JP4401806B2 - 複合膜の製造方法、複合膜、カラーフィルタ、及びカラーフィルタを備えた表示装置 - Google Patents

複合膜の製造方法、複合膜、カラーフィルタ、及びカラーフィルタを備えた表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、カラーフィルタなどの複合膜、その製造方法、この複合膜からなるカラーフィルタ、及びこのカラーフィルタを備えた表示装置に関するものである。また、本発明は、塗布材によって塗布されるべき特定領域に塗布材を塗布する塗布方法、及び塗布する際の塗布材の流動制御方法に関するものである。
近年、液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を活かし、ワードプロセッサ、コンピュータ、ナビゲーションシステム用ディスプレイをはじめ、各種のディスプレイとしてより広く市場を拡大している。また、液晶表示装置は、カラー表示にも十分対応できるより表示品位の良いものへと発展してきている。
特に、画素をマトリクス状に配し、各画素に薄膜トランジスタ等の能動素子をスイッチング素子として用いるアクティブマトリクス型の液晶表示装置が主流となってきている。
一般的なアクティブマトリクス型の液晶表示装置では、走査線、階調信号線、スイッチング素子及び画素電極を配置した第1ガラス基板と、ブラックマトリクス、カラーフィルタ及び共通電極を配置した第2ガラス基板とを備えている。この第1及び第2ガラス基板は、互いの間に所定の間隙を保って対向配置され、その間隙に液晶材料を充填し、周囲を熱又は光によって硬化するシール材によりシールする。そして、画素電極と共通電極との間の電圧を画素ごとに制御することにより、画素ごとの階調表示が可能になっている。
この液晶表示装置は、その製造工程の複雑さや部品点数の多さに起因して依然として高価なものである。したがって、液晶表示装置の更なる市場の拡大を進めるためには、最終売価の低減が必須である。このような状況において、液晶表示装置の構成部材のうちで最も高価な部材の1つであるカラーフィルタの低価格化に向けた様々な提案がなされている。
一般に、カラーフィルタの製造には顔料分散法が採用されている。この顔料分散法は、フォトプロセスによりフィルタパターンを形成する。つまり、顔料分散法では、顔料を分散した感光性樹脂をスピンコート法などにより基板全面に塗布し、この感光性樹脂の膜を紫外線によりパターン露光して現像処理を施すことで単一色分のフィルタパターンを形成する。そして、この工程を複数回繰り返すことにより、ブラックマトリクスを含むカラーフィルタ層を形成する。
この顔料分散法では、各色のフィルタパターンを形成する際の現像処理において、顔料を分散した感光性樹脂の大半を除去することになる。そのため、顔料分散法では、材料コストがかさんでしまい、カラーフィルタの製造コストの低減が困難である。
近年、カラーフィルタの製造における材料コストの削減、及び工程数の削減を目的として、インクジェット方式を用いたカラーフィルタの製造方法が、例えば特許文献1などに提案されている。
特許文献1に開示されているカラーフィルタの製造方法を、図15(a)〜(f)に基づいて説明する。なお、図15(a)〜(f)は、以下の工程a〜fに対応している。
工程aでは、基板101上に開口部102aを有する遮光層102(ブラックマトリクス)を形成する。この遮光層102は、ライン状又は格子状にパターニングされた遮光性部材からなり、感光性黒色樹脂層などをフォトリソ工程によりパターニングして形成することができる。ここでは、遮光層102に後述する硬化型インクを塗布する際の隔壁作用を持たせるため、黒色樹脂などを用いて厚さの厚い遮光層を形成する。なお、遮光層の他の形成方法としては、特許文献2に開示されているサーマルイメージングプロセス(LITI法)を用いることもできる。
工程bでは、遮光層102を形成した基板101全面に感光層103を形成する。この感光層103は、光照射によって親水性が増加或いは発現する層であり、好ましくは、感光性化合物としてTiO2,SnO2,ZnO,WO3,SrTiO3,Bi23,Fe23の少なくとも一種を含有する。これらの感光性化合物を用いて形成された感光層103に光を照射すると、この光照射によって励起生成した電子と正孔が感光性化合物表面の吸着酸素や水と反応して活性酸素を生成し、光照射領域の表面が親水化される。一方、上記感光性化合物等金属酸化物は元来撥水、撥油性を有するという性質があるため、光照射していない領域では親水性を発現せずにインクをはじく傾向にある。したがって、後述するインクジェット方式による硬化型インクの塗布の際に、隣接する光照射領域(すなわち、親水性領域)間において、光未照射領域(すなわち、非親水性領域)がインクをはじいて混色防止機能を呈するため、異なる色のインクの混色(色材のマイグレーションにより生じる混色も含む)を防止することができる。
上記感光性化合物を用いて感光層103を形成する具体的な方法としては、この感光性化合物を基板上に高温加熱(結晶化以上の温度加熱)によって焼結させる方法や、アルコキシシランとこの感光性化合物をアルコール等溶媒に分散させた組成物を基板101上に塗布して加熱することにより成膜させる方法が挙げられる。
上記焼結方法では、400℃以上の高温加熱を行う必要があり、基板101上に樹脂材料を主原料とする材料を用いてなる遮光層102などが形成されている場合にはこの遮光層102が熱劣化する恐れがあり好ましくない。また、遮光層102がクロム等の金属材料であっても、高温加熱により寸法精度に狂いが生じやすいため好ましくない。したがって、ここではより低温での成膜が可能な上記組成物を塗布して焼成する方法が好ましく用いられる。
上記のようにして形成された感光層103は、パターン露光することにより、露光部分で水分子等が吸着され、親水性が向上する。上記パターン露光に用いる光の波長としては、用いる感光性化合物によって、紫外線領域の比較的短波長の光のみ用いるもの、あるいは、比較的長波長の可視光の光でも感光するもの等があり、最適な波長を種々選択することができる。
感光層103の形成において、上記組成物を塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、ディップコート等の塗布方法を用いることができる。
感光層103の厚さは、0.01〜10μmが好ましく、望ましくは0.01〜5μmである。
工程cでは、基板101の裏面より感光層103を露光し、露光部に親水性が増加又は発現した親水性領域104を形成する。未露光部はこの親水性領域104よりも親水性が低いため、ここでは便宜上非親水性領域105と称する。感光層103は遮光層102を形成した上に形成されているため、遮光層102をマスクとして感光層103を露光することができる。なお、カラーフィルタの白抜け(着色部と遮光層との境界部に生じる色抜け)を防止するためには、遮光層102の開口部102aよりも広い面積にわたって着色部を形成することが望ましく、そのためには感光層103を遮光層102の開口部102aよりも広く露光する必要がある。具体的には、露光の際に照射光として拡散光を用いるのが好ましい。あるいは、オーバー露光を行って反応を拡散させる等の手段も有効である。
なお、ここでは基板裏面からの露光を示しているが、フォトマスクを用いて基板表面から露光してもかまわない。その場合には、上記白抜けを防止するために、遮光層102の開口部102aよりも広い開口部を有するマスクを用いることが望ましい。具体的には、遮光層102の開口部102aのエッジ部から3μm以上内側の遮光層102上に未露光部が形成されるようにすることが望ましい。
このパターン露光は、図16(a)(b)に示すように、ストライプ状又は格子状のいずれで行ってもよい。図16(a)はストライプ状にパターン露光を行った例で、この場合、遮光層102には画素ごとに開口部102aを設けてあるが、着色部107は行方向に連続したストライプ状に形成される。また、図16(b)は遮光層102の開口部102aに対応して格子状にパターン露光を行った例である。
工程dでは、所定の着色パターンに応じて、インクジェット方式によって硬化型インク106を親水性領域104に塗布する。硬化型インク106は通常カラーフィルタを構成する上で、R,G,Bの3色のインクが用いられる。
ここで用いられる硬化型インク106は、感光層103のインク吸収性が低いことから、ポリマー及びオリゴマー等の熱又は光照射による架橋成分、すなわちバインダー成分を含有することが好ましい。このようなポリマー、オリゴマー材料としては、以下の化学式(1)に示した構造単位からなる単量体の単独及び/又は他のビニル系単量体との共重合体が挙げられる。なお、化学式(1)におけるR1、R2は互いに異なっていてもよい置換基である。
Figure 0004401806
上記化学式(1)で表される構造単位からなる単量体としては、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−イソプロポキシメチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの単量体は、単独、あるいは、他のビニル系単量体と共重合される。他のビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基を含有したビニル系単量体、その他スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、アリルアミン、ビニルアミン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等を挙げることができるが、もちろんこれらに限られるものではない。
また、上記化合物(バインダー成分)の分子量としては、インクジェットによる吐出適性を考慮すると、好ましくは500〜50000、より好ましくは1000〜20000のものを主成分とするのがよい。さらに、インク中含有量としては、0.1〜15重量%、より好ましくは、1〜10重量%とするのがよい。
さらに、上記硬化型インク106は着色材を含有しており、この着色材としては、色素系及び顔料系のいずれも用いることが可能である。
また、インクジェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、あるいは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能であり、着色面積及び着色パターンは任意に設定することができる。
工程eでは、加熱処理や光照射等必要な処理を施して硬化型インク106を硬化させ、R,G,Bの着色部107を形成する。
工程fでは、必要に応じて、保護層108を形成する。保護層108としては、光硬化タイプ、熱硬化タイプ、光熱併用タイプの樹脂層、蒸着、スパッタ等によって形成された無機膜等を用いることができ、カラーフィルタとした場合の透明性を有し、その後のITO膜(透明電極)形成プロセス、配向膜形成プロセスに耐えるものであれば使用可能である。
特開2000−258622号公報(公開日2000年9月22日) 特開2001−130141号公報(公開日2001年5月15日)
ところで、上記特許文献1に開示のカラーフィルタ製造方法において、硬化型インクを塗布する際の隔壁作用を有する遮光層102は、カラーフィルタにおけるブラックマトリクスとして機能し、その形状は図16(a)(b)に示したように格子状のパターンである。なお、以下では上記遮光層102をブラックマトリクス102と称する。
このような格子状のブラックマトリクス102が形成された基板101に対してインクジェット方式で硬化型インク106を塗布する場合、各開口部102aに塗布される硬化型インク106の量は、その開口部102a内に着弾した硬化型インク106の液滴の数によって決定されることになる。なぜなら、格子状のブラックマトリクス102では、着弾後の硬化型インク106が各開口部102a間で流通しないため、各開口部102aに着弾した液滴の数によってその開口部102aに塗布される硬化型インク106の量が決まってくるからである。
