JPH09126266A - 油圧緩衝器のオイルシール構造及び油圧緩衝器のガス 封入方法 - Google Patents

油圧緩衝器のオイルシール構造及び油圧緩衝器のガス 封入方法

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JPH09126266A
JPH09126266A JP28410595A JP28410595A JPH09126266A JP H09126266 A JPH09126266 A JP H09126266A JP 28410595 A JP28410595 A JP 28410595A JP 28410595 A JP28410595 A JP 28410595A JP H09126266 A JPH09126266 A JP H09126266A
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JP
Japan
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gas
annular body
shock absorber
oil seal
lip
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Application number
JP28410595A
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English (en)
Inventor
Kazumichi Okada
一路 岡田
Hideo Tanaka
秀雄 田中
Satoshi Suzuki
聡 鈴木
Hiroyuki Ikemoto
浩之 池本
Shinya Nishigaya
伸也 西ヶ谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造の簡素化を図り組付作業性を向上させ
る。 【解決手段】 金環28には、オイルシールリップ30
が取着されていると共にガス封入路26を封止するリッ
プ部42が一体的に取着されている。このため、金環2
8をオイルシール押え治具52で押し下げるだけでガス
封入路26を封止することができる。従って、リップ部
42を別部材であるOリング等で構成した場合に比べ、
Oリング等を単独で装着させる工程が不要になる。この
結果、オイルシール部ひいてはショックアブソーバ10
の組付作業性を向上させることができる。さらに、Oリ
ング等の別部材を廃止することができるので部品点数を
削減することができ、構造の簡素化を図ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧緩衝器のオイ
ルシール構造及び油圧緩衝器のガス封入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧緩衝器、例えば自動車に適用される
ショックアブソーバでは、内部に封入されたオイルが漏
出するのを防止するためのオイルシール構造を備えてい
る。この種のオイルシール構造の一例が特開昭59−2
19536号公報に開示されており、以下この公報に開
示されたショックアブソーバのオイルシール構造の構成
について説明する。
【0003】図5及び図6に示されるように、ショック
アブソーバ100のシリンダ102の上端部には、ピス
トンロッド104の移動をガイドするロッドガイド10
6が嵌着されている。このロッドガイド106の基部1
06Aにはガス通路108が形成されており、ボトムチ
ューブ110とシリンダ102との間に形成されたリザ
ーバ室112と基部106Aの上方空間とを連通してい
る。また、ロッドガイド106の基部106Aの外周面
とボトムチューブ110の内周面との間には所定の隙間
114が形成されており、弾性シールリング116によ
ってシールされている。さらに、上述したロッドガイド
106の基部106Aの上方には、弾性材料から成るオ
イルシール118を内部に保持するオイルシールケース
120が配設されている。このオイルシールケース12
0は、ボトムチューブ110の上端部がかしめられるこ
とにより当該ボトムチューブ110の上端部内方に組付
けられている。そして、上記のオイルシール118によ
ってピストンロッド104の外周面とオイルシールケー
ス120との間がシールされている。
【0004】次に、上述したオイルシール構造を備えた
ショックアブソーバ100へのガス封入時に用いられる
ワーククランプ128の構成について簡単に説明した
後、ガス封入方法について具体的に説明する。
【0005】ガス封入のためのワーククランプ128
は、ボトムチューブ110の上端外周部に配置されてい
ると共に所定の位置にガス封入孔126が形成されてい
る。また、ワーククランプ128の軸心部には、ピスト
ンロッド104の軸線方向に沿って移動可能なセンタ押
棒130が配設されている。なお、センタ押棒130の
