JP4410348B2 - シールチェーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピンとブシュからなる軸受部分にグリース等の潤滑剤を封入してシールするシールチェーンに係り、特に穀類、石炭、鉄鉱石、石灰、塩等のバラ物を搬送するバケットコンベヤ等のアンローダ用シールチェーンに用いて好適であり、詳しくはシールチェーンのシール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種シールチェーンとして、特開平8−200452号公報のものが提案されている。このものは、図9に示すように、ブシュ7を囲むように、かつ外リンクプレート4と内リンクプレート6との間にシール手段34が介在されており、該シール手段は、鋼製の内シールリング35と、該内シールリング35の外径側に配置される同じく鋼製の外シールリング36と、これら両シールリング35,36の対向する面に形成されたテーパ面35a,36aの間に縮設されるOリング37と、を有し、該Oリングの押圧力により、外シールリング36が外リンクプレート4に内リンクプレート6との間の隙間変動を吸収しつつ密接し、また前記内シールリング35における半径方向の異なる位置に弾性体からなるVリング38が2列に配置されて構成される。
【0003】
該シールチェーンは、最外径側に位置しかつ鋼製からなる外シールリング36が外リンクプレート4との間で剛体シール部材として機能し、比較的大きな粒子の侵入を阻止し、かつ内径側に位置する2列のVリング38,38がそのリップ部38aを外リンクプレート4に接触して弾性シール部材として機能し、微細な粒子の侵入を阻止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術によるシールチェーンは、外径側に位置する剛体シール部材36が、内径側に位置する弾性シール部材38を保護して、そのリップ部38aにいきなり大きな粒子がぶつかって傷付けたり、強い日差しにより劣化することを防止している。
【0005】
ところで、この種バラ物用アンローダは、その搬送物が変る毎にコンベヤチェーン全体を洗浄する必要がある。この際、上記剛体シール部材36は、大きな粒子の侵入を有効に防止するとしても、水の侵入を完全に阻止することはできない。特に、外リンクプレート4がショットプラストにより表面硬化が図られているような場合、剛体である外シールリング36と凹凸状の外リンクプレート4表面との間から、容易に水が侵入し、該水に既に外シールリング36から侵入している小粒子が溶けたり混在してしまう。
【0006】
該水に溶けたり混在した小粒子は、剛体シール部材36と弾性シール部材38との間に滞留して、次のアンローダ作業におけるリンクの屈曲に際し、研磨材のように作用し、弾性シール部材38、特にそのリップ部38aを傷付け、摩耗し、上記水の侵入による錆の発生と相俟って、上記シールチェーンの寿命を短くしてしまう。
【0007】
また、上記シールチェーンは、Oリング37の圧縮変形の復元力により剛体シール部材36を外リンクプレート4に圧接している関係上、テーパ面35a,36aを必須構成として、内及び外シールリング35,36の形状が複雑となり、高い加工精度を必要とし、かつ弾性シール部材38を装着した内シールリング35及び外シールリング36そしてOリング37の3個の部材を、Oリングを圧縮した状態で組込むため、組立てが面倒になる虞れがある。
【0008】
