JP6583667B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、浸透短絡を抑制する技術に関する。
鉛蓄電池は、例えば、セパレータの酸化による劣化を抑制することを目的に、セパレータの正極板と相対する正極面にリブを設けていることがある。ところで、鉛蓄電池は、電解液の硫酸濃度が低下すると、浸透短絡(デンドライトショート)が起こり易くなることが知られている。浸透短絡は、電解液の硫酸濃度が低い状態での充電により、負極板から析出した鉛がデンドライト(針状結晶)に成長し、正極板と接触することにより起こる。下記特許文献1には、セパレータの負極側のフラット面(負極面)から正極面のリブの頂面に向かってデンドライトが成長することで浸透短絡が発生する点が記載されている。さらに、浸透短絡の発生を抑制するために、セパレータの負極面にもリブを設ける点が記載されている。
特開2013−211115号公報
しかしながら、特許文献1に記載のようにセパレータの負極面にリブを設けても、浸透短絡が十分に抑制されないことがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、浸透短絡を抑制することを目的とする。
本明細書により開示される鉛蓄電池は、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を備えた鉛蓄電池であって、前記セパレータは、ベース部と、前記ベース部の前記負極板と相対する負極面に設けられた負極リブと、前記ベース部の両側に配置された側端部と、を有し、前記側端部は、少なくとも一部に前記ベース部より厚い厚肉部を有し、前記負極板の両端は、前記負極板の厚さ方向から見て、前記厚肉部の幅内に位置している。
本明細書により開示される鉛蓄電池によれば、浸透短絡を抑制することが出来る。
本発明の実施形態1に係る鉛蓄電池の斜視図 鉛蓄電池の正面図 電槽の平面図 鉛蓄電池の垂直断面図(図1中のA−A線断面図) 極板群の展開斜視図 セパレータの展開図(外面側を示す) セパレータの展開図(内面側を示す) 極板群の水平断面図 図8のB部を拡大した図 比較例を示す極板群の断面図 図6のC−C線断面図 図8のD部を拡大した図 実施形態2に係る極板群の断面図(一部を拡大した図)
(本実施形態の概要)
初めに、本実施形態の鉛蓄電池の概要について説明する。鉛蓄電池は、正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を備えた鉛蓄電池であって、前記セパレータは、ベース部と、前記ベース部の前記負極板と相対する負極面に設けられた負極リブと、前記ベース部の両側に配置された側端部と、を有し、前記側端部は、少なくとも一部に前記ベース部より厚い厚肉部を有し、前記負極板の両端は、前記負極板の厚さ方向から見て、前記厚肉部の幅内に位置している。
本発明者らは、セパレータの負極面に負極リブを設けても、浸透短絡が十分に抑制されないことがある原因を特定しようと試みた。発明者らは、浸透短絡している部分を鋭く観察することで、負極リブを設けた場合と設けていない場合とで、正極板に到達するデンドライトの経路が大きく異なることを突き止めた。具体的には、仮に負極リブを設けていない場合には、負極板の正極リブ近傍部を起点として成長したデンドライトが正極リブを介して正極板に到達していた。一方、負極リブを設けると、負極板の端を起点として成長したデンドライトが正極板に到達していることを突き止めた。これは、負極板の面については、負極リブによりセパレータから離すことで浸透短絡の発生を抑制することができた。一方、例えば正極板の湾曲(いわゆる、バックリング)などにより湾曲した正極板とセパレータの端部とが接触する。そして、正極板に接触しつつ撓んだセパレータが負極板の端と接触して、この接触部(負極板の端)を起点としてデンドライトが成長して浸透短絡が発生することを突き止めた。この負極板の端を起点としたデンドライトによる浸透短絡は、負極リブを設けていない場合には顕在化しなかった課題であり、負極リブを設けて、負極板の面を起点としたデンドライトによる浸透短絡を抑制し、寿命を向上させたからこそ、顕在化してきた課題である。
