JP2001328414A - 自動車のサスペンション制御装置 - Google Patents

自動車のサスペンション制御装置

Info

Publication number
JP2001328414A
JP2001328414A JP2000149222A JP2000149222A JP2001328414A JP 2001328414 A JP2001328414 A JP 2001328414A JP 2000149222 A JP2000149222 A JP 2000149222A JP 2000149222 A JP2000149222 A JP 2000149222A JP 2001328414 A JP2001328414 A JP 2001328414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
actuator
arm
planetary
link
planetary gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000149222A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4430203B2 (ja
Inventor
Koichi Kitazawa
浩一 北沢
Mitsunori Kawashima
光則 河島
Masahito Sudo
真仁 須藤
Kazuhisa Watanabe
和久 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000149222A priority Critical patent/JP4430203B2/ja
Publication of JP2001328414A publication Critical patent/JP2001328414A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4430203B2 publication Critical patent/JP4430203B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サスペンションアームを上下動させるアクチ
ュエータの取付位置の自由度を高めるとともに、サスペ
ンションアームから入力される振動に対するアクチュエ
ータの耐久性を高める。 【解決手段】 車輪を懸架するロアアーム12を上下動
させるアクチュエータ26はモータ31および減速ギヤ
ボックス32を備えており、減速ギヤボックス32の出
力軸に固定した駆動アーム25の先端とロアアーム12
とがリンク24で連結される。従って、駆動アーム25
およびリンク24の方向、長さ、角度等を変化させるだ
けで、ロアアーム12に対するアクチュエータ26の取
付位置を任意に設定することができる。またリンク24
に弾性材を設けて軸方向の荷重を緩衝することにより、
アクチュエータ26の耐久性を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪を懸架するサ
スペンションアームをアクチュエータで上下動させる自
動車のサスペンション制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかるサスペンション制御装置は、特開
平7−149130号公報により公知である。このサス
ペンション制御装置はモータの回転を減速機構で減速し
て出力するアクチュエータを備えており、車輪を懸架す
るサスペンションアームの基端をアクチュエータの出力
軸に直結し、あるいはサスペンションアームの基端を支
持する支点付近をピニオンおよびセクタギヤを介して前
記出力軸に接続している。従って、アクチュエータを駆
動することにより、サスペンションアームを積極的に上
下動させて乗り心地性能や操縦安定性能の向上を図るこ
とができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来のも
のは、アクチュエータの出力軸の軸線方向をサスペンシ
ョンアームの支点の軸線方向に一致させる必要があり、
またアクチュエータをサスペンションアームの基端部に
設ける必要があるため、アクチュエータの取付位置の自
由度が大幅に制約される問題がある。また路面の凹凸に
よる車輪の上下動が緩衝されずにアクチュエータに伝達
されるため、アクチュエータの減速機構のギヤに大きな
負荷が加わって耐久性に悪影響を及ぼす虞がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、サスペンションアームを上下動させるアクチュエー
タの取付位置に自由度を高めるとともに、サスペンショ
ンアームから入力される振動に対するアクチュエータの
耐久性を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、車輪を懸架す
るサスペンションアームをアクチュエータで上下動させ