そこで、本発明は、最外径側のシール部材も水等の侵入を防ぐと共に、弾性シール部材を平滑面に密接し、もって上述課題を解決したシールチェーンを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明は、1対のピン(5)及び該ピンにより結合される1対の外リンクプレート(4)を有する外リンク(2)と、1対のブシュ(7)及び該ブシュにより結合される1対の内リンクプレート(6)を有する内リンク(3)とを、前記ピンを前記ブシュに嵌挿することにより交互に連結し、かつ前記外リンクプレート(4)と内リンクプレート(6)との間に、前記ピン(5)とブシュ(7)との間に封入される潤滑剤をシールするシール手段(16)を介在してなるシールチェーン(1)において、前記シール手段は、前記内リンクプレート(6)に接するように配置され、異なる半径上に、前記外リンクプレート側が開口する複数の環状溝(19a,19b,19c)を有するシール受け部材(19)と、前記複数の環状溝にそれぞれ嵌入され、かつリップ部(21b,22b)を有する弾性シール部材(21,22)と、前記外リンクプレート(4)に配置され、表面が平滑面(20b)からなるシールプレート(20)と、を備え、前記複数の弾性シール部材(21,22)のリップ部(21b,22b)が前記シールプレート(20)の平滑面(22b)に接触してなる。
【0010】
例えば図4を参照すると、前記複数の弾性シール部材の少なくとも1個(21)は、外径側に凹溝(21a)を有し、かつ該凹溝にて形成される前記リップ部(21b)の前記シールプレート(20)と接触する側に環状の突起(21c,21c)を有してなる。
【0011】
例えば図5を参照すると、前記複数の弾性シール部材の少なくとも1個(22)は、前記シール受け部材(19)の開口側に凹溝(22a)を有し、該凹溝の両側が外方に拡がって2個の前記リップ部(22b,22b)を形成し、かつこれら2個の内の内径側のリップ部に一部切欠き(22c)を形成してなる。
【0012】
例えば図2、図3を参照すると、前記複数の環状溝の内の最外径側(19a)に、外径側に凹溝(21a)を有し、該凹溝にて前記リップ部(21b)を形成した第1の弾性シール部材(21)を嵌入し、内径側となる前記環状溝19b又は19c)に、前記シール受け部材の開口側に凹溝(22a)を有し、該凹溝の両側が外方に拡がって2個の前記リップ部(22b,22b)を形成し第2の弾性部材(22)を嵌入してなる。
【0013】
例えば図2を参照すると、前記ブシュ(7)は、前記内リンクプレート(6)に、該プレート外側面(6a)より外リンクプレート側に所定量(H)突出して固定され、該ブシュの突出部(7a)の外径面に小径となる段部を形成し、該段部に前記シール受け部材(19)を圧入・固定してなる。
【0014】
例えば図6、図7を参照すると、前記外リンクプレート(4)に、前記ピン(5)用の孔(4b)を囲むように環状の凹溝(4d)(4d′)を形成し、該凹溝に前記シールプレート(20)(20′)を固定して、前記平滑面(20b)が前記外リンクプレートの内側面(4a)と略々面一となる。
【0015】
例えば図2を参照すると、前記複数の弾性シール部材(21,22)は、前記シール受け部材(19)の環状溝(19a,19b,19c)に軽圧入により嵌入されてなる。
【0016】
[作用]
以上構成に基づき、シールチェーン(1)は、例えばバケットコンベヤ等に用いられて走行・駆動され、この際ピン(5)とブシュ(7)を相対回転して外リンク(2)及び内リンク(3)が屈曲する。上記ピン(5)及びブシュ(7)からなる軸受部(12)にはグリース等の潤滑剤が封入されてシール手段(16)によりシールされている。
【0017】
例えばバケットによる搬送物の掻取りによりスラスト力が発生し、外リンクプレート(4)及び内リンクプレート(6)の隙間が変化しても、シール受け部材(19)の環状溝(19a,19b,19c)に嵌入されている弾性シール部材(21,22)は、そのリップ部(21b,22b)が対応・変形して常にシールプレート(20)に接触・保持され、かつ該シールプレートの接触面である表面(20b)が平滑面からなるため、上記リップ部は常に滑らかに摺接する。従って、上記軸受部(12)の潤滑剤は外部に漏れることなく保持され、また搬送物の粉末が軸受部に侵入することが阻止される。
【0018】
