JP4417667B2 - シール構造およびガススプリング - Google Patents

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Description

本発明は、シール構造およびピストンロッドとシリンダとの間にシール構造を設けたガススプリングに関する。
従来、この種シール構造は、シール部材と有孔円盤状のロッドガイドで構成され、いわゆるガススプリングや油圧緩衝器のシリンダ内を密封状態下に保持するために使用されており、たとえば、ガススプリングや油圧緩衝器のシリンダと、シリンダに挿通されるピストンロッドとの間に配在され、シール部材は、シリンダ内方側に開口する凹部を有する環状に形成され、凹部を境としてピストンロッドに当接する内周側リップとシリンダに当接する外周側リップとを備えたUパッキンや、さらに、このUパッキンの内周側下方にピストンロッドに当接するダストリップを設けたものが知られている。
そして、上述のシール構造を備えたガススプリングのシリンダ内にガスを封入する方法として、シリンダの上端開口部からガスを充填し、シリンダの上端開口部をプラグで塞ぐ方法(たとえば、特許文献1参照)があり、上述のシール部材を備えた油圧緩衝器のシリンダ内にガスを封入する方法として、ダストリップを押し開くパイプ状のスリーブを挿入しスリーブ内にガスを送り込み内周側リップを撓ませてできた内周側リップとピストンロッドとの間の隙間からシリンダ内にガスを封入する方法(たとえば、特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、上記ガススプリングのシリンダ内にガスを封入する方法では、ガスを充填した後にプラグをシリンダ開口部に溶接等により蓋をする必要があるので、この点でガス封入費用が高価となり、また、油圧緩衝器のシリンダ内にガスを封入する方法ではピストンロッドとシール部材との間にスリーブを挿入する必要があるが、内径の小さいロッドガイドをシリンダ端部に配置するガススプリングには適用できない。
そこで、近年ではシール部材を上記ダストリップを設けない、いわゆるUパッキンとして、スリーブを用いずにUパッキンの内周側にガスを送り込み、内周側リップを撓ませてできた内周側リップとピストンロッドとの間の隙間からシリンダ内にガスを封入する方法の提案がなされるに至っている。
特開平10−288235号公報(第2頁左欄第34行目から第37行目まで、図2(A)) 特開昭56−42733号公報(第3頁右上欄台9行目から第3頁右下欄第3頁目まで、図3)
しかしながら、このような近年のガス封入方法でシリンダ内にガスを封入する場合には、従来のシール構造では、以下のような不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
すなわち、従来のシール部材では、ピストンロッドとシリンダとの間にシール部材を挿入するときに、シール部材がロッドガイドに対して傾いてしまう場合がある。すると、ロッドガイドとシール部材との間に隙間ができてしまい、ガスを封入するときに、シール部材の内周側リップのみにガス圧力を負荷することができずシール部材の底部にもガス圧力が負荷されてしまう。
そして、このガス圧力によりシール部材がシリンダ内方に向けて移動してしまい、途中リテーナ等によりシール部材の移動が規制されてもシール部材が全体にわたり軸方向に圧縮されて内周側リップをピストンロッドに強く押圧する事態となって、内周側リップとピストンロッドとの間に隙間が形成されず、ガスをシリンダ内に封入することができなくなってしまう場合がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、確実にガスを封入することができるシール構造およびピストンロッドとシリンダとの間にこのシール構造を設けたガススプリングを提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明の第1の課題解決手段におけるシール構造は、一方部材と他方部材との間に設けた環状のシート部材と、当該シート部材に着座しながら一方部材と他方部材との間をシールする環状のシール部材とを備えたシール構造において、上記シール部材の一方部材に当接する当接部と上記シート部材に対向する端部面との間の面の少なくとも一部に一方部材から遠ざかる傾斜面もしくは彎曲面が形成されるとともに、上記シール部材のシート部材に対向する端部の一方部材側に環状の突起部を設け、当該突起部を上記シート部材のシール部材に対向する端部の一方部材側の縁部を切除して設けた支持部に当接させたことを特徴とする。
