JP2018131487A - 粘着テープ及び表面保護テープ - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくい粘着テープを提供する。また、該粘着テープからなる表面保護テープを提供する。
【解決手段】基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層とを有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、分子内に架橋可能な構造を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するα−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物を含有し、前記粘着剤層は、25℃での貯蔵弾性率E’が2×107Pa以下、150℃での貯蔵弾性率E’が1×105Pa以上である粘着テープ。
【選択図】なし
【解決手段】基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層とを有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、分子内に架橋可能な構造を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するα−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物を含有し、前記粘着剤層は、25℃での貯蔵弾性率E’が2×107Pa以下、150℃での貯蔵弾性率E’が1×105Pa以上である粘着テープ。
【選択図】なし
Description
本発明は、粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくい粘着テープに関する。また、本発明は、該粘着テープからなる表面保護テープに関する。
粘着テープ又は粘着フィルムは簡便に接合が可能なことから各種産業分野に用いられている。建築分野では養生シートの仮固定、内装材の貼り合わせ等に、自動車分野ではシート、センサー等の内装部品の固定、サイドモール、サイドバイザー等の外装部品の固定等に、電気電子分野ではモジュール組み立て、モジュールの筐体への貼り合わせ等に粘着テープ又は粘着フィルムが用いられている。より具体的には例えば、光学デバイス、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板等の部材に損傷を与えないために、これら部材の使用前にその表面を保護するための表面保護テープ(一般に、プロテクトテープと称されることもある)としても粘着テープ又は粘着フィルムが広く用いられている(例えば、特許文献1、2)。特に、近年、表面保護テープは、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等に用いられる光学部材の表面を保護するためにも用いられている。
粘着テープ又は粘着フィルムには、用途に応じて高い粘着力が求められており、一般に、粘着力を向上させるには粘着剤層における粘着付与剤の配合量を増やすことが有効である。しかしながら、粘着テープ又は粘着フィルムは、経時又は高温下での粘着力の上昇、いわゆる粘着昂進の問題が生じることも知られている。
粘着昂進を抑制する方法としては、例えば、離型剤を粘着剤層に配合する方法が挙げられる。しかしながら、離型剤を配合する方法では粘着昂進の抑制に限界があるうえ、離型剤を配合した粘着テープ又は粘着フィルムは、被着体から剥離したときに、被着体の表面に離型剤が残留して汚染してしまうことがあるという問題があった。例えば、近年の光学部材を保護する表面保護テープには、光学部材から剥離した後に、光学部材の表面を汚染しないことが要求される。光学部材の表面が汚染されて表面張力が低下すると、表面保護テープを剥離した後の光学部材の表面に接着剤やハードコート剤等を塗布したときに、微小な塗布ムラが発生して、製品に組み上げたときに輝度不良や色ムラ不良が発生してしまう。
本発明は、粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくい粘着テープを提供することを目的とする。また、本発明は、該粘着テープからなる表面保護テープを提供することを目的とする。
本発明は、基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層とを有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、分子内に架橋可能な構造を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するα−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物を含有し、前記粘着剤層は、25℃での貯蔵弾性率E’が2×107Pa以下、150℃での貯蔵弾性率E’が1×105Pa以上である粘着テープである。
以下、本発明を詳述する。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、基材層と、基材層の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層とを有する粘着テープにおいて、離型剤を配合することなく高い粘着力(初期粘着力)と粘着昂進の抑制とを実現するために、粘着剤成分を架橋した架橋物を用いることを検討した。
しかしながら、例えば、表面保護テープ用途において一般的に用いられているスチレン系エラストマーを架橋すると、粘着剤層のゲル分率が上昇するため粘着昂進の抑制が期待できる一方で、電子線照射により架橋した場合には末端構造であるポリスチレンを含有するハードセグメントの一部分解も起こり、低分子化合物が生成してしまうため、充分な粘着昂進の抑制効果が得られないことが分かった。また、例えば、アクリル粘着剤の架橋物は、粘着昂進が進みやすい性質を有しており、高い粘着力(初期粘着力)と粘着昂進の抑制とを実現するには適していなかった。
一方、粘着剤成分としてα−オレフィン共重合体エラストマーを使用した例もあるが、α−オレフィン共重合体エラストマーは未架橋のものであり粘着昂進が進みやすかった。
本発明者らは、粘着剤成分として特定の構造を有するα−オレフィン共重合体エラストマーを採用し、その架橋物を用いることにより、架橋処理による低分子化合物の生成を抑制しつつ粘着剤層のゲル分率を上昇させることができ、粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を特定範囲に調整することができることを見出した。本発明者らは、このような粘着剤層を有する粘着テープは、粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくいことを見出し、本発明を完成させるに至った。
