JP4035288B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤ、特にタイヤのトレッドパターンとしてブロックパターンを有する重荷重用空気入りラジアルタイヤに関するもので、湿潤路面での制動性、操縦安定性(以下ウェット性能と称する)および乾燥路面での操縦安定性を損なうことなく耐偏摩耗性、摩耗寿命、耐騒音性等の性能向上を図った改良技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラック、バスなどの重荷重用車両に用いる空気入りラジアルタイヤには、リブ・ラグタイプのトレッドパターンや、ラグ・ブロックタイプのトレッドパターンが従来より広く用いられている。
【0003】
従来の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、トレッドパターンがリブ・ラグタイプの場合、タイヤの耐摩耗性は優れているが、トレッドの中央域でのエッヂ効果が十分でなく、ウェット性能に問題があるか、あるいはトレッドパターンがラグ・ブロックタイプの場合、ウェット性能は優れているが、トレッド中央域でのブロック剛性が低く、ドライ路面での操縦安定性、耐摩耗性が不足する等の問題があった。
【0004】
そこで、耐摩耗性の低下を伴うことなくウェット性能の向上とドライ路面での操縦安定性の改善を両立させるために、トレッドの中央域にその外周に沿ってジグザグ状に延びる少なくとも3本の主溝と、トレッドの両側残余域にて主溝に向かいこれには達しない多数の切込み溝とを備えたトレッドパターンを有する空気入りラジアルタイヤにおいて、主溝の相互間に挟まれた陸部列の各々が、その入隅凹部にて互いに平行に該陸部列を区画する、主溝から互い違いに切込んだ分岐溝と、互いに隣接する分岐溝を一つおきにつなぐ連絡溝とにより区画されたほぼS字形をなすブロックの配列からなる図1に示すようなラグ・ブロックタイプトレッドパターンが特開平6−8711号公報に提案されている。
【0005】
しかし、該公報に提案されたラグ・ブロックタイプトレッドパターンにおいては、耐偏摩耗性、摩耗寿命、耐騒音性等は向上しているが、ショルダー部分がラグ溝を備えたリブのためウェット路面での操縦安定性や氷雪性能が劣る問題があった。
【0006】
また、オールシーズン用または制動、駆動性を重視した重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、氷雪路面上でも制動、駆動力を発生させるのに横方向の溝が効果的であり、ブロックタイプのトレッドパターンが広く用いられている。一般に、ブロックタイプトレッドパターンにおいては、ブロックパターン特有のヒールアンドトウ摩耗が発生しやすく、偏摩耗の問題があり、また偏摩耗に起因して摩耗速度が速くなり、摩耗寿命が低下するという問題もあった。さらに、ブロックエッヂの打音、ブロック端での滑りによるスリップ音、接地時の溝容積の変化によるエアポンピング等のブロックパターンに起因する種々の騒音が発生し、耐騒音性に劣るという問題があった。
【0007】
この点に関し、ブロックタイプトレッドパターンとしてS字形またはZ字形のブロックを配列したものが従来提案されているが、これは、図2に示すように、かかるS字形またはZ字形のブロックがトレッド中央部に周方向に一列だけ配列され、その両側に通常の第2ブロック列およびショルダーブロック列が配列されたものである。