しかしながら、機構板を開放又は取外す際には、複数の係止具を操作解除するのは面倒であり、しかも機構板の左右に設けられる係止具は、目立つため意識的に係止解除するが、上部に設けられる係止具は、つい忘れがちになり機構板を開放又は取外そうとした際に機構板が動かないのに気付いて、初めて機構板の上部の係止具を操作解除する等手間がかかっていた。また、係止具の取外しを簡単にすると、パチンコ球の球荷重により簡単に外れてしまい、意味のないものとなっていた。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、機枠に前面枠が閉鎖されたパチンコ遊技機の使用状態で確実に機構板を係止して、機構板の反り・撓みを防止するパチンコ遊技機を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、方形枠状の機枠の前面に前面枠を開閉自在に設け、前記前面枠の裏面側に球タンク等の裏機構部品を備えた機構板を着脱可能に設け、前記機枠に対し前面枠を閉じることで前記機構板が該機枠内に収納されるパチンコ遊技機であって、前記機構板の周縁部に係合する係止片を前記前面枠の裏面側に突設し、前記係止片は機構板に所定の係合量をもって係合する鉤状係合部と、前記鉤状係合部が機構板から離脱する前に前記機枠の内面に接触することで機構板からの離脱を阻止する背面部とを有し、前記機枠に対して前面枠を閉じた際に前記背面部が機枠の内面と対向位置して機構板の閉止状態が保持されるようにしたことを特徴とする。ここでいう「周縁部」とは必ずしも端部とは限らず、周縁に形成される係止孔等も含まれ、さらに周縁部に位置する球タンク等の裏機構部品をも含む。また、ここでいう「前面枠の裏面側」とは、前面枠に限られるものではなく、遊技盤取付枠等の前面枠の裏面側に位置するものを含む。前記機構板は、前面枠に対して回動自在又は着脱自在に設けられるものであってもよい。また、機構板は1枚ものであっても複数に分割形成されたものであってもよく、該機構板に裏機構部品として必ずしも球タンクを設けなくてもよい。
請求項2記載の発明は、方形枠状の機枠の前面に前面枠を開閉自在に設け、前記前面枠の裏面側に球タンク等の裏機構部品を備えた機構板を着脱可能に設け、前記機枠に対し前面枠を閉じることで前記機構板が該機枠内に収納されるパチンコ遊技機であって、鉤状係合部を有する係止片を前記前面枠の裏面側に突設し、前記前面枠に対し前記機構板を装着した際に前記鉤状係合部を該機構板の周縁部に所定の係合量をもって係合させると共に、前記機枠に対し前記前面枠を閉じた際に、前記機枠の内面と前記係止片との隙間が前記係合量より小さくなるように設定することにより、前記機構板の閉止状態が保持されるようにしたことを特徴とする。また、ここでいう「係合量」とは、鉤状部と機構板と重なった部分の係止方向の距離を意味し、係合量が多いほど確実な係止が確保される。
請求項3記載の発明は、方形枠状の機枠の前面に前面枠を開閉自在に設け、前記前面枠の裏面側に球タンク等の裏機構部品を備えた機構板を着脱可能に設け、前記機枠に対し前面枠を閉じることで前記機構板が該機枠内に収納されるパチンコ遊技機であって、前記機構板の周縁部に係合する係止片を前記前面枠の裏面側に突設すると共に、前記機枠の内面と前記係止片との隙間に挟入する介在片を備え、前記機枠に対し前記前面枠を閉じた際に、前記介在片によって前記係止片の機構板からの離脱が阻止されるようにしたことを特徴とする。前記介在片は、前記係止片に一体に設けるようにしても別体に形成してもよく、別体に形成した際には機枠側に設けるようにしてもよい。このように、前記機枠の内面と前記係止片との隙間に介在片を移動可能に挟入させることで、係止片が機構板に係止した常態において、係止片が移動し得る隙間を機構板に係合している係合量より小さく設定して、係止片が機構板から無用に外れないようにでき、必要に応じて介在片を前記機枠の内面と前記係止片との隙間から後退させることで係止片の係合を解除することができる。
前記係止片の先端部を前記機構板が接触することにより該係止片が係止解除方向に作用するようにテーパー面として形成するのが好ましい。このように、係止片の先端部にテーパー面を形成することにより、係止片を直接操作することなく、機構板をテーパー面に押し付けるだけの簡単な作業で機構板を係止することができます。
また、方形枠状の機枠の前面に前面枠を開閉自在に設け、該前面枠の裏面側に球タンク等の裏機構部品を備えた機構板を着脱可能に設けたパチンコ遊技機であって、鉤状係合部を有しかつ弾性を付与した係止片を前記機枠の内側面に接触し得るように前記前面枠の裏面側に突設し、前記前面枠に対し前記機構板を装着した際に前記鉤状係合部を該機構板の周縁部に所定の係合量をもって係合させるとともに、前記機枠に対し該前面枠を閉じることで該機構板が該機枠内に収納された際に、前記機枠の内面によって前記係合量が最大となるようにするのがよい。また、前記係止片の機枠側の端面を先端に向かってテーパー状に形成するのが好ましく、機枠と接触した際に確実に係止片を内方(係止方向)に撓ませることができる。ここでいう「弾性を付与」とは係止片自体を合成樹脂等により形成することにより、その材質の特性により弾性を付与するようにしても、スプリング,ばね等の弾性部材により弾性を付与するようにしてもよい。前記係止片には、機構板の周縁部に所定の係合量をもって係合する鉤状係合部が形成され、前記機枠の内側面に対向して前面枠の閉鎖時に該機枠の内側面に接触し得る作用片を設けるのが好ましい。
前記係止片を別体に形成するのが好ましく、係止片が破損しても交換が容易であり、前面枠又は遊技盤取付枠と一体に形成するのと比して成型コストの低減化が図られる。前記係止片の取付手段は限定されるものではなく、ビス,弾性係止片により取着する等任意に選択し得る。
前記係止片を着脱自在に設けると共に、前記前面枠に前記係止片の取着部を複数箇所に設け、任意で係止片の取付位置を変更し得るようにするのが好ましい。
