JP5532579B2 - 電気光学装置、カラーフィルタ及び液晶装置 - Google Patents
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Description
機能膜を形成する技術として、液状体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを有する描画装置を用いて、機能膜の材料を含む液状体の液滴を吐出して基板上の機能膜区画の位置に着弾させることで、当該機能膜区画に液状体を配置(描画)し、配置した液状体を乾燥させて機能膜を形成する技術が知られている。このような膜形成に用いられる描画装置は、液滴吐出ヘッドを基板に対して相対移動させながら、液滴吐出ヘッドが有する吐出ノズルから微小な液滴を選択的に吐出して、基板上に位置精度良く着弾させることができるため、精密な平面形状を有する膜を形成することができる。微小な液滴の大きさを規定し、精度良く実現することができるため、精密な膜厚を有する膜を形成することができる。
特許文献1には、素子基板上にフィルタ層及び遮光層を設けることによって、遮光層を素子とは別の基板に形成する構成の場合に必要な、遮光層基板と素子基板とを貼り合わせる際の基板の位置合せ誤差を見込む必要がないため遮光層の面積を小さくすることができるアクティブマトリクス型液晶表示装置が開示されている。
しかし、遮光層の部分には、電気光学素子などの駆動素子や駆動素子への配線などが配置されており、駆動素子などを配置するためには一定の面積が必要である。遮光層は、これらの素子や配線以外の部分を極力狭くし、フィルタ層は、当該部分に膨出してフィルタ層の面積を増やすように工夫されている。このために、特許文献1にも例示されているように、遮光層の駆動素子などが形成されている部分がフィルタ層側に膨出した形状の遮光層が用いられている。
電気光学装置においては、光束が透過し難い構成部材は、遮光層と重なるように配置することで、当該構成部材が光学性能に影響を及ぼすことを抑制している。光束が透過し難い構成部材のなかで、駆動素子は平面形状の自由度が高くないため、遮光層の幅を駆動素子に合せた幅にすると、遮光層の幅を小さくすることが困難になる。駆動素子を遮光層の膨出部と重なる位置に配設することで、遮光層の膨出部以外の部分の幅を駆動素子の大きさに関わりなく狭くすることが可能となり、遮光層が占める面積を抑制して開口率を向上させることができる。
電気光学装置においては、光束が透過し難い構成部材は、遮光層と重なるように配置することで、当該構成部材が光学性能に影響を及ぼすことを抑制している。そのような構成部材のなかで、間隔規定手段は基板間の距離が変わるような力を支える必要があることから強度が必要であるため、強度を維持できるだけの面積を必要とする。このため、遮光層の幅を間隔規定手段に合せた幅にすると、遮光層の幅を小さくすることが困難になる。間隔規定手段を遮光層の膨出部と重なる位置に配設することで、遮光層の膨出部以外の部分の幅を間隔規定手段の大きさに関わりなく狭くすることが可能となり、遮光層が占める面積を抑制して開口率を向上させることができる。
液晶装置においては、光束が透過し難い構成部材は、遮光層と重なるように配置することで、当該構成部材が光学性能に影響を及ぼすことを抑制している。光束が透過し難い構成部材のなかで、駆動素子は平面形状の自由度が高くないため、遮光層の幅を駆動素子に合せた幅にすると、遮光層の幅を小さくすることが困難になる。駆動素子を遮光層の膨出部と重なる位置に配設することで、遮光層の膨出部以外の部分の幅を駆動素子の大きさに関わりなく狭くすることが可能となり、遮光層が占める面積を抑制して開口率を向上させることができる。
液晶装置においては、光束が透過し難い構成部材は、遮光層と重なるように配置することで、当該構成部材が光学性能に影響を及ぼすことを抑制している。そのような構成部材のなかで、間隔規定手段は基板間の距離が変わるような力を支える必要があることから強度が必要であるため、強度を維持できるだけの面積を必要とする。このため、遮光層の幅を間隔規定手段に合せた幅にすると、遮光層の幅を小さくすることが困難になる。間隔規定手段を遮光層の膨出部と重なる位置に配設することで、遮光層の膨出部以外の部分の幅を間隔規定手段の大きさに関わりなく狭くすることが可能となり、遮光層が占める面積を抑制して開口率を向上させることができる。