しかしながら、例えば、表面保護テープ用途において一般的に用いられているスチレン系エラストマーを架橋すると、粘着剤層のゲル分率が上昇するため粘着昂進の抑制が期待できる一方で、電子線照射により架橋した場合には末端構造であるポリスチレンを含有するハードセグメントの一部分解も起こり、低分子化合物が生成してしまうため、充分な粘着昂進の抑制効果が得られないことが分かった。また、例えば、アクリル粘着剤の架橋物は、粘着昂進が進みやすい性質を有しており、高い粘着力(初期粘着力)と粘着昂進の抑制とを実現するには適していなかった。
一方、粘着剤成分としてα−オレフィン共重合体エラストマーを使用した例もあるが、α−オレフィン共重合体エラストマーは未架橋のものであり粘着昂進が進みやすかった。
本発明者らは、粘着剤成分として特定の構造を有するα−オレフィン共重合体エラストマーを採用し、その架橋物を用いることにより、架橋処理による低分子化合物の生成を抑制しつつ粘着剤層のゲル分率を上昇させることができ、粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を特定範囲に調整することができることを見出した。本発明者らは、このような粘着剤層を有する粘着テープは、粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくいことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の粘着テープは、基材層と、上記基材層の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層とを有する。
上記基材層は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂を含有することが好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、従来公知のポリオレフィン樹脂を用いることができ、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂等が挙げられる。
上記ポリプロピレン樹脂として、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられる。上記ポリエチレン樹脂として、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。なかでも、透明性、剛性、耐熱性の観点からポリプロピレン樹脂が好ましく、ホモポリプロピレン、又は、プロピレンと少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体がより好ましい。
上記基材層は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂を含有することが好ましい。
上記ポリオレフィン樹脂は特に限定されず、従来公知のポリオレフィン樹脂を用いることができ、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂等が挙げられる。
上記ポリプロピレン樹脂として、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられる。上記ポリエチレン樹脂として、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられる。なかでも、透明性、剛性、耐熱性の観点からポリプロピレン樹脂が好ましく、ホモポリプロピレン、又は、プロピレンと少なくとも1種のα−オレフィンとの共重合体がより好ましい。
上記基材層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、帯電防止剤、離型剤、酸化防止剤、耐候剤、結晶核剤等の添加剤、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エラストマー等の樹脂改質剤を含有してもよい。
上記基材層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は25μm、好ましい上限は200μmである。上記基材層の厚さが25μm以上であれば、取扱い時に粘着テープが折れることを抑制できる。上記基材層の厚さが200μm以下であれば、上記基材層に巻きぐせが残ることを抑制できる。上記基材層の厚さのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は180μmである。
上記粘着剤層は、分子内に架橋可能な構造(ハードセグメント)を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するα−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物を含有する。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーを架橋すると、例えばスチレン系エラストマーのようにハードセグメントにおいて分解が起こるのではなく、ハードセグメントにおいても架橋反応が起こるため、架橋処理による低分子化合物の生成を抑制しつつ上記粘着剤層のゲル分率を上昇させることができ、上記粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を後述する特定範囲に調整することができる。これにより、離型剤を配合することなく、粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくい粘着テープを得ることができる。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーを架橋すると、例えばスチレン系エラストマーのようにハードセグメントにおいて分解が起こるのではなく、ハードセグメントにおいても架橋反応が起こるため、架橋処理による低分子化合物の生成を抑制しつつ上記粘着剤層のゲル分率を上昇させることができ、上記粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を後述する特定範囲に調整することができる。これにより、離型剤を配合することなく、粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくい粘着テープを得ることができる。
