JP4422829B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛蓄電池、特に自動車用の鉛蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から自動車用の鉛蓄電池においては、格子体に活物質ペーストを充填した正極板および負極板の一方が、微孔性の合成樹脂シートで構成した袋状セパレータに収納されている。この袋状セパレータの袋内面に、極板の上下方向に沿って伸びた平行な縦リブを設けて、袋内の極板の周囲に電解液量を確保するとともに、セパレータ内面と同極板表面とが直接接触しない構成にされている。
このような構成により、袋状セパレータは、正極板と負極板とを隔離するとともに、蓄電池の使用につれて格子体から脱落した活物質を袋内に溜めて正極−負極間の電気的な短絡を防止している。
特に、正極板は充放電による活物質の軟化、脱落が負極板と比較して顕著に進行することから、正極板を袋状セパレータに包皮する構成が広く用いられている。このような構成により、正極活物質の軟化がある程度まで進行しても正極板を包皮する袋状セパレータにより活物質の脱落が抑制される効果がある。
【0003】
一方、近年の自動車のエンジンルーム内は、高性能エンジンの搭載やボディのコンパクト化等により、非常に高温になる傾向にある。そして、高温条件下で蓄電池が使用されると、正極格子の腐食が進行し蓄電池の寿命が尽きる。特に、高温下での電解液の減少を抑制するため、正極および負極の格子にアンチモンを含まない鉛−カルシウム−錫系合金を用いると、高温での正極格子の腐食が顕著であり、蓄電池の短寿命を引き起こす頻度が非常に高かった。
このような短寿命を抑制する手段として、たとえば格子体の強度をあげることが検討されてきている。たとえば特開平5−290857号公報においては、正極エキスパンド格子体の鉛−カルシウム−錫系合金中の錫濃度を高めることにより、格子体の強度が確保されて蓄電池寿命が向上することが示されている。このような正極格子を用いた場合、格子の腐食は抑制されて電池寿命の短縮が抑制される。しかしながら、このようなエキスパンド格子を用いた正極板を前記した袋状セパレータに収納すると、袋状セパレータの底部が破れて正極格子と負極板が短絡し、急激な寿命低下が発生することがあった。このエキスパンド格子体の腐食量自体は従来の格子に比較して低い水準に抑制されるものの、エキスパンド格子体は腐食によりエキスパンド加工時の展開方向に沿って伸びる特性があり、これによりセパレータ底部が損傷を受けるのである。このように高温時の格子自体の腐食を考慮して、エキスパンド格子を正極格子として用い、正極板を袋状セパレータで包皮する構成は格子自体の強度を高める対策としては優れている。しかし、エキスパンド格子の展開方向に沿った伸びによるセパレータの損傷とこれによる突然に短寿命が発生するという課題がある。
【0004】
このような課題を解決するために、前記したような正極エキスパンド格子体を用いた正極板を袋状セパレータ内に収納せず、負極板を袋状セパレータに収納する構成が考えられている。このような構成により正極板による袋状セパレータの底部損傷を防止できるが、正極エキスパンド格子から活物質が脱落するという新たな課題が発生してきた。これは従来からあった、軟化した正極活物質が徐々に格子体から脱落するのではなく、正極板両側部のマス目ごと脱落して短寿命となる現象である。これは正極エキスパンド格子体がエキスパンド展開方向に沿って伸びることに加えて、エキスパンド格子自体が左右両側部の枠骨がないことによるものである。これは正極板を袋状セパレータに収納した従来の構成においてはそれほど問題とはならなかった。しかし、負極板を袋状セパレータに収納し、正極板を袋状セパレータに収納しない構成の鉛蓄電池においては、この活物質の脱落による寿命低下が無視できないほど大きい。