JPH0543462A - ピペラジン誘導体を含有する注射剤 - Google Patents

ピペラジン誘導体を含有する注射剤

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JPH0543462A
JPH0543462A JP22366391A JP22366391A JPH0543462A JP H0543462 A JPH0543462 A JP H0543462A JP 22366391 A JP22366391 A JP 22366391A JP 22366391 A JP22366391 A JP 22366391A JP H0543462 A JPH0543462 A JP H0543462A
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JP
Japan
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piperazine derivative
carbon atoms
injection
compound
group
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Withdrawn
Application number
JP22366391A
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English (en)
Inventor
Misao Someya
操 染谷
Hirotaka Masuda
裕孝 舛田
Katsumi Saito
克己 斎藤
Heinojiyou Yamasaka
平之▲じよう▼ 山坂
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Nippon Chemiphar Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemiphar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピペラジン誘導体の溶解性と安定性とが同時
に改善されたピペラジン誘導体の注射剤を提供する。 【構成】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は低級アルキル基を示し、R
2はアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アルコキ
シ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を示
し、R3 は水素原子、アラルキルオキシ基、炭素数1〜
5の低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニ
ルオキシ基を示し、R4 は水素原子又は炭素数1〜5の
低級アルコキシ基を示す)で表わされるピペラジン誘導
体又はその塩、及びプロピレングリコールを含有する注
射剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピペラジン誘導体を含
有する注射剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般式(1):
【0003】
【化2】
【0004】(式中、R1 は水素原子又は低級アルキル
基を示し、R2 はアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の
低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオ
キシ基を示し、R3 は水素原子、アラルキルオキシ基、
炭素数1〜5の低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低
級アルケニルオキシ基を示し、R4 は水素原子又は炭素
数1〜5の低級アルコキシ基を示す。但し、R2 が炭素
数1〜5の低級アルコキシ基でR3 及びR4 が水素原子
の場合を除く)で表わされるピペラジン誘導体又はその
塩(このピペラジン誘導体及びその塩を含めて、単にピ
ペラジン誘導体と言うことがある)が、椎骨動脈を選択
的に拡張して血流量を増加させる作用と血小板凝集抑制
作用を併有しており、脳循環改善剤として有用であるこ
とが知られている(特公平2−54832号公報参
照)。また、上記のピペラジン誘導体が、脳細胞保護作
用を有することも知られている(特開昭63−5132
8号公報参照)。
【0005】上記のピペラジン誘導体は、脳卒中急性期
における臨床症状の改善、種々の脳虚血やガス中毒、溺
水などの事故後における症候性痴呆発症の抑制薬ないし
重症化の予防薬として期待されている。しかしながら、
上記のような救急期においては、患者の意識がなくなっ
ていることが多く、患者に薬剤を経口投与することが困
難な場合が多い。また、薬剤が速やかに効果を発現する
必要がある。このような状況から、上記のピペラジン誘
導体を注射剤にすることが望まれていた。
【0006】しかしながら、上記のピペラジン誘導体を
他の添加剤と共に水溶液にして注射剤の製剤化を行なう
場合、種々の問題点がある。即ち、上記ピペラジン誘導
体の水溶液のpHを緩衝剤などを使用して中性付近に調
整すると、上記ピペラジン誘導体が遊離するために溶解
度が著しく低下して、水にほとんど溶けなくなり水溶液
にすることができなかったり、水溶液にすることができ
たとしても経時的に上記ピペラジン誘導体の結晶が析出
したりする。具体的には、水溶液のpHが約5以上にな
ると急激に上記ピペラジン誘導体の溶解性が低下し、水
溶液のpHが約6を超えると上記ピペラジン誘導体は水
にほとんど溶けなくなる。逆に、上記ピペラジン誘導体
の水溶液のpHを酸性領域に調整すると、上記ピペラジ
ン誘導体は溶解性については問題はないものの安定性が
低下し、短期間で分解物を生じる。具体的には、水溶液
のpHが約3以下になると上記ピペラジン誘導体の安定
性は極めて悪くなる。
【0007】上記ピペラジン誘導体の水溶液のpHを約
4〜約5の間に調整すると、0.5%(w/v)程度の
濃度までの注射液を調製することが可能であるが、40
℃で安定性試験を行なうと、約一カ月で分解物が発生す
る。注射剤として実用化するためには、長期間分解物の