下端部は、オイルシールケース120の上端面に当接さ
れている。さらに、ワーククランプ128の所定位置に
は横孔132が形成されており、この横孔132内には
加締用ポンチ134が移動可能に収容されている。
【0006】ショックアブソーバ100のリザーバ室1
12内へのガス封入作業は、オイルシールケース120
の組付途中において行われる。まず、図5に示される如
く、ロッドガイド106の基部106Aの外周上端部に
弾性シールリング116を配置した状態で、オイルシー
ルケース120を最終的な組付位置よりも所定量Δhだ
け上方へオフセットした状態で保持しておく。この状態
では、オイルシールケース120の外周面とボトムチュ
ーブ110の内周面との間に所定の隙間122が形成さ
れていると共に、オイルシールケース120の下端面と
ロッドガイド106の基部106Aの上端面との間にも
所定の隙間124が形成されている。次に、ワーククラ
ンプ128のガス封入孔126からガスが供給される。
このガスは、隙間122、124、ガス通路108の順
にこれらを通った後にリザーバ室112内に供給され
る。
【0007】次に、図6に示されるように、センタ押棒
130が所定量Δhだけ下降される。これにより、オイ
ルシールケース120の下端面は、弾性シールリング1
16を圧縮させながらロッドガイド106の基部106
Aの上端面に当接する。この結果、リザーバ室112内
に封入されたガスは、完全にシールされる。その後、加
締用ポンチ134を移動させてボトムチューブ110の
上端一部をかしめた後、この状態でワーククランプ12
8を回転させることによりボトムチューブ110の上端
全周がかしめられて作業が終了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された構成による場合、浮動支持されたオイル
シールケース120を下降させる前に、弾性シールリン
グ116をロッドガイド106の外周上端部に配置させ
る工程が必要になる。このため、組付作業性が低下する
と共に部品点数が増加してショックアブソーバ100の
オイルシール部の構成が複雑になるという問題がある。
【0009】本発明は上記事実を考慮し、構造の簡素化
を図り組付作業性を向上させることができる油圧緩衝器
のオイルシール構造及び油圧緩衝器のガス封入方法を得
ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係る油圧緩衝器のオイルシール構造は、筒体内に軸方向
移動可能に配置されたピストンロッドの外周部に配置さ
れる環状体と、この環状体に取着されると共に弾性材料
によって構成され、ピストンロッドの外周面に密着され
るオイルシールリップと、環状体に取着されると共に弾
性材料によって構成され、筒体内部と外部とを連通する
ガス封入経路を封止するリップ部と、を有することを特
徴としている。
【0011】請求項2記載の本発明に係る油圧緩衝器の
オイルシール構造は、筒体の上端部に係合しかつ環状体
に所定値以上の外力が加えられることで破断するストッ
パを環状体の外周部に設けた、ことを特徴としている。
【0012】請求項3記載の本発明に係る油圧緩衝器の
ガス封入方法は、請求項1に記載のオイルシールリッ
プ、リップ部、及び環状体を備えた油圧緩衝器に適用さ
れ、筒体内にガスを封入するための油圧緩衝器のガス封
入方法であって、ガス封入経路をリップ部が封止しない
状態で環状体を組付けた後に、ガス封入経路からガスを
筒体内に供給し、次いで、環状体を押し下げてリップ部
によってガス封入経路を封止し、その後、筒体の上端部
をかしめて環状体を固定する、ことを特徴としている。
【0013】請求項4記載の本発明に係る油圧緩衝器の
ガス封入方法は、請求項1に記載のオイルシールリッ
プ、リップ部、及び環状体を備えた油圧緩衝器に適用さ
れ、筒体内にガスを封入するための油圧緩衝器のガス封
入方法であって、ガス封入経路をリップ部が封止しない
状態で環状体を組付けた後に、当該環状体を傾斜させ、
次いで、ガス封入経路からガスを筒体内に供給し、次い
で、環状体を押し下げてリップ部によってガス封入経路
を封止し、その後、筒体の上端部をかしめて環状体を固
定する、ことを特徴としている。
【0014】請求項1記載の本発明によれば、環状体に
オイルシールリップ及びリップ部が一体的に取着されて
いるため、環状体を押し下げるだけでリップ部によって
ガス封入経路が封止される。このため、リップ部を環状
体と別部品で構成した場合に比べ、リップ部のみの組付
作業工程が不要になると共にガス封入時に環状体を容易
に保持でき、更にオイルシール構造ひいては油圧緩衝器
の構造が簡素になる。
【0015】請求項2記載の本発明によれば、ガス封入
時には、筒体の外周部に設けられたストッパが筒体の上
端部に係合される。この状態では、ストッパが設けられ
ていない部分に隙間が形成されるため、この隙間からガ
スを封入することができる。ガス封入後は、環状体に所
