JPH0543462A - ピペラジン誘導体を含有する注射剤 - Google Patents
ピペラジン誘導体を含有する注射剤Info
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- JPH0543462A JPH0543462A JP22366391A JP22366391A JPH0543462A JP H0543462 A JPH0543462 A JP H0543462A JP 22366391 A JP22366391 A JP 22366391A JP 22366391 A JP22366391 A JP 22366391A JP H0543462 A JPH0543462 A JP H0543462A
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- carbon atoms
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ピペラジン誘導体の溶解性と安定性とが同時
に改善されたピペラジン誘導体の注射剤を提供する。 【構成】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は低級アルキル基を示し、R
2はアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アルコキ
シ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を示
し、R3 は水素原子、アラルキルオキシ基、炭素数1〜
5の低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニ
ルオキシ基を示し、R4 は水素原子又は炭素数1〜5の
低級アルコキシ基を示す)で表わされるピペラジン誘導
体又はその塩、及びプロピレングリコールを含有する注
射剤。
に改善されたピペラジン誘導体の注射剤を提供する。 【構成】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は低級アルキル基を示し、R
2はアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アルコキ
シ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を示
し、R3 は水素原子、アラルキルオキシ基、炭素数1〜
5の低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニ
ルオキシ基を示し、R4 は水素原子又は炭素数1〜5の
低級アルコキシ基を示す)で表わされるピペラジン誘導
体又はその塩、及びプロピレングリコールを含有する注
射剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピペラジン誘導体を含
有する注射剤に関する。
有する注射剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般式(1):
【0003】
【化2】
【0004】(式中、R1 は水素原子又は低級アルキル
基を示し、R2 はアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の
低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオ
キシ基を示し、R3 は水素原子、アラルキルオキシ基、
炭素数1〜5の低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低
級アルケニルオキシ基を示し、R4 は水素原子又は炭素
数1〜5の低級アルコキシ基を示す。但し、R2 が炭素
数1〜5の低級アルコキシ基でR3 及びR4 が水素原子
の場合を除く)で表わされるピペラジン誘導体又はその
塩(このピペラジン誘導体及びその塩を含めて、単にピ
ペラジン誘導体と言うことがある)が、椎骨動脈を選択
的に拡張して血流量を増加させる作用と血小板凝集抑制
作用を併有しており、脳循環改善剤として有用であるこ
とが知られている(特公平2−54832号公報参
照)。また、上記のピペラジン誘導体が、脳細胞保護作
用を有することも知られている(特開昭63−5132
8号公報参照)。
基を示し、R2 はアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の
低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオ
キシ基を示し、R3 は水素原子、アラルキルオキシ基、
炭素数1〜5の低級アルコキシ基又は炭素数3〜5の低
