JP4489683B2 - シールチェーン - Google Patents
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Description
さらに、シール機能を改善するように、外プレート内面に当接する弾性シール部材を備えた剛性の内側シールリングをブシュに固定するとともに、その外側に半径方向に移動可能な剛性の外側シールリングを配置し、内側シールリングと外側シールリングの間にOリングのような弾性シール部材を介在させ、外側シールリングをOリングの弾性力で押圧して外プレートと摺接させ、内側シールリングによるシールと外側シールリングによるシールとで半径方向2段にシールするシール機構も提案されている(特許文献1、2参照)。
しかも、弾性リップ部材と固定リングは、一体化しており、ブシュに圧入するだけで外プレートと内プレートの間にシール機構を簡単に配置できるので、効率よく組み立てでき、生産性が向上する。
また、固定リングが、同心円状に積層された複数の固定リングからなり、それぞれの固定リングに弾性リップ部材が固着されているので、多段のシールを容易に得ることができるとともに、内側の固定リングの外径と外側に積層する固定リングの内径を一サイズ大きいブシュの外径と同じにすると、外側の固定リングは、一サイズ大きいブシュのチェーンに対し互換性を有するので、有効に利用することができる。
また、本発明の場合、複数の固定リングを同心円状に嵌め合わせて積層体としている。
また、これらリップ、固着部及び連結部は弾性材で成形され、弾性材としては、耐摩耗性、耐油性、耐熱性等の点から、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(ポリウレタン)、クロロプレンゴム、フッ素ゴム(6フッ化プロピレン・フッ化ビニリデン共重合体)等のゴム類が好ましい。
また、リップは、種々の形状を取り得るが、外プレート内面に当接する先端部を鋭角とした三角形状の断面や円弧状の断面とすると耐久性とシール効果に優れるので好ましい。
弾性リップ部材の固着位置は、固定リングの外周面でも、外プレートとの対向面であってもよい。
また、外プレート方向が開放した環状の凹部を形成し、この凹部に嵌挿固着してもよい。この凹部としては、断面形状で半円等の円弧状、四角形あるいは台形、すなわち、蟻溝状としてもよく、さらに、外プレート方向及び半径方向上部または下部が開放された段差部であってもよい。
ここで、参考例1乃至参考例8は、本発明の実施例であるシールチェーンの理解を助けるためのものである。
また、本発明の実施例および参考例1乃至参考例4は、三角形状の断面を有するリップを用いたものであり、参考例5乃至参考例8は、円弧状の断面を有するリップを用いたものである。
図1は、シールチェーンの全体構造を説明する平面図であり、図2は、本実施例の理解を助けるための参考例1のシール機構を一部断面で示した斜視図であり、図3は、図1にAとして示したシール機構の拡大断面図である。
また、固定リング131と弾性リップ部材132とが一体となってシール機構130を構成しており、固定リング131をブシュ112に圧入させるだけで装着できるので、組み立て効率が向上して生産性を高めている。
さらに、リップは、弾性材で成形されているので、三角形状の断面とあいまって、外プレートとの摺動抵抗が低く、横荷重によって容易に変形するので、シール機能が高められ、耐久性も向上する。
これら参考例2乃至参考例3は、前述した参考例1とは、シール機構の形態のみが異なっており、その他の具体的な構成は同じであるから、参考例1のシールチェーン100と同一の部材に対応する200番台(参考例2)、300番台(参考例3)の符号を付すことにより、その重複する説明を省略する。
本参考例2のシール機構230は、図4に示すように、小径部231aと大径部231bとで形成された固定リング231と、これら小径部231aの外周面と大径部231bの外面とで形成させた段差状の凹部231cに嵌挿固着された環状の弾性リップ部材232とから構成され、弾性リップ部材232は、凹部231cに固着される四角形状の断面を有する固着部232bと、固着部232bの外周から外プレート方向に突出し、先端部が半径方向外方に向いた三角形状の断面を有するリップ232aとからなり、これら固着部232bとリップ232aは弾性材で一体成形されている。
本参考例3におけるシール機構330は、図6に示すように、小径部331aと大径部331bとで形成された固定リング331と、これら小径部331aの外周面と大径部331bの外面とで形成させた段差状の凹部331cに固着された環状の弾性リップ部材332とから構成され、弾性リップ部材332は、凹部331cに固着される四角形状の断面を有する固着部332bと、固着部332bの外面に同心円状に形成され、先端部が半径方向外方に向いた三角形状の断面を有する複数のリップ332aからなり、これらは弾性材で一体に成形されている。
本参考例3では、外側リップ332c、中間リップ332d、外側リップ332eの3つのリップが設けられている。