また、各開口部102aに塗布される硬化型インク106の量により、各開口部102aにおける着色濃度が決定される。したがって、各開口部102a間での着色濃度のばらつきを防ぐためには、各開口部102a内に着弾する硬化型インク106の液滴の数がほぼ等しくなるように制御する必要がある。
しかし、実際にはインクジェット方式によりこのような制御を行うことは極めて困難である。その結果、図16(a)(b)に示した格子状のブラックマトリクス102に対してインクジェット方式を用いると、各開口部102a間での着色濃度のばらつきが大きくなるという問題がある。
これに対して、図17に示すようなパターン、つまり、列方向を仕切らずに1つの開口部112aを形成するパターンのブラックマトリクス112では、各開口部112aに塗布される硬化型インク106の量のばらつきを小さくしやすい。なぜなら、ブラックマトリクス112の各開口部112aに塗布される硬化型インク106の量は、ブラックマトリクス102の各開口部102aに塗布される硬化型インク106の量と比較して極めて大きいため、各開口部112a間での硬化型インク106の量のばらつきを抑えやすいからである。例えば、XGAクラスの液晶表示装置用カラーフィルタの場合、硬化型インク106の量が、開口部112aでは開口部102aに対して768倍程度になる。
したがって、ブラックマトリクス102よりもブラックマトリクス112の方が、各セル間での着色濃度のばらつきを抑えやすい。
ところが、本願発明者らは、図17のブラックマトリクス112では次のような問題が生じることを見出した。
インクジェット方式で硬化型インク106を塗布する際には、インクジェットヘッドと基板101とは、所定の相対速度Vhをもって走査されることになる。また、硬化型インク106はインクジェットヘットから所定の吐出速度Vvで吐出される。したがって、硬化型インク106の液滴106aは、図18に示すように、相対速度Vhと吐出速度Vvとの合成速度Vtをもって基板101に着弾することになる。
液滴106aが合成速度Vtをもって基板101に着弾すると、着弾後の液滴106a(硬化型インク106)は着弾位置から大きく広がることになる。ここで、合成速度Vt、特に相対速度Vhが大きいと、硬化型インク106の広がり方は、図19に示すようになり、硬化型インク106の厚みは相対速度Vhの上流側で小さく、下流側で大きくなる。その結果、硬化型インク106により形成される着色部の厚みばらつきが生じ、着色濃度のばらつきが生じることになる。
また、合成速度Vt、特に相対速度Vhが大きいと、硬化型インク106が広がる速度も大きくなるため、硬化型インク106の一部が、隔壁であるブラックマトリクス112を乗り越え、さらには非親水性領域105までも越えて、隣接する開口部112aにまで到達してしまうことがある。このことは、互いに隣接する着色部107間での混色を招来することになる。
このような問題を回避するためには、相対速度Vhを低減することが考えられる。しかし、相対速度Vhを低減すると、硬化型インク106の塗布工程のスループットが低下し、カラーフィルタの生産性の低下を招来する。
つまり、従来の技術では、材料コスト及び工程数の低減のための方策として有効なインクジェット方式を用いた場合、高い生産性を維持しつつ、着色濃度のばらつきや混色などといった特性の悪化の問題を解消することができていない。
さらに、本願発明者らは、図17のブラックマトリクス112を備える基板に対して硬化型インク106を塗布することによって形成した着色部107では、図17における上下方向中央部と比較して上下方向両端部において膜厚が大きくなる傾向があることを見出した。これは、両端部は塗布された硬化型インクの終端部になるため、硬化型インクの乾燥工程において、気化中の溶剤雰囲気濃度が中央部に対して両端部では薄くなるため、両端部においては中央部よりも乾燥速度が大きくなり、その結果、比較的乾燥速度の小さい中央部側から両端部側に向かってインクが補充されることが理由であると考えられる。
このような現象は、カラーフィルタにおける中央部と両端部との着色濃度のばらつきを招来することになる。
なお、上述した問題は、カラーフィルタの製造に限ったものではなく、インクジェット方式により成膜材料を塗布して膜を形成する工程を含む製造プロセスに共通のものである。
さらに、膜厚ばらつきの問題については、硬化型インクのような塗布材を塗布する際において、塗布した塗布材の厚みのばらつきとして一般に起こりうる問題でもある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、塗布材を塗布することによって生じる塗布材の厚みのばらつきを低減することにある。また、本発明は、塗布材の厚みのばらつきを低減することによって、インクジェット方式により成膜材料を塗布することで形成される膜を備えた複合膜を、高い生産性を維持しつつ、良好な特性で製造することにある。
本発明の複合膜の製造方法は、互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の隔壁部を有する第1膜と、前記第1膜の間隙領域に形成された第2膜とを備える複合膜の製造方法であって、上記の課題を解決するために、前記第1膜を基板上に形成する第1膜形成工程と、前記第1膜を形成した基板の前記間隙領域に対して、インクジェット方式により前記隔壁部の延設方向に沿って移動しつつ成膜材料を塗布し、塗布した成膜材料を硬化させることで前記第2膜を形成する第2膜形成工程とを含み、前記第1膜形成工程で形成する前記第1膜には、前記間隙領域の幅を部分的に狭める間隙幅規制部を設けることを特徴としている。
上記の方法では、第1膜の間隙領域に対して、インクジェット方式により隔壁部の延設方向に沿って成膜材料を塗布することで第2膜が形成され、これにより、第2膜が第1膜によって仕切られて構成される複合膜を製造する。この方法は、例えば、第1膜に相当する遮光膜と、第2膜に相当する透明着色膜とを備えたカラーフィルタなどの複合膜を製造するのに好適に利用することができる方法である。
この方法では、生産性の向上のために、インクジェット方式による成膜材料塗布の速度、すなわち、成膜材料を吐出するインクジェットノズルと基板との相対速度を大きくすることが望まれる。ところが、通常、上記相対速度を大きくすると、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまう、あるいは塗布した成膜材料の膜厚のばらつきが大きくなるといった問題が生じる。この問題は、複合膜としてのカラーフィルタの例では、混色や着色濃度のばらつきとなってカラーフィルタの特性の悪化を招来する。
これに対して、上記の方法では、第1膜に間隙幅規制部を形成しておく。間隙幅規制部は、間隙領域の幅を部分的に狭めるものであるため、成膜材料を塗布したときに、間隙領域において成膜材料が隔壁部の延設方向に沿って流れる際の抵抗となる。これにより、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまうことを抑制するとともに、塗布した成膜材料の膜厚のばらつきも小さくすることができる。これは、インクジェットノズルから吐出され、基板上に着弾した成膜材料が基板上で広がる際の、広がり度合いや広がりの速度が、間隙幅規制部により抑制されることによるものと考えられる。
このように、上記の方法では、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまう、あるいは塗布した成膜材料の膜厚のばらつきが大きくなることを抑制しつつ、インクジェットノズルと基板との相対速度を大きくすることができる。その結果、高い生産性で特性の良好な複合膜を製造することができるようになる。
なお、前記間隙幅規制部は、前記隔壁部の一部が前記間隙領域側に突出した突出部として形成する、あるいは、前記隔壁部から分離した前記第1膜の島状部として形成することができる。
また、前記間隙幅規制部は、その平面形状における隅となる部分を曲線に形成することが望ましい。このように間隙幅規制部の平面形状における隅となる部分を曲線で形成することにより、成膜材料の流れが不均一になることを抑制し、膜厚のばらつきをより小さくすることができる。
本発明の複合膜の製造方法において、前記第1膜には、前記隔壁部の延設方向に沿って前記間隙幅規制部が複数設けておき、前記隔壁部の延設方向では、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部の方が、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きくなるようにしてもよい。
隔壁部の延設方向では、中央部側と比較すると両端部側において第2膜の膜厚が大きくなる傾向がある。これは、両端部側では中央部側よりも成膜材料の乾燥速度が大きくなり、その結果、比較的乾燥速度の小さい中央部側から両端部側に向かって成膜材料が補充されるためであると考えられる。
これに対して、上記のように、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部において、間隙領域の幅を狭める割合が大きくなるようにしておくことにより、中央部側から両端部側に向かう成膜材料の流動性を低下させることができる。その結果、中央部側と比較して両端部側において第2膜の膜厚が大きくなる傾向を抑制することができ、第2膜の膜厚をより均一化することができる。
なお、前記間隙領域の幅を狭める割合は、前記中央部側に設けられた間隙幅規制部から、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部に向かって段階的に大きくなるようにしてもよい。
さらに、本発明の複合膜の製造方法では、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部のうち、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部は、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きくなるようにしておき、前記第2膜形成工程では、前記他方の端部から一方の端部に向かって移動しつつ成膜材料を塗布するようにしてもよい。
インクジェット方式によって成膜材料を塗布する場合、インクジェットノズルと基板との相対速度により、インクジェットノズルの移動方向下流側において成膜材料の厚みが大きくなる傾向にある。
これに対して、上記のように、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部を、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、間隙領域の幅を狭める割合が大きくなるようにしておくことにより、インクジェットノズルの移動方向上流側から下流側に向かう成膜材料の流動性を低下させることができる。その結果、上流側と比較して下流側において第2膜の膜厚が大きくなる傾向を抑制することができ、第2膜の膜厚をより均一化することができる。
本発明の複合膜の製造方法は、上記の方法における前記第2膜形成工程の前に、特定光で露光することにより前記成膜材料に対する濡れ性が向上する感光膜を、前記第1膜を形成した基板上に形成する感光膜形成工程と、前記感光膜に対して前記特定光の露光を行うことにより、前記感光膜における前記第1膜上の部分に前記濡れ性が相対的に低い領域を形成し、前記間隙領域に相当する部分に前記濡れ性が相対的に高い領域を形成する露光工程とをさらに含めてもよい。
上記の方法では、第1膜上に形成された濡れ性が相対的に低い領域により、成膜材料が隔壁部を乗り越えることをさらに効果的に抑制することができる。これにより、インクジェットノズルと基板との相対速度をさらに大きくすることができ、さらなる生産性の向上を図ることができる。
また、上記の方法において、前記基板を前記特定光に対して透光性を有するものとし、前記第1膜を前記特定光に対して遮光性を有するものとして、前記露光工程では、前記感光膜に対して前記基板側から前記特定光の露光を行うことで、前記第1膜をマスクとして利用するようにしてもよい。
この方法では、第1膜をマスクとして利用することで特定光の露光を行うことができるため、露光用のマスクを別途準備し、基板との位置合わせをして露光するといった手間を省くことができる。
本発明の複合膜の製造方法は、上記の方法における前記第1膜形成工程で、レーザー光を用いたサーマルイメージングプロセスにより、前記第1膜を前記基板上に形成するようにしてもよい。
この方法では、露光用のマスクを利用することなく、第1膜を形成することができる。また、露光後の現像処理も省くことができる。これにより、第1膜形成工程を簡素化することができる。
本発明の複合膜は、互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の隔壁部を有する第1膜と、前記第1膜の間隙領域に対して、インクジェット方式により塗布された成膜材料を硬化させることで形成された第2膜とを含み、前記第1膜が、前記間隙領域の幅を部分的に狭める間隙幅規制部をさらに有することを特徴としている。
上記構成の複合膜は、上述した製造方法によって製造することができる。したがって、上述したように、インクジェット方式によって成膜材料を塗布する際に、インクジェットノズルと基板との相対速度を大きくしつつ、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまう、あるいは塗布した成膜材料の膜厚のばらつきが大きくなることを抑制することができる。その結果、特性の良好なものを高い生産性で製造することができる。
なお、前記間隙幅規制部は、前記隔壁部の一部が前記間隙領域側に突出した突出部であってもよく、前記隔壁部から分離した前記第1膜の島状部であってもよい。
また、前記第1膜は、前記隔壁部の延設方向に沿って設けられた複数の間隙幅規制部を有するとともに、前記隔壁部の延設方向では、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部の方が、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きくなっていてもよい。
上記の構成では、中央部側と比較して両端部側において第2膜の膜厚が大きくなる傾向を抑制することができ、第2膜の膜厚をより均一化することができる。
なお、前記中央部側に設けられた間隙幅規制部から、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部に向かって、前記間隙領域の幅を狭める割合が段階的に大きくなっていてもよい。
また、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部のうち、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部は、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きくなっていてもよい。
上記の構成では、インクジェット方式によって成膜材料を塗布する際の上流側と比較して下流側において第2膜の膜厚が大きくなる傾向を抑制することができ、第2膜の膜厚をより均一化することができる。
本発明の複合膜は、上記の構成において、さらに、前記第1膜の上層、かつ、前記第2膜の下層となるように配置され、前記成膜材料に対する濡れ性が制御可能な機能膜を備え、前記機能膜は、前記第1膜上の部分に前記濡れ性が相対的に低い領域を有し、前記間隙領域に相当する部分に前記濡れ性が相対的に高い領域を有していてもよい。
上記構成の複合膜は、製造段階における成膜材料の塗布の際に、第1膜上に形成された濡れ性が相対的に低い領域により、成膜材料が隔壁部を乗り越えることを効果的に抑制することができる。これにより、さらなる生産性の向上を図ることができる。
本発明の複合膜は、上記の構成において、前記第1膜が、レーザー光を用いたサーマルイメージングプロセスにより形成されていてもよい。この構成では、露光用のマスクを利用することなく、第1膜を形成することができる。また、露光後の現像処理も省くことができる。これにより、第1膜の形成を簡素化することができる。
本発明のカラーフィルタは、上記何れかの複合膜からなるカラーフィルタであって、前記第1膜が遮光膜であり、前記第2膜が透明着色膜であることを特徴としている。
上記構成のカラーフィルタでは、製造段階において、高い生産性を維持しつつ、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまうことを抑制できることで混色の発生を抑制でき、また、塗布した成膜材料の膜厚のばらつきが大きくなることを抑制できることで着色濃度のばらつきを小さくできる。したがって、特性の良好なものを生産性よく製造することができる。
また、上記のカラーフィルタを備えて表示装置を構成することで、低コストで表示品位の良好な表示装置を構成することができる。
上記のカラーフィルタと、このカラーフィルタと対向して配置され、マトリクス状に配置されたスイッチング素子を有するアクティブマトリクス基板とを備える表示装置では、前記間隙幅規制部が、前記スイッチング素子に重畳するように配置されていることが望ましい。この構成では、表示装置としての開口率の低下を抑制することができる。
本発明のカラーフィルタは、上記の課題を解決するために、インクジェット方式により塗布された成膜材料が硬化することにより、ストライプ配列に形成された複数の透明着色膜と、前記各透明着色膜の間に介在するとともに、前記各透明着色膜の幅を部分的に狭める間隙幅規制部を有するブラックマトリクスとを備えることを特徴としている。
上記構成のカラーフィルタでは、製造段階において、高い生産性を維持しつつ、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまうことを抑制できることで混色の発生を抑制でき、また、塗布した成膜材料の膜厚のばらつきが大きくなることを抑制できることで着色濃度のばらつきを小さくできる。したがって、特性の良好なものを生産性よく製造することができる。
本発明のカラーフィルタは、上記のカラーフィルタにおいて、前記間隙幅規制部は、前記ブラックマトリクスの一部が前記各透明着色膜側に突出した突出部で構成することができる。あるいは、前記間隙幅規制部は、前記各透明着色膜内に介在する島状部で構成することもできる。また、前記間隙幅規制部は、その平面形状における隅となる部分が曲線形状を有していてもよい。
本発明のカラーフィルタは、上記のカラーフィルタにおいて、前記ブラックマトリクスは、前記透明着色膜の延設方向に沿って設けられた複数の間隙幅規制部を有するとともに、前記透明着色膜の延設方向では、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部の方が、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きくなっていてもよい。また、前記中央部側に設けられた間隙幅規制部から、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部に向かって、前記間隙領域の幅を狭める割合が段階的に大きくなっていてもよい。さらに、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部のうち、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部は、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きくなっていてもよい。
本発明の塗布方法は、塗布材によって塗布されるべき特定領域に塗布材を塗布する塗布方法であって、上記の課題を解決するために、塗布材の流動に対する障害を前記特定領域に設けて、前記特定領域に流動性の塗布材を塗布することを特徴としている。
上記の方法では、塗布材によって塗布されるべき特定領域に塗布材の流動に対する障害を設けておく。この障害は、特定領域において望ましくない塗布材の流動を抑制することができる。これにより、塗布された塗布材が広がる際の広がり度合いや広がりの速度を障害によって抑制することができ、塗布した塗布材の膜厚のばらつきを小さくすることができる。
なお、上記障害としては、望ましくない塗布材の流動に対して種々の物理的障害を起こさせるものであればよい。上記障害としては、例えば、特定領域における突出部や凹部、その他の構造物であってもよい。また、これらに限らず、上記の障害は、特定領域において望ましくない塗布材の流動を抑制することができるものであればよく、種々の力(例えば、塗布材が磁性を帯びている場合では磁力なども含まれる。)や物理的な物体などによって構成することができる。
本発明の塗布方法は、上記の塗布方法において、前記塗布をインクジェット方式によって行うことができる。また、前記障害を前記特定領域内に複数設けるようにしてもよい。この場合、前記複数の障害はそれぞれ大きさや形状が異なる障害物であってもよい。また、前記障害は、前記特定領域の表面から突出した障害物によって構成してもよい。この場合において、前記障害物は、その周囲を前記塗布材が流動するように形成されていてもよい。
本発明の塗布材の流動制御方法は、塗布材によって塗布されるべき特定領域に塗布材を塗布する際の塗布材の流動制御方法であって、上記の課題を解決するために、前記塗布材の流動を制御するために前記塗布材の流動に対する障害を前記特定領域に設けて、前記特定領域に前記塗布材を塗布することを特徴としている。
上記の方法では、塗布材によって塗布されるべき特定領域に塗布材の流動に対する障害を設けておく。この障害は、特定領域において望ましくない塗布材の流動を抑制することができる。これにより、塗布された塗布材が広がる際の広がり度合いや広がりの速度を障害によって抑制することができ、塗布した塗布材の膜厚のばらつきを小さくすることができる。つまり、前記障害を設けることにより、前記特定領域に塗布された前記塗布材の厚さを制御することができる。
なお、上記障害としては、望ましくない塗布材の流動に対して種々の物理的障害を起こさせるものであればよい。上記障害としては、例えば、特定領域における突出部や凹部、その他の構造物であってもよい。また、これらに限らず、上記の障害は、特定領域において望ましくない塗布材の流動を抑制することができるものであればよく、種々の力(例えば、塗布材が磁性を帯びている場合では磁場なども含まれる。)や物体などによって構成することができる。
本発明の塗布方法は、上記の塗布方法において、前記塗布をインクジェット方式によって行うことができる。また、前記障害は、前記特定領域の表面から突出した障害物であってもよく、この場合、前記障害は、その周囲を前記塗布材が流動するように形成された障害物であってもよい。また、前記障害を前記特定領域のそれぞれ異なる位置に複数設けるようにしてもよく、この場合、前記複数の障害はそれぞれ大きさが異なる障害物であってもよく、また、前記複数の障害は、それぞれの位置において前記塗布材の流動の制御の度合が異なっていてもよい。また、前記複数の障害は、それぞれの位置において塗布された前記塗布材の厚さを制御するようになっていてもよい。
本発明の複合膜の製造方法は、以上のように、第1膜を基板上に形成する第1膜形成工程と、第1膜を形成した基板の間隙領域に対して、インクジェット方式により隔壁部の延設方向に沿って移動しつつ成膜材料を塗布し、塗布した成膜材料を硬化させることで第2膜を形成する第2膜形成工程とを含み、第1膜形成工程で形成する第1膜には、間隙領域の幅を部分的に狭める間隙幅規制部を設ける。
また、本発明の複合膜は、互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の隔壁部を有する第1膜と、前記第1膜の間隙領域に対して、インクジェット方式により塗布された成膜材料を硬化させることで形成された第2膜とを含み、前記第1膜が、前記間隙領域の幅を部分的に狭める間隙幅規制部をさらに有している。
これにより、インクジェット方式により成膜材料を塗布する際に、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまう、あるいは塗布した成膜材料の膜厚のばらつきが大きくなることを抑制しつつ、インクジェットノズルと基板との相対速度を大きくすることができる。その結果、高い生産性で特性の良好な複合膜を製造することができるという効果を奏する。
また、本発明の塗布方法は、塗布材によって塗布されるべき特定領域に塗布材の流動に対する障害を設けておくことにより、塗布した塗布材の膜厚のばらつきを小さくすることができる。
また、本発明の塗布材の流動制御方法は、塗布材によって塗布されるべき特定領域に塗布材の流動に対する障害を設けておくことにより、塗布した塗布材の膜厚のばらつきを小さくすることができる。
〔実施形態1〕
本発明の第1の実施形態について図1から図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本実施形態のカラーフィルタ10の平面図を図1(a)に、断面図を図1(b)に示す。なお、図1(b)は図1(a)のA−A線矢視断面図である。
カラーフィルタ10は、基板11上に形成されており、遮光膜としてのブラックマトリクス12、及び透明着色膜としての着色部17を備えて構成されている。この着色部17は、RGBの三原色に対応するように、赤色着色部17r、緑色着色部17g及び青色着色部17bから構成されている。
ここで、着色部17は、後述するように、インクジェット方式により成膜材料を塗布し、塗布した成膜材料を硬化させることで成膜される膜である。このようにして形成される着色部17は、赤色着色部17r、緑色着色部17g及び青色着色部17bがストライプ状のパターンを形成することになる。
ブラックマトリクス12は、成膜材料を塗布する際に着色部17の互いに隣り合うパターン、すなわち、赤色着色部17rと緑色着色部17g、緑色着色部17gと青色着色部17b、青色着色部17bと赤色着色部17rをそれぞれ分離する隔壁として機能する。このようにブラックマトリクス12において隔壁として機能する部分を特に隔壁部12aと称することにする。隔壁部12aは、互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の部材である。この隔壁部12aの延設方向(長手方向)、つまり図1(a)の縦方向を、説明の便宜上「列方向」と称する。隔壁部12aの列方向における両端部は、図1(a)に示すようにつながっていてもよいが、分離されていてもよい。
そして、赤色着色部17r、緑色着色部17g及び青色着色部17bは、ブラックマトリクス12の開口部分、つまり、隔壁部12aによって挟まれた領域に形成されている。なお、上記ブラックマトリクス12の開口部分を「ブラックマトリクス12の間隙領域」あるいは単に「間隙領域」と称する。また、この間隙領域の幅方向を、列方向に直交する方向、つまり図1(a)の横方向とし、この方向を説明の便宜上「行方向」と称する。
カラーフィルタ10は、隔壁部12aの一部が、間隙領域側に突出して形成されている突出部12bを有している。この突出部12bは、隔壁部12aの列方向に沿って複数設けられている。この突出部12bは、間隙領域の幅を部分的に狭めるための間隙幅規制部であり、後述するように、インクジェット方式により着色部17の成膜材料を塗布したときに、間隙領域において成膜材料が列方向に沿って流れる際の抵抗となるように機能する。
なお、ブラックマトリクス12のパターンは、図1(a)に示したもの以外に、図6又は図7に示すものであってもよい。すなわち、図6に示すように、隔壁部12aの一部が、両側に突出することで突出部12bが形成されていてもよく、図7に示すように、突出部12bの代わりに、隔壁部12aから分離して島状に形成された島状部12b’が形成されていてもよい。島状部12b’も突出部12bと同様に間隙領域の幅を部分的に狭めるための間隙幅規制部である。島状部12b’を形成する場合にも、隔壁部12aと同時に形成するようにすることで、新たな工程の追加を回避することができる。
このカラーフィルタ10では、列方向に並ぶ各画素の境界付近に突出部12bを設けるものとしている。したがって、図1(a)には各列3つの画素を図示していることになるが、実際には各列に多数の画素が形成される。
次に、図2(a)〜(c)に基づいて、カラーフィルタ10の製造方法について説明する。この製造方法では、ブラックマトリクス形成工程、成膜材料塗布工程、及び成膜材料硬化工程をこの順に行う。なお、以下では、実際に作成したカラーフィルタ10に基づいて、具体的な材料やサイズ等を示すが、本発明の製造方法はこれらに限ったものではない。
ブラックマトリクス形成工程では、まず、ガラスなどからなる基板11の全面に、スピンコート法により、カーボンを分散した光感光性樹脂材料を1.5μmの膜厚で塗布し、110℃のオーブンで120秒間のベーク乾燥を行い、光感光性樹脂膜を形成する。その後、プロキシミティ露光により50μmの露光ギャップ(プロキシミティギャップ)を介して、基板11上に形成した光感光性樹脂膜に対して所定の露光パターンによる露光を行い、非感光領域をアルカリ現像液で除去する。このときの露光パターンは、図1(a)に示したブラックマトリクス12のパターンを得るためのパターンである。その後、250℃で90分間の乾燥を行い、図2(a)に示すようにブラックマトリクス12を形成する。なお、図2(a)にはブラックマトリクス12における隔壁部12aが表れている。
ここでは感光性樹脂材料としてネガ型の材料を用いた。しかし、感光性樹脂材料はこれに限られるものではなく、感光性樹脂膜からなるブラックマトリクス12に要求される特性、つまり基板11との密着性、露光時の解像度、ブラックマトリクスとしての遮光性などの要件を満たすものであれば、ネガ型、ポジ型を問わずどのようなものであってもよい。
ブラックマトリクス12の各部のサイズは図3の通りである。すなわち、隔壁部12aの幅を8μm、突出部12bを13μm×20μm、画素ピッチを108μm×324μmとし、1024×768画素を形成した。なお、図1(a)には、上記のように列方向に3画素分のみを示している。
突出部12bは、その平面形状をほぼ長方形とし、突出部12bの隅となる部分を曲線に形成している。これは、インクジェット方式により成膜材料を塗布する際に、成膜材料の流れが不均一になることを抑制し、膜厚のばらつきを小さくするためである。
成膜材料塗布工程では、図2(a)に示したブラックマトリクス12の間隙領域12cに対して、インクジェット方式により、図2(b)に示すように、RGBの色ごとの成膜材料16r・16g・16bを塗布する。なお、成膜材料16r・16g・16bの塗布は、並行して同時に行ってもよく、別々に順次行ってもよい。成膜材料16r・16g・16bは、各色の顔料を分散し、粘度を20cpsに調整した硬化型インクである。なお、以下では、成膜材料16r・16g・16bの色を区別しないときは、成膜材料16と記す。
このとき、図4に示すように、基板11に対してインクジェットノズル91を列方向の一方の向きに移動しつつ、このインクジェットノズル91から成膜材料の液滴16aを連続的に吐出する。実際には、基板11に対するインクジェットノズル91の相対速度Vh=0.1m/sec、インクジェットノズル91から吐出される液滴16aの吐出速度Vv=0.6m/secとし、インクジェットノズル91の移動に対して約50μm間隔で液滴16aが吐出されるような吐出タイミングで塗布を行った。したがって、液滴16aは、相対速度Vhと吐出速度Vvとの合成速度Vtをもって基板11に着弾することになる。
液滴16aが合成速度Vtをもって基板101に着弾すると、着弾後の液滴16a(成膜材料16)は着弾位置から大きく広がることになる。ここで、ブラックマトリクス12に突出部12bを設けていない従来の構成では、発明が解決しようとする課題の項において説明したように、成膜材料16の厚みばらつきに起因する着色濃度のばらつきや、成膜材料16が隔壁部12aを乗り越えることによる混色が生じる。なお、成膜材料16、液滴16aは、発明が解決しようとする課題の項におけるそれぞれ硬化型インク106、液滴106aに相当する。
ところが、ブラックマトリクス12に突出部12bを設けた本実施形態の構成では、上記成膜材料16の厚みばらつきに起因する着色濃度のばらつきが十分小さく、成膜材料16の乗り越えによる混色を防止することができた。さらには、相対速度Vhを0.35m/secまで上げても、着色濃度のばらつきが十分小さく混色を防止することができた。このように、突出部12bを設けることにより着色濃度ばらつきや混色を抑制する効果が得られた。
このような効果が得られる理由は、次のように考えることができる。液滴16aが基板11に着弾することにより基板11上に塗布された成膜材料16は、着弾直後に図5に示すように着弾位置Pから前後左右に広がるが、相対速度Vhの影響により相対速度Vhの正の向きに大きく広がることになる。
このとき、突出部12bの作用により成膜材料16の広がりが部分的に阻止され、成膜材料16の一部が着弾位置P側に戻されることになる。その結果、突出部12bを設けない構成と比較して、着弾位置P側により多くの成膜材料16が定着することになり、従来生じていた図19のような成膜材料16の厚みばらつきが緩和されると考えられる。
また、突出部12bにより間隙領域が狭まっているため、この部分を成膜材料16が通過する際に成膜材料16の広がりの速さが小さくなる。したがって、部分的ではあるが、成膜材料16の広がりの慣性力が低減される。その結果、成膜材料16が隔壁部12aを乗り越えるだけの勢いを失うことになり、混色が抑制されると考えられる。
上記の効果は、格子状のブラックマトリクス、つまり、ブラックマトリクス12において突出部12bを隣の隔壁部12aに接続したようなブラックマトリクスにおいても得られると考えられる。しかし、このブラックマトリクスでは、発明が解決しようとする課題の項において説明したように、1画素当たりの液滴の数をより正確に制御しなければ画素間での着色濃度のばらつきが大きくなってしまう。
例えば、成膜材料の膜厚を1.5μmとすると、格子状のブラックマトリクスでは、ブラックマトリクスで仕切られた領域の最小単位は1画素に相当し、そこに塗布すべき成膜材料の体積は1.5μm×(108μm−8μm)μm×(324μm−13μm)=約47000μm3となる。これに対し、本実施形態のブラックマトリクス12では、上記の体積を、列方向に連通する画素数倍(768倍)した体積となる。したがって、何れに対しても一定の膜厚のばらつき(例えば10%)を許容したとすると、ブラックマトリクスで仕切られた領域の最小単位に着弾すべき液滴の数の許容誤差が、格子状のブラックマトリクスの場合よりも、本実施形態のブラックマトリクス12の場合の方が、上記列方向に連通する画素数倍大きくなることになる。つまり、液滴の数に対する精度が列方向に連通する画素数に反比例することになる。
このため、製造歩留りよく着色濃度のばらつきを低減するには、ブラックマトリクスのパターンは、列方向の画素が連通するような形状であることが望ましい。図1(a)に示したブラックマトリクス12のパターンでは、着弾した成膜材料16の広がりの速さを低減しつつ、成膜材料16の画素間での流動を妨げないようになっている。このため、成膜材料16の膜厚が、成膜材料16自体の流動性により均一化される効果が得られる。
ここで、突出部12bの行方向の長さを変化させることで、突出部12bと隣接する隔壁部12aとの距離を変化させ、他の条件を一定に保って成膜材料16の塗布に関する評価を行った。その結果、突出部12bと隣接する隔壁部12aとの距離を5μm以上とすることで、成膜材料16の流動性による膜厚の均一化の効果を保ちながら、混色の発生を防止し、良好な塗布が可能であることがわかった。なお、このとき用いた成膜材料は、顔料を分散し粘度を20cpsに調整した硬化型インクである。
成膜材料硬化工程では、成膜材料16を塗布した基板11を加熱処理することにより、図2(c)に示すように成膜材料16を硬化させて着色部17を形成する。ここでは、基板11を180℃で90分間加熱処理した。これにより、カラーフィルタ10が完成する。なお、必要に応じてブラックマトリクス12及び着色部17上に保護層などを形成してもよい。
上述したように、突出部12bの隅となる部分を曲線形状とすることにより、成膜材料の流動を阻害せず、かつ、隅の部分における気泡の噛み込みなどを防止でき、製造歩留りよく高品位なカラーフィルタ10を形成することが可能となる。上記気泡の噛み込みは、カラーフィルタ10における光漏れの原因となる。
ここでは、突出部12bの隅となる部分を曲線形状とすることにより気泡の噛み込みなどを防止できる理由を、図23(a)〜(d)に基づいてより詳細に説明する。図23(a)(b)は、本実施形態のブラックマトリクス12、製膜材料16、着色部17を示しており、図23(a)は製膜材料16塗布直後の状態を、図23(b)は製膜材料16を硬化させて着色部17を形成した状態を示している。また、図23(c)(d)は、比較例としてのブラックマトリクス12’、製膜材料16’、着色部17’を示しており、図23(c)は製膜材料16’塗布直後の状態を、図23(d)は製膜材料16’を硬化させて着色部17’を形成した状態を示している。この比較例は、突出部12bの隅となる部分を曲線形状ではなく矩形としたものである。
図23(a)(c)に示すように、成膜材料塗布工程において塗布させた直後の成膜材料16・16’は、塗布量に応じたはみ出し量でブラックマトリクス12・12’と重なり合う。その後、成膜材料硬化工程において、成膜材料16・16’は、表面張力の影響により収縮するが、特にブラックマトリクス12’の矩形部Cにおいては、収縮率が大きくなり、ブラックマトリクス12’の形状に追従できなくなる。その結果、上記矩形部Cにおいて着色部17’の厚みが小さくなり、光漏れを生じる。これに対し、突出部12bの隅となる部分を曲線形状とすることにより、矩形部をなくすことができ、光漏れを良好に防止できる。
次に、カラーフィルタ10を用いた表示装置としての液晶ディスプレイ1について説明する。液晶ディスプレイ1は、図8に示すように、液晶ディスプレイパネル2、ソースドライバ3、及びゲートドライバ4を備えている。なお、ソースドライバ3及びゲートドライバ4は周知のものであるので説明を省略し、ここでは液晶ディスプレイパネル2について説明する。
液晶ディスプレイパネル2は、図9(a)に示すアクティブマトリクス基板20を備えている。なお、図9(a)には、アクティブマトリクス基板20の1画素分を主に示している。また、図9(a)のC−C線に相当する部分における液晶ディスプレイパネル2の断面を図10に示す。
液晶ディスプレイパネル2では、カラーフィルタ10と対向するようにアクティブマトリクス基板20が配置される。そして、カラーフィルタ10とアクティブマトリクス基板20との間に液晶層32が挟持される。
なお、液晶ディスプレイパネル2を構成する場合、カラーフィルタ10の表面には、スパッタ法などにより例えば140nmの膜厚のITO膜が共通電極33として形成される。
アクティブマトリクス基板20は、ガラスなどからなる基板21上に、ゲートバスライン22、補助容量配線29、ゲート絶縁膜23、ソースバスライン24、ドレイン引き出し線25、スイッチング素子26、保護膜27、及び透明画素電極28を備えたものである。
ゲートバスライン22は、基板21上に形成され、ゲートドライバ4に接続されている。ゲート絶縁膜23は、SiNxなどからなり、基板21及びゲートバスライン22上に形成されている。ソースバスライン24は、ゲート絶縁膜23上に形成され、ソースドライバ3に接続されている。ドレイン引き出し線25は、ゲート絶縁膜23上にソースバスライン24と同一層で形成されている。補助容量配線29は、ゲートバスライン22と同一層で形成され、ドレイン引き出し線25との間で補助容量を形成する。スイッチング素子26は、ゲートバスライン22及びソースバスライン24の一部、並びに図示しない半導体膜によって構成されたTFT(Thin Film Transistor)などである。保護膜27は、ゲート絶縁膜23、ソースバスライン24、ドレイン引き出し線25上に形成され、スイッチング素子26を保護している。透明画素電極28は、保護膜27上に形成され、表示のための電極となる。
この液晶ディスプレイパネル2では、基板21側から入射した光の基板11側への透過性を液晶層32により制御することで表示を行う。このとき、ゲートバスライン22、ソースバスライン24、ドレイン引き出し線25、スイッチング素子26、補助容量配線29などの、図9(a)において斜線を付した領域は光を遮光する遮光部になり、その他の領域が光の透過性を制御できる開口部となる。また、カラーフィルタ10におけるブラックマトリクス12も遮光部となる。液晶ディスプレイパネル2では、高輝度の表示を実現できるように、遮光部の割合を極力小さくし、開口部の割合、つまり開口率を極力大きくすることが望ましい。
そこで、アクティブマトリクス基板20の遮光部と、カラーフィルタ10のブラックマトリクス12との位置関係を、図9(b)に示すような関係にすることが望ましい。すなわち、液晶ディスプレイパネル2では、ブラックマトリクス12の突出部12bと、アクティブマトリクス基板20のスイッチング素子26とが、基板11及び基板21の法線方向において重なり合うような位置関係になるようにすることが望ましい。これにより、ブラックマトリクス12に突出部12bを設けたことによる開口率の低下を防ぐ、あるいは極力小さくすることができる。なお、ブラックマトリクス12の隔壁部12aは、一般的な液晶ディスプレイパネルと同様、ソースバスライン24と重なり合うように配置される。
このように、液晶ディスプレイパネル2における開口率を考慮した場合には、図6に示したように隔壁部12aの両側に突出部12bを設けるよりも、図1(a)に示したように片側に設ける方が望ましい。
なお、本実施形態では本発明に係るカラーフィルタについて説明した。しかし、本発明は、カラーフィルタに限定されるものではなく、互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の隔壁部を有する第1膜と、前記第1膜の間隙領域にインクジェット方式により成膜材料を塗布し、塗布した成膜材料を硬化させることで形成された第2膜とを備える複合膜、及びその製造方法に広く適用することができる。なお、本実施形態のカラーフィルタにおいては、ブラックマトリクス12が第1膜に相当し、着色部17が第2膜に相当する。
カラーフィルタ以外の適用例としては、例えば、インクジェット方式により導電性の成膜材料を塗布し、塗布した成膜材料を硬化させることで形成される導電配線がある。そして、この導電配線の製造に本発明の製造方法を適用し、例えば、パッシブマトリクス型表示パネルの信号電極や走査電極となるストライプ電極を形成し、パッシブマトリクス型表示パネル用の電極基板を製造することができる。また、上記製造方法を用いて、アクティブマトリクス型表示パネル、特に、MIM(Metal Insulator Metal)素子をアクティブ素子として備えるアクティブマトリクス型表示パネルの走査電極となるストライプ電極を形成し、アクティブマトリクス基板を製造することができる。
このように、本発明は、基板上にインクジェット方式により導電性又は非導電性のパターンを形成するためのパターン形成用基板、それを用いた電極付基板、能動素子付基板、あるいはカラーフィルタ付基板などに適用することができる。
以上のように、本発明の複合膜の製造方法は、互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の隔壁部を有する第1膜と、第1膜の間隙領域に形成された第2膜とを備える複合膜の製造方法である。この製造方法には、第1膜を基板上に形成する第1膜形成工程と、第1膜を形成した基板の前記間隙領域に対して、インクジェット方式により隔壁部の延設方向に沿って移動しつつ成膜材料を塗布し、塗布した成膜材料を硬化させることで第2膜を形成する第2膜形成工程とを含む。本実施形態においては、ブラックマトリクス形成工程が第1膜形成工程に相当し、成膜材料塗布工程及び成膜材料硬化工程が第2膜形成工程に相当する。そして、第1膜形成工程で形成する第1膜には、間隙領域の幅を部分的に狭める間隙幅規制部を設けるようにする。
この製造方法では、第1膜の間隙領域に対して、インクジェット方式により隔壁部の延設方向に沿って成膜材料を塗布することで第2膜が形成され、これにより、第2膜が第1膜によって仕切られて構成される複合膜を製造する。
この方法では、生産性の向上のために、インクジェット方式による成膜材料塗布の速度、すなわち、成膜材料を吐出するインクジェットノズルと基板との相対速度を大きくすることが望まれる。ところが、通常、上記相対速度を大きくすると、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまう、あるいは塗布した成膜材料の膜厚のばらつきが大きくなるといった問題を生じる。この問題は、カラーフィルタの例では、混色や着色濃度のばらつきとなってカラーフィルタの特性の悪化を招来する。
これに対して、上記の方法では、第1膜に間隙幅規制部を形成しておく。間隙幅規制部は、間隙領域の幅を部分的に狭めるものであるため、成膜材料を塗布したときに、間隙領域において成膜材料が隔壁部の延設方向に沿って流れる際の抵抗となる。これにより、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまうことを抑制するとともに、塗布した成膜材料の膜厚のばらつきも小さくすることができる。これは、インクジェットノズルから吐出され、基板上に着弾した成膜材料が基板上で広がる際の、広がり度合いや広がりの速度が、間隙幅規制部により抑制されることによるものと考えられる。
このように、上記の方法では、成膜材料が隔壁部を乗り越えてしまう、あるいは塗布した成膜材料の膜厚のばらつきが大きくなることを抑制しつつ、インクジェットノズルと基板との相対速度を大きくすることができる。その結果、高い生産性で特性の良好な複合膜を製造することができるようになる。
〔実施形態2〕
本発明の第2の実施形態について図11及び図12に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本実施形態のカラーフィルタ40は、図11(e)に示すように、実施形態1のカラーフィルタ10におけるブラックマトリクス12上、及び間隙領域12cにおいて、ブラックマトリクス12の上層、かつ、着色部17の下層となる機能膜13が設けられている点がカラーフィルタ10と異なっている。なお、本実施形態のカラーフィルタにおける機能膜13以外の構成要素は、カラーフィルタ10の構成と同等のものである。そこで、対応する構成要素には実施形態1で用いた記号と同一の記号を用いることにし、その説明を省略する。
機能膜13は、成膜材料16に対する濡れ性が制御可能な膜である。また、機能膜13は、ブラックマトリクス12上の一部分が相対的に濡れ性の低い領域(「非親和性領域」と称する。)となり、その他の領域、特に、間隙領域12cに相当する部分が相対的に濡れ性の高い領域(「親和性領域」と称する。)となるように濡れ性が調整されている。
機能膜13としては、特定光で露光することにより、成膜材料16に対する濡れ性が向上する感光膜を用いることができる。このような感光膜を用いると、機能膜13を所定のパターンで特定光により露光することで、親和性領域及び非親和性領域を形成することができる。なお、特定光とは、特定の波長領域の波長を有する光である。
図11(a)〜(e)に基づいて、本実施形態のカラーフィルタ40の製造方法について説明する。この製造方法では、ブラックマトリクス形成工程、機能膜形成工程、露光工程、成膜材料塗布工程、及び成膜材料硬化工程をこの順に行う。なお、ブラックマトリクス形成工程(図11(a))、成膜材料塗布工程(図11(d))、及び成膜材料硬化工程(図11(e))は、実施形態1で説明した同一名称の工程と同じ工程であるので、ここでは説明を省略する。また、以下では、実際に作成したカラーフィルタ40に基づいて、具体的な材料やサイズ等を示すが、本発明の製造方法はこれらに限ったものではない。
機能膜形成工程(感光膜形成工程)では、ブラックマトリクス12を形成した基板11の全面に、スピンコート方により、光触媒反応を示す酸化チタン(TiO2)を分散した塗布液を0.3μmの膜厚で塗布し、110℃のオーブンで120秒間のベーク乾燥を行い、図11(b)に示すように機能膜13を形成する。この状態における機能膜13の表面は、純水に対する接触角が11°を示す撥水状態となっており、比較的濡れ性の低い状態であった。
露光工程では、図11(c)に示すように、超高圧水銀ランプLaの光Lを特定光として用い、この特定光を基板11の裏面側から照射することで、ブラックマトリクス12を露光マスクとして機能膜13を露光する。このときの光Lの露光強度は、365nmの波長における積算露光量において0.2J/cm2とした。この特定光に対して、基板11は透光性を有し、ブラックマトリクス12は遮光性を有している。これにより、機能膜13は、ブラックマトリクス12上の一部分が非親和性領域となり、その他の領域は親和性領域となる。
なお、ここでは、ブラックマトリクス12を露光マスクとして用いた裏面露光をおこなっているが、所定の露光マスクを用いて前面露光を行ってもよい。ただし、裏面露光の場合には、ブラックマトリクス12を露光マスクとして用いることができるため、露光マスクを別途準備し、基板11との位置合わせをして露光するといった手間を省くことができる。
ここで、超高圧水銀ランプLaからの光Lは、平行光ではなく散乱光とする。これにより、機能膜13のブラックマトリクス12上の部分にも、光Lが部分的に回り込むことになる。したがって、ブラックマトリクス12のテーパ部分を含む外周部分をも親和性領域とすることができる。なお、図11(c)では、機能膜13の斜線を付した部分が親和性領域となっている。また、ブラックマトリクス12上に回り込んだ親和性領域を平面的に示すと図12の斜線部のようになる。この回り込みの幅は2.5μmであった。
このように親和性領域及び非親和性領域を形成することにより、次の成膜材料塗布工程における成膜材料16の塗布の際に、成膜材料16の混色をより効果的に防ぐことができる。なぜなら、非親和性領域は成膜材料16に対する濡れ性が相対的に低いため、ブラックマトリクス12上、特に隔壁部12a及び突出部12b(図1(a)参照)上に形成された非親和性領域により、成膜材料16の行方向への広がりが抑制されるからである。
その結果、成膜材料塗布工程における基板11に対するインクジェットノズル91の相対速度Vh(図4参照)を0.5m/secまで上げても、着色濃度のばらつきが十分小さく混色を防止することができた。このように、本実施形態によると、実施形態1の場合よりもさらに大きい相対速度Vhにより成膜材料16の塗布を行うことが可能になり、生産性を向上させることができる。
なお、本実施形態2の製造方法におけるブラックマトリクス形成工程、機能膜形成工程、露光工程、成膜材料塗布工程、及び成膜材料硬化工程は、従来の技術の項で説明した工程a〜eにそれぞれ対応しており、工程a〜eで説明した方法や材料を適用することもできる。なお、本実施形態における部材等と、従来の技術の項における部材等との対応関係は次の通りである。すなわち、基板11は基板101に、ブラックマトリクス12はブラックマトリクス102に、機能膜13は感光層103に、親和性領域は親水性領域104に、非親和性領域は非親水性領域105に、成膜材料16は硬化型インク106に、着色部17は着色部107にそれぞれ対応している。
〔実施形態3〕
本発明の第3の実施形態について図13及び図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本実施形態の製造方法を図13(a)〜(g)に示す。本実施形態では、実施形態2の場合と異なるブラックマトリクス形成工程を用いた製造方法について説明する。ブラックマトリクス形成工程以外の工程、つまり、機能膜形成工程、露光工程、成膜材料塗布工程、及び成膜材料硬化工程は実施形態2で説明した工程と同じ工程であるので、ここでは説明を省略する。なお、本実施形態では、ブラックマトリクス形成工程以外の工程を実施形態2の場合と同一としているが、実施形態1の場合と同一とすることもできる。
本実施形態のブラックマトリクス形成工程では、ドナーシート18を用いてブラックマトリクス12を形成する。この形成方法は、特許文献2に開示されている方法を応用することができる。
まず、ドナーシート18について図14に基づいて説明する。ドナーシート18は、レーザー光を用いたサーマルイメージングプロセス(LITI法)により、画像パターンを基板11に転写するための画像付与要素として使用されるものである。
ドナーシート18は、基材18aと、その上に順次形成された、光熱変換層18b、中間層18c、そして光熱変換層18bの作用により加熱されて溶融し、基板11(図13(a)参照)にパターン状に転写される画像成分を含む転写層18dとを備えている。なお、上記画像成分の転写された画像パターンが、ブラックマトリクス12(図13(c)参照)となる。
ドナーシート18において、基材18aは、それがドナーシート18に求められている要件を満たしうる限りにおいて、様々な材料から形成することができる。この基材18aに必要な要件は、例えば、画像成分の転写のためにレーザー光を照射して加熱が行われるので、レーザー光の透過性、耐熱性など、そして、受像要素に貼り合わせて使用されかつ使用後には剥離されるので、適度の柔軟性、軽さ、取り扱い性、機械的強度などである。好適な基材18aの材料としては、ポリエステル樹脂などの各種のプラスチック材料を挙げることができる。また、基材18aの厚さは、通常、約0.01〜2.54mmの範囲である。
光熱変換層18b(LTHC層とも呼ばれる)は、レーザー光の照射を受けてその光エネルギーを熱エネルギーに変換し、中間層18cを介して転写層18d中の画像成分を溶融させ、基板11の表面に転写及び固着させるためのものである。
したがって、光熱変換層18bは、カーボンブラック等の光吸収性材料そのものからなる、あるいは、そのような光吸収性材料を分散して含有する層からなることが好ましい。さらに、この光熱変換層18bは、硬化目的のため、光重合性の成分を含有しているのが好ましい。好適な光熱変換層18bは、例えば、カーボンブラック、光重合性モノマー又はオリゴマー、光重合開始剤等をバインダ樹脂中に分散させた層である。
このような光熱変換層18bは、通常、所定の組成を有する樹脂組成物を、例えば、スピンコート法、グラビア印刷法、ダイコーティング法等の常用の塗布方法によって基材18aの表面に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。光熱変換層18bの厚さは、通常、約0.001〜10μmの範囲である。
中間層18cは、光熱変換層18bの光熱変換作用を均一化するためのものであり、このような機能を有する樹脂材料から形成することができる。中間層18cは、光熱変換層18bと同様、所定の組成を有する樹脂組成物を、例えば、スピンコート法、グラビア印刷法、ダイコーティング法等の常用の塗布方法によって光熱変換層18bの表面に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。中間層の厚さは、通常、約0.05〜10μmの範囲である。
転写層18dは、上述したように、光熱変換層18bの作用により加熱されて溶融し、基板11にパターン状に転写される画像成分を含むものである。
転写層18dは、それに含まれる画像成分をLITI法によって基板11の表面に高コントラストで転写し、転写された画像パターンとして固着させることができ、かつ、ドナーシート18を基板11から剥離する際に剥離残渣を生じることがないような材料を用いることができる。また、上記画像パターンとして形成されるブラックマトリクス12の機能を果たすべく、例えば、黒色顔料(カーボンブラック等)や、その他の有色顔料を多く添加する、あるいは、金属粉などを添加するようにすればよい。
このドナーシート18を用いてブラックマトリクス12を形成する方法を図13(a)〜(c)に示す。
図13(a)に示すように、図14のドナーシート18を、転写層18dが基板11表面に密着するようにして重ね合わせる。次いで、図13(b)に示すように、ドナーシート18に対して、基材18a側から、レーザー光Lbを所定のパターンで照射する。ここで、レーザー光Lbの照射パターンは、形成するブラックマトリクス12のパターンに対応するものである。
レーザー光Lbを照射した結果、ドナーシート18の光熱変換層18bの作用により、光エネルギーが熱エネルギーに変換され、さらにこの熱エネルギーが中間層18cの作用により均一化される。これにより、転写層18dの内部に含まれる画像成分がパターン状に加熱されて溶融し、基板11に密着する。なお、図13(b)では、転写層18dにおける溶融、密着している画像成分の部分に斜線を付して示している。
その後、ドナーシート18を基板11から剥がすことにより、レーザー光Lbの照射パターンに対応するパターンが基板11に転写される。この転写した部分により、ブラックマトリクス12が形成される。なお、図13(c)にはブラックマトリクス12における隔壁部12aが表れている。
その後、実施形態2の機能膜形成工程、露光工程、成膜材料塗布工程、及び成膜材料硬化工程と同じ工程を経て、実施形態2のカラーフィルタ40と同等のカラーフィルタが完成する。
このブラックマトリクス形成工程では、実施形態2のブラックマトリクス形成工程のようなアルカリ現像液などを用いた除去処理が不要になり、工程の簡素化を図ることができる。
〔実施形態4〕
本発明の第4の実施形態について図20及び図22に基づいて説明すれば、以下の通りである。
本実施形態のカラーフィルタ50を図20に示す。カラーフィルタ50の基本的な構成は実施形態2のカラーフィルタ40とほぼ同じであり、カラーフィルタ50はカラーフィルタ40と同様の製造方法によって製造することができる。そこで、カラーフィルタ50における構成要素のうち、カラーフィルタ40に対応する構成要素については、実施形態2で用いた記号と同一の記号を用いることとする。
本実施形態のカラーフィルタ50と実施形態2のカラーフィルタ40との相違点について説明する。実施形態2のカラーフィルタ40では、ブラックマトリクス12の突出部12bが、その位置にかかわらず同一形状を有していた。これに対し、本実施形態のカラーフィルタ50では、ブラックマトリクス52の突出部52bの形状が、突出部52bの列方向の位置に応じて異なっており、中央部と比較して両端部の方が突出長さが大きくなるようになっている。なお、ブラックマトリクス52の隔壁部52aは、ブラックマトリクス12の隔壁部12aと同じ形状を有している。
具体例について図21に基づいて説明する。ブラックマトリクス52の各部のサイズは、図21に示す通り、隔壁部52aの幅を8μm、突出部52bの列方向の長さを15μm、画素ピッチを108μm×324μmとした。そして、行方向1024×列方向768画素を形成した。なお、本実施形態では、突出部52bの列方向の長さを15μmとしているが、この長さを実施形態2と同様に13μmとしてもよい。
そして、一方の端部から数えて第i番目の突出部52bの行方向の長さ(突出長さ)Li(単位μm)が数式(1)を満たすように、突出部52bの形状を設定した。
Figure 0004401806
つまり、中央部の突出部52bの平面形状を行方向20μm×列方向15μmとし、列方向両端部の突出部52bの平面形状を行方向60μm×列方向15μmとし、両端部から中央部へ向かって突出部52bの突出長さが1μmずつ短くなるようにした。
このように、本実施形態では、突出部52bの列方向の位置に応じて突出部52bの突出長さを変化させることにより、突出部52bが間隙領域の幅を狭めている割合を変化させている。
なお、カラーフィルタ50においても、突出部52bを、その平面形状をほぼ長方形とし、突出部52bの隅となる部分を曲線に形成している。これは、実施形態2と同様、インクジェット方式により成膜材料を塗布する際に、成膜材料の流れが不均一になることを抑制し、膜厚のばらつきを小さくするためである。
このようなカラーフィルタ50を備えた基板11に対し、インクジェットノズルを用いて成膜材料の塗布を行った。実際に用いた成膜材料は、赤色の顔料を分散し、粘度20cpsに調整した硬化型インクである。
成膜材料の塗布は、図4に示したように、基板11に対してインクジェットノズル91を列方向の一方の向きに移動しつつ、このインクジェットノズル91から成膜材料の液滴16aを連続的に吐出することにより行う。実際には、基板11に対するインクジェットノズル91の相対速度Vh=0.1m/sec、インクジェットノズル91から吐出される液滴16aの吐出速度Vv=0.6m/secとし、インクジェットノズル91の移動に対して約50μm間隔で液滴16aが吐出されるような吐出タイミングで塗布を行った。したがって、液滴16aは、相対速度Vhと吐出速度Vvとの合成速度Vtをもって基板11に着弾することになる。
本実施形態においても、上述した各実施形態と同様に、成膜材料の厚みばらつきに起因する着色濃度のばらつきを抑え、成膜材料の乗り越えによる混色を防止する効果が得られた。
上記のようにして成膜材料を塗布した後、基板11を140℃のホットプレート上で乾燥させ、成膜材料の溶剤を揮発させることにより、赤色の着色部を形成した。
次に、突出部12b・52bを設けること、及び突出部52bの突出長さに上記のような変化をもたせることによる効果を確認するために、3種類のカラーフィルタのサンプルを作成して評価を行った。第1のサンプルは本実施形態のカラーフィルタ50であり、第2のサンプルは実施形態2のカラーフィルタ40であり、第3のサンプルは突出部を備えないブラックマトリクスを用いて形成したカラーフィルタである。
評価のために、各サンプルにおける、成膜材料を硬化して得られた着色部の厚み(膜厚)ばらつきを調べた。その結果を図22に示す。図22には、着色部における、列方向中央部の厚さを基準値1としたときの、列方向両端部(初端及び終端)の厚さの比率を示している。なお、初端とは、基板に対するインクジェットノズルの移動方向における上流側の着色部の端部を指し、終端とは、下流側の端部を指す。
突出部を備えないブラックマトリクスを用いて形成したカラーフィルタ(第3のサンプル)では、ばらつきが非常に大きく、中央部に対する両端部の膜厚が約2.5〜3倍になった。これに対して、本実施形態のカラーフィルタ50(第1のサンプル)、及び実施形態2のカラーフィルタ40(第2のサンプル)では、ばらつきを非常に小さくすることができた。さらに、第1のサンプルと第2のサンプルとでは、第1のサンプルの方が、ばらつきが小さくなることが確認できた。
このように、ブラックマトリクスに対して突出部を設けることにより、着色部の膜厚ばらつきを抑えることができ、さらに、突出部の突出長さを、中央部と比較して両端部の方が突出長さが大きくなるように設定することによって、より効果的に膜厚ばらつきを抑えることができる。
また、図22に示した結果より、何れのサンプルにおいても、着色部の膜厚は、初端よりも終端の方が大きくなる傾向にあることがわかる。これは、成膜材料が着弾時に有する慣性力の影響により、成膜材料が終端部側に偏りやすいためであると考えられる。
そこで、初端の膜厚と終端の膜厚との差を小さくするために、初端側よりも終端側において突出部の突出長さを大きくすることが望ましい。これにより、さらに着色部の膜厚ばらつきを小さくすることができる。
なお、本実施形態では、突出部52bの突出長さを上記数式(1)のように設定したが、これはあくまで一具体例であり、これに限らず、列方向において中央部側に設けられた突出部52bよりも、両端部側に設けられた突出部52bの方が突出長さが長くなるように設定されておればよい。例えば、列方向における両端の突出部52bのみ、その他の突出部52bよりも突出長さを大きくしてもほぼ同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、実施形態2のカラーフィルタ40を前提とし、このカラーフィルタ40のブラックマトリクス52における突出部52bの突出長さを変化させる構成について説明したが、これに限らず、実施形態1の図1,6,7に示したカラーフィルタ10や、実施形態3の図13に示したカラーフィルタ40についても、同様の変更を加えることにより、同様の効果を得ることができる。
実施形態1の図6のカラーフィルタ10については、隔壁部12aから両側に突出している2つの突出部12b・12bの一方の突出長さを変化させてもよく、両方の突出長さを変化させてもよい。また、実施形態1の図7のカラーフィルタ10については、突出部12bの突出長さの代わりに、島状部12b’の行方向の幅を変化させればよい。
また、本実施形態では本発明に係るカラーフィルタについて説明した。しかし、上記各実施形態と同様、本発明はカラーフィルタに限定されるものではなく、互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の隔壁部を有する第1膜と、前記第1膜の間隙領域にインクジェット方式により成膜材料を塗布し、塗布した成膜材料を硬化させることで形成された第2膜とを備える複合膜、及びその製造方法に広く適用することができる。なお、本実施形態のカラーフィルタにおいては、ブラックマトリクス52が第1膜に相当し、着色部17が第2膜に相当する。
以上のように、本発明の複合膜の製造方法は、第1膜に、隔壁部の延設方向に沿って突出部や島状部などの間隙幅規制部を複数設けておき、隔壁部の延設方向では、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部の方が、間隙領域の幅を狭める割合が大きくなるようにしてもよい。
隔壁部の延設方向では、中央部側と比較すると両端部側において第2膜の膜厚が大きくなる傾向がある。これは、両端部側では中央部側よりも成膜材料の乾燥速度が大きくなり、その結果、比較的乾燥速度の小さい中央部側から両端部側に向かって成膜材料が補充されるためであると考えられる。
これに対して、上記のように、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部において、間隙領域の幅を狭める割合が大きくなるようにしておくことにより、中央部側から両端部側に向かう成膜材料の流動性を低下させることができる。その結果、中央部側と比較して両端部側において第2膜の膜厚が大きくなる傾向を抑制することができ、第2膜の膜厚をより均一化することができる。
なお、間隙領域の幅を狭める割合は、中央部側に設けられた間隙幅規制部から、両端部側に設けられた間隙幅規制部に向かって段階的に大きくなるようにしてもよい。
さらに、本発明の複合膜の製造方法では、両端部側に設けられた間隙幅規制部のうち、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部は、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、間隙領域の幅を狭める割合が大きくなるようにしておき、成膜材料を塗布する際には、上記他方の端部から一方の端部に向かって移動しつつ成膜材料を塗布するようにしてもよい。
インクジェット方式によって成膜材料を塗布する場合、インクジェットノズルと基板との相対速度により、インクジェットノズルの移動方向下流側において成膜材料の厚みが大きくなる傾向にある。
これに対して、上記のように、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部を、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、間隙領域の幅を狭める割合が大きくなるようにしておくことにより、インクジェットノズルの移動方向上流側から下流側に向かう成膜材料の流動性を低下させることができる。その結果、上流側と比較して下流側において第2膜の膜厚が大きくなる傾向を抑制することができ、第2膜の膜厚をより均一化することができる。
本発明は次のようなものであるということもできる。すなわち、インクジェット方式により液滴の吐出を行いパターンを形成する基板に、四隅が曲線で形成された多数の膨らみ又は島を持ったストライプ状の壁を形成しておく。この膨らみ又は島が防波堤として働き、着弾時の液滴の流速を低下させるとともに、液量を前後画素に若干流出させながら、ストライプ状の領域全体で均一な膜厚形成が可能となる。特にカラーフィルタの形成においてはストライプ状の壁は遮光性を有する樹脂材料を形成し、膨らみ又は島はスイッチング素子の遮光部と兼ねることが望ましい。
さらに、均一な乾燥後膜厚を得るために、四隅が曲線で囲まれた多数の膨らみ又は島は、両端ほど大きな膨らみ又は島を形成し、隣接画素とのインク材料の流動性は保ちながら両端では中央部に比べ流動性を低下させることで乾燥工程における両端への偏りを防止させる。また、基板がインクジェットヘッドに対して相対的に移動するため、インク材料はスキャン方向に初速度を持ち、インクの着弾開始位置に対し着弾終了位置にインクが偏る傾向が見られるが、両端の膨らみ又は島をスキャンの上流側では下流側に対して小さくすることにより、均一な膜厚形状が得られる。
〔応用例〕
上記各実施形態では、主にインクジェット方式によるカラーフィルタの形成について説明した。しかし、本発明はこれに限らず、塗布材によって塗布されるべき特定領域に対して塗布材を塗布する塗布方法に広く適用することができ、本発明を適用することによって塗布材の厚みのばらつきを抑えることができる。
なお、上記各実施形態における成膜材料及び間隙領域が、ここでいうそれぞれ塗布材及び特定領域に相当することになる。塗布材は、流動性を有し、インクジェット方式などによって特定領域を塗布することができるものである。また、特定領域は、塗布材によって塗布されるべき範囲として規定された領域である。特定領域は、上記各実施形態におけるブラックマトリクスのような仕切によって仕切られた閉領域であってもよい。
本発明を上記塗布方法に適用するためには、塗布材の流動に対する障害を特定領域に設けて、この特定領域に流動性の塗布材を塗布するようにすればよい。
なお、上記各実施形態における突出部や島状部がここでいう障害に相当することになる。この障害は、特定領域において望ましくない塗布材の流動を抑制することができるものであればよい。これにより、塗布された塗布材が広がる際の広がり度合いや広がりの速度を障害によって抑制することができ、塗布した塗布材の膜厚のばらつきを小さくすることができる。
なお、上記障害としては、望ましくない塗布材の流動に対して種々の物理的障害を起こさせるものであればよい。上記障害としては、例えば、特定領域の表面から突出するように形成された突出部以外にも、特定領域の表面に形成された凹部であってもよく、これら以外の構造物であってもよい。また、これらに限らず、上記障害は、特定領域において望ましくない塗布材の流動を抑制することができるものであればよく、種々の力や物体などによって構成することができる。
例えば、塗布材が磁性を帯びている場合には、特定領域に磁場を形成しておくことによって塗布材に対して磁力を発生させることができるため、この場合の磁場も上記障害に含まれる。同様に、塗布材が電荷を帯びている場合には、静電場も上記障害に含まれる。このように、塗布材に対して何らかの力を作用させる要素は上記障害になり得る。
この塗布方法においては、塗布をインクジェット方式によって行うことができる。また、上記障害を上記特定領域内に複数設けるようにしてもよい。この場合、複数の障害はそれぞれ大きさや形状が異なる障害物であってもよい。また、上記障害は、上記特定領域の表面から突出した障害物によって構成してもよい。この場合において、この障害物は、上記実施形態における島状部のように、その周囲を塗布材が流動するように形成されていてもよい。