最初に、電気光学装置、及びカラーフィルタの一実施形態である第一の実施形態について、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置のカラーフィルタの構成、及び機能膜の一例である色要素膜(フィルタ膜)などを形成する工程を例に説明する。また、電気光学装置の一例である有機EL表示装置の構成、及び機能膜の一例である発光層などを形成する工程を例に説明する。
最初に、フィルタ膜などの機能膜の形成に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を精度よく配置できるという利点を有する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。
このうち、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を含む液状体を貯留した空間に可撓性を有する材料で形成された部材を介して圧力を与え、この空間から液状体を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。ピエゾ方式は、液状体に熱を加えることがほとんどないため、熱による材料の組成などへの影響がほとんどないという利点を有する。また、駆動電圧などの駆動条件を調整することによって液滴の大きさを容易に調整することができるため、正確な吐出量を実現できるという利点も有する。本実施形態では、材料の組成などに影響を与えないため液状材料選択の自由度が高いこと、及び液滴の大きさを容易に調整することができるため液滴の制御性がよいことから、上記ピエゾ方式を用いる。
次に、色要素膜の材料を含む機能液を配置するのに用いる液滴吐出ヘッド17を備える液滴吐出装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。
次に、図2を参照して、液滴吐出ヘッド17について説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドをノズルプレート側から見た外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの圧力室周りの構造を示す斜視断面図であり、図2(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズル部の構造を示す断面図である。
圧力室プレート51には、液体導入部71から振動板52の液供給孔53を経由して供給される機能液が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズルプレート76と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズルプレート76と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
圧電素子59は電極層と圧電材料とを積層した活性部を有し、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)又は(c)においては振動板52の厚さ方向)に縮む。活性部が縮むことで、圧電素子59の一端が固定された振動板52が圧力室58と反対側に引張られる力を受ける。振動板52が圧力室58と反対側に引張られることで、振動板52が圧力室58の反対側に撓む。これにより、圧力室58の容積が増加することから、機能液が液たまり55から供給口56を経て圧力室58に供給される。次に、電極層に印加されていた駆動電圧が解除されると、活性部が元の長さに戻ることで、圧電素子59が振動板52を押圧する。振動板52が押圧されることで、圧力室58側に戻る。これにより、圧力室58の容積が急激に元に戻る、すなわち増加していた容積が減少することから、圧力室58内に充填されていた機能液に圧力が加わり、当該圧力室58に連通して形成された吐出ノズル78から機能液が液滴となって吐出される。
次に、機能膜を有する電気光学装置の一例としての液晶装置が備える液晶表示パネルについて説明する。液晶表示パネル200(図3参照)は、液晶装置の一例であって、カラーフィルタの一例である液晶表示パネル用のカラーフィルタを備える液晶表示パネルである。