る自動車のサスペンション制御装置において、モータの
回転を遊星歯車機構で減速して出力するアクチュエータ
の出力軸に駆動アームを固定し、この駆動アームの先端
とサスペンションアームとをリンクで連結したことを特
徴とする自動車のサスペンション制御装置が提案され
る。
【0006】上記構成によれば、アクチュエータの出力
軸に固定した駆動アームの先端とサスペンションアーム
とをリンクで連結したので、駆動アームおよびリンクの
形状や配置を変化させるだけでサスペンションアームに
対するアクチュエータの取付位置を任意に変更すること
ができる。しかもアクチュエータはモータの回転を遊星
歯車機構で減速して出力軸を駆動するので、コンパクト
な構造で出力軸に大きなトルクを発生させることができ
る。
【0007】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記リンクは、サスペンショ
ンアームから入力される軸方向の圧縮力および引張力を
緩衝する弾性部材を備えたことを特徴とする自動車のサ
スペンション制御装置が提案される。
【0008】上記構成によれば、リンクに設けた弾性部
材でサスペンションアームから入力される軸方向の荷重
を緩衝するので、前記荷重によるリンク、駆動アームお
よびアクチュエータの耐久性低下を防止することができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】図1〜図8は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は自動車の左後輪のサスペンションの斜視図、
図2は図1の2方向矢視図(サスペンションの後面
図)、図3は図1の3−3線拡大断面図、図4は図3の
要部拡大図、図5は図3の5−5線断面図、図6は図3
の6−6線断面図、図7はプラネタリキャリヤ組立体の
斜視図、図8は図2の8−8線拡大断面図である。
【0011】図1および図2は自動車の左後輪のサスペ
ンションを示すもので、車輪Wを回転自在に支持するナ
ックル11はA型のロアアーム12およびアッパーアー
ム13を介して上下動可能に支持される。ロアアーム1
2は先端に設けたボールジョイント14を介してナック
ル11の下部に接続され、基端に設けた一対のゴムブッ
シュジョイント15,15を介して車体16に接続され
る。アッパーアーム13は先端に設けたボールジョイン
ト17を介してナックル11の上部に接続され、基端に
設けた一対のゴムブッシュジョイント18,18を介し
て車体16に接続される。左右のナックル11,11の
前部間はスタビライザーバー19を介して相互に接続さ
れ、また左右のナックル11,11の後部と車体16と
がそれぞれラテラルリンク20,20を介して接続され
る。ロアアーム12の先端側に設けたゴムブッシュジョ
イント21にショックアブソーバ22の下端が接続さ
れ、ロアアーム12の中央に設けたばね座12aに懸架
ばね23の下端が支持され、ロアアーム12の基端側に
設けたボス部12bにリンク24および駆動アーム25
を介してアクチュエータ26が接続される。
【0012】車輪Wと共にナックル11が上下動し、ナ
ックル11に接続されたロアアーム12およびアッパー
アーム13が車体16に支持された基端を支点として上
下動すると、ロアアーム12に接続されたショックアブ
ソーバ22および懸架ばね23が伸縮して車輪Wの上下
動が緩衝される。更に、アクチュエータ26を駆動して
出力軸27(図2参照)回りに駆動アーム25を回転さ
せると、その駆動アーム25にリンク24を介して接続
されたロアアーム12が上下動する。従って、左右の車
輪W,Wにそれぞれ設けたアクチュエータ26,26を
相互に関連して駆動することにより、車両のローリング
を積極的に制御することができる。
【0013】次に、図3〜図7に基づいてアクチュエー
タ26の構造を説明する。
【0014】アクチュエータ26はモータ31と、減速
ギヤボックス32とから構成される。減速ギヤボックス
32のハウジングは、メインハウジング33と、サブハ
ウジング34と、ベアリングハウジング35と、メンテ
ナンス用のカバー36とから構成されており、メインハ
ウジング33の端部に設けたモータ取付部33aにモー
タ31が直角方向に取り付けられる。
【0015】メインハウジング33は概略円筒状の部材
であって、モータ取付部33aと反対側の端部に設けた
取付フランジ33bが、車体に設けた図示せぬ取付ブラ
ケットにボルトで固定される。メインハウジング33の
取付フランジ33bの内周に形成された開口33cにサ
ブハウジング34がねじ込まれて固定される。一端に駆
動アーム25がボルト37で固定された出力軸27がサ
ブハウジング34にボールベアリング38を介して支持
されており、この出力軸27の他端内周に設けたローラ
ベアリング39と、メインハウジング33の隔壁33d
に設けたボールベアリング40とに入力軸41が回転自
在に支持される。サブハウジング34、ボールベアリン
グ38および出力軸27は予め組み立てられてサブアセ
