JPH0987295A - 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオピリミジンヌクレオシド及び抗ウイルス剤 - Google Patents

2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオピリミジンヌクレオシド及び抗ウイルス剤

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JPH0987295A
JPH0987295A JP8020413A JP2041396A JPH0987295A JP H0987295 A JPH0987295 A JP H0987295A JP 8020413 A JP8020413 A JP 8020413A JP 2041396 A JP2041396 A JP 2041396A JP H0987295 A JPH0987295 A JP H0987295A
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formula
deoxy
methylidene
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JP8020413A
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English (en)
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Yuichi Yoshimura
祐一 吉村
Hiroshi Sato
浩史 佐藤
Akira Matsuda
彰 松田
Noriyuki Ashida
則之 芦田
Haruhiko Machida
治彦 町田
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Yamasa Shoyu KK
Original Assignee
Yamasa Shoyu KK
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗ウイルス作用を有する新規な化合物及び
該化合物を有効成分として含有する抗ウイルス剤を提供
する。 【解決手段】 式[I]で表される2’−デオキシ−
2’−メチリデン−4’−チオピリミジンヌクレオシド
化合物及びそれを有効成分として含有する抗ウイルス剤
に関する。 【化1】 (式中、R1はアミノ基または水酸基を示し、R2は水
素、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケ
ニル、ハロゲン化アルケニルまたはアルキニルを示し、
3は水素またはリン酸残基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、2’−デオキシ−2’
−メチリデン−4’−チオピリミジンヌクレオシドおよ
び該化合物を有効成分として含有する抗ウイルス剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ウイルス感染症に関し様々な研究
がなされ、その治療に用いられる薬剤が開発されてい
る。ウイルス感染症の1つであるヘルペスウイルスによ
る感染は、健常人に発症した場合は自然治癒する比較的
マイルドな疾患であるが、癌、臓器移植、エイズ患者な
ど免疫機能の低下している状態では重篤な症状に陥りや
すい。このようなヘルペスウイルスに対する治療薬とし
て、現在、アシクロビル、ガンシクロビル、ビダラビン
などが使われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の抗ウイルス剤は治療対象のウイルスに対する有効性や
選択性が充分であるとはいえず、免疫機能の低下してい
る患者にとっては、より有効性が高く、かつ選択性の高
い抗ウイルス剤の開発が望まれていた。すなわち、本願
発明の目的は、抗ウイルス作用を有する新規な化合物及
び該化合物を有効成分として含有する抗ウイルス剤を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、2’−デオ
キシ−2’−メチリデン−4’−チオピリミジンヌクレ
オシド化合物が優れた抗ヘルペスウイルス作用を有する
ことを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本発
明は、式[I]で表される2’−デオキシ−2’−メチ
リデン−4’−チオピリミジンヌクレオシド化合物に関
するものである。また、本発明は、上記2’−デオキシ
−2’−メチリデン−4’−チオピリミジンヌクレオシ
ド化合物を有効成分として含有する抗ウイルス剤に関す
るものである。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1はアミノ基または水酸基を示
し、R2は水素、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アル
キル、アルケニル、ハロゲン化アルケニルまたはアルキ
ニルを示し、R3は水素またはリン酸残基を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。 (1)本発明化合物 本発明の化合物は、前記式[I]で表されるものであ
る。式中、R2で表されるハロゲンとしては、フルオ
ロ、ヨード、ブロモ、クロロを、アルキルとしては、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピルなどの炭素数1
〜5程度の低級アルキルを、ハロゲン化アルキルとして
は、フルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロエチ
ル、ブロモプロピルなどの炭素数1〜5程度のハロゲン
化低級アルキルを、アルケニルとしては、ビニル、アリ
ルなどの炭素数1〜5程度のアルケニルを、ハロゲン化
アルケニルとしては、ブロモビニル、クロロビニルなど
の炭素数1〜5程度のハロゲン化アルケニルを、アルキ
ニルとしては、エチニル、プロピニル、ブチニルなどの
炭素数1〜5程度のアルキニルをそれぞれ例示すること
ができる。R3で表されるリン酸残基としては、通常の
モノリン酸残基、ジリン酸残基、トリリン酸残基を例示
することができる。
【0008】式[I]で表される本発明化合物は、塩、
水和物または溶媒和物の形態であってもよい。そのよう
な塩としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸)または有
機酸(フマル酸、酒石酸、コハク酸)との酸付加塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩な
どの金属塩またはアンモニウム塩などを例示することが
できる。水和物または溶媒和物としては、本発明化合物
またはその塩1分子に対し、0.1〜3.0分子の水ま
たは溶媒が付着したものを例示することができる。式
[I]の化合物において、R1が水酸基である場合、そ
の互変異性体として、式[II]で表される化合物も本
発明化合物に包含される。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R2、R3は前記と同意義。) 代表的な本発明化合物としては、以下のようなものを例
示することができる。 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオシチジ
ン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオウリジ
ン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオチミジ
ン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
エチルウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
プロピルウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
フルオロウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
フルオロシチジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
ヨードウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
トリフルオロメチルウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
クロロエチルウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
ビニルウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
ブロモビニルウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
クロロビニルウリジン 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオ−5−
プロピニルウリジン
【0011】(2)本発明化合物の製造法 本発明の化合物は、以下に説明する4つの工程により製
造することができる。 第1工程;第1工程は、式[III]で表される化合物
の2位および5位の水酸基にスルホニル基を導入後、硫
化物と反応させて式[IV]で表される化合物を得る工
程である。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R4はアルキル基、R5は水酸基の
保護基を示す。) 本発明化合物の製造における原料化合物は、式[II
I]で表されるキシロース誘導体(以下、原料化合物と
称することもある)である。R4で表されるアルキル基
としては、メチル、エチルなどの炭素数1〜3程度の低