最初に、液晶表示パネル200の構成について、図3を参照して説明する。図3は、液晶表示パネルの概略構成を示す分解斜視図である。図3に示した液晶表示パネル200は、駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor)素子)を用いるアクティブマトリックス方式の液晶装置であり、図示省略したバックライトを用いる透過型の液晶装置である。
一つの画素電極217と、当該画素電極217に対応する液晶230の部分と、対向電極207の部分と、配向膜228の部分と、配向膜218の部分とで形成される素子が、電気光学素子に相当する。
次に、マザー対向基板201Aについて、図4を参照して説明する。対向基板220は、分割されることによってガラス基板201となるマザー対向基板201Aの上に上述したCF層208などを形成した後、マザー対向基板201Aを個別の対向基板220(ガラス基板201)に分割して形成される。図4(a)は、対向基板の平面構造を模式的に示す平面であり、図4(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては、マザー対向基板201Aの上にCF層208などを形成したものや、CF層208などを形成する途中の状態のものも、マザー対向基板201Aと表記する。
次に、フィルタ膜領域225の平面形状について、図5を参照して説明する。図5は、素子基板におけるTFT素子を1個含む画素について、1個分の概略構成を示す平面図である。
走査線212はX軸方向に延在しており、走査線212の一部がY軸方向に突出している。走査線212からY軸方向に突出した部分がゲート電極151として用いられている。信号線214はY軸方向に延在しており、信号線214の一部がX軸方向に突出している。信号線214からX軸方向に突出した部分がソース電極157として用いられている。ドレイン電極154は、一端が活性層を介してソース電極157と接続されており、一端が画素電極217と接続されている。
次に、対向基板220などに形成されているCF層208などにおけるフィルタ膜205(赤色フィルタ膜205R、緑色フィルタ膜205G、及び青色フィルタ膜205B)などの配列について、図6を参照して説明する。図6は、3色カラーフィルタのフィルタ膜の配列例を示す模式平面図である。
モザイク配列は、図6(b)に示したように、横方向の各行ごとにフィルタ膜205を一つ分だけ色をずらした配列で、3色フィルタの場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つのフィルタ膜205が3色となる配列である。
デルタ配列は、図6(c)に示したように、フィルタ膜205の配置を段違いにすることによって、3色フィルタの場合、任意の隣接する3つのフィルタ膜205が異なる色となる配列である。
次に、液晶表示パネル200を形成する工程について、図7、図8、図9、図10、及び図11を参照して説明する。図7は、液晶表示パネルを形成する過程を示すフローチャートである。図8は、液晶表示パネルを形成する過程におけるフィルタ膜を形成する工程などを示す断面図であり、図9は、液晶表示パネルを形成する過程における配向膜を形成する工程などを示す断面図である。図10は、フィルタ膜を形成する工程における機能液の状態を示す説明図である。図11は、平坦化膜を形成する工程における機能液の状態を示す説明図である。液晶表示パネル200は、それぞれ別々に形成した素子基板210と対向基板220とを、貼り合わせて形成する。
ステップS1では、ガラス基板201の上に、フィルタ膜領域225を区画形成するための隔壁部を形成する。隔壁部は、ブラックマトリックス202を格子状に形成し、その上にバンク203を形成して、ブラックマトリックス202とバンク203とで構成された隔壁204を格子状に配置することによって形成する。これにより、図8(a)に示すように、ガラス基板201の表面に、フィルタ膜領域225が形成される。上述したように、フィルタ膜領域225は、隔壁204によって区画されており、略方形の一部が欠けた平面形状を有している。
配置した赤色機能液252Rを乾燥させることによって、図8(c)に示すように、フィルタ膜領域225Rに赤色フィルタ膜205Rを形成する。
