JPH0625278A - 1−(β−D−エリスロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピリミジン誘導体 - Google Patents

1−(β−D−エリスロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピリミジン誘導体

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JPH0625278A
JPH0625278A JP5017981A JP1798193A JPH0625278A JP H0625278 A JPH0625278 A JP H0625278A JP 5017981 A JP5017981 A JP 5017981A JP 1798193 A JP1798193 A JP 1798193A JP H0625278 A JPH0625278 A JP H0625278A
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彰 松田
Toru Ueda
亨 上田
Kenji Takenuki
健二 竹貫
Haruhiko Machida
治彦 町田
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、2’−アルキリデンピリミジンヌ
クレオシド誘導体の製造上重要な合成中間体である1−
(β−D−エリスロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピ
リミジン誘導体を提供することを目的とする。 【構成】 式[II]で表される1−(β−D−エリス
ロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピリミジン誘導体に
関する。 【化1】 (式中、R2は水素原子、ハロゲン原子または低級アル
キル基、R5はアルコキシル基、アミノ基または水酸
基、Zは保護基を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2’−アルキリデンピ
リミジンヌクレオシド誘導体の製造に合成中間体として
有用な新規化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、種々のウイルス感染症の病原ウイ
ルスに関する研究が進むにつれ、その予防薬や治療薬の
開発が注目を集めている。従来、化学療法における抗ウ
イルス剤としてはイドクスウリジン、シタラビン、ビダ
ラビン、アシクロビルが臨床の場に供されており(たと
えば水島 裕、宮本昭正共著、1986年版・今日の治
療薬・解説と便覧、第47〜50頁、1986年3月1
0日発行、南江堂参照)、これ以外にも各種の抗ウイル
ス活性ヌクレオシドの医薬としての開発が進められてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記薬
剤は、抗ウイルス活性スペクトル、低吸収性、難溶解
性、易分解性、薬剤耐性ウイルス株の出現、種々の副作
用などにより臨床面での利用が制限されるなどの問題が
あるものが多い。このため、新規な抗ウイルス剤の開発
が強く要望されていた。このような状況下、本発明者ら
は2’−アルキリデンピリミジンヌクレオシド誘導体が
優れた抗ウイルス活性を有することを見いだした。した
がって、本発明は、優れた抗ウイルス活性を有する2’
−アルキリデンピリミジンヌクレオシド誘導体の製造に
合成中間体として有用な新規化合物を提供することを目
的とする。
【0004】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、2’−ア
ルキリデンピリミジンヌクレオシド誘導体の合成ルート
に関して種々検討した結果、1−(β−D−エリスロ−
ペントフラン−2−ウロシル)ピリミジン誘導体が2’
−アルキリデンピリミジンヌクレオシド誘導体の製造に
有用であることを見いだし、本発明を完成させた。した
がって、本発明は、下記式[II]で表される1−(β
−D−エリスロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピリミ
ジン誘導体(以下、本発明の合成中間体と称することも
ある)に関するものである。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R2は水素原子、ハロゲン原子ま
たは低級アルキル基、R5はアルコキシル基、アミノ基
または水酸基、Zは保護基を示す)以下、本発明につい
て詳述する。
【0007】本発明の合成中間体である1−(β−D−
エリスロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピリミジン誘
導体は前記式[II]で表わされ、該式中のR2および
5は前記定義のとおりである。R2 で表わされる低級
アルキル基とは炭素数1〜3のアルキルであり、具体的
にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどが挙
げられる。R2 のハロゲン原子としては塩素、フッ素、
臭素およびヨウ素が挙げられる。R5 で表わされるアル
コキシル基とは炭素数1〜3の低級アルコキシルであ
り、具体的にはメトキシ、エトキシ、プロポキシなどが
挙げられる。Zの保護基としては、通常のヌクレオシド
の水酸基の保護基として使用されるものであればよく、
たとえばアセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイ
ルなどのアシル基、ベンジリデンなどのアルキリデン
基、トリチルなどのアリールアルキル基、テトライソプ
ロピルジシロキシル(TIPDS)、t−ブチルジメチ
ルシリルなどのシリル基が例示できる。
【0008】本発明の合成中間体は公知の方法を応用し
て合成することができ、たとえば、R5 がアルコキシル
基である化合物は次のような反応経路により調製するこ