なお、本発明の優れた効果は、上記α−オレフィン共重合体エラストマーを架橋することによりはじめて発揮できるものである。しかしながら、上記α−オレフィン共重合体エラストマーの架橋状態は、上記α−オレフィン共重合体エラストマーの架橋後の上記粘着剤層の貯蔵弾性率E’等により間接的に表すことは可能であっても、直接的に特定することは極めて困難である。「分子内に架橋可能な構造を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するα−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物」を、その構造又は特性により直接特定することは、不可能であるか、又はおよそ実際的でないといわざるを得ない。従って、本発明においては、「分子内に架橋可能な構造を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するα−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物」と記載することは許容されるべきである。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、分子内に架橋可能な構造を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するものである。なお、「炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有する」とは、分子鎖中に炭素数3以上のα−オレフィンからなる部分をコポリマーとして有することを意味する。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
上記架橋可能な構造とは、例えば、電子線の照射、紫外線等の光の照射、プラズマ照射等により架橋可能な構造であることを意味する。なかでも、簡便な操作で確実に架橋物となることから、電子線の照射により架橋可能な構造が好ましい。
上記架橋可能な構造として、具体的には例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン(α−オレフィンを含む)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリエーテル等、及び、これらを含む構造が挙げられる。これらの構造は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、より架橋しやすいことから、ポリエチレンが好ましい。
上記架橋可能な構造として、具体的には例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン(α−オレフィンを含む)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポリエーテル等、及び、これらを含む構造が挙げられる。これらの構造は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、より架橋しやすいことから、ポリエチレンが好ましい。
上記炭素数3以上のα−オレフィンは特に限定されないが、ガラス転移温度(Tg)の好ましい下限が−70℃、好ましい上限が20℃であり、より好ましい下限が−60℃、より好ましい上限が0℃である。上記炭素数3以上のα−オレフィンのTgが上記範囲内であれば、上記粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を後述する特定範囲に調整しやすくなり、粘着テープの粘着力(初期粘着力)が高くなるとともに粘着昂進がより抑制される。
上記炭素数3以上のα−オレフィンのガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)によりガラス転移温度(Tg)を示すピークを測定することで求めることができる。
上記炭素数3以上のα−オレフィンのガラス転移温度(Tg)は、例えば、示差走査熱量測定(DSC)によりガラス転移温度(Tg)を示すピークを測定することで求めることができる。
上記炭素数3以上のα−オレフィンとして、例えば、共役ジエン化合物が好ましい。
上記共役ジエン化合物として、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、重合反応性が高く、工業的に入手しやすいことから、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記共役ジエン化合物として、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、ミルセン、クロロプレン等が挙げられる。これらの共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、重合反応性が高く、工業的に入手しやすいことから、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、ブロック共重合体である場合、結晶性ブロック(I)と、示差走査熱量測定(DSC)において明確なピークを観測しない(結晶性を有さない)ブロック(II)とを有する共重合体であることが好ましい。
上記結晶性を有さないブロック(II)は、上述したような共役ジエン化合物の重合体からなるブロックを有することが好ましい。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、ブロック共重合体である場合、粘着性能に特に優れる点から、(I−II)n1又は(I−II)n2−(I)(n1、n2は1以上の整数である。)で表される、ポリマー鎖の少なくとも1つの末端が結晶性のブロック(I)からなるものであることが好ましい。