また、外側のリップ332cが劣化や損傷によりシール機能を損なっても、内側のリップ332dがシール機能を発揮するので、長期に亘ってシール機能を維持している。
図8及び図9は、本発明の実施例を示したもので、図8は、本実施例のシール機構を一部断面で示した斜視図であり、図9は、内プレートと外プレートの間に配置したシール機構の拡大断面図である。
また、本発明の実施例であるシールチェーンは、前述した参考例1とは、シール機構の形態のみが異なっており、その他の具体的な構成は同じであるから、参考例1のシールチェーン100と同一の部材に対応する400番台の符号を付すことにより、その重複する説明を省略する。
そこで、本実施例のシールチェーンが最も特徴とするシール機構430は、図8に示すように、同心円状に積層した外側固定リング431a、中間固定リング431b、内側固定リング431cとからなる固定リング431と、これら固定リング431a、431b、431cの外面にそれぞれ固着された外側弾性リップ部材432a、中間弾性リップ部材432b、内側弾性リップ部材432cとからなる環状の弾性リップ部材432とで構成され、これら外側弾性リップ部材432a、中間弾性リップ部材432b、内側弾性リップ部材432cは、弾性材で成形され、先端部が半径方向外方に向いた断面三角形状のリップ自体からなり、同心円状に固定リング431a、431b、431cの外面から突出している。
また、外側に積層する固定リング432a、432bの内径を一サイズ大きいブシュの外径に適合する大きさとすると、弾性リップ部材を固着した外側の固定リング432b、432cは、ブシュの外径の異なるチェーンに対し互換性を有するので、有効に利用することができるなど、その効果は甚大である。
本実施例の理解を助けるための参考例4のシール機構530は、図10に示すように、異物侵入防止用リング531aを備えた固定リング531と、固定リング531に固着された環状の弾性リップ部材532とから構成され、異物侵入防止用リング531aは、外プレート521方向に突出するように固定リング本体531bの外面の外周に一体に設けられ、弾性リップ部材532は、弾性材で成形され、先端部が半径方向外方に向いた断面三角形状のリップ自体からなり、異物侵入防止用リング531aの内側で、先端部が異物侵入防止用リング531aの端部から突出するように、固定リング本体531bの外面に固着されている。
ここで、断面形状が円弧とは、円形、半円形、楕円形、半楕円形等、少なくとも外プレートに対する面が円弧面を備えているものを意味する。
なお、参考例5乃至参考例8は、前述した参考例1とは、シール機構の形態のみが異なっており、その他の具体的な構成は同じであるから、参考例1のシールチェーン100と同一の部材に対応する600番台(参考例5)、700番台(参考例6)、800番台(参考例7)及び900番台(参考例8)の符号を付して重複する説明は省略する。
本参考例5のシール機構630は、図12に示すように、小径部631aと大径部631bとで形成された固定リング631と、小径部631aの外周面と大径部631bの外面とで形成された段差状の凹部631cに固着された環状の弾性リップ部材632とから構成され、弾性リップ部材632は、凹部631cに嵌合するる長方形の断面を有する固着部632bと、円形の断面を有するリップ632aと、半径方向外方に向き、リップ632aを固着部632bに連結する連結部632cとからなり、これらは弾性材で一体に成形されるとともに、連結部632cはリップ632aの径よりも小径、すなわち、薄肉としている。
また、加流後の離型時にリップ部のシール機能の低下となる接触部の破損を防止できるのでシールの不良率が改善され、生産性を高めることができる。
さらに、リップ部と固着部とを接続する接続部は、リップの径よりも小径としているので、予めリップ部を外プレートに押圧するように取り付け、横荷重下でのシール機能を確保している。
本参考例6におけるシール機構730は、図14に示すように、外面に蟻溝状の凹部731aを同心円状に形成した固定リング731と、この凹部731aに固着された環状の弾性リップ部材732とから構成され、弾性リップ部材732は、凹部に嵌合する台形状の断面を有する固着部732bと、断面半円形のリップ732aから構成され、これらは弾性材で一体に成形されている。
本参考例7のシール機構830は、図16に示すように、参考例6と同様に、外面に蟻溝状の凹部831aを同心円状に形成した固定リング831と、この凹部831aに固着された環状の弾性リップ部材832とから構成され、弾性リップ部材832は、凹部831aに嵌合するように台形状の断面を有する固着部832bと、半径方向上下に設けられた断面円形の2つのリップ832a、832aと、固着部832bとリップ832a、832aを連結する、半径方向外方及び内方に向いた連結部832c、832cとから構成され、これらは弾性材で一体に成形されている。
また、リップ832a、832aと固着部832bとを連結する連結部832c、832cは、リップ832aの径よりも小径としているので、予めリップを外プレートに押圧するように取り付け、横荷重下でのシール機能を確保している。