とが可能である。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R5’はアルコキシル基、R2およ
びZは前記と同意義。)すなわち、式(A)で表わされ
るウリジン類の糖部水酸基を保護した後、塩基部4位を
ハロゲン化剤によりハロゲン化し、次いでこれにアルコ
キシドを反応させてアルコキシル基を導入し、一般式
(B)化合物を得る。一般式(B)で表わされるN4
アルコキシ体の糖部3’および5’位を保護した後、糖
部2’位水酸基を酸化することにより目的とする化合物
を得ることができる。
【0011】ハロゲン化反応における水酸基の保護基と
しては、ハロゲン化反応の障害にならないものであれば
特に限定されず、アシル基、アルキリデン基、アリール
アルキル基など通常の水酸基の保護基が適用されるの
が、特に酸の存在により脱離しない保護基、たとえばア
シル基が好ましい。たとえばアシル保護反応は常法によ
って行なえばよく、一般式(A)化合物に反応溶媒(た
とえばピリジン、ピコリン、ジエチルアニリン、ジメチ
ルアミノピリジン、ジメチルホルムアミド、アセニトリ
ル、テトラブチルアミン、トリエチルアミンなどの単独
または混合溶媒)中でアシル化剤(たとえば、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、安息香酸、置換安息香酸などの酸無
水物もしくはそれらの酸塩化物など)を3〜10倍モ
ル、反応温度0〜50℃で反応させることにより実施す
ることができる。
【0012】ハロゲン化反応は、不活性溶媒(たとえ
ば、クロロホルム、塩化メチレンなど)中、ハロゲン化
剤を作用させる方法により行うことができる。ハロゲン
化剤としては塩化チオニル、臭化チオニル、オキシ塩化
リンなどを適用することができ、必要に応じてジメチル
スルホキシドなどの有機溶媒溶液として使用してもよ
い。使用量は一般式(A)化合物1モルに対して1〜5
モル程度である。反応は、加熱還流下で行えばよい。
【0013】アルコキシル基の導入反応は、保護基を有
する一般式(A)のN4 −ハロゲノ体に反応溶媒(たと
えば、メタノール、エタノール、プロパノールなどのア
ルコール類)中でアルコキシド(たとえば、ナトリウム
メトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシドな
ど)を1〜5倍モル程度加熱反応させることにより実施
することができる。3’位および5’位の保護基として
は、前記のハロゲン化反応で使用されるものと同一のも
のでよく、好ましくはシリル保護基であり、特にTIP
DS基が好適である。シリル化保護を例にして説明すれ
ば、シリル化剤の使用量は一般式(B)化合物1モルに
対して1〜3モルの範囲から適宜選定でき、反応条件は
前述のアシル化反応と同様の条件を採用できる。
【0014】2’位水酸基の酸化方法としては、クロム
酸−ピリジン−無水酢酸の複合体などを用いるクロム酸
酸化(A法)もしくは、塩化オキサリル−ジメチルスル
ホキシドなどにより生じる活性化ジメチルスルホキシド
を用いる活性化ジメチルスホキシド酸化(B法)などを
採用することができる。反応は、A法の場合−10℃〜
室温、B法の場合−70〜−10℃で1〜10当量の酸
化剤の存在下に実施することができる。
【0015】また、R5 が水酸基またはアミノ基である
化合物も、たとえば次のような反応経路により調製する
ことが可能である。
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R5”は水酸基またはアミノ基、
2およびZは前記と同意義。)すなわち、一般式
(A)で表わされるウリジン類の糖部3’および5’位
水酸基を保護した後、糖部2’位水酸基を酸化すること
により目的とする化合物を得ることができる。3’およ
び5’位水酸基の保護化反応および2’位水酸基の酸化
反応は、上述の反応と同様な方法にて実施することがで
きる。
【0018】このようにして得られる本発明の合成中間
体は、通常のヌクレオシドの分離精製手段を用いて単離
精製することができ、たとえば溶媒を留去後、カラムク
ロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン等の適当な有機
溶媒にて結晶化することができる。
【0019】本発明の合成中間体から抗ウイルス剤とし
て有用な2’−アルキリデンピリミジンヌクレオシド誘
導体は、下記の第1〜3工程よりなる方法により調製す
ることができる。 第1工程;下記一般式〔II〕で表わされる化合物の糖
部2’位をウィッティヒ試薬によりアルキリデン化し、
下記一般式〔III〕で表わされる化合物を得る工程
(式中、 R2は水素原子、ハロゲン原子または低級アル
キル基、R3は水素原子または低級アルキル基、R5
アルコキシル基、水酸基またはアミノ基、Zは保護基を
示す)
【0020】
【化5】
【0021】第2工程;下記一般式〔III〕で表わさ
れる化合物の糖部保護基を脱離させ、下記一般式〔I
V〕で表わされる化合物を得る工程(式中、R2、R3
5 およびZは前記と同意義)
【0022】
【化6】
【0023】第3工程;下記一般式〔IV〕で表わされ
る化合物を、R5 がアルコキシル基の場合は塩基部4位
を加水分解またはアミノ化した後、所望によりさらに糖
部5’位をリン酸化することにより下記一般式〔I〕で
表わされる化合物を得る工程(式中、R1 はアミノ基ま
たは水酸基、R4は水素原子またはリン酸残基、R2、R
3およびR5は前記と同意義)
【0024】
【化7】
【0025】アルキリデン化反応に使用するウィッティ
ヒ試薬は、式 (C653P=CH−R3(式中、R3
水素原子または低級アルキル基を示す)で表わされるア
ルキリデンホスホランであり、具体的にはトリフェニル
ホスフィンメチレン、トリフェニルホスエチレン、トリ
フェニルホスフィンプロピレンなどが用いられる。反応
に使用するウィッティヒ試薬は、使用直前に式[(C6
53+−CH2−R3]X-(式中、R3 は前記と同意
義、X-はBr-、I-などのハロゲンイオンを示す)で
表わされるトリフェニルホスホニウム化合物(たとえば
臭化メチルトリフェニルホスホニウム、ヨウ化メチルト