上記結晶性を有さないブロック(II)は、上述したような共役ジエン化合物の重合体からなるブロックを有することが好ましい。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、ブロック共重合体である場合、粘着性能に特に優れる点から、(I−II)n1又は(I−II)n2−(I)(n1、n2は1以上の整数である。)で表される、ポリマー鎖の少なくとも1つの末端が結晶性のブロック(I)からなるものであることが好ましい。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーのうち、ブロック共重合体として、例えば、特開平3−128957号公報や特開平8−231786号で提供されているものが挙げられる。具体的には、1,2−ビニル結合含有率の低い、例えば25%以下のポリブタジエン重合体ブロックと、炭素数3以上のα−オレフィンを主体とする重合体であって、1,2−及び3,4−結合含有率が高い、例えば50%以上の重合体ブロックとからなる共重合体を合成し、これを水素添加することによって得られるものが挙げられる。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーのうち、ブロック共重合体の市販品として、例えば、α−オレフィン共重合体エラストマー(商品名「ダイナロン6200P」、ポリエチレン−エチレンブチレン共重合体−ポリエチレン(CEBC)、α−オレフィンの炭素数=4、架橋可能な構造としてポリエチレンを有する、JSR社製)等が挙げられる。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、ランダム共重合体である場合、α−オレフィンからなる部分がコポリマーとして分子鎖中にランダムに重合されている共重合体であることが好ましい。具体的には、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。また、炭素数3以上のα−オレフィンは1種又は2種以上の組み合わせでもよい。2種のα−オレフィンを組み合わせて三元共重合体とする場合は、エチレン・プロピレン・1−ヘキセン三元共重合体、エチレン・1−ブテン・1−ヘキセン三元共重合体、エチレン・プロピレン・1−オクテン三元共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン三元共重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン・1−ブテン三元共重合体を挙げることができる。なかでも、粘着性と糊残り性との性能バランスの観点から、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体が好ましい。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーのうち、ランダム共重合体の市販品として、例えば、エチレン・1−ブテン共重合体である三井化学株式会社製「タフマー A4085S」等が挙げられる。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、分子内に架橋可能な構造を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有していればよいが、ブロック共重合体である場合、一般式A−B−A及び/又はA−Bで表される構造を有することが好ましい。
A:架橋可能な構造を有するハードセグメント
B:炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメント
A:架橋可能な構造を有するハードセグメント
B:炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメント
上記架橋可能な構造を有するハードセグメント(A)は、上述したような架橋可能な構造を有するハードセグメントである。
上記炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメント(B)は、上述したような炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメントである。
上記炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメント(B)は、上述したような炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメントである。
上記炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメント(B)は、水素添加物であってもよい。また、水素添加物である場合には、部分水素添加物であってもよく、完全水素添加物であってもよい。なかでも、より優れた耐熱性及び耐候性が得られることから、上記炭素数3以上のα−オレフィンの二重結合(不飽和結合)の好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上が水素添加により飽和結合に変換されていることが好ましい。
なお、水素添加の比率(水素添加率)は、四塩化炭素を溶媒として用い、270MHzでのlH−NMRスペクトルから算出した水素添加率を意味する。
なお、水素添加の比率(水素添加率)は、四塩化炭素を溶媒として用い、270MHzでのlH−NMRスペクトルから算出した水素添加率を意味する。
上記炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメント(B)として、具体的には例えば、エチレンブチレン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレンプロピレン共重合体、プロピレンブテン共重合体、エチレンオクテン共重合体、ポリエチレンオキシドが挙げられる。これらのセグメントは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、架橋しやすい構造であることから、エチレンブチレン共重合体が好ましい。
特に、上記α−オレフィン共重合体エラストマーは、上記一般式A−B−A及び/又はA−BにおいてAがポリエチレンであり、Bがエチレンブチレン共重合体であることが好ましい。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーにおいて、上記架橋可能な構造を有するハードセグメント(A)と上記炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメント(B)との重量比(A:B)は特に限定されないが、3:97〜50:50が好ましく、5:95〜40:60がより好ましい。上記重量比(A:B)が上記範囲内であれば、粘着テープの粘着力(初期粘着力)が高くなるとともに粘着昂進がより抑制される。
上記α−オレフィン共重合体エラストマーを架橋して架橋物とする方法は特に限定されず、例えば、上記α−オレフィン共重合体エラストマーに電子線を照射する方法、紫外線等の光を照射する方法、プラズマを照射する方法等が挙げられる。なかでも、簡便な操作で確実に架橋物となることから、上記α−オレフィン共重合体エラストマーに電子線を照射する方法が好ましい。電子線の照射条件は特に限定されないが、加速電圧100〜300kVで20〜200kGy程度が好ましい。
上記粘着剤層における上記α−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。