ンブリ化されている。
【0016】ベアリングハウジング35は概略円筒状の
部材であって、その取付部35aがメインハウジング3
3に形成した開口33eに嵌合し、その取付フランジ3
5b,35bがボルト42,42でメインハウジング3
3に固定される。このとき、メインハウジング33の開
口33eの端面とベアリングハウジング35の取付フラ
ンジ35b,35bとの間にシム43(図3参照)が配
置される。メインハウジング33のモータ取付部33a
に設けたボールベアリング44と、ベアリングハウジン
グ35にサークリップ45でアウターレース46aを固
定されたボールベアリング46とに駆動軸47が支持さ
れており、この駆動軸47の一端はモータ31の出力軸
31aにスプライン結合され、他端はナット48でボー
ルベアリング46のインナーレース46bに固定され
る。ベアリングハウジング35、サークリップ45、ボ
ールベアリング46、駆動軸47およびナット48は、
駆動軸ユニット51として予め組み立てられる。
【0017】駆動軸47には駆動ベベルギヤ49が一体
に形成されており、この駆動ベベルギヤ49は入力軸4
1に一体に結合された従動ベベルギヤ50に噛合する。
従って、モータ31の出力軸31aの回転は駆動軸4
7、駆動ベベルギヤ49および従動ベベルギヤ50を経
て入力軸41に伝達される。前記シム43の厚さを変更
すると駆動軸47の位置がその軸線方向に変化するた
め、駆動ベベルギヤ49および従動ベベルギヤ50の噛
み合わせを調整することができる。即ち、シム43を厚
くすると駆動軸47が図3の上方に移動して駆動ベベル
ギヤ49および従動ベベルギヤ50の噛み合わせが弱く
(ゆるく)なり、逆にシム43を薄くすると駆動軸47
が図3の下方に移動して駆動ベベルギヤ49および従動
ベベルギヤ50の噛み合わせが強く(きつく)なる。
【0018】シム43の交換は、2本のボルト42,4
2(図5参照)を外して駆動軸ユニット51をメインハ
ウジング33の開口33eから抜き取るだけで可能とな
るため、その作業は極めて容易である。しかも駆動ベベ
ルギヤ49および従動ベベルギヤ50の噛合状態は、メ
ンテナンス用のカバー36をメインハウジング33から
取り外すだけで容易に確認することができる。
【0019】入力軸41の回転はメインハウジング33
の内部に収納した3セットの遊星歯車機構Px,Py,
Pzを介して減速され、出力軸27に出力される。3セ
ットの遊星歯車機構Px,Py,Pzは同軸上に直列に
配置されるもので、実質的に同じ構造を備えているが、
その軸方向の幅が入力側から出力側に向かって順次増加
している。その理由は、減速によって伝達トルクが増加
するため、その伝達トルクに耐えるようにギヤの厚さを
増加させる必要があるためである。
【0020】先ず、出力側の第3遊星歯車機構Pzの構
造を説明する。第3遊星歯車機構Pzはサンギヤ56
z、リングギヤ57z、3個のプラネタリギヤ58z
…、3本のプラネタリギヤ軸59z…およびプラネタリ
キャリヤ60zを備える。プラネタリキャリヤ60z
は、円板状の第1側板60aと、第1側板60aの外周
から120°間隔で軸方向に延びる3本の脚部60b…
と、脚部60b…の先端に結合される円板状の第2側板
60cとを備えており、第1側板60aおよび第2側板
60cの中央にそれぞれ円形の開口60d,60eが形
成される。3本のプラネタリギヤ軸59z…の両端は第
1側板60aおよび第2側板60cにそれぞれ固定され
ており、これらプラネタリギヤ軸59z…にプラネタリ
ギヤ58z…がニードルベアリング61z,61zを介
して支持される。プラネタリギヤ58z…の一部は、隣
接する脚部60b…と、一対の側板60a,60cとに
よって囲まれた開口から外部に突出している。これらプ
ラネタリキャリヤ60z、3本のプラネタリギヤ軸59
z…およびプラネタリギヤ58z…は、第3プラネタリ
キャリヤ組立体62z(図7参照)として予め組み立て
られる。
【0021】第3遊星歯車機構Pzのサンギヤ56z
は、一対のニードルベアリング63z,63zを介して
入力軸41に支持され、第3遊星歯車機構Pzのリング
ギヤ57zは、メインハウジング33の内周に嵌合して
固定される。そして3個のプラネタリギヤ58z…は、
サンギヤ56zおよびリングギヤ57zに噛合する。
【0022】第1遊星歯車機構Pxおよび第2遊星歯車
機構Pyの構造は第3遊星歯車機構Pzの構造と実質的
に同じであり、その符号は第3遊星歯車機構Pzの構成
要素の符号の添字zを、それぞれxおよびyに変更した
ものである。但し、リングギヤ57xyは、第1遊星歯
車機構Pxおよび第2遊星歯車機構Pyに対して共用さ
れる。また第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ56yはニ
ードルベアリング63yで入力軸41に支持されるが、
第1遊星歯車機構Pxのサンギヤ56xは入力軸41に
一体に形成される。
【0023】第1遊星歯車機構Pxおよび第2遊星歯車
