JP4430203B2 - 自動車のサスペンション制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右の車輪をそれぞれ回転自在に支持する左右のナックルを、左右のサスペンションアームの先端にそれぞれ接続すると共に、その左右のサスペンションアームの基端をゴムブッシュジョイントを介して車体にそれぞれ接続して、該ゴムブッシュジョイント回りにサスペンションアームを上下揺動可能とし、更にその左右のサスペンションアームを左右のアクチュエータで個別に上下動させる自動車のサスペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるサスペンション制御装置は、特開平7−149130号公報により公知である。このサスペンション制御装置はモータの回転を減速機構で減速して出力するアクチュエータを備えており、車輪を懸架するサスペンションアームの基端をアクチュエータの出力軸に直結し、あるいはサスペンションアームの基端を支持する支点付近をピニオンおよびセクタギヤを介して前記出力軸に接続している。従って、アクチュエータを駆動することにより、サスペンションアームを積極的に上下動させて乗り心地性能や操縦安定性能の向上を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来のものは、アクチュエータの出力軸の軸線方向をサスペンションアームの支点の軸線方向に一致させる必要があり、またアクチュエータをサスペンションアームの基端部に設ける必要があるため、アクチュエータの取付位置の自由度が大幅に制約される問題がある。また路面の凹凸による車輪の上下動が緩衝されずにアクチュエータに伝達されるため、アクチュエータの減速機構のギヤに大きな負荷が加わって耐久性に悪影響を及ぼす虞がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、サスペンションアームを上下動させるアクチュエータの取付位置に自由度を高めるとともに、サスペンションアームから入力される振動に対するアクチュエータの耐久性を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、左右の車輪をそれぞれ回転自在に支持する左右のナックルを、左右のサスペンションアームの先端にそれぞれ接続すると共に、その左右のサスペンションアームの基端をゴムブッシュジョイントを介して車体にそれぞれ接続して、該ゴムブッシュジョイント回りにサスペンションアームを上下揺動可能とし、更にその左右のサスペンションアームを左右のアクチュエータで個別に上下動させる自動車のサスペンション制御装置において、各々のアクチュエータは、モータと、そのモータの回転を減速する遊星歯車機構と、その遊星歯車機構の出力が伝達され且つ駆動アームの基端が連結される出力軸とを備え、この駆動アームの先端に第1のボールジョイントを介してリンクの一端が連結されると共に、該リンクの他端が前記サスペンションアームの中間部に第2のボールジョイントを介して連結され、前記リンクと前記駆動アームとは、自動車の正面視で上方に凸の逆V字状となるよう配置されることを特徴とする自動車のサスペンション制御装置が提案される。
【0006】
上記構成によれば、アクチュエータの出力軸に連結された駆動アームの先端に、第1のボールジョイントを介してリンクの一端が連結されると共に、該リンクの他端が、サスペンションアームの中間部に第2のボールジョイントを介して連結され、これらリンクと駆動アームとが、自動車の正面視で上方に凸の逆V字状となるよう配置されるので、駆動アームおよびリンクの形状や配置を変化させるだけでサスペンションアームに対するアクチュエータの取付位置を任意に変更することができる。しかもアクチュエータはモータの回転を遊星歯車機構で減速して出力軸を駆動するので、コンパクトな構造で出力軸に大きなトルクを発生させることができる。
【0007】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記リンクは、サスペンションアームから入力される軸方向の圧縮力および引張力を緩衝する弾性部材を備えたことを特徴とする自動車のサスペンション制御装置が提案される。
【0008】