さらに、第2の課題解決手段におけるシール構造は、第1の課題解決手段において、シール部材が上側に開口する凹部を有する環状に形成され、上記凹部を境として一方部材に当接する一方部材側リップと他方部材に当接する他方部材側リップとを備え、その底部側をシート部材に対向させたことを特徴とする。
また、第3の課題解決手段におけるガススプリングは、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入され当該シリンダ内を上室と下室とに区画するピストンと、当該ピストンに連結されたピストンロッドと、上記シリンダ端部に嵌合し軸心部にピストンロッドが挿通されるロッドガイドと、当該ロッドガイドのシリンダ内方側に向く面に着座し、上記シリンダと上記ピストンロッドとの間をシールするシール部材とを備えたガススプリングにおいて、上記シール部材がシリンダ内方側に開口する凹部を有する環状に形成され、上記凹部を境として上記ピストンロッドに当接する内周側リップと上記シリンダに当接する外周側リップと、内周側リップの上記ピストンロッドに当接する当接部と上記ロッドガイドに対向する底部面との間の面の少なくとも一部に形成された上記ピストンロッドから遠ざかる傾斜面もしくは彎曲面と、上記ロッドガイドに対向する底部の内周側に設けた環状の突起部とを備え、当該突起部を上記ロッドガイドのシール部材に対向する端部の内周側の縁部を切除して設けた支持部に当接させたことを特徴とする。
そして、第4の課題解決手段におけるガススプリングは、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入され当該シリンダ内を上室と下室とに区画するピストンと、当該ピストンに連結されたピストンロッドと、上記シリンダ端部に嵌合し軸心部にピストンロッドが挿通されるロッドガイドと、当該ロッドガイドのシリンダ内方側に向く面に着座し、上記シリンダと上記ピストンロッドとの間をシールするシール部材とを備えたガススプリングにおいて、上記ロッドガイドは、上記シール部材に対向する端部の内周側近傍に環状溝を備え、上記シール部材がシリンダ内方側に開口する凹部を有する環状に形成され、上記凹部を境として上記ピストンロッドに当接する内周側リップと上記シリンダに当接する外周側リップと、内周側リップの上記ピストンロッドに当接する当接部より上記ロッドガイドに対向する底部面との間の面の少なくとも一部に形成された上記ピストンロッドから遠ざかる傾斜面もしくは彎曲面と、上記ロッドガイドに対向する底部の内周側に設けた環状の突起部とを備え、当該突起部を上記ロッドガイドの環状溝内に挿入し、上記内周側リップと上記ピストンロッドの外周との隙間からガスを封入する時に上記突起部を上記環状溝の内側面にガス圧で押し当てて上記突起部と上記ロッドガイドとの間に隙間を発生させないことを特徴とする。
各請求項の発明によれば、従来のシール構造のように一方部材と他方部材との間にシール部材を挿入するときに、シール部材がシート部材に対して傾いてしまう場合があっても、シール部材の突起部は、シート部材の支持部に当接しており、シート部材とシール部材との間に隙間ができず、ガスを封入するときに、シール部材の一方部材側とシート部材との間がシールされていることから、シール部材の傾斜面もしくは彎曲面にガス圧力を負荷することがきる。したがって、シール部材のシート部材に対向する面にもガス圧力が負荷されてしまう事態を招来することがないので、このガス圧力によりシール部材が移動してガスを一方部材と他方部材で作られる空間内に封入することができなくなってしまう事がない。すなわち、このシール部材にあっては、確実にガスを上記空間内に封入することができる。