特に、近年広く普及しているRV車等、高レベルの振動で使用される用途でこの現象が顕著であることがわかってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記したようなエキスパンド格子体を用いた正極板と袋状セパレータに包皮される負極板とから構成される鉛蓄電池を高振動下で使用した時の正極板からの活物質の脱落とこれによる鉛蓄電池の短寿命を抑制することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の鉛蓄電池は、正極板と袋状セパレータに収容された負極板とを交互に積層した極板群を具備し、前記正極板がエキスパンド格子および前記格子に充填された活物質ペーストからなり、前記エキスパンド格子は、左右両端部に、各一列の閉じていない升目を有し、前記セパレータは、微孔性合成樹脂シートを折り曲げ、重ね合わされた両側縁がシールされて袋状に構成され、かつ外表面には、幅方向の大部分を占める中央部に複数の平行する縦リブを配列し、左右両側端部に、前記エキスパンド格子の閉じていない升目と交叉する多数の小リブを上下に帯状に配列した小リブ帯を有することを特徴とする。
【0007】
ここにおいて、前記格子の升目幅は前記小リブ帯の幅の1.4倍以下であることが好ましい。
前記小リブは、そのいくつかまたはすべてが、セパレータ中央側の端部においてこれに隣接する縦リブと連なっていることが好ましい。
前記小リブは、その長手方向が水平方向に対して傾斜するように設けられていることが好ましい。
【0008】
記エキスパンド格子が、鉛−カルシウム−錫系合金を含み、前記鉛−カルシウム−錫系合金の錫含量は0.7〜2.2wt%であることが好ましい。
前記鉛−カルシウム−錫系合金のカルシウム含量は0.05〜0.09wt%であることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。なお、セパレータなどの構造を示す図面は概略を表すものであって、各要素の相対的なサイズや位置は必ずしも正確ではない。
図1は本発明の鉛蓄電池に用いる袋状セパレータ1を示す。袋状セパレータ1は、微孔性のポリエチレンシートを二つ折りにし、その左右両側縁部1a、1bはメカニカルシールにより結合したもので、上部を開口した袋である。この袋状セパレータ1の内部には、負極板2が収納されている。袋状セパレータ1の外側の面中央部には複数の平行する縦リブ3が形成されている。そして正極板4(破線で表示)の左右両側端4a、4bに対応する袋状セパレータ外面に、この正極板4の左右両側端4a、4bと交叉する多数の小リブ5aを上下に帯状に配列した小リブ帯5を有する。小リブ5aは、その長手方向が水平方向に対して傾いている。
【0010】
正極板4は、図3に示すようなエキスパンド格子体6とこれに充填された活物質から構成される。このエキスパンド格子体6は、製法上枠骨を有しないので、左右両側部付近の格子骨7によって囲まれない領域8bにある活物質は、格子骨7によって囲まれた領域8aにある活物質に比べて脱落しやすい。本発明の構成によれば、このような活物質の脱落を抑制することができる。エキスパンド格子体6は、0.7〜2.2重量%の錫を含む鉛−カルシウム−錫系合金を用いた構成において本発明の効果をより顕著に得ることができる。
図2は本発明の鉛蓄電池におけるセパレータおよび極板の配列を示す平面図である。前記したように負極板2は袋状セパレータ1に収容され、袋状セパレータ1の外側中央部には縦リブ3が形成されている。正極板4は2つの袋状セパレータ1に挟まれ、セパレータ1の縦リブ3と小リブ帯5により支持されている。小リブ5aは特に正極板4の左右両側端4a、4bに交叉するように設けることにより、前記の格子骨7によって囲まれない領域8bの活物質を支持する。このような構成により、従来発生していた活物質の脱落を抑制し、寿命が短くなるのを抑制することができる。
【0011】
エキスパンド格子6は、図4により説明すると、通常鉛合金シートに図において横方向に千鳥状にスリットを入れ、図において上下方向に展開することにより作製される。そして、横方向の升目幅pは縦方向の升目幅dより大きい。このようなエキスパンド格子の左右端部において格子骨に囲まれない領域8bに充填されている活物質の脱落を有効に防止するには、小リブ帯5の横方向の幅wのうち正極板の端部と重なり合う部分が少なくともp/2だけ有することが好ましい。
小リブ5aは、ある観点では、縦リブ3と接しないように設けることが好ましい。小リブ5aは縦リブ3と接して設けた場合は、小リブと縦リブとの間に液の流通を止める堰が形成されて、電解液の上下方向の拡散が阻害されるためである。よって、電解液の拡散を阻害しないように小リブと縦リブとの間には間隔を設けるのがよい。
