジン−2−オンなどが挙げられる。
【0011】プリン塩基を具体的に例示すれば、プリ
ン、6−アミノプリン(アデニン)、6−ヒドロキシプ
リン、6−フルオロプリン、6−クロロプリン、6−メ
チルアミノプリン、6−ジメチルアミノプリン、6−ト
リフルオロメチルアミノプリン、6−ベンゾイルアミノ
プリン、6−アセチルアミノプリン、6−ヒドロキシア
ミノプリン、6−アミノオキシプリン、6−メトキシプ
リン、6−アセトキシプリン、6−ベンゾイルオキシプ
リン、6−メチルプリン、6−エチルプリン、6−トリ
フルオロメチルプリン、6−フェニルプリン、6−メル
カプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、6−アミ
ノプリン−1−オキシド、6−ヒドロキシプリン−1−
オキシド、2−アミノ−6−ヒドロキシプリン(グアニ
ン)、2−ジアミノプリン2,6−ジアミノプリン、2
−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−ヨード
プリン、2−アミノプリン、2−アミノ−6−メルカプ
トプリン、2−アミノ−6−メチルメルカプトプリン、
2−アミノ−6−ヒドロキシアミノプリン、2−アミノ
−6−メトキシプリン、2−アミノ−6−ベンゾイルオ
キシプリン、2−アミノ−6−アセトキシプリン、2−
アミノ−6−メチルプリン、2−アミノ−6−サイクロ
プロピルアミノメチルプリン、2−アミノ−6−フェニ
ルプリン、2−アミノ−8−ブロモプリン、6−シアノ
プリン、6−アミノ−2−クロロプリン、6−アミノ−
2−フルオロプリンなどが挙げられる。
【0012】アザプリン塩基およびデアザプリン塩基を
具体的に例示すれば、6−アミノ−3−デアザプリン、
6−アミノ−8−アザプリン、2−アミノ−6−ヒドロ
キシ−8−アザプリン、6−アミノ−7−デアザプリ
ン、6−アミノ−1−デアザプリン、6−アミノ−2−
アザプリンなどが挙げられる。
【0013】本発明化合物は、塩、水和物または溶媒和
物の形態であってもよい。そのような塩としては、無機
酸(塩酸、硫酸、リン酸など)または有機酸(フマル
酸、酒石酸、コハク酸など)との酸付加塩、ナトリウム
塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、
マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、またはアン
モニウム塩など薬学的に許容される塩を例示することが
できる。また、水和物または溶媒和物としては、本発明
化合物またはその塩1分子に対し、0.1〜3.0分子
の水または溶媒が付着したものを例示することができ
る。
【0014】(2)製造法 本発明化合物は、以下に説明する3つの工程より合成す
ることができる。 第1工程;本願発明の第1工程は、式[II]で表され
る化合物をアジド化反応に付し、式[III]で表され
る化合物を得る工程である。
【0015】
【化3】
【0016】(式中、R1、R2は水酸基の保護基を示
す) 本発明方法における原料化合物は、式[II]で表され
る公知の化合物であり、常法により調製することができ
る(WO96/01834)。R1およびR2で表される
水酸基の保護基としては、通常保護基として使用される
ものであればよく、t−ブチルジフェニルシリル、t−
ブチルジメチルシリルなどのシリル基、ベンジル、p−
メトキシベンジルなどのアルキル基、アセチル、ベンゾ
イル、ピバロイルなどのアシル基などを例示することが
できる。
【0017】アジド化反応は常法に従って行えばよい。
たとえば、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベン
ゼンなどの有機溶媒中、トリフェニルホスフィンなどの
トリアルキルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチルな
どのアゾジカルボン酸ジエステル存在下、式[II]化
合物をアジド化剤であるジフェニルホスホリルアジドで
処理することにより実施することができる。反応には、
原料化合物1モルに対して、それぞれの試薬を1〜3モ
ルを用い、反応温度0℃〜室温で1〜5時間程度反応さ
