JP4408325B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トレッドの周方向に沿って少なくとも3本の周方向溝を設け、かつこの周方向溝に交差するように横溝を設けることで、それぞれ前記周方向溝と横溝とで区分されたブロックが形成され、かつこの各ブロック毎にサイプが形成されたスタッドレス仕様の空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来のスタッドレス仕様の空気入りタイヤ、特に重荷重用空気入りタイヤでは、トレッド部に周方向に沿った溝(周方向溝)が形成されると共に、この周方向溝と直交するように横溝が設けられ、この周方向溝と横溝とにより分割された複数のブロックが形成されている。
【0003】
また、各ブロックには、サイプが形成されており、このブロックかつトレッドのショルダー部にはラグ溝が形成されている。
【0004】
これにより、通常のタイヤに比べトラクション性を向上させている。
【0005】
サイプは、路面とタイヤ間に生じる水膜の原因となる溶けた水を、吸水して水膜をなくすこと、並びにエッジ部によって路面水膜を切り裂き路面に確実に接触することでトラクション性をさらに向上し、雪上での走行安定性を向上する役目を有している。
【0006】
ここで、ブロックの数や、サイプの数が、雪上でのトラクションコンロールに多大な影響を及ぼすことがわかっており、さらに、雪上よりも過酷な氷上(圧雪路を含む)でのトラクション性を向上するためには、ブロックの細分化(単位ブロック面の小面積化)及びサイプの増加が必要となる。
【0007】
また、サイプの形状によってもその効果は大きく異なる。
【0008】
すなわち、サイプには、各ブロックの左右を突き抜ける(両端が周方向溝に開口する)オープンサイプタイプと、各ブロックにおいて片側のみ周方向溝に開口する片側開口サイプタイプとがあり、オープンサイプでは、トラクション効果は大(片側開口サイプタイプ比)であるが、サイプ間ヒール&トウ摩耗による偏摩耗性能が悪い。逆に片側開口サイプタイプではトラクション効果は小(オープンサイプタイプ比)であるが、サイプ間ヒール&トウ摩耗による偏摩耗性能がよい。
【0009】
すなわち、両者には一長一短があるため、タイヤ種によって何れか一方のタイプで形成されたサイプで統一したタイヤを製造し、ユーザの用途に合わせて選択するようにしている。
【0010】
なお、図4には、従来例として片側開口サイプ200で統一されたタイヤ202のトレッド展開図(一部)が示されている。
【0011】
周方向溝204と横溝206によって形成された各ブロック208には、2本のサイプ200が形成され、このサイプ200は、交互にタイヤ幅方向のブロック208端に開口している。
【0012】
なお、この図4は、3本の周方向溝204で構成されたタイヤ202の例を示している。
【0013】
しかしながら、ユーザの用途に合わないタイヤ202が選択された場合、欠点のみが先行することが考えられる。
【0014】
すなわち、図4でいえば、空車時の氷上の発進、登坂時のトラクションが足りず、スリップ等により走行が不安定となる恐れがある。
【0015】
本発明は上記事実を考慮し、周方向溝と横溝とで形成される複数のブロック毎に形成されたサイプのタイプをそれぞれ走行状態、積載の有無状態を考慮して、トラクション性を向上し、かつ偏摩耗特性を維持することができる空気入りタイヤを得ることが目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、 トレッドの周方向に沿って少なくとも3本の周方向溝を設け、かつこの周方向溝に交差するように横溝を設けることで、それぞれ前記周方向溝と横溝とで区分されたブロックが形成され、かつこの各ブロック毎にサイプが形成されたスタッドレス仕様の空気入りタイヤであって、前記周方向溝で区切られたセンター側のブロックに形成された前記サイプの端部が、両端共に前記周方向溝に開口されたオープンサイプ構造とされ、前記センター側のブロック以外のブロックに形成された前記サイプの端部が、一方の端部のみ前記周方向溝に開口され、かつ周方向に沿って開口端が交互とされた片側交互開口サイプ構造とされていることを特徴としている。
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、センター側のブロックにはオープンサイプ構造を採用し、トラクション性能優先とした。タイヤセンター部は、空車、定量積載時に拘わらず、常に路面と接するため、特に空車時(荷重が少ないとき)の氷上の発進時及び登坂時を考慮したためである。
【0018】
一方、タイヤセンター側以外では、片側開口サイプ構造を採用し、偏摩耗特性優先とした。タイヤショルダー部は、空車時はあまり寄与しない(路面に非接触)せず、偏摩耗が発生し易いことを考慮したためである。