機構Pyに共用されるリングギヤ57xyはメインハウ
ジング33の内周に嵌合し、凹凸係合64によりメイン
ハウジング33に対して回り止めされる。また第3遊星
歯車機構Pzのリングギヤ57zは前記リングギヤ57
xyに凹凸係合65して回り止めされ、メインハウジン
グ33の端部にねじ結合されたサブハウジング34によ
って軸方向に固定される。第1プラネタリキャリヤ組立
体62xとメインハウジング33の隔壁33dとの間に
スラストベアリング66が配置され、第1プラネタリキ
ャリヤ組立体62xと第2プラネタリキャリヤ組立体6
2yとの間にスラストベアリング67が配置され、第2
プラネタリキャリヤ組立体62yと第3プラネタリキャ
リヤ組立体62zとの間にスラストベアリング68が配
置される。
【0024】このように、第1〜第3遊星歯車機構P
x,Py,Pzのプラネタリキャリヤ組立体62x,6
2y,62zは、そのプラネタリキャリヤ60x,60
y,60zの一対の側板60a,60cが3本の脚部6
0b…で一体に結合されてボックス状の構造となってい
るため、一対の側板を3本のプラネタリギヤ軸だけで結
合した従来のものに比べて剛性を大幅に高めることが可
能となり、プラネタリキャリヤ60x,60y,60z
の歪みによるトルク伝達効率の低下や、各ギヤの噛合部
の摩耗による耐久性の低下を防止することができる。
【0025】3セットの遊星歯車機構Px,Py,Pz
は以下の手順で減速ギヤボックス32に組み付けられ
る。先ず、サブハウジング34を取り外したメインハウ
ジング33の開口33cから、第1遊星歯車機構Pxの
サンギヤ56xを一体に備えた入力軸41を組み付け、
更にメインハウジング33の開口33cからリングギヤ
57xyを組み付ける。次に前記開口33cから、プラ
ネタリキャリヤ60x、3本のプラネタリギヤ軸59x
…およびプラネタリギヤ58x…を予め組み立てた第1
プラネタリキャリヤ組立体62xとスラストベアリング
66とを組み付ける。その結果、第1プラネタリキャリ
ヤ組立体62xのプラネタリギヤ58x…がサンギヤ5
6xおよびリングギヤ57xyに噛合し、第1遊星歯車
機構Pxの組み付けが完了する。
【0026】続いて、第1遊星歯車機構Pxのサンギヤ
56xと一体の入力軸41に第2遊星歯車機構Pyのサ
ンギヤ56yを組み付けた後に、第2遊星歯車機構Py
のプラネタリキャリヤ60y、3本のプラネタリギヤ軸
59y…およびプラネタリギヤ58y…を予め組み立て
た第2プラネタリキャリヤ組立体62yとスラストベア
リング67とを組み付ける。その結果、第2プラネタリ
キャリヤ組立体62yのプラネタリギヤ58y…がサン
ギヤ56yおよびリングギヤ57xyに噛合し、第2遊
星歯車機構Pyの組み付けが完了する。このとき、先に
組み付けたサンギヤ56yはプラネタリキャリヤ60y
の開口60eを通過可能であるため、第2プラネタリキ
ャリヤ組立体62yの組み付けは支障なく行なわれる。
そして第1遊星歯車機構Pxのプラネタリキャリヤ60
xと第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ56yとがスプラ
イン結合69(図4参照)される。
【0027】続いて、メインハウジング33にリングギ
ヤ57zを組み付け、入力軸41に第3遊星歯車機構P
zのサンギヤ56zを組み付けた後に、第3遊星歯車機
構Pzのプラネタリキャリヤ60z、3本のプラネタリ
ギヤ軸59z…およびプラネタリギヤ58z…を予め組
み立てた第3プラネタリキャリヤ組立体62zとスラス
トベアリング68とを組み付ける。その結果、第3プラ
ネタリキャリヤ組立体62zのプラネタリギヤ58z…
がサンギヤ56zおよびリングギヤ57zに噛合し、第
3遊星歯車機構Pzの組み付けが完了する。このとき、
先に組み付けたサンギヤ56zはプラネタリキャリヤ6
0zの開口60eを通過可能であるため、第3プラネタ
リキャリヤ組立体62zの組み付けは支障なく行なわれ
る。そして第2遊星歯車機構Pyのプラネタリキャリヤ
60yと第3遊星歯車機構Pzのサンギヤ56zとがス
プライン結合70(図4参照)される。
【0028】そして最後に、サブハウジング34をメイ
ンハウジング33に組み付け、第3遊星歯車機構Pzの
プラネタリキャリヤ60zを出力軸27にスプライン結
合71(図4参照)して減速ギヤボックス32の組み立
てが完了する。
【0029】このように、メインハウジング33の内部
に最初に組み付けられる第1遊星歯車機構Pxのサンギ
ヤ56xが、メインハウジング33の開口33cに向け
て延びる入力軸41を一体に備えているため、その後に
順次組み付けられる第2、第3遊星歯車機構Py,Pz
のサンギヤ56y,56zを前記入力軸41を支持軸と
して組み付けることができる。その結果、第2、第3遊
星歯車機構Py,Pzのサンギヤ56y,56zをリン
グギヤ57xy,57zに対して同軸に配置することが
可能となり、第2、第3遊星歯車機構Py,Pzのプラ
ネタリキャリヤ組立体62y,62zを組み付ける際
に、そのプラネタリギヤ58y…,58z…をサンギヤ