上記粘着剤層は、架橋処理により生成した低分子化合物の含有量が少ないものである。
より具体的には、上記粘着剤層は、重量平均分子量10000以上、30000以下の低分子化合物の含有量の好ましい上限が10重量%である。上記低分子化合物の含有量が10重量%以下であれば、架橋処理により生成した低分子化合物の含有量が少なくなり、粘着テープの粘着昂進がより抑制される。上記低分子化合物の含有量のより好ましい上限は5重量%である。
上記低分子化合物の含有量は、例えば、上記粘着剤層を一部採取して熱キシレンに溶かし、ろ過によりゲル分を除去して、溶けたゾル分についてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(例えば、HLC−8321GPC/HT、東ソー社製)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定を行って低分子化合物の重量を求め、その低分子化合物の重量と総重量との比から算出することができる。
より具体的には、上記粘着剤層は、重量平均分子量10000以上、30000以下の低分子化合物の含有量の好ましい上限が10重量%である。上記低分子化合物の含有量が10重量%以下であれば、架橋処理により生成した低分子化合物の含有量が少なくなり、粘着テープの粘着昂進がより抑制される。上記低分子化合物の含有量のより好ましい上限は5重量%である。
上記低分子化合物の含有量は、例えば、上記粘着剤層を一部採取して熱キシレンに溶かし、ろ過によりゲル分を除去して、溶けたゾル分についてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(例えば、HLC−8321GPC/HT、東ソー社製)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定を行って低分子化合物の重量を求め、その低分子化合物の重量と総重量との比から算出することができる。
上記粘着剤層は、更に、粘着付与剤を含有してもよい。
上記粘着付与剤は特に限定されないが、軟化点が80℃以上であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。上記粘着付与剤として、例えば、脂肪族共重合体、芳香族共重合体、脂肪族芳香族共重合体、脂環式共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、及び、これらの水素添加物等が挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂との混合物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記粘着剤層の剥離性、耐候性等を高めるためには、上記粘着付与剤は、水素添加物であることが好ましい。
上記粘着付与剤は特に限定されないが、軟化点が80℃以上であることが好ましく、90〜140℃であることがより好ましい。上記粘着付与剤として、例えば、脂肪族共重合体、芳香族共重合体、脂肪族芳香族共重合体、脂環式共重合体等の石油系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、重合ロジン等のロジン系樹脂、(アルキル)フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、及び、これらの水素添加物等が挙げられる。また、ポリオレフィン樹脂との混合物として市販されている粘着付与剤を用いてもよい。これらの粘着付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記粘着剤層の剥離性、耐候性等を高めるためには、上記粘着付与剤は、水素添加物であることが好ましい。
上記粘着剤層における上記粘着付与剤の含有量は特に限定されないが、架橋前の上記粘着剤層の主成分となる粘着剤成分100重量部に対して、好ましい上限が10重量部である。上記粘着付与剤の含有量が10重量部以下であれば、被着体から粘着テープを剥離したときに、被着体の表面に上記粘着剤層の成分が残留して汚染することを抑制できる。上記粘着付与剤の含有量のより好ましい上限は8重量部である。
なお、架橋前の上記粘着剤層の主成分となる粘着剤成分とは、架橋前の上記α−オレフィン共重合体エラストマー、及び、必要に応じて添加される架橋前のスチレン系エラストマー等の合計を意味する。架橋前の上記粘着剤層の主成分となる粘着剤成分には、離型剤、その他の添加剤等は含まない。
なお、架橋前の上記粘着剤層の主成分となる粘着剤成分とは、架橋前の上記α−オレフィン共重合体エラストマー、及び、必要に応じて添加される架橋前のスチレン系エラストマー等の合計を意味する。架橋前の上記粘着剤層の主成分となる粘着剤成分には、離型剤、その他の添加剤等は含まない。
上記粘着剤層は、粘着力の制御等を目的に、必要に応じて、例えば、軟化剤、酸化防止剤、粘着昂進防止剤等の添加剤を含有してもよい。
上記粘着剤層は、被着体から粘着テープを剥離したときに被着体の表面に残留して汚染する恐れがあることから、離型剤を含有しないことが好ましい。
上記粘着剤層は、被着体から粘着テープを剥離したときに被着体の表面に残留して汚染する恐れがあることから、離型剤を含有しないことが好ましい。
上記粘着剤層は、25℃での貯蔵弾性率E’が2×107Pa以下、150℃での貯蔵弾性率E’が1×105Pa以上である。
上記粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’が上記範囲内であれば、粘着テープの粘着力(初期粘着力)が高くなるとともに粘着昂進が抑制される。上記粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を上記範囲に調整する方法としては、上記α−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物を用いたうえで、その組成、架橋状態等を調整する方法が好ましい。
上記粘着剤層の貯蔵弾性率E’は、例えばDVA−200(アイティー計測制御社製)等の粘弾性スペクトロメーターを用い、定速昇温引張モードの10℃/分、10Hzの条件で上記粘着剤層の動的粘弾性スペクトルを測定して求めることができる。
上記粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’が上記範囲内であれば、粘着テープの粘着力(初期粘着力)が高くなるとともに粘着昂進が抑制される。上記粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を上記範囲に調整する方法としては、上記α−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物を用いたうえで、その組成、架橋状態等を調整する方法が好ましい。