しかし、かかるブロックタイプトレッドパターンにおいては、第2ブロック列のブロック剛性およびブロックエッヂ成分が不足しているので、耐偏摩耗性、氷雪性能、ウェット性能および耐騒音性の面で必ずしも満足いくものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ウェット性能および乾燥路面での操縦安定性を損なうことなく、耐偏摩耗性、摩耗寿命および耐騒音性を向上させ得る新規なブロックタイプトレッドパターンを有する空気入りタイヤ、特に重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、氷雪性能、ウェット性能、耐偏摩耗性および耐騒音性を向上させ得る新規なブロックタイプトレッドパターンを有する空気入りタイヤ、特に重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、トレッドの中央域で周方向に延びる少なくとも3本の主溝と、該主溝間に配列されたS字形またはZ字形ブロックの列で、該列内の隣接ブロック同士が周方向で部分的にオーバーラップされてなるブロック列と、トレッドの両側域にそれぞれ配列されたショルダブロックの列とからなるブロックタイプのトレッドパターンを有し、前記S字形またはZ字形ブロックは、前記主溝のうち隣接する2本の主溝と、これらから互い違いに平行に切り込んだ主溝近傍部、及び該主溝近傍部を結ぶ連結部分で構成された2個所以上の屈曲点を有する分岐溝とにより画成され、該分岐溝の主溝近傍部の溝深さは主溝の溝深さと実質同等で、分岐溝の連結部分の溝深さは主溝の溝深さより浅く、かつ、前記分岐溝の主溝近傍部の幅(B)と、ブロック中央部でのブロック幅(A)とが下記の関係式
0.1×A≦B≦0.40×Aを満足する空気入りタイヤにある。
【0011】
本発明の好適例においては、S字形またはZ字形ブロックを、ショルダブロックに対し周方向にオフセットしてこれらブロックを画成する溝が横方向で一列にならないようにする。
【0012】
また、S字形またはZ字形のブロック列において、隣接S字形ブロックのオーバーラップ量がブロック周方向長の15〜45%であるのが好ましい。
【0013】
なお、S字形またはZ字形ブロックを形成するため、分岐溝の主溝近傍部のタイヤ赤道面に対する傾斜角度αと、分岐溝の連結部分の傾斜角度βが、それぞれ45°≦α≦90°および0°≦β≦45°であるのが好ましい。
【0014】
また、S字形またはZ字形ブロックは、その周方向端縁部分のタイヤ軸方向幅がブロック周方向長の20〜60%であり、そのタイヤ軸方向最大幅がショルダブロックのタイヤ軸方向最大幅の1.0〜1.6倍であるのが好ましい。
【0015】
さらに、トレッド中央域内に配列したS字形またはZ字形ブロックの2列が好ましくは方向性パターンを形成する。
【0016】
本発明に係る空気入りラジアルタイヤおいて、トレッドパターンをトレッドの中央域で周方向に延びる少なくとも3本の主溝と、該主溝間に配列されたS字形またはZ字形ブロックの列で、該列内の隣接ブロック同士が周方向で部分的にオーバーラップされてなるブロック列と、トレッドの両側域にそれぞれ配列されたショルダブロックの列とから構成したことにより、ブロックの単位面積あたりの剛性およびエッヂ成分が増大し、耐摩耗性、摩耗寿命、ウェット性能、氷雪性能、耐騒音性および排水性が向上する。特に、トレッド中央域でのブロック剛性が低下させることなく制動、駆動力に有効なブロックエッヂ成分を増加させることができるので、ウェット路面およびドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。
【0017】
本発明に係るブロックタイプトレッドパターンにおいては、S字形またはZ字形ブロックをショルダブロックから周方向にずらしてこれらブロックを画成する溝が横方向に一列にならないようにすることにより、ブロックパターンに特有の偏摩耗、特にヒールアンドトウ摩耗の発生を抑制することができる。
【0018】