56y,56zおよびリングギヤ57xy,57zに噛
み合わせる作業を容易に行うことができる。
【0030】しかもサンギヤ56y,56zがメインハ
ウジング33に対して正確に芯出しされるため、サンギ
ヤ56y,56zと第2、第3プラネタリキャリヤ組立
体62y,62zとの間に自動調芯のためのクリアラン
スを設ける必要がなくなり、サンギヤ56y,56zお
よびプラネタリギヤ58y…,58z…の噛み合いをス
ムーズにしてガタの減少および騒音の低減を図ることが
できる。
【0031】次に、図8に基づいてリンク24の構造を
説明する。
【0032】リンク24は円形断面のロッドよりなるリ
ンク本体76を備えており、このリンク本体76の両端
寄りの位置にそれぞれのワッシャ77,77が溶接され
る。ワッシャ77の軸方向外側のリンク本体76には、
カラー78,78およびワッシャ79,79が順次嵌合
してナット80,80で締結される。そしてリンク本体
76の一端側で一対のワッシャ77,79に挟まれたカ
ラー78の外周に、ボールジョイント81のインナー部
材81aがゴムで構成された一対の弾性部材82,82
に挟まれるように支持される。そしてボールジョイント
81のアウター部材81bが駆動アーム25の先端にナ
ット83で固定される。またリンク本体76の他端側で
一対のワッシャ77,79に挟まれたカラー78の外周
に、ボールジョイント84のインナー部材84aがゴム
で構成された一対の弾性部材85,85に挟まれるよう
に支持される。そしてボールジョイント84のアウター
部材84bがロアアーム12のボス部12bにねじ結合
されてロックナット86で固定される。
【0033】従って、モータ31を駆動すると、駆動軸
47の回転は駆動ベベルギヤ49、従動ベベルギヤ50
および入力軸41を経て第1遊星歯車機構Pxのサンギ
ヤ56xに伝達される。すると、回転するサンギヤ56
xおよび停止したリングギヤ57xに噛合するプラネタ
リギヤ58x…がプラネタリギヤ軸59x…回りに回転
しながら、第1プラネタリキャリヤ組立体62xがサン
ギヤ56xよりも減速されて回転する。このようにして
第1プラネタリキャリヤ組立体62xが回転すると、そ
の回転は第1プラネタリキャリヤ組立体62xにスプラ
イン結合69された第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ5
6yに伝達される。
【0034】第2遊星歯車機構Pyのサンギヤ56yの
回転は減速されて第2プラネタリキャリヤ組立体62y
に出力され、第2プラネタリキャリヤ組立体62yにス
プライン結合70された第3遊星歯車機構Pzのサンギ
ヤ56zの回転は減速されて第3プラネタリキャリヤ組
立体62zに出力される。その結果、第3プラネタリキ
ャリヤ組立体62zにスプライン結合71された出力軸
27が回転し、出力軸27に駆動アーム25およびリン
ク24を介して接続されたロアアーム12が上下動す
る。
【0035】而して、減速ギヤボックス32の内部で3
セットの遊星歯車機構Px,Py,Pzを直列に接続し
たので、コンパクトな構造で大きな減速比を確保し、ロ
アアーム12を大きなトルクで確実に駆動することがで
きる。またアクチュエータ26を駆動アーム25および
リンク24を介してロアアーム12に接続したので、油
圧式のアクチュエータやリニアモータ式のアクチュエー
タをスタビライザーバーのリンク部に配置する場合に比
べて、そのアクチュエータ26のレイアウトの自由度を
高めることができる。なぜならば、駆動アーム25およ
びリンク24の方向、長さ、角度等を選択することによ
り、ロアアーム12に対するアクチュエータ26の取付
位置を任意に設定できるからである。
【0036】ところで、路面の凹凸による車輪Wの微小
な上下動がロアアーム12からアクチュエータ26に伝
達されるとき、減速ギヤボックス32は大きな減速比を
有するために前記車輪Wの上下動を吸収することができ
ず、駆動アーム25、リンク24および減速ギヤボック
ス32の各ギヤに大きな荷重が加わる可能性がある。し
かしながら、本実施例によれば、ロアアーム12からリ
ンク24に軸方向の圧縮力が作用すると、リンク24の
両端に設けたボールジョイント81,84のインナー部
材81a,84aの軸方向内側の弾性部材82,85が
圧縮され、またロアアーム12からリンク24に軸方向
の引張力が作用すると軸方向外側の弾性部材82,85
が圧縮されることにより、ロアアーム12からアクチュ
エータ26に伝達される振動が緩衝される。これによ
り、駆動アーム25、リンク24および減速ギヤボック
ス32の各ギヤに大きな負荷が加わることを防止し、耐
久性の向上を図ることができる。
【0037】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0038】例えば、実施例ではアクチュエータ26を
ロアアーム12に接続しているが、それをアッパーアー
ム13に接続しても良い。またアクチュエータ26とロ