定値以上の外力が加えられることでストッパが破断して
環状体から分離される。その後、環状体が押し下げられ
ることにより、リップ部によってガス封入経路が封止さ
れる。このため、本発明においても、請求項1に記載の
発明と同様に、リップ部を環状体と別部品で構成した場
合に比べ、リップ部のみの組付作業工程が不要になると
共にガス封入時に環状体を容易に保持でき、更にオイル
シール構造ひいては油圧緩衝器の構造が簡素になる。
【0016】請求項3記載の本発明によれば、まず、ガ
ス封入経路をリップ部が封止しない状態で環状体が組付
けられる。次いで、ガス封入経路からガスが筒体内へ供
給される。次いで、環状体が押し下げられて、リップ部
によってガス封入経路が封止される。その後、筒体の上
端部がかしめられ、これにより環状体が固定される。従
って、本発明によるガス封入方法によれば、リップ部を
環状体と別部品で構成した場合に比べ、リップ部のみの
組付作業工程が不要になると共に、ガス封入経路を容易
に形成できる。
【0017】請求項4記載の本発明によれば、まず、ガ
ス封入経路をリップ部が封止しない状態で環状体が組付
けられる。次いで、環状体が傾斜される。このため、オ
イルシールリップとピストンロッドの外周面との間に隙
間が形成される。次いで、この隙間を利用して、ガス封
入経路からガスが筒体内へ供給される。次いで、環状体
が押し下げられて、リップ部によってガス封入経路が封
止される。その後、筒体の上端部がかしめられ、これに
より環状体が固定される。従って、本発明によるガス封
入方法によれば、リップ部を環状体と別部品で構成した
場合に比べ、リップ部のみの組付作業工程が不要になる
と共に、ガス封入経路を容易に形成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕以下、図1及び図2を用いて、第1
の実施形態について説明する。なお、この実施形態は、
請求項1及び請求項3に記載の本発明の一実施形態に相
当する。
【0019】図1に示されるように、ショックアブソー
バ10は、外側に配置され円筒状に形成されたアウタシ
ェル12と、このアウタシェル12の内側に配置され円
筒状に形成されたインナシェル14と、このインナシェ
ル14の軸心部に軸方向に沿って移動可能に配置された
ピストンロッド16と、を含んで構成されている。
【0020】アウタシェル12の下端部には、図示しな
いロアキャップが嵌着されている。また、インナシェル
14の下端部には、ベースバルブの支持部を構成する図
示しないベースケースが嵌着されている。さらに、ピス
トンロッド16の先端部にはピストンがナットで固定さ
れており、ピストンの上端部及び下端部にはリーフバル
ブがそれぞれ取り付けられている。
【0021】上述したピストンによってインナシェル1
4内の室が上室18と下室とに隔成されており、又アウ
タシェル12とインナシェル14との間の室がリザーバ
室20とされている。上室18及び下室内にはオイルが
封入されており、又リザーバ室20内にはオイル及びガ
スが封入されている。
【0022】上述したインナシェル14の上端部には、
ロッドガイド22が嵌着されている。ロッドガイド22
は、外径がアウタシェル12の内径に等しい基部22A
及びこの基部22Aの軸心部から突出され外径がインナ
シェル14の内径に等しい突出部22Bから成る。突出
部22Bはインナシェル14の上端部に嵌合されてお
り、その軸心部には円筒状のブシュ24が嵌合されてピ
ストンロッド16の外周面との間に介在されている。ま
た、基部22Aには、リザーバ室20と基部22Aの上
方空間とを連通するガス封入路26が形成されている。
【0023】上述したロッドガイド22の基部22Aの
上端面には、金属材料で構成された平板リング状の金環
28が当接状態で配置されている。
【0024】金環28の孔周縁部には、弾性材料によっ
て構成されたオイルシールリップ30が配設されてい
る。オイルシールリップ30は、金環28の上端面側に
位置されたダストリップ部32と、金環28の下端面側
に位置されたメインリップ部34と、両者を接続して金
環28の孔周縁部に嵌合状態で配置される保持部36
と、を備えている。
【0025】ダストリップ部32の外周部には、リング
状のスプリング38が取り付けらている。このため、ダ
ストリップ部32のシール面32Aは所定のシール圧で
ピストンロッド16の外周面に圧接されており、これに
よりダストのアウタシェル12及びインナシェル14内
への混入を防止している。また、メインリップ部34の
外周部には、リング状のスプリング40が取り付けられ
ている。このため、メインリップ部34のシール面34
Aは所定のシール圧でピストンロッド16の外周面に圧
接されており、これによりオイルの漏出を防止してい
る。さらに、保持部36の上端部には半径方向へ突出す
る薄肉の上面ゴム部36Aが形成されており、金環28
の孔周縁部の上面に密着されている。また、保持部36
の下端部には半径方向へ突出する比較的厚肉の下面ゴム