以上から、発明者らは、負極リブを設けたことで、浸透短絡に至るデンドライトの経路が、負極板の正極リブ近傍部ではなく負極板の端になることを突き止めたからこそ、本発明を着想するに至った。本発明の特徴の一部において、負極板の端を厚肉部の幅内に位置させることで、負極板の端では、セパレータの厚みが増すことから、浸透短絡が起きることを抑制することが出来る。したがって、本発明では、セパレータに負極リブと厚肉部を設け、負極板の端を厚肉部の幅内に位置させることで、浸透短絡の問題を著しく改善することができ、実用上の浸透短絡に対する信頼性が極めて高い、これまでに無かった鉛蓄電池を作製することができる。
また、鉛蓄電池の実施態様として、以下の構成が好ましい。
前記セパレータが、袋状をしており、前記負極板を収容していることが好ましい。負極板を収容するセパレータに負極リブを設けると、セパレータの内面にリブを設けることになり、リブの高さ分、セパレータは拡がる。そのため、セパレータの両側端部では曲がりが大きくなる。したがって、袋状のセパレータに負極板を収容する構造では、仮に負極リブがない場合と比べて、負極板の端がセパレータを圧迫する力が大きくなることから、負極板の端で浸透短絡が発生し易くなる。以上のことから、本実施形態のように、袋状のセパレータに負極板を収容する構造では、セパレータに負極リブを設けるだけではなく、厚肉部をさらに設けることで、浸透短絡の問題を著しく改善することができる。
前記厚肉部は、前記ベース部よりも袋の外側(正極板側)に向かって厚い形状であることが好ましい。この構成では、セパレータの両側端部において、厚肉部の厚さ分だけ曲がりが大きくなることがなく、浸透短絡の問題をより著しく改善することができる。
アイドリングストップ車用であることが好ましい。近時、環境問題に対する関心の高まりや、原油価格の高騰等にともない、自動車においても様々な燃費改善技術の開発が進められている。その一つに、ブレーキ制動の際に、運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、これを電池に蓄えて利用する回生エネルギーの利用が挙げられる。そして、アイドリングストップ車では、アイドリングストップ時の電気負荷を電池から賄う必要があること、及びエンジンの再始動回数が多いことから、放電量が多くなる。そのため、短い時間でより多くの回生エネルギーを受け入れることが電池にとって重要な特性となる。一般的に回生充電受入性能は低い充電状態、いわゆる部分充電状態(PSOC(Partial State of Charge))であるほど高くなる。そのため、回生エネルギーの受入性能を必要とする電池はPSOC制御下で使用されることが多くなる。
アイドリングストップ車用鉛蓄電池は上記の通り放電量が多く、またPSOC制御下で使用されることから、耐久性に優れる必要がある。耐久性を向上させる手段として、正、負極の活物質量を増加することが一般的である。しかし、活物質を増加するとそれに対する電解液量が減少するため放電時に電解液の濃度が低下しやすくなり、浸透短絡が起こりやすくなる。
ところで、鉛蓄電池では、充放電が繰り返されると、放電時には水が生成し、充電時には濃い硫酸が生成される。そして、濃い硫酸は水に比べて濃度が高く下部に沈降しやすいことから、電解液(硫酸)濃度が上下で異なってくる成層化という現象が生じる。アイドリングストップ車ではないエンジン車では、走行時に過充電されるので、この際に正及び負極板から発生する酸素及び水素ガスによる電解液の攪拌作用によって、成層化は緩和される。しかし、PSOC制御下では、減速時に充電されるため充電時間が極めて短く、充電不足の状態が続くので、酸素及び水素ガスによる電解液の攪拌作用が発現せず、成層化が生じやすい。成層化が発生すると上部の電解液濃度が低下するため、セル上部での浸透短絡が発生しやすくなる。
以上のように、アイドリングストップ車用の鉛蓄電池は設計上の理由(電解液量に対して活物質量が多い)、及び使用上の理由(成層化しやすい)から、アイドリングストップ車用ではない電池に比べて浸透短絡が起こりやすくなる。したがって、本実施形態のように、セパレータに負極リブと厚肉部を設け、負極板の端を厚肉部の幅内に位置させることで、アイドリングストップ車用の鉛蓄電池特有の浸透短絡の問題を著しく改善することができる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。
1.鉛蓄電池10の構造
鉛蓄電池10は、自動車などの車両用、具体的にはアイドリングストップ車用であり、例えば、車両のエンジンルーム内やラゲッジスペース内に設置され、車両に電力を供給する。鉛蓄電池10は、図1から図5に示すように、電槽20と、極板群30と、一対の端子部60P、60Nを有する蓋部材50を備える。尚、以下の説明において、端子部60P、60Nの並び方向をX方向とし、端子部60P、60Nの並び方向に対して直交する方向(電槽20の前後方向)をZ方向とする。そして、Z方向における端子部60P、60Nが設けられた側を「前側」、その反対側を「後側」とする。また、電槽20の高さ方向(上下方向)をY方向とする。
電槽20は合成樹脂製である。電槽20は4枚の外壁21A〜21Dと底壁22を有し、上面が開放した箱型をなす。電槽20の内部は、図3に示すように隔壁23により複数のセル室25に仕切られている。セル室25は、電槽20の横幅方向(図3のX方向)に6室設けられており、各セル室25には、流動可能な電解液と共に極板群30が配置されている。
極板群30は、図4に示すように、正極板30Pと、負極板30Nと、両極板30P、30Nを仕切るセパレータ40とから構成されており、セル室25の並び方向(X方向)に沿って配列されている。各極板30P、30Nは、格子体に活物質が充填されて構成される。尚、正極板30Pの活物質の主成分は二酸化鉛、負極板30Nの活物質の主成分は鉛である。
また、各極板30P、30Nの上部には耳部31P、31Nが設けられている。耳部31P、31Nは、ストラップ32P、32Nを介して、同じ極性の極板30P、30Nを各セル室25内にて連結するために設けられている。
ストラップ32P、32Nは、例えばX方向に長い板状であり、各セル室に正極用と負極用の2組が設けられている。各ストラップ32は、図4に示すように、極板群30の上方に位置している。正極用のストラップ32Pは、耳部31Pを介して極板群30の正極板30Pを連結し、負極用のストラップ32Nは、耳部31Nを介して極板群30の負極板30Nを連結する構造となっている。
セパレータ40は、両極板30P、30Nの間に配置されて、両極板間の短絡を防止する機能、両極板の間隔を保つ機能を果たす。セパレータ40は、袋状であり、図5に示すように、内部に負極板30Nを収容している。そして、正極板30Pはセパレータ40の外側に配置されている。
図1に示すように、蓋部材50は合成樹脂製であって、電槽20の上面を封口する基部51と、基部51の外周縁に沿って形成された外周壁57とを備える。外周壁57は、基部51の外周縁から下向きに延びている。
基部51の前端両側には、正極側の端子部60Pと、負極側の端子部60Nが設けられている。正極側の端子部60Pと、負極側の端子部60Nの構造は、ほぼ同一であるため、以下、負極側の端子部60Nを例にとって構造を説明する。
図4に示すように、負極側の端子部60Nは、ブッシング61と、極柱65とを含む。ブッシング61は鉛合金等の金属製であり中空の円筒状をなす。ブッシング61は、図4に示すように、蓋部材50の基部51に対して一体形成された筒型の装着部53を貫通しており、上半分が基部51の上面から突出している。ブッシング61のうち、基部51の上面から露出する上半部は端子接続部であり、ハーネス端子などの接続端子(図略)が組み付けされる。
尚、蓋部材50はブッシング61をインサートした金型に樹脂を流して一体成形することから、装着部53はブッシング61と一体化され、ブッシング61の下部外周を隙間なく覆う構造となっている。
極柱65は鉛合金等の金属製であり、円柱形状をしている。極柱65は、ブッシング61の内側に下方より挿入されている。極柱65のうち、上端部65Aはブッシング61に対して溶接により接合され、基端部65Bは、極板群30のストラップ32Nに接合されている。
また、図1に示すように、基部51上には、突出部70が設けられている。突出部70は、蓋部材50の後側の概ね全体と、蓋部材50の前側中央に設けられている。図1に示すように、突出部70の一部は、一対の端子部60P、60Nの間に設けられており、一対の端子部60P、60Nよりも高さ方向(Y方向)で突出している。このようにすることで、例えば、金属バーなどが電池上部に置かれたとしても、金属バーが、端子部60P、60Nの上面に同時に接触することがないので、一対の端子部60P、60Nが短絡するのを防止することができる。
2.セパレータ40のリブ構造と浸透短絡の抑制
セパレータ40は、ポリオレフィン製(本実施形態では、ポリエチレン製)であり、かつ微孔性のシートであり、ベース部42と、正極リブ43と、負極リブ45と、側端部47を備えている。ベース部42の厚さは、概ね0.2mm程度である。ベース部42は、扁平な板形状をしている。ベース部42は、極板30P、30Nと相対する部位であり、側端部47はベース部42のZ方向両側に位置する部分である。
セパレータ40は、図6、図7に示す中心線Mで、2つ折りした後、Z方向の両側の側端部47を圧着(メカニカルシール)することで、袋状に加工して使用される。具体的には、図5に示すように、セパレータ40は、袋の内部に負極板30Nを収容しつつ、正極板30Pと交互に配列して使用される。そして、負極板30Nの両端は、X方向(負極板30Nの厚さ方向)から見て、セパレータ42の側端部47の幅内に位置している。尚、図6はセパレータ40の展開図(外面側)、図7はセパレータ40の展開図(内面側を示す)である。
正極リブ43は、図6に示すように、ベース部42の外面側(正極板30Pに相対する正極面側)側に設けられている。具体的には、正極リブ43は、Y方向に延びており、Z方向に一定間隔で複数形成されている。図8、図9に示すように、正極リブ43の断面形状は台形であり、基端側から先端側に向かって、緩やかに傾斜している。正極リブ43は、正極板30Pの表面に当接して、正極板30Pとベース部42との間に隙間を確保する。正極板30Pとベース部42との間に隙間を設けることで、酸化によるセパレータ40の劣化を抑制できる。
そして、上記のように正極リブ43をZ方向に一定間隔で形成することで、正極板30Pとベース部42との間の隙間を、Z方向で均一にすることが出来る。また、正極リブ43は、ベース部42に対してY方向の全体に設けられているので、Y方向も同様に、隙間を均一にすることができる。
負極リブ45は、図7に示すように、ベース部42の内面側(負極板30Nに相対する負極面側)に設けられている。負極リブ45は、正極リブ43と同様、Y方向に延びており、Z方向に一定間隔で複数形成されている。そして、各負極リブ45は、各正極リブ43の位置に対応して形成されている。具体的には、各正極リブ43とZ方向の位置が一致しており、図8、図9に示すように、正極リブ43の反対側に位置する。このように、負極リブ45を正極リブ43の反対側の位置に設けることで、下記に説明するように、浸透短絡を抑制することが可能となる。尚、負極リブ45の断面形状は、正極リブ43と同様に台形であり、基端側から先端側に向かって、緩やかに傾斜している。
浸透短絡は、電解液の硫酸濃度が低い状態での充電により、負極板30Nから析出した鉛がデンドライト(針状結晶)に成長して正極板30Pと短絡することにより発生する。なお、図10にて示すように、仮に負極リブ45を設けていない場合、負極板30Nの正極リブ43の近傍部(より具体的には、正極リブ43の裏側)で発生したデンドライトが、図10にて波線矢印で示すように、ベース部42の内部に浸透しつつ成長して内面42B側から外面42A側に達し、その後、正極リブ43の外周面に沿う経路で成長した結果、正極板30Pと繋がり、浸透短絡に至っている。また、成長したデンドライトが、極板から脱落して正極リブ43の周りに溜まる活物質を介して、正極側と繋がることにより、浸透短絡に至っている。
そこで、図9に示すように、セパレータ40の負極面42Bに負極リブ45を設けておけば、セパレータ40のうち、浸透短絡に繋がり易い、正極リブ43の周辺部を、負極板30Nから離すことが出来る。そのため、デンドライトが正極リブ43に到達するまでの距離が長くなる。以上のことから、正極リブ43の近傍部における浸透短絡の発生を抑制することが出来る。
3.セパレータの端部構造と浸透短絡の抑制
また、セパレータ40は、ベース部(図11に示す境界線Lの右側の部位)42と側端部(図11に示す境界線Lの左側の部位)47の厚さが異なっており、側端部47をベース部42よりも厚くしている。すなわち、側端部47の全体が本発明の「厚肉部」となっている。具体的には、図11に示すように、ベース部42の板厚t1は「一例として、約0.2mm」であるのに対して、側端部47の板厚t2は「一例として、約0.3mm」である。また、側端部47は、ベース部42よりも袋の外側(正極板30P側)に向かって厚い形状となっている。すなわち、ベース部42と側端部47の内面42B、47Bは連続した平面であり、ベース部42と側端部47の外面42A、47Aは段差を有している。側端部47をベース部42よりも厚くすることで、負極板30Nの両端で浸透短絡が発生することを抑制することが出来る。
具体的に説明すると、内面42B側に負極リブ45を設けると、図12にて矢印Fで示すように、負極板30Nを収容した時にセパレータ40がX方向に拡がる。そのため、セパレータ40の側端部47では曲がりが大きくなり、負極板30Nの両端が、セパレータ40の内面に接触し易くなる。一方、正極板30Pは経年劣化や体積膨張により湾曲(いわゆる、バックリング)するので、例えば、図12にて二点鎖線で示すように、湾曲した正極板30Pの端がセパレータ40の外面に接触する場合がある。
本実施形態では、セパレータ40の側端部47をベース部42よりも厚くしている。そのため、側端部47をベース部42と同じ厚さにした場合と比較して、側端部47の厚みが増し、デンドライトがセパレータ40の外面に到達するまでの距離が長くなる。そのため、負極板30Nの両端で浸透短絡が起きることを抑制することが出来る。
4.効果説明
本実施形態では、セパレータ40の負極面42Bに負極リブ45を設けてあることから、セパレータ40のうち、浸透短絡に繋がり易い正極リブ43の近傍部を、負極板30Nから離すことが出来る。そのため、デンドライトがセパレータ40の正極リブ43に到達するまでの距離が長くなる。以上のことから、正極リブ43の近傍部で浸透短絡が起きることを抑制出来る。
また、例えば、いわゆる、バックリングなどにより湾曲した正極板43の端とセパレータ40の側端部47とが接触する。そして、正極板43に接触しつつ撓んだセパレータ40の側端部47が負極板30Nの端と接触し易くなることから、今度は、負極板30Nの両端で浸透短絡が起きることが懸念される。この点、本実施形態では、セパレータ40の側端部47を厚くしているので、負極板30Nの両端で浸透短絡が起きることを抑制出来る。以上、セパレータ40に負極リブ45を設けるだけではなく、さらに側端部47を厚く設けることで、浸透短絡の問題を著しく改善することができ、実用上の浸透短絡に対する信頼性が極めて高い、これまでに無かった鉛蓄電池10を作製することができる。
さらに、負極板30Nを収容する袋状のセパレータ40に負極リブ45を設けると、セパレータ40の内面にリブを設けることになり、リブの高さ分、セパレータ40が拡がる。そのため、セパレータ40の側端部47では曲がりが大きくなる。袋状のセパレータ40に負極板30Nを収容する構造では、仮に負極リブ45がない場合と比べて、負極板30Nの端がセパレータシート40を圧迫する力が大きくなることから、負極板30Nの端で浸透短絡が発生し易くなる。したがって、本実施形態のように、袋状のセパレータ40に負極板30Nを収容する構造では、セパレータ40に負極リブ45を設けるだけではなく、さらに、負極板30Nを、端を厚くした側端部47の幅内に位置させることで、浸透短絡の問題を著しく改善することができる。また、側端部47を厚くすることで強度アップするので、セパレータ40の側端部47が破れ難くなるという効果もある。
加えて、側端部47は、ベース部42よりも袋の外側(正極板30P側)に向かって厚い形状となっている。この構成では、側端部47を内側に向かって厚くした場合と比べて、セパレータ40の両側端部47で曲がりが大きくなることがなく、浸透短絡の問題をより著しく改善することができる。
また、鉛蓄電池10は、アイドリングストップ車用である。アイドリングストップ車用の鉛蓄電池10は設計上の理由(電解液量に対して活物質量が多い)、及び使用上の理由(成層化しやすい)から、アイドリングストップ車用ではない電池に比べて浸透短絡が起こりやすくなる。したがって、本実施形態のように、セパレータ40に負極リブ45を設けるだけでなく、負極板30Nを、端を厚くした側端部47の幅内に位置させることで、アイドリングストップ車用の鉛蓄電池特有の浸透短絡の問題を著しく改善することができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図13によって説明する。
実施形態1では、セパレータ40の側端部47全域の厚さを、ベース部42よりも厚くした例を示した。実施形態2では、セパレータ140の側端部47の外面側に幅広の端部リブ49を設けている。具体的には、図13に示すように、負極板30Nの両端がX方向から見て幅内に位置するように端部リブ49を設けている。
端部リブ49を設けることで、負極板30Nの両端周辺では、セパレータ140の厚みが増すので、デンドライトがセパレータ140の外面に到達するまでの距離が長くなる。そのため、実施形態1と同様に、セパレータ140の側端部47で浸透短絡が起きることを抑制することが出来る。尚、端部リブ49が本発明の「厚肉部」の一例である。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1では、セパレータ40をポリエチレン製のシートとしたが、微孔性の樹脂シートであれば、材料はポリエチレンに限定されない。
(2)実施形態1は、1枚のシートを2つ折りにして、その両端部を圧着することにより、袋状のセパレータ40にした。これ以外にも、例えば、2枚のシートの両端部と底面部を圧着することにより袋状としてもよい。
(3)実施形態1では、負極リブ45を正極リブ43の反対側に設けた例を示したが、それ以外の位置に設けてもよい。要するに、ベース部42の負極面42B側に設けられていれば、位置はどこでもよい。
(4)実施形態1では、側端部47をベース部42よりも袋の外側(正極板30P側)に向かって厚く設けた例を示したが、内側に向かって厚く設けてもよい。
(5)実施形態2では、端部リブ49を側端部47の外面側に設けた例を示したが、内面側に設けてもよい。
(6)実施形態1では、袋状のセパレータ40は、負極板30Nを収容した例を示したが、正極板30Pを収容してもよい。この場合においても、負極リブ45を設けることで、負極板30Nの面については、負極リブ45によりセパレータ40から離すことができたが、負極板30Nの端については、例えば正極板30Pの湾曲(いわゆる、バックリング)などにより、撓んだセパレータ40と接触して、この接触部を起点としてデンドライトが成長して浸透短絡が発生する。そこで、セパレータ40の側端部を厚くすることで、浸透短絡が起きることを抑制することが出来る。
(7)実施形態1では、セパレータ40は、袋状をしており、負極板30Nを収容した例を示したが、袋状ではなくてもよい。この場合においても、上記(6)と同様に、負極板30Nの側端部を厚くすることで、浸透短絡が起きることを抑制することが出来る。
(8)実施形態では、正極リブ43や負極リブ45の断面形状を台形としたが、断面形状について特に制約はなく、台形以外の形状、例えば、長方形型や円弧形状にしてもよい。
10...鉛蓄電池
20...電槽
30P...正極板
30N...負極板
40...セパレータ
42...ベース部
43...正極リブ
45...負極リブ
47...側端部
49...端部リブ

Claims (5)

  1. 正極板と、負極板と、前記正極板と前記負極板との間に配置されたセパレータと、を備えた鉛蓄電池であって、
    前記セパレータは、
    ベース部と、
    前記ベース部の前記正極板と相対する正極面に設けられた正極リブと、
    前記ベース部の前記負極板と相対する負極面に設けられた負極リブと、
    前記ベース部の両側に配置された側端部と、を有し、
    前記側端部は、少なくとも一部に前記ベース部より厚い厚肉部を有し、
    前記負極板の両端は、前記負極板の厚さ方向から見て、前記厚肉部の幅内に位置している、鉛蓄電池。
  2. 請求項1に記載の鉛蓄電池であって、
    前記セパレータが、袋状をして前記負極板を収容している鉛蓄電池。
  3. 請求項2に記載の鉛蓄電池であって、
    前記厚肉部は、前記ベース部よりも袋の外側に向かって厚い形状である鉛蓄電池。
  4. 請求項1〜請求項3に記載の鉛蓄電池であって、
    前記負極リブは、前記負極面において、前記正極リブの反対側の位置にある、鉛蓄電池。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の鉛蓄電池であって、
    アイドリングストップ車用である鉛蓄電池。
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