請求項2の発明によれば、特に、シール部材がUパッキン形状とされ、もともと傾斜面もしくは彎曲面を備えているので、少々の設計変更のみで確実にガスを封入することができ、シール部材を低コストで製造可能である。
また、請求項3および4の発明によれば、ガススプリングを組み立てた後にガスを封入する方法において、従来のシール部材では、ロッドガイドに対しシール部材が傾いて上記方法でガス封入が行えない状態となると不良品となってしまうが、本発明のシール部材およびこのシール部材を適用したガススプリングにあっては、確実にガスを封入できるので不良品の発生を防止できるので、製造歩留まりが向上する。したがって、この点で製造コストが向上するとともに、また、シール部材の底部に突起部等を設けるだけで、確実にガスを封入することができるので、低コストでガス封入を行える。
特に、シール部材をUパッキン形状とする場合には、もともと傾斜面もしくは彎曲面を備えているので、少々の設計変更のみで確実にガスを封入することができ、この点でシール部材を備えたガススプリングの製造コストをさらに低減できる。
また、請求項4の発明によれば、従来のシール構造のようにピストンロッドとシリンダとの間にシール部材を挿入するときに、シール部材がロッドガイドに対して傾いてしまう場合があっても、シール部材の突起部は、ロッドガイドの環状溝内に挿入されており、内周側リップとピストンロッドの外周との隙間からガスを封入する時に上記突起部を上記環状溝の内側面にガス圧で押し当てて上記突起部と上記ロッドガイドとの間に隙間を発生させないことから、ロッドガイドとシール部材との間に隙間ができず、シール部材の傾斜面もしくは彎曲面にガス圧力を負荷することがきる。したがって、シール部材のロッドガイドに対向する面にもガス圧力が負荷されてしまう事態を招来することがないので、このガス圧力によりシール部材が移動してガスをシリンダ内に封入することができなくなってしまう事がない。すなわち、このシール部材にあっては、確実にガスを上記シリンダ内に封入することができる。
本実施の形態の説明上、この発明がガススプリングに具現化された場合として以下詳細にこの発明について説明する。本発明が具現化されたガススプリングGの基本形態は、図1に示すように、他方部材たる有底筒状のシリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されたピストン3と、シリンダ1内にピストン3を介して移動自在に挿通される一方部材たるピストンロッド2と、ピストンロッド2を軸支するシート部材たるロッドガイド24と、ピストンロッド2とシリンダ1との間に挿入されロッドガイド24に着座するシール部材5とで構成され、シリンダ1内はピストン3によって、上室R1と下室R2とに区画され、この上室R1と下室R2とを連通するオリフィス3aがピストン3に設けられている。
他方、シール部材5は、図2に示すように、環状のインサートメタル20にゴム等の素材を金型内で圧縮して成形された図2中上側すなわちシリンダ内方側に開口する凹部5aを有する円環状に形成され、凹部5aを境として環状の内周側リップ5bと環状の外周側リップ5cと、内周側リップ5bのピストンロッドに当接する当接部5fよりロッドガイド24に対向する端部たる底部6の面との間の面に形成されたピストンロッド2から遠ざかる傾斜面5eと、を備えたいわゆるUパッキン形状に形成され、さらに、底部6すなわちロッドガイド24に対向する端部の内周側に環状の突起部5dが設けられている。
そして、シール部材5の内周側リップ5bの先端を一方部材たるピストンロッド2に摺接して、さらに、シール部材5の外周側リップ5cを他方部材たるシリンダ1に当設させており、これにより、シリンダ1とピストンロッド2との間がシールされている。