発生や不溶化物の析出があってはならないので、上記ピ
ペラジン誘導体を、水溶液のpHを調整するのみで注射
剤にすることは困難であり、また、ピペラジン誘導体の
濃度を0.5%(w/v)以上にすることはほとんど不
可能であった。
【0008】また、注射剤の他の製造方法として、粉末
の薬物又は粉末の薬物と他の添加剤との混合物をバイア
ル等に充填する粉末充填法や、薬物を溶液にした後これ
を凍結乾燥する凍結乾燥法がある。しかし、粉末充填法
は、上記ピペラジン誘導体が水に溶け難い性質を有する
ために、用時溶解する際、均一に溶解しなかったり溶解
に時間がかかってしまうので、上記ピペラジン誘導体を
注射剤にする方法として適当ではない。また、凍結乾燥
法は、多孔質の乾燥物を作るので溶解性の問題はなくな
ると考えられるが、凍結乾燥に時間がかかり製造コスト
が高くなる欠点があり、更に、上記ピペラジン誘導体が
部分的に非晶質化して安定性が悪くなるという問題点が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】水溶液中の上記ピペラ
ジン誘導体の溶解性と安定性とが同時に改善された上記
ピペラジン誘導体の注射剤を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(1):
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜5
の低級アルキル基を示し、R2 はアルキレン基が炭素数
1〜4のアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アル
コキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を
示し、R3 は水素原子、アルキレン基が炭素数1〜4の
アラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基
又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を示し、R
4 は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルコキシ基を示
す。但し、R2 が炭素数1〜5の低級アルコキシ基でR
3 及びR4 が水素原子の場合を除く)で表わされるピペ
ラジン誘導体又はその塩、及びプロピレングリコールを
含有する注射剤である。
【0013】本発明における一般式(1)で表わされる
ピペラジン誘導体又はその塩は、特公平2−54832
号公報に記載された化合物である。一般式(1)におい
て、R1 で表わされる低級アルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等が
挙げられ、R2 、R3 及びR4 で表わされる低級アルコ
キシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロポキシ等が挙げられ、低級アルケニルオキシ基として
は、例えば、プロペニルオキシ、イソプロペニルオキ
シ、アリルオキシ等が挙げられ、アラルキルオキシ基と
しては、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、p−メト
キシベンジルオキシ等が挙げられる。
【0014】上記のピペラジン誘導体及びその塩は、特
公平2−54832号公報に記載された方法により製造
することができる。
【0015】本発明においては、上記のピペラジン誘導
体又はその塩としては、(±)−1−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2−(4−ジフェニルメチルピペラジ
ニル)エタノール 二塩酸塩が特に好ましい。
【0016】本発明の注射剤には、上記のピペラジン誘
導体又はその塩と共にプロピレングリコールが含有され
ている。多価アルコールは、注射剤を製造する際に、主
薬の溶解度の増加、加水分解の防止などの目的に使用さ
れることが知られている。しかしながら、全ての多価ア
ルコールが上記のピペラジン誘導体又はその塩の溶解度
の増加と分解物の発生の抑制との両方の効果を奏するも
のではなく、上記のピペラジン誘導体又はその塩とプロ
ピレングリコールとの組み合わせによって、特別の効果
が得られたものである。
【0017】上記のピペラジン誘導体又はその塩に対す
る、プロピレングリコールによる溶解性改善作用と、多
価アルコールの一種であるグリセリンによる溶解性改善
作用とを比較すると下記の通りであった。
【0018】[プロピレングリコールによる溶解性改善
作用](±)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−
2−(4−ジフェニルメチルピペラジニル)エタノール
二塩酸塩(以下、化合物Aと言うことがある)と、プ
ロピレングリコールとを含む水溶液(化合物Aの濃度
を、0.5%(w/v)、1.0%(w/v)、及び
1.5%(w/v)にし、プロピレングリコールの濃度
を、0%(w/v)(無添加)、25%(w/v)、及
び50%(w/v)にして、それぞれを組み合わせた)
に、リン酸二ナトリウムを添加して水溶液のpHを上昇
させ、化合物Aの不溶化により溶液が白濁した時点のp
H(臨界pHという)を測定した。化合物Aの濃度及び
プロピレングリコールの濃度の組み合わせに対応する臨
界pHを、下記の表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】[グリセリンによる溶解性改善作用]化合
物Aとグリセリンとを含む水溶液(化合物Aの濃度を、
1.0%(w/v)、及び1.5%(w/v)にし、グ
リセリンの濃度を、25%(w/v)、50%(w/
v)、及び75%(w/v)にして、それぞれを組み合
わせた)に、リン酸二ナトリウムを添加して水溶液のp
Hを上昇させ、臨界pHを測定した。化合物Aの濃度及
びグリセリンの濃度の組み合わせに対応する臨界pH
を、下記の表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表1のデータと表2のデータとを比較する
と、化合物Aの同一濃度の溶液に対して、グリセリンに
比べてプロピレングリコールの方が同一濃度で臨界pH
値が大きく、プロピレングリコールの化合物Aに対する
溶解作用が優れていることが明らかである。