【0012】
また、別の観点では、小リブ5aは縦リブと連なっているのがよい。両者がつながっていると、負極板を挿入した袋状セパレータを調製する工程において、負極板を挿入したセパレータが多数積層される場合、セパレータの側縁が隣接するセパレータの小リブと縦リブとの隙間に入り込むのを防止できる。また、極板群を構成する際、正極板の側縁が隣接するセパレータの小リブと縦リブとの隙間に入り込むのを防止できる。両者が連なっている方が振動に伴う伸縮に対しても強度が高くなる。この様な点から、図1に示すセパレータにおいて、点線で示すように、小リブ5aの一部、例えば小リブ5本につき1本の割合で小リブを隣接する縦リブに連なるようにすることが好ましい。
【0013】
袋状セパレータは、1枚のセパレータシートを2つ折りにして作られるので、小リブ5aが一方向に傾斜していると、袋状セパレータの一方の面にある小リブの傾きと同じセパレータの他方の面にある小リブとは傾きの方向が異なる。従って、そのようなセパレータを用いると、負極板を挿入した袋状セパレータを調製する工程において、負極板を挿入したセパレータが多数積層される場合、セパレータの小リブが隣接するセパレータの小リブ間の隙間に入り込むことがない。そのため多数のセパレータの上下方向の位置合わせに支障を来すことはない。
前記した正極板4と袋状セパレータ1内に挿入された負極板2とを積層してなる極板群は電槽に挿入され、常法に従ってセル間接続、電槽への蓋の溶着、端子の溶接、化成充電を経て鉛蓄電池として完成する。
なお、極板群を構成する正極板の構成枚数をn、負極板の構成枚数をmとしたときm≦nとすると、本発明の構成を用いることによりセパレータの必要枚数を削減でき、蓄電池の製造コスト上有利である。
【0014】
図5は袋状セパレータの他の実施例を示す。このセパレータ11は、左右両側縁部11a、11bはメカニカルシールにより結合されている。内部には負極板2が収容されている。セパレータの外面には、中央部に複数の縦リブ13が配列され、左右両端部に、多数の小リブ15aを上下に帯状に配列した小リブ帯15が設けられている。図1の例では、小リブ5aは傾斜しており、縦リブとは連なっていなかったが、この例では、小リブ15aは縦リブに直交するように形成され、かつ小リブはこれに隣接する縦リブ13a、13bと連なっている。
【0015】
《実施例1》
正極板はPb−0.08wt%Ca−1.25wt%Sn合金からなるエキスパンド格子、負極板はPb−0.08wt%Ca−0.25wt%Sn合金からなるエキスパンド格子をそれぞれ用いた。エキスパンド格子は、前記合金の鋳造スラブを多段階に冷間圧延したシートをその圧延方向に沿って千鳥状にスリットを形成し、そのシートを前記スリットに直交する方向に展開することによって作製した。金属鉛粉と酸化鉛粉の混合物に、水と希硫酸を加えて混練した活物質ペーストを前記のエキスパンド格子に充填し、熟成、乾燥して正極板および負極板を作製した。ただし、負極板の活物質ペーストには、防縮剤としてのリグニンスルホン酸ナトリウムと硫酸バリウム、およびその他の添加剤カーボン粉が添加されている。エキスパンド格子における升目幅pおよびdはそれぞれ11mmおよび8mmである。
【0016】
袋状セパレータは、縦リブと小リブを有する厚さ0.2mmの微孔性のポリエチレンシートを二つ折りにし、左右両側縁部2.5mm幅の部分を一対の噛み合いギヤの間を通過させることによりメカニカルシールして図1に示すような袋状にしたものである。そのサイズは高さ121mm、幅152mmである。縦リブ3は、断面が上辺0.3mm、下辺0.8mm、高さ0.9mmの台形であり、9.8mmのピッチで設けられている。小リブ5aは、半径0.2mmの半円形の断面を有し、1mmのピッチで設けられ、小リブ帯5の幅wは12mmである。なお、小リブの水平方向に対する傾きは約45°である。
上記の袋状セパレータに収容した正極板5枚と、上記の負極板6枚とを交互に積層して極板群を構成した。この極板群を、6セルが直列に接続されるモノブロック電槽に収容し、常法にしたがって12V、公称容量48Ahの鉛蓄電池を作製した。なお、極板のサイズは高さ114.5mm、幅137.5mmである。