上記粘着剤層の貯蔵弾性率E’は、例えばDVA−200(アイティー計測制御社製)等の粘弾性スペクトロメーターを用い、定速昇温引張モードの10℃/分、10Hzの条件で上記粘着剤層の動的粘弾性スペクトルを測定して求めることができる。
上記25℃での貯蔵弾性率E’が2×107Pa以下であれば、粘着テープを被着体に貼り付ける際の密着性が向上し、粘着テープの粘着力(初期粘着力)が高くなる。上記25℃での貯蔵弾性率E’は1×107Pa以下が好ましく、8×106Pa以下がより好ましい。
上記25℃での貯蔵弾性率E’の下限は特に限定されないが、好ましい下限は1×105Paである。
上記25℃での貯蔵弾性率E’の下限は特に限定されないが、好ましい下限は1×105Paである。
上記150℃での貯蔵弾性率E’が1×105Pa以上であれば、粘着テープの粘着昂進が抑制される。上記150℃での貯蔵弾性率E’は1.5×105Pa以上が好ましく、2×105Pa以上がより好ましい。
上記150℃での貯蔵弾性率E’の上限は特に限定されないが、好ましい上限は2×107Paである。
上記150℃での貯蔵弾性率E’の上限は特に限定されないが、好ましい上限は2×107Paである。
上記粘着剤層のゲル分率は特に限定されないが、好ましい下限は30重量%である。上記ゲル分率が30重量%以上であれば、上記粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を上記範囲に調整しやすくなり、粘着テープの粘着力(初期粘着力)が高くなるとともに粘着昂進がより抑制される。上記ゲル分率のより好ましい下限は40重量%である。上記粘着剤層のゲル分率の上限は特に限定されないが、粘着力発現のため、好ましい上限は98重量%である。
上記粘着剤層のゲル分率は、例えば、上記粘着剤層を一部採取して重量(W0)を測定した後、熱キシレンに溶かしてゾル分をろ過により除去し、残ったゲル分の重量(W1)を測定して、W1/W0の比率として求めることができる。
上記粘着剤層のゲル分率は、例えば、上記粘着剤層を一部採取して重量(W0)を測定した後、熱キシレンに溶かしてゾル分をろ過により除去し、残ったゲル分の重量(W1)を測定して、W1/W0の比率として求めることができる。
上記粘着剤層の厚さは特に限定されないが、好ましい下限は1.5μm、好ましい上限は50μmである。上記粘着剤層の厚さが1.5μm以下であれば、上記粘着剤層の粘着力が充分となる。上記粘着剤層の厚さが50μm以下であれば、被着体から粘着テープを剥離するときに、粘着テープを剥がしにくくなることを抑制できる。上記粘着剤層の厚さのより好ましい下限は2μm、より好ましい上限は40μmである。
本発明の粘着テープは、表面にコロナ処理されたプラスティックフィルムの上記コロナ処理された面上に粘着テープを貼着し、40℃、24時間放置後に粘着テープを剥離したときに、貼着前後でのプラスティックフィルムのコロナ処理された表面の表面張力の低下率が40%以下であることが好ましい。上記表面張力の低下率が40%以下であれば、表面に離型剤が残留することによる被着体の汚染が低減されていると判断できる。上記表面張力の低下率は、20%以下であることがより好ましい。
上記表面張力は、例えば、ぬれ張力試験用混合液を用いて、JIS K6768で規定された方法に基づいて測定することができる。
上記表面張力は、例えば、ぬれ張力試験用混合液を用いて、JIS K6768で規定された方法に基づいて測定することができる。
本発明の粘着テープを製造する方法は特に限定されず、例えば、予め上記基材層と上記α−オレフィン共重合体エラストマーを含有する未架橋粘着剤層とを有する積層体を調製し、該積層体の未架橋粘着剤層を架橋する方法が挙げられる。
上記積層体は、例えば、予めTダイ成形又はインフレーション成形にて得られた上記基材層上に、押出ラミネーション、押出コーティング等の公知の積層法により上記未架橋粘着剤層を積層する方法、上記基材層と上記未架橋粘着剤層とを独立してフィルムとした後、得られた各々のフィルムをドライラミネーションにより積層する方法、上記基材層の原料と上記α−オレフィン共重合体エラストマーとをTダイ法により共押出成形する方法等により製造することができる。
上記積層体は、例えば、予めTダイ成形又はインフレーション成形にて得られた上記基材層上に、押出ラミネーション、押出コーティング等の公知の積層法により上記未架橋粘着剤層を積層する方法、上記基材層と上記未架橋粘着剤層とを独立してフィルムとした後、得られた各々のフィルムをドライラミネーションにより積層する方法、上記基材層の原料と上記α−オレフィン共重合体エラストマーとをTダイ法により共押出成形する方法等により製造することができる。
上記未架橋粘着剤層を架橋する方法として、例えば、電子線を照射する方法、紫外線等の光を照射する方法、プラズマを照射する方法等が挙げられる。なかでも、簡便な操作で確実に架橋物となることから、電子線を照射する方法が好ましい。電子線の照射条件は特に限定されないが、加速電圧100〜300kVで20〜200kGy程度が好ましい。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、光学デバイス、金属板、塗装した金属板、樹脂板、ガラス板等の部材に損傷を与えないために、これら部材の使用前にその表面を保護するための表面保護テープとして用いられることが好ましい。なかでも、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等に用いられる光学部材の表面を保護するための表面保護テープとして用いられることが特に好ましい。
本発明の粘着テープからなる表面保護テープもまた、本発明の1つである。
本発明の粘着テープからなる表面保護テープもまた、本発明の1つである。
本発明によれば、粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくい粘着テープを提供することができる。また、本発明によれば、該粘着テープからなる表面保護テープを提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)粘着テープの製造
基材層の原料としてポリオレフィン樹脂(商品名「J715M」、ポリプロピレン樹脂、プライムポリマー社製)を、粘着剤層の原料としてα−オレフィン共重合体エラストマー(商品名「ダイナロン6200P」、ポリエチレン−エチレンブチレン共重合体−ポリエチレン(CEBC)、α−オレフィンの炭素数=4、架橋可能な構造としてポリエチレンを有する、JSR社製)を用い、Tダイ法により共押出成形し、基材層65μm、未架橋粘着剤層5μmの積層体を得た。