級アルキル基およびベンジル、メトキシベンジルなどの
置換もしくは非置換のベンジル基を挙げることができ
る。R5で表される水酸基の保護基としては、通常使用
されるものであればよく、アルキル基、シリル基、アシ
ル基などを例示することができる。より具体的に、アル
キル基としてはR4と同様なものを挙げることができ
る。また、シリル基としてはt−ブチルジメチルシリ
ル、t−ブチルジフェニルシリルなどを、アシル基とし
てはアセチル、ベンゾイル、ピバロイルなどをそれぞれ
例示することができる。このような原料化合物は、公知
の方法(Tetrahedron,37,2379-2382(1981)など)により
調製することができる。
【0014】式[III]で表される化合物の2位およ
び5位の水酸基に導入するスルホニル基としては、メシ
ル基またはトシル基を例示することができる。メシル化
およびトシル化反応は、常法に従って行えばよい。たと
えば、メシル化反応は、トリエチルアミンなどの塩基存
在下、塩化メチレン、アセトニトリル、ジメチルホルム
アミド、ピリジンなどの有機溶媒中(ただし、ピリジン
を使用する場合には、必ずしもトリエチルアミンなどの
塩基を共存させなくてもよい。)、原料化合物1モルに
対して2〜10モル、好ましくは2〜4モルのハロゲン
化メシル(たとえば、塩化メシルなど)を用い、原料化
合物とハロゲン化メシルとを0〜100℃で0.5〜5
時間程度攪拌反応させることにより実施することができ
る。また、反応は、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰
囲気下で行うのが好ましい。
【0015】引き続き、このようにして得られた化合物
と硫化物とを反応させ、式[IV]で表される化合物を
得る。反応に使用する硫化物としては、硫化ナトリウ
ム、硫化カリウム等の硫化金属(好ましくは、硫化アル
カリ金属)であれば特に限定されない。反応は、必要に
応じてアルゴンまたは窒素などの不活性ガス雰囲気下、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの有
機溶媒中、原料化合物1モルに対して1〜20モルの硫
化物を使用し、室温〜150℃で0.5〜5時間程度攪
拌反応させることにより実施することができる。
【0016】第2工程;第2工程は、式[IV]で表さ
れる化合物のラクトール環を加水分解後、還元して式
[V]で表される化合物を得る工程である。
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R4、R5は前記と同意義。) 加水分解法としては、式[IV]で表される化合物のラ
クトール環を加水分解できる方法であれば特に制限され
るものではないが、特に、酸触媒(塩酸、硫酸等の無機
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸)を用いる加水
分解法が好ましい。加水分解反応は、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどの水溶性エーテル系溶媒中、上記酸
触媒存在下、室温〜100℃で0.5〜5時間程度攪拌
反応させることにより実施することができる。
【0019】次に、このようにして得られた化合物を還
元反応に付して式[V]で表される化合物を得る。還元
剤としては、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(水素化ホ
ウ素ナトリウム)、テトラヒドロホウ酸カリウムなどの
テトラヒドロホウ酸塩を使用することができる。還元反
応は、メタノールなどのアルコール溶媒中、式[IV]
で表される化合物1モルに対し、還元剤0.2〜10モ
ルを用い、0〜100℃で0.5〜3時間程度攪拌反応
させることにより実施できる。
【0020】第3工程;第3工程は、式[V]で表され
る化合物の5位水酸基を保護した後、酸化反応およびウ
ィッティッヒ反応に付して式[VI]で表される化合物
を得る工程である。
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R5は前記と同意義、R6は水酸基
の保護基を示す。〕 5位水酸基の保護基としては、水酸基の保護基として常
用されているものであればよく、ベンジル、メトキシベ
ンジル、ジメトキシベンジルなどのベンジル系保護基、
t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリ
ル、トリエチルシリルなどのシリル系保護基、メトキシ
メチル、メトキシエトキシエチル、テトラヒドロフラ
ン、テトラヒドロピランなどのエーテル系保護基、トリ
チル、モノメトキシトリチル、ジメトキシトリチルなど
のトリチル系保護基、アセチル、ベンゾイル、ピバロイ
ルなどのアシル基などを例示することができる。また、
3位水酸基の保護基を除去し、テトライソプロピルジシ
ロキシル基などの2つの水酸基を同時に保護できる保護
基を用いての3位および5位の水酸基を保護してもかま
わない。
【0023】保護基の導入は、使用する保護基で汎用さ
れている方法に準じて行えばよい。たとえば、シリル系
保護基を導入する場合、ピリジン、ピコリン、ジメチル
アミノピリジン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリ
ル、塩化メチレンなどの単独または混合溶媒中、式
[V]の化合物1モルに対し、t−ブチルジフェニルシ
リルクロリドなどのシリル化剤を1〜10モル、必要に
応じてイミダゾールなどの塩基触媒を1〜5モル加え、
−10〜50℃で1〜36時間反応させることにより保
護基を導入することができる。
【0024】このようにして得られた化合物を酸化反応
およびウィッティッヒ反応に付して式[VI]で表され
る化合物を得る。酸化反応に使用する酸化剤としては、
無水クロム酸、ピリジンおよび無水酢酸の複合試薬、ピ
リジウムクロロクロメート、ピリジウムジクロメートな
どのクロム系酸化剤、デス−マーチン(Dess−Martin)
試薬などの高原子価ヨウ素酸化剤、ジメチルスルホキシ
ドと無水酢酸、塩化オキザリルまたはジシクロヘキシカ
ルボジイミドとを組み合わせて用いるジメチルスルホキ
シド(DMSO)系酸化剤などを列挙することができ
る。酸化反応は、たとえば、ジメチルスルホキシドと無
水酢酸とを用いて行なう場合、ジメチルスルホキシド
中、必要によりアルゴンまたは窒素などの不活性ガス気
流下、式[V]で表される化合物1モルに対して無水酢
酸2〜500モル、好ましくは5〜50モルを用い、反
応温度0〜50℃で1〜24時間程度攪拌反応させるこ
とにより実施できる。
【0025】ウィッティッヒ反応に使用するイリドとし
ては、メチレントリフェニルホスホランを使用すること
ができる。このようなリンイリドは、トリフェニルホス
フィンから調製したトリフェニルホスホニウム塩(好ま
しくは、臭化物)とブチルリチウム、水素化ナトリウ
ム、カリウムt−ブトキシドなどの塩基(好ましくは、
ブチルリチウム)から常法に従って調製し、これを反応
に使用する。ウィッティヒ反応は、テトラヒドロフラ
ン、エーテル、ジメトキシメタン、ジメチルスルホキシ
ドなどの単独または混合溶媒中(好ましくはテトラヒド
ロフラン中)、必要によりアルゴンまたは窒素などの不
活性ガス気流下、式[V]で表される化合物1モルに対
して1〜10モルのリンイリドを用い、反応温度−20
〜100℃で1〜24時間程度攪拌反応させることによ
り実施できる。
【0026】第4工程;本発明の第4工程は、式[V
I]で表される化合物と塩基類とを縮合反応に付し、糖
部水酸基の保護基を除去後、所望により糖部5’位水酸
基にリン酸残基を導入して式[I]で表される化合物を
得る工程である。
【0027】
【化7】
【0028】(式中、R1、R2、R3、R5およびR6
前記と同意義。) 式[VI]で表される化合物と塩基類との縮合は、式
[VI]の化合物を適当な酸化剤を用いてスルホキシド
に誘導後、ルイス酸触媒存在下、これをシリル化した塩
基類とのプンメラー(Pummerer)型グリコシル化反応に
付すことにより行うことができる。スルホキシドへの誘
導は常法に従って行えばよく、たとえば、塩化メチレ
ン、アルコール(たとえば、メタノールなど)などの有
機溶媒中、必要によりアルゴンあるいは窒素などの不活
性ガス気流下、式[VI]で表される化合物1モルに対
してm−クロロ過安息香酸、メタ過ヨウ素酸ナトリウム
などの酸化剤0.5〜5モル使用し、−100〜10℃
で10分〜2時間程度反応させることにより実施でき
る。
【0029】プンメラー型グリコシル化反応に使用する
ルイス酸としては、トリフルオロメタンスルホン酸トリ
メチルシリル(トリメチルシリルトリフラート)、四塩
化すず、四塩化チタン、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、三フッ
化ホウ素などが例示される。プンメラー型グリコシル化
反応は、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタ
ン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどの有機
溶媒中、必要によりアルゴンあるいは窒素などの不活性
ガス気流下、上記スルホキシド1モルに対して常法によ
りシリル化した塩基類1〜10モルとルイス酸0.1〜
10モルとを用い、−50〜100℃で10分〜2時間
程度反応させることにより実施することができる。
【0030】次に、このようにして得られたヌクレオシ
ドの糖部3’位および5’位水酸基の保護基を除去して
3が水素の化合物を得る。水酸基の保護基の脱保護
は、使用した保護基に応じて酸性加水分解、アルカリ性
加水分解、フッ化テトラブチルアンモニウム処理、接触
還元などの通常の処理方法から適宜選択して行なえばよ
い。特に、保護基がベンジル系保護基の場合には、三塩
化ホウ素を用いる脱保護法が好ましく、たとえば、塩化
メチレンなどの有機溶媒中、必要によりアルゴンまたは
窒素などの不活性ガス気流下、−100℃〜室温で0.