また、前記係止片の取付け個所は、限定されるものではなく、機構板に対して上部であっても、左右両側又は下部であってもよい。前面枠を閉鎖した状態で係止片の移動し得る隙間が係止片の係合量より少なく設定し、係止片が機構板から外れないようにすればよい。
また、係止片を前面枠側に設けるようにしたが、係止片を機構板側に設けて該係止片が前面枠側に係止するようにしても同様の効果を奏することができる。つまり、方形枠状の機枠の前面に前面枠が開閉自在に設けられ、前記前面枠の裏面側に球タンク等の裏機構部品を備えた機構板が装着されるパチンコ遊技機であって、前記前面枠及び機構板とを所定の係合量をもって係合する鉤状係合部を備えた係止片を前記前面枠又は機構板のいずれかに突設し、前記前面枠を機枠に対して閉鎖し前記機構板が該機枠内に収納した際に、前記係止片と機枠との隙間を前記係合量より小さく設定すればよい。
また、係止片は機枠の内側面により直接規制することなく、別部材を介して係止片の解除方向への変位量を規制するようにしてもよい。例えば、前面枠を機枠に係止する受金具によって、係止片の解除方向への変位量を規制するようにすればよい。
前記係止片は回動自在に設けるようにしてもよく、好ましくはスプリング等の弾性部材により係止方向に付勢させるのがよい。また、係止片の取付位置によっては、弾性部材を設けることなく自重により係止方向に回動させるようにしてもよい。
上記のように構成されたパチンコ遊技機は、所定の係合量をもって係合する係止片によって機構板を係止することにより反りや歪みを抑止して、特に前面枠を閉鎖した状態で係止片と機枠との隙間を係止片の係合量より小さく設定することで、係止片の係合が確実なものとなり、ひいては機構板の反りによる球誘導樋等における球止まりを確実に防止することができる。
本発明によれば、前面枠が機枠に閉鎖されたパチンコ遊技機の使用状態で、確実に機構板を係止して該機構板の反り・撓みを防止すると共に、機構板を開放又は取外す際には簡単に機構板の係止を解除することができる。
次に、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。図1はパチンコ遊技機の正面図、図2はパチンコ遊技機の裏面図である。図において、1は方形枠状に形成されたパチンコ機の機枠、2は前記機枠1の前面にヒンジ機構3により開閉自在に装着される前面枠であり、該前面枠2の裏面側に設けられる遊技盤取付枠4に遊技盤5が着脱自在に取着され、該遊技盤5は前面枠2の前面に開閉自在に設けられるガラス扉枠6を介して視認し得るように設けられる。さらに、ガラス扉枠6の下方には打球供給皿7が設けられ、その下方には前記打球供給皿7の余剰球を貯留する余剰球受皿8が設けられている。また、前記前面枠2の裏面側には機構板9が一側をヒンジ具10により枢支して開閉自在に設けられている。
前記前面枠2の裏面上部には、図4及び図5に示すように遊技盤取付枠4の上方であり、ほぼ中央位置に前記機構板9の周縁部に係合する係止片31をビス着により設けている。前記係止片31は合成樹脂により形成され、その材質により弾性が付与されており、先端に所定の係合量をもって係合する鉤状係合部32を有している。前記鉤状係合部32は、係止段部32aが形成され、該係止段部32aから先端に向かうテーパー面31aとして形成しており、該テーパー面31aに機構板9が接触して該係止片31を係止解除方向に作用するようにしている。また、前記係止片31は、前記前面枠2を機枠1に対して閉鎖し前記機構板9が、該機枠1内に収納された際に、前記係止片31の機枠1側の端面と機枠1の内面との隙間S1が前記鉤状係合部32と機構板9との係合量S2より小さく設定されるように取付けられる。ここでいう「係合量」とは、鉤状係合部32と機構板9と重なった部分の係止方向の距離を意味し、係合量が多いほど確実な係止が確保される。また、実施例において、係止片31の背面部に前記隙間S1を設定する帯片状の間隔規制部33を突設し、前記間隔規制部33の先端外面を先端に向けたテーパー面31bとすることにより、前面枠2を機枠1に閉じる際に、前記係止片31の先端が機枠1の前面壁に当たったとしても、前記テーパー面31bにより係止片31を機枠1の内面にスムーズに潜り込ませることができる。なお、前記間隔規制部33は必ずしも設けなければならないもではなく、係止片31の機枠1の内面と対向する背面部を間隔規制部として、直接機枠1の内面との隙間を規制し得る間隔に設定するようにしてもよい。
なお、前記前面枠2及びガラス扉枠6,機構板9の自由端は、前面枠2の裏面に設けられる施錠装置11によって施錠される。前記施錠装置11は、図7に示すように前面枠2の自由端の裏面に固設されるL字状の基板12と、前記基板12の長手方向に沿って摺動自在に設けられ前面枠2及びガラス扉枠6,機構板9を開閉するための施錠杆13と、前記基板12に取付けられるシリンダ錠15と、前記シリンダ錠15の錠軸に固着され前記施錠杆13の摺動方向に操作力を伝達し摺動させるカム板16とで構成されている。前記施錠杆13には、長板状の上下部に機枠1に設けられる受金具21に係止する上下一対の下向き鉤片22,22と、前記ガラス扉枠6の裏面に開口して設けられる係止部(図示せず)に係止する上向き鉤部材27と、前記機構板9に設けられる係合孔17に係脱する鉤状片18とが長孔19a〜19cを介して、スプリング23a〜23cによって常に鉤片22,鉤部材27,鉤状片18を施錠方向に付勢している。前面枠2を施錠する鉤片22は、施錠杆13に形成した長孔19aに一端を軸ピン14aにより摺動自在に設け、スプリング23aにより前記長孔19aの下端に軸ピン14aが当接するように付勢している。前記長孔19aは、前記鉤部材27の係合が解除される長さが選ばれる。次に、ガラス扉枠6を施錠する鉤部材27は、施錠杆13に形成した長孔19bに一端を軸ピン14bにより摺動自在に設け、スプリング23bにより前記長孔19bの上端に軸ピン14bが当接するように付勢している。