本参考例8のシール機構930は、図18に示すように、小径部931aと大径部931bとで形成された固定リング931と、小径部931aの外周面と大径部931bの内面とで形成された段差状の凹部931cに固着された環状の弾性リップ部材932と、この弾性リップ部材932を囲むように固定リング931の外周にシマリ嵌めにより固着された異物侵入防止用リング933とから構成され、弾性リップ部材932は、長方形の断面を有する固着部932bと、固着部932bの外周部から半径方向外方に突出した連結部932cにより接続された円形の断面を有するリップ932aとから構成され、これらは、弾性材で一体に成形されている。
また、リップ932aの一部が、異物侵入防止用リング933の端部よりも突出している。
110 ・・・ 内リンク
111 、211 、311 ・・・ 内プレート
112 、212 、312 ・・・ ブシュ
112a、212a、312a・・・ 突出端部
113 、213 、313 ・・・ ローラ
120 ・・・ 外リンク
121 、221 、321 ・・・ 外プレート
122 、222 、322 ・・・ ピン
130 、230 、330 ・・・ シール機構
131 、231 、331 ・・・ 固定リング
132 、232 、332 ・・・ 弾性リップ部材
132a、232a、332a・・・ リップ
132b、232b、332b・・・ 固着部
332c・・・ 外側リップ
332d・・・ 中間リップ
332e・・・ 内側リップ
411 ・・・ 内プレート
412 ・・・ ブシュ
412a・・・ 突出端部
413 ・・・ ローラ
421 ・・・ 外プレート
422 ・・・ ピン
430 ・・・ シール機構
431 ・・・ 固定リング
431a・・・ 外側固定リング
431b・・・ 中間固定リング
431c・・・ 内側固定リング
432 ・・・ 弾性リップ部材
432a・・・ 外側弾性リップ部材
432b・・・ 中間弾性リップ部材
432c・・・ 内側弾性リップ部材
511、611、711、811、911 ・・・ 内プレート
512、612、712、812、912 ・・・ ブシュ
512a,612a、712a、812a、912a ・・・ 突出端部
513、613、713、813、913 ・・・ ローラ
521、621、721、821、921 ・・・ 外プレート
522、622、722、822、922 ・・・ ピン
530 ・・・ シール機構
531 ・・・ 固定リング
531a、933 ・・・ 異物侵入防止用リング
531b・・・ 固定リング本体
531c・・・ 段差状凹部
532 ・・・ 弾性リップ部材
630、730、830、930 ・・・ シール機構
631、731、831、931 ・・・ 固定リング
631a、931a ・・・ 小径部
631b、931b ・・・ 大径部
631c、931c ・・・ 段差状凹部
632、732、832、932 ・・・ 弾性リップ部材
632a、732a、832a,932a ・・・ リップ
632b、732b、832b、932b ・・・ 固着部
632c、832c、932c ・・・ 連結部
731a、831a ・・・ 蟻溝状凹部
Claims (6)
- 一対のブシュの両端部を突出させて一対の内プレートに圧入してなる内リンクと、隣接した前後2つの内リンクの前記ブシュ内にそれぞれ遊嵌された2本のピンの両端部を一対の外プレートに圧入してなる外リンクと、前記内プレートと外プレートの間に配置されたシール機構とを有するシールチェーンにおいて、
前記シール機構が、前記ブシュの突出端部に嵌着されて同心円状に積層された複数の固定リングと、該複数の固定リングにそれぞれ固着された環状の弾性リップ部材とを備えているとともに、
該弾性リップ部材が、前記ブシュの突出端部を囲むように前記外プレートの内面に当接するリップを有していることを特徴とするシールチェーン。 - 前記固定リングが、前記弾性リップ部材を固着する環状の凹部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシールチェーン。
- 前記固定リングが、前記弾性リップ部材の外周を囲むように配置された異物侵入防止用リングを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールチェーン。
- 前記リップが、同心円状に複数形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシールチェーン。
- 前記リップが、三角形状の断面を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のシールチェーン。
- 前記リップが、円弧状の断面形状を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のシールチェーン。
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