アアーム12とを接続する駆動アーム25およびリンク
24の方向、長さ、角度等は実施例のものに限定され
ず、適宜変更可能である。また弾性部材82,85はゴ
ム製に限定されず、ばねであっても良い。
【0039】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、アクチュエータの出力軸に固定した駆動アー
ムの先端とサスペンションアームとをリンクで連結した
ので、駆動アームおよびリンクの形状や配置を変化させ
るだけでサスペンションアームに対するアクチュエータ
の取付位置を任意に変更することができる。しかもアク
チュエータはモータの回転を遊星歯車機構で減速して出
力軸を駆動するので、コンパクトな構造で出力軸に大き
なトルクを発生させることができる。
【0040】また請求項2に記載された発明によれば、
リンクに設けた弾性部材でサスペンションアームから入
力される軸方向の荷重を緩衝するので、前記荷重による
リンク、駆動アームおよびアクチュエータの耐久性低下
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の左後輪のサスペンションの斜視図
【図2】図1の2方向矢視図(サスペンションの後面
図)
【図3】図1の3−3線拡大断面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線断面図
【図7】プラネタリキャリヤ組立体の斜視図
【図8】図2の8−8線拡大断面図
【符号の説明】
12 ロアアーム(サスペンションアーム) 24 リンク 25 駆動アーム 26 アクチュエータ 27 出力軸 31 モータ 82 弾性部材 85 弾性部材 Px 第1遊星歯車機構(遊星歯車機構) Py 第2遊星歯車機構(遊星歯車機構) Pz 第3遊星歯車機構(遊星歯車機構) W 車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 真仁 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 渡邊 和久 栃木県芳賀郡波賀町芳賀台143番地 株式 会社ピーエスジー内 Fターム(参考) 3D001 AA02 AA17 BA03 CA01 DA04 DA08 DA17 EB00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪(W)を懸架するサスペンションア
    ーム(12)をアクチュエータ(26)で上下動させる
    自動車のサスペンション制御装置において、 モータ(31)の回転を遊星歯車機構(Px,Py,P
    z)で減速して出力するアクチュエータ(26)の出力
    軸(27)に駆動アーム(25)を固定し、この駆動ア
    ーム(25)の先端とサスペンションアーム(12)と
    をリンク(24)で連結したことを特徴とする自動車の
    サスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】 前記リンク(24)は、サスペンション
    アーム(12)から入力される軸方向の圧縮力および引
    張力を緩衝する弾性部材(82,85)を備えたことを
    特徴とする、請求項1に記載の自動車のサスペンション
    制御装置。
JP2000149222A 2000-05-22 2000-05-22 自動車のサスペンション制御装置 Expired - Fee Related JP4430203B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000149222A JP4430203B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 自動車のサスペンション制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000149222A JP4430203B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 自動車のサスペンション制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001328414A true JP2001328414A (ja) 2001-11-27
JP4430203B2 JP4430203B2 (ja) 2010-03-10

Family

ID=18655110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000149222A Expired - Fee Related JP4430203B2 (ja) 2000-05-22 2000-05-22 自動車のサスペンション制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4430203B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100599699B1 (ko) 2004-10-06 2006-07-12 현대모비스 주식회사 액티브 서스펜션의 제어레버