【0023】グリセリンを50%(w/v)含み、化合
物Aを0.5%(w/v)含む水溶液をpH4.17に
調整し、60℃で一カ月保存したところ、分解物が発生
していた。一方、プロピレングリコールを50%(w/
v)含み、化合物Aを0.5%(w/v)含む水溶液を
pH4.24に調整し、60℃で一カ月保存したところ
分解物は観察されなかった。この比較から、グリセリン
に比べてプロピレングリコールは、化合物Aに対する安
定化作用が優れていることが明らかである。
【0024】本発明の注射剤において、上記ピペラジン
誘導体又はその塩は、0.1〜2.0%(w/v)の濃
度で含有されていることが好ましい。
【0025】本発明の注射剤は、一般に4.0〜6.0
のpH、特に4.5〜5.5のpHを有することが好ま
しい。本発明の注射剤が上記の範囲内のpHで、上記ピ
ペリジン誘導体が完全に溶解しており、分解物の発生も
ないようにするために、注射剤中のプロピレングリコー
ルの含有量は、注射剤全量に対して20〜75重量%、
特に25〜50重量%であることが好ましい。また、プ
ロピレングリコールに少量のエタノール、ポリエチレン
グリコール等を混合してもよい。
【0026】本発明の注射剤には、更に従来公知の他の
添加剤、例えば、安定剤、緩衝剤、保存剤、その他を添
加してもよい。
【0027】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。
【0028】[実施例1] 化合物A 30g プロピレングリコール 1500g リン酸一ナトリウム 9.9g リン酸二ナトリウム 12.3g 注射用蒸留水 全量で3000mlにする。
【0029】上記の処方により調製した溶液(pH5.
5)を、0.2μmメンブランフィルターで濾過し、5
mlをアンプルに充填・熔閉した後、30分間煮沸滅菌
して、化合物Aを1%(w/v)含有する注射剤を製造
した。
【0030】得られた注射剤を、40℃の苛酷条件下で
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。また、3カ月後に注射剤
について、高速液体クロマトグラフィー(検出感度0.
01%)により分解生成物と考えられるベラトルアルデ
ヒド及びベンツヒドロールを測定したが、全く検出され
なかった。
【0031】[実施例2] 化合物A 15g プロピレングリコール 750g リン酸一ナトリウム 9.9g リン酸二ナトリウム 3.57g 注射用蒸留水 全量で3000mlにする。
【0032】上記の処方により調製した溶液(pH4.
24)を、実施例1におけると同様に処理して、化合物
Aを0.5%(w/v)含有する注射剤を製造した。
【0033】得られた注射剤を、40℃の苛酷条件下で
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。また、3カ月後に注射剤
について、高速液体クロマトグラフィーにより分解生成
物と考えられるベラトルアルデヒド及びベンツヒドロー
ルを測定したが、全く検出されなかった。
【0034】[比較例1] 化合物A 15g リン酸一ナトリウム 9.9g リン酸二ナトリウム 4.2g 注射用蒸留水 全量で3000mlにする。
【0035】上記の処方により調製した溶液(pH4.
6)を、実施例1におけると同様に処理して、化合物A
を0.5%(w/v)含有する注射剤を製造した。
【0036】得られた注射剤を、40℃の苛酷条件下で
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。しかし、1カ月後に注射
剤について、高速液体クロマトグラフィーにより分解生
成物と考えられるベラトルアルデヒド及びベンツヒドロ
ールが生成していることが確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明の注射剤は、上記ピペラジン誘導
体又はその塩の溶解性と安定性とが同時に改善された優
れた注射剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/10 G 7329−4C J 7329−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキ
    ル基を示し、R2 はアルキレン基が炭素数1〜4のアラ
    ルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基又は
    炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を示し、R3
    水素原子、アルキレン基が炭素数1〜4のアラルキルオ
    キシ基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基又は炭素数3
    〜5の低級アルケニルオキシ基を示し、R4 は水素原子
    又は炭素数1〜5の低級アルコキシ基を示す。但し、R
    2 が炭素数1〜5の低級アルコキシ基でR3 及びR4
    水素原子の場合を除く)で表わされるピペラジン誘導体
    又はその塩、及びプロピレングリコールを含有する注射
    剤。
JP22366391A 1991-08-09 1991-08-09 ピペラジン誘導体を含有する注射剤 Withdrawn JPH0543462A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000173575A (ja) * 1998-09-18 2000-06-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 鉛蓄電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000173575A (ja) * 1998-09-18 2000-06-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 鉛蓄電池

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Legal Events

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Effective date: 19981112