部36Bが形成されており、金環28の孔周縁部の下面
に密着されている。
【0026】また、金環28の外周下端部には、弾性材
料によって構成され略台形断面形状とされた環状のリッ
プ部42が配設されている。さらに、このリップ部42
の外周所定部位には、上下方向に切り欠かれた切欠部4
4が形成されている(図2(A)、(B)参照)。
【0027】上述したリップ部42は、金環28をロッ
ドガイド22の基部22Aの上端面に当接させた状態で
アウタシェル12の上端部を適宜間隔でかしめることに
より、圧縮されてリップ部42の切欠部44とアウタシ
ェル12と溝部46との間をシールするようになってい
る。また、上記オイルシールリップ30及びリップ部4
2は、分離独立した状態で金環28に取着されているの
ではなく、加硫成形により金環28の表面を被覆する際
に両者一体的に取着されている。
【0028】一方、ショックアブソーバ10内にガスを
封入する際に用いられるガス封入治具48は有底円筒形
状を成しており、底部がアウタシェル12の上端外周部
にパッキン50を介して装着されている。このガス封入
治具48の内方には、円筒状のオイルシール押え治具5
2が軸方向移動可能に配置されている。
【0029】次に、本実施形態の作用並びに効果を説明
する。金環28は、オイルシールリップ30に嵌着され
たスプリング38、40の付勢力によってピストンロッ
ド16の任意の位置に浮動的に支持させることが可能で
ある(なお、リップ部42を利用して、金環28を浮動
的即ちロッドガイド22から所定量だけ離間して支持し
てもよい)。そこで、まず、図1の中心線の左側の図に
示される如く、オイルシール押え治具52が所定量だけ
金環28がロッドガイド22から離間されるようにピス
トンロッド16に組付けられる。この状態では、リップ
部42は溝部46に完全には密着しておらず、ガス封入
路26は開放された状態にある。
【0030】次に、この状態で、ガスの封入作業が行わ
れる。具体的には、ガス封入治具48の内圧を所定圧力
になるまで上昇させる。これにより、ガスは、リップ部
42の切欠部44から流入してガス封入路26を通って
リザーバ室20の上部へ供給される。
【0031】次に、図1の中心線の右側の図に示される
如く、オイルシール押え治具52が押し下げられる。こ
れにより、リップ部42が弾性変形しながらアウタシェ
ル12及び溝部46に密着される。この結果、リップ部
42によってガス封入路26が封止される。
【0032】次に、この状態で、アウタシェル12の上
端部の所定部位がかしめられる。これにより、金環28
がロッドガイド22の基部22Aの上端面に固定されて
作業が終了する。
【0033】このように本実施形態では、金環28にガ
ス封入路26を封止するリップ部42を一体的に取着さ
せたので、金環28をオイルシール押え治具52で押し
下げるだけでガス封入路26を封止することができる。
このため、リップ部42を別部材であるOリング等で構
成した場合に比べ、Oリング等を単独で装着させる工程
が不要になる。従って、オイルシール部ひいてはショッ
クアブソーバ10の組付作業性を向上させることができ
る。さらに、Oリング等の別部材を廃止することができ
るので部品点数を削減することができる。このため、シ
ョックアブソーバ10の構造の簡素化を図ることができ
る。さらに、金環28をロッドガイド22に密着しない
状態で、容易に保持できるため、ガス封入経路を確保し
易い構造とすることができる。
【0034】また、本実施形態では、アウタシェル12
の上端部を部分的にかしめて金環28を固定する構成で
あるため、当該上端部を全周ロールかしめする場合に比
し、加工時間の短縮化及び設備の小型化を図ることがで
きる。
【0035】〔第2の実施形態〕次に、図3を用いて、
第2の実施形態について説明する。なお、この実施形態
は、請求項1、請求項2、及び請求項3に記載の本発明
の一実施形態に相当する。また、前述した実施形態と同
一な構成部分については同一番号を付してその説明を省
略する。
【0036】この図に示されるように、金環28の孔周
縁部にはオイルシールリップ30が取着されており、又
金環28の外周下端部にはリップ部60が取着されてい
る。さらに、この実施形態では、金環28の外周面の所
定部位に弾性材料によって構成された円柱形状のストッ
パ62が複数個取着されている。
【0037】本実施形態の作用は、以下の通りである。
金環28は、オイルシールリップ30に嵌着されたスプ
リング38、40の付勢力及びストッパ62によって、
アウタシェル12の上端部に支持させることが可能であ
る。そこで、まず、図3の中心線の左側の図に示される
如く、金環28がピストンロッド16に組付けられる。
このとき、ストッパ62をアウタシェル12の上端面に
係合させておく。この状態では、リップ部60は溝部4
6に密着しておらず、ガス封入路26は開放された状態
にある。また、ストッパ62は金環28の外周面の所定