また、シール部材5の図1中下方には、シリンダ1の図1中下方の管端部をかしめることによりシリンダ1内周に固定され、ピストンロッド2を軸支する有孔円盤状のロッドガイド24が設けられており、シール部材5に対向する端部(図1中上部)の一方部材たるピストンロッド2側の縁部には、当該縁部を切除、本実施の形態においては面取りして、形成した支持部24aが設けられている。そして、シール部材5は、このロッドガイド24の図1中上面に載置されるが、このとき、シール部材5の突起部5dは、ロッドガイド24の支持部24aに着座することとなり、ロッドガイド24の上面とシール部材5との間はシールされている。また、このシール部材5にあっては、ロッドガイド24に対してシール部材5が傾くことがあっても、突起部5dがシール部材5の底部6から突出しているので、突起部5dがロッドガイド24の支持部24aから離れることはなく、確実にシール部材5とロッドガイド24との間がシールされる。なお、当該実施の形態にあっては、上記支持部24aは、ロッドガイド24の内周側縁部に面取りを施すことにより傾斜面として形成されているが、上記突起部5dが支持部24aに当接して確実にシール部材5とロッドガイド24との間がシールできれば、支持部24aの形状はどのような形状であってもよい。
また、シリンダ1の図1中下方であって、上記シール部材5より図1中上方には、ピストンロッド2が挿通される孔を備えた有孔円盤状のリテーナ8がシリンダ1にロールかしめを施すことにより固定され、このリテーナ8によりピストン3がシール部材5に接触することが防止される。
さらに、シール部材5とリテーナ8との間には、ピストンロッド2の外周を潤滑する潤滑油15が充填されている。この潤滑油15は、ピストンロッド2がシリンダ1に対して移動するときに、その外周に附着するから、ピストンロッド2とシール部材5の内周側リップ5bとの間が潤滑されるので、ピストンロッド2の移動を円滑なものとすることができる。
そして、上記のシール部材5にて、シリンダ1の図1中下端開口部が封止されるとともに、さらに、シリンダ1内には気体が封入されている。したがって、このガススプリングGでは、ピストン3の図1中上面と下面との受圧面積差によりピストン3に常に伸張する方向の力が作用するので、ガススプリングGは空気バネとして機能する。
さて、上述のようにガススプリングGおよびシール部材5およびシート部材たるロッドガイド24は構成されるが、ガススプリングGのシリンダ1内にガスを封入する方法は、以下のとおりである。まず、ガススプリングGのシリンダ1にピストン3およびピストンロッド2を挿入し、リテーナ8をシリンダ1の内周にロールかしめを施すことにより固定し、潤滑油15を充填し、さらに、シール部材5がシリンダ1とピストンロッド2との間に挿入されるとともに、ロッドガイド24がシリンダ1内周にシリンダ1の図1中管端部をかしめることにより固定される。
この状態で、シリンダ1の図1中下端開口部から、ガスを流入させる。すると、シール部材5の傾斜面5eにガスの圧力が付加されるので、内周側リップ5bが変形し、僅かに当該内周側リップ5bとピストンロッド2の外周との間に隙間を生じて、ガスがシリンダ1内に封入される。このとき、従来のシール部材のようにピストンロッド2とシリンダ1との間にシール部材5を挿入するときに、シール部材5がロッドガイド24に対して傾いてしまう場合があっても、図3に示すように、シール部材5の突起部5dは、ロッドガイド24の支持部24aに着座しており、ガス圧力が突起部5dを支持部24aに向けて押圧するように作用し、ロッドガイド24とシール部材5との間に隙間ができず、ロッドガイド24の上面とシール部材5との間は確実にシールされるとともに、かつ、ロッドガイド24およびシール部材5の内周側でシールされているから、ガスを封入するときに、シール部材5の内周側リップ5bのみにガス圧力を負荷することがきる。したがって、シール部材5の底部6にもガス圧力が負荷されてしまう事態を招来することがないので、このガス圧力によりシール部材5がシリンダ1内方に向けて移動してガスをシリンダ1内に封入することができなくなってしまう事がない。すなわち、このシール部材5にあっては、確実にガスをシリンダ1内に封入することができる。なお、傾斜面5eは、ガス圧力負荷により内周側リップ5bを一部でも撓ませてガス封入の目的が果たせればよいので、当接部5fから底部6との間全体に設けなくともよく、また、傾斜面ではなく、凸状もしくは凹状の彎曲面としてもよい。
そして、ガス封入後には、シール部材5がシリンダ1内のガス圧力でロッドガイド2側に押圧されるので、内周側リップ5bがピストンロッド2に、外周側リップ5cがシリンダ1にそれぞれ押し付けられるので、ピストンロッド2とシリンダ1との間がしっかりシールされるので、ガスがシリンダ1内から漏れることは無い。