特に、搬送物を変える際の洗浄時にあっては、その洗浄時間はアンローダ等の作業時間に比して短いため、最外径側の弾性シール部材(21)により水等が内径側に侵入することが防止される。従って、例え、僅かに搬送物の微粉末が内径側のシール部材部分に存在していても、該微粉末が水と混じり合って研磨材状になることはない。
【0019】
また、本シールチェーン(1)は、複数の環状溝(19a,19b,19c)にそれぞれ弾性シール部材(21,22)を嵌入すると共に該シール受け部材(19)を内リンク(3)に装着し、一方シールプレート(20)を外リンクプレート(4)に装着して、組立てられる。
【0020】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、特許請求の範囲記載の構成に何等影響を与えるものではない。
【0021】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によると、複数の弾性シール部材のリップ部がシールプレートの平滑面に常に確実に接触し、かつ滑らかに摺接するので、軸受部に封入された潤滑剤を長期に亘って保持すると共に、外部から搬送物の粒子及び水等が侵入することを防止し、特に水と微粒子が混ざり合って研磨材状になることを阻止し、弾性シール部材を傷付けて早期に摩耗又は破損することを防止してシールチェーンの長寿命化を図ることができる。
【0022】
また、弾性シール部材を各環状溝に嵌入すると共に該シール受け部材を内リンクに装着し、かつシールプレートを外リンクプレートに装着することにより、容易に組立てることができると共に、シール受け部材及びシールプレートは単純な形状で足りる。
【0023】
請求項2に係る本発明によると、弾性シール部材は外径方向に向いたリップ部を有して、外部から粒子が侵入し難い構造からなると共に、該リップ部に環状の突起を有するので、該突起が、リップ部の変形に拘らず、常にシールプレートに接触して、リップ部のシール機能を向上すると共に、リップ部の損傷を防止して長寿命化を図ることができる。
【0024】
請求項3に係る本発明によると、弾性シール部材が、凹溝の両側に拡がってシールプレートに接触する2個のリップ部を有するので、潤滑剤の保持機能を高めると共に外部からの粒子等の侵入を防止して、シール機能を向上し、また切欠きにより潤滑剤を外径側のリップ部及び外径側の弾性シール部材に供給して、リップ部の滑らかな摺接を一層向上することができる。
【0025】
請求項に係る本発明によると、外径方向に向いたリップ部を有する第1の弾性シール部材を最外径側に配置して、外部から粒子及び水等が侵入することを防止する機能を確保すると共に、シールプレートに接触する2個のリップ部を有する第2の弾性シール部材を内径側に配置して、潤滑剤の保持機能及びリップ部の滑らかな摺接機能を確保することができる。
【0026】
請求項に係る本発明によると、シール受け部材がブシュ及び内リンクプレートに対して位置決めされ、かつブシュの突出部と相俟って、弾性シール部材のつぶし代が一定に規制され、過度の圧縮による弾性シール部材の破損を防止して、弾性シール部材の耐久性を向上することができる。
【0027】
請求項に係る本発明によると、シールプレートを、外リンクプレートの内側面に面一となるように固定するので、外リンクプレートの内側面に段差部をなくしてシールプレートの耐久性を向上することができる。
【0028】
請求項に係る本発明によると、弾性シール部材は、僅かに変形してシール受け部材の環状溝に保持されるので、組立て時に弾性シール部材が落下することを防止して組立て性を向上すると共に、両リンクプレートの隙間変化に伴う弾性シール部材の変形を許容して、弾性シール部材の耐久性を保持することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。図1(a) ,(b) は、本発明を適用したコンベヤチェーン1を示す図で、外リンク2及び内リンク3が交互に連結して無端状に構成されている。外リンク2は、1対の外リンクプレート4,4と、その左右部分にて両リンクプレートを連結する1対のピン5,5とからなり、また内リンク3は、1対の内リンクプレート6,6と、その左右部分にて両リンクプレートを連結する1対のブシュ7,7と、該ブシュの外周に回転自在に遊嵌しているローラ9とからなり、前記ピン5が前記ブシュ7に嵌挿することにより連結されている。