【0019】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1記載の発明において、前記センター側のブロックが、前記周方向溝が奇数の場合には、タイヤセンター上の周方向溝を挟んで隣り合う2列のブロックであることを特徴としている。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、周方向溝が奇数、例えば3本の場合には、この周方向溝をタイヤ幅方向に均等配置することで、中央の周方向溝がタイヤセンター位置となる。このセンター位置の周方向溝を挟んで2列のブロックをオープンサイプ構造とするセンター側のブロックとすることで、目的を達成することができる。
【0021】
請求項3の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記センター側のブロックが、前記周方向溝が偶数の場合には、タイヤセンターに最も近い2本の周方向溝の間であり、他の位置のブロックの約2倍の幅寸法とされた領域に設けられ、タイヤセンター上で周方向に形成され、かつ前記周方向溝よりも幅狭とされた細幅の溝によってタイヤ赤道面両側に更に分割されていることを特徴としている。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、周方向溝が偶数、例えば4本の場合には、このタイヤセンターに最も近い2本の周方向溝の幅寸法を他の周方向溝間の幅寸法の約2倍とし、その中心(すなわちタイヤセンター位置)に周方向に亘り細幅の溝を形成することで2列のブロックを形成し、この2列のブロックをオープンサイプ構造とするセンター側のブロックとすることで、目的を達成することができる。
【0023】
ここで、細幅の溝とは、周方向溝よりも溝幅の狭い溝を意味する。
【0024】
また、周方向溝を4本とすることにより、摩耗中期以降(例えば50%摩耗以降)のウエット性能を3本の周方向溝を備えるものより向上させることができる。
【0025】
請求項4に記載の発明は、前記請求項乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記周方向溝がジグザグ状に形成されていることを特徴としている。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、周方向溝をジグザグ状とすることで、ウェット面(雪上や氷上を含む)でのブレーキ性能を向上することができる。
【0027】
また、ジグザグの振幅の大きさが、上記ブレーキ性能に大きく左右されるため、振幅が大きければ大きいほどよいが、逆に新品(摩耗初期)から摩耗中期において、ショルダー部のリブの山部付近のヒール&トウ摩耗を核とする偏摩耗性能が低下するため、適度な振幅を設定することが望ましい。
【0028】
請求項5に記載の発明は、前記請求項乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、ショルダー側の前記周方向溝の底部には、頂部の位置が踏面より低く設定され、接地時に路面と滑り接触する偏摩耗犠牲突起が形成されていることを特徴としている。
【0029】
請求項5に記載の発明によれば、空気入りタイヤが回転すると、接地時に偏摩耗犠牲突起が路面と滑り接触し、偏摩耗犠牲突起に隣接するブロックに生ずべき偏摩耗を肩代わりして摩耗する。
【0030】
特に、偏摩耗し易いショルダー側のブロックを区画する周方向溝内に偏摩耗犠牲突起を設けることで、偏摩耗がセンター側に進展することを抑制し、また、ショルダー側のブロックの偏摩耗を効果的に抑制することができる。
【0031】
偏摩耗を抑制することでブロックの踏面全体を路面(氷、雪)に接触させることができ、所定の氷雪上性能を確保できる。
【0032】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤにおいて、前記周方向溝は、溝幅がトレッド幅TWの3%〜10%であることを特徴としている。
【0033】
周方向溝の溝幅がトレッド幅TWの3%未満では排水性の低下によりウエット性能が低下し、10%を越えるとブロックの接地面積が不足して耐摩耗性が低下する。
【0034】
したがって、周方向溝の溝幅をトレッド幅TWの3%〜10%とすることが好ましい。
【0035】
なお、空気入りタイヤは、それぞれのサイズに応じて、JATMA(日本)、TRA(米国)及びETRTO(欧州)などが発行する規格に定められた標準リムに装着して使用され、この標準リムが通常正規リムと称される。
【0036】
本明細書でもこの慣用呼称に従い、「正規リム」とは米国のタイヤとリムの協会TRAが発行する2000年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズにおける標準リムを指す。
【0037】
同様に、「正規荷重」及び「正規内圧」とは、米国のタイヤとリムの協会TRAが発行する2000年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重及び最大荷重に対応する空気圧を指す。
【0038】