また、ガススプリングを組み立てた後にガスを封入する方法において、従来のシール部材では、ロッドガイドに対しシール部材が傾いて上記方法でガス封入が行えない状態となると不良品となってしまうが、本発明のシール部材およびこのシール部材を適用したガススプリングにあっては、確実にガスを封入できるので不良品の発生を防止できるので、製造歩留まりが向上する。したがって、この点で製造コストが向上するとともに、また、シール部材5に突起部5dおよび傾斜面5eもしくは彎曲面を設け、シート部材に切欠を設けるだけで、確実にガスを封入することができるので、低コストでガス封入を行える。特に、シール部材5をUパッキン形状とする場合には、もともと傾斜面もしくは彎曲面を備えているので、少々の設計変更のみで確実にガスを封入することができ、シール部材を低コストで製造可能であり、この点で、このシール部材を備えたガススプリングの製造コストをさらに低減できる。
さらに、図4に示すように、ロッドガイド24の内周側縁部に支持部24aを設ける換わりに、ロッドガイド24のシール部材5に対向する端部の一方部材たるピストンロッド2近傍に環状溝24bを設け、シール部材5の突起部5dをこの環状溝24b内に挿入することとしてもよい。すると、ガス封入時に突起部5dにガス圧力が付加されると、ガス圧力が突起部5dを環状溝24bの図4中右側面に向けて押圧するように作用し、ロッドガイド24とシール部材5との間に隙間を発生させず、ロッドガイド24の上面とシール部材5との間は確実にシールされて、ガスを封入するときに、シール部材5の内周側リップ5bのみにガス圧力を負荷することがきる。すなわち、この場合にも確実にガス封入を行うことできる。
なお、上述したところでは、突起部5dを横断面矩形に形成されているが、突起部5dの形状を、図4に示すように、先端外周側の断面を円弧状としたり、内周側から外周側にかけて上方に傾斜する形状としたり、その横断面形状を山型に形成するとしてもよい。ようするに、突起部5dの形状は、シート部材の切欠に当接してシール部材とシート部材との間を確実にシールできる形状であればよい。
また、インサートメタル20を設けないとしてもよい。いずれにせよ、シール部材5とシート部材との間をその内周側でシールすることができるので、上記作用効果を奏することができる。
なお、本実施の形態においては、一方部材をピストンロッドとし、他方部材をシリンダとしているが、本発明の意図するところは、ガスを封入するにあたり、ガス圧力がシール部材のリップのみならず底部6にも負荷されて一方部材と他方部材との間を移動してガス封入が行えなくなるという不具合を改善するところにあるので、たとえば、一方部材を中空な筒体として他方部材を蓋体とするような場合には、ガス封入をシール部材の外周側から行うこととなり、シート部材とシール部材との間のシールはその外周側で行われる必要があるので、突起部をシール部材のシート部材に対向する面の外周側に設けるとともに傾斜面もしくは彎曲面をシール部材の外周側に設け、さらに、シート部材の外周側に支持部を設ければよい。すなわち、図2から図4に示したシール部材の底部6側に設けられる突起部の形成位置を内周側と外周側で逆にし、傾斜面をシール部材の外周側に設け、さらに、シート部材の支持部もしくは環状溝の形成位置を外周側にすればよいこととなる。
また、本実施の形態においては、シート部材をロッドガイドとしているが、ロッドガイド以外の部材であってもよく、さらに、このシート部材は、一方部材もしくは他方部材と一体的に形成されてもよい。すなわち、たとえば、筒状の他方部材の内周に環状溝を形成し、シール部材をこの環状溝内に嵌合し、さらに、この他方部材内に一方部材が挿入されるような場面では、シート部材は環状溝ということとなる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。また、本発明はガススプリングに具現化されているが、ガススプリング以外の空圧機器の摺動部に具現化可能であるだけでなく、当然であるが、ガスを封入した圧力容器にこのシール部材が適用可能なことは無論である。