本発明において、トレッド中央域で隣接主溝から互い違いに平行に切り込んだ主溝近傍部と、該主溝近傍部を結ぶ連結部分とで構成された2個所以上の屈曲点を有する分岐溝を、トレッドの周方向に所定の間隔をおいて設けることにより、該隣接主溝間に複数のS字形またはZ字形のブロックよりなる列が形成されている。この場合、該ブロック列内の隣接ブロック同士が周方向で部分的にオーバーラップされており、そのオーバーラップ量はブロック周方向長の15〜45%、好ましくは35〜40%である。このように隣接したS字形またはZ字形ブロックをオーバーラップさせると、ブロックの動きが低減され、耐偏摩耗性が向上するとともに、タイヤ騒音が減少する。オーバーラップ量は、個々のブロックの動きを低減させるためには大きいほうが良く、最低でもブロック周方向長の15%が必要である。しかし、45%を超えると、個々のブロック形状の周方向端部が鋭角になり、逆に該ブロック端部の動きが増大し、耐偏摩耗性が劣り、タイヤ騒音も増加して好ましくない。
【0019】
隣接主溝間にS字形またはZ字形に屈曲させて設けた分岐溝において、該分岐溝の主溝近傍部の溝深さは主溝の溝深さと実質同等で、分岐溝の連結部分の溝深さは主溝の溝深さより浅くする必要があり、好ましくは1/2以下にする。このようにして、S字形またはZ字形ブロックの剛性を高めることができ、ブロック変形量を低減することができる。しかし、分岐溝全体の溝深さを主溝深さより浅くすると、摩耗末期でのウェット性能が低下するので、特に分岐溝の主溝近傍部では主溝深さと実質上同等とする必要がある。
【0020】
この場合、分岐溝の主溝近傍部の幅(B)と、ブロック中央部でのブロック幅(A)とが0.1×A≦B≦0.40×A、好ましくは0.30×A≦B≦0.35×Aの関係式を満足するようにする。
【0021】
上述した隣接分岐溝と主溝間に画成されたS字形またはZ字形ブロックは、主溝が直線溝の場合、辺の数が8個で、主溝がジグザグ溝の場合、辺の数が8個以上になる。辺の数を8個以上にすることは、操縦安定性と耐偏摩耗性とを両立させるのに一層有利になる。
【0022】
S字形またはZ字形ブロックを形成するための分岐溝の主溝近傍部のタイヤ赤道面に対する傾斜角度αと、前記分岐溝の連結部分の傾斜角度βが、それぞれ45°≦α≦90°および0°≦β≦45°であるのが好ましい。特に、傾斜角度α、βは75°、30°程度が好ましい。傾斜角度αが45°未満で、かつβが45°を超えると、ブロック端部が鋭角になりすぎ、該ブロック端部の剛性が低下し、ブロックの動きの増大を招くことになる。
【0023】
上述した構造のS字形またはZ字形ブロックにおいて、ブロック幅と長さの比を適正化することが特に重要である。すなわち、かかるブロックの幅/長さの比を大きくしていくと、タイヤ軸方向のエッヂ成分は増加するが、タイヤ周方向のブロック剛性が低下するため、ブロックの接地性が減少し、ウェット性能が低下する方向になる。従って、S字形またはZ字形ブロックは、その周方向端縁部分のタイヤ軸方向幅がブロック周方向長の20〜60%、好ましくは30〜50%とする。この場合、ウェット性能が向上するとともに、ブロック剛性も十分に確保することができる。
【0024】
また、S字形またはZ字形ブロックのタイヤ軸方向最大幅がショルダブロックのタイヤ軸方向最大幅の1.0〜1.6倍、好ましくは1.4倍付近とする。かかる最大幅の比が1.0倍未満の場合、S字形またはZ字形ブロックのエッヂ成分が減少するとともに、溝面積も減少してウェット性能が低下し、一方1.6倍を超えると、ブロック剛性が減少して耐偏摩耗性が低下するので好ましくない。
【0025】
さらに、トレッド中央域内に配列したS字形またはZ字形ブロックの2列が好ましくは方向性パターンを形成する。特に、隣接する2列のブロック列がタイヤ赤道面で実質的に線対称の関係で配列すると、耐偏摩耗性とともに、氷雪性能、ウェット性能および耐騒音性が向上する。このようにS字形またはZ字形ブロックを方向性パターンになるように配列すると、水を左右同方向に流すことができるので、湿潤路面走行に際し、迅速な排水により有効な接地面積を確保することができ、雨天時の牽引性、制動性を向上させることができる。また、負荷転動時にブロックの変形、振動により発生する踏面内の空気流れが速やかに踏面外に排出され、空気のよどみや空気流れのぶつかり合いがなくなり、耐騒音性(静粛性)も改善される。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るブロックタイプトレッドパターンの一例を図面を参照して説明する。