このように構成した本実施例の電池をAとする。
また、以下のようにして、比較例の電池B、C、D及びEを作製した。
【0017】
比較例の電池B:
袋状セパレータは、図9および10に示すように、セパレータシートを二つ折りにし、左右両側縁部21a、21bをメカニカルシールにより結合したもので、内面には、上記の縦リブと同じサイズの縦リブ23が9.8mmのピッチで設けたものである。この袋状セパレータ21内には、Pb−0.08wt%Ca−0.25wt%Sn合金からなる鋳造格子を用いた正極板4が収容されている。このように袋状セパレータに収容された正極板と負極板とを積層して極板群が構成される。その他の構成は、電池Aと同じである。
【0018】
比較例の電池C:
鋳造格子の代わりに同じ合金からなるエキスパンド格子を用いた他は、電池Bと同じである。
【0019】
比較例の電池D:
Pb−0.08wt%Ca−1.25wt%Sn合金からなるエキスパンド格子を用いた他は電池Bと同じである。
【0020】
比較例の電池E:
袋状セパレータが、外表面に縦リブを有するが、小リブを有しない他は、電池Aと同じである。
【0021】
これらの電池A、B、C、DおよびEについて、75℃において加振条件下でJIS D5301に定める寿命試験を行った。振動条件は2.3〜2.5mmの複振幅、加速度9.8m/s2とし、振動方向は上下方向1時間、前後方向1時間、および左右方向1時間を繰り返して行った。また、比較のために振動を加えない条件でも寿命試験を行った。
JIS D5301に定める寿命試験は次のとおりである。
25Aの電流で4分間放電し、引き続き充電電圧14.8V(最大電流25A)で10分間充電するサイクルを1サイクルとする。そして、480サイクル毎に56時間放置し、その放置後356Aで30秒間連続放電して、放電30秒目の電圧を測定する。測定後上記と同じ条件で充電する。この操作を繰り返し、30秒目電圧が7.2Vになるまでのサイクル数をもって寿命を表す。なお、試験中に電解液が減少するので、適宜精製水を補給する。
【0022】
振動を加えない条件下での結果を図6に示す。振動を加えない通常の寿命試験において、本発明の電池Aと比較例の電池Eが比較例の電池B、C、Dに比べて寿命が優れていた。最も短寿命であった電池Bについては、正極格子の腐食が進行して当初の格子形状をとどめないまでになっていた。比較例の電池Cについても正極格子の腐食が著しく進行していた。比較例の電池Dについては、正極格子のエキスパンド展開方向に沿った伸び(正極板の上下方向に相当)により袋状セパレータの底部に穴があき、正極が負極に接し短絡していた。電池Dの電圧推移からもわかるように、この短絡は急激に進行する。このような現象は、実際の使用においては、突然に使用不能になることに相当する。特に、車両用の蓄電池においては、車両が突然走行不能になることから、車両の使用者にとっては大変不都合である。なお、電池Cについては、電池Dにみられたセパレータ底部の損傷は殆どなかった。これは格子が伸びを生じてセパレータを損傷する以前に、腐食によって格子の強度が著しく低下し、そのためセパレータを損傷するほどの応力が発生しなかったことによる。
このように袋状セパレータ中に収納した正極板の格子合金中の錫濃度を高めることは、格子の強度を高め、寿命を高めるのであるがその反面、セパレータ底部を損傷させ、蓄電池の突然故障を引き起こす可能性が増大する。
【0023】
次に、前記の条件で振動を加えた寿命試験の結果を図7に示す。図7の結果から、電池B、C、およびDについては、振動を加えない場合に比較して若干寿命低下が見られた。比較例の電池Eについては、電池B〜Dと比較して振動の影響を受け、著しい寿命低下が見られた。この電池Eを分解したところ、正極板の左右両側部の格子骨に囲まれない部分の活物質の脱落が原因で寿命が低下していた。本発明の電池Aは、比較例の電池と比較して優れた寿命特性を示した。電池Aを分解したところ、蓄電池の寿命要因は正極活物質の全般的な軟化であって、電池Eで見られたような活物質の脱落は殆ど見られなかった。これは袋状セパレータの袋外側の左右両側部に設けた小リブにより活物質の脱落が抑制されたことによると推測される。