図9(g)に示すように、対向電極207が形成されたガラス基板201の表面に液滴吐出ヘッド17を対向させて、液滴吐出ヘッド17からガラス基板201の表面に向けて配向膜液242を吐出する。同時に、ガラス基板201に対して液滴吐出ヘッド17を矢印aで示したように相対移動させることによって、ガラス基板201の配向膜228を形成する領域の全面に配向膜液242を配置する。配置された配向膜液242を乾燥させることで、図9(h)に示すように、配向膜228を形成する。ステップS5を実施して、対向基板220が形成される。
ステップS6では、ガラス基板211の上に導電層や絶縁層や半導体層を形成することで、TFT素子215などの素子や、走査線212や、信号線214や、絶縁層216などを形成する。走査線212及び信号線214は、素子基板210と対向基板220とが、貼り合わされた状態で、隔壁204に対向する位置に、即ち画素の周辺の位置に形成する。TFT素子215は、画素の端に位置するように形成し、1画素に少なくとも1個のTFT素子215を形成する。
図9(i)に示すように、画素電極217が形成されたガラス基板211の表面に液滴吐出ヘッド17を対向させて、液滴吐出ヘッド17からガラス基板211の表面に向けて配向膜液242を吐出する。同時に、ガラス基板211に対して液滴吐出ヘッド17を矢印aで示したように相対移動させることによって、ガラス基板211の配向膜218を形成する領域の全面に配向膜液242を配置する。配置された配向膜液242を乾燥させることで、図9(j)に示すように、配向膜218を形成する。ステップS8を実施して、素子基板210が形成される。
次に、上述した隔壁膨出部204aとは異なる隔壁膨出部の形状例について、図12を参照して説明する。図12は、隔壁膨出部の形状例を示す平面図である。
図12(a)に示した隔壁膨出部262aは、フィルタ膜領域261を区画形成する隔壁262が、フィルタ膜領域261の隅の部分に膨出したものである。隔壁膨出部262aは、角部を円弧にすることで、鋭角の角部を無くしている。隔壁262が側壁層又は隔壁層に相当する。隔壁膨出部262aが、膨出部に相当する。
図12(b)に示した隔壁膨出部264aは、フィルタ膜領域263を区画形成する隔壁264が、フィルタ膜領域263の隅の部分に膨出したものである。隔壁膨出部264aは、角部を面取りすることで、隔壁膨出部264a側の鋭角の角部を無くして、鈍角の角のみにしている。隔壁264が側壁層又は隔壁層に相当する。隔壁膨出部264aが、膨出部に相当する。
図12(c)に示した隔壁膨出部266aは、フィルタ膜領域265を区画形成する隔壁266が、フィルタ膜領域265の隅の部分に膨出したものである。隔壁膨出部266aは、12角形を概ね4等分した形状であって、3個ある角部の角度が概ね150°の鈍角になっている。隔壁266が側壁層又は隔壁層に相当する。隔壁膨出部266aが、膨出部に相当する。
フィルタ膜領域269において、隔壁270の側面と隔壁膨出部270aの外形とで形成されるの隅の角が円弧になるため、角である場合にくらべて、当該隅に機能液252が充填され易くなる。
隔壁膨出部264a、隔壁膨出部266a、及び隔壁膨出部268aにおいても、隔壁264、隔壁266、又は隔壁268とで形成する隅の角を円弧にすることで、角である場合にくらべて、当該隅に機能液252が充填され易くなる。
図12(g)に示した隔壁膨出部274aは、フィルタ膜領域273を区画形成する隔壁274の部分が、フィルタ膜領域273の隅以外の部分で、フィルタ膜領域273に膨出したものである。隔壁膨出部274aは、6角形を概ね2等分した形状であって、2個ある角部の角度が概ね120°の鈍角になっている。
図12(h)に示した隔壁膨出部276aは、フィルタ膜領域275を区画形成する隔壁276の部分が、フィルタ膜領域275の隅以外の部分で、フィルタ膜領域275に膨出したものである。隔壁膨出部276aの外形は、隔壁276から略垂直に立ち上がる2本の直線と、当該2本の直線のそれぞれと接続し、膨出した先端部を形成する円弧とで構成されている。2本の直線のそれぞれと円弧との接続部において直線と円弧とが形成する隔壁膨出部276a側の角度は鈍角になっている。隔壁276が側壁層又は隔壁層に相当する。隔壁膨出部276aが、膨出部に相当する。
隔壁膨出部274aの外形を構成する直線と直線との角部を円弧で構成することによって、角である場合にくらべて、より「機能液が乗り上げる現象」や「機能液がはじかれる現象」が発生することを抑制することができる。