せることにより実施することができる。このようにして
得た式[III]化合物の単離は、通常の分離精製手段
を用いればよく、例えば反応溶媒を留去した後、シリカ
ゲルカラムクロマトに付し、n-ヘキサン−酢酸エチル
などの有機溶媒で溶出し精製することができる。
【0018】第2工程;本願発明の第2工程は、式[I
II]で表される化合物を酸化剤と反応させてスルホキ
シド体に導いた後、プンメラー転移を行い、式[IV]
で表される化合物を得る工程である。
【0019】
【化4】
【0020】(式中、R1、R2は前記と同意義、R3
アシル基を示す。)。R3で表されるアシル基として
は、アセチル、ベンゾイル、ピバロイルなどを例示する
ことができる。式[III]で表される化合物のスルホ
キシド体への誘導は、常法に従って行うことができる。
例えば、塩化メチレンなどの溶媒中、アルゴンまたは窒
素などの不活性ガス気流下、式[III]化合物1モル
に対してm−クロロ過安息香酸などの酸化剤1〜2モル
使用し、−100〜0℃で30分〜3時間程度反応させ
るか、あるいはメタノールなどのアルコール系の溶媒
中、式[III]化合物1モルに対してメタ過ヨウ素酸
ナトリウムなどの酸化剤1〜2モル使用し、−100〜
100℃で0.5〜12時間程度反応させることにより
行うことができる。
【0021】引き続き行うプンメラー転移も常法に従っ
て行えばよく、例えば、上記反応で得られたスルホキシ
ド体を無水酢酸などの酸無水物中、60℃〜還流温度で
30分〜5時間程度処理することにより実施することが
できる。このようにして得られた式[IV]化合物の単
離は、通常の分離精製手段を用いればよく、例えば反応
溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトに付し、
n-ヘキサン−酢酸エチルなどの有機溶媒で溶出し精製
することができる。
【0022】第3工程;本発明の第3工程は、式[I
V]で表される化合物にグリコシル化反応により核酸塩
基を導入した後、糖部もしくは塩基部保護基を脱保護
し、式[I]で表される化合物を得る工程である。
【0023】
【化5】
【0024】(式中、R1、R2、R3、Bは前記と同意
義を示す。) グリコシル化反応は、通常行っている方法に従って行え
ばよい。具体的には、アルゴンまたは窒素などの不活性
ガス気流下、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエ
タン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの溶
媒中、式[IV]化合物1モルに対して必要によりシリ
ル化した塩基1〜10モルとトリメチルシリルトリフル
オロメタンスルホネート、四塩化すず、四塩化チタン、
塩化亜鉛、三フッ化ホウ素などのルイス酸0.1〜10
モル使用し、−50〜100℃で2〜20時間程度処理
することにより実施することができる。
【0025】引き続き糖部あるいは塩基部の脱保護を行
う。脱保護は、使用した保護基に応じ、酸性加水分解、
アルカリ性加水分解、フッ化アンモニウム処理、ルイス
酸処理などの通常の処理を適宜選択して行なえばよい。
例えば、フッ化アンモニウム処理を行う場合、メタノー
ルなどの有機溶媒中、上記グリコシル化反応で得られた
化合物とフッ化水素アンモニウムを、室温で5〜20時
間程度反応させることにより実施することができる。こ
のようにして得られた本発明化合物は、一般のヌクレオ
チドの単離精製に使用されている方法(例えば、再結晶
法、各種クロマトグラフィーなど)を適宜組み合せて分
離精製することができる。また、このようにして得られ
た本発明化合物は必要に応じて塩型とすることもでき
る。
【0026】(3)用途 本発明化合物は、抗ウイルス活性、抗腫瘍活性などの薬
理活性を有する新規な2’−アジド−2’−デオキシ−
4’−チオリボヌクレオシドであり、医薬品としての開
発が期待されるものである。本発明化合物の投与量は、
患者の年齢、体重、疾病、患者の重篤度、薬物による忍
容性、投与方法などにより異なり、これらの条件を総合
した上で適宜決定されるものであるが、通常1日当たり
0.001〜1000mg/kg体重、好ましくは0.
