JP4428224B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、一般家庭等で使用される誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器は、すでに知られている(例えば、特許文献1参照)。
これは火力調整手段で設定された火力(加熱量)により加熱を行うものであり、設定された火力と被加熱物の種類や内容物の容量によってほぼ一定の温度で加熱調理されていた。
特開平10−125457号公報
しかしながら、前記従来の構成では、煮物等の調理後に味の染み込みが足りないと使用者が感じて追加加熱したとき、手動にて火力設定される為、火力設定を高くしすぎて内容物が沸騰を継続して煮崩れしたり、逆に火力設定が低すぎて味の染み込みに時間が掛かっていた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、煮物等の調理後には味の染み込みが十分であるようにするために、自動的に煮崩れなく、短時間で味が均一に染み込むように調理を行うことを目的とする。
従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記被加熱物を載せるトッププレートと、前記加熱コイルに高周波電流を供給することにより前記被加熱物を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記被加熱物の温度を前記トッププレートを介して検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の温度に応じて前記誘導加熱手段の加熱量を加減する制御手段と、前記温度検知手段により第一の所定加熱量で前記被加熱物の沸騰を検知する沸騰検知手段とを備え、前記制御手段は、前記沸騰検知手段により沸騰検知してから前記第一の所定加熱量で加熱して第一の所定時間の前記温度検知手段により検知した被加熱物の温度を基準温度とし、その後前記基準温度から所定温度だけ低い温度を上限値とし所定温度幅にて温度制御を行うように加熱量を制御するとともに、前記所定温度幅を前記基準温度が低いほど小さく変更するものである。
これによって、沸点に近い高温で、しかも沸騰させないことにより調理物の煮崩れを防止でき、また所定の温度幅を持たせることにより調理物短時間で味均一に染み込ませることが可能となる。
また、第一の所定加熱量にて第一の所定時間加熱後の温度を基準温度としたことにより、温度検知手段による被加熱物の沸騰時の検知温度を安定化でき、温度制御の精度を向上でき、より調理物を煮崩れさせることなく、短時間で味を均一に染み込ませることができる。
また、所定温度幅を基準温度が低いほど小さく変更するとしたことにより、被加熱物の形状による温度検知手段の検知感度の相違による制御温度の影響を低減でき、調理性能の高い誘導加熱調理器を提供できる。
本発明の誘導過熱調理器は、煮物等の調理後にさらに味のしみ込みをさせたい時、高温でしかも温度幅を持たせることにより(特に、温度低下時に味が染み込むことが一般的に知られており)、煮崩れなく、短時間で味が均一に染み込むように調理することができる。
しかも、沸騰検知手段を設けているので煮込み調理から自動的にしみ込み保温動作に移ることも可能となり、使用者の手間を省くことができる。
第1の発明は、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記被加熱物を載せるトッププレートと、前記加熱コイルに高周波電流を供給することにより前記被加熱物を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記被加熱物の温度を前記トッププレートを介して検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の温度に応じて前記誘導加熱手段の加熱量を加減する制御手段と、前記温度検知手段により第一の所定加熱量で前記被加熱物の沸騰を検知する沸騰検知手段とを備え、前記制御手段は前記温度検知手段により沸騰を検知してから前記第一の所定加熱量で加熱して第一の所定時間後の前記温度検知手段により検知した前記被加熱物の温度を基準温度とし、その後前記基準温度から所定温度だけ低い温度を上限値として所定温度幅にて温度制御を行うように加熱量を制御するとともに、前記所定温度幅を前記基準温度が低いほど小さく変更することにより、沸点に近い高温で、しかも沸騰させないことにより調理物の煮崩れを防止でき、また所定の温度幅を持たせることにより調理物短時間で味均一に染み込ませることが可能となる。
また、第一の所定加熱量にて第一の所定時間加熱後の温度を基準温度としたことにより、温度検知手段による被加熱物の沸騰時の検知温度を安定化でき、温度制御の精度を向上でき、より調理物を煮崩れさせることなく、短時間で味均一に染み込ませることができる。
また、所定温度幅を基準温度が低いほど小さく変更するとしたことにより、被加熱物の形状による温度検知手段の検知感度の相違による制御温度の影響を低減でき、調理性能の高い誘導加熱調理器を提供できる。
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段を、沸騰検知手段により沸騰を検知してから第一の所定加熱量にて加熱して第一の所定時間後の温度検知手段により検知した被加熱物の温度を基準温度とすることに代えて前記沸騰検知手段により沸騰を検知してから前記第一の所定加熱量よりも少ない第二の所定加熱量にて第一の所定時間加熱後の前記温度検知手段により検知した前記被加熱物の温度を前記基準温度としたことにより、温度検知手段による被加熱物の沸騰時の検知温度を安定化でき、温度制御の精度を向上でき、より調理物を煮崩れさせることなく、短時間で味を均一に染み込ませることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
参考の形態1)
図1は、本発明の第1の参考の形態における誘導加熱調理器の構成図である。以下、図に従って、本参考の形態の構成とその機能について説明する。