級アルケニルオキシ基を示し、R4 は水素原子又は炭素
数1〜5の低級アルコキシ基を示す。但し、R2 が炭素
数1〜5の低級アルコキシ基でR3 及びR4 が水素原子
の場合を除く)で表わされるピペラジン誘導体又はその
塩(このピペラジン誘導体及びその塩を含めて、単にピ
ペラジン誘導体と言うことがある)が、椎骨動脈を選択
的に拡張して血流量を増加させる作用と血小板凝集抑制
作用を併有しており、脳循環改善剤として有用であるこ
とが知られている(特公平2−54832号公報参
照)。また、上記のピペラジン誘導体が、脳細胞保護作
用を有することも知られている(特開昭63−5132
8号公報参照)。
【0005】上記のピペラジン誘導体は、脳卒中急性期
における臨床症状の改善、種々の脳虚血やガス中毒、溺
水などの事故後における症候性痴呆発症の抑制薬ないし
重症化の予防薬として期待されている。しかしながら、
上記のような救急期においては、患者の意識がなくなっ
ていることが多く、患者に薬剤を経口投与することが困
難な場合が多い。また、薬剤が速やかに効果を発現する
必要がある。このような状況から、上記のピペラジン誘
導体を注射剤にすることが望まれていた。
における臨床症状の改善、種々の脳虚血やガス中毒、溺
水などの事故後における症候性痴呆発症の抑制薬ないし
重症化の予防薬として期待されている。しかしながら、
上記のような救急期においては、患者の意識がなくなっ
ていることが多く、患者に薬剤を経口投与することが困
難な場合が多い。また、薬剤が速やかに効果を発現する
必要がある。このような状況から、上記のピペラジン誘
導体を注射剤にすることが望まれていた。
【0006】しかしながら、上記のピペラジン誘導体を
他の添加剤と共に水溶液にして注射剤の製剤化を行なう
場合、種々の問題点がある。即ち、上記ピペラジン誘導
体の水溶液のpHを緩衝剤などを使用して中性付近に調
整すると、上記ピペラジン誘導体が遊離するために溶解
度が著しく低下して、水にほとんど溶けなくなり水溶液
にすることができなかったり、水溶液にすることができ
たとしても経時的に上記ピペラジン誘導体の結晶が析出
したりする。具体的には、水溶液のpHが約5以上にな
ると急激に上記ピペラジン誘導体の溶解性が低下し、水
溶液のpHが約6を超えると上記ピペラジン誘導体は水
にほとんど溶けなくなる。逆に、上記ピペラジン誘導体
の水溶液のpHを酸性領域に調整すると、上記ピペラジ
ン誘導体は溶解性については問題はないものの安定性が
低下し、短期間で分解物を生じる。具体的には、水溶液
のpHが約3以下になると上記ピペラジン誘導体の安定
性は極めて悪くなる。
他の添加剤と共に水溶液にして注射剤の製剤化を行なう
場合、種々の問題点がある。即ち、上記ピペラジン誘導
体の水溶液のpHを緩衝剤などを使用して中性付近に調
整すると、上記ピペラジン誘導体が遊離するために溶解
度が著しく低下して、水にほとんど溶けなくなり水溶液
にすることができなかったり、水溶液にすることができ
たとしても経時的に上記ピペラジン誘導体の結晶が析出
したりする。具体的には、水溶液のpHが約5以上にな
ると急激に上記ピペラジン誘導体の溶解性が低下し、水
溶液のpHが約6を超えると上記ピペラジン誘導体は水
にほとんど溶けなくなる。逆に、上記ピペラジン誘導体
の水溶液のpHを酸性領域に調整すると、上記ピペラジ
ン誘導体は溶解性については問題はないものの安定性が
低下し、短期間で分解物を生じる。具体的には、水溶液
のpHが約3以下になると上記ピペラジン誘導体の安定
性は極めて悪くなる。
【0007】上記ピペラジン誘導体の水溶液のpHを約
4〜約5の間に調整すると、0.5%(w/v)程度の
濃度までの注射液を調製することが可能であるが、40
℃で安定性試験を行なうと、約一カ月で分解物が発生す
る。注射剤として実用化するためには、長期間分解物の
発生や不溶化物の析出があってはならないので、上記ピ
ペラジン誘導体を、水溶液のpHを調整するのみで注射
剤にすることは困難であり、また、ピペラジン誘導体の
濃度を0.5%(w/v)以上にすることはほとんど不
可能であった。
4〜約5の間に調整すると、0.5%(w/v)程度の
濃度までの注射液を調製することが可能であるが、40
℃で安定性試験を行なうと、約一カ月で分解物が発生す
る。注射剤として実用化するためには、長期間分解物の
発生や不溶化物の析出があってはならないので、上記ピ
ペラジン誘導体を、水溶液のpHを調整するのみで注射
剤にすることは困難であり、また、ピペラジン誘導体の
濃度を0.5%(w/v)以上にすることはほとんど不
可能であった。
【0008】また、注射剤の他の製造方法として、粉末
の薬物又は粉末の薬物と他の添加剤との混合物をバイア
ル等に充填する粉末充填法や、薬物を溶液にした後これ
を凍結乾燥する凍結乾燥法がある。しかし、粉末充填法