一実施の形態におけるシール部材が具現化されたガススプリングの縦断面図である。 一実施の形態におけるシール部材およびシート部材の縦断面図である。 一実施の形態におけるシール部材がシート部材に対し傾いた状態を示す縦断面図である。 一実施の形態の変形例におけるシール部材およびシール部材の縦断面図である。
符号の説明
1 他方部材たるシリンダ
2 一方部材たるピストンロッド
3 ピストン
5 シール部材
5a 凹部
5b 内周側リップ
5c 外周側リップ
5d 突起部
5e 傾斜面
5f 当接部
6 シール部材のシート部材に対向する端部たる底部
24 シート部材たるロッドガイド
24a 支持部
24b 環状溝
G ガススプリング
R1 上室
R2 下室

Claims (4)

  1. 一方部材と他方部材との間に設けた環状のシート部材と、当該シート部材に着座しながら一方部材と他方部材との間をシールする環状のシール部材とを備えたシール構造において、上記シール部材の一方部材に当接する当接部と上記シート部材に対向する端部面との間の面の少なくとも一部に一方部材から遠ざかる傾斜面もしくは彎曲面が形成されるとともに、上記シール部材のシート部材に対向する端部の一方部材側に環状の突起部を設け、当該突起部を上記シート部材のシール部材に対向する端部の一方部材側の縁部を切除して設けた支持部に当接させたことを特徴とするシール構造。
  2. シール部材が上側に開口する凹部を有する環状に形成され、上記凹部を境として一方部材に当接する一方部材側リップと他方部材に当接する他方部材側リップとを備え、その底部側をシート部材に対向させたことを特徴とする請求項1に記載のシール構造。
  3. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入され当該シリンダ内を上室と下室とに区画するピストンと、当該ピストンに連結されたピストンロッドと、上記シリンダ端部に嵌合し軸心部にピストンロッドが挿通されるロッドガイドと、当該ロッドガイドのシリンダ内方側に向く面に着座し、上記シリンダと上記ピストンロッドとの間をシールするシール部材とを備えたガススプリングにおいて、上記シール部材がシリンダ内方側に開口する凹部を有する環状に形成され、上記凹部を境として上記ピストンロッドに当接する内周側リップと上記シリンダに当接する外周側リップと、内周側リップの上記ピストンロッドに当接する当接部と上記ロッドガイドに対向する底部面との間の面の少なくとも一部に形成された上記ピストンロッドから遠ざかる傾斜面もしくは彎曲面と、上記ロッドガイドに対向する底部の内周側に設けた環状の突起部とを備え、当該突起部を上記ロッドガイドのシール部材に対向する端部の内周側の縁部を切除して設けた支持部に当接させたことを特徴とするガススプリング。
  4. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入され当該シリンダ内を上室と下室とに区画するピストンと、当該ピストンに連結されたピストンロッドと、上記シリンダ端部に嵌合し軸心部にピストンロッドが挿通されるロッドガイドと、当該ロッドガイドのシリンダ内方側に向く面に着座し、上記シリンダと上記ピストンロッドとの間をシールするシール部材とを備えたガススプリングにおいて、上記ロッドガイドは、上記シール部材に対向する端部の内周側近傍に環状溝を備え、上記シール部材がシリンダ内方側に開口する凹部を有する環状に形成され、上記凹部を境として上記ピストンロッドに当接する内周側リップと上記シリンダに当接する外周側リップと、内周側リップの上記ピストンロッドに当接する当接部より上記ロッドガイドに対向する底部面との間の面の少なくとも一部に形成された上記ピストンロッドから遠ざかる傾斜面もしくは彎曲面と、上記ロッドガイドに対向する底部の内周側に設けた環状の突起部とを備え、当該突起部を上記ロッドガイドの環状溝内に挿入し、上記内周側リップと上記ピストンロッドの外周との隙間からガスを封入する時に上記突起部を上記環状溝の内側面にガス圧で押し当てて上記突起部と上記ロッドガイドとの間に隙間を発生させないことを特徴とするガススプリング。
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