隔壁膨出部264a、及び隔壁膨出部266aにおいても、外形を構成する直線と直線との角部を円弧で構成することによって、角である場合にくらべて、より「機能液が乗り上げる現象」や「機能液がはじかれる現象」が発生することを抑制することができる。
隔壁膨出部272aにおいても、隔壁膨出部272aの外形と隔壁272とで形成する隅の角を円弧にすることで、角である場合にくらべて、当該隅に機能液252が充填され易くなる。
隔壁膨出部280aの外形と隔壁280とで形成する隅の角を円弧にすることで、角である場合にくらべて、当該隅に機能液252が充填され易くなる。
次に、電気光学装置の他の一例である有機EL表示装置の構成、及び有機EL表示装置を製造する工程において機能膜の一例である発光層及び正孔輸送層を形成する工程について説明する。
最初に、有機EL表示装置の構成について、図13、図14、及び図15を参照して説明する。図13は、有機EL表示装置の平面構成を示す概略正面図である。図14は、有機EL表示装置の表示領域に配列された有機EL素子の配列例を示す平面図である。
図13に示すように、有機EL表示装置300は、発光素子である複数の有機EL素子307を有する素子基板301と、封止基板309とを備えている。有機EL素子307はいわゆるカラー素子であり、有機EL表示装置300は、図14に示すように、赤色素子307R(赤色系)、緑色素子307G(緑色系)、青色素子307B(青色系)の3色の有機EL素子307を有している。有機EL素子307は表示領域306に配置されており、当該表示領域306に画像が表示される。有機EL素子307が、電気光学素子に相当する。
隔壁315が側壁層又は隔壁層に相当する。隔壁膨出部315aが、膨出部に相当する。スイッチング素子312が、駆動素子に相当する。
有機EL素子及び隔壁膨出部の平面形状についても、図12を参照して説明したフィルタ膜(フィルタ膜領域)及び隔壁膨出部の形状例と同様の平面形状にすることも可能である。
図15に示すように、素子基板301は、ガラス基板310と、複数のスイッチング素子312と、絶縁層311と、導通層314aと、複数の画素電極314と、隔壁315と、を有している。複数のスイッチング素子312は、ガラス基板310の一方の表面上に形成されており、絶縁層311は、スイッチング素子312を覆うように形成されている。複数の画素電極314は、絶縁層311の上に形成されており、導通層314aを介してスイッチング素子312と導通している。隔壁315は、絶縁層311の上で複数の画素電極314の間に形成されている。
さらに、隔壁315によって区画された画素区画321の画素電極314上に形成された正孔輸送層316と、正孔輸送層316上に積層して形成された発光層317と、発光層317および隔壁315を覆うように設けられた対向電極318と、を有する。有機EL表示装置300は、素子基板301の対向電極318に対向して封止基板309が配置され、対向電極318と封止基板309との間に不活性ガス320が封入されている。隔壁315によって区画された領域の画素電極314上に形成された正孔輸送層316、発光層317、対向電極318が、有機EL素子307に該当する。
次に、有機EL表示装置300の素子基板301における、有機EL素子307を構成する正孔輸送層316及び発光層317の形成工程について、図16及び図17を参照して説明する。図16は素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示すフローチャートであり、図17(a)乃至(e)は素子基板の正孔輸送層及び発光層の形成工程を示す模式断面図である。
次に、図16のステップS22では、隔壁315が形成されたガラス基板310を洗浄する。
より具体的には、正孔輸送層316を形成する画素区画321に順次液滴吐出ヘッド17の吐出ノズル78が対向するように位置決めし、正孔輸送層材料液560を液滴560aとして吐出して、画素区画321に着弾させる。画素区画321に所定の量の正孔輸送層材料液560を着弾させて、ステップS24の正孔輸送層材料液配置工程を終了する。
発光層材料液570R、発光層材料液570G、又は発光層材料液570Bをそれぞれ配置するべきそれぞれの画素区画321に、所定の量の発光層材料液570R、発光層材料液570G、又は発光層材料液570Bを着弾させて、ステップS26の発光層材料液配置工程を終了する。