上記構成によれば、リンクに設けた弾性部材でサスペンションアームから入力される軸方向の荷重を緩衝するので、前記荷重によるリンク、駆動アームおよびアクチュエータの耐久性低下を防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は自動車の左後輪のサスペンションの斜視図、図2は図1の2方向矢視図(サスペンションの後面図)、図3は図1の3−3線拡大断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図3の6−6線断面図、図7はプラネタリキャリヤ組立体の斜視図、図8は図2の8−8線拡大断面図である。
【0011】
図1および図2は自動車の左後輪のサスペンションを示すもので、車輪Wを回転自在に支持するナックル11はA型のロアアーム12およびアッパーアーム13を介して上下動可能に支持される。ロアアーム12は先端に設けたボールジョイント14を介してナックル11の下部に接続され、基端に設けた一対のゴムブッシュジョイント15,15を介して車体16に接続される。アッパーアーム13は先端に設けたボールジョイント17を介してナックル11の上部に接続され、基端に設けた一対のゴムブッシュジョイント18,18を介して車体16に接続される。左右のナックル11,11の前部間はスタビライザーバー19を介して相互に接続され、また左右のナックル11,11の後部と車体16とがそれぞれラテラルリンク20,20を介して接続される。ロアアーム12の先端側に設けたゴムブッシュジョイント21にショックアブソーバ22の下端が接続され、ロアアーム12の中央に設けたばね座12aに懸架ばね23の下端が支持され、ロアアーム12の中間部の基端側に設けたボス部12bにリンク24および駆動アーム25を介してアクチュエータ26が接続され、該リンク24と駆動アーム25とは、自動車の正面視で上方に凸の逆V字状となるよう配置される。
【0012】
車輪Wと共にナックル11が上下動し、ナックル11に接続されたロアアーム12およびアッパーアーム13が車体16に支持された基端を支点として上下動すると、ロアアーム12に接続されたショックアブソーバ22および懸架ばね23が伸縮して車輪Wの上下動が緩衝される。更に、アクチュエータ26を駆動して出力軸27(図2参照)回りに駆動アーム25を回転させると、その駆動アーム25にリンク24を介して接続されたロアアーム12が上下動する。従って、左右の車輪W,Wにそれぞれ設けたアクチュエータ26,26を相互に関連して駆動することにより、車両のローリングを積極的に制御することができる。
【0013】
次に、図3〜図7に基づいてアクチュエータ26の構造を説明する。
【0014】
アクチュエータ26はモータ31と、減速ギヤボックス32とから構成される。減速ギヤボックス32のハウジングは、メインハウジング33と、サブハウジング34と、ベアリングハウジング35と、メンテナンス用のカバー36とから構成されており、メインハウジング33の端部に設けたモータ取付部33aにモータ31が直角方向に取り付けられる。
【0015】
メインハウジング33は概略円筒状の部材であって、モータ取付部33aと反対側の端部に設けた取付フランジ33bが、車体に設けた図示せぬ取付ブラケットにボルトで固定される。メインハウジング33の取付フランジ33bの内周に形成された開口33cにサブハウジング34がねじ込まれて固定される。一端に駆動アーム25がボルト37で固定された出力軸27がサブハウジング34にボールベアリング38を介して支持されており、この出力軸27の他端内周に設けたローラベアリング39と、メインハウジング33の隔壁33dに設けたボールベアリング40とに入力軸41が回転自在に支持される。サブハウジング34、ボールベアリング38および出力軸27は予め組み立てられてサブアセンブリ化されている。
【0016】
ベアリングハウジング35は概略円筒状の部材であって、その取付部35aがメインハウジング33に形成した開口33eに嵌合し、その取付フランジ35b,35bがボルト42,42でメインハウジング33に固定される。このとき、メインハウジング33の開口33eの端面とベアリングハウジング35の取付フランジ35b,35bとの間にシム43(図3参照)が配置される。メインハウジング33のモータ取付部33aに設けたボールベアリング44と、ベアリングハウジング35にサークリップ45でアウターレース46aを固定されたボールベアリング46とに駆動軸47が支持されており、この駆動軸47の一端はモータ31の出力軸31aにスプライン結合され、他端はナット48でボールベアリング46のインナーレース46bに固定される。ベアリングハウジング35、サークリップ45、ボールベアリング46、駆動軸47およびナット48は、駆動軸ユニット51として予め組み立てられる。