【0030】
そして、前記ピン5にはその中心に一端から軸方向に油孔10が穿設されており、更に該油孔10から横方向に延びる孔11を介してピン5の外周面とブシュ7の内周面で構成される軸受部12に連通している(図2参照)。また、前記油孔10の一端にはニップル13が結合されている。従って、上記ニップル13からグリース等の潤滑剤が供給され、該潤滑剤は油孔10,11を介して軸受部12となるピン5とブシュ7との間に導かれる。一方、上記軸受部を囲むように、前記外リンクプレート4と内リンクプレート6との間には後述するシール手段16が介在されており、前記軸受部に封入された潤滑剤が外部に漏れないようにシールしている。図1において、符号17はピン5の抜止め用Tピン、18はバケット取付け用のボルトである。
【0031】
なお、上記シールチェーンは、バケットエレベータ、パンコンベヤ等のバラ物(穀類、鉄鉱石、石炭等)用アンローダとして用いて好適であるが、これに限らず、スラットコンベヤ、スラブコンベヤや、水処理用、レイキ用、沈砂・沈澱池用、ダスコン用等の他のコンベヤチェーンに適用可能であり、更に場合によっては動力伝達用チェーンにも適用可能である。
【0032】
前記シール手段16は、図2に詳示するように、クロムモリブデン鋼(例えばSCM435又はSCM440)等の鋼材に、表面硬化及び防錆等の目的で軟窒化処理(タフトライト処理)されたシール受け部材19及び同様に処理された材料からなるシールプレート20を有している。シール受け部材19は半径方向に異なる位置に形成された3個の環状の凹溝19a,19b,19cを有しており、これら環状溝に後述する弾性シール部材21,22がそれぞれ嵌入されている。なお、上記シール受け部材19及びシールプレート20は、上記材料に限らず、更にフッ素コーティングしてもよく、また合成樹脂、焼結含油合金、青銅、リン青銅、青鉛鋼等の自己潤滑性材料でもよい。上記鋼材にタフトライト処理をしたものを含め、上記シール受け部材及びシールプレートは、低摩擦材料からなることが好ましい。
【0033】
一方、前記ブシュ7は、内リンクプレート6にその外側面6aより外リンクプレート4側へ所定量突出して圧入・固定されており、かつ該突出部7aは外径側が削られて小径となる段部になっている。そして、該小径段部7aに前記シール受け部材19の内周面19dが圧入・固定されている。該シール受け部材19の高さhは上記ブシュ7の突出量Hと同じでもよく(H≒h)、またシール受け部材の高さhをブシュ突出量Hよりも僅かに小さく設定してもよい(H>h)。これにより、シール受け部材19が位置決めされて、該部材に装着されている弾性シール部材21,22のつぶし代が一定に規制される。
【0034】
そして、前記弾性シール部材21,22は、NBR又は類似製品等の合成ゴムからなり、その一種類は、図4に詳示するように、外径側に凹溝21aが形成されてその一側面がリップ部21bとなっており、かつ該リップ部21bの表面(接触側)には2条の半月状の突起21c,21cが形成されている(以下、この種の弾性シール部材をその断面形状からVリングと称する)。該Vリング21は、リップ部21bを開口側としてシール受け部材19の所定環状溝19a,19cに軽く圧入、即ち該リングが僅かに変形して該環状溝内に自己保持されるように装着され、かつ上記リップ部21bは外径方向に向って拡がるように構成されている。なお、上記突起21cは、2条に限らず、3条、4条等でもよく、複数個が望ましいが、1条でもよい。
【0035】