得られた積層体の未架橋粘着剤層側から、電子線照射装置(商品名「EZCure SF」、岩崎電気社製)を用いて加速電圧125kV、線量70kGyの条件で電子線を照射して、粘着テープを得た。
(1)粘着テープの製造
基材層の原料としてポリオレフィン樹脂(商品名「J715M」、ポリプロピレン樹脂、プライムポリマー社製)を、粘着剤層の原料としてα−オレフィン共重合体エラストマー(商品名「ダイナロン6200P」、ポリエチレン−エチレンブチレン共重合体−ポリエチレン(CEBC)、α−オレフィンの炭素数=4、架橋可能な構造としてポリエチレンを有する、JSR社製)を用い、Tダイ法により共押出成形し、基材層65μm、未架橋粘着剤層5μmの積層体を得た。
得られた積層体の未架橋粘着剤層側から、電子線照射装置(商品名「EZCure SF」、岩崎電気社製)を用いて加速電圧125kV、線量70kGyの条件で電子線を照射して、粘着テープを得た。
(2)粘着剤層のゲル分率の測定
得られた粘着テープの粘着剤層を一部採取して重量(W0)を測定した後、熱キシレンに溶かしてゾル分をろ過により除去し、ゲル分を得た。得られたゲル分の重量(W1)を測定して、W1/W0の比率から、ゲル分率(重量%)を求めた。
得られた粘着テープの粘着剤層を一部採取して重量(W0)を測定した後、熱キシレンに溶かしてゾル分をろ過により除去し、ゲル分を得た。得られたゲル分の重量(W1)を測定して、W1/W0の比率から、ゲル分率(重量%)を求めた。
(3)粘着剤層の貯蔵弾性率E’の測定
粘弾性スペクトロメーター(DVA−200、アイティー計測制御社製)を用い、定速昇温引張モードの10℃/分、10Hzの条件で、得られた粘着テープの粘着剤層の動的粘弾性スペクトルを測定し、粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を測定した。
粘弾性スペクトロメーター(DVA−200、アイティー計測制御社製)を用い、定速昇温引張モードの10℃/分、10Hzの条件で、得られた粘着テープの粘着剤層の動的粘弾性スペクトルを測定し、粘着剤層の25℃及び150℃での貯蔵弾性率E’を測定した。
(4)粘着剤層の低分子化合物の含有量
得られた粘着テープの粘着剤層を一部採取して熱キシレンに溶かし、ろ過によりゲル分を除去して、溶けたゾル分についてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(HLC−8321GPC/HT、東ソー社製)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定を行って低分子化合物の重量を求め、その低分子化合物の重量と総重量との比から、低分子化合物の含有量(重量%)を求めた。
得られた粘着テープの粘着剤層を一部採取して熱キシレンに溶かし、ろ過によりゲル分を除去して、溶けたゾル分についてゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(HLC−8321GPC/HT、東ソー社製)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定を行って低分子化合物の重量を求め、その低分子化合物の重量と総重量との比から、低分子化合物の含有量(重量%)を求めた。
(実施例2〜4、比較例1〜7)
粘着剤層の原料、及び、電子線照射(EB照射)の条件を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着テープを得た。表1に示した粘着剤層の原料は下記のとおりであった。
粘着剤層の原料、及び、電子線照射(EB照射)の条件を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、粘着テープを得た。表1に示した粘着剤層の原料は下記のとおりであった。
・比較例1で用いたα−オレフィン共重合体エラストマー(商品名「サンテックTM−LD M3240」、低密度ポリエチレン(LDPE)、α−オレフィンの炭素数=2、旭化成社製)
・スチレン系エラストマー(商品名「ダイナロン1320P」、ポリスチレン−エチレンブチレン共重合体−ポリスチレン(SEBS)、JSR社製)
・スチレン系エラストマー(商品名「D1171」、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレン(SIBS)、クレイトン社製)
・スチレン系エラストマー(商品名「ダイナロン1320P」、ポリスチレン−エチレンブチレン共重合体−ポリスチレン(SEBS)、JSR社製)
・スチレン系エラストマー(商品名「D1171」、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレン(SIBS)、クレイトン社製)
・粘着付与剤(商品名「アルコンP−125」、脂環族飽和炭化水素樹脂、荒川化学工業社製)
・離型剤(商品名「アルフローH50TF」、エチレンビスステアリン酸アミド、日油社製)
・離型剤(商品名「アルフローH50TF」、エチレンビスステアリン酸アミド、日油社製)
<評価>
実施例、比較例で得られた粘着テープについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例、比較例で得られた粘着テープについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)ポリイミド(PI)に対する初期粘着力
粘着テープを25mm幅に裁断した。裁断した粘着テープをポリイミド(PI)板に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。30分間放置した後、JIS Z0237に準拠し、粘着テープを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。これを初期粘着力とした。
粘着テープを25mm幅に裁断した。裁断した粘着テープをポリイミド(PI)板に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。30分間放置した後、JIS Z0237に準拠し、粘着テープを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。これを初期粘着力とした。
(2)粘着昂進率(50℃、1週間)