【0017】
駆動軸47には駆動ベベルギヤ49が一体に形成されており、この駆動ベベルギヤ49は入力軸41に一体に結合された従動ベベルギヤ50に噛合する。従って、モータ31の出力軸31aの回転は駆動軸47、駆動ベベルギヤ49および従動ベベルギヤ50を経て入力軸41に伝達される。前記シム43の厚さを変更すると駆動軸47の位置がその軸線方向に変化するため、駆動ベベルギヤ49および従動ベベルギヤ50の噛み合わせを調整することができる。即ち、シム43を厚くすると駆動軸47が図3の上方に移動して駆動ベベルギヤ49および従動ベベルギヤ50の噛み合わせが弱く(ゆるく)なり、逆にシム43を薄くすると駆動軸47が図3の下方に移動して駆動ベベルギヤ49および従動ベベルギヤ50の噛み合わせが強く(きつく)なる。
【0018】
シム43の交換は、2本のボルト42,42(図5参照)を外して駆動軸ユニット51をメインハウジング33の開口33eから抜き取るだけで可能となるため、その作業は極めて容易である。しかも駆動ベベルギヤ49および従動ベベルギヤ50の噛合状態は、メンテナンス用のカバー36をメインハウジング33から取り外すだけで容易に確認することができる。
【0019】
入力軸41の回転はメインハウジング33の内部に収納した3セットの遊星歯車機構Px,Py,Pzを介して減速され、出力軸27に出力される。3セットの遊星歯車機構Px,Py,Pzは同軸上に直列に配置されるもので、実質的に同じ構造を備えているが、その軸方向の幅が入力側から出力側に向かって順次増加している。その理由は、減速によって伝達トルクが増加するため、その伝達トルクに耐えるようにギヤの厚さを増加させる必要があるためである。
【0020】
先ず、出力側の第3遊星歯車機構Pzの構造を説明する。第3遊星歯車機構Pzはサンギヤ56z、リングギヤ57z、3個のプラネタリギヤ58z…、3本のプラネタリギヤ軸59z…およびプラネタリキャリヤ60zを備える。プラネタリキャリヤ60zは、円板状の第1側板60aと、第1側板60aの外周から120°間隔で軸方向に延びる3本の脚部60b…と、脚部60b…の先端に結合される円板状の第2側板60cとを備えており、第1側板60aおよび第2側板60cの中央にそれぞれ円形の開口60d,60eが形成される。3本のプラネタリギヤ軸59z…の両端は第1側板60aおよび第2側板60cにそれぞれ固定されており、これらプラネタリギヤ軸59z…にプラネタリギヤ58z…がニードルベアリング61z,61zを介して支持される。プラネタリギヤ58z…の一部は、隣接する脚部60b…と、一対の側板60a,60cとによって囲まれた開口から外部に突出している。これらプラネタリキャリヤ60z、3本のプラネタリギヤ軸59z…およびプラネタリギヤ58z…は、第3プラネタリキャリヤ組立体62z(図7参照)として予め組み立てられる。
【0021】
第3遊星歯車機構Pzのサンギヤ56zは、一対のニードルベアリング63z,63zを介して入力軸41に支持され、第3遊星歯車機構Pzのリングギヤ57zは、メインハウジング33の内周に嵌合して固定される。そして3個のプラネタリギヤ58z…は、サンギヤ56zおよびリングギヤ57zに噛合する。
【0022】
第1遊星歯車機構Pxおよび第2遊星歯車機構Pyの構造は第3遊星歯車機構Pzの構造と実質的に同じであり、その符号は第3遊星歯車機構Pzの構成要素の符号の添字zを、それぞれxおよびyに変更したものである。但し、リングギヤ57xyは、第1遊星歯車機構Pxおよび第2遊星歯車機構Pyに対して共用される。また第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ56yはニードルベアリング63yで入力軸41に支持されるが、第1遊星歯車機構Pxのサンギヤ56xは入力軸41に一体に形成される。
【0023】
第1遊星歯車機構Pxおよび第2遊星歯車機構Pyに共用されるリングギヤ57xyはメインハウジング33の内周に嵌合し、凹凸係合64によりメインハウジング33に対して回り止めされる。また第3遊星歯車機構Pzのリングギヤ57zは前記リングギヤ57xyに凹凸係合65して回り止めされ、メインハウジング33の端部にねじ結合されたサブハウジング34によって軸方向に固定される。第1プラネタリキャリヤ組立体62xとメインハウジング33の隔壁33dとの間にスラストベアリング66が配置され、第1プラネタリキャリヤ組立体62xと第2プラネタリキャリヤ組立体62yとの間にスラストベアリング67が配置され、第2プラネタリキャリヤ組立体62yと第3プラネタリキャリヤ組立体62zとの間にスラストベアリング68が配置される。