01〜100mg/kg体重の範囲内から選ばれ、一回
または複数回に分けて投与される。投与方法は、経口、
非経口、経腸、局所投与などのいずれの経路によっても
投与することができる。
【0027】本発明化合物の製剤化に際しては、通常使
用される製剤用担体、賦形剤、その他の添加剤を用い、
組成物とする。担体としては、乳糖、カオリン、ショ
糖、結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、寒天、
ペクチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、
レシチン、塩化ナトリウムなどの個体状担体、グリセリ
ン、落花生油、ポリビニルピロリドン、オリーブ油、エ
タノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコー
ル、水などの液状担体を例示することができる。剤型と
しては任意の形態を採ることができ、たとえば個体状担
体を使用する場合には錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル化
剤、座剤、トローチ剤などを、液状担体を使用する場合
にはシロップ、乳液、軟ゼラチンカプセル、クリーム、
ゲル、ペースト、スプレー、注射などをそれぞれ例示す
ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明化合物は、抗ウイルス活性、抗腫
瘍活性などの薬理活性を有する新規な2’−アジド−
2’−デオキシ−4’−チオリボヌクレオシドであり、
医薬品としての開発が期待されるものである。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例をあげて具体的に説明
するが、本発明はこれらによって何等限定されるもので
はない。
【0030】実施例1;1−(2−アジド−2−デオキ
シ−4−チオ−β−D−リボフラノシル)シトシン〔式
[I]B=シトシン〕の合成 1)2−アジド−3−O−ベンゾイル−5−O−t−ブ
チルジメチルシリル−1,2−ジデオキシ−4−チオ−
D−リボフラノース〔式[III]R1=t−ブチルジ
メチルシリル,R2=ベンゾイル〕の合成 ヒドロキシ体〔式[II]R1=t−ブチルジメチルシ
リル,R2=ベンゾイル〕0.68gとトリフェニルホ
スフィン1.45gをテトラヒドロフラン26mlに溶
解した。これにアゾジカルボン酸ジエチル0.87ml
とジフェニルホスホリルアジド1.20mlのテトラヒ
ドロフラン(6ml)溶液を氷冷下で滴下した。室温で
2時間攪拌した後、エタノールを加え更に30分間攪拌
した。減圧下に溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラム
クロマトで精製し、3%酢酸エチル−n-ヘキサンで溶
出された部分を集め、濃縮し、目的物0.61g(収率
83%)を得た。
【0031】1H−NMR(CDCl3)8.10−8.
07(2H,m,Ar−H),7.62−7.58(1
H,m,Ar−H),7.49−7.45(2H,m,
Ar−H),5.56(1H,t,3−H,J=3.9
Hz),4.32−4.28(1H,m,2−H),
3.82(1H,dd,5−Ha,J=5.4and1
0.3Hz),3.73(1H,dd,5−Hb,J=
5.4and10.3Hz),3.69−3.65(1
H,m,4−H),3.17(1H,dd,1−Ha,
J=5.9and10.7Hz),3.09(1H,d
d,1−Hb,J=7.3and10.7Hz),0.
89(9H,s,t−Bu),0.06(6H,s,M
e)
【0032】2)1−O−アセチル−2−アジド−3−
O−ベンゾイル−5−O−t−ブチルジメチルシリル−
2−デオキシ−4−チオ−D−リボフラノース〔式[I
V]R1=t−ブチルジメチルシリル,R2=ベンゾイ
ル,R3=アセチル〕の合成 上記1)で得られた式[III]化合物(R1=t−ブ
チルジメチルシリル,R2=ベンゾイル)1.35gを
塩化メチレン28mlに溶解し、−78℃で80%m−
クロロ過安息香酸0.74gの塩化メチレン溶液41m
lを滴下した。1時間攪拌した後、反応液を飽和炭酸水
素ナトリウム水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。有機
層を10%チオ硫酸ナトリウム水、飽和食塩水で洗浄
し、乾燥した。溶媒を留去し、残さを無水酢酸34ml
に溶解した。100℃で1.5時間攪拌した後、溶媒を
留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトで精製し、
5%酢酸エチル−n-ヘキサンで溶出された部分を集
め、濃縮し、目的物0.82g(収率53%)を得た
(α、βアノマー 1.2:1の混合物)。
【0033】1H−NMR(CDCl3)8.15−8.