部位に複数個適宜間隔で設けられているため、隣合うス
トッパ62間には隙間が形成されている。
【0038】次に、この状態で、ガスの封入作業が行わ
れる。具体的には、ガス封入治具48の内圧を所定圧力
になるまで上昇させる。これにより、ガスは、ストッパ
62間の隙間から流入してガス封入路26を通ってリザ
ーバ室20の上部へ供給される。
【0039】次に、図3の中心線の右側の図に示される
如く、オイルシール押え治具52が押し下げられる。こ
のとき、ストッパ62と金環28との接続部分に所定の
外力が作用するので、ストッパ62が破断して金環28
と分離される。また、金環28がロッドガイド22の基
部22Aの上端面に当接すると、リップ部60が弾性変
形しながら溝部46内に密着される。この結果、リップ
部60によって金環28とアウタシェル12と溝部46
との間がシールされ、ガス封入路26が封止される。
【0040】次に、この状態で、アウタシェル12の上
端部の所定部位がかしめられる。これにより、金環28
がロッドガイド22の基部22Aの上端面に固定されて
作業が終了する。
【0041】このように本実施形態においても、第1の
実施形態と同様に、金環28にガス封入路26を封止す
るリップ部60を一体的に取着させたので、金環28を
オイルシール押え治具52で押し下げるだけでガス封入
路26を封止することができる。このため、リップ部6
0を別部材であるOリング等で構成した場合に比べ、オ
イルシール部の組付作業性を向上させることができると
共に、金環28をロッドガイド22に密着しない状態で
容易に保持できるため、ガス封入経路を確保し易い構造
とすることができる。さらに、オイルシール部の構造の
簡素化を図ることができる。
【0042】〔第3の実施形態〕次に、図4を用いて、
第3の実施形態について説明する。なお、この実施形態
は、請求項1及び請求項4に記載の本発明の一実施形態
に相当する。また、前述した実施形態と同一な構成部分
については同一番号を付してその説明を省略する。
【0043】この図に示されるように、本実施形態で
は、金環28、オイルシールリップ30、及びリップ部
60等については第2の実施形態と同様の構成を採用し
ているが、本実施形態ではガス封入方法に特徴があり、
以下に説明する。
【0044】まず、金環28がピストンロッド16の所
定位置に組付けられる。この時点では、金環28はピス
トンロッド16に対して軸直角方向を面方向として配置
されている。次に、図4図示の如く、オイルシール押え
治具52によって金環28の外周片側が押し下げられ
る。これにより、金環28は、所定角度傾斜された状態
になる。また、金環28が傾斜することにより、オイル
シールリップ30に嵌着されたスプリング38、40が
拡径されるため、オイルシールリップ30のダストリッ
プ部32からメインリップ部34にかけての部分に隙間
66が形成される。
【0045】次に、この状態で、ガスの封入作業が行わ
れる。具体的には、ガス封入治具48の内圧を所定圧力
になるまで上昇させる。これにより、ガスは、前記隙間
66から流入してガス封入路26を通ってリザーバ室2
0の上部へ供給される。
【0046】次に、金環28の押し下げられていない側
がオイルシール押え治具52によって押し下げられる。
これにより、リップ部60が溝部46に密着される。こ
の結果、リップ部60によって金環28と溝部46とア
ウタシェル12との間がシールされ、ガス封入路26が
封止される。
【0047】次に、この状態で、アウタシェル12の上
端部の所定部位がかしめられる。これにより、金環28
がロッドガイド22の基部22Aの上端面に固定されて
作業が終了する。
【0048】このように本実施形態においても、第1及
び第2の実施形態と同様に、金環28にガス封入路26
を封止するリップ部60を一体的に取着させたので、金
環28をオイルシール押え治具52で押し下げるだけで
ガス封入路26を封止することができる。このため、リ
ップ部60を別部材であるOリング等で構成した場合に
比べ、オイルシール部の組付作業性を向上させることが
できると共にオイルシール部の構造の簡素化を図ること
ができる。
【0049】また、本実施形態によれば、リップ部に切
欠部44を形成する必要もなく、又リップ部60とは別
にストッパ62を設ける必要もないので、より一層オイ
ルシール部の構造の簡素化を図ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の本発
明に係る油圧緩衝器のオイルシール構造は、筒体内に軸
方向移動可能に配置されたピストンロッドの外周部に配
置される環状体と、この環状体に取着されると共に弾性
材料によって構成され、ピストンロッドの外周面に密着
されるオイルシールリップと、環状体に取着されると共
に弾性材料によって構成され、筒体内部と外部とを連通
するガス封入経路を封止するリップ部と、を有するの
で、構造の簡素化を図り組付作業性を向上させることが
できるという優れた効果を有する。