粘着テープを25mm幅に裁断した。裁断した粘着テープをポリイミド(PI)板に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。次いで、2枚の厚み2mmのPMMA板で、粘着テープを貼り付けたポリイミド(PI)板を挟み、その状態で50℃、1週間放置した。室温に取り出し60分間放置した後、JIS Z0237に準拠し、粘着テープを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。これを経時粘着力とした。
初期粘着力から経時粘着力の変化率(粘着昂進率)を次式で算出した。
粘着昂進率=(経時粘着力/初期粘着力)×100
◎:粘着昂進率が110%以下
○:粘着昂進率が110%を超えて150%以下
×:粘着昂進率が150%を超える
粘着テープを25mm幅に裁断した。裁断した粘着テープをポリイミド(PI)板に、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。次いで、2枚の厚み2mmのPMMA板で、粘着テープを貼り付けたポリイミド(PI)板を挟み、その状態で50℃、1週間放置した。室温に取り出し60分間放置した後、JIS Z0237に準拠し、粘着テープを300mm/minの速度で引き剥がして180度剥離強度を測定した。これを経時粘着力とした。
初期粘着力から経時粘着力の変化率(粘着昂進率)を次式で算出した。
粘着昂進率=(経時粘着力/初期粘着力)×100
◎:粘着昂進率が110%以下
○:粘着昂進率が110%を超えて150%以下
×:粘着昂進率が150%を超える
(3)粘着昂進率(100℃、1週間)
50℃、1週間放置した代わりに100℃、1週間放置したこと以外は上記(2)粘着昂進率(50℃、1週間)と同様にして、180度剥離強度を測定した。これを経時粘着力とした。
初期粘着力から経時粘着力の変化率(粘着昂進率)を次式で算出した。
粘着昂進率=(経時粘着力/初期粘着力)×100
◎:粘着昂進率が300%以下
○:粘着昂進率が300%を超えて500%以下
×:粘着昂進率が500%を超える
50℃、1週間放置した代わりに100℃、1週間放置したこと以外は上記(2)粘着昂進率(50℃、1週間)と同様にして、180度剥離強度を測定した。これを経時粘着力とした。
初期粘着力から経時粘着力の変化率(粘着昂進率)を次式で算出した。
粘着昂進率=(経時粘着力/初期粘着力)×100
◎:粘着昂進率が300%以下
○:粘着昂進率が300%を超えて500%以下
×:粘着昂進率が500%を超える
(4)被着体の表面張力の低下率
粘着テープを表面にコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。その状態で40℃のオーブン中に24時間放置した。室温に取り出し60分間放置した後、粘着テープを剥離した。
粘着テープの貼付前、及び、剥離後のPETフィルムのコロナ処理された表面の表面張力を、ぬれ張力試験用混合液を用いて、JIS K6768で規定された方法に基づいて測定し、下記式にて表面張力の低下率を算出し、以下の基準で評価した。
表面張力の低下率=(1―(剥離後の表面張力/貼付前の表面張力))×100
◎:表面張力の低下率が10%以下
○:表面張力の低下率が10%を超えて20%以下
×:表面張力の低下率が20%を超える
粘着テープを表面にコロナ処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、室温23℃、相対湿度50%で、2kgの圧着ゴムローラーを用いて300mm/minの速度で貼り付けた。その状態で40℃のオーブン中に24時間放置した。室温に取り出し60分間放置した後、粘着テープを剥離した。
粘着テープの貼付前、及び、剥離後のPETフィルムのコロナ処理された表面の表面張力を、ぬれ張力試験用混合液を用いて、JIS K6768で規定された方法に基づいて測定し、下記式にて表面張力の低下率を算出し、以下の基準で評価した。
表面張力の低下率=(1―(剥離後の表面張力/貼付前の表面張力))×100
◎:表面張力の低下率が10%以下
○:表面張力の低下率が10%を超えて20%以下
×:表面張力の低下率が20%を超える
本発明によれば、粘着力(初期粘着力)が高い一方で経時又は高温下でも粘着力が昂進しにくく、剥離したときに被着体の表面を汚染しにくい粘着テープを提供することができる。また、本発明によれば、該粘着テープからなる表面保護テープを提供することができる。
Claims (4)
- 基材層と、前記基材層の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層とを有する粘着テープであって、
前記粘着剤層は、分子内に架橋可能な構造を有しており、かつ、炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するα−オレフィン共重合体エラストマーの架橋物を含有し、
前記粘着剤層は、25℃での貯蔵弾性率E’が2×107Pa以下、150℃での貯蔵弾性率E’が1×105Pa以上である
ことを特徴とする粘着テープ。 - α−オレフィン共重合体エラストマーは、一般式A−B−A及び/又はA−Bで表される構造を有することを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
A:架橋可能な構造を有するハードセグメント
B:炭素数3以上のα−オレフィンに由来する構成単位を含有するソフトセグメント - 粘着剤層は、重量平均分子量10000以上、30000以下の低分子化合物の含有量が10重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
- 請求項1、2又は3記載の粘着テープからなることを特徴とする表面保護テープ。
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---|---|---|---|
JP2017024467A JP2018131487A (ja) | 2017-02-13 | 2017-02-13 | 粘着テープ及び表面保護テープ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020063431A (ja) * | 2018-10-10 | 2020-04-23 | 三菱ケミカル株式会社 | 粘着剤層及び粘着シート |
JP2021143316A (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-24 | 積水化学工業株式会社 | 粘着テープ及び粘着テープの製造方法 |
-
2017
- 2017-02-13 JP JP2017024467A patent/JP2018131487A/ja active Pending
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