5〜24時間程度反応させればよい。なお、R5で表さ
れる保護基はプンメラー型グリコシル化反応においては
必ずしも必要ではないため、該反応を行なう前、たとえ
ば式[VI]の化合物をスルホキシドに誘導する前に脱
保護しておいても差し支えない。
【0031】また、R3がモノリン酸残基、ジリン酸残
基などのリン酸残基である化合物を得る場合、上記で得
られたR3が水素の化合物とオキシ塩化リン、テトラク
ロロピロリン酸などのヌクレオシドの5’位の選択的な
リン酸化に使用されるリン酸化剤とを反応させて、常法
により遊離酸型または塩型の目的化合物を得ることがで
きる。本発明の目的化合物および合成中間体は、通常の
単離精製法(たとえば、イオン交換カラムクロマトグラ
フィー、吸着カラムクロマトグラフィーなどの各種クロ
マトグラフィー法再結晶法など)を適宜組み合せて単離
精製することができる。
【0032】(3)用途 本発明化合物は、優れた抗ウイルス作用を有することか
ら、これらを有効成分とする本発明薬剤は、ウイルスに
感染したまたは感染する恐れのある人の予防または治療
に有用である。対象のウイルスとしては、例えばヘルペ
スウイルス科に属する単純ヘルペスウイルス1型(以
下、HSV−1と称す)、単純ヘルペスウイルス2型
(以下、HSV−2と称す)、ヒトサイトメガロウイル
ス(以下、HCMVと称す)、水痘帯状庖疹ウイルス
(以下、VZVと称す)などをあげることができる。
【0033】本発明薬剤の有効成分である式[I]の化
合物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病、患者の重篤
度、薬物による忍容性、投与方法などにより異なり、こ
れらの条件を総合した上で適宜決定されるものである
が、通常1日当たり0.001〜1000mg/kg体
重、好ましくは0.1〜100mg/kg体重の範囲内
から選ばれ、一回または複数回に分けて投与される。投
与方法は、経口、非経口、経腸、局所投与などのいずれ
の経路によっても投与することができる。
【0034】本発明の化合物の製剤化に際しては、通常
使用される製剤用担体、賦形剤、その他の添加剤を含む
組成物として使用するのが普通である。担体としては、
乳糖、カオリン、ショ糖、結晶セルロース、コーンスタ
ーチ、タルク、寒天、ペクチン、ステアリン酸、ステア
リン酸マグネシウム、レシチン、塩化ナトリウムなどの
個体状担体、グリセリン、落花生油、ポリビニルピロリ
ドン、オリーブ油、エタノール、ベンジルアルコール、
プロピレングリコール、水などの液状担体を例示するこ
とができる。剤型としては任意の形態を採ることがで
き、たとえば個体状担体を使用する場合には錠剤、散
剤、顆粒剤、カプセル化剤、座剤、トローチ剤などを、
液状担体を使用する場合にはシロップ、乳液、軟ゼラチ
ンカプセル、クリーム、ゲル、ペースト、スプレー、注
射などをそれぞれ例示することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明化合物は、ヘルペスウイルス科に
属するウイルスに対して優れた抗ウイルス作用を示し、
これらを有効成分とする本発明薬剤はウイルス感染症の
治療に有用である。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例、試験例、製剤例など
をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって
何等限定されるものではない。 実施例1:2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−
チオシチジン[化合物1:式[I]R1=NH2,R2
H,R3=H]の合成
【0037】1)2,5−アンヒドロ−3−O−ベンジ
ル−1−O−メチル−2−チオ−β−D−アラビノフラ
ノース[式[IV]、R4=Me、R5=Bn]の合成 3−O−ベンジル−1−O−メチル−β−D−キシロフ
ラノース[式[III]、R4=Me、R5=Bn]6.
93gを溶解したピリジン溶液80mlに氷冷下、塩化
メタンスルホニル6.33mlを加え、アルゴン気流
下、室温で1時間攪拌した。氷水を加えて反応を停止
後、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル−水により分配
後、有機層を乾燥した。溶媒を留去後、残渣をジメチル
ホルムアミド(DMF)100mlに溶解し、硫化ナト
リウム9.84gを加え、アルゴン気流下、100℃で
1時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチル−水
で分配し、有機層を更に水で洗浄した後、乾燥した。溶
媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより精製し、5〜10%酢酸エチル−n−ヘキサン
で溶出された部分を集めて濃縮し、目的物5.05g
(収率73%)を得た。
【0038】1H−NMR(CDCl3)δ 7.36−
7.29(5H,m,65 CH2),4.89(1
H,s,H−1),4.62(1H,d,C65
2 ,J=11.7Hz),4.52−4.48(2
H,m,C65 CH2 and H−3),4.37−
4.36(1H,m,H−4),3.34(4H,s,
OMeand H−2),3.04(1H,dd,H−
5a,J=10.3,2.0Hz),2.77(1H,
dd,H−5b,J=10.3,1.5Hz)
【0039】2)2,5−アンヒドロ−3−O−ベンジ
ル−1−O−メチル−2−チオ−α−D−アラビノフラ
ノース[式[IV]、R4=Me、R5=Bn]の合成 3−O−ベンジル−1−O−メチル−α−D−キシロフ
ラノース[式[III]、R4=Me、R5=Bn]6.