【0024】
このように、第1〜第3遊星歯車機構Px,Py,Pzのプラネタリキャリヤ組立体62x,62y,62zは、そのプラネタリキャリヤ60x,60y,60zの一対の側板60a,60cが3本の脚部60b…で一体に結合されてボックス状の構造となっているため、一対の側板を3本のプラネタリギヤ軸だけで結合した従来のものに比べて剛性を大幅に高めることが可能となり、プラネタリキャリヤ60x,60y,60zの歪みによるトルク伝達効率の低下や、各ギヤの噛合部の摩耗による耐久性の低下を防止することができる。
【0025】
3セットの遊星歯車機構Px,Py,Pzは以下の手順で減速ギヤボックス32に組み付けられる。先ず、サブハウジング34を取り外したメインハウジング33の開口33cから、第1遊星歯車機構Pxのサンギヤ56xを一体に備えた入力軸41を組み付け、更にメインハウジング33の開口33cからリングギヤ57xyを組み付ける。次に前記開口33cから、プラネタリキャリヤ60x、3本のプラネタリギヤ軸59x…およびプラネタリギヤ58x…を予め組み立てた第1プラネタリキャリヤ組立体62xとスラストベアリング66とを組み付ける。その結果、第1プラネタリキャリヤ組立体62xのプラネタリギヤ58x…がサンギヤ56xおよびリングギヤ57xyに噛合し、第1遊星歯車機構Pxの組み付けが完了する。
【0026】
続いて、第1遊星歯車機構Pxのサンギヤ56xと一体の入力軸41に第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ56yを組み付けた後に、第2遊星歯車機構Pyのプラネタリキャリヤ60y、3本のプラネタリギヤ軸59y…およびプラネタリギヤ58y…を予め組み立てた第2プラネタリキャリヤ組立体62yとスラストベアリング67とを組み付ける。その結果、第2プラネタリキャリヤ組立体62yのプラネタリギヤ58y…がサンギヤ56yおよびリングギヤ57xyに噛合し、第2遊星歯車機構Pyの組み付けが完了する。このとき、先に組み付けたサンギヤ56yはプラネタリキャリヤ60yの開口60eを通過可能であるため、第2プラネタリキャリヤ組立体62yの組み付けは支障なく行なわれる。そして第1遊星歯車機構Pxのプラネタリキャリヤ60xと第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ56yとがスプライン結合69(図4参照)される。
【0027】
続いて、メインハウジング33にリングギヤ57zを組み付け、入力軸41に第3遊星歯車機構Pzのサンギヤ56zを組み付けた後に、第3遊星歯車機構Pzのプラネタリキャリヤ60z、3本のプラネタリギヤ軸59z…およびプラネタリギヤ58z…を予め組み立てた第3プラネタリキャリヤ組立体62zとスラストベアリング68とを組み付ける。その結果、第3プラネタリキャリヤ組立体62zのプラネタリギヤ58z…がサンギヤ56zおよびリングギヤ57zに噛合し、第3遊星歯車機構Pzの組み付けが完了する。このとき、先に組み付けたサンギヤ56zはプラネタリキャリヤ60zの開口60eを通過可能であるため、第3プラネタリキャリヤ組立体62zの組み付けは支障なく行なわれる。そして第2遊星歯車機構Pyのプラネタリキャリヤ60yと第3遊星歯車機構Pzのサンギヤ56zとがスプライン結合70(図4参照)される。
【0028】
そして最後に、サブハウジング34をメインハウジング33に組み付け、第3遊星歯車機構Pzのプラネタリキャリヤ60zを出力軸27にスプライン結合71(図4参照)して減速ギヤボックス32の組み立てが完了する。
【0029】
このように、メインハウジング33の内部に最初に組み付けられる第1遊星歯車機構Pxのサンギヤ56xが、メインハウジング33の開口33cに向けて延びる入力軸41を一体に備えているため、その後に順次組み付けられる第2、第3遊星歯車機構Py,Pzのサンギヤ56y,56zを前記入力軸41を支持軸として組み付けることができる。その結果、第2、第3遊星歯車機構Py,Pzのサンギヤ56y,56zをリングギヤ57xy,57zに対して同軸に配置することが可能となり、第2、第3遊星歯車機構Py,Pzのプラネタリキャリヤ組立体62y,62zを組み付ける際に、そのプラネタリギヤ58y…,58z…をサンギヤ56y,56zおよびリングギヤ57xy,57zに噛み合わせる作業を容易に行うことができる。