【0024】
《実施例2》
実施例1の電池A、B、及びEの正極格子合金の錫含量を変更した電池について、実施例1と同様の加振条件下で軽負荷寿命試験を行った。これらの結果を図8に示す。本発明の電池は、正極格子合金の錫含量を0.7重量%以上とした場合に、比較例に対して寿命伸長の効果が顕著であることがわかる。特に、錫含量0.9wtでは、電池Aの寿命が3100サイクルとなり、電池Eにおいても2400サイクルとなることから、錫含量は0.9wt%以上がより好ましい。正極格子合金中の錫含量が0.7重量%未満の領域においては、比較例の電池D(正極板を袋状セパレータに収納)とそれほど特性上の差はない。この領域においては、正極格子の強度が弱く、正極板を袋状セパレータに収納したことによるセパレータ底部の損傷といった不具合が生じないからである。また、エキスパンド加工上の制約から、正極格子合金中の錫含量は2.2重量%以下とすることが好ましい。2.2重量%を超える錫含量とする場合には、エキスパンド加工における格子結節部のクラック等が発生し、短寿命となる危険が増大するからである。
【0025】
《実施例3》
(1)実施例3−1
図5に示すように、微孔性のポリエチレンシートを二つ折りにし、その左右両側縁部をメカニカルシールにより結合して作製した袋状セパレータを用いた。このセパレータの外表面には、図1と同じサイズの断面台形の縦リブが配列され、左右両端部には、半径0.2mmの半円形の断面を有し、長さ8mm(従って小リブ帯の幅も8mm)の多数の小リブが1mmのピッチで配列されている。これらの小リブのセパレータ中央側の端部は、隣接する縦リブと一体に連なっている。
上記の袋状セパレータ(以下セパレータdという)に収納する負極板は、Pb−0.07wt% Ca−0.2wt%Sn合金の圧延シートから作製したエキスパンド格子に活物質ペーストを充填したものである。
正極板は、Pb−0.07wt%Ca−1.2wt%Sn合金からなる鋳造格子に活物質ペーストを充填したものである。
上記の袋状セパレータに収納した負極板6枚と、上記の正極板5とを交互に積層して極板群を構成し、実施例1と同様の自動車用鉛蓄電池を組み立てた。
【0026】
(2)実施例3−2
小リブの長さを5.0mmとしたセパレータ(以下セパレータcという)を用い、正極板にはエキスパンド格子を用いた他は実施例3−1と同じ電池を作製した。
【0027】
(3)実施例3−3
正極板にエキスパンド格子を用いた他は実施例3−1と同じ電池を作製した。
【0028】
(4)実施例3−4
小リブの長さを5.0mmとし、小リブとこれに隣接する縦リブとの間に約3.0mmの間隔を設けたセパレータ(以下セパレータeという)を用いた他は実施例3−2と同じ電池を作製した。
【0029】
また、以下のようにして比較例の電池を作製した。
比較例1:
縦リブ及び小リブを有しないセパレータ(セパレータaという)を用いた他は実施例3−1と同じ。
比較例2:
縦リブを有するが小リブを有しないセパレータ(セパレータbという)を用いた他は実施例3−1と同じ。
比較例3:正極板にエキスパンド格子を用いた他は比較例1と同じ。
比較例4:正極板にエキスパンド格子を用いた他は比較例2と同じ。
【0030】
以上の各電池の主な構成を表1にまとめて示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004422829
【0032】
表1の電池a〜eに関して実施例1と同じ条件で寿命試験を行った。これらの結果を表2に示す。なお、寿命は電池aのものを100とした指数で示した。
【0033】
【表2】
Figure 0004422829
【0034】
表2に示したように、本発明による電池c、f、gおよびhは、比較例の電池a、b、およびdに比べて寿命の向上が認められた。これらの電池を寿命試験終了後分解したところ、電池a、dについてはセパレータが全面にわたって酸化劣化により穴あきが発生するとともに、セパレータに収納しない方の極板である正極活物質の脱落が顕著であった。電池b、eについては、正極板の左右両端部によってセパレータの左右両側部が損傷し、穴あきが発生するとともに正極板と負極板とが短絡していた。特に、セパレータに収納されない極板の左右両側部で活物質の脱落が見られた。この脱落現象はエキスパンド格子を用いた電池eにおいて特に顕著であった。