13gを上記1)と同様の操作を行ない、目的物4.7
5g(収率78%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)δ7.39−7.30(5
H,m,6 5CH2),5.13(1H,d,H−
1,J=2.4Hz),4.66(1H,d,C65
2 ,J=11.7Hz),4.53(1H,d,C6
5 CH2 ),4.36−4.35(1H,brm,H−
4),4.29(1H,t,H−3,J=2.4H
z),3.51(1H,t,H−2,J=2.4H
z),3.47(3H,s,OMe),3.04(1
H,dd,H−5a,J=10.5,2.2Hz),
2.95(1H,dd,H−5b,J=10.5,1.
2Hz)
【0040】3)3−O−ベンジル−1−デオキシ−4
−チオ−D−アラビノフラノース[式[V]、R5=B
n]の合成 2,5−アンヒドロ−3−O−ベンジル−1−O−メチ
ル−2−チオ−D−アラビノフラノース9.50g
(α:β=1:1)をテトラヒドロフラン(THF)2
00mlに溶解し、これに4NHCl 100mlを加
え、室温で1時間攪拌した。固体の炭酸水素ナトリウム
を用いて反応液を中和し、不溶物をろ去した後、減圧下
THFを留去した。クロロホルムで3回抽出操作を行な
い、有機層を乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をメタ
ノール150mlに溶解し、氷冷下、水素化ホウ素ナト
リウム1.43gを含むメタノール溶液を滴下、滴下後
氷冷下45分攪拌した。反応液を酢酸により中和した
後、溶媒を留去し、クロロホルム−水で分配した。水層
をクロロホルムで2回抽出し、有機層を乾燥した。溶媒
を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、33〜50%酢酸エチル−n−ヘ
キサンにより溶出された部分を濃縮し、3−O−ベンジ
ル−1−デオキシ−4−チオ−D−アラビノフラノース
8.18g(収率90%)を得た。
【0041】1H−NMR(CDCl3−D2O)δ7.
38−7.27(5H,m,65 CH2),4.64
(2H,s,C65 CH 2),4.38(1H,dt,
H−2,J=2.9,4.4Hz),3.96(1H,
t,H−3,J=2.9Hz),3.78(1H,d
d,H−5a,J=2.9,11.7Hz),3.66
(1H,dd,H−5b,J=3.9,11.7H
z),3.60(1H,dt,H−4,J=2.9,
3.9Hz),3.21(1H,dd,H−1a,J=
4.4,11.2Hz),2.90(1H,dd,H−
1b,J=2.9,11.2Hz)
【0042】4)3−O−ベンジル−5−O−t−ブチ
ルジフェニルシリル−1−デオキシ−2−メチレン−4
−チオ−D−エリスロペントフラノース[式[VI]、
5=Bn、R6=t−Bu(Ph)2Si]の合成 3−O−ベンジル−1−デオキシ−4−チオ−D−アラ
ビノフラノース1.11gとイミダゾール330mgを
DMF30mlに溶解し、氷冷下、t−ブチルジフェニ
ルシリルクロリド(TBDPSCl)1.26mlを加
え、アルゴン気流下0℃で一晩攪拌した。水を加えしば
らく室温で攪拌した後、溶媒を留去し、残渣を酢酸エチ
ル−水で分配後、有機層を更に水で洗浄し、乾燥した。
溶媒を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにより精製し、2〜4〜10%酢酸エチル−n−ヘ
キサンにより溶出された部分を濃縮し、5−シリル体
1.92g(収率86%)を得た。
【0043】この5−シリル体1.79gをDMSO
20mlに溶解し、これに無水酢酸10mlを加え、室
温で一晩間攪拌した。この溶液を水で希釈し、エーテル
で抽出後、有機層を3回水洗し、更に飽和炭酸水素ナト
リウム溶液で2回分配し、乾燥した。溶媒を留去した
後、残渣を3回トルエンで共沸し、THF20mlに溶
解した。この溶液をメチレントリメチルホスホランの溶
液(THF20ml中、メチルトリフェニルホスホニウ
ムブロミド3.3当量、ブチルリチウム3当量より調
製)に滴下し、アルゴン気流下0℃で2時間、室温で一
晩攪拌した。1N塩化アンモニウム溶液で中和し、酢酸
エチルにより抽出し、有機層を乾燥した。減圧下溶媒を
留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製し、2%酢酸エチル−n−ヘキサンにより溶出
された部分を濃縮し、目的物1.01g(収率57%)
を得た。
【0044】1H−NMR(CDCl3)δ7.60−
7.27(15H,m,C65),5.13,4.94
(each 1H,s,2−CH2),4.64(1
H,d,C65 CH2 ,J=12.7Hz),4.44
(1H,d,C65 CH2 ),4.35(1H,s,H
−3),3.62−3.31(4H,m,H−4,5,
1a),3.21(1H,d,H−1b,J=12.7
Hz),0.99(9H,s,tBu)
【0045】5)2’−デオキシ−2’−メチリデン−
4’−チオシチジン[式[I]R1=NH2,R2=H,
3=H]の合成 3−O−ベンジル−5−O−t−ブチルジフェニルシリ
ル−1−デオキシ−2−メチレン−4−チオ−D−エリ
スロペントフラノース1.37gを塩化メチレン20m
lに溶解し、これにアルゴン気流下−78℃において1
Mトリクロロボラン5.78mlを滴下し、−78℃で
1時間攪拌した。ピリジン5ml、メタノール10ml
を加え−78℃で更に30分間攪拌し、室温に戻した。
溶媒を留去後、残渣をメタノールで3回共沸し、酢酸エ
チルに溶解し、水および0.5N塩酸(2回)、飽和炭
酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水で分配し、有機層を
乾燥した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、750mg(70%)の
脱ベンジル体を得た。
【0046】この脱ベンジル体523mgを塩化メチレ
ン15mlに溶解し、アルゴン気流下−78℃に冷却
し、80%m−クロロ過安息香酸271mgを溶解した
塩化メチレン溶液を滴下した。30分間攪拌した後、飽
和炭酸水素ナトリウム溶液を加え反応を停止後、室温に
戻しクロロホルムで抽出、有機層を乾燥した。溶媒を留
去し、残渣をアセトニトリル10mlに溶解し、シリル
化したN4−アセチルシトシン(N4−アセチルシトシン
644mgを触媒量の硫酸アンモニウムとともにヘキサ
メチルジシラザン中、5時間還流することにより調
製)、トリメチルシリルトリフレート0.56mlを加
え0℃で30分間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶
液を加え、不溶物をセライトろ過し、クロロホルムで3
回抽出し有機層を乾燥した。ろ液を減圧下濃縮し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、
1%メタノール−n−クロロホルムで溶出された部分を
集め、濃縮し、目的物200mg(収率23%)を得
た。
【0047】得られた化合物238mgをTHF10m
lに溶解し1Mテトラブチルアンモニウムフルオライド
0.78mlを加え室温で15分間攪拌した。溶媒を留
去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、1%メタノール−クロロホルムで溶出された
部分を集め、濃縮し、得られた化合物をメタノール5m
lに溶解し、濃アンモニア水5mlを加え室温で一晩攪
拌した。溶媒を留去し、残渣をODSクロマトグラフィ
ーにより精製し、更に、α体とβ体をHPLCにより分
取、精製したα体34mg(34%)、β体13mg
(13%)をそれぞれ得た。
【0048】α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ
7.61(1H,H−6,J=7.2Hz),7.24
(2H,bs,NH2),6.64(1H,s,H−
1’),5.85(1H,bs,H−5),5.79
(1H,d,3’−OH,J=5.9Hz),5.32
(1H,s,2’−CH2a),4.98(1H,t,
5’−OH,J=5.4Hz),4.80(1H,s,
2’−CH2b),4.28(1H,bt,H−3’,
J=7.8Hz),3.81(1H,ddd,H−5’
a,J=3.9,10.7Hz),3.45(1H,d
dd,H−5’b,J=7.8Hz),3.37(1
H,bt,H−4’)
【0049】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ
7.57(1H,d,H−6,J=7.3Hz),7.