また、前記弾性シール部材の他の種類22は、図5に詳示するように、外側(環状溝19bの開口側)中央に凹溝22aが形成され、その両側が外方に拡がって2個のリップ部22b,20bが形成されており、かつ内径側となるリップ部に所定間隙毎に半月状の切欠き22cが形成されている(以下、この種の弾性シール部材をその断面形状からYリングと称する)。該Yリング22も同様に、そのリップ部22b,22bを開口側としてシール受け部材109の所定環状溝19に軽く圧入して装着される。
【0036】
シール受け部材19の最外径側の環状溝19aには、上記Vリング21が嵌入されることが望ましく、また中間及び内径側の環状溝19b,19cには、上記Vリング21及びYリング22のどちらが嵌入してもよい。即ち、図2に示すように、中間環状溝19bにYリング22が、内径側環状溝19cにVリング21が嵌入しても、また図3に示すように、中間環状溝19bにVリング21が、内径側環状溝19cにYリング22が嵌入してもよい。なお、シール受け部材19の環状溝は、上述したように3列に限らず、2列又は4列、更にはそれ以上でもよく、要は複数であればよい。また、Vリング21が嵌入する環状溝は、外リンクプレート4側が開口した断面矩形状でよいが、Yリング22が嵌入する環状溝は、外方に拡がるリップ部22b,22bに合せて、開口側面にテーパ状の拡がりを形成する。
【0037】
一方、図6に示すように、外リンクプレート4の内側面4aにはピン孔4bと同芯状に環状の鍔部4cを隔てて所定深さDの環状の凹溝4dが形成されている。また、前記シールプレート20は中央部に円形孔20aを有するワッシャ様の形状からなり、その厚さdは上記深さDと略々同一になっている(D≒d)。そして、上記外リンクプレートの環状の凹溝4dに接着剤を塗布した状態で、上記シールプレート20はその円形孔20aが鍔部4cに圧入され、かつ凹溝4dに塗布された接着剤により接着されて、外リンクプレート4に一体に固着される。この際、上述したように、シールプレート20の厚さdは凹溝4dの深さDと略々同一なので、一体になった状態ではシールプレートの表面20aは外リンクプレート4の内側面4aと略々面一となっている。
【0038】
そして、上記シールプレート20の表面20bは、上述したクロムモリブデン鋼等の鋼材にタフトライト処理した後、研磨する等により平滑面になっている。なお、該シールプレートの平滑面20bは、上記研磨に限らず、上述したフッ素コーティング、自己潤滑性材料の使用、クロマイジング、メッキ等の表面処理によっても得られる。また、該シールプレート20は、シール受け部材19に装着されたVリング21及びYリング22のリップ部が接触する位置に配置されている。
【0039】
図7は一部変更した実施例を示すもので、外リンクプレート4に形成される環状凹溝4d′及びシールプレート20′が長円又は楕円形からなる。これにより、シールプレート20′を凹溝4d′に圧入した際、シールプレート20′の回転が阻止されると共に、接着剤の接着面積が広くなる。従って、本実施例によると、弾性シール部材の摩擦力によりシールプレートが回転することを防止される。なお、上記シールプレート20(20′)は、外リンクプレート4に固着されることが好ましいが、単に凹溝4d(4d′)に嵌合するようにしてもよい。
【0040】
ついで、上述したシールチェーンの作用について説明する。本シールチェーン1は、アンローダ用として、2列のチェーンの間にバケット等が取付けられて用いられる。該チェーン1をスプロケットにより駆動することにより、穀類、鉄鉱石、石炭、石灰等のバラ物がバケットにより搬送される。この際、外リンク2と内リンク3とが屈曲することにより、外リンクプレート4に一体のピン5と内リンクプレート6に一体のブシュ7とが相対回転するが、該ピンとブシュとの間の軸受部12にはグリース等の潤滑剤が封入されており、上記相対回転は滑らかに行われる。
【0041】