導電材料機能液の配置は、正孔輸送層材料液560などと同様に、液滴吐出装置1のようなインクジェット方式の吐出装置を用いて実施することができる。あるいは、他の吐出装置を用いて実施することもできる。さらに、スピンコートのような膜形成方法も用いることができる。
隔壁315及び隔壁膨出部315a上の全面に配置された導電材料機能液の隔壁膨出部315aの周囲での挙動は、図11を参照して説明した、CF層208の上の全面に配置された機能液206aの隔壁膨出部204aなどの周囲での挙動と同様である。隔壁膨出部315aの外形が円弧で構成されていることにより、導電材料機能液がはじかれる現象は発生し難い。したがって、図11を参照して説明したように、隔壁膨出部315aの有無に関わらず、対向電極318を形成する領域に、略均等に導電材料機能液が配置される。この状態で導電材料機能液を乾燥させることによって、隔壁315及び隔壁膨出部315aの全面も覆う状態で、全面にわたって略均一な厚さを有する対向電極318が形成される。
(1)隔壁膨出部204aの外形は、円弧で構成されている。滑らかな外形形状においては、乗り上げた機能液252が表面張力によってフィルタ膜領域225に入った機能液252の方に引っ張られることを妨げる力が生じ難いため、隔壁膨出部204aに乗り上げた機能液252がフィルタ膜領域225に流れ落ち易くすることができる。
次に、電気光学装置、及びカラーフィルタの一実施形態である第二の実施形態について図面を参照して、説明する。本実施形態は、電気光学装置の一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルのカラーフィルタのカラーフィルタ膜を形成する工程を例にして説明する。液晶表示装置の液晶表示パネルの構成は、第一の実施形態で説明した液晶表示パネル200の構成と、基本的な構成は同一のものである。第一の実施形態で説明した例とは異なるカラーフィルタ膜を形成する工程について説明する。
液晶表示パネル200と同様の液晶表示パネルにおけるカラーフィルタ層を形成する工程について、図18、図19、及び図20を参照して説明する。図18は、カラーフィルタ層を形成する過程を示すフローチャートである。図19は、カラーフィルタ層を形成する過程におけるフィルタ膜を形成する工程などを示す断面図である。図20は、フィルタ膜を形成する工程における機能液の状態を示す説明図である。
より詳細には、図19(b)に示すように、赤色フィルタ膜405Rを構成する材料を含む機能液452である機能液452Rを、フィルタ層を形成する領域の全面に配置する。次に、図19(c)に示すように、機能液452Rを乾燥させることによって、赤フィルタ膜層405RAを形成する。
図20(d)の断面図に示すように、略直角な外形の角を有する従来の隔壁膨出部404bの周囲では、あたかも角部分で機能液452Rが突き破られたたかのように、角部の部分で機能液452Rがはじかれる現象が見られた。このため、図20(e)の平面図に示すように、隔壁膨出部404bの角部の上の周囲で機能液452Rが配置されない部分が生ずる。この状態で機能液452Rを乾燥させると、図20(f)の断面図に示すように、隔壁膨出部404bの角部の上の周囲が部分的に欠けたフィルタ膜層405fが形成される。フィルタ膜層405fは光束が透過する部分の膜厚が部分的に異なるため、透過する光束が適切な色にならない可能性が高い。
上述した赤フィルタ膜層405RAと同様に、図19(e)に示すように、緑色フィルタ膜405Gを構成する材料を含む機能液452Gを、フィルタ層を形成する領域の全面に配置する。次に、図19(f)に示すように、機能液452Gを乾燥させることによって、緑フィルタ膜層405GAを形成する。
次に、図18のステップS35では、フォトエッチングによって緑フィルタ膜層405GAの不要部分を取り除いて、緑色フィルタ膜405Gを形成する。
次に、ステップS37では、フォトエッチングによって青フィルタ膜層の不要部分を取り除いて、青色フィルタ膜405Bを形成する。
ステップS38を実施して、図19(g)に示すように、赤色フィルタ膜405R、緑色フィルタ膜405G、及び青色フィルタ膜405Bが形成され、3色カラーフィルタが形成される。