また、本明細書において、「トレッド幅TW」とは、タイヤを「正規リム」にリム組みして「正規内圧」を充填し、「正規荷重」を静的に負荷したときのトレッドのタイヤ軸方向の接地最大幅を指す。
【0039】
ここで、荷重とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)のことであり、内圧とは下記規格に記載されている適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)に対応する空気圧のことであり、リムとは下記規格に記載されている適用サイズにおける標準リム(または”Approved Rim "、"Recommended Rim' )のことである。
【0040】
そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では”The Tire and Rim Association Inc.のYear Book"であり、欧州では”The European Tire and Rim Technical OrganizationのStandards Manual”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA Year Book"にて規定されている。
【0041】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の空気入りタイヤにおいて、前記細幅の溝は、溝幅がトレッド幅TWの1%〜5%であることを特徴としている。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1に本実施の形態に係るスタッドレス仕様の空気入りタイヤ100のトレッド102のパターン(一部)が示されている。
【0043】
トレッド102のショルダー部には、タイヤ周方向に沿って所定ピッチで複数のラグ溝104が形成されている。
【0044】
なお、タイヤの幅方向両端に形成されたラグ溝104は、タイヤの前後の何れの方向に回転しても、同様の効果(トラクション効果)を得ることができる点対称形状となっている。
【0045】
また、トレッド102には、周方向に亘って溝106(以下、周方向溝という)が形成されている。この周方向溝106は4本形成されている。
【0046】
また、上記周方向溝106に交差するように、周方向に沿って横溝110が所定ピッチ毎に設けられている。
【0047】
この周方向溝106と横溝110とにより、トレッド102がタイヤ幅方向に沿って5分割され、かつ、各5分割された領域が横溝110によって細分化されて、結果として、複数のブロック112が形成される。
【0048】
ここで、タイヤセンターCLを跨ぐように配置されたセンター側の2本の周方向溝106間のブロック112の幅寸法は、ショルダー部側から1本目と2本目との間のリブの幅寸法の略2倍とされている。
【0049】
この幅広のリブは、タイヤセンターCL位置で周方向に沿って形成された細溝118により、2分割されている。
【0050】
この結果、前記センター側の周方向溝106間には、細溝118を挟んで2列のブロック112が周方向にわたり配列されることになる。
【0051】
以下、必要に応じて、このセンター側の周方向溝106間に挟まれた領域のブロックをブロック112CENTERといい、それ以外のブロックをブロック112SHOULDERという。
【0052】
周方向溝106は、前記ブロック112の側面外形がクランク状に段差が形成され、隣合うブロック112同士の段差部の凹が凸に、凸が凹に対向することで、ジグザグ状に形成されている。
【0053】
ジグザグ形状とした目的としては、ブレーキ性能の向上が挙げられる。すなわち、このジグザグの振幅が大きいほどブレーキ性能が向上する。
【0054】
前記各ブロック112には、それぞれ2本のサイプ114が形成されている。
【0055】
本実施の形態では、このサイプ114のタイプ(構造)として、2種類を使い分けている。
【0056】
一方は、センター側のブロック112CENTERに設けられたオープンサイプタイプであり、このサイプ114は、ブロック112CENTERのタイヤ幅方向両端を突き抜けており、両端が開口している。
【0057】
他方は、ショルダー部側のブロック112SHOULDERに設けられた片側開口サイプタイプであり、各ブロック112SHOULDER毎に設けられた2本サイプ114は、ブロック112SHOULDERのタイヤ幅方向一端部に交互に開口している。
【0058】
すなわち、2本のサイプ114は、一方がブロック112の一方の側面から2/3〜3/4程度切り出されており、当該ブロック112の他方の側面へ至る前に終端部(丸穴114A)が存在している。
【0059】
一方、2本のサイプの内、他方がブロック112の他方の側面から2/3〜3/4程度切り出されており、当該ブロック112の他方の側面へ至る前に終端部(丸穴114A)が存在している。
【0060】
ここで、タイヤ100は、空車時と定量積載時とで路面への接地面積が異なる。
【0061】