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤに用いるブロックタイプトレッドパターンの第1例を、トレッドの部分平面展開図として図3に示す。図中、1,2はトレッドTの中央域でその外周に沿ってジグザグ状に延びる3本の主溝で、中央主溝1と両側主溝2とする。3は隣接主溝1,2間に挟まれた陸部にその両側入隅凹部で互いに平行に該主溝1,2から互い違いに切込んだ主溝近傍部を有する分岐溝である。4はこれら隣接する主溝近傍部を一つおきにつなぐ連結部分である。5は主溝1,2と、連結部分4を備えた分岐溝3とにより画成されたZ字形ブロックである。6はトレッドの両側域、すなわちショルダ部分にタイヤ周方向に所定間隔で設けた横溝7により画成されたショルダブロックである。
【0027】
図3に示すように、トレッド中央域内の陸部に形成されたZ字形ブロック5からなるブロック列により、ブロック剛性を低下させることなく、制動、駆動力に有効なブロックエッヂ成分をトレッド中央域で増加させることができ、これによりウェット路面およびドライ路面での操縦安定性を向上させることができる。また、各ブロックは屈曲点が2箇所以上あり、また辺の数が8個以上あるので、操縦安定性の向上とともに耐摩耗性の低下防止に有利である。
【0028】
トレッド中央域のZ字形ブロック5は、図3に示すように、トレッド両側域のショルダブロック6に対し周方向に1/2ピッチだけずれて、これらブロックを画成する溝3,7が横方向で一列にならないように配列されている。
【0029】
周方向に隣接するZ字形ブロック5同士のオーバーラップ量(O)は、ブロック周方向長(L)の15〜45%の範囲内にある。
【0030】
隣接主溝1,2間にZ字形に屈曲させて設けた分岐溝3において、該溝の主溝近傍部の溝深さは主溝1,2の溝深さと実質同等で、ブロック中央部での主溝近傍部を結ぶ連結部分4の溝深さが主溝の溝深さより浅く、好ましくは1/2以下である。この場合、分岐溝3の主溝近傍部の幅(B)は、ブロック中央部でのブロック幅(A)に対し0.1xA≦B≦0.40xAの範囲内にある。
【0031】
Z字形ブロック5を形成するための分岐溝3の主溝近傍部のタイヤ赤道面に対する傾斜角度αと、該分岐溝3の連結部分4の傾斜角度βが、それぞれ45°≦α≦90°および0°≦β≦45°の範囲内にある。
【0032】
Z字形ブロック5において、周方向端縁部分のタイヤ軸方向幅(W)はブロック周方向長(L)の20〜60%範囲内にある。また、Z字形ブロック5のタイヤ軸方向最大幅(C)がショルダブロック6のタイヤ軸方向最大幅(D)の1.0〜1.6倍の範囲内にある。
【0033】
本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤに用いるブロックタイプトレッドパターンの第2例を、トレッドの部分平面展開図として図4に示す。この場合、隣接主溝1,2間に形成されたブロック5の2列は、トレッド中央域でタイヤ赤道面に対し実質的に線対称の関係で配列されている。すなわち、これらブロックが方向性パターンを形成するので、図4に矢印で示すように、踏面内での水流または空気の流れが左右同方向に指向し、速やかに踏面外に排出される。図4に示す例においても、他の諸元は図3と同じである。
【0034】
図5は、本発明に係るブロックタイプトレッドパターンの第3例を示す。この場合、トレッド中央域に2本の中央主溝1と2本の両側主溝2とによりZ字形ブロックの列が3列設けられている。
【0035】
図6は、本発明に係るブロックタイプトレッドパターンの第4例を示す。この場合、3本の中央主溝1と、2本の両側主溝2とによりトレッド中央域にZ字形ブロックの列が4列設けられている。
