JP4414016B2 - 表面保護フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表面保護フィルムに関する。具体的には、いわゆるノート型パーソナルコンピュータ等の液晶ディスプレイなどに用いられる光拡散シート、レンズフィルムや偏光用フィルム等の製造組立工程等で用いられ、特に静電気の発生により不都合を生じやすい分野で汎用される表面保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
表面保護フィルムは、一般的に高分子フィルムからなるシート状若しくはテープ状基材(以下、「シート状基材」と表記する。)の片面若しくはその両面に粘着剤層が積層されたものであって、帯電防止効果を増強させるためにシート状基材の表面に帯電防止層が積層され、当該帯電防止層上に粘着剤層が積層されたものも存在する。
【0003】
従来、高分子フィルムからなるシート状基材、特にポリオレフィン系基材上に、粘着剤層が塗布形成された表面保護フィルムにおいては、当該粘着剤層としてアクリル系粘着剤を用いたものがそのほとんどを占めていた。すなわち、基材/粘着剤層間の密着性が悪い場合には、粘着テープを剥離した際に粘着剤が基材から剥離され被着体に粘着剤が残る、いわゆる糊残り現象が発生するという場合があり、アクリル系粘着剤を用いることにより糊残り現象を容易に回避することができるからである。
【0004】
ところで、表面保護フィルム製造時の安全衛生面や環境保護の観点だけでなく経済的にも優れていることなどの理由から、近年一般式A−B−Aで示されるブロック共重合体系の粘着剤を用いた表面保護フィルムが開発されている。しかし、ポリオレフィン系基材と当該ブロック共重合体系の粘着剤との親和性が乏しいため、基材と粘着剤層との間で投錨破壊が発生し、糊残りが非常に発生しやすいという問題があった。
【0005】
この場合に、基材の材質に応じて粘着剤を適宜選択する、あるいは基材にコロナ処理などを施すなど基材の積層面に対して物理的表面処理を施す、あるいは適当なバインダ層(下塗り層)を設けることにより、基材と粘着剤層との間の投錨力を向上させることが考えられる。
【0006】
しかしながら、用いるシート状基材の材質によっては粘着剤の選択が非常に困難な場合があり、十分な投錨力を得ることができず、糊残り現象を簡単には抑制することができなかった。また従来と同様に、表面処理を施したりバインダ層を形成したとしても十分な投錨力を得ることができない場合もあった。特に、上記したように帯電防止層が形成される場合にはこれら方法は全く無意味なものとなってしまう。
【0007】
また、帯電防止層にはその効果が優れているとの観点から、4級アンモニウム塩を有するアクリレート又はメタクリレート由来の部位を含有する重合体や側鎖にイオン導電性基を有する単量体からなる重合体等が用いられる。しかしこのような極性の高い重合体からなる帯電防止層に、極性の低いブロック共重合体からなる粘着剤層を密着性よく積層するのは非常に困難なものである。従って、この場合には帯電防止層と粘着剤層との間で投錨破壊を生じる恐れがある。
【0008】
この場合に、帯電防止層と粘着剤層との間の投錨力を向上させるために、両者間にバインダ層を設けることも考えられるが、このような極性の高い重合体からなる帯電防止層と極性の低いブロック共重合体からなる粘着剤層との間に適したバインダ層も見出されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は叙上の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、帯電防止層が形成された表面保護フィルムにおいて、被着体への糊残りを少なくするため、帯電防止層/粘着剤層間の密着性すなわち帯電防止層と粘着剤層間の投錨力を向上させることにある。
【0010】
そこで本願発明者は鋭意努力した結果、ある特定の分子構造を有するポリマーをバインダ層として用いることにより、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表面保護フィルムは、高分子フィルムからなるシート状基材の片面若しくは両面に積層した帯電防止層にバインダ層を積層し、さらに当該バインダ層上に粘着剤層を積層した表面保護フィルムであって、前記バインダ層は、一般式A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)のエポキシ化物由来の酸素原子を含むポリマーを含有するものであり、前記粘着剤層は、一般式A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)を含有するものであり、前記帯電防止層は、帯電防止効果を有するアクリル系樹脂層であることを特徴とする。
【0015】
また本発明の表面保護フィルムにおいて、前記シート状基材は、ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
このように本発明においては、高分子フィルムからなるシート状基材上に極性の高い帯電防止層を積層した場合に、極性の低い粘着剤層との間の投錨力を向上させるため、特定のバインダ層を帯電防止層と粘着剤層との間に形成することを特徴とするものである。
【0017】