本実施形態では、焼成する前の状態の膜も赤色フィルタ膜405R、緑色フィルタ膜405G、及び青色フィルタ膜405Bと表記したが、より正確には、焼成することによって、赤色フィルタ膜405R、緑色フィルタ膜405G、又は青色フィルタ膜405Bが完成する。
(1)隔壁膨出部404aの外形形状は、円弧で構成されていおり、外形形状に鋭い角を持たないため、隔壁膨出部404aの周囲では、機能液452Rがはじかれる現象は発生し難い。これにより、隔壁膨出部404aの存在に関わらず、フィルタ層を形成する領域の全面に、略均等に機能液452Rを配置することができる。
Claims (13)
- 光透過性を有する、又は発光する機能膜と、
前記機能膜の形状を規定する格子状に形成された側壁層と、
前記側壁層が前記機能膜側であって、前記機能膜の角部に膨出した膨出部と、を備え、
前記膨出部の外形は、複数の曲線で形成されており、前記複数の曲線のうちの第1の曲線と前記複数の曲線のうちの第2の曲線と、はその接続部において互いに接していることを特徴とする電気光学装置。 - 前記電気光学装置の電気光学素子を駆動する駆動素子をさらに備え、
前記駆動素子は、少なくとも一部が前記膨出部と重なる位置に配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記機能膜が形成された第一の基板と、前記第一の基板と対向する第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板との間隔を規定する間隔規定手段とをさらに備え、
前記間隔規定手段は、少なくとも一部が前記膨出部と重なる位置に配設されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気光学装置。 - 前記側壁層における頂面の前記機能膜の材料を含む液状体に対する撥液性は、前記側壁層における前記機能膜に対向する側面の前記液状体に対する撥液性より高いことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記側壁層及び前記機能膜を覆う状態に配設された第二の機能膜をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記曲線は、曲率半径が5μm以上の円弧、又は曲率半径が5μm以上の円弧が互いに接して連なった曲線であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 光透過性を有するフィルタ膜と、
前記フィルタ膜の形状を規定する格子状に形成された隔壁層と、
前記隔壁層が前記フィルタ膜側であって、前記機能膜の角部に膨出した膨出部と、を備え、
前記膨出部の外形は、複数の曲線で形成されており、前記複数の曲線のうちの第1の曲線と前記複数の曲線のうちの第2の曲線と、はその接続部において互いに接していることを特徴とするカラーフィルタ。 - 前記隔壁層における頂面の前記フィルタ膜の材料を含む液状体に対する撥液性は、前記隔壁層における前記フィルタ膜に対向する側面の前記液状体に対する撥液性より高いことを特徴とする、請求項7に記載のカラーフィルタ。
- 第一機能膜をさらに備え、前記第一機能膜は、前記隔壁層及び前記フィルタ膜を覆う状態に配設されていることを特徴とする、請求項7または8に記載のカラーフィルタ。
- 前記曲線は、曲率半径が5μm以上の円弧、又は曲率半径が5μm以上の円弧が互いに接して連なった曲線であることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか一項に記載のカラーフィルタ。
- 請求項7乃至10のいずれか一項に記載のカラーフィルタを備えることを特徴とする、液晶装置。
- 前記液晶装置の画素を駆動する駆動素子をさらに備え、
前記駆動素子は、少なくとも一部が前記膨出部と重なる位置に配設されていることを特徴とする、請求項11に記載の液晶装置。 - 前記カラーフィルタが形成された第一の基板と、前記第一の基板と対向する第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板との間隔を規定する間隔規定手段とをさらに備え、
前記間隔規定手段は、少なくとも一部が前記膨出部と重なる位置に配設されていることを特徴とする、請求項11又は12に記載の液晶装置。
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