は、上記ピペラジン誘導体が水に溶け難い性質を有する
ために、用時溶解する際、均一に溶解しなかったり溶解
に時間がかかってしまうので、上記ピペラジン誘導体を
注射剤にする方法として適当ではない。また、凍結乾燥
法は、多孔質の乾燥物を作るので溶解性の問題はなくな
ると考えられるが、凍結乾燥に時間がかかり製造コスト
が高くなる欠点があり、更に、上記ピペラジン誘導体が
部分的に非晶質化して安定性が悪くなるという問題点が
ある。
の薬物又は粉末の薬物と他の添加剤との混合物をバイア
ル等に充填する粉末充填法や、薬物を溶液にした後これ
を凍結乾燥する凍結乾燥法がある。しかし、粉末充填法
は、上記ピペラジン誘導体が水に溶け難い性質を有する
ために、用時溶解する際、均一に溶解しなかったり溶解
に時間がかかってしまうので、上記ピペラジン誘導体を
注射剤にする方法として適当ではない。また、凍結乾燥
法は、多孔質の乾燥物を作るので溶解性の問題はなくな
ると考えられるが、凍結乾燥に時間がかかり製造コスト
が高くなる欠点があり、更に、上記ピペラジン誘導体が
部分的に非晶質化して安定性が悪くなるという問題点が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】水溶液中の上記ピペラ
ジン誘導体の溶解性と安定性とが同時に改善された上記
ピペラジン誘導体の注射剤を提供する。
ジン誘導体の溶解性と安定性とが同時に改善された上記
ピペラジン誘導体の注射剤を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
(1):
(1):
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜5
の低級アルキル基を示し、R2 はアルキレン基が炭素数
1〜4のアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アル
コキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を
示し、R3 は水素原子、アルキレン基が炭素数1〜4の
アラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基
又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を示し、R
4 は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルコキシ基を示
す。但し、R2 が炭素数1〜5の低級アルコキシ基でR
3 及びR4 が水素原子の場合を除く)で表わされるピペ
ラジン誘導体又はその塩、及びプロピレングリコールを
含有する注射剤である。
の低級アルキル基を示し、R2 はアルキレン基が炭素数
1〜4のアラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アル
コキシ基又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を
示し、R3 は水素原子、アルキレン基が炭素数1〜4の
アラルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基
又は炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を示し、R
4 は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルコキシ基を示
す。但し、R2 が炭素数1〜5の低級アルコキシ基でR
3 及びR4 が水素原子の場合を除く)で表わされるピペ
ラジン誘導体又はその塩、及びプロピレングリコールを
含有する注射剤である。
【0013】本発明における一般式(1)で表わされる
ピペラジン誘導体又はその塩は、特公平2−54832
号公報に記載された化合物である。一般式(1)におい
て、R1 で表わされる低級アルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等が
挙げられ、R2 、R3 及びR4 で表わされる低級アルコ
キシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロポキシ等が挙げられ、低級アルケニルオキシ基として
は、例えば、プロペニルオキシ、イソプロペニルオキ
シ、アリルオキシ等が挙げられ、アラルキルオキシ基と
しては、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、p−メト
キシベンジルオキシ等が挙げられる。
ピペラジン誘導体又はその塩は、特公平2−54832
号公報に記載された化合物である。一般式(1)におい