本発明においてシート状基材として用いられる高分子フィルムは、従来から表面保護フィルムの基材として使用されるものであれば特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンやナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど各種合成樹脂あるいは紙や綿などの天然物を挙げることができる。これらの合成樹脂や天然物から作製されるシート状基材は、単層状、積層状のいずれでも差し支えなく、これらの合成樹脂のブレンド物であっても差し支えない。本発明においてはこれらの中でも、特に低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらのポリマーアロイなどのポリオレフィン系樹脂を1種若しくは2種以上混合して得られるものが好適に用いられる。またこれら以外に、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリレート共重合体、ポリプロピレン(ランダム共重合体)を1種若しくは2種以上用いたり、さらには、これらの共重合体を上記ポリオレフィン系樹脂にブレンドしたものを用いることができる。またこれらの樹脂には、必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、充填剤などシート状基材に用いられる各種添加剤を用いることができる。
【0018】
シート状基材の厚さとしても特に限定されるものではないが、一般には10〜300μmの厚さのものが用いられ、柔軟性等の観点から20〜100μmの厚さのものが好適に用いられる。
【0019】
帯電防止層は、剥離時に静電気が発生するのを抑制する目的で設けられる。従って、当該目的を達成できるものであれば特に限定されるものではなく、従来から表面保護フィルム等の帯電防止剤として使用されてきた材料を適宜選択して使用することができる。例えば、カチオン型、両性イオン型、アニオン型及びノニオン型のイオン導電性基を有する単量体を重合若しくは共重合して得られた導電性を有する各種共重合体や、4級アンモニウム塩基を有するアクリレート又はメタクリレート由来の部位を含有する重合体を用いることができる。特に、安価でかつ十分な帯電防止効果を発揮させる観点から、帯電防止効果を有するアクリル系樹脂層を設けるのが好適である。
【0020】
中でも当該帯電防止層として(メタ)アクリル酸アルキルエステル系ポリマーに、塩化コリンやポリエチレンイミン、イミダゾール等の極性物質を配合し、さらに当該混合物にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を配合してなる熱硬化型帯電防止層を使用することが、帯電防止性の付与とシート状基材との投錨性の両立との観点から好ましい。具体的には、当該帯電防止層として、例えばコニシ社製のボンディップシリーズ(ボンディップPA−100等)を用いて形成することができる。もちろんこれら以外の帯電防止層を形成してもよく、また種々の方法により耐候性を向上させたり、さらにシート状基材との投錨力を向上させた帯電防止層を形成してもよい。
【0021】
当該帯電防止層は、例えば上記導電性を有する共重合体やアクリル系樹脂の溶液を上記シート状基材上に、バーコータ等を用いて塗布形成することができる。このとき帯電防止層の厚さとしては、0.01〜100μm、好ましくは0.1〜10μmに形成するのがよい。また、帯電防止層を形成するにあたって、必要に応じて、シート状基材の表面にはコロナ処理などの慣用されている各種の表面処理を施すこともできる。
【0022】
次にこの帯電防止層上にバインダ層が積層される。当該バインダ層は、以下に述べる極性の低い粘着剤層との間の投錨性を向上させるものであって、本発明においては、一般式A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)のエポキシ化物由来の酸素原子を含むポリマーから形成される。つまり、本発明のバインダ層に用いるポリマーは、以下に述べるようなA−B−Aブロック共重合体のエポキシ化物、より具体的に言うと、主としてA−B−Aブロック共重合体のうち、B重合体ブロックであるブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを部分的にエポキシ化したものを含むものである。
【0023】
なお、A−B−Aブロック共重合体のエポキシ化物は、一般にA−B−Aトリブロック共重合体のエポキシ化物として市販されているものであって、当該A−B−Aブロック共重合体のエポキシ化物には、A−B−Aトリブロック共重合体のみならずA−Bジブロック共重合体のエポキシ化物を含む概念で用いるものである。
【0024】
このA−B−Aブロック共重合体は、ブロック共重合体の構成成分として、Aブロックはスチレン系ブロック重合体、Bブロックはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックとするものであって、これらのブロック共重合体であれば特に限定されるものではなく、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などを挙げることができる。
【0025】
上記Aブロックであるスチレン系ブロック重合体としては、重量平均分子量が1,000〜100,000程度であって、好ましくはガラス転移温度が7℃以上のものが好適に用いられる。また、上記Bブロックであるブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックとしては、重量平均分子量が10,000〜500,000程度であって、好ましくはガラス転移温度が−20℃以下のものが好適に用いられる。
【0026】
また、AブロックとBブロックとの好ましいブロック重合体の重量比は、A/B=2/98〜50/50であって、さらに好ましくはA/B=15/85〜30/70である。
【0027】
さらに、これらのスチレン系ブロック共重合体は1種のみでなく、2種以上を適宜混合して用いることにしてもよい。
【0028】
また、A−B−Aブロック共重合体のエポキシ化物のエポキシ基の当量は、100〜10,000g/eqiv.、好ましくは400〜3,000g/eqiv.である。なお、エポキシ当量は、臭化水素による滴定により測定されたオキシラン酸素濃度から算出された値を意味する。
【0029】
このバインダ層の厚さは、概ね0.01〜100μm程度、好ましくは0.1〜10μm程度に塗布される。さらに、バインダー層の形成方法としても限定されるものではないが、例えば、上記A−B−Aブロック共重合体のエポキシ化物をトルエンなどの有機溶媒中に溶解若しくは分散させたバインダ液をバーコータ、ロールコータ、ブレードコータなど公知の塗布装置を用いて形成できる。
【0030】
本発明においてはこのようなバインダ層上に極性の低い粘着剤層が形成される。すなわち、ポリオレフィン系樹脂からなるシート状基材上に積層されたアクリル樹脂骨格を有する帯電防止層、さらにその上に積層されたエポキシ化されたA−B−A共重合体からなるバインダ層を積層することにより、極性の低い、特に下記に述べるようにエポキシ化されていないA−B−A共重合体からなる粘着剤層を積層した場合に、Aブロック重合体のスチレン基部分が粘着剤層を構成するA−B−A共重合体と良好な相溶性を示すと共に、Bブロック重合体のエポキシ部分が、帯電防止層の極性基と反応若しくは良好な親和性を示すことにより、粘着剤層と帯電防止層との間の投錨力が向上するものと考えられる。
【0031】
この極性の低い粘着剤層とは極性の低い樹脂成分を主成分として形成されたものを意味し、例えばスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体のように、一般式A−B−Aで表されるブロック共重合体が好ましく用いられる。その中でも、特に一般式A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)が好適に用いられる。なお、当該A−B−A共重合体には、一般にA−B−Aトリブロック共重合体として市販されているものであって、当該A−B−Aブロック共重合体には、A−B−Aトリブロック共重合体のみならずA−Bジブロック共重合体を含む概念で用いるものである。
【0032】
本発明に好適に用いられるA−B−Aブロック共重合体は、ブロック共重合体の構成成分として、Aブロックはスチレン系ブロック重合体、Bブロックはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックとするものであって、これらのブロック共重合体であれば特に限定されるものではない。例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などを挙げることができる。
【0033】
上記Aブロックであるスチレン系ブロック重合体としては、重量平均分子量が1,000〜100,000程度であって、好ましくはガラス転移温度が7℃以上のものが好適に用いられる。また、上記Bブロックであるブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックとしては、重量平均分子量が10,000〜500,000程度であって、好ましくはガラス転移温度が−20℃以下のものが好適に用いられる。特に、ブタジエン重合体ブロックやイソプレン重合体ブロックの共役ジエン重合体ブロックを水素添加して飽和し、残存二重結合を有しない重合体ブロックを用いることにより、耐熱性や耐候性を向上させることができる。
【0034】
また、AブロックとBブロックとの好ましいブロック重合体の重量比は、A/B=2/98〜50/50であって、さらに好ましくはA/B=15/85〜30/70である。
【0035】
さらに、これらのスチレン系ブロック共重合体は1種のみでなく、2種以上を適宜混合して用いることにしてもよい。
【0036】
粘着剤層は、これらのブロック共重合体を用いることにより形成することができるが、粘着特性を調整すべく必要に応じて、例えばα−ピネンやβ−ピネン重合体、ジテルペン重合体、α−ピネン・フェノール共重合体等のテルペン系樹脂、脂肪族系や芳香族系、脂肪族・芳香族共重合体系等の炭化水素系樹脂、その他ロジン系樹脂やクマロンインデン系樹脂、(アルキル)フェノール樹脂やキシレン系樹脂などの適当な粘着付与剤を配合できる。さらに、液状ポリマーやパラフィン系オイルなどの軟化剤、充填剤、顔料、老化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤など種々の添加剤を適当量配合できる。
【0037】
この粘着剤層は公知の方法によりバインダ層上に積層できる。このとき粘着剤層の厚さとしては特に限定されるものではないが、一般的には0.1〜100μm、好ましくは0.1〜20μmに設定するのが望ましい。
【0038】
このように本発明は、帯電防止層が形成されたポリオレフィン系樹脂からなるシート状基材に、一般式A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)のエポキシ化物由来の酸素原子を有するポリマーを、帯電防止層と粘着剤層とのバインダとして用いた場合に最も効果を発揮するものである。
【0039】
【実施例】
次に本発明の実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。以下、説明中「%」は「重量%」を、「部」は「重量部」を意味する。また、本発明は以下の実施例に限定されるものでないのは言うまでもない。
【0040】
(実施例1)
帯電防止剤として、イソプロピルアルコールの67%水溶液に、商品名「ボンディップPA−100」((株)コニシ製)の硬化剤と主剤とを1:1の割合で混合し、帯電防止剤濃度として5%溶液に調整し、当該溶液を#10のワイヤバーを用いて、厚さ25μmのニ軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)のコロナ処理面上に塗布し、80℃で2分間乾燥させて厚さ1μmの帯電防止層を積層したシート状基材を得た。
【0041】
これとは別に、エポキシ当量が950〜1050(g/eqiv)のエポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(商品名「エポフレンドA1010」、ダイセル化学(株)製)をトルエンに溶解し、5%濃度になるように調整した。当該溶液を先に得たシート状基材に積層した帯電防止層上に塗布し、80℃で2分間乾燥させて厚さ1μmのバインダ層を形成した。
【0042】
次にスチレン含有量25%のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(商品名「クインタック3460C」、シェル化学(株)製)100部をトルエンに溶解させて、固形分25%の粘着剤溶液を得た。この溶液を、上記シート状基材に積層したバインダ層上に塗布し、80℃で2分間乾燥させて厚さ5μmの粘着剤層を形成して、実施例1の表面保護フィルムを得た。
【0043】
(実施例2)
バインダ層に、エポキシ当量が480〜540(g/eqiv)のエポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(商品名「エポフレンドA1020」、ダイセル化学(株)製)を用い、厚さ0.5μmのバインダ層を形成した以外は実施例1と同様にして、実施例2の表面保護フィルムを得た。
【0044】
(実施例3)
バインダ層に、エポキシ当量が950〜1050(g/eqiv)のエポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(商品名「エポフレンドA1010」、ダイセル化学(株)製)を用いて厚さ0.5μmのバインダ層を形成し、テープ基材として厚さ40μmのポリプロピレン/ポリエチレンブレンドフィルム(組成比、PP/PE=85/15)を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3の表面保護フィルムを得た。
【0045】
(実施例4)
粘着剤層に、スチレン含有量15%のスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(商品名「クインタック3520」、日本ゼオン(株)製)100部に、脂環族飽和炭化水素系粘着付与剤(商品名「アルコンP−100、荒川化学工業(株)製)3部を加えた以外は実施例1と同様にして、実施例4の表面保護フィルムを得た。
【0046】
(実施例5)
スチレン含有量25%のスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(商品名「クインタック3460C」、シェル化学(株)製)100部、テルペンフェノール系粘着付与剤(商品名「クリアロンM−105)7部、エポキシ当量が950〜1050(g/eqiv)のエポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(商品名「エポフレンドA1010」、ダイセル化学(株)製)7部をトルエンに溶解させて、固形分25%の粘着剤溶液を得た。この溶液を粘着剤層に用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5の表面保護フィルムを得た。
【0047】
(比較例1)
バインダ層を積層しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の表面保護フィルムを得た。
【0048】
(比較例2)
テープ基材として厚さ40μmのポリプロピレン/ポリエチレンブレンドフィルム(組成比、PP/PE=85/15)を用い、バインダ層を積層しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例2の表面保護フィルムを得た。
【0049】
(比較例3)
帯電防止層を積層しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例3の表面保護フィルムを得た。なお、これら実施例及び比較例の表面保護フィルムの構成を表1にまとめた
【0050】
【表1】
Figure 0004414016
【0051】
〔評価試験〕
上記実施例及び比較例で得た各表面保護フィルムを、すべて40℃の乾燥機にて3日間乾燥保存を行った後、以下の試験を行った。
【0052】
(投錨性試験)
各表面保護フィルムについて、粘着面同士を貼り合わせた後剥がすこと(ピッキング)を10回繰り返して行い、粘着剤層が剥がれないか否かを目視確認した。
【0053】
(接着力試験)
各表面保護フィルムを、偏光板(日東電工(株)製、HEG1425DUAGS2Bをアクリル板に片面を固定して用いた)上に仮貼付した後、2kgローラを0.3m/minの速度で表面保護フィルム上を1往復させた。その後、20mm幅に鋭利な刃物でカットして20分間放置し、引張試験機を用いて0.3m/minの引張速度、180度ピールで引っ張り、偏光板から剥離したときの加重(gf/20mm)を測定した(初期試験)。
【0054】
また、同様にして各表面保護フィルムをプリズムシート(三菱レーヨン(株)製、ダイアートM−165)に貼付した後、50℃で1週間保存した場合及び40℃、92RH%の条件下で1週間保存した場合についても、上記条件で接着力試験を行った。
【0055】
(糊残り試験)
各表面保護フィルムをプリズムシート(三菱レーヨン(株)製、ダイアートM−165)に貼付した後、50℃で1週間保存した場合及び40℃、92RH%の条件下で1週間保存した後、表面保護フィルムを上記接着力試験と同様にして剥離し、被着体に糊が残っているか否か目視確認した。
【0056】
(帯電防止性試験)
各表面保護フィルムを、23℃、65RH%に管理された部屋の中にて、偏光板(日東電工(株)製、AG−S2Bをアクリル板に片面を固定して用いた)を除電器にて除電して耐電圧を0Vにした後、ハンドローラにて仮貼付し、線圧5.0(kg/cm2)、1.0m/minの速度でラミネートした。当該環境下において30分間放置した後、テフロン製ピンセットにて剥離速度約6m/minの速度にて偏光板から剥離し、剥離5秒後の表面保護フィルムに残存する電圧(剥離帯電圧)を電位測定器にて測定した。
【0057】
〔試験結果〕
これらの試験結果を表2に示すが、表2から分かるように、上記エポキシ化物由来の酸素原子を含有するブロック共重合体からなるバインダ層を帯電防止層上に積層した各実施例の表面保護フィルムにあっては、粘着剤層と帯電防止層との間の投錨力が向上し糊残りも見られず、良好な接着力が得られた。一方、比較例に示すように、バインダ層を形成しない場合には、糊残りが見られ、投錨力を十分に得ることができなかった。このように、A−B−Aブロック共重合体からなる粘着剤層に対して、共重合体の一部がエポキシ化されたA−B−Aブロック共重合体からなるバインダ層を積層することにより、投錨力向上に効果を発揮することが確認された。
【0058】
【表2】
Figure 0004414016
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電防止層上にバインダ層を介して粘着剤層が積層されているので、帯電防止層とバインダ層の間の投錨力が向上し、いわゆる糊残りが少なく帯電防止効果の高い表面保護フィルムを提供できる。
【0060】
特に当該バインダ層として、A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)のエポキシ化物由来の酸素原子を含有するポリマーを用いることによって、投錨破壊を起こすことなく帯電防止層上に粘着剤層を積層できる。
【0061】
また、A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)を含有する粘着剤層を積層する場合に効果的であって、これらにより帯電防止効果の高いアクリル系樹脂からなる帯電防止層上に、上記A−B−Aブロック共重合体からなる粘着剤層を投錨性よく積層できる。

Claims (2)

  1. 高分子フィルムからなるシート状基材の片面若しくは両面に積層した帯電防止層にバインダ層を積層し、さらに当該バインダ層上に粘着剤層を積層した表面保護フィルムであって、
    前記バインダ層は、一般式A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)のエポキシ化物由来の酸素原子を含むポリマーを含有するものであり、
    前記粘着剤層は、一般式A−B−Aブロック共重合体(Aはスチレン重合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック等の共役ジエン重合体ブロック又はこれらを水素添加して得られる重合体ブロックを示す。)を含有するものであり、 前記帯電防止層は、帯電防止効果を有するアクリル系樹脂層であることを特徴とする表面保護フィルム
  2. 前記シート状基材は、ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の表面保護フィルム。
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