そして、上記シールチェーン1は、搬送物をバケットで掻取る際、チェーンの左右方向(図2の上下方向)に大きなスラスト力(例えば数トン〜数十トン)が作用する。停止時又は自由搬送時にあっては、図8(a) に示すように、外リンクプレートと内リンクプレートの隙間c1 は左右略々同じであるが、例えば上方から下方(図2)に上記大きなスラスト力が作用すると、図8(b) に示すように、上方の両リンクプレートの隙間c2 は最大となり、図8(c) に示すように、下方の両リンクプレートの隙間c3 は最小となる。例えば、前述したように、ブシュ7aの突出量Hとシール受け部材19の高さhが等しい場合(H=h)、上記最小隙間c3 は0となり、突出量Hの方が大きい場合(H>h)、その差(c3 =H−h)からなる僅かな量となる。
【0042】
この際、両リンクプレートのc1 〜c3 がどのように変化しても、弾性シール部材(その代表として最外径側のVリング21にて示すが、他のリングでも同様)は、そのリップ部21bが対応して変化し、シールプレート20に常に密接している。特に、Vリング21は、リップ部21bに複数条の突起21c,21cを有しており、該突起は、図8(a) ,(b) ,(c) に示すようにリップ部21bが変形しても確実にシールプレート20に密着し、軸受部16の潤滑剤を保持すると共に、外部からの搬送物の侵入を阻止する。特に、最外径側の弾性シール部材がVリング21からなるため、該Vリング21の外径方向に向うリップ部21bにより、外部から搬送物の粒子及び水等が侵入することが阻止され、また内径側の弾性シール部材がYリング22からなるため、両方に拡がる2個のリップ部22b,22bにより軸受部12からの潤滑剤が漏出することを防止される。
【0043】
また、前記3個の弾性シール部材21,22のリップ部21b,22bが接触しているシールプレート20は、上記接触面となる表面20bが平滑面からなり、上記リップ部21b,22bは滑らかに摺接する。更に、Yリング22の内側リップ部22bに形成されている切欠き22cから、軸受部に封入されている潤滑剤が外径側に流出して、その外側リップ部22b更に外径側に位置するVリング21のリップ部21bに供給され、上述した平滑面20bからなるシールプレート20との摺接が更に滑らかに行われる。
【0044】
従って、鉄鉱石、石炭、穀類等の粉末が弾性シール部材21,22から軸受部方向に侵入しようとしても、上記滑らかで確実なリップ部及びシールプレートの摺接により阻止され、かつ弾性シール部材は3列等の複数個並べられているので、軸受部に上記粉末が侵入することは確実に阻止される。そして、搬送物を変える場合、例えば鉄鉱石から穀類等に変更する場合、バケットコンベヤ全体が水により洗浄される。この際、該水による洗浄時間はそれ程長くないので、該洗浄水の侵入は、最外径側のVリング21により確実に阻止されて、その内径側に入ることはない。従って、例え、僅かに鉄鉱石等の微粉末が内径側の弾性シール部材の間に存在していたとしても、水と一緒になって研磨材状になることはなく、上記平滑面20bとのリップ部の滑らかな摺接と相俟って、リップ部が傷付いて早期に破損することが防止される。
【0045】
また、上記シール手段16は、比較的単純な形状のシール受け部材19及びシールプレート20そして弾性シール部材21,22からなる。また、シール受け部材19の各環状溝19a,19b,19cにVリング21又はYリング22を装着した状態で、該シール受け部材19をブシュ突出部7aに圧入し、又は該シール受け部材19をブシュ突出部7aに圧入した状態で各環状溝にVリング21又はYリング22を装着することにより、内リンク3側にシール手段が容易に組付けられる。また、該リンクプレート4の環状凹溝4d,4d′にシールプレート20を圧入・固定することにより、外リンク2側のシール手段が容易に組付けられる。この状態は、シール受け部材19がその環状溝にVリング21及びYリング22を保持した状態で内リンク3に固定され、またシールプレート20が外リンク2に固定されており、内リンク3及び外リンク2を交互に連結することにより、シール手段のないチェーンと略々同様に組立てられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシールチェーンを示す図で、(a) は一部断面した平面図、(b) は正面図。