【0035】
一方、本発明の電池c、f、g、およびhについては、袋状セパレータに収納されない極板の左右両端部によるセパレータの穴あきを抑制することができた。しかしながら小リブと縦リブとが連続していない電池hに関しては、小リブと縦リブとの不連続部に沿って微少なクラックが発生していた。さらに本発明の電池c、f、およびgについては、このようなクラックの発生もなくセパレータ自体の損傷も確認できなかった。主な寿命劣化要因は、活物質の脱落に基づくものであった。本発明の電池fと電池gの寿命差について調査したところ、袋状セパレータに収納されない方の極板の左右両側部において活物質と格子との密着性に差が見られた。すなわち、小リブの帯幅に対する格子マス目幅(p)の比率を2.2とした構成の電池fにおいては、極板の左右両側部の活物質と格子間に一部剥離が認められたもののこの比率を1.4とした構成の電池gについてはこのような剥離は認められなかった。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば微孔性の合成樹脂シートからなる袋状セパレータに負極板を包み込む構成の鉛蓄電池において、袋状セパレータに収納されない正極板の振動による活物質の脱落とセパレータの損傷を抑制することにより、加振時における電池寿命低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における袋状セパレータの正面図である。
【図2】同セパレータと極板の配列を示す平面図である。
【図3】正極板の格子体の正面図である。
【図4】同格子体の要部の拡大図である。
【図5】本発明の他の実施例における袋状セパレータの正面図である。
【図6】本発明の実施例および比較例の電池の寿命特性を示す図である。
【図7】本発明の実施例および比較例の電池の振動下での寿命特性を示す図である。
【図8】各種セパレータを用いた電池の正極格子合金の錫含量と寿命との関係を示す図である。
【図9】従来例のセパレータの正面図である。
【図10】同セパレータの正極板を収容した状態における平面図である。
【符号の説明】
1 袋状セパレータ
1a、1b 側縁部
2 負極板
3 縦リブ
4 正極板
4a、4b 側端
5 小リブ帯
5a 小リブ
6 格子体
7 格子骨
8a 格子骨によって囲まれた領域
8b 格子骨によって囲まれない領域

Claims (8)

  1. 正極板と袋状セパレータに収容された負極板とを交互に積層した極板群を具備し、
    前記正極板がエキスパンド格子および前記格子に充填された活物質ペーストからなり、
    前記エキスパンド格子は、左右両端部に、各一列の閉じていない升目を有し、
    前記セパレータは、微孔性合成樹脂シートを折り曲げ、重ね合わされた両側縁がシールされて袋状に構成され、かつ外表面には、幅方向の大部分を占める中央部に複数の平行する縦リブを配列し、左右両側端部に、前記エキスパンド格子の閉じていない升目と交叉する多数の小リブを上下に帯状に配列した小リブ帯を有する鉛蓄電池。
  2. 前記格子の升目幅が前記小リブ帯の幅の1.4倍以下である請求項記載の鉛蓄電池。
  3. 前記小リブのいくつかまたはすべてが、セパレータ中央側の端部において隣接する縦リブと連なっている請求項1記載の鉛蓄電池。
  4. 前記エキスパンド格子が、鉛−カルシウム−錫系合金を含み、前記鉛−カルシウム−錫系合金の錫含量が0.7〜2.2wt%である請求項記載の鉛蓄電池。
  5. 前記鉛−カルシウム−錫系合金のカルシウム含量が0.05〜0.09wt%である請求項記載の鉛蓄電池。
  6. 前記小リブ帯の幅は、前記正極板の端部と重なり合う部分が少なくともエキスパンド格子の升目幅の1/2となるようにされた請求項記載の鉛蓄電池。
  7. 前記負極板の数は正極板の数と同じかそれより1だけ少ない請求項記載の鉛蓄電池。
  8. 前記小リブは、その長手方向が水平方向に対して傾斜するように設けられている請求項1記載の鉛蓄電池。
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