24,7.20(total 2H,bs,NH2),
6.66(1H,s,H−1’),5.79(1H,b
d,H−5),5.62(1H,s,2’−CH
2a),5.32(1H,d,3’−OH,J=4.9
Hz),5.07(1H,t,5’−OH,J=5.4
Hz),4.92(1H,s,2’−CH2b),4.
49(1H,bt,H−3’,J=4.9Hz),3.
60(1H,ddd,H−5’a,J=6.4,11.
2Hz),3.49(1H,ddd,H−5’b,J=
6.4Hz),3.12(1H,dt,H−4’).
【0050】実施例2:2’−デオキシ−2’−メチリ
デン−4’−チオ−5−フルオロシチジン[化合物2:
式[I]R1=NH2,R2=F,R3=H]の合成 実施例1の5)のN4−アセチルシトシンの代わりに5
−フルオロシトシンを用い、同様の方法にて表記化合物
を得た。 α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ7.88(2
H,bd,H−6,NH2,J=7.3Hz),7.6
1(1H,bs,NH2),6.55(1H,d,H−
1’,J=2.0Hz),5.79(1H,d,3’−
OH,J=5.9Hz),5.37(1H,s,2’−
CH2a),4.99(1H,t,5’−OH,J=
5.1Hz),4.95(1H,s,2’−CH
2b),4.33(1H,m,H−3’),3.72
(1H,m,H−4’),3.47〜3.42(2H,
m,H−5’a,H−5’b)
【0051】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ
7.86(1H,d,H−6,J=6.8Hz),7.
62(2H,bs,NH2),6.60(1H,s,H
−1’),5.64(1H,d,3’−OH,J=4.
9Hz),5.32(1H,s,2’−CH2a),
5.16(1H,t,5’−OH,J=5.4Hz),
5.01(1H,s,2’−CH2b),4.53(1
H,t,H−3’,J3',4'=4.4Hz),3.68
〜3.56(2H,ddx2,H−5’a,H−5’
b,J4',5'a=J4',5'b=5.9Hz,J5'a,5'b=1
1.7Hz),3.19(1H,dt,H−4’,
4',5'a=J4',5'b=5.9Hz,J4',3'=4.9H
z).
【0052】実施例3:2’−デオキシ−2’−メチリ
デン−4’−チオ−5−メチルウリジン[化合物3:式
[I]R1=OH,R2=CH3,R3=H]の合成 実施例1の5)のN4−アセチルシトシンの代わりにチ
ミンを用い、同様の方法にて表記化合物を得た。 α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ11.38(1
H,bs,NH),7.45(1H,d,H−6,NH
2,J=1.0Hz),6.53(1H,s,H−
1’),5.84(1H,d,3’−OH,J=5.9
Hz),5.36(1H,t,2’−CH2a,J=
2.0Hz),5.02(1H,t,5’−OH,J=
5.4Hz),4.94(1H,t,2’−CH2b,
J=2.0Hz),4.27(1H,m,H−3’),
3.50〜3.40(2H,m,H−5’a,H−5’
b),1.79(3H,d,CH3,J=1.0Hz)
【0053】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ
7.45(1H,d,H−6,J=1.0Hz),6.
59(1H,s,H−1’),5.69(1H,d,
3’−OH,J=4.4Hz),5.36(1H,s,
2’−CH2a),5.20(1H,bs,5’−O
H),5.03(1H,s,2’−CH2b),4.5
7(1H,d,H−3’,J3',4'=3.9Hz),
3.68〜3.56(2H,ddx2,H−5’a,H
−5’b,J4',5'a=5.9Hz,J4',5'b=6.4H
z,J5'a,5' b=11.5Hz),3.21(1H,d
t,H−4’,J4',5'a=5.9Hz,J4',5'b=6.
4Hz,J4',3'=3.9Hz),1.79(3H,
d,CH3,J=1.0Hz)
【0054】実施例4:2’−デオキシ−2’−メチリ
デン−4’−チオ−5−エチルウリジン[化合物4:式
[I]R1=OH,R2=CH2CH3,R3=H]の合成 実施例1の5)のN4−アセチルシトシンの代わりに5
−エチルウラシルを用い、同様の方法にて表記化合物を
得た。 α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ11.36(1
H,bs,3−NH),7.43(1H,s,H−
6),6.53(1H,s,H−1’),5.85(1
H,d,3’−OH,J=5.9Hz),5.37(1
H,d,2’−CH2a,J=2.0Hz),5.02
(1H,t,5’−OH,J=5.1Hz),4.96
(1H,bs,2’−CH2b),4.30(1H,b
s,H−3’),3.80(1H,m,H−5’a),
3.44(2H,m,H−4’,5’b),2.23
(2H,q,5−CH2 CH3,J=7.3Hz),1.
02(3H,t,5−CH2 CH3 ,J=7.6Hz) 質量分析(FAB):m/z=285(M+H) 元素分析値:C121624S・1/4H2Oとして C : H : N 理論値(%);49.90:5.76:9.70 測定値(%);49.91:5.75:9.36
【0055】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ1
1.38(1H,bs,3−NH),7.77(1H,
s,H−6),6.59(1H,s,H−1’),5.
65(1H,d,3’−OH,J=4.9Hz),5.
34(1H,s,2’−CH2a),5.17(1H,
t,5’−OH,J=5.1Hz),5.02(1H,
bs,2’−CH2b),4.54(1H,bt,H−
3’J=4.6Hz),3.56(2H,m,H−5’
a,b),3.17(1H,m,H−4’),2.21
(2H,q,5−CH2 CH3,J=7.6Hz),1.