【0030】
しかもサンギヤ56y,56zがメインハウジング33に対して正確に芯出しされるため、サンギヤ56y,56zと第2、第3プラネタリキャリヤ組立体62y,62zとの間に自動調芯のためのクリアランスを設ける必要がなくなり、サンギヤ56y,56zおよびプラネタリギヤ58y…,58z…の噛み合いをスムーズにしてガタの減少および騒音の低減を図ることができる。
【0031】
次に、図8に基づいてリンク24の構造を説明する。
【0032】
リンク24は円形断面のロッドよりなるリンク本体76を備えており、このリンク本体76の両端寄りの位置にそれぞれのワッシャ77,77が溶接される。ワッシャ77の軸方向外側のリンク本体76には、カラー78,78およびワッシャ79,79が順次嵌合してナット80,80で締結される。そしてリンク本体76の一端側で一対のワッシャ77,79に挟まれたカラー78の外周に、第1のボールジョイント81のインナー部材81aがゴムで構成された一対の弾性部材82,82に挟まれるように支持される。そして第1のボールジョイント81のアウター部材81bが駆動アーム25の先端にナット83で固定される。またリンク本体76の他端側で一対のワッシャ77,79に挟まれたカラー78の外周に、第2のボールジョイント84のインナー部材84aがゴムで構成された一対の弾性部材85,85に挟まれるように支持される。そして第2のボールジョイント84のアウター部材84bがロアアーム12のボス部12bにねじ結合されてロックナット86で固定される。
【0033】
従って、モータ31を駆動すると、駆動軸47の回転は駆動ベベルギヤ49、従動ベベルギヤ50および入力軸41を経て第1遊星歯車機構Pxのサンギヤ56xに伝達される。すると、回転するサンギヤ56xおよび停止したリングギヤ57xに噛合するプラネタリギヤ58x…がプラネタリギヤ軸59x…回りに回転しながら、第1プラネタリキャリヤ組立体62xがサンギヤ56xよりも減速されて回転する。このようにして第1プラネタリキャリヤ組立体62xが回転すると、その回転は第1プラネタリキャリヤ組立体62xにスプライン結合69された第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ56yに伝達される。
【0034】
第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ56yの回転は減速されて第2プラネタリキャリヤ組立体62yに出力され、第2プラネタリキャリヤ組立体62yにスプライン結合70された第3遊星歯車機構Pzのサンギヤ56zの回転は減速されて第3プラネタリキャリヤ組立体62zに出力される。その結果、第3プラネタリキャリヤ組立体62zにスプライン結合71された出力軸27が回転し、出力軸27に駆動アーム25およびリンク24を介して接続されたロアアーム12が上下動する。
【0035】
而して、減速ギヤボックス32の内部で3セットの遊星歯車機構Px,Py,Pzを直列に接続したので、コンパクトな構造で大きな減速比を確保し、ロアアーム12を大きなトルクで確実に駆動することができる。またアクチュエータ26の出力軸27に駆動アーム25の基端を連結し、この駆動アーム25の先端に第1のボールジョイント81を介してリンク24の一端を連結すると共に、該リンク24の他端をロアアーム12の中間部第2のボールジョイント84を介して連結し、リンク24と駆動アーム25とを、自動車の正面視で上方に凸の逆V字状となるよう配置したので、油圧式のアクチュエータやリニアモータ式のアクチュエータをスタビライザーバーのリンク部に配置する場合に比べて、そのアクチュエータ26のレイアウトの自由度を高めることができる。なぜならば、駆動アーム25およびリンク24の方向、長さ、角度等を選択することにより、ロアアーム12に対するアクチュエータ26の取付位置を任意に設定できるからである。
【0036】
ところで、路面の凹凸による車輪Wの微小な上下動がロアアーム12からアクチュエータ26に伝達されるとき、減速ギヤボックス32は大きな減速比を有するために前記車輪Wの上下動を吸収することができず、駆動アーム25、リンク24および減速ギヤボックス32の各ギヤに大きな荷重が加わる可能性がある。しかしながら、本実施例によれば、ロアアーム12からリンク24に軸方向の圧縮力が作用すると、リンク24の両端に設けた第1,第2のボールジョイント81,84のインナー部材81a,84aの軸方向内側の弾性部材82,85が圧縮され、またロアアーム12からリンク24に軸方向の引張力が作用すると軸方向外側の弾性部材82,85が圧縮されることにより、ロアアーム12からアクチュエータ26に伝達される振動が緩衝される。これにより、駆動アーム25、リンク24および減速ギヤボックス32の各ギヤに大きな負荷が加わることを防止し、耐久性の向上を図ることができる。