リフェニルホスホニル、臭化エチルトリフェニルホスホ
ニウムなど)と強アルカリ(たとえば、水素化カリウ
ム、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム、ナトリウ
ムメトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム
アミドなど)から常法に従って調整したものを使用する
のが好ましい。ウィッティヒ試薬の使用量は本発明の合
成中間体1モルに対して1〜3モルから適宜選定でき
る。アルキリデン化反応は、溶媒(たとえばテトラヒド
ロフラン、ジオキサン、エーテル、ベンゼン、ジメチル
スルホキシドなどの単独もしくは混合溶媒)中、本発明
の合成中間体とウィッティヒ試薬とを室温にて反応させ
ることにより実施することができる。
【0026】脱保護反応は、使用した保護基に応じた酸
性加水分解、アルカリ性加水分解、フッ化アンモニウム
処理、接触還元などの通常の処理を適宜選定して行なえ
ばよい。R5 がアルコキシル基である場合のアミノ化反
応は常法に従って行えばよく、たとえば封管中でメタノ
ール性アンモニアを反応させることにより行なうことが
できる。反応温度は50〜150℃である。また、加水
分解反応も常法に従って行えばよく、特に酸性加水分解
が好ましい。さらに、糖部5’位がリン酸残基である化
合物を目的とする場合には、上述のアミノ化反応もしく
は、加水分解反応終了後、オキシ塩化リン、テトラクロ
ロピロリン酸などの通常のヌクレオシドの5’位の選択
的リン酸化に使用するリン酸化剤と反応させて常法によ
り遊離酸型または塩型とすることができる。
【0027】2’−アルキリデンピリミジンヌクレオシ
ド誘導体の単離精製は、ヌクレオシドまたはヌクレオチ
ドの通常の単離精製に使用させられる方法を適宜組み合
わせることにより行うことができる。たとえば、ヌクレ
オシド体の場合には溶媒留去後、エタノール等の適当な
溶媒から結晶化すればよく、必要に応じ塩型として得る
こともできる。ヌクレオチド体の場合にはイオン交換樹
脂などのイオン交換カラムクロマトグラフィー、活性炭
などの吸着カラムクロマトグラフィーなどにより精製
し、凍結乾燥または結晶化により遊離酸型を得ることが
でき、必要に応じて塩型として得ることもできる。
【0028】このようにして調製した2’−アルキリデ
ンピリミジンヌクレオシド誘導体は、下記一般式[I]
で表わされるものであり、該一般式におけるR1、R2
3およびR4 は下記定義のとおりである。R2およびR
3の低級アルキル基の具体例としては、炭素数1〜3の
低級アルキン基、さらに具体的にはメチル、エチル、プ
ロピル、インプロピルなどが挙げられる。また、R2
ハロゲン原子の具体例としては塩素、フッ素、臭素、ヨ
ウ素などが挙げられる。
【0029】
【化8】
【0030】(式中、R1はアミノ基または水酸基、R2
は水素原子、ハロゲン原子または低級アルキル基、R3
は水素原子または低級アルキル基、R4は水素原子また
はリン酸残基を示す)このような化合物の代表例として
は、たとえば2’−メチリデン−2’−デオキシウリジ
ン、2’−メチリデンチミジン、2’−エチリデンチミ
ジン、2’−メチリデン−2’−デオキシシチジン、
2’−メチリデン−2’−デオキシ−5−フルオロウリ
ジン、2’−メチリデン−2’−デオキシ−5−クロロ
ウリリジン、2’−メチリデン−2’−デオキシ−5−
ブロモウリジン、2’−メチリデン−2’−デオキシ−
5−ヨードウリジンなどのヌクレオシドおよびこれらの
5’−りん酸エステルが挙げられる。
【0031】該化合物は塩の形態も包含するものであ
り、かかる塩としては、たとえば前記一般式[I]のR
4 が水素原子であるものの場合には塩酸塩または硫酸塩
などの酸付加塩、R4 がリン酸残基である場合にはナト
リウム塩、カリウム塩またはリチウム塩などのアルカリ
金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩もしく
はアンモニウム塩などの薬学的に許容される任意の塩が
例示される。
【0032】2’−アルキリデンピリミジンヌクレオシ
ド誘導体は、ウイルス、特に単純ヘルペスウイルス、サ
イトメガロウイルスなどのヘルペスウイルス科の属する
ウイルスに対して抗ウイルス活性を有し、これらのウイ
ルスによりもたらされる感染症の予防、治療に有用であ
る。その中でも特に、一般式[I]中のR2 が水素原
子、ハロゲン原子またはメチル基、R3 が水素原子であ
る化合物群が単純ヘルペスウイルス(HSV)に対して
強力な抗ウイルス活性を有している。
【0033】薬剤の有効成分としての2’−アルキリデ
ンピリミジンヌクレオシド誘導体の投与量は、患者の重
篤度、薬物に対する忍容性などにより異なり、最終的に
は医師の判断により決定されるべきものではあるが、通
常成人1日当り0.1〜10g、好ましくは0.2〜5
gであり、これを1回または分割して投与する。投与方
法は投与ルートに適した任意の形態をとることができ
る。
【0034】2’−アルキリデンピリミジンヌクレオシ
ド誘導体を含有する製剤組成物は任意所要の製薬用担体
または補助剤により慣用の方法で投与に供される。たと
えば経口投与用の組成物製剤である場合には、消化管か
らの吸収に好適な形態で提供され、錠剤、カプセル剤、
散剤、糖衣錠、顆粒剤などの固形型、シロップ剤、懸濁
剤、エリキシル剤などの液剤として調製すればよい。固
定剤の場合、シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソル
ビット、トラガカント、ポリビニルピロリドンなどの結
合剤、乳糖、砂糖、コーンスターチ、りん酸カルシウ
ム、ソルビット、グリシンなどの賊形剤、ステアリン酸
マグネシウム、タルク、ポリエチエングリコール、シリ
カなどの潤滑剤、馬鈴薯でんぷんなどの崩壊剤、湿潤
剤、安定化剤、矯味剤などの補助剤を製剤学的配慮によ
り選択使用して製剤化することができる。液剤の場合
は、補助剤として必要に応じてソルビットシロップ、メ
チルセルロース、グリコース/糖シロップ、ゼラチン、
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ステアリン酸アルミニウムゲル、水素化食用脂な
どの懸濁化剤、乳化剤、p−ヒドロキシ安息香酸メチ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸など
の防腐剤を用いることができる。また、注射投与用の組
成物製剤を調製する場合、2’−アルキリデンピリミジ
ンヌクレオシド誘導体に必要によりpH調整剤、緩衝
剤、安定化剤、保存剤、可溶性化剤などを添加し、常法
により、皮下、筋肉内、静脈内注射剤とする。
【0035】以下に、2’−アルキリデンピリミジンヌ
クレオシド誘導体の抗HSV作用および抗CMV作用に
ついての試験方法および結果を以下に述べる。 試験方法(HSV) A.ヒト胎児肺由来細胞をイーグルMEM培地(10%
準胎児血清添加)で継代培養する。 B.上記継代培養したものを親培養とし、これを2倍に
希釈した細胞懸濁液を150μl/ウエルの割合で96
穴ミクロウエルに播き、炭酸ガスインキュベーター内で
37℃、4〜5日間培養する。 C.培養液を捨て、50%組織培養感染量の100〜3
20倍(100〜320TCID50)のHSVタイプ1
(HSV−1)VR−3株またはHSVタイプ2(HS
V−2)MS株を接種する。37℃、1時間インキュベ
ートした後、ウイルス液は捨て、適当濃度の被験化合物
を含むイーグルMEM培地(2.5%準胎児血清添加)
150μlを加えて37℃で培養する。被験化合物は通
常100〜1μg/mlの範囲で0.5log10倍段
階希釈して試験に供す。 D.2〜3日間培養後、被験化合物を含まない対照がウ
イルス感染により完全に細胞が変性した時点で顕微鏡下
各ウエルの細胞変性効果(CPE)の程度を観察し、ス
コアー0〜4をつける。 E.CPEを50%以上阻止(CPEスコア2以下)す
る最少濃度を被験化合物の最少有効濃度(MIC)とす
る。
【0036】試験方法(CMV) A.ヒト胎児肺由来細胞をイーグルMEM培地(10%
準胎児血清添加)で継代培養する。 B.上記継代培養したものを親培養とし、これを2倍に
希釈した細胞懸濁液を150μl/ウエルの割合で24
穴セミミクロウエルに播き、炭酸ガスインキュベーター
内で37℃、4〜5日間培養する。C.培養液を捨て、
約50プラークホーミングユニットCMV AD169
株を接種する。37℃、1時間インキュベートした後、
適当濃度の被験化合物を含むイーグルMEM培地(2.
5%準胎児血清添加)400μlを加えて37℃で培養
する。被験化合物は通常100〜1μg/lの範囲で
0.5log10倍段階で希釈して試験に供す。 D.4〜6日間培養後、感染細胞を0.5%クリスタル
バイオレット染色液で染色し、形成されたプラーク数を
顕微鏡下で計算する。 E.被験化合物無添加の対照群におけるプラーク数に対
して、プラーク形成数を50%以上阻止する最少濃度を
被験化合物の最少有効濃度(MIC)とする。
【0037】
【表1】
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例、応用例をあげて本発
明を具体的に説明する。 実施例1:1−(3,5−O−TIPDS−β−D−エ
リスロペントフラン−2−ウロシル)−4−エトキシ−
2−ピリミジノン(式[II]、R2=H、R5=OC2
5、Z(3’)−Z−(5’)=TIPDS)の合成 2’,3’,5’−トリ−O−アセチルウリジン3.3
5gをクロロホルム50mlに溶解させ、塩化チオニル
8.1mlおよびジメチルホルムアミド0.5mlを加
え、6時間30分還流した後、減圧下乾固させた。残渣
をエタノール20mlに溶解させ、1規定のナトリウム
エトキシド30ml加え、2時間還流した後、1規定の
塩酸で中和し、析出した塩を濾別して溶液を濃縮乾固し
た。これをシリカゲルカラム(4×31cm)に吸着さ
せ、目的化合物含有画分を16%エタノールクロロホル
ムで溶出し、溶媒を留去して目的物の粗結晶を得た。こ
れをエタノールより再結晶して4−O−エチルウリジン
2.08g(収率84.2%)を得た。
【0039】融点:136〜137.5℃ 元素分析値:C111626 ・1/3 H20として 計算値C:46.97%,H:6.09%,N:9.9
6%,O:36.98% 実測値C:46.91%,H:6.02%,N:9.9
8%,O:37.09%
【0040】4−O−エチルウリジン7.04gをピリ
ジン80mlに溶解させ、氷冷してから1,1,3,3
−ジクロロテトライソプロピルジシロキサン9.57g
を加え、室温で4時間30分攪拌反応させた。氷水を加
え、溶媒を留去し、残渣をクロロホルム−水で分配し、
クロロホルム層を乾燥後、溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラム(10×130cm)に吸着させ、40%酢
酸エチル−ヘキサンで溶出された部分を集めて濃縮し、
3’,5’−O−TIPDS体12.3gを得た。次に
塩化オキサリル2.7mlを塩化メチレン40mlに溶
解させ、−70℃に冷却した。これにアルゴン気流下、
塩化メチレン20mlに溶解させたジメチルスルホキシ
ド4.8mlを20分間かけて滴下し、その後30分間
攪拌した。これに塩化メチレン50mlに溶解させた上
記3’,5’−O−TIPDS体(12.3g)を滴下
し、−70℃で2時間攪拌した後、トリエチルアミン2
0mlを加えてさらに1時間攪拌した。この反応液を室
温に戻し、水を加えて分配し、塩化メチレン層を分取し
て溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルに溶解させ、水と分
配した。酢酸エチル層を濃縮乾固し、シリカゲルカラム
(5×28cm)に吸着させ、20%酢酸エチル−n−
ヘキサンで溶出される目的物質を含む画分を集め、溶媒
留去後n−ヘキサンから結晶化して目的物質10.2g
(収率72.1%)を得た。
【0041】融点:157.5〜159℃ 元素分析:C204027Si2 として 計算値:C:53.87%,H=7.86%,N=5,
46% 実測値:C:53.73%,H:7.87%,N:5.
57%
【0042】応用例1:2’−メチリデン−2’−デオ
キシシチジンの塩酸塩の製造 水素化カリウム232mgをアルゴン気流下ジメチルス
ルホキシド2.4mlに加え、室温で40分間攪拌し
た。臭化メチルトリフェニルホスホニウム2.2gをジ
メチルスルホキシド8mlに溶解させ、これに氷冷下ア
ルゴン気流中上記の水素化カリウム−ジメチルスルホキ
シド混合物を滴下し、10分攪拌した。これに上記の1
−(3,5−O−TIPDS−β−D−エリスロペント
フラン−2−ウロシル)−4−エトキシ−2−ピリミジ
ノンの結晶1.02gをジメチルスルホキシド10ml
に溶解させたものをアルゴン気流下で滴下し、氷冷下2
時間攪拌した。これに1規定の塩化アンモニウム水溶液
10ml加え、さらに酢酸エチル50ml、水40ml
加え分配した。有機層を減圧下濃縮してシリカゲルカラ
ム(2.4×30cm)に吸着させ、n−ヘキサン−酢
酸エチル混合溶媒で溶出し、2’−メチリデン化された
化合物を得た。上記で得られた化合物320mgをテト
ラヒドロフラン10mlに溶解させ、フッ化トリn−ブ
チルアンモニウム1mlを加え、室温10分間攪拌し
た。酢酸で中和酸で中和後シリカゲルカラム(2.4×
12cm)に吸着させ、クロロホルム−エタノールで溶
出し、目的物を含む溶出画分を集めて脱保護された2’
−メチリデン−4−O−エチル体155mg(収率30
%)を得た。
【0043】融点:157.5〜159℃ 元素分析値:C121625 として 計算値:C:53.72%,H:6.01%,N:1
0.44% 実測値:C:53.80%,H:5.99%,N:1
0.37%
【0044】2’−メチリデン−4−O−エチル体15
0mgを氷冷下アンモニア飽和メタノール溶液10ml
に溶解させ、封管に入れ100℃、2日間加熱した。放
冷後、2規定の塩酸2mlを加え濃縮し、エタノール−
水から結晶化して標記の化合物125mg(収率81.
7%)を得た。 融点:148〜155℃(分解点) 元素分解:C101334・HCl・1/2H2O 計算値:C:42.14%,H:5.31%,N:1
4.74% 実測値:C:42.55%,H:5.26%,N:1
4.69%
【0045】実施例2:1−(3,5−O−TIPDS
−β−D−エリスロペントフラン−2−ウロシル)チミ
ン(式[II]、R2=CH3、 R5=水酸基、Z
(3’)−Z(5’)=TIPDS)の合成 5−メチルウリジン4.13gをピリジン50mlに溶
解させ氷冷下1,1,3,3−ジクロロテトライソプロ
ピルジンシロキサン5.57gを加え、室温で6時間攪
拌した。これに少量の水を加え、30分間攪拌後、減圧
下濃縮乾固した。残渣をクロロホルム−水で分配し、有
機層を濃縮後シリカゲルカラム(5×21cm)に吸着
させ、2%エタノール−クロロホルムの溶出画分より
3’,5’−保護体を得た。一方、塩化オキサリル1.
7mlを塩化メチレン40mlに溶解させ、−70℃に
冷却し、アルゴン気流下ジメチルスルホキシド3mlと
塩化メチレン20ml混合液を滴下し、さらに30分間
攪拌した。この溶液に上記の3’,5’−保護体8.0
4gを塩化メチレン50mlに溶解させたものを滴化
し、さらに−70℃で2時間攪拌した。これにトリエチ
ルアミン6.6mlを滴化して1時間半攪拌後、室温に
もどし、クロロホルムと水を加えて分配し、有機層を減
圧下濃縮乾固し、シリカゲルカラム(4×28cm)に
展開し、40%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出される
画分を濃縮し、n−ヘキサンより結晶化して目的化合物
6.68g(収率83.2%)を得た。
【0046】融点:168〜170℃ 元素分析:C223827Si2 として 計算値:C:52.98%,H:7.68%,N:5.
62% 実施値:C:52.93%,H:7.71%,N:5.
61%
【0047】応用例2:2’−メチリデンチミジンの製
造 水素化カリウム455mgをアルゴン気流下ジメチルス
ルホキシド5mlに加え、室温で50分間攪拌した。一
方、臭化メチルトリフェニルホスホニウム4.28gを
ジメチルスルホキシド10mlに溶解させ、この溶液に
上記の水素化カルウムを含む溶液を氷冷下滴下し、さら
に20分間攪拌した。この溶液に上記の1−(3,5−
O−TIPDS−β−D−エリスロペントフラン−2−
ウロシル)チミン1.5gをテトラヒドロフラン5ml
とジメチルスルホキシド5mlの混合溶媒に溶解させた
ものを滴下し、室温で10時間攪拌した。次に反応液を
1規定の塩化アンモニウムで中和後、これに酢酸エチル
120ml、水120mlを加え分配し、有機層を濃縮
乾固して残渣をシリカゲルカラム(2.4×24cm)
に展開し、20%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出され
る画分を集め、2’−メチリデン体を得た。これをテト
ラヒドロフラン10mlに溶解させ、フッ化テトラn−
ブチルアンモニウム/テトラヒドロフラン1モル溶液1
mlを加え室温で10分間攪拌し脱保護した。次に、酢
酸で中和後、減圧下濃縮乾固してシリカゲルカラム
(2.4×14cm)に展開し、7%エタノール−クロ
ロホルム溶液で溶出される画分を集め、濃縮して2’−
メチリデンチミジンの結晶性粉末257mg(収率85
%)を得た。
【0048】融点:161〜162℃ 元素分析:C111425 として 計算値:C:49.58%,H:5.83%,N:1
1.57% 実測値:C:49.46%,H:5.91%,N:1
1.48%
【0049】応用例3:2’−エチリデンチミジンの製
造 水素化カリウム455mgをアルゴン気流下ジメチルス
ルホキシド5mlに加え、室温で50分間攪拌した。一
方、臭化エチルトリフェニルホスホニウム4.44gを
ジメチルスルホキシ10mlに溶解させ、この溶液に上
記の水素化カリウムを含む溶液を氷冷下滴下し、さらに
20分間攪拌した。この溶液に実施例2で得られた1−
(3,5−O−TIPDS−β−D−エリスロペントフ
ラン−2−ウロシル)チミン1.5gをテトラヒドロフ
ラン5mlとジメチルスルホキシド5mlの混合溶媒に
溶解させたものを滴下し、室温で12時間攪拌した。次
に反応液を1規定の塩化アンモニウムで中和後、これに
酢酸エチル140ml、水140mlを加え分配し、有
機層を濃縮乾固して残渣をシリカゲルカラム(2×18
cm)に展開し、10%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶
出される画分を集め、2’−エチリデン体を得た。これ
をテトラヒドロフラン10mlに溶解させ、フッ化テト
ラn−ブチルアンモニウム/テトラヒドロフラン1モル
溶液1mlを加え室温で30分間攪拌して脱保護した。
次に、酢酸で中和後、減圧下濃縮乾固してシリカゲルカ
ラム(2×10cm)に展開し、7%エタノール−クロ
ロホルム溶液で溶出される画分を集め、濃縮して2’−
エチリデンチミジンの非結晶性粉末190mgを得た。
【0050】元素分析:C121625 として 計算値:C:53.72%,H:6.01%,N:1
0.44% 実測値:C:53.68%,H:6.15%,N:1
0.39%
【0051】実施例3:1−(3,5−O−TIPDS
−β−D−エリスロペントフラン−2−ウロシル)−5
−フルオロウラシル(式[II]、R2=F、R5=水酸
基、Z(3’)−Z(5’)=TIPDS)の合成 5−フルオロウリジン2.42gをピリジン30mlに
溶解させ、氷冷下1,1,3,3−ジクロロテトライソ
プロピルジシロキサン3.3gを加え、2時間攪拌し、
室温にもどして1時間30分攪拌した。これに少量の水
を加え、攪拌後、減圧下濃縮乾固し、シリカゲルカラム
(2.4×23cm)に展開し、25%酢酸エチル−n
−ヘキサンで溶出される画分を集め、3’,5’−O−
TIPDS体を得た。3’,5’−O−TIPDS体
3.91gを塩化メチレン10mlに溶解させ、4当量
のクロム酸コンプレックス(三酸化クロム(CrO3
3g、ピリジン5ml、無水酢酸3mlを塩化メチレン
80mlに加え混合したもの)を加え、室温で1時間、
−4℃で14時間攪拌後、さらに4当量のクロム酸コン
プレックスを加え室温で1時間攪拌した。反応液を酢酸
エチル600mlに滴下し、シリカゲル(6×15c
m)を用いて濾過し、濾液を減圧下濃縮乾固し、残渣を
シリカゲルカラム(2.4×21cm)に展開し、20
%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出される画分を集め、
目的化合物2.8g(収率71.6%)を得た。
【0052】融点:183〜186℃ 元素分析:C213527FSi2として 計算値:C:50.15%,H:7.01%,N:5.
57% 実測値:C:50.01%,H:7.22%,N:5.
49%
【0053】応用例4:2’−メチリデン−2’−デオ
キシ−5−フルオロウリジンの合成 水素化カリウム1.1gをアルゴン気流下ジメチルスル
ホキシド12mlに加え、室温で1時間攪拌した。一
方、臭化メチルトリフェニルホスホニウム11gをジメ
チルスルホキシド25mlに溶解させ、この溶液に上記
の水素化カリウムを含む溶液を氷冷下滴下し、さらに1
0分間攪拌した。この溶液に上記1−(3,5−O−T
IPDS−β−D−エリスロペントフラン−2−ウロシ
ル)−5−フルオロウラシル1.4gをジメチルスルホ
キシド25mlに溶解させたものを滴下し、室温で十時
間攪拌した。次に反応液を1規定の塩化アンモニウムで
中和後、酢酸エチル200ml、水200mlを加え分
配し、有機層を濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラム
(2.4×22cm)に展開し、20%酢酸エチル−n
−ヘキサンで溶出される画分を集め、2’−メチリデン
体を得た。これをテトラヒドロフラン5mlに溶解さ
せ、フッ化テトラn−ブチルアンモニウム/テトラヒド
ロフラン1モル溶液4mlを加え、室温で30分間攪拌
して脱保護した。次に、酢酸で中和後、減圧下濃縮乾固
してシリカゲルカラム(2.4×17cm)に展開し、
7%エタノール−クロロホルム溶液で溶出される画分を
集め、濃縮して2’−メチリデン−2’−デオキシ−5
−フルオロウリジン0.37g(収率54%)を得た。
【0054】融点:154〜156℃ 元素分析:C101125Fとして 計算値:C:46.55%,H:4.30%,N:1
0.86% 実測値:C:46.49%,H:4.41%,N:1
0.78%
【0055】実施例4:1−(3,5−O−TIPDS
−β−D−エリスロペントフラン−2−ウロシル)−5
−ヨードウラシル(式[II]、R2=I、R5=水酸
基、Z(3’)−Z(5’)=TIPDS)の合成 5−ヨードウリジン10.0gをピリジン100mlに
溶解させ、氷冷下1,1,3,3−ジクロロテトライソ
プロピルジシロキサン8.94gを加え、1時間30分
攪拌し、室温にもどしてさらに3時間攪拌した。これに
少量の水を加え、攪拌後、減圧下濃縮乾固し、シリカゲ
ルカラム(3×30cm)に展開し、25%酢酸エチル
−n−ヘキサンで溶出される画分を集め、3’,5’−
O−TIPDS体を得た。3’,5’−O−TIPDS
体13.65gを塩化メチレン30mlに溶解させ、4
当量のクロム酸コンプレックス(三酸化クロム(CrO
3 )9g、ピリジン15ml、無水酢酸9mlを塩化メ
チレン230mlに加え混合したもの)を加え、室温で
2時間攪拌した後、さらに2当量のクロム酸コンプレッ
クスを加え室温で2時間攪拌した。攪拌後、反応液を酢
酸エチル1.5mlに滴下し、シリカゲル(10×20
cm)を用いて濾過し、濾液を減圧下濃縮乾固し、残渣
をシリカゲルカラム(3.0×32cm)に展開し、2
0%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出される画分を集
め、目的化合物4.4gを得た。
【0056】応用例5:2’−メチリデン−2’−デオ
キシ−5−ヨードウリジンの合成臭化メチルトリフェニ
ルホスホニウム22.0gをテトラヒドロフラン100
mlに溶解させ、アルゴン気流下、n−ブチルリチウム
37.5mlを滴下し、1時間攪拌した。この溶液に上
記1−(3,5−O−TIPDS−β−D−エリスロペ
ントフラン−2−ウロシル)−5−ヨードウラシル4.
0gをテトラヒドロフラン20mlに溶解させたものを
−10℃で滴下後、30分間攪拌し、さらに室温で1時
間30分間攪拌した。次に反応液を1規定の塩化アンモ
ニウムで中和後、酢酸エチル200ml、水200ml
を加え分配し、有機層を濃縮乾固し、残渣をシリカゲル
カラム(3×23cm)に展開し、20%酢酸エチル−
n−ヘキサンで溶出される画分を集め、2’−メチリデ
ン体300mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解さ
せ、フッ化テトラn−ブチルアンモニウム/テトラヒド
ロフラン1モル溶液1.1mlを加え、室温で30分間
攪拌して脱保護した。次に、酢酸で中和後、減圧下濃縮
乾固してシリカゲルカラム(2.4×17cm)に展開
し,7%エタノール−クロロホルム溶液で溶出される画
分を集め、濃縮して2’−メチリデン−2’−デオキシ
−5−ヨードウリジン118mgを得た。
【0057】融点:169〜172℃ 元素分析:C101125Iとして 計算値:C:32.82%,H:3.03%,N:7.
65% 実測値:C:32.76%,H:3.15%,N:7.
60%
【0058】実施例5:1−(3,5−O−TIPDS
−β−D−エリスロペントフラン−2−ウロシル)−5
−ブロモウラシル(式[II]、R2=Br、R5=水酸
基、Z(3’)−Z(5’)=TIPDS)の合成 5−ブロモウリジン3.32gをピリジン30mlに溶
解させ、氷冷下1,1,3,3−ジクロロテトライソプ
ロピルジシロキサン3.3gを加え、2時間攪拌し、室
温にもどしてさらに1時間40分攪拌した。これに少量
の水を加え、攪拌後、減圧下濃縮乾固し、シリカゲルカ
ラム(2.4×25cm)に展開し、25%酢酸エチル
−n−ヘキサンで溶出される画分を集め、3’,5’−
O−TIPDS体を得た。3’,5’−O−TIPDS
体4.30gを塩化メチレン10mlに溶解させ、4当
量のクロム酸コンプレックス(三酸化クロム(CrO
3 )3g、ピリジン5ml、無水酢酸3mlを塩化メチ
レン80mlに加え混合したもの)を加え、室温で2時
間攪拌した。攪拌後、反応液を酢酸エチル300mlに
滴下し、シリカゲル(6×10cm)を用いて濾過し、
濾液を減圧下濃縮乾固し、残渣をシリカゲルカラム
(2.4×32cm)に展開し、20%酢酸エチル−n
−ヘキサンで溶出される画分を集め、標記化合物2.4
gを得た。
【0059】応用例6:2’−メチリデン−2’−デオ
キシ−5−ブロモウリジンの合成 臭化メチルトリフェニルホスホニウム3.3gをテトラ
ヒドロフラン20mlに溶解させ、アルゴン気流下、n
−ブチルリチウム6.6mlを氷冷下滴下し、さらに5
0分間攪拌した。この溶液に上記の1−(3,5−O−
TIPDS−β−D−エリスロペントフラン−2−ウロ
シル)−5−ブロモウラシル650mgをテトラヒドロ
フラン10mlに溶解させたものを−10℃で滴下後、
1時間攪拌し、さらに室温で4時間攪拌した。次に反応
液を1規定の塩化アンモニウムで中和後、酢酸エチル1
00ml、水100mlを加え分配し、有機層を濃縮乾
固し、残渣をシリカゲルカラム(2.4×18cm)に
展開し、20%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出される
画分を集め、2’−メチリデン体を得た。これをテトラ
ヒドロフラン5mlに溶解させ、フッ化テトラn−ブチ
ルアンモニウム/テトラヒドロフラン1モル溶液1.4
mlを加え、室温で30分間攪拌して脱保護した。次
に、酢酸で中和後、減圧下濃縮乾固してシリカゲルカラ
ム(2.4×12cm)に展開し、7%エタノール−ク
ロロホルム溶液で溶出される画分を集め、濃縮して2’
−メチリデン−2’−デオキシ−5−ブロモウリジンを
非結晶性粉末として得た。
【0060】元素分析:C101125Brとして 計算値:C:37.65%,H:3.48%,N:8.