空車時は、荷重が余りかからないため、路面への接地領域がセンター側に集中し、定量積載時には、荷重がかかるため、路面への接地領域がショルダー部まで至る。
【0062】
このため、特に空車時の氷上発進時、又は氷上登坂時等荷重が少ないときにトラクションを高くするべく、ブロック112CENTERのサイプ114をオープンサイプタイプとした。
【0063】
これにより、サイプ114の効果を充分発揮させることが可能となる。
【0064】
一方、空車時には、あまり寄与しないブロック112SHOULDERのサイプ114を片側H側開口サイプタイプとすることで、サイプ114のヒール&トウ摩耗を引きがねとする偏摩耗を抑制する構造としている。
【0065】
また、ショルダー部側の周方向溝106の底部には、突起116が周方向に沿って形成されている。
【0066】
この突起116は、頂部の位置がブロック踏面より低く設定され、接地時に路面と滑り接触するようになっている。
【0067】
ここで、周方向溝106は、溝幅をトレッド幅TWの3%〜10%に設定することが好ましい。
【0068】
また、細溝118は、溝幅がトレッド幅TWの1%〜5%に設定することが好ましい。
(作用)
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0069】
トレッド102に形成されたブロック112にサイプ114を設ける場合、従来は、単一のタイヤ100には1種類のサイプとしていた。
【0070】
例えば、オープンサイプタイプとした場合は、トラクション効果を増大を優先したタイヤであり、特に氷上の発進や登坂が多い車両に最適である。
【0071】
一方、片側開口サイプタイプとした場合は、偏摩耗の低減を優先したタイヤであり、氷上ではある程度トラクション効果を得、一般の路面を走行した場合でも偏摩耗が少ないため、様々な路面を走行する車両に最適である。
【0072】
上記の如く、従来は車両の適用に応じて、タイヤを選択する必要があった。そこで、本実施の形態では、異なる2種類(オープンサイプタイプ、片側開口サイプタイプ)を単一のタイヤ100に採用し、二律背反の関係であった両タイプの機能を十分に発揮させるべく、センター側のブロック112CENTERにはオープンサイプタイプのサイプ114を形成し、ショルダー部側のブロック112SHOULDERには片側開口サイプタイプのサイプ114を形成した。
【0073】
一般に、空車時はタイヤ100に加わる荷重が少ないため、ショルダー部は路面に接地せず、センター付近のみが接地する。
【0074】
このような状態(空車)で氷上の発進や登坂走行を行う場合、トラクションを高めるのはセンター側のみでよく、このセンター側のブロック112CENTERにオープンサイプ、すなわち、トラクション優先のサイプ114を形成した。
【0075】
一方、ショルダー部側のブロック112SHOULDERは、空車時の氷上の発進や登坂にあまり寄与しないため、タイヤ全体の偏摩耗を低減するべく、片側開口サイプ、すなわち、トラクション効果をある程度得ると共にヒール&トウ摩耗を軽減するサイプ114を形成した。
【0076】
これにより、空車時の発進時及び登坂時には大きなトラクションを得ることができるため、スリップすることなく走行安定性を維持することができ、かつ、一般路面の走行時においては、偏摩耗を軽減することができる。
【0077】
従って、氷上や雪上を多く走行する車両、様々な路面を走行する車両等と、区別することなく、タイヤの種類の統一化を図ることができる。
【0078】
また、空気入りタイヤ100が回転すると、接地時に突起116が路面と滑り接触し、突起116に隣接するブロック112SHOULDERに生ずべき偏摩耗を肩代わりして摩耗する。
【0079】
特に、偏摩耗し易いショルダー側のブロック112SHOULDERを区画する周方向溝106内に突起116を設けることで、偏摩耗がセンター側に進展することを抑制し、また、ショルダー側のブロック112SHOULDERの偏摩耗を効果的に抑制することができる。
【0080】
ブロック112SHOULDERの偏摩耗を抑制することで、踏面全体を路面(氷、雪)に接触させることができ、所定の氷雪上性能を確保できる。
【0081】
なお、周方向溝106の溝幅がトレッド幅TWの3%未満では排水性が低下するためウエット性能が低下し、10%を越えると接地面積が不足して耐摩耗性低下する。
(試験例1)
なお、本実施の形態に適用されたタイヤ(新品)において、室内氷上トラクションテストを行った。このとき、従来品(新品。図4参照。)を比較対象として、この比較品の氷上μ値を100(指数基準)とした。
【0082】
適用タイヤ等の条件は以下のとおりである。
▲1▼ 車両:2−DDトラック
▲2▼ タイヤサイズ:11R22.5 14PR
▲3▼ リム幅:825
▲4▼ 内圧:700KPa
▲5▼ 荷重:1500kg(正規100%荷重=2700kg)
▲6▼ 氷上温度:−5°C
試験の結果、本実施の形態のタイヤは従来品に比べて15%のトラクション効果の増加(指数115)を得た。
(試験例2)