図1において、加熱コイル1はアルミニウム等の非磁性体または鉄等の磁性体の被加熱物4を誘導加熱し、誘導加熱手段2は加熱コイル1に高周波電流を供給することにより被加熱物4を加熱し、トッププレート5は被加熱物4を載せるトッププレート、温度検知手段3はトッププレート5を通して被加熱物4の温度を検知するサーミスタ等のセンサーからなり、制御手段6は温度検知手段3の温度に応じて誘導加熱手段2の加熱量を加減する制御手段である。操作手段7は制御手段6に加熱動作を開始させる。沸騰検知手段8は温度検知手段3により被加熱物の温度変化を監視して沸騰を検知する。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、図2を用いながら以下にその動作、作用を説明する。
図2は、煮込み調理した調理物をさらに具材に味をしみ込ませる為、追加調理(以降味しみ込み調理と記す)を実施した時のセンサー温度と加熱量を示す図である。
使用者は、煮込み等の調理後、味のしみ込みをよりしたいと判断し、操作手段7の図示してないスイッチを操作して、味しみ込み調理動作を実行させると、誘導加熱手段2は加熱量P1にて加熱を開始する。沸騰検知手段8は温度検知手段3より所定の温度θkに達
した時点の所定時間△t間の温度上昇△θ1を記憶し、その温度上昇△θ1の所定比率(T1時:△θ2)に達すると沸騰と検知する。温度検知手段3はT1時点の被加熱物の温度を検知し制御手段6に伝える(この時煮込み直後のT1時点でのセンサー温度θfは調理物の沸点に相当するものと考えられる)。制御手段6はこの時の温度θfを基準温度とし、このθfから所定温度△θh温度(例えば5℃)だけ低い温度をθuとする。さらにθuから所定温度幅θdiff(例えば15℃)だけ低い温度をθsとし、θs未満となれば加熱量P2で加熱し、θu以上となれば加熱を停止する。このことにより、被加熱物内の調理物は約80℃〜95℃の温度幅での温調により調理される。
以上のように、本参考の形態においては、制御手段6は沸騰検知直後の温度θfから所定温度△θh低い温度θuを温度制御の上限値としていることより、沸騰による調理物の煮崩れは防止でき、高温で低温側に温度幅θdiffを持たせた温調をすることにより、短時間で均一に調理物に味をしみ込ませることができる。
(実施の形態
本発明の第の実施の形態の構成は、第1の参考の形態の構成と同じである。
図3において第の実施の形態の動作、作用の第1の参考の形態と異なる部分についてのみ説明する。
使用者は、煮込み等の調理後、味のしみ込みをよりしたいと判断し、操作手段7により味しみ込み調理動作を実行させ、沸騰検知手段8が沸騰検知した後、第一の所定時間(例えば10分)の間、沸騰検知動作中と同じ第一の所定加熱量P1またはそれより少ない第二の所定加熱量Pにて加熱を行う。温度検知手段3はT’1時点の被加熱物の温度を制御手段6に伝え、この温度を基準温度とする。以降は参考の形態1と同じである。
以上のように、本実施の形態においては、センサー温度の追従性の遅れ等による調理物との温度差を軽減でき、調理物の沸騰時のセンサー温度を正確、安定した形で検知でき、より正確に温調をすることが可能となり、調理性能の向上が図れる。
尚、前記は所定時間の間、所定加熱量にて加熱するとしたが、第二の所定加熱量でオン、オフしながら第二の所定時間加熱する方法や、第三の所定時間加熱を休止(停止)し、その後第四の所定時間第三の所定加熱量または第四の所定時間加熱を休止(停止)し第五の所定加熱量を第五の所定時間オン、オフしながら加熱し、各その後の温度を基準温度する方法も同様の効果が得られる。
尚、所定温度幅θdiffを基準温度に応じたものにする事により、基準温度が低いほど鍋形状等によりセンサー感度が悪くなり(被加熱物の温度変化に対してセンサー温度の追従が遅い)、その場合に於いても所定の温度幅θdiffを小さくすることにより(例えば基準温度が40℃以下の時はθdiffを7℃、基準温度が40℃〜80℃の時はθdiffを10℃、基準温度が80℃以上の時はθdiffを13℃とする)、調理物の温調温度の適正化を図ることが可能となり調理性能の向上ができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、煮物等の調理後に味の染み込みが足りないとお客様が感じて追加加熱調理する際、高温でしかも温度幅を持たせることにより、煮崩れなく、短時間で味が均一に染み込むように調理することができるので、煮込み調理から味しみ込み保温の調理動作の一連を自動化した調理器等の用途にも適用できる。
本発明の参考の形態1、実施の形態1における誘導加熱調理器の構成図 本発明の参考の形態1におけるセンサー温度と加熱量を示す図 本発明の実施形態におけるセンサー温度と加熱量を示す図
符号の説明
1 加熱コイル
2 誘導加熱手段
3 温度検知手段
4 被加熱物
5 トッププレート
6 制御手段
8 沸騰検知手段

Claims (2)

  1. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、前記被加熱物を載せるトッププレートと、前記加熱コイルに高周波電流を供給することにより前記被加熱物を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記被加熱物の温度を前記トッププレートを介して検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の温度に応じて前記誘導加熱手段の加熱量を加減する制御手段と、前記温度検知手段により第一の所定加熱量で前記被加熱物の沸騰を検知する沸騰検知手段とを備え、前記制御手段は、前記沸騰検知手段により沸騰を検知してから前記第一の所定加熱量で加熱して第一の所定時間後の前記温度検知手段により検知した前記被加熱物の温度を基準温度とし、その後前記基準温度から所定温度だけ低い温度を上限値として所定温度幅にて温度制御を行うように加熱量を制御するとともに、前記所定温度幅を前記基準温度が低いほど小さく変更するものとした誘導加熱調理器。
  2. 制御手段は、沸騰検知手段により沸騰を検知してから第一の所定加熱量にて加熱して第一の所定時間後の温度検知手段により検知した被加熱物の温度を基準温度とすることに代えて前記沸騰検知手段により沸騰を検知してから前記第一の所定加熱量よりも少ない第二の所定加熱量にて第一の所定時間加熱後の前記温度検知手段により検知した前記被加熱物の温度を前記基準温度とした請求項1に記載の誘導加熱調理器。
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