78% 実測値:C:37.49%,H:3.55%,N:8.
79%
【0061】実施例6:1−(3,5−O−TIPDS
−β−D−エリスロペントフラン−2−ウロシル)ウラ
シル(式[II]、R2=水素原子、R5=水酸基、Z
(3’)−Z(5’)=TIPDS)の合成 ウリジン3.91gをピリジン50mlに溶解させ氷冷
下1,1,3,3−ジクロロテトライソプロピルジシロ
キサン5.57gを加え、室温で6時間攪拌した。これ
に少量の水を加え、30分間攪拌後、減圧下濃縮乾固し
た。残渣をクロロホルム−水で分配し、有機層を濃縮後
シリカゲルカラム(5×21cm)に吸着させ、2%エ
タノール−クロロホルムの溶出画分より3’,5’−保
護体を得た。一方、塩化オキサリル1.7mlを塩化メ
チレン40mlに溶解させ、−70℃に冷却し、アルゴ
ン気流下ジメチルスルホキシド3mlと塩化メチレン2
0ml混合液を滴下し、さらに30分間攪拌した。この
溶液に上記の3’,5’−保護体7.8gを塩化メチレ
ン50mlに溶解させたものを滴下し、さらに−70℃
で2時間攪拌した。これにトリエチルアミン6.6ml
を滴下して1時間半攪拌後、室温にもどし、クロロホル
ムと水を加えて分配し、有機層を減圧下濃縮乾固し、シ
リカゲルカラム(4×28cm)に展開し、40%酢酸
エチル−n−ヘキサンで溶出される画分を濃縮し、n−
ヘキサンより結晶化して標記化合物6.53gを得た。
【0062】応用例7:2’−メチリデン−2’−デオ
キシウリジンの合成 一方、臭化メチルトリフェニルホスホニウム22.0g
をテトラヒドロフラン100mlに溶解させ、アルゴン
気流下、n−ブチルリチウム37.5mlを滴下し、1
時間攪拌した。この溶液に上記の1−(3,5−O−T
IPDS−β−D−エリスロペントフラン−2−ウロシ
ル)ウラシル3.2gをテトラヒドロフラン20mlに
溶解させたものを−10℃で滴下後、30分間攪拌し、
さらに室温で1時間30分間攪拌した。次に反応液を1
規定の塩化アンモニウムで中和後、これに酢酸エチル2
00ml、水200mlを加え分配し、有機層を濃縮乾
固して残渣をシリカゲルカラム(3×24cm)に展開
し、20%酢酸エチル−n−ヘキサンで溶出される画分
を集め、2’−メチリデン体を得た。この2’−メチリ
デン体240mgをテトラヒドロフラン5mlに溶解さ
せ、フッ化テトラn−ブチルアンモニウム/テトラヒド
ロフラン1モル溶液1mlを加え室温で30分間攪拌し
脱保護した。次に、酢酸で中和後、減圧下濃縮乾固して
シリカゲルカラム(2.4×14cm)に展開し、7%
エタノール−クロロホルム溶液で溶出される画分を集
め、濃縮して2’−メチリデン−2’−デオキシウリジ
ンの結晶性粉末77mgを得た。
【0063】元素分析:C101225として 計算値:C:50.00%,H:5.04%,N:1
1.66% 実測値:C:49.88%,H:5.13%,N:1
1.59%
【0064】応用例8:2’−メチリデン−2’−デオ
キシクロロウリジンの製造 実施例6のウリジンの代わりに5−クロロウリジンを用
いて1−(3,5−O−TIPDS−β−D−エリスロ
ペントフラン−2−ウロシル)−5−クロロウラシル
(式[II]、R2=Cl、R5=水酸基、Z(3’)−
Z(5’)=TIPDS)を合成し、これを用いて応用
例7と同様に反応させて2’−デオキシー2’−メチリ
デン−5−クロロウリジンを得た。 融点:149〜152℃ 元素分析:C101125Clとして 計算値:C:43.68%,H:4.03%,N:1
0.19% 実測値:C:43.77%,H:3.98%,N:1
0.20%
【0065】応用例9:2’−メチリデンチミジン−
5’−リン酸の製造 2’−メチリデンチミジン2.54gをトリメチルリン
酸60mlへ加えて氷冷し、これに1.53gのオキシ
塩化リンを滴下し、さらに1時間攪拌する。この反応液
を8gの炭酸水素ナトリウムを含む100gの氷水中へ
注加しそのまま1時間攪拌し、これにエーテル100m
l加えて分配する。水層を濃縮し、アニオン交換樹脂ダ
ウエックス1(ギ酸型)へ吸着させ、1モルのギ酸溶液
で溶出し、目的物質を含む画分を集め濃縮し、凍結乾燥
して2’−メチリデンチミジン−5’−リン酸を得る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[II]で表される1−(β−D−エ
    リスロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピリミジン誘導
    体。 【化1】 (式中、R2は水素原子、ハロゲン原子または低級アル
    キル基、R5はアルコキシル基、アミノ基または水酸
    基、Zは保護基を示す)
JP5017981A 1993-01-08 1993-01-08 1−(β−D−エリスロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピリミジン誘導体 Expired - Lifetime JPH07633B2 (ja)

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JP5017981A Expired - Lifetime JPH07633B2 (ja) 1993-01-08 1993-01-08 1−(β−D−エリスロ−ペントフラン−2−ウロシル)ピリミジン誘導体

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JOURNAL OF AMERICAN CHEMICAL SOCIETY=1967 *
JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY=1970 *

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JPH07633B2 (ja) 1995-01-11

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