【図2】本シールチェーンの要部であるシール手段部分を示す断面図。
【図3】その弾性シール部材の配列を変更した実施例を示す断面図。
【図4】弾性シール部材であるVリングを示す断面図。
【図5】弾性シール部材であるYリングの一部を示す斜視図。
【図6】シールプレートの装着状態を示す斜視図。
【図7】長円又は楕円に変更したシールプレートの装着状態を示す斜視図。
【図8】最外径側のVリング部分を示す断面図で、(a) は自由状態、(b) は両リンクプレートが最大隙間にある状態、(c) は両リンクプレートが最小隙間にある状態を示す図。
【図9】従来の技術によるシールチェーンのシール手段部分を示す断面図。
【符号の説明】
1 シールチェーン
2 外リンク
3 内リンク
4 外リンクプレート
4a プレート内側面
4b ピン用孔
4d,4d′ 環状の凹溝
5 ピン
6 内リンクプレート
6a プレート外側面
7 ブシュ
12 軸受部
16 シール手段
19 シール受け部材
19a,19b,19c 環状溝
20,20′ シールプレート
20b 平滑面(表面)
21,22 弾性シール部材(Vリング、Yリング)
21b,22b リップ部
21c 突起
22c 切欠き

Claims (6)

  1. コンベヤ用チェーンに用いられ、1対のピン及び該ピンにより結合される1対の外リンクプレートを有する外リンクと、1対のブシュ及び該ブシュにより結合される1対の内リンクプレートを有する内リンクとを、前記ピンを前記ブシュに嵌挿することにより交互に連結し、かつ前記外リンクプレートと内リンクプレートとの間に、前記ピンとブシュとの間に封入される潤滑剤をシールするシール手段を介在してなるシールチェーンにおいて、
    前記シール手段は、前記内リンクプレートに接するように配置され、異なる半径上に、前記外リンクプレート側が開口する複数の環状溝を有するシール受け部材と、
    前記複数の環状溝にそれぞれ嵌入され、かつリップ部を有する弾性シール部材と、
    前記外リンクプレートに配置され、表面が平滑面からなるシールプレートと、を備え、
    前記複数の環状溝の内の最外径側に、外径側に凹溝を有し、かつ該凹溝にて前記リップ部が形成される第1の弾性シール部材を嵌入し、
    内径側となる前記環状溝に、前記シール受け部材の開口側に凹溝を有し、該凹溝の両側が外方に拡がって2個の前記リップ部が形成される第2の弾性シール部材を嵌入し、
    前記ブシュは、前記内リンクプレートに、該プレート外側面より外リンクプレート側に所定量突出して固定され、
    前記外リンクプレートに、前記ピン用の孔を囲むように環状の凹溝を形成し、該凹溝に前記シールプレートを嵌合し、
    前記複数の弾性シール部材のリップ部が前記シールプレートの平滑面に接触してなる、
    ことを特徴とするシールチェーン。
  2. 前記第1の弾性シール部材は、前記リップ部の前記シールプレートと接触する側に環状の突起を有してなる、
    請求項1記載のシールチェーン。
  3. 前記第2の弾性シール部材は前記2個の内の内径側のリップ部に一部切欠きを形成してなる、
    請求項1記載のシールチェーン。
  4. 前記ブシュの突出部の外径面に小径となる段部を形成し、該段部に前記シール受け部材を圧入・固定してなる、
    請求項1ないしのいずれか記載のシールチェーン。
  5. 記シールプレート前記平滑面が前記外リンクプレートの内側面と略々面一となるように、前記シールプレートが前記外リンクプレートの前記凹溝に固定されてなる
    請求項1ないし4のいずれか記載のシールチェーン。
  6. 前記複数の弾性シール部材は、前記シール受け部材の環状溝に軽圧入により嵌入されてなる、
    請求項1ないしのいずれか記載のシールチェーン。
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