次に、本発明を実施例につき説明するが、該実施例に限定するものではない。
【0036】
【実施例】
実施例1〜3,比較例1〜2
本例においては、22.5×7.50のリムに装着されるTBR11R22.5 14PRのタイヤサイズを有する重荷重用空気入りラジアルタイヤを供試タイヤとして用意した。なお、かかるタイヤは従来使用されているタイヤと同一の構造を有する。
【0037】
実施例1〜3のタイヤは、それぞれ図3に示す中央主溝1(溝幅:7.5mm,溝深さ:16.2mm)と両側主溝2(溝幅:12.0mm,溝深さ:16.7mm)をトレッドTの中央域に備えたブロックタイプトレッドパターンを有する。かかるパターンにおける主溝本数、SまたはZ字形ブロックの列数、隣接ブロックのオーバーラップ量(%)、B/A,傾斜角度α、βを表1に示す。
【0038】
比較例1のタイヤはコントロールとして図7に示すブロックタイプトレッドパターンを有し、比較例2のタイヤは図2に示すブロックタイプトレッドパターンを有する。かかるパターンの諸元も表1に示す。
【0039】
上記各タイヤを内圧8.0kgf/cm2にて2D4の車両に装着し、高速道主体路線(高速道:一般道が約90:10)で実車試験を行い、耐偏摩耗性、摩耗寿命および騒音について評価を行った。耐偏摩耗性および摩耗寿命は、比較例1を100として指数で表示し、数値が大なるほど、結果は良好である。騒音(dB/A)は比較例1をコントロールとしてこれに対する増減で示した。評価結果を表1に示す。
【表1】
【0040】
また、実施例1のタイヤにおいて、ブロックのB/A比を0から0.5まで変動させてウェット性能と、周方向剛性を測定して図8(a)および図8(b)に示す結果を得た。なお、ウェット性能は、摩耗末期の残主溝深さが6mmにおけるB/Aが0.5のときを100とした指数で表示し、周方向剛性は、新品時のタイヤを100とした指数で表示し、いずれも数値が大なるほど、結果が良好である。図8(a),(b)から、B/Aは0.1〜0.4の範囲内にあるのが好ましいことが分かる。
【0041】
さらに、実施例1のタイヤにおいて、Z字形ブロックの周方向端縁部分のタイヤ軸方向幅(W)を該ブロックの周方向長(L)に対して変動させて湿潤路面での制動性(ウェットブレーキ性)を評価して図9に示す結果を得た。制動性は、比較例2を100として指数で表示し、数値が大なるほど、結果が良好である。図9から明らかなように、W/L比が20〜60%の範囲内でウェットブレーキ性が110〜120%向上している。
【0042】
なお、実施例1のタイヤにおいて、Z字形ブロックのタイヤ軸方向最大幅(C)のショルダブロックのタイヤ軸方向最大幅(D)に対する割合を変動させることにより、ウェット性能と耐偏摩耗性とを実車走行試験により評価して図10に示す結果を得た。これらの性能は、比較例2を100として指数で表示し、数値が大なるほど、結果が良好である。図10から、C/D比が100〜160%の時に、ウェット性能と耐偏摩耗性との両立が図られ、特に140%付近で極めて高度に両立していることが分かる。
【0043】
実施例4
本例においては、図4に示すブロックタイプトレッドパターンを有するタイヤサイズTBR11R22.5 14PRの重荷重用空気入りラジアルタイヤを製造した。このパターンにおいて、主溝本数は3で、O/Lは38%である。
【0044】
このタイヤを内圧8.0kgf/cm2にて2−D4の車両に装着し、鉄板路面上を速度40km/時、定積荷重、水深3mmの条件下走行中に急制動をかけてウェットブレーキ性として制動距離を測定した。また、湿潤路面上で旋回してウェット旋回性能を評価した。評価結果を、比較例2を100として指数で表示すると(数値が小なるほど、結果が良好)、本例のタイヤはウェットブレーキ性が85で、ウェット旋回性能が90となり、ウェット性能が大幅に向上していた.