00(3H,t,5−CH2 CH3 ,J=7.3Hz) 質量分析(FAB):m/z=285(M+H) 元素分析値:C121624S・0.6H2Oとして C : H : N 理論値(%);48.83:5.87:9.49 測定値(%);49.23:6.02:9.09
【0056】実施例5:2’−デオキシ−2’−メチリ
デン−4’−チオウリジン[化合物5:式[I]R1
OH,R2=H,R3=H]の合成 実施例1の5)のN4−アセチルシトシンの代わりにウ
ラシルを用い、同様の方法にて表記化合物を得た。 α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ11.38(1
H,bs,3−NH),7.65(1H,d,H−6,
J=8.3Hz),6.52(1H,s,H−1’),
5.86(1H,bd,3’−OH,J=4.9H
z),5.71(1H,d,H−5,J=8.3H
z),5.38(1H,s,2−CH2a),5.02
(1H,bs,5’−OH),4.99(1H,s,
2’−CH2b),4.30(1H,bs,H−
3’),3.81(1H,m,H−5’a),3.45
(2H,m,H−4’,5’b) 質量分析(FAB):m/z=257(M+H) 元素分析値:C101224S・1/2H2Oとして C : H : N 理論値(%);45.27:4.94:10.56 測定値(%);45.16:4.69:10.32
【0057】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ1
1.39(1H,bs,3−NH),7.60(1H,
d,H−6,J=8.3Hz),6.57(1H,s,
H−1’),5.67(1H,m,3’−OH,H−
5),5.36(1H,d,2’−CH2a,J=1.
5Hz),5.12(1H,bt,5’−OH,J=
5.4Hz),5.04(1H,bs,2’−CH
2b),4.52(1H,bs,H−3’),3.57
(1H,m,H−5’a),3.51(1H,m,H−
5’b),3.15(1H,m,H−4’) 質量分析(FAB):m/z=257(M+H) 元素分析値:C101224S・1/4H2Oとして C : H : N 理論値(%);46.06:4.83:10.74 測定値(%);46.23:4.65:10.58
【0058】実施例6:2’−デオキシ−2’−メチリ
デン−4’−チオ−5−ヒドロキシエチルウリジン[化
合物6:式[I]R1=OH,R2=CH2CH2OH,R
3=H]の合成 実施例1の5)のN4−アセチルシトシンの代わりに5
−ヒドロキシエチルウラシルを用い、同様の方法にて表
記化合物を得た。 α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ11.37(1
H,bs,3−NH),7.43(1H,s,H−
6),6.53(1H,s,H−1’),5.83(1
H,d,3’−OH,J=5.9Hz),5.36(1
H,d,2’−CH2a,J=2.0Hz),5.03
(1H,bt,5’−OH,J=5.1Hz),4.9
5(1H,t,2’−CH2b,J=2.0Hz),
4.55(1H,t,5−CH2CH2 OH,J=5.4
Hz),4.28(1H,bs,H−3’),3.85
(1H,m,H−5’a),3.45(4H,m,5−
CH2 CH2 OH,H−4’,5’b),2.36(2
H,t,5−CH2 CH2OH,J=6.3Hz) 質量分析(FAB):m/z=301(M+H) 元素分析値:C121625Sとして C : H : N 理論値(%);47.99:5.37:9.33 測定値(%);47.77:5.32:9.30
【0059】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ1
1.39(1H,bs,3−NH),7.43(1H,
s,H−6),6.59(1H,s,H−1’),5.
65(1H,d,3’−OH,J=5.4Hz),5.
35(1H,s,2’−CH2a),5.14(1H,
t,5’−OH,J=5.4Hz),5.05(1H,
s,2’−CH2b),4.54(2H,m,5−CH2
CH2 OH,H−3’),3.56(2H,m,H−
5’a,b),3.44(2H,m,−CH2 CH2
H),3.16(1H,m,H−4’),2.35(2
H,m,−CH2 CH2OH,J=7.3Hz) 質量分析(FAB):m/z=301(M+H) 元素分析値:C121624Sとして C : H : N 理論値(%);47.99:5.37:9.33 測定値(%);48.03:5.56:9.27
【0060】実施例7:2’−デオキシ−2’−メチリ
デン−4’−チオ−5−ブロモビニルウリジン[化合物
7:式[I]R1=OH,R2=CH=CHBr,R3
H]の合成 実施例1の5)のN4−アセチルシトシンの代わりに5
−ブロモビニルウラシルを用い、同様の方法にて表記化
合物を得た。 α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ11.67(1
H,bs,−NH),7.89(1H,s,H−6),
7.30(1H,d,5−CH=CHBr,J=13.
7Hz),6.98(1H,d,5−CH=CHBr,
J=13.7),6.53(1H,s,H−1’),
5.84(1H,bd,3’−OH,J=5.9H
z),5.36(1H,t,2−CH2a,J=2.0H
z),5.00(2H,m,2−CH2b,5’−O
H),4.28(1H,t,H−3’),3.86(1
H,m,H−5’a),3.56(1H,m,H−
4’),3.46(1H,m,H−5’b) 質量分析(FAB):m/z=361(M+H),36
3(M+H) 元素分析値:C121324SBrとして C : H : N 理論値(%);39.90:3.63:7.76 測定値(%);39.79:3.64:7.39
【0061】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ1
1.69(1H,bs,3−NH),7.89(1H,
s,H−6),7.30(1H,d,5−CH=CH
r,J=13.7Hz),7.00(1H,d,5−
=CHBr,J=13.2Hz),6.57(1H,
s,H−1’),5.65(1H,d,3’−OH,J
=5.4Hz),5.36(1H,s,2−CH2a),
5.17(1H,bt,5’−OH,J=5.6H
z),5.12(1H,s,2−CH2b),4.57
(1H,bt,H−3’,J=4.9Hz),3.70
(1H,m,H−5’a),3.57(1H,m,H−
5’b),3.17(1H,m,H−4’) 質量分析(FAB):m/z=361(M+H),36
3(M+H) 元素分析値:C121324SBrとして C : H : N 理論値(%);39.90:3.63:7.76 測定値(%);39.79:3.73:7.65
【0062】実施例8:2’−デオキシ−2’−メチリ
デン−4’−チオ−5−ヨードウリジン[化合物8:式
[I]R1=OH,R2=I,R3=H]の合成 実施例1の5)のN4−アセチルシトシンの代わりに5
−ヨードウラシルを用い、同様の方法にて表記化合物を
得た。 α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ11.77(1
H,bs,3−NH),8.08(1H,d,H−
6),6.46(1H,s,H−1’),5.84(1
H,bd,3’−OH,J=5.9Hz),5.40
(1H,s,2’−CH2a),5.11(1H,s,
2’−CH2b),5.02(1H,t,5’−OH,J
=5.1Hz),4.32(1H,bt,H−3’,J
=6.4Hz),3.70(1H,m,H−5’a),
3.43(2H,m,H−4’,5’b) 質量分析
(FAB):m/z=383(M+H) 元素分析値:C101124ISとして C : H : N 理論値(%);31.43:2.90:7.33 測定値(%);31.45:2.77:7.38
【0063】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ1
1.78(1H,bs,3−NH),8.10(1H,
s,H−6),6.50(1H,s,H−1’),5.