【0037】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、実施例ではアクチュエータ26をロアアーム12に接続しているが、それをアッパーアーム13に接続しても良い。またアクチュエータ26とロアアーム12とを接続する駆動アーム25およびリンク24の方向、長さ、角度等は実施例のものに限定されず、適宜変更可能である。また弾性部材82,85はゴム製に限定されず、ばねであっても良い。
【0039】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、アクチュエータの出力軸に連結された駆動アームの先端に、第1のボールジョイントを介してリンクの一端が連結されると共に、該リンクの他端が、サスペンションアームの中間部に第2のボールジョイントを介して連結され、これらリンクと駆動アームとが、自動車の正面視で上方に凸の逆V字状となるよう配置されるので、駆動アームおよびリンクの形状や配置を変化させるだけでサスペンションアームに対するアクチュエータの取付位置を任意に変更することができる。しかもアクチュエータはモータの回転を遊星歯車機構で減速して出力軸を駆動するので、コンパクトな構造で出力軸に大きなトルクを発生させることができる。
【0040】
また請求項2に記載された発明によれば、リンクに設けた弾性部材でサスペンションアームから入力される軸方向の荷重を緩衝するので、前記荷重によるリンク、駆動アームおよびアクチュエータの耐久性低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の左後輪のサスペンションの斜視図
【図2】図1の2方向矢視図(サスペンションの後面図)
【図3】図1の3−3線拡大断面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】プラネタリキャリヤ組立体の斜視図
【図8】図2の8−8線拡大断面図
【符号の説明】
11 ナックル
12 ロアアーム(サスペンションアーム)
15 ゴムブッシュジョイント
24 リンク
25 駆動アーム
26 アクチュエータ
27 出力軸
31 モータ
81 第1のボールジョイント
82 弾性部材
84 第2のボールジョイント
85 弾性部材
Px 第1遊星歯車機構(遊星歯車機構)
Py 第2遊星歯車機構(遊星歯車機構)
Pz 第3遊星歯車機構(遊星歯車機構)
W 車輪

Claims (2)

  1. 左右の車輪(W)をそれぞれ回転自在に支持する左右のナックル(11)を、左右のサスペンションアーム(12)の先端にそれぞれ接続すると共に、その左右のサスペンションアーム(12)の基端をゴムブッシュジョイント(15)を介して車体(16)にそれぞれ接続して、該ゴムブッシュジョイント(15)回りにサスペンションアーム(12)を上下揺動可能とし、更にその左右のサスペンションアーム(12)を左右のアクチュエータ(26)で個別に上下動させる自動車のサスペンション制御装置において、
    各々のアクチュエータ(26)は、モータ(31)と、そのモータ(31)の回転を減速する遊星歯車機構(Px,Py,Pz)と、その遊星歯車機構(Px,Py,Pz)の出力が伝達され且つ駆動アーム(25)の基端が連結される出力軸(27)とを備え、
    この駆動アーム(25)の先端に第1のボールジョイント(81)を介してリンク(24)の一端が連結されると共に、該リンク(24)の他端が前記サスペンションアーム(12)の中間部に第2のボールジョイント(84)を介して連結され、
    前記リンク(24)と前記駆動アーム(25)とは、自動車の正面視で上方に凸の逆V字状となるよう配置されることを特徴とする自動車のサスペンション制御装置。
  2. 前記リンク(24)は、サスペンションアーム(12)から入力される軸方向の圧縮力および引張力を緩衝する弾性部材(82,85)を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の自動車のサスペンション制御装置。
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