07(2H+2H×1.2,m,Ar−H),7.63
−7.59(1H+1H×1.2,m,Ar−H),
7.50−7.45(2H+2H×1.2,m,Ar−
H),6.37(1H×1.2,d,1−H,J=4.
4Hz),5.92(1H,d,1−H,J=2.9H
z),5.74(1H×1.2,dd,3−H,J=
1.5and4.4Hz),5.70−5.68(1
H,m,3−H),4.54(1H,dd,2−H,J
=2.9and3.9Hz),4.05(1H×1.
2,t,2−H,J=4.4Hz),3.96(1H×
1.2,dd,5−Ha,J=4.4and10.7H
z),3.85−3.74(3H+1H×1.2,m,
4−H×2and5−Ha,b),3.65(1H×
1.2,dd,5−Hb,J=4.4and10.7H
z),2.24(3H×1.2,s,Ac),2.12
(3H,s,Ac),0.91(9H×1.2,s,t
−Bu),0.87(9H,s,t−Bu),0.09
(6H×1.2,s,Me),0.04(6H,s,M
e)
【0034】3)1−(2−アジド−2−デオキシ−4
−チオ−β−D−リボフラノシル)シトシン〔式[I]
B=シトシン〕の合成 アルゴン気流下、上記2)で得られた式[IV]化合物
(R1=t−ブチルジメチルシリル,R2=ベンゾイル,
3=アセチル)596mgとシリル化したN4−アセチ
ルシトシン(3等量)をジクロロエタン26mlに溶解
した。氷冷下でトリメチルシリルトリフルオロメタンス
ルホネート0.76mlを滴下し、2時間攪拌した。更
に室温で一晩攪拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリ
ウム水を注いだ。不溶物をろ過し、クロロホルムで抽出
した。有機層を乾燥、溶媒を留去し、残さをシリカゲル
カラムクロマトで精製し、2%メタノール−クロロホル
ムで溶出された部分を集め、濃縮し、保護された目的物
342mg(収率47%)を得た。保護された目的物3
10mgをメタノール10mlに溶解し、フッ化水素ア
ンモニウム325mgを加えた。室温で一晩攪拌した
後、溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトで
精製した(α、βアノマーの分離)。得られたβアノマ
ー94mgをメタノール3mlに懸濁させ、濃アンモニ
ア水3mlを加えた。室温で2時間攪拌した後、溶媒を
留去し、残さをシリカゲルカラムクロマトで精製し、2
0%メタノール−クロロホルムで溶出された部分を集
め、濃縮し、標記化合物63mg(収率35%)を得
た。
【0035】1H−NMR(DMSO−d6)7.97
(1H,d,6−H,J=7.8Hz),7.27(2
H,brd,NH2,J=8.3Hz),6.25(1
H,d,1’−H,J=8.3Hz),5.98(1
H,d,3’−OH,J=4.9Hz),5.80(1
H,d,5−H,J=7.8Hz),5.23(1H,
t,5’−OH,J=5.4Hz),4.30(1H,
dd,3’−H,J=3.4and7.3Hz),3.
98(1H,dd,2’−H,J=3.4and8.3
Hz),3.67−3.54(2H,m,5’−H),
3.28−3.24(1H,m,4’−H)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[I]で表される2’−アジド−2’
    −デオキシ−4’−チオリボヌクレオシド。 【化1】 (式中、Bはピリミジン、プリン、アザプリンおよびデ
    アザプリンからなる群から選択された塩基を示し、それ
    らはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アル
    ケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、アミノ
    基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、
    アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキル
    メルカプト基、アリール基、アリールオキシ基またはシ
    アノ基によって置換されていてもよい。)
  2. 【請求項2】 1−(2−アジド−2−デオキシ−4−
    チオ−β−D−リボフラノシル)シトシン。
JP8339056A 1996-12-04 1996-12-04 2’−アジド−2’−デオキシ−4’−チオリボヌクレオシド Pending JPH10168096A (ja)

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