【0045】
また、実車走行の速度での通過騒音(dB/A)を測定して図11に示す結果を得た。図11から、比較例2のタイヤに比し騒音がすべての走行速度で低下していることが分かる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の空気入りタイヤ、特に重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、乾燥路面のみならず湿潤路面での操縦安定性を損なうことなく、耐偏摩耗性、摩耗寿命および耐騒音性を向上させることができ、また氷雪性能、牽引性、耐石噛み性等の向上も図ることができる。従って、オールシーズンタイヤまたは制動、駆動性を重視したタイヤとして有利に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は従来のトレッドパターンの一例を示すトレッドの部分平面展開図である。
【図2】 図2は従来のトレッドパターンの他の例を示すトレッドの部分平面展開図である。
【図3】 図3は本発明に係るブロックタイプトレッドパターンの第1例を示すトレッドの部分平面展開図である。
【図4】 図4は本発明に係るブロックタイプトレッドパターンの第2例を示すトレッドの部分平面展開図である。
【図5】 図5は本発明に係るブロックタイプトレッドパターンの第3例を示すトレッドの部分平面展開図である。
【図6】 図6は本発明に係るブロックタイプトレッドパターンの第4例を示すトレッドの部分平面展開図である。
【図7】 図7は比較例としてのブロックタイプトレッドパターンを示すトレッドの部分平面展開図である。
【図8】 図8aは実施例1のタイヤにおけるB/Aとウェット性能との関係を示すグラフであり、
図8bは実施例1のタイヤにおけるB/Aとブロックの周方向剛性との関係を示すグラフである。
【図9】 図9は実施例1のタイヤにおけるW/Lとウェットブレーキ性との関係を示すグラフである。
【図10】 図10は実施例1のタイヤにおけるC/Dとウェット性能と耐偏摩耗性との関係を示すグラフである。
【図11】 図11は実施例4のタイヤにおける速度と通過騒音との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1、2 主溝
3 分岐溝
4 分岐溝の連結部分
5 Z字形ブロック
6 ショルダブロック
7 横溝
Claims (7)
- トレッドの中央域で周方向に延びる少なくとも3本の主溝と、該主溝間に配列されたS字形またはZ字形ブロックの列で、該列内の隣接ブロック同士が周方向で部分的にオーバーラップされてなるブロック列と、トレッドの両側域にそれぞれ配列されたショルダブロックの列とからなるブロックタイプのトレッドパターンを有し、前記S字形またはZ字形ブロックは、前記主溝のうち隣接する2本の主溝と、これらから互い違いに平行に切り込んだ主溝近傍部、及び該主溝近傍部を結ぶ連結部分で構成された2個所以上の屈曲点を有する分岐溝とにより画成され、該分岐溝の主溝近傍部の溝深さは主溝の溝深さと実質同等で、分岐溝の連結部分の溝深さは主溝の溝深さより浅く、かつ、前記分岐溝の主溝近傍部の幅(B)と、ブロック中央部でのブロック幅(A)とが下記の関係式
0.1×A≦B≦0.40×A
を満足する空気入りタイヤ。 - 前記S字形またはZ字形ブロックを、前記ショルダブロックに対し周方向にオフセットする請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記S字形またはZ字形のブロック列において、隣接S字形またはZ字形ブロックのオーバーラップ量が該ブロックの周方向長の15〜45%である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記分岐溝の主溝近傍部のタイヤ赤道面に対する傾斜角度αと、前記分岐溝の連結部分の傾斜角度βが、それぞれ45°≦α≦90°および0°≦β≦45°である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記S字形またはZ字形ブロックの周方向端縁部分のタイヤ軸方向幅が該ブロックの周方向長の20〜60%である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記S字形またはZ字形ブロックのタイヤ軸方向最大幅が前記ショルダブロックのタイヤ軸方向最大幅の1.0〜1.6倍である請求項1記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド中央域内に配列したS字形またはZ字形ブロックの2列が方向性パターンを形成する請求項1記載の空気入りタイヤ。
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