て、R1 で表わされる低級アルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル等が
挙げられ、R2 、R3 及びR4 で表わされる低級アルコ
キシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プ
ロポキシ等が挙げられ、低級アルケニルオキシ基として
は、例えば、プロペニルオキシ、イソプロペニルオキ
シ、アリルオキシ等が挙げられ、アラルキルオキシ基と
しては、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、p−メト
キシベンジルオキシ等が挙げられる。
【0014】上記のピペラジン誘導体及びその塩は、特
公平2−54832号公報に記載された方法により製造
することができる。
公平2−54832号公報に記載された方法により製造
することができる。
【0015】本発明においては、上記のピペラジン誘導
体又はその塩としては、(±)−1−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2−(4−ジフェニルメチルピペラジ
ニル)エタノール 二塩酸塩が特に好ましい。
体又はその塩としては、(±)−1−(3,4−ジメト
キシフェニル)−2−(4−ジフェニルメチルピペラジ
ニル)エタノール 二塩酸塩が特に好ましい。
【0016】本発明の注射剤には、上記のピペラジン誘
導体又はその塩と共にプロピレングリコールが含有され
ている。多価アルコールは、注射剤を製造する際に、主
薬の溶解度の増加、加水分解の防止などの目的に使用さ
れることが知られている。しかしながら、全ての多価ア
ルコールが上記のピペラジン誘導体又はその塩の溶解度
の増加と分解物の発生の抑制との両方の効果を奏するも
のではなく、上記のピペラジン誘導体又はその塩とプロ
ピレングリコールとの組み合わせによって、特別の効果
が得られたものである。
導体又はその塩と共にプロピレングリコールが含有され
ている。多価アルコールは、注射剤を製造する際に、主
薬の溶解度の増加、加水分解の防止などの目的に使用さ
れることが知られている。しかしながら、全ての多価ア
ルコールが上記のピペラジン誘導体又はその塩の溶解度
の増加と分解物の発生の抑制との両方の効果を奏するも
のではなく、上記のピペラジン誘導体又はその塩とプロ
ピレングリコールとの組み合わせによって、特別の効果
が得られたものである。
【0017】上記のピペラジン誘導体又はその塩に対す
る、プロピレングリコールによる溶解性改善作用と、多
価アルコールの一種であるグリセリンによる溶解性改善
作用とを比較すると下記の通りであった。
る、プロピレングリコールによる溶解性改善作用と、多
価アルコールの一種であるグリセリンによる溶解性改善
作用とを比較すると下記の通りであった。
【0018】[プロピレングリコールによる溶解性改善
作用](±)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−
2−(4−ジフェニルメチルピペラジニル)エタノール
二塩酸塩(以下、化合物Aと言うことがある)と、プ
ロピレングリコールとを含む水溶液(化合物Aの濃度
を、0.5%(w/v)、1.0%(w/v)、及び
1.5%(w/v)にし、プロピレングリコールの濃度
を、0%(w/v)(無添加)、25%(w/v)、及
び50%(w/v)にして、それぞれを組み合わせた)
に、リン酸二ナトリウムを添加して水溶液のpHを上昇
させ、化合物Aの不溶化により溶液が白濁した時点のp
H(臨界pHという)を測定した。化合物Aの濃度及び
プロピレングリコールの濃度の組み合わせに対応する臨
界pHを、下記の表1に示す。
作用](±)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−
2−(4−ジフェニルメチルピペラジニル)エタノール
二塩酸塩(以下、化合物Aと言うことがある)と、プ
ロピレングリコールとを含む水溶液(化合物Aの濃度
を、0.5%(w/v)、1.0%(w/v)、及び
1.5%(w/v)にし、プロピレングリコールの濃度
を、0%(w/v)(無添加)、25%(w/v)、及
び50%(w/v)にして、それぞれを組み合わせた)
に、リン酸二ナトリウムを添加して水溶液のpHを上昇
させ、化合物Aの不溶化により溶液が白濁した時点のp
H(臨界pHという)を測定した。化合物Aの濃度及び
プロピレングリコールの濃度の組み合わせに対応する臨
界pHを、下記の表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】[グリセリンによる溶解性改善作用]化合
物Aとグリセリンとを含む水溶液(化合物Aの濃度を、
1.0%(w/v)、及び1.5%(w/v)にし、グ