JP2007153271A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Honda Motor Co Ltd 車両用アクティブサスペンション装置
JP2008168891A (ja) * 2006-12-15 2008-07-24 Honda Motor Co Ltd 車両用アクティブサスペンション装置
KR20200113711A (ko) * 2019-03-26 2020-10-07 주식회사 만도 차체 제어 장치

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100599699B1 (ko) 2004-10-06 2006-07-12 현대모비스 주식회사 액티브 서스펜션의 제어레버
CN100455455C (zh) * 2004-10-06 2009-01-28 现代摩比斯株式会社 用于主动几何控制悬架的控制杆
JP2007153271A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Honda Motor Co Ltd 車両用アクティブサスペンション装置
JP4616161B2 (ja) * 2005-12-08 2011-01-19 本田技研工業株式会社 車両用アクティブサスペンション装置
JP2008168891A (ja) * 2006-12-15 2008-07-24 Honda Motor Co Ltd 車両用アクティブサスペンション装置
KR20200113711A (ko) * 2019-03-26 2020-10-07 주식회사 만도 차체 제어 장치
KR102654153B1 (ko) * 2019-03-26 2024-04-03 에이치엘만도 주식회사 차체 제어 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4430203B2 (ja) 2010-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1547843B1 (en) In-wheel motor system for steering wheel
JP6333191B2 (ja) チルトステアリング装置
EP2036802B1 (en) Vehicle, in particular a farm tractor, and relative assembly method
KR20110086005A (ko) 차량용 서스펜션
JPH11227434A (ja) 自動車の懸架装置
KR20030023025A (ko) 스티어링 기어 프레임을 이용한 최적의 서스펜션 레이아웃
JP2001330087A (ja) アクチュエータ
JP2001328414A (ja) 自動車のサスペンション制御装置
JP4616161B2 (ja) 車両用アクティブサスペンション装置
JP2001330084A (ja) アクチュエータ
JP2001330085A (ja) 遊星歯車機構
JP2002087363A (ja) 車両の後輪懸架装置
US5769453A (en) Adjusting arrangement for adjusting the slope of a swivellably connected casing tube of a steering spindle of a motor vehicle
JP4825331B2 (ja) 車両用アクティブサスペンション装置
JP3954796B2 (ja) 自動車のサスペンション制御装置
WO2019082566A1 (ja) 小型車両
JPH03182880A (ja) トラクターのステアリング機構
JP2001039333A (ja) 車両用サブフレームの組付け構造
JP4999336B2 (ja) 車両用アクティブサスペンション装置
EP1566158B1 (en) Small-sized electric vehicle
KR20080030735A (ko) 스티어링 기어 프레임 일체형의 파이프 타입 현가서브프레임
JP3551391B2 (ja) キャビン付転圧ローラ
KR20080030734A (ko) 스티어링 기어 프레임 일체형의 현가 서브프레임
JPS61163026A (ja) 乗用農機の操作機構
JPH06255557A (ja) 小型車両

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090325

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091217

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees