JP4419461B2 - 回路基板の製造方法およびパワーモジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板の製造方法に係り、特に、パワーモジュール等に使用される回路基板の製作に有用なセラミックス基板と金属板との接合体の製造に用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パワーモジュール等に利用される半導体装置においては、アルミナ、ベリリア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等のセラミックス基板の表裏面に、Cu、Al、それらの金属を成分とする合金等の金属回路と放熱板とがそれぞれ形成されてなる回路基板が用いられている。このような回路基板は、樹脂基板と金属基板との複合基板ないしは樹脂基板よりも、高絶縁性が安定して得られることが特長である。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−335983号公報
【特許文献2】
特開平08−32204号公報
【特許文献3】
特開平10−178270号公報
【0004】
セラミックス基板と金属回路又は放熱板の接合方法としては、大別してろう材を用いたろう付け法と、ろう材を用いない方法がある。後者の代表的な例としては、タフピッチ銅板とアルミナをCu−Oの共晶点を利用して接合するDBC法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの場合もセラミックス基板と金属板の十分に高い接合を得るには、接合時に金属板とセラミックス基板とが十分に密着するように、機械加工をして反りやうねりのないセラミックス基板面を形成させるか、反りやうねりの少ないセラミックス基板を選んで行われているが、このように、機械加工をした場合には作業コストがかかり、また、セラミックス基板は価格が高くなるため、このように反りのない基板のみを用いて製造をおこなった場合には、はなはだ生産性が悪くコスト高になるため、少々の反りを有するセラミック基板を使用可能にしたいという要求があった。
また、例えば、反りを有する基板を充分接合しようとして、厚さ0.635mmの窒化アルミニウムの接合圧力を高くした場合には、セラミックス基板に割れが生じる可能性があり、反りを有する基板であっても接合を低圧力でおこないたいという要求があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、焼成されたままのセラミックス基板を用いて、パワーモジュール用回路基板として充分に高い接合を持つ接合体を容易かつ安価に製造するという目的を達成しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る回路基板の製造方法は、セラミックス基板と金属板とを、ろう材を介してまたは介さずに接触させて回路基板ユニットとするとともに、複数の回路基板ユニットを高温下で加圧接合して回路基板を製造する際に、前記金属板と接合する前の前記セラミックス基板の反り量を、1mm長さ当たり1μm以下の範囲に設定し、前記複数の回路基板ユニットどうしの間にクッション性および耐熱性を有するシートを挟み込んだ状態とするとともに、前記セラミックス基板に対して垂直方向に5×102Pa〜5×104Paの圧力を付与して加圧する構成とされており、前記シートは、グラファイト薄膜を複数積層したもの、又は、アルミナが主成分のセラミックスウール、のいずれかからなり、平行な一対の加圧板と、固定板と、この固定板から一方の加圧板に向けて他方の加圧板を付勢するばねと、を有する加圧手段によって、前記セラミックス基板に対して前記圧力を付与して加圧することにより上記課題を解決した。
【0008】
本発明においては、複数の回路基板ユニットどうしの間にクッション性および耐熱性を有するシートを挟み込んだ状態で加圧することにより、セラミックス基板に反り、うねり、局所的な厚みムラ、または表面凹凸があった場合でも、加圧時にシートに沿って圧力が均等になるので、回路基板ユニットにおいてセラミックス基板と金属板、または、これらとろう材とを面内方向均一に加圧することが可能となり、その結果、充分な接合状態とされた回路基板を製造することが可能となる。
これにより、例えばセラミックス基板の厚みがテーパ状に変化している場合、つまり面内方向に厚みの傾きが生じている場合でも、セラミックス基板と金属板、または、これらとろう材とを面内方向均一に加圧し、必要な接合強度を有する回路基板を製造できる。また、このような単純な変形または厚みムラ等に対しては、上下加圧板の一方または双方に1枚以上のシートを挟み込むことにより、対処することも可能である。
【0009】
本発明において、例えば、セラミックス基板として、100mm×100mm、厚さ0.635mm程度の窒化アルミを適用した場合には、高温加圧接合時に、セラミックス基板に対して垂直方向に5×102Pa〜5×104Paの圧力を付与して加圧することが好ましく、このような圧力に設定した場合に、セラミックス基板に多少の反りがあった場合にも、回路基板ユニットの各板体どうしを充分に接合することが可能である。ここで、加圧力が上記の範囲より小さい場合には、充分な接合を得ることができないため好ましくなく、また、加圧力が上記の範囲より大きい場合には、セラミックス基板に割れや破損等が生じる可能性があるため好ましくない。
【0010】
本発明においては、回路基板ユニットとクッション性および耐熱性を有するシートとを交互に複数重ねて位置し、これを加圧手段により加圧することにより、セラミックス基板に反り、うねり、局所的な厚みムラ、または表面凹凸があった場合でも、シートがクッション性を有しているため、加圧時にシートに沿って圧力が均等になるので、回路基板ユニットにおいてセラミックス基板と金属板、または、これらとろう材とを面内方向均一に加圧することが可能となる。
具体的には、セラミックス基板の反り量が、1mm長さ当たり1μm以下の範囲であれば、充分な接合状態となる回路基板を得ることが可能となる。ここで、セラミックス基板の反り量を上記の範囲より大きい範囲に設定した場合には、接合圧力を高くする必要があり、セラミックス基板に割れを生じる可能性が高くなるため好ましくない。また、接合圧力を上げなかった場合には、接合状態が低下する可能性があり好ましくない。
【0011】
このように均等に加圧した状態で、熱処理炉等に入れて加熱することにより、セラミックス基板面内方向においてセラミックス基板と金属板、または、これらとろう材とを均一に接合することが可能となる。
従って、反りのないセラミックス基板はもちろんのこと、多少の反りを有するセラミックス基板であっても充分な接合状態とされた回路基板を製造可能な製造装置を提供することができる。同時に、シートが耐熱性を有しているため、熱によってシートから回路基板ユニットに不要な影響が及ばない状態で、回路基板ユニットにおいて必要な接合をおこなうことが可能となる。
ここで、シートのクッション性とは各回路基板ユニットにおいて充分な接合がおこなわれる加圧状態を実現可能な状態を意味している。
【0012】
また、本発明において、加圧手段によって、セラミックス基板に対して垂直方向に5×102Pa〜5×104Paの圧力を付与して、回路基板ユニットとシートとを重ね合わせた状態で、金属板がAlとされた場合には600〜650℃程度、また、金属板がCuとされた場合には1000℃程度とされた加熱炉に、入れることで、熱によってシートから回路基板ユニットに不要な影響が及ばない状態で、回路基板ユニットにおいて必要な接合をおこなうことが可能となる。同時に、クッション性を有するシートを介して回路基板ユニットを加圧接合するために、回路基板ユニットを加圧する加圧手段の面圧が均一に基板に作用させることができる。このため、加圧手段の加圧面の加工精度が低い状態でもよく、簡単な構造で平坦度を達成することができるため、製造装置の製造コストを低減することが可能となる。
ここで、シートの耐熱性とは、各回路基板ユニットにおいて熱によってシートから不要な影響が及ばない状態で、かつ、上記のクッション性が失われない加圧状態を実現可能なものを意味している。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る回路基板の製造方法および製造装置の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態の製造装置を示す正断面図であり、図において、符号1は回路基板の製造装置、Wは回路基板(回路基板ユニット)である。
【0014】
本実施形態においては、セラミックス基板と金属板とを接合して回路基板Wを製造する際に、これらを回路基板ユニットWとして加圧した状態で加熱する。セラミックス基板の反り量は、1mm長さ当たり1μm以下の範囲である。また、この際の圧力は5×102Pa〜5×104Pa(0.005〜0.5kgf/cm2 )程度とされる。この程度の加圧のみでセラミックス基板の反りやうねり、あるいは局所的な厚みのばらつきに金属板を追随させることは難しい。これを解決するために、本実施形態においては、各回路基板となる回路基板ユニットWごとに、クッション性および耐熱性を有するシートSを挟んで加熱することで、圧力を基板の面内方向に分散して面内方向均等に回路基板ユニットWを加圧することが可能となるものである。
【0015】
このような製造方法を実現するために、本実施形態では、次のような製造装置1を使用する。
【0016】
製造装置1は、図1に示すように、平行な一対の加圧板11,12と、この加圧板12を挟んで加圧板11と反対側に平行状態に設けられる固定板13と、加圧板11に垂設されるとともに加圧板11と固定板13とを固定し、かつ、加圧板12の移動位置を規制する位置規制部14,14と、固定板13から加圧板11側に向けて加圧板12を付勢するためのばね15,15とを有する構成とされる。
固定板12は、位置規制部14,14に沿って、その面と垂直方向に平行移動可能とされ、同時にばね15,15により図中矢印Aで示す方向に付勢可能とされている。これらは回路基板ユニットWを加圧するための加圧手段を構成している。
【0017】
このような製造装置では、図示しない固定手段によって、矢印Aと逆向きに加圧板11,12の間隔を広げた状態で、この加圧板11,12間に回路基板ユニットWおよびシートSを交互に重ねて載置する。
回路基板ユニットWは、板厚0.635mmの窒化アルミからなるセラミックス基板の両側にろう材としてのAl−Si合金の薄板とその外側にアルミニウム板(金属板)とを位置したものとされる。
シートSは、クッション性および耐熱性を有するようにカーボン(グラファイト)薄膜を雲母のように複数積層したものとされ、この表面に離型剤としてのBN(窒化ホウ素)等をスプレーしたものとされる。シートSは厚さ1mm〜3mm程度とされ、この範囲より薄い場合には後述するシートSを挟んだことによる充分な効果を得ることができないため好ましくなく、また、上記の範囲より厚い場合にはシートSのコストがかかりすぎ好ましくない。
回路基板ユニットWは、それぞれの間にシートSを挟んで15枚が加圧板11,12間に載置され一度の加熱処理を施される。
【0018】
上記のように15枚の回路基板ユニットWを載置した製造装置1においては、図示しない固定手段を解除してばね15,15により加圧板12を矢印A方向に付勢する。これにより、各回路基板ユニットWにおいては、セラミックス基板とろう材、および、ろう材とアルミニウム板とが加圧される。
【0019】
このように、回路基板ユニットWとシートSとを交互に複数重ねて位置し、加圧板11,12により加圧した際、シートSがクッション性を有していることにより、セラミックス基板に反り、うねり、局所的な厚みムラ、または表面凹凸があった場合でも、加圧時の圧力をシートに沿って均等にすることができる。これにより、回路基板ユニットWにおいてセラミックス基板とろう材、および、ろう材とアルミニウム板とを面内方向均一に圧接することが可能となる。
さらに、セラミックス基板の厚みがテーパ状に変化している場合、つまり面内方向に厚みの傾きが生じている場合でも、セラミックス基板、アルミニウム板と、ろう材とを面内方向均一に加圧することができる。
【0020】
次いで、ばね15,15の付勢力を制御してセラミックス基板に対して垂直方向に付与する圧力を9.8×102Pa〜9.8×103Pa(0.01〜0.1kgf/cm2 )として調整した状態で、回路基板ユニットWへの加圧状態を維持した製造装置1を、600〜650℃程度の温度条件とした熱処理炉等に入れて加熱接合をおこなう。ここで、加圧力が上記の範囲より小さい場合には、充分な接合を得ることができないため好ましくなく、また、加圧力が上記の範囲より大きい場合には、セラミックス基板に割れや破損等が生じる可能性があるため好ましくない。
【0021】
このように均等に加圧した状態で、熱処理炉等に入れることにより、セラミックス基板面内方向においてセラミックス基板とアルミニウム板、または、これらとろう材とを均一に接合する。このとき、シートSが耐熱性を有しているため、熱によってシートSのクッション性が失われることはないため上記の加圧状態を維持して熱処理をおこなうことが可能であり、同時に、シートSから回路基板ユニットWに不要な影響が及ばない状態で、回路基板ユニットWにおいて必要な接合をおこなうことが可能である。
【0022】
所定の熱処理が終了した後、回路基板Wを取り出し、必要ならば研磨等の表面処理をおこなう。
【0023】
本実施形態においては、上記のように、シートSを挟み込んで加圧した状態で回路基板ユニットWを加熱接合するため、セラミックス基板に反り、うねり、局所的な厚みムラ、または表面凹凸があった場合でも、シートSがクッション性を有しているため、加圧時にシートSに沿って圧力が均等になるので、回路基板ユニットWにおいてセラミックス基板とアルミニウム板(金属板)、または、これらとろう材とを面内方向均一に加圧することが可能となる。
このように均等に加圧した状態で加熱することにより、セラミックス基板面内方向においてセラミックス基板とアルミニウム板、または、これらとろう材とを均一に接合することが可能となる。従って、充分な接合状態とされた回路基板Wを製造することができる。同時に、シートSが耐熱性を有しているため、熱によってシートSから回路基板ユニットWに不要な影響が及ばない状態で、回路基板ユニットWにおいて必要な接合をおこなうことが可能となる。
【0024】
なお、接合温度は、Ag−Cu−Ti系ろう材ペーストを用いて無酸素銅板を接合する場合は、800〜850℃、Al−Si系合金箔を接合材として用いる場合は、600〜650℃、金属板として銅を接合する場合には、1000℃程度である。
【0025】
金属板として銅を接合する場合には、接合温度で、5×102Pa〜5×104Paの圧力においてセラミックス基板の反りやうねりに十分追随することができるものとされ、特に、Al及びAl合金は、一般的なろう付け温度500〜640℃で十分に軟化して、セラミックス基板の凹凸に倣う形状となり易く、好適な材料である。
【0026】
また、金属板は単層でもよく、また二種または三種以上のクラッド等の積層体であってもよい。積層体の例をあげれば、Al−Ni、Al−Ni−Cu、Al−Mo、Al−W、Al−Cu等である。これらは、使用目的や接合方法により適宜選択される。
【0027】
セラミックス基板の材質については、特に制限はなく、通常のアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素が用いられる。パワーモジュール用回路基板の作製には絶縁性の良好な窒化ケイ素基板又は窒化アルミニウム基板が望ましい。
【0028】
ろう材についても、それを使用する場合は、従来と同様なものでよい。例えば、窒化アルミニウム基板とAl板の接合には、Al−Si系合金箔が最も一般的に用いられるが、箔でなくても、それを粉末化したもの又はその組成を有する金属混合粉末を、有機バインダーや溶剤でペースト化したものが使用できる。
ろう材は、セラミックス側、金属板側のどちらに配置しても良く、また合金箔は、あらかじめ金属板と積層化しておいてもよい。
【0029】
なお、シートSとしては、クッション性および耐熱性を有するのもであればよく、カーボン(グラファイト)以外にもアルミナが主成分のセラミックスウール(常用1250℃まで耐熱)等からなるシートが適応可能である。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
上述したように、アルミニウム板と窒化アルミニウム基板とを接合して回路基板Wを製造する際に、本発明の製造装置を用い、回路基板ユニットWとシートSを交互に重ねて加圧した状態で加熱する際、接合するための圧力を5×102Pa〜5×104Pa(0.005〜0.5kgf/cm2 )の範囲として変化させた。
ここで、回路基板ユニットWが、板厚0.635mmの窒化アルミからなるセラミックス基板の両側にろう材としてのAl−Si合金の薄板とその外側にアルミニウム板(金属板)とを位置したものとされ、ただし、窒化アルミニウム基板の反り量が、1mm長さ当たり1μm以下の範囲とされる。この反り量の測定は、接触式三次元測定装置(例えば株式会社ミツトヨ製サーフテスト)を用い、20mm長さでプロフィル曲線を測定し、最上点と最下点との差を反り量とし、この測定を窒化アルミニウム基板面内で5点測定し、その最大値を窒化アルミニウム基板の反り量と定義する。この値が、25μm以下の場合反り量を1mm長さ当たり1μmとする。
【0031】
また、シートSが、クッション性および耐熱性を有するようにカーボン(グラファイト)薄膜を雲母のように複数積層したものとされ、この表面に離型剤としてのBN(窒化ホウ素)等をスプレーしたものとされ、回路基板ユニットWは、それぞれの間にシートSを挟んで15枚が加圧板11,12間に載置され一度の加熱処理を施す。
それぞれの圧力における回路基板Wを200枚作成した後、超音波探傷(SAT)で接合状態を観察し、1mmφ以上の未接合部又は5%以上の未接合面積が認められた場合を接合不良とした。また、セラミックス基板のワレの有無を測定した。それらの結果を表1,図2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
この結果から、ほぼ全ての加圧力でシートを挟んだ方が接合率が高いとともに、加圧力が9.8×102Pa(0.01kgf/cm2 )よりも小さいとシートのあるなしに関わらず接合率が60%より低下している。また、ほぼ全ての加圧力においてシートを挟んだ方が割れ率が小さいとともに、加圧力が9.8×103Pa(0.1kgf/cm2 )より大きくなると、シートを挟んでも割れ発生率が上昇する。
これらにより、製品の好ましい歩留まりとして、少なくとも50%以上を維持するためには9.8×102Pa〜9.8×103Pa(0.01〜.0.1kgf/cm2 )の範囲に加圧力を設定することが好ましい。
【0034】
また、窒化アルミニウム基板の厚さと、加圧処理する際の荷重(加圧力)との関係を図3の示す。ここで、荷重(kPa)と板厚(mm)との範囲は、点C(0.5,0.2)と点F(50,0.635)を通る直線と平行な直線で囲まれ、点C(0.5,0.2)、点D(1,0.2)、点E、点F(50,0.635)、点G、点H(10,0.6)、点Jで囲まれる斜線の範囲である。さらに、窒化アルミニウム基板の厚さが0.635mm以上のものは、50kPaで処理をおこなう。
【0035】
【発明の効果】
本発明の回路基板の製造方法によれば、複数の回路基板ユニットどうしの間にクッション性および耐熱性を有するシートを挟み込んだ状態で加圧することにより、セラミックス基板に反り、うねり、局所的な厚みムラ、または表面凹凸があった場合でも、加圧時にシートに沿って圧力が均等になるので、回路基板ユニットにおいてセラミックス基板と金属板、または、これらとろう材とを面内方向均一に加圧することが可能となり、その結果、反りのないセラミックス基板はもちろんのこと、多少の反りや厚みムラを有するセラミックス基板であっても充分な接合状態とされた回路基板を製造することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る回路基板の製造方法および製造装置の一実施形態を示す正断面図である。
【図2】 本発明における実施例の加圧力と接合率および割れ発生率の関係を示すグラフである。
【図3】 本発明における実施例の基板板厚と荷重との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
S シート
W 回路基板(回路基板ユニット)
1 製造装置
11,12 加圧板
15 ばね
Claims (2)
- セラミックス基板と金属板とを、ろう材を介してまたは介さずに接触させて回路基板ユニットとするとともに、複数の回路基板ユニットを高温下で加圧接合して回路基板を製造する際に、前記金属板と接合する前の前記セラミックス基板の反り量を、1mm長さ当たり1μm以下の範囲に設定し、前記複数の回路基板ユニットどうしの間にクッション性および耐熱性を有するシートを挟み込んだ状態とするとともに、前記セラミックス基板に対して垂直方向に5×102Pa〜5×104Paの圧力を付与して加圧する構成とされており、
前記シートは、グラファイト薄膜を複数積層したもの、又は、アルミナが主成分のセラミックスウール、のいずれかからなり、
平行な一対の加圧板と、固定板と、この固定板から一方の加圧板に向けて他方の加圧板を付勢するばねと、を有する加圧手段によって、前記セラミックス基板に対して前記圧力を付与して加圧することを特徴とする回路基板の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法により製造された回路基板を備えてなることを特徴とするパワーモジュール。
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