【0051】請求項2記載の本発明に係る油圧緩衝器の
オイルシール構造は、請求項1に記載の発明において、
筒体の上端部に係合しかつ環状体に所定値以上の外力が
加えられることで破断するストッパを環状体の外周部に
設けたので、構造の簡素化を図り組付作業性を向上させ
ることができるという優れた効果を有する。
【0052】請求項3記載の本発明に係る油圧緩衝器の
ガス封入方法は、ガス封入経路をリップ部が封止しない
状態で環状体を組付けた後に、ガス封入経路からガスを
筒体内に供給し、次いで、環状体を押し下げてリップ部
によってガス封入経路を封止し、その後、筒体の上端部
をかしめて環状体を固定するので、組付作業性を向上さ
せることができるという優れた効果を有する。
【0053】請求項4記載の本発明に係る油圧緩衝器の
ガス封入方法は、ガス封入経路をリップ部が封止しない
状態で環状体を組付けた後に、当該環状体を傾斜させ、
次いで、ガス封入経路からガスを筒体内に供給し、次い
で、環状体を押し下げてリップ部によってガス封入経路
を封止し、その後、筒体の上端部をかしめて環状体を固
定するので、組付作業性を向上させることができるとい
う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係るショックアブソーバのオ
イルシール構造を示す縦断面図である。
【図2】(A)は図1に示される金環及びリップ部の部
分斜視図であり、(B)は切欠部の形成位置での縦断面
図である。
【図3】第2の実施形態に係るショックアブソーバのオ
イルシール構造を示す縦断面図である。
【図4】第3の実施形態に係るショックアブソーバのオ
イルシール構造を示す縦断面図である。
【図5】従来のショックアブソーバのオイルシール構造
を示す縦断面図である。
【図6】図5に示される構造において、ボトムチューブ
のかしめ作業の様子を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 ショックアブソーバ(油圧緩衝器) 12 アウタシェル(筒体) 14 インナシェル(筒体) 16 ピストンロッド 26 ガス封入路(ガス封入経路) 28 金環(環状体) 30 オイルシールリップ 42 リップ部 60 リップ部 62 ストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池本 浩之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西ヶ谷 伸也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒体内に軸方向移動可能に配置されたピ
    ストンロッドの外周部に配置される環状体と、 この環状体に取着されると共に弾性材料によって構成さ
    れ、ピストンロッドの外周面に密着されるオイルシール
    リップと、 環状体に取着されると共に弾性材料によって構成され、
    筒体内部と外部とを連通するガス封入経路を封止するリ
    ップ部と、 を有することを特徴とする油圧緩衝器のオイルシール構
    造。
  2. 【請求項2】 筒体の上端部に係合しかつ環状体に所定
    値以上の外力が加えられることで破断するストッパを環
    状体の外周部に設けた、 ことを特徴とする請求項1記載の油圧緩衝器のオイルシ
    ール構造。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のオイルシールリップ、
    リップ部、及び環状体を備えた油圧緩衝器に適用され、 筒体内にガスを封入するための油圧緩衝器のガス封入方
    法であって、 ガス封入経路をリップ部が封止しない状態で環状体を組
    付けた後に、ガス封入経路からガスを筒体内に供給し、 次いで、環状体を押し下げてリップ部によってガス封入
    経路を封止し、 その後、筒体の上端部をかしめて環状体を固定する、 ことを特徴とする油圧緩衝器のガス封入方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のオイルシールリップ、
    リップ部、及び環状体を備えた油圧緩衝器に適用され、 筒体内にガスを封入するための油圧緩衝器のガス封入方
    法であって、 ガス封入経路をリップ部が封止しない状態で環状体を組
    付けた後に、当該環状体を傾斜させ、 次いで、ガス封入経路からガスを筒体内に供給し、 次いで、環状体を押し下げてリップ部によってガス封入
    経路を封止し、 その後、筒体の上端部をかしめて環状体を固定する、 ことを特徴とする油圧緩衝器のガス封入方法。
JP28410595A 1995-10-31 1995-10-31 油圧緩衝器のオイルシール構造及び油圧緩衝器のガス 封入方法 Pending JPH09126266A (ja)

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