また、本発明は、塗布材の流動制御方法として捉えることもできる。本発明の塗布材の流動制御方法は、塗布材によって塗布されるべき特定領域に塗布材を塗布する際の塗布材の流動制御方法であって、塗布材の流動を制御するために塗布材の流動に対する障害を特定領域に設けて、この特定領域に塗布材を塗布することにより、特定領域において望ましくない塗布材の流動を抑制することができる。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、液晶表示装置などに用いられるカラーフィルタに好適に利用することができるほか、パッシブマトリクス型あるいはアクティブマトリクス型の表示パネルを構成するための導電配線や電極などにも利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタを示す図面であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図である。 (a)〜(c)は、図1のカラーフィルタの製造工程を示す断面図である。 図1のカラーフィルタにおけるブラックマトリクスの平面図である。 インクジェット方式により成膜材料を塗布する際の、基板に対するインクジェットノズル及び成膜材料の液滴の速度を説明するための斜視図である。 基板上に着弾した成膜材料が広がる様子を示した斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタの一変形例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係るカラーフィルタの他の変形例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る液晶ディスプレイの構成を示す平面図である。 (a)は、図8の液晶ディスプレイにおけるアクティブマトリクス基板の1画素を示す平面図であり、(b)は、上記アクティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基板に対向して設けられるカラーフィルタにおけるブラックマトリクスとの位置関係を示すために、(a)にブラックマトリクスを重ねて示した平面図である。 図9(a)のC−C線に相当する部分における液晶ディスプレイパネルの断面図である。 (a)〜(e)は、本発明の第2の実施形態に係るカラーフィルタの製造工程を示す断面図である。 図11(c)に示した工程において、ブラックマトリクス上に形成される親和性領域を示す平面図である。 (a)〜(g)は、本発明の第3の実施形態に係るカラーフィルタの製造工程を示す断面図である。 図13(a)〜(c)の工程によりブラックマトリクスを形成する際に用いるドナーシートの構成を示す断面図である。 (a)〜(f)は、従来のカラーフィルタの製造工程を示す断面図である。 (a)(b)は、格子状のブラックマトリクス上に形成した非親水性領域のそれぞれ互いに異なるパターンを示す平面図である。 図16(a)(b)に示したものとは形状の異なるブラックマトリクス、及びそのブラックマトリクス上に形成した非親水性領域を示す平面図である。 インクジェット方式により硬化型インクを塗布する際の、基板に対する硬化型インクの液滴の速度を説明するための斜視図である。 基板上に着弾し、広がった硬化型インクの厚みばらつきを示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るカラーフィルタを示す平面図である。 図20のカラーフィルタにおけるブラックマトリクスの平面図である。 着色部の膜厚ばらつきを調べた結果を示す図表である。 (a)は本発明の第1の実施形態における製膜材料塗布直後の状態を示す平面図であり、(b)は本発明の第1の実施形態における製膜材料を硬化させて着色部を形成した状態を示す平面図であり、(c)は比較例における製膜材料塗布直後の状態を示す平面図であり、(d)は比較例における製膜材料を硬化させて着色部を形成した状態を示す平面図である。
符号の説明
1 液晶ディスプレイ(表示装置)
10 カラーフィルタ(複合膜)
11 基板
12 ブラックマトリクス(第1膜)
12a 隔壁部
12b 突出部(障害、障害物)
12b’ 島状部(障害、障害物)
12c 間隙領域(特定領域)
13 機能膜(感光膜)
16 成膜材料(塗布材)
16a 液滴
16r 成膜材料(塗布材)
16g 成膜材料(塗布材)
16b 成膜材料(塗布材)
17 着色部(第2膜)
17b 青色着色部
17g 緑色着色部
17r 赤色着色部
18 ドナーシート
20 アクティブマトリクス基板
40 カラーフィルタ(複合膜)
50 カラーフィルタ(複合膜)
52 ブラックマトリクス(第1膜)
52a 隔壁部
52b 突出部(障害、障害物)
91 インクジェットノズル

Claims (22)

  1. 互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の隔壁部を有する第1膜と、前記第1膜の間隙領域に形成された第2膜とを備える複合膜の製造方法において、
    前記第1膜を基板上に形成する第1膜形成工程と、
    前記第1膜を形成した基板の前記間隙領域に対して、インクジェット方式により前記隔壁部の延設方向に沿って移動しつつ成膜材料を塗布し、塗布した成膜材料を硬化させることで前記第2膜を形成する第2膜形成工程とを含み、
    前記第1膜形成工程で形成する前記第1膜には、前記隔壁部と同一の膜厚を有し、前記間隙領域の幅を部分的に狭める間隙幅規制部を設けており、
    前記間隙領域は複数設けられており、前記複数の間隙領域にはそれぞれ前記間隙幅規制部が設けられており、
    前記間隙幅規制部は、前記隔壁部から分離した前記第1膜の島状部として形成することを特徴とする複合膜の製造方法。
  2. 前記間隙幅規制部は、その平面形状における隅となる部分を曲線に形成することを特徴とする請求項に記載の複合膜の製造方法。
  3. 前記第1膜には、前記隔壁部の延設方向に沿って前記間隙幅規制部が複数設けられており、
    前記隔壁部の延設方向では、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部の方が、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合膜の製造方法。
  4. 前記中央部側に設けられた間隙幅規制部から、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部に向かって、前記間隙領域の幅を狭める割合が段階的に大きくなることを特徴とする請求項に記載の複合膜の製造方法。
  5. 前記両端部側に設けられた間隙幅規制部のうち、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部は、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きく、
    前記第2膜形成工程では、前記他方の端部から一方の端部に向かって移動しつつ成膜材料を塗布することを特徴とする請求項に記載の複合膜の製造方法。
  6. 前記第2膜形成工程の前に、
    特定光で露光することにより前記成膜材料に対する濡れ性が向上する感光膜を、前記第1膜を形成した基板上に形成する感光膜形成工程と、
    前記感光膜に対して前記特定光の露光を行うことにより、前記感光膜における前記第1膜上の部分に前記濡れ性が相対的に低い領域を形成し、前記間隙領域に相当する部分に前記濡れ性が相対的に高い領域を形成する露光工程とをさらに含むことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の複合膜の製造方法。
  7. 前記基板は前記特定光に対して透光性を有し、前記第1膜は前記特定光に対して遮光性を有しており、
    前記露光工程では、前記感光膜に対して前記基板側から前記特定光の露光を行うことで、前記第1膜をマスクとして利用することを特徴とする請求項に記載の複合膜の製造方法。
  8. 前記第1膜形成工程では、レーザー光を用いたサーマルイメージングプロセスにより、前記第1膜を前記基板上に形成することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の複合膜の製造方法。
  9. 互いに間隙を介して並設された、同一方向に延びる複数本の隔壁部を有する第1膜と、
    前記第1膜の間隙領域に対して、インクジェット方式により塗布された成膜材料を硬化させることで形成された第2膜とを含み、
    前記第1膜は、前記隔壁部と同一の膜厚を有し、前記間隙領域の幅を部分的に狭める間隙幅規制部をさらに有しており、
    前記間隙領域を複数有しており、前記複数の間隙領域にはそれぞれ前記間隙幅規制部を有しており、
    前記間隙幅規制部は、前記隔壁部から分離した前記第1膜の島状部であることを特徴とする複合膜。
  10. 前記第1膜は、前記隔壁部の延設方向に沿って設けられた複数の間隙幅規制部を有するとともに、前記隔壁部の延設方向では、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部の方が、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きいことを特徴とする請求項に記載の複合膜。
  11. 前記中央部側に設けられた間隙幅規制部から、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部に向かって、前記間隙領域の幅を狭める割合が段階的に大きくなることを特徴とする請求項10に記載の複合膜。
  12. 前記両端部側に設けられた間隙幅規制部のうち、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部は、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、前記間隙領域の幅を狭める割合が大きいことを特徴とする請求項10に記載の複合膜。
  13. 前記第1膜の上層、かつ、前記第2膜の下層となるように配置され、前記成膜材料に対する濡れ性が制御可能な機能膜をさらに備え、
    前記機能膜は、前記第1膜上の部分に前記濡れ性が相対的に低い領域を有し、前記間隙領域に相当する部分に前記濡れ性が相対的に高い領域を有していることを特徴とする請求項から12の何れか1項に記載の複合膜。
  14. 前記第1膜は、レーザー光を用いたサーマルイメージングプロセスにより形成されていることを特徴とする請求項から13の何れか1項に記載の複合膜。
  15. 請求項から14の何れか1項に記載の複合膜からなるカラーフィルタであって、前記第1膜が遮光膜であり、前記第2膜が透明着色膜であることを特徴とするカラーフィルタ。
  16. 請求項15に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする表示装置。
  17. 請求項15に記載のカラーフィルタと、
    前記カラーフィルタと対向して配置され、マトリクス状に配置されたスイッチング素子を有するアクティブマトリクス基板とを備え、
    前記間隙幅規制部は、前記スイッチング素子に重畳するように配置されていることを特徴とする表示装置。
  18. インクジェット方式により塗布された成膜材料が硬化することにより、ストライプ配列に形成された複数の透明着色膜と、
    前記各透明着色膜の間に介在するとともに、前記各透明着色膜の間に介在する部分と同一の膜厚に形成され前記各透明着色膜の幅を部分的に狭める間隙幅規制部を有するブラックマトリクスとを備えており、
    前記複数の透明着色膜にはそれぞれ前記間隙幅規制部が介在しており、
    前記間隙幅規制部は、前記各透明着色膜内に介在する島状部であることを特徴とするカラーフィルタ。
  19. 前記間隙幅規制部は、その平面形状における隅となる部分が曲線形状を有することを特徴とする請求項18に記載のカラーフィルタ。
  20. 前記ブラックマトリクスは、前記透明着色膜の延設方向に沿って設けられた複数の間隙幅規制部を有するとともに、前記透明着色膜の延設方向では、中央部側に設けられた間隙幅規制部よりも、両端部側に設けられた間隙幅規制部の方が、前記透明着色膜の幅を狭める割合が大きいことを特徴とする請求項18又は19に記載のカラーフィルタ。
  21. 前記中央部側に設けられた間隙幅規制部から、前記両端部側に設けられた間隙幅規制部に向かって、前記透明着色膜の幅を狭める割合が段階的に大きくなることを特徴とする請求項20に記載のカラーフィルタ。
  22. 前記両端部側に設けられた間隙幅規制部のうち、一方の端部側に設けられた間隙幅規制部は、他方の端部側に設けられた間隙幅規制部よりも、前記透明着色膜の幅を狭める割合が大きいことを特徴とする請求項20に記載のカラーフィルタ。
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