このとき、前記長孔19bの長さは前記鉤片22の解錠範囲長さと、さらに鉤状片18の解錠範囲長さとをプラスした長さが選ばれる。また、機構板9の自由端を係止する鉤状片18は、一端が施錠杆13に形成した長孔19c及び基板12に形成したガイド長孔20に軸ピン14cを介して回動自在に設けられ、スプリング23cにより前記基板12に形成したガイド長孔20の下端に軸ピン14cが当接するように付勢している。このとき、施錠杆13に形成された長孔19cは、前記鉤部材27及び鉤片22の係合が解除される長さをプラスした長さとして、常には軸ピン14cがガイド長孔20の下端に位置すると共に長孔19cのほぼ中央に位置している。28は施錠杆13を手で操作する操作部である。また、前記施錠杆13には、前記カム板16がガラス扉枠6の解錠時に係合する凹欠係止部29a及び前面枠2の解錠時に係合する係止段部29bが形成されている。そして、鍵の操作によりカム板16の操作力を施錠杆13に伝達して、鉤片22又は鉤部材27を解錠方向に摺動させ、前面枠2及びガラス扉枠6を解錠するようにしている。また、機構板9の解錠は、前面枠2を開放して操作部28を操作して施錠杆13を上動させ、前記鉤状片18と係合孔17との係合を解除して機構板9が開放される。25は、基板12に設けられるガイド片であり、先端が機構板9側に下傾して、機構板9の閉鎖時に自由端側が荷重によりに下傾するのを所定位置に誘導し、前記鉤状片18が係合孔17に対向位置して係合しやすくするものである。なお、前記シリンダ錠15及び鉤片22,鉤部材27,鉤状片18の設置位置は実施例に限定されるものではなく、突出量等は任意に設定可能である。
前記機構板9は、前記遊技盤5の後面が臨む開口窓35が開設され、該開口窓35を閉塞するように所定高さを有するカバー部材34が機構板9と一体に突出形成されている。そして、前記開口窓35の周囲に球タンク36等の多くの裏機構部品が固着されている。前記球タンク36は、図4及び図8に示すように上面が開口する平面略長方形の箱状に形成されたタンク本体36aと、板状部材36bとで構成している。そして、前記板状部材36bを球タンク本体36a内に装着して、パチンコ球が貯留される球貯留部37とパチンコ球を整列して流下させる球整流部38とを区画している。前記板状部材36bの上面はほぼ平坦面であり、僅かに厚みを有する枠板状に形成され、下流側に球貯留部37のパチンコ球を球整流部38に流出させる球導出口39が開設されると共に、該球導出口39の前後両側開口縁にパチンコ球の半球程度の段部により球崩し部40が隆起して形成されている。前記球整流部38は、前記球導出口39の下方に位置して拡幅状に形成された球受け部41と、該球受け部の下流側に連設してパチンコ球が1列又は半複列で流下する凹溝状の整流路42と、該整流路42に並列して段状に設けられ該整流路42に下流側で合流するように設けられる補助通路部(図示せず)によって構成している。前記整流路42は実施例において約18mmの通路幅としてパチンコ球が球心をずらしてランダムに流下し得るようにしている。なお、43は球受け部41及び整流路42に敷設される金属板であり、パチンコ球の流下による磨耗を防止すると共に静電気のアースとしての用をなす。該球タンク36は、後述する傾斜樋44aと共にカバー部材34の立壁34aにより下端を支持されている。
前記整流路42の下流には、図9に示すように球誘導樋44が接続され、該球誘導樋44は開口窓35の上方に位置する傾斜樋44aと開口窓35の側方に位置する屈曲樋44bとにより逆L字状に形成されている。そして、前記屈曲樋44bは、一条で導かれる供給通路45を機構板9に対して垂直方向に屈曲させて、幅方向より奥行き幅が長くなるように機構板9に立設して前記カバー部材34に沿うように設けられ、その支持部にはリブ壁34bを設けて立壁34aを補強すると共に前記球誘導樋44の側面の支持を確実なものとしている。また、前記球誘導樋44の上部には配電盤46が設けられ、多数の配線Hが接続されている。なお、前記球タンク36の球導出口39を後面壁端部又はその近傍に形成し、それに伴って前記整流路42及び傾斜樋44aを前記カバー部材34の後端近傍位置となるように設け、遊技盤5裏面の空間部を広くすることができ有効活用できる。
前記球誘導樋44の下流側には、図9に示すように球払出装置47が前記屈曲樋44bと同様にカバー部材34に沿うようにして機構板9に立設されている。前記球払出装置47は、図11に示すようにほぼパチンコ球の径に等しい薄型箱枠状のケース体48に前記屈曲樋44bの供給通路45と連通する球通路49と、前記球通路49に進退自在に臨み最先のパチンコ球を制御支持する払出制御体50と、前記払出制御体50を駆動する電気的駆動源としてのソレノイド51とを備え構成している。そして、前記払出制御体50の上方に位置して鉛直面内で球荷重により回動する回転規制体52が回動自在に設けられ、球通路49を流下するパチンコ球の流速を制御すると共に、所定間隔をもって払出制御体50に導くようにしている。そして、ソレノイド51の励磁により払出制御体50を回動させて、前記打球供給皿7に導く排出通路53に排出させるようにしている。また、払出制御体50の下流側に球抜き装置54を設けて、操作部材55の操作により払出制御体50を回動させると共に通路を球抜き通路56に切り替えるようにしている。このように、本実施例において球誘導樋44及び球払出装置47を横幅寸法より奥行幅寸法の長いほぼ一列状に設けることで、開口窓35の大型化を図ることができ、近年複雑化する遊技に伴って遊技盤5の表示装置等の役物が大型化かつ複雑化しても容易に対応することができる。