67(1H,d,3’−OH,J=4.9Hz),5.
34(1H,s,CH2a),5.25(1H,bt,
5’−OH,J=5.3Hz),5.11(1H,s,
CH2b),4.53(1H,bt,H−3’,J=
4.9Hz),3.58(2H,m,H−5’a,5’
b),3.17(2H,m,H−4’) 質量分析(FAB):m/z=383(M+H) 元素分析値:C101124ISとして C : H : N 理論値(%);31.43:2.90:7.33 測定値(%);31.42:2.95:7.30
【0064】実施例9:2’−デオキシ−2’−メチリ
デン−4’−チオ−5−クロロエチルウリジン[化合物
9:式[I]R1=OH,R2=CH2CH2Cl,R3
H]の合成 実施例6で得られた2’−デオキシ−2’−メチリデン
−4’−チオ−5−ヒドロキシエチルウリジン(5−ヒ
ドロキシエチル体)から次の方法で表記化合物を誘導し
た。すなわち、5−ヒドロキシエチル体の混合物(α:
β=2.4:1)180mgにトリフェニルホスフィン
312mg及びジメチルホルムアミド10mlを加えて
アルゴン気流下、室温で20分間反応させた。その後、
四塩化炭素のピリジン溶液(33v/v%)0.26m
lを加えて一晩反応させた。その後、トリフェニルホス
フィン187mgを加えて15分間反応させた後に四塩
化炭素のピリジン溶液(33v/v%)0.16mlを
加えて更に5時間反応させた。反応後、溶媒を留去し、
シリカゲルカラムで精製し、5%メタノール−クロロホ
ルムで溶出されてくる部分を集めて溶媒を留去し、更に
順相HPLC(ヘキサン:ジクロロメタン:エタノール
=10:20:3)で精製し、目的物のα体82mg
(44%)とβ体40mg(21%)を得た。
【0065】α体:1H−NMR(DMSO−d6)δ1
1.52(1H,bs,3−NH),7.59(1H,
s,H−6),6.53(1H,s,H−1’),5.
85(1H,d,3’−OH,J=5.9Hz),5.
36(1H,t,2’−CH2a,J=2.2Hz),
5.02(1H,t,5’−OH,J=4.4Hz),
4.93(1H,t,2’−CH2b,J=2.0H
z),4.28(1H,bt,H−3’,J=6.6H
z),3.85(1H,m,H−5’a),3.69
(2H,m,5−CH2 CH2 Cl,),3.48,(2
H,m,H−4,5’b),2.69(2H,t,5−
CH2 CHCl,J=6.8Hz) 質量分析(FAB):m/z=319(M+H) 元素分析値:C121525SClとして C : H : N 理論値(%);45.21:4.74:8.79 測定値(%);45.44:4.79:8.63
【0066】β体:1H−NMR(DMSO−d6)δ1
1.54(1H,bs,3−NH),7.58(1H,
s,H−6),6.58(1H,s,H−1’),5.
67(1H,d,3’−OH,J=5.4Hz),5.
36(1H,s,2’−CH2a),5.16(1H,
t,5’−OH,J=5.6Hz),5.06(1H,
s,2’−CH2b),4.56(1H,bt,H−
3’),3.68(2H,m,5−CH2 CH2 Cl),
3.62(1H,m,H−5’a),3.54(1H,
m,H−5’b),3.17(1H,m,H−4’),
2.70(2H,m,5−CH2 CH2Cl) 質量分析(FAB):m/z=319(M+H) 元素分析値:C121524SClとして C : H : N 理論値(%);45.21:4.74:8.79 測定値(%);44.97:4.76:8.56
【0067】製剤例1:錠剤 本発明化合物 30.0mg 微粉末セルロース 25.0mg 乳糖 39.5mg スターチ 40.0mg タルク 5.0mg ステアリン酸マグネシム O.5mg 上記組成から常法によって錠剤を調製する。
【0068】製剤例2:カプセル剤 本発明化合物 30.0mg 乳糖 40.0mg スターチ 15.0mg タルク 5.0mg 上記組成から常法によってカプセル剤を調製する。
【0069】製剤例3:注射剤 本発明化合物 30.0mg グルコース 100.0mg 上記組成を注射用精製水に溶解して注射剤を調製する。
【0070】試験例 以下の各試験に用いた本発明化合物は、特に断らない限
りβ体である。また、試験例1及び2において、試験薬
剤としては、本発明化合物の2’−デオキシ−2’−メ
チリデン−4’−チオチミジン(以下、4’−S−DM
DTと称す)および2’−デオキシ−2’−メチリデン
−4’−チオシチジン(以下、4’−S−DMDCと称
す)、公知化合物の2’−デオキシ−2’−メチリデン
チオチミジン(以下、DMDTと称す)および2’−デ
オキシ−2’−メチリデンチオシチジン(以下、DMD
Cと称す)、陽性対照薬剤としてアシクロビル、ガンシ
クロビル、構造類似対照薬剤として1−β−D−アラビ
ノフラノシルチミン(以下、アラTと称す)をそれぞれ
使用した。宿主細胞として、ヒト胎児肺由来線維芽細胞
を用いた。ウイルスとしては、HSV−1はVR−3/
N−34株、HCMVはAD169株を用いた。また、
試験方法は、既報のプラーク減少法(Machida, H. et a
l.,1993, Antiviral Chem. Chemother., 4, p11-17、町
田治彦,1990,化学療法学会誌,38,p256-261)に準じ
て行った。
【0071】試験例1;4’−S−DMDTのHSV−
1に対する抗ウイルス活性試験 (試験方法) 1.ヒト胎児肺由来線維芽細胞を10%準胎児牛血清
(三菱化学)に添加、イーグルMEM中で4日毎に1:
2〜4スプリット継代培養する。 2.親細胞から1:2のスプリットで得た細胞浮遊液を
2ml/wellの割合で12穴マルチウェルに播き、
炭酸ガスインキュベーター内で37℃4日間培養する。 3.培養液を捨て、50〜100PFUのウイルス(H
SV−1)を含む250μlの血清無添加イーグルME
Mを接種し、37℃で1時間ウイルスを吸着させる。
【0072】4.ウイルスを除去し、被検薬(4’−S
−DMDT、DMDT、アラT、アシクロビル)を含む
2.5%血清添加イーグルMEM、0.4%メチルセル
ロース含有培地を加え、炭酸ガスインキュベーター内に
て37℃で4日間培養する。通常、被検薬は1/2lo
10段階希釈し、濃度は最大32μg/mlとする。 5.同じ濃度の被検薬を含む2.5%血清添加イーグル
MEM、0.4%メチルセルロース含有培地に交換し、