また、75%摩耗時の本実施の形態に適用されたタイヤ(図3参照。)において、実車でウエットブレーキテストを行った。このとき、従来品(75%摩耗品。図5参照。)を比較対象とした。
【0083】
適用タイヤ等の条件は以下のとおりである。
▲1▼ 車両:2−DDトラック
▲2▼ タイヤサイズ:11R22.5 14PR
▲3▼ リム幅:825
▲4▼ 内圧:700KPa
▲5▼ 荷重:1500kg(正規100%荷重=2700kg)
▲6▼ 路面:水をまいた鉄板路面
速度30km/hで急ブレーキをかけ、その時の減速度を測定し、従来品の減速度を100とする指数で評価を行った。数値が大きいほど減速度が大きく、ウエットブレーキ性能に優れていることを表す。
【0084】
試験の結果、本実施の形態のタイヤは従来品に比べて10%の減速度の増加(指数110)を得た。
【0085】
なお、本実施の形態では、4本(偶数)の周方向溝106が形成されたタイヤを例にとり説明したが、3本(奇数)の周方向溝が形成されたタイヤであっても同様の効果を得ることができる。
【0086】
すなわち、図4(従来例)のタイヤセンターCLに位置する周方向溝204を挟んだ2列のブロック208へ形成するサイプ200をオープンサイプとすればよい。
【0087】
この場合、3本の周方向溝のピッチは同一とし、タイヤセンターCLに位置する周方向溝を挟んだ2列のブロック112をセンター側のブロック112CENTERとして、この2列のブロック112CENTERに形成するサイプ114をオープンサイプタイプとすればいよい。
【0088】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る空気入りタイヤは、周方向溝と横溝とで形成される複数のブロック毎に形成されたサイプのタイプをそれぞれ走行状態、積載の有無状態を考慮して、トラクション性を向上し、かつ偏摩耗特性を維持することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の空気入りタイヤのトレッドの展開平面図(一部)である。
【図2】本実施の形態の空気入りタイヤの55%摩耗時のトレッドの展開平面図(一部)である。
【図3】本実施の形態の空気入りタイヤの75%摩耗時のトレッドの展開平面図(一部)である。
【図4】従来例に係るタイヤの新品時のトレッドの展開平面図(一部)である。
【図5】従来例に係るタイヤの75%摩耗時のトレッドの展開平面図(一部)である。
【符号の説明】
100 タイヤ
106 周方向溝
110 横溝
112CENTER ブロック(センター側)
112SHOULDER ブロック(ショルダー部側)
114 サイプ
116 突起部(偏摩耗犠牲突起)
Claims (7)
- トレッドの周方向に沿って少なくとも3本の周方向溝を設け、かつこの周方向溝に交差するように横溝を設けることで、それぞれ前記周方向溝と横溝とで区分されたブロックが形成され、かつこの各ブロック毎にサイプが形成されたスタッドレス仕様の空気入りタイヤであって、
前記周方向溝で区切られたセンター側のブロックに形成された前記サイプの端部が、両端共に前記周方向溝に開口されたオープンサイプ構造とされ、
前記センター側のブロック以外のブロックに形成された前記サイプの端部が、一方の端部のみ前記周方向溝に開口され、かつ周方向に沿って開口端が交互配置とされた片側交互開口サイプ構造とされていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記センター側のブロックが、前記周方向溝が奇数の場合には、タイヤセンター上の周方向溝を挟んで隣り合う2列のブロックであることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記センター側のブロックが、前記周方向溝が偶数の場合には、タイヤセンターに最も近い2本の周方向溝の間であり、他の位置のブロックの約2倍の幅寸法とされた領域に設けられ、タイヤセンター上で周方向に形成され、かつ前記周方向溝よりも幅狭とされた細幅の溝によってタイヤ赤道面両側に更に分割されていることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記周方向溝がジグザグ状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の空気入りタイヤ。
- ショルダー側の前記周方向溝の底部には、頂部の位置が踏面より低く設定され、接地時に路面と滑り接触する偏摩耗犠牲突起が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の空気入りタイヤ。
- 前記周方向溝は、トレッド幅TWの3%〜10%であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記細幅の溝は、溝幅がトレッド幅TWの1%〜5%であることを特徴とする請求項3に記載の空気入りタイヤ。
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