また、前記開口窓35の下方に入賞球集合樋57が設けられ、その後面を覆うようにパチンコ球の払出しを制御する払出制御基板58及び遊技内容を制御する基板ボックス59が設けられる板状部材60が一端を前面枠2に軸支して単独で開閉し得るように設けられ、他端はナイラッチ等の係止具61により係止されている。つまり、板状部材60は機構板9と共に開放され、係止具61を外すと単独で開放される。なお、板状部材60には静電気を除去すると共に補強用の鉄板を添設するのが好ましい。また、前記板状部材60は、開放端を前面枠2側に係止するようにしてもよく、このとき、前記入賞球集合部57側に緩やかな湾曲又は山形状として、その湾曲により機構板9の下部を前面枠2側に圧着させることで、機構板9が後面側に撓むのを防止する効果を奏することができる。このため、別途機構板9の下部を固定し、撓みを防止する係止具を設ける必要がなくなる。なお、もともと撓みやすい入賞球集合樋57を前面枠2側に僅かに湾曲させるようにしても後面側への撓みを防止することができる。また、前記係止具61を図12に示すように、前記機構板9の係止具と同様に前記施錠装置11に鉤状片18等を設けるようにしてもよい。このとき、板状部材60は機構板9に仮止めするのが好ましく、機構板9を開放した際に板状部材60がフリー状態とならないようにするのがよい。さらに、好ましくは前記機構板9を閉鎖する際に板状部材60の係合部が鉤状片18に当接して、その勢いで機構板9との仮止めが外れないようにするために、板状部材60が重合する機構板9に板状部材60の係合孔17に重合し連通する透孔を形成した係合片を設け、機構板9の閉鎖時に前記鉤状片18を先ず係合片26に接触させてから、板状部材60の係止孔17に係合するようにするのがよい。このとき、機構板9の係合片26の透孔端部より板状部材60の係合孔17端部の方が上方に位置するようにして、確実に係合片26に鉤状片18が先に接触させるようにするのがよい。さらに、機構板9の係合片26の透孔端部を板状部材60の係合孔17端部側に僅かに屈曲させることでより確実に鉤状片18を係合孔17端部より先に係合片に接触させることができる。なお、板状部材60は単独で開閉し得るように前記施錠装置11に鉤状片18を設けるようにしてもよい。つまり、板状部材60の鉤状片18の解錠操作をしても機構板9の鉤状片18が作用しないように単独で可動するように、施錠杆13に長孔を設けるのがよい。
前記ヒンジ具10は、図9及び図10に示すように前面枠2側に取着される上下固定ヒンジ部材62と機構板9側に取着される上下可動ヒンジ部材63とにより構成されている。そして、前記上下固定ヒンジ部材62は鋼やステンレス等の金属製の連結部材68の上部及び下部に一体的に形成され、前記上下可動ヒンジ部材63は鋼やステンレス等の金属製の補強フレーム64の上部及び下部に一体的に形成されている。この実施例において、固定ヒンジ部材63には軸孔65が開設され、可動ヒンジ部材63には前記軸孔65に嵌挿される軸ピン66が垂下されている。なお、ヒンジ具10は、この実施の形態に限ることなく、固定ヒンジ部材62に上向の軸ピン66を設け、可動ヒンジ部材63に軸孔65を開設するようにしてもよい。また、前記連結部材68には、前記可動ヒンジ部材63が接触し、前記軸ピン66の軸線が前記軸孔65内に位置するように位置決めするガイド部67が、前記固定ヒンジ部材62と所定間隔(軸ピン66の長さ以下)隔てて設けられ、該ガイド部67と連結部材68とで形成されるL字型のコーナー部に、可動ヒンジ部材63を当接させ位置決めがなされる。なお、下方のガイド部67は、連結部材68とは別体に形成され、スポット溶接,リベット止め又はビス着により連結部材68に固着されている。そして、前記ガイド部67は、さらに延設して外方に屈曲して形成され、機枠1の後面又は機枠1に形成した係合部に係止する係止片122を設けている。これは、前面枠2の軸支側を撓ませてその隙間から針金等の不正具を挿入して行われる不正行為を防止するためのもので、前面枠2を機枠1に対して閉鎖した際に前記係止片122が機枠の後面に係止して、機枠1と前面枠2との間に隙間ができないようにしている。なお、前記係止片122は、ガイド部67と一体に設けることなく、位置を違えて係止片122を単体で設けるようにしてもよい。また、係止片122をスポット溶接又はリベット止めにより連結部材68に取付け、さらに前記係止片122を連結部材68に取付けると共に前面枠2に対して連結部材68を取付けるようにビスにより共締めするのが好ましい。なお、連結部材68を屈曲させて係止片68を一体に形成するようにしてもよい。また、前記連結部材68には、遊技盤5の固定具84の取付部83が一体に設けられており、該取付部83に固定具84が回動自在にビス着されている。連結部材68に形成された窪み部(図10上部)は、遊技盤5を外す際に固定具84に設けられた押圧突部84aが干渉しないようにする逃げ部である。なお、図上固定具84の取付部83を一箇所としているが、遊技盤5の中央又は下方等に位置するように複数箇所に設けてもよいのはいうまでもない。前記板状部材60のヒンジを補強フレーム64に設けるようにしてもよく、例えば補強フレーム64に上向に突設した軸ピンを設け、板状部材60側に軸孔を有するヒンジ部を設けるようにすればよい。
前記補強フレーム64は、図10に示すように一側が開放したコ字状として配線収納部69を形成し、その配線収納開口に合成樹脂製の蓋部材70を開閉自在に設けている。前記蓋部材70は、一側に支軸71を形成し他端に係止爪72を設けて、所定個所に球払出装置47等の配線を導く窓部70aが形成されている。前記支軸71の近傍にスリットを設けて該支軸71に弾性を付与し、前記係止爪72の近傍にスリット又は透孔を形成して弾性を付与するのが好ましい。また、前記支軸71の軸支片73は補強フレーム64の端部を屈曲して形成され、軸支片73に形成された軸孔74に前記支軸71を挿通して軸支され、他端の係止爪72は補強フレーム64に形成された係止孔75に係止して固定される。このとき、支軸71及び係止爪72に弾性を付与しているため、装着作業が容易となる。さらに、前記補強フレーム64を延設して、前記球誘導樋44及び球払出装置47の側壁を支持する支持片76を設けている。該支持片76は前記球誘導樋44及び球払出装置47の側壁に沿った形状として、該側面をガードすると共に前記屈曲樋44b及び球払出装置47の側面を支持して側方への倒れを防止するように機能している。また、前記蓋部材70をクリア材で成型するのが好ましく、配線収納部69の配線収納状態を視認することができる。また、前記屈曲樋44b又は球払出装置47に設けられるアース用の鉄板と前記補強フレーム64とを接触させて静電気を放電させるようにしてもよく、アース線を配線する煩わしさはない。さらに、球払出装置47の電気的駆動源としてのソレノイド51,モータを、前記補強フレーム64に接触させて放熱させるようにして、駆動効率を高めるようにしてもよい。
このように形成されたヒンジ具10は、ビス着によりそれぞれ前面枠2及び機構板9に固着される。そして、配線収納部69に配線Hを施すには、蓋部材70を開放して配線収納部69を露呈させ、配電盤46に接続された配線Hを収納部69に沿って収納し、蓋部材70の係止爪72を係止孔75に係止して収納部69の開口を閉鎖すればよく、簡単に配線が収納できて操作性がよい。そして、配線収納部69に収納された配線Hは、払出制御基板58,基板ボックス59に接続される。また、配線収納部69が後面側に開口しているため、前面枠2が閉じた状態でも蓋部材70が開放でき、配線処理を行うことができる。このように、配線収納部69を導電性部材である金属製の補強フレーム64により形成し配線を収納することにより、ノイズを遮断し遊技の誤作動等を防止するという優れた効果を奏します。なお、配線Hをヒンジ具10に設けた配線収納部69に収納するため、ヒンジ具10による機構板9の開閉時に該配線Hがヒンジ部材62,63と接触して支障をきたさないように、機構板9に凹溝を形成したりガイドリブを設けたりして、確実に配線収納部69に導かれるようにするのが好ましい。また、当然のことではあるが、配線Hはバンド等により結束して配線収納部69に収納するようにしてもよい。
また、機構板9の自由端側には、図7に示すように前記上下係合孔17の開口端を補強すると共に、鉤状片18との係合具合を調整する補強板78が機構板9の側縁に沿って設けられる連結プレート79により一体に形成されている。そして、連結プレート79は一部を断面L字状に形成しており、ほぼ中央に前記ガイド片25に接触して機構板9を所定位置に導く規制片80が設けられている。前記連結プレート79は、前記補強板78及び規制片80の上端に設けられる5mm〜10mm程度の取着用舌片78a,80aを機構板9の側縁に形成される下向き袋状の挿通孔81に挿通して、前記規制片80の近傍にビスを螺締することで取付けられる。
次に上記構成の機構板9の装着について説明する。まず、機構板9の可動ヒンジ部材63の端部をガイド部67に当接させて軸ピン66の軸線を固定ヒンジ部材62の軸孔65内に位置させ下方にスライドさせると、軸ピン66が軸孔65に挿通されて機構板9が前面枠2に対して開閉自在に装着される。そして、機構板9の自由端側を遊技盤5に押し付けるように閉鎖すると、連結プレート79の規制片80が施錠装置11のガイド片25に接触して機構板9を所定高さ位置に誘導すると共に、係合孔17に鉤状片18が臨んで、該鉤状片18が補強板78に接触して一旦下向き回動させる。そして、スプリング23cの付勢により鉤状片18が復帰回動して係合孔17に係合し、機構板9が遊技盤5に密着状に固着される。また、機構板9を閉鎖する際に、前記係止片31の先端が機構板9の周縁上端に接触し、係止片31が図6鎖線に示すように弾性により上方に撓んで機構板9の閉鎖と同時に鉤状係止部32が機構板9の裏面に係合する。このとき、係止片31の先端がテーパー面31aとなっているので、作業者は直接係止片31に触れることなく係止片31を撓ませ機構板9に係止させることができる。このように、機構板9の上部中央に前記係止片31が係止することにより、遊技盤5の裏面との密着状態が常時確固と維持され、反りや歪みが抑止される。そして、このように機構板9を装着した前面枠2を機枠1に対して閉鎖すると、前面枠2の自由端の施錠装置11の鉤片22が受金具21に係止して施錠される。このとき、図5に示すように前記係止片31の上端と機枠1の上枠の下面との隙間S1が、前記鉤状係止部32と機構板9との係合量S2より小さく設定されているため、万一、球タンク36に収容されるパチンコ球の球重量により機構板9が後方に拡開しようとする作用力が加えられて、係止片31が外れる方向に反って撓もうとしても、同図鎖線に示すように係止片31の間隔規制部33の上端面が機枠1の内面に当接して、それ以上係止片31が上動することができないので、鉤状係合部32が機構板9から外れることがなく、確実に機構板9の固定状態を保持することができる。
次に、機構板9を開放させるには、鍵によりシリンダ錠15を操作してカム板16を回動させて、施錠杆13を上動させ鉤片22と受金具21との係合を解除して前面枠2を開放させる。そして、前面枠2を開放させた状態で、施錠杆13の操作部28を操作して該施錠杆13を上動させ、図6鎖線に示すように鉤状片18を回動させて係合孔17との係合を解除して、機構板9が開放し得る状態となる。なお、前記係止片31は機構板9の周縁上端に係止した状態にあるが、機構板9を開放させるとその開放動作により係止片31が撓んで、機構板9の裏面との係合が外れ、機構板9が確実に開放することができる。
このように、機構板9の開閉操作の際には係止片31を直接操作することなく、係止片31の撓みを利用して係脱することができ、しかも、前面枠2を閉鎖した状態では、機枠1の内面端縁に係止片31が接触することにより、その鉤状係合部32の離脱が阻止される。したがって、機構板9の装着が扱いやすく、取付けが確実なものとなる。なお、前記係止片31は、該係止片31の下面と遊技盤取付枠4の上面との間に、係止片31が撓み得る空間部Kを有して取付けられ、係止片31は機構板9との係合状態でさらに係止方向に撓み得るようにしている。このとき、鉤状係合部32は前面枠2が機枠1から開放された状態で、機構板9に鉤状係合部32の一部が係止している状態にあり、万一前面枠2の閉鎖時に係止片31の外側面が機枠1の内側面に接触しても、空間部によって係止片31が内方に撓み得るため、前面枠2は何の支障もなく閉鎖することができる。却って、機構板9との係合量が増大し、機構板9の取付けを確実なものとして、機構板9の反り・撓みを防止することができる。また、機構板9が所定の角度以上に回動すると、前記可動ヒンジ部材63の水平板状部が、ガイド部67の下方に入り込み該ガイド部67により可動ヒンジ部材63の上動が阻止されて、機構板9の連繋が外れることはない。このため、機構板9を開放した際の勢いによって機構板9が外れることがない。
図13は係止片31の他の実施例を示し、前記実施例と異なる点は、予め係止片31を内方(係止方向)へも撓み得るように弾性を付与して鉤状係合部32側に空間部を有して設けると共に、前面枠2の閉鎖時に係止片31と機枠1の内側端面とが接触し得るようにした点である。実施例において、係止片31の背面部に機枠1の内側端面と接触する作用片86を設けて説明するが、該作用片86は必ず設けなければならないものではなく、係止片31の背面部を直接機枠1に接触させるようにしてもよい。前記作用片86は、機枠1の内側端に接触し、係止片31が機枠1の内側に潜り込むように先端に向かうテーパー面31bとしている。このとき、係止片31の鉤状係合部32は、前面枠2の開放状態で機構板9に係止している常態で、係止片31が内方に撓んでもさらに係止し得る余裕を持たせた大きさに形成している。つまり、常態では鉤状係合部32の先端の一部が機構板9に係止している状態となっている。そして、この状態で前面枠2を機枠1に対して閉鎖すると、前記作用片86の先端テーパー面31bが機枠1の内側端に接触し、係止片31が機枠1の内側に潜り込むように内側に撓み、機構板9との係合量が最大となり、より係止力を高めることができる。このように、前面枠2の閉鎖時に係止片31の係止力が高められるので、前面枠2が機枠1から開放されている時には、機構板9は多少のがたつきがあっても仮止め程度の係止力で係止されていればよく、前面枠2を機枠1に対して閉鎖した際には、常に機枠1によって係止片31が係止方向に押され係止力が増すことになるため、機構板9を強固に固定することができる。また、逆に常態で係止片31と機構板9との係止具合に余裕(遊び)がないと、設計時に精密さが要求されることになりコスト高の要因となる。しかも、少しでも誤差があると、手を使わずに簡単に係止することができず、手間がかかることになる。このため、この係止片31を上部のみならず、側方または下方に設けることにより、前記した鉤状片18等の係止具を減らしたりなくしたりすることも可能となる。また、この実施例は、換言すれば、前面枠2を機枠1に対して閉じた際に、係止片31が機枠1の内面に接触することにより、鉤状係合部32が機構板9の周縁に係合するようにすればよい。極端にいえば、前面枠2の開放時に機構板9が閉鎖された状態でも、鉤状係合部32が機構板9に係合していなくてもよい。
図14及び図15は係止片31のさらに他の実施例を示す。この実施例は、前面枠2を機枠1に閉鎖した状態でも機構板9を開放し得るようにしたものであり、前面枠2を機枠1に対して閉鎖した常態では前記実施例と同様に、係止片31の解除が阻止されるように前記機枠1の内面と前記係止片31との隙間を調整する介在片として隙間規制片88を前記係止片31の機枠1側の端面と機枠1の内側面との隙間に進退するように移動自在に設けている。そして、該隙間規制片88が前記機枠の内面と前記係止片との隙間に挟入しているときには、係止片31が移動し得る隙間S3は、鉤状係合部32の係合量S2より小さく設定されており、隙間規制片88によって前記係止片31の機構板9からの離脱が阻止されている。また、前面枠2の閉鎖状態で前記隙間規制片88を前記係止片31と機枠1の内側間から後退させ、係止片31の係合量S2より該係止片31の背面部と機枠1の内側面との隙間S1が大きいことで、前記係止片31を解除し得るようになり、前面枠2を機枠1に閉鎖した状態で機構板9が開放できるようにした。なお、前記間隔規制片88は、必ずしも係止片31に一体的に設けることはなく、係止片31と別体に形成して該係止片31に一体的に取付けてもよく、さらには直接前面枠2,遊技盤取付枠4又は機枠1側に設けるようにしても同様の効果を奏することができる。
なお、図上前記鉤状係合部32の係止段部32aの形状をほぼ直角としたが、鈍角にすることにより機構板9から外れやすくすることができ、逆に該角度を鋭角にすることで外れ難くすることができ、任意に設定することができる。このとき、係止段部32aの形状を鈍角として機構板9から外れやすくしても、前面枠2の閉鎖時に係止片31が外れることはない。また、係止片31の取付けを、ビス着としたがその装着方法は必要に応じて変更可能であり、別途係止具により取着したり、補強板等により挟み込んだりして取着するようにしてもよい。また、例えば係止片31の基端部に二股の弾性係止片を設け、前面枠2には前記弾性係止片が係止する係合部を形成することにより、弾性係止片を係合部に係止して係止片31を固定するようにしてもよい。好ましくは、弾性係止片の係止部に返しを設けて引張りによって弾性片が内方に撓まないようにするのがよい。
また、前記係止片31の取付位置及び個数は何等限定されるものではなく、取付位置は機構板9に対して上部であっても、左右両側又は下部であってもよく、さらに取付場所は前面枠2に限らず遊技盤取付枠4に設けるようにしてもよい。また、係止片31は機構板9の周縁部に直接係止することなく、機構板9の周縁部に設けられる球タンク36等の裏機構部品に係止するようにしてもよい。また、係止片31は必ずしも機枠1の内面により直接規制することなく、別部材を介して係止片31の係止解除方向への変位量を規制するようにしてもよい。この係止片31の係止解除方向への変位量を規制する別部材は、別途設けることなく、例えば、係止片31を機構板9の側方に係止するように前面枠2の自由端側に設けた場合には、前記施錠装置11の鉤片22が係止する受金具21により係止片31の係止解除方向への変位量を規制するようにすればよい。このとき、係止片31の係止解除方向への変位量を規制する受金具21等の規制部材は、係止片31が機枠1の内面に入り込み易いように、機枠1の前端面に向かうテーパー面として形成するのが好ましい。また、係止片31を別途取付けるようにした際には、複数箇所にその係止片31の取付け部を設け、機構板9の撓み具合等により任意に取付け場所及び取付け個数を変更し得るようにするのが好ましい。また、係止片31は、前記前面枠2又は遊技盤取付枠4と一体に設けるようにしてもよい。また、鉤状係止部32の係止段部32a又は係止片31に対応する機構板9の周縁部に板ばね等を設けて係止状態を確実なものとなるようにしてもよい。
なお、前記係止片31は合成樹脂に限ることなく、金属片,板ばね等により形成して、弾性を付与するようにしてもよく、さらに、係止片31をスプリング,ばね等の弾性部材を介することにより、係止方向に弾性を付与するようにしてもよい。このとき、係止片31は図16に示すように回動自在に設けるか、又は摺動自在に設けるようにするのが好ましい。但し、係止片31の取付け場所によっては、弾性部材を介すことなく係止片31の自重によって係止方向に付勢するようにしてもよい。また、特に実施例に示したように、側方に設けた係止具31を鉤状片18として上動させることにより係止解除させる場合には、係止具31を図16に示すように回動自在として前記鉤状片18と係止片31とをリンク等により同調して動くように連携させ、前記操作部28を作用することにより機構板9を係止しているすべての係止具の係止を解除できるようにするのが好ましい。なお、前記係止片31を回動自在に設ける際には、軸支部を前面枠2又は遊技盤取付枠4に一体に形成するのが好ましい。
また、前記係止片31を前面枠2側に設けるようにしたが、係止片31を機構板9側に設けて該係止片31が前面枠2側に係止するようにしても同様の効果を奏することができる。前記機構板9を前面枠2に係脱する鉤状係合部32を有する係止片31を設け、前記係止片31により機構板9を係止した前面枠2を機枠1に閉鎖した状態で、前記係止片31の機枠1側の端面と機枠1の内側面との間隔を前記鉤状係合部32が機構板9に係止する係合量より小さく設定すればよい。また、機構板9は1枚ものであっても複数に分割形成されたものであってもよく、該機構板9に裏機構部品として必ずしも球タンク36を設けなくてもよい。当然のことではあるが、機構板9を分割形成した際にはそれぞれに係止片31を機構板9の四側(上下左右)周縁に対応して設けるようにすればよい。また、係止片31に替えて、前記受金具21を延設して直接機構板9の後面に当接させても、機構板9の撓み・反りを防止することができる。
なお、前記カバー部材34は実施例の形態に限られるものではなく、カバー部材34全体を機構板9と別体に形成しても、カバー部材34の立壁34aを機構板9と一体に形成し、その後面を閉塞する蓋部を別体に形成するようにしてもよい。なお、カバー部材34の下面の立壁34aは必ずしも設けなければならないものではなく、少なくとも上面及び側面があれば強度を保持することができる。つまり、立壁34aは下向きコ字状か逆L字状であればよく、側面の立壁34aを一側とした際には球払出装置47側の一側とするのが好ましい。このとき、他側は蓋部と共に開閉自在又は着脱自在に設けるようにすればよい。また、前記カバー部材34の側方に位置する球誘導樋44及び球払出装置47を、カバー部材34の立壁34aに沿うように直接取着するようにしてもよい。前記カバー部材34を機構板9と別体に形成した際には、該カバー部材34が球誘導樋44及び球払出装置47を備えたユニットとすることができる。なお、前記球誘導樋44及び球払出装置47の通路45,49の少なくとも一部をカバー部材34に設けるようにしてもよい。また、球払出装置47の配線を収納する配線収納部をカバー部材34に沿って設けるようにしてもよく、好ましくは球誘導樋44及び球払出装置47の後面に位置させて、球誘導樋44及び球払出装置47の後面を保護するように設けるとよい。なお、予め球誘導樋44及び球払出装置47をユニット化したユニットベースをカバー部材34に取付けるようにしてもよいのはいうまでもなく、前記ユニットベースに球誘導樋44及び球払出装置47を覆う保護カバーを設けることができる。さらに、ユニットベースに前記カバー部材34の蓋部を係止する係止部を形成するようにしてもよい。
前記実施例において、機構板9はヒンジ具10により開閉自在に装着されたが、固定具により直接機構板9を前面枠2に対して着脱自在に取着するようにしてもよく、図17を参照して前記実施例と同じ構成要素には同一符号を付して説明する。なお、係止片31は前記実施例と同様に機構板9のほぼ中央に位置して設けられる。そして、前記固定具は、図17に示すように前面枠2側に取着される上下係止部材としての鉤状片18と機構板9側に取着される上下係合部材90とにより構成され、前記上下係合部材90は補強フレーム64により一体的に形成され、前記補強フレーム64に該補強フレーム64を少なくとも一側とする配線収納部69が設けられている。具体的には、配線収納部69は補強フレーム64を屈曲して、該補強フレーム64を機構板9へ取着した際に一側が開口するように形成している。また、係合部材90は機構板9の前記鉤状片18に対応する位置に補強フレーム64により一体的に形成されている。また、係合部材90には鉤状片18が係合する係合孔89が開設され、該係合孔89を切欠して形成した切欠片89aの屈曲度合いによって、前記鉤状片18との係合度合いを調整することができる。一方、前記鉤状片18が設けられる連結杆91は、前面枠2に設けられる取付板87に対して摺動自在に配設している。前記連結杆91には操作部91aが屈曲して設けられている。このように、機構板9を軸支することなく着脱自在とした際には、機構板9の閉鎖状態を保持するガイド片等の支持手段を設けるのが好ましく、該支持手段は機構板9の装着時に機構板9の支点(位置決め)となるようにして鉤状片18と係合部17を係合させるのがよい。なお、支持手段は、機構板9の上部を引っ掛けるようにしても、機構板9の下部を戴置支持するようにしてもよい。このときの支持部は、好ましくは前記補強フレーム64及び連結部材68と一体に設けるようにするのがよい。また、固定具は実施例に示した鉤状片18に限定されることなく、鉤状片18を固定的なものとして係止具により係止する等、他に様々な形態が考えられる。
上記のように構成した機構板9は、連結プレート79の規制片80をガイド片25に支持させて、施錠装置11の鉤状片18と連結杆91に設けた鉤状片18とを係合孔17,89に係合させると共に、前記係止片31を機構板9の上端に係止させることにより、機構板9が前面枠2に対して着脱自在に装着される。そして、このように機構板9を装着した前面枠2を、機枠1に対して閉鎖すると、係止片31は機枠1の内側面により変位量が規制されて外れることはなく、球荷重による撓みも確実に防止することができる。また、機構板9を取外すには、前記実施例と同様に鍵により施錠装置11を操作して前面枠2を開放し、前記操作部28,91aを操作して施錠杆13及び連結杆91を上方にスライドさせることで鉤状片18と係合孔17,89との係合を外し、さらに機構板9を取外す時に前記係止片31が撓んで機構板9との係合が解除され、係止片31を直接操作することなく取外すことができる。
また、前記鉤状片18の係止解除を簡単にするために、鉤状片18が設けられる施錠杆13と連結杆91とを同時に操作し得るようにリンク部材等を介してレバー部材を設けるのが好ましい。このレバー部材を操作することにより、施錠杆13と連結杆91とが同時に可動して、鉤状片18と係合孔17,89との係合を一挙に解除することができ、機構板9の取外しが簡単となる。
また、前記遊技盤取付枠4に沿って設けられる前記取付板87及び前記施錠装置11の基板12を、遊技盤取付枠4を直接構成する一部又は一側としてもよい。さらに、該取付板87及び施錠装置11の基板12に、図17に示すように遊技盤5を遊技盤取付枠4に前面又は後面から装着する際の位置決めとなる規制片120(図上遊技盤5の後面を位置決め)を延設するようにしてもよく、好ましくは該規制片の遊技盤5の当接面に弾性片を設けて、遊技盤5を圧接させるようにするのがよい。このとき、基板12及び取付板87が遊技盤取付枠4の角部をなすように、該基板12及び取付板87を正面L字状又はコ字状に形成してもよい。また、前記基板12及び取付板87に遊技盤5を遊技盤取付枠4に前面又は後面から装着する際の位置決めとなる規制片を延設するようにしてもよく、好ましくは該規制片の遊技盤5の当接面に弾性片をスポット溶接等により設けて、遊技盤5を圧接させるようにするのがよい。なお、前記規制片を波状としたり、規制片にスリットを設けて僅かに起こして該規制片に直接弾性片を形成するようにしてもよい。さらに、前記基板12及び取付板87に遊技盤5の固定具を取付ける取着部を延設又は形成するようにしてもよく、該取着部に固定具をビスにより回動自在に設けるようにすればよい。このように、施錠装置11の近傍に位置する付随具(位置規制片,固定具の取着部等)を該施錠装置11に設けるようにすることで、加工組立てが容易になり、コスト的にも削減することができる。また、遊技盤取付枠4の上面に平板状又はコ字状の補強金属板を添設するようにしてもよく、該補強金属に前記係止片31を直接取付けたり、係止片31を回動自在とした際の軸支部を設けたりしてもよい。
なお、実施例において、配線収納部69を補強プレート64に設けるようにしたが、機構板9における配線収納部69は何等限定されるものではなく、例えば配線収納部69は機構板9の裏面側に設けるようにしてもよい。具体的には、図18及び図19に示すように補強プレート64の一端に軸孔74を有する軸受片73が設けられると共に、蓋部材70の押え片93を屈曲して設けている。また、機構板9に形成された配線収納部69の他側壁には蓋部材70の係止孔94が形成されている。一方、蓋部材70は、両端部に軸部71を突設すると共に、短手方向の一側は切り溝により形成した弾性係止片95を前記係止孔94に係合するようにしており、該弾性係止片95の外側に係合解除するための操作摘み96を僅かに突出させている。また、軸支側の適宜位置に回動時に前記押え片93を避けるように透孔97が穿設されている。前記弾性係止片95は、下方に垂下し係止爪95aを配線収納部69側に設けている。弾性係止片95に形成されている開口は、前記係止爪95aを成型する際の成型孔である。また、蓋部材70の下面には、蓋部材70を閉じる際に配線Hが噛まないように押さえ込むリブ状の押え部98が所定間隔に形成されている。それにともなって、配線収納部69の側壁に前記押え部98が嵌まり込むスリット99が形成されている。また、軸受片73に軸孔74を穿設するようにしたが、軸受片73に補強プレート64側に開放する凹欠きを形成し、該凹欠きの開放端側を補強プレート64により閉鎖することにより軸部の軸受としてもよい。
さらに、図20乃至図22は、前記蓋部材70の軸支構造の他の実施例を示し、前記実施例と異なる点は主に軸支部の構成であり、前記実施例と同じ構成には同一符号を付して説明する。この実施例において、配線収納部69内に設けられた凹状の軸受リブ99と補強プレート64の屈曲片100とにより軸支部を形成している。図上軸受リブ99側を凹状としたが、屈曲片100側をさらに折曲して軸を保持するようにしてもよい。また、蓋部材70には、配線収納部69の側壁内側に沿って位置決めリブ101が設けられると共に、前記補強プレート64の屈曲片100の下面に潜り込む浮防止片102が設けられ、蓋部材70のがたつきをなくすようにしている。