リセリンの濃度を、25%(w/v)、50%(w/
v)、及び75%(w/v)にして、それぞれを組み合
わせた)に、リン酸二ナトリウムを添加して水溶液のp
Hを上昇させ、臨界pHを測定した。化合物Aの濃度及
びグリセリンの濃度の組み合わせに対応する臨界pH
を、下記の表2に示す。
物Aとグリセリンとを含む水溶液(化合物Aの濃度を、
1.0%(w/v)、及び1.5%(w/v)にし、グ
リセリンの濃度を、25%(w/v)、50%(w/
v)、及び75%(w/v)にして、それぞれを組み合
わせた)に、リン酸二ナトリウムを添加して水溶液のp
Hを上昇させ、臨界pHを測定した。化合物Aの濃度及
びグリセリンの濃度の組み合わせに対応する臨界pH
を、下記の表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表1のデータと表2のデータとを比較する
と、化合物Aの同一濃度の溶液に対して、グリセリンに
比べてプロピレングリコールの方が同一濃度で臨界pH
値が大きく、プロピレングリコールの化合物Aに対する
溶解作用が優れていることが明らかである。
と、化合物Aの同一濃度の溶液に対して、グリセリンに
比べてプロピレングリコールの方が同一濃度で臨界pH
値が大きく、プロピレングリコールの化合物Aに対する
溶解作用が優れていることが明らかである。
【0023】グリセリンを50%(w/v)含み、化合
物Aを0.5%(w/v)含む水溶液をpH4.17に
調整し、60℃で一カ月保存したところ、分解物が発生
していた。一方、プロピレングリコールを50%(w/
v)含み、化合物Aを0.5%(w/v)含む水溶液を
pH4.24に調整し、60℃で一カ月保存したところ
分解物は観察されなかった。この比較から、グリセリン
に比べてプロピレングリコールは、化合物Aに対する安
定化作用が優れていることが明らかである。
物Aを0.5%(w/v)含む水溶液をpH4.17に
調整し、60℃で一カ月保存したところ、分解物が発生
していた。一方、プロピレングリコールを50%(w/
v)含み、化合物Aを0.5%(w/v)含む水溶液を
pH4.24に調整し、60℃で一カ月保存したところ
分解物は観察されなかった。この比較から、グリセリン
に比べてプロピレングリコールは、化合物Aに対する安
定化作用が優れていることが明らかである。
【0024】本発明の注射剤において、上記ピペラジン
誘導体又はその塩は、0.1〜2.0%(w/v)の濃
度で含有されていることが好ましい。
誘導体又はその塩は、0.1〜2.0%(w/v)の濃
度で含有されていることが好ましい。
【0025】本発明の注射剤は、一般に4.0〜6.0
のpH、特に4.5〜5.5のpHを有することが好ま
しい。本発明の注射剤が上記の範囲内のpHで、上記ピ
ペリジン誘導体が完全に溶解しており、分解物の発生も
ないようにするために、注射剤中のプロピレングリコー
ルの含有量は、注射剤全量に対して20〜75重量%、
特に25〜50重量%であることが好ましい。また、プ
ロピレングリコールに少量のエタノール、ポリエチレン
グリコール等を混合してもよい。
のpH、特に4.5〜5.5のpHを有することが好ま
しい。本発明の注射剤が上記の範囲内のpHで、上記ピ
ペリジン誘導体が完全に溶解しており、分解物の発生も
ないようにするために、注射剤中のプロピレングリコー
ルの含有量は、注射剤全量に対して20〜75重量%、
特に25〜50重量%であることが好ましい。また、プ
ロピレングリコールに少量のエタノール、ポリエチレン
グリコール等を混合してもよい。
【0026】本発明の注射剤には、更に従来公知の他の
添加剤、例えば、安定剤、緩衝剤、保存剤、その他を添
加してもよい。
添加剤、例えば、安定剤、緩衝剤、保存剤、その他を添
加してもよい。
【0027】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0028】[実施例1] 化合物A 30g プロピレングリコール 1500g リン酸一ナトリウム 9.9g リン酸二ナトリウム 12.3g 注射用蒸留水 全量で3000mlにする。
【0029】上記の処方により調製した溶液(pH5.
5)を、0.2μmメンブランフィルターで濾過し、5
mlをアンプルに充填・熔閉した後、30分間煮沸滅菌
して、化合物Aを1%(w/v)含有する注射剤を製造
した。
5)を、0.2μmメンブランフィルターで濾過し、5
mlをアンプルに充填・熔閉した後、30分間煮沸滅菌
して、化合物Aを1%(w/v)含有する注射剤を製造
した。
【0030】得られた注射剤を、40℃の苛酷条件下で
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。また、3カ月後に注射剤
について、高速液体クロマトグラフィー(検出感度0.