さらに4〜5日間培養する。 6.培養液を捨て0.5%クリスタルバイオレット液で
染色し、透過型実体顕微鏡下で各wellのプラーク数
を数え、下記式によりプラーク形成阻害率を求める。 7.プラーク形成阻害率を被検薬の濃度(対数表示)に
対してグラフ上にプロットし、用量−プラーク形成阻害
曲線から、50%および90%阻害率を示す被検薬の濃
度(ED50およびED90)を求める。
【0073】
【式1】
【0074】(試験結果)試験結果をCCRF−HSB
−2細胞を用いた細胞増殖阻害作用とともに表1に示
す。表1より、4’−S−DMDTに強い抗HSV−1
活性が認められ、DMDTと比較して細胞増殖抑制作用
が減弱し、HSV−1に対する選択性が著しく高まった
ことが示された。なお、表中、ID50は細胞の増殖を5
0%阻止する濃度を表す。
【0075】
【表1】
【0076】試験例2;4’−S−DMDCのHCMV
に対する抗ウイルス活性試験 (試験方法) 1.HSV−1に対する抗ウイルス活性試験と同様にヒ
ト胎児肺由来線維芽細胞を12穴マルチウェルに播き、
炭酸ガスインキュベーター内で37℃4日間培養する。 2.培養液を捨て、50〜100PFUのウイルス(H
CMV)を含む750μlの5%血清添加イーグルME
Mを接種し、37℃で1時間ウイルスを吸着させる。
【0077】3.ウイルスを除くことなく、等量の被検
薬(4’−S−DMDC、DMDC、ガンシクロビル)
を含むハンクスMEMを加え、炭酸ガスインキュベータ
ー内にて37℃で4日間培養する。通常、被検薬は1/
2log10段階希釈し、濃度は最大50μg/mlとす
る。 4.同じ濃度の被検薬を含む2.5%血清添加イーグル
MEM、0.4%メチルセルロース含有培地に交換し、
さらに4〜5日間培養する。 5.培養液を捨てMay-Gruenwald's-Giemsa(×10)で染色
し、透過型実体顕微鏡下で各wellのプラーク数を数
え、HSV−1に対する抗ウイルス活性試験と同様にプ
ラーク形成阻害率を求める。
【0078】(試験結果)試験の結果、4’−S−DM
DC、DMDCおよびガンシクロビルのED50はそれぞ
れ0.0036μg/ml、0.04μg/ml、0.
49μg/mlであり、4’−S−DMDCに強い抗H
CMV活性が認められた。
【0079】試験例3:各種化合物の抗ウイルス活性 (1)抗HSV−1活性および抗HSV−2活性 1.ヒト胎児肺由来線維芽細胞を10%準胎児牛血清
(三菱化学)に添加、イーグルMEM中で4日毎に1:
2〜4スプリット継代培養する。 2.親細胞から1:2のスプリットで得た細胞浮遊液を
2ml/wellの割合で12穴マルチプレートに播
き、炭酸ガスインキュベーター内で37℃4〜5日間培
養する。 3.培養液を捨て、50〜150PFUのHSV−1
VR−3株またはHSV−2 MS株を含むハンクスM
EM(250μl)を接種し、37℃で30分間ウイル
スを吸着させた後、ウイルス液を捨てる。
【0080】4.被検薬を含む2.5%血清添加イーグ
ルMEM、0.8%メチルセルロース含有培地を加え、
炭酸ガスインキュベーター内にて37℃で2〜3日間培
養する。通常、被検薬は1/2log10段階希釈し、濃
度は最大10μg/mlとする。 5.培養液を捨て、0.5%クリスタルバイオレット液
で染色し、透過型実体顕微鏡下で各ウエルのプラーク数
を数え、試験例1と同じ式によりプラーク形成阻害率を
求める。 6.プラーク形成阻害率を被検薬の濃度(対数表示)に
対してグラフ上にプロットし、用量−プラーク形成阻害
曲線から50%阻害率を示す被検薬の濃度(ED50)を
求める。その結果を対照化合物の結果と併せて下記表に
示す。
【0081】
【表2】
【0082】(2)抗水痘−帯状疱疹ウイルス(VZ
V)活性 1.ヒト胎児肺由来線維芽細胞を10%準胎児牛血清
(三菱化学)に添加、イーグルMEM中で4日毎に1:
2〜4スプリット継代培養する。 2.親細胞から1:2のスプリットで得た細胞浮遊液を
2ml/wellの割合で12穴マルチプレートに播
き、炭酸ガスインキュベーター内で37℃4〜5日間培
養する。 3.培養液を捨て、50〜100PFUのVZV Ok
a株を含む750μlの5%血清添加イーグルMEMを
接種し、37℃で1時間ウイルスを吸着させた。
【0083】4.ウイルスを除くことなく、等量の被検
薬を含むハンクスMEMを加え、炭酸ガスインキュベー
ター内にて37℃で培養する。通常、被検薬は1/2l
og 10段階希釈し、濃度は最大50μg/mlとする。 5.4〜5日間培養後、培養液を捨て、0.5%クリス
タルバイオレット液で染色し、透過型実体顕微鏡下で各
ウエルのプラーク数を数え、試験例1と同じ式によりプ
ラーク形成阻害率を求める。 6.プラーク形成阻害率を被検薬の濃度(対数表示)に
対してグラフ上にプロットし、用量−プラーク形成阻害
曲線から50%阻害率を示す被検薬の濃度(ED50)を
求める。その結果を対照化合物の結果と併せて下記表に
示す。
【0084】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[I]で表される2’−デオキシ−
    2’−メチリデン−4’−チオピリミジンヌクレオシド
    化合物。 【化1】 (式中、R1はアミノ基または水酸基を示し、R2は水
    素、ハロゲン、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケ
    ニル、ハロゲン化アルケニルまたはアルキニルを示し、
    3は水素またはリン酸残基を示す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物を有効成分として
    含有する抗ウイルス剤。
JP8020413A 1995-07-14 1996-01-11 2’−デオキシ−2’−メチリデン−4’−チオピリミジンヌクレオシド及び抗ウイルス剤 Pending JPH0987295A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5811408A (en) * 1994-07-12 1998-09-22 Yamasa Corporation 2'-deoxy-2'-(substituted or unsubstituted)methylidene-4'-thionucleosides

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