01%)により分解生成物と考えられるベラトルアルデ
ヒド及びベンツヒドロールを測定したが、全く検出され
なかった。
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。また、3カ月後に注射剤
について、高速液体クロマトグラフィー(検出感度0.
01%)により分解生成物と考えられるベラトルアルデ
ヒド及びベンツヒドロールを測定したが、全く検出され
なかった。
【0031】[実施例2] 化合物A 15g プロピレングリコール 750g リン酸一ナトリウム 9.9g リン酸二ナトリウム 3.57g 注射用蒸留水 全量で3000mlにする。
【0032】上記の処方により調製した溶液(pH4.
24)を、実施例1におけると同様に処理して、化合物
Aを0.5%(w/v)含有する注射剤を製造した。
24)を、実施例1におけると同様に処理して、化合物
Aを0.5%(w/v)含有する注射剤を製造した。
【0033】得られた注射剤を、40℃の苛酷条件下で
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。また、3カ月後に注射剤
について、高速液体クロマトグラフィーにより分解生成
物と考えられるベラトルアルデヒド及びベンツヒドロー
ルを測定したが、全く検出されなかった。
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。また、3カ月後に注射剤
について、高速液体クロマトグラフィーにより分解生成
物と考えられるベラトルアルデヒド及びベンツヒドロー
ルを測定したが、全く検出されなかった。
【0034】[比較例1] 化合物A 15g リン酸一ナトリウム 9.9g リン酸二ナトリウム 4.2g 注射用蒸留水 全量で3000mlにする。
【0035】上記の処方により調製した溶液(pH4.
6)を、実施例1におけると同様に処理して、化合物A
を0.5%(w/v)含有する注射剤を製造した。
6)を、実施例1におけると同様に処理して、化合物A
を0.5%(w/v)含有する注射剤を製造した。
【0036】得られた注射剤を、40℃の苛酷条件下で
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。しかし、1カ月後に注射
剤について、高速液体クロマトグラフィーにより分解生
成物と考えられるベラトルアルデヒド及びベンツヒドロ
ールが生成していることが確認された。
3カ月間安定性試験を行なった。その外観は、3カ月後
まで無色澄明のままであった。しかし、1カ月後に注射
剤について、高速液体クロマトグラフィーにより分解生
成物と考えられるベラトルアルデヒド及びベンツヒドロ
ールが生成していることが確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明の注射剤は、上記ピペラジン誘導
体又はその塩の溶解性と安定性とが同時に改善された優
れた注射剤である。
体又はその塩の溶解性と安定性とが同時に改善された優
れた注射剤である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/10 G 7329−4C J 7329−4C
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキ
ル基を示し、R2 はアルキレン基が炭素数1〜4のアラ
ルキルオキシ基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基又は
炭素数3〜5の低級アルケニルオキシ基を示し、R3 は
水素原子、アルキレン基が炭素数1〜4のアラルキルオ
キシ基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基又は炭素数3
〜5の低級アルケニルオキシ基を示し、R4 は水素原子
又は炭素数1〜5の低級アルコキシ基を示す。但し、R
2 が炭素数1〜5の低級アルコキシ基でR3 及びR4 が
水素原子の場合を除く)で表わされるピペラジン誘導体
又はその塩、及びプロピレングリコールを含有する注射
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22366391A JPH0543462A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | ピペラジン誘導体を含有する注射剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22366391A JPH0543462A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | ピペラジン誘導体を含有する注射剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0543462A true JPH0543462A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16801700
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22366391A Withdrawn JPH0543462A (ja) | 1991-08-09 | 1991-08-09 | ピペラジン誘導体を含有する注射剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0543462A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000173575A (ja) * | 1998-09-18 | 2000-06-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
-
1991
- 1991-08-09 JP JP22366391A patent/JPH0543462A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000173575A (ja) * | 1998-09-18 | 2000-06-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 鉛蓄電池 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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