JP4400704B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾式二成分あるいは一成分現像剤を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関するものであり、特に、球形トナーを用いた際のトナー画像転写後のクリーニング不良を対策した電子写真方式の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の画像形成装置では、現像工程で感光体等の像担持体上に形成したトナー像を、中間転写ベルトなどの中間転写体を介して、または直接的に転写紙などの転写体上に転写して画像を形成しているが、トナー像転写後の感光体表面には、転写残のトナーが残留する。このため、感光体上から残留トナーを除去するクリーニング装置が設けられている。このクリーニング装置としては、種々のものが知られており、ポリウレタンゴム等の弾性部材からなるクリーニングブレードのほか、ファーブラシ、磁気ブラシ等を用いることができる。この中で、クリーニングブレードは、構成が簡単で、装置の小型化が容易で、コスト面も有利なので、広く実用化されている。
【0003】
近年、画質向上のためにトナーの小径化、球形化が進められ、懸濁重合法や分散重合法などによる重合トナーや、熱気流、流動造粒法による球形処理を施したトナーが用いられつつある。しかし、球形化したトナーを用いた場合、上記クリーニングブレードによるクリーニング装置を備えた画像形成装置において、クリーニング不良による画像不良が発生しやすいという問題点がある。
【0004】
この対策として、特開平5−333757号公報では、電子写真感光体の表面粗さを0.1〜2μmの範囲にすることにより、電子写真感光体とトナーの平均付着力が60nNよりも小さくなるようにして、真円度が0.85以上の球形トナーを用いた場合でもクリーニング不良が生じないようにしている。しかしながら、トナーのクリーニング性能は電子写真感光体とトナーの付着力だけでは決まらず、電子写真感光体とトナーの付着力のみを規定しても十分なクリーニング性能は得られないという問題がある。ここで、球形化したトナーは、懸濁重合法や分散重合法などによる重合トナー、及び粉砕法で作製した粒子を熱気流や流動造粒法等によって球形化処理を施したトナーで、真円度が0.9以上のものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、球形化トナーを用いた場合でも、転写工程後に像担持体上に残留したトナーを効率よくクリーニングすることができる画像形成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「像担持体上にトナー像を形成し、該像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に転写した後、クリーニングブレードを用いて該像担持体上に残留したトナーを除去する工程を有し、製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナーを使用して該トナー像を形成する画像形成装置において、該像担持体表面に、該球形化したトナーの体積平均粒径よりも小さな微粒子を分散させた層を設けることで凹凸が設けられており、これにより、該クリーニングブレードと該球形化したトナーとの付着力が、該像担持体と該球形化したトナーとの付着力よりも大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置」、(2)「前記像担持体表面の微細凹凸の範囲が10nm〜100nmであることを特徴とする、前記第(1)項に記載の画像形成装置」、()「該像担持体と該球形化したトナーとの接触面積が、該クリーニングブレードと該球形化したトナーとの接触面積よりも小さいことを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の画像形成装置」により達成される。
【0007】
クリーニングブレード(11)のエッジ部が、像担持体(12)上の転写残トナー(13)に接触した状態を図3に示す。転写残トナー(13)は、転写工程後に像担持体(12)の回転方向(14)に移動し、クリーニングブレード(11)のエッジ部に接触する。このとき、転写残トナー(13)には、像担持体(12)との付着力(Fp)とクリーニングブレード(11)との付着力(Fc)が作用する。転写残トナー(13)が像担持体(12)から分離するためには、一度、転写残トナー(13)がクリーニングブレード(11)に付着する必要がある。クリーニングブレード(11)に付着した転写残トナー(13)は、クリーニングブレード(11)の弾性変形後の復元運動によってクリーニングブレード(11)から分離し回収される。
【0008】
本発明者らは、付着力(Fc)が付着力(Fp)よりも大きくなるように、クリーニングブレードと像担持体及び球形化トナーを構成することにより、転写残トナーが像担持体から分離しやすくなり、球形化したトナーでもクリーニング性能の良い画像形成装置が得られることを見出した。
【0009】
トナーと像担持体及びトナーとクリーニングブレードとの付着力は、トナーや像担持体及びトナーとクリーニングブレードの帯電によって生じる静電的付着力と、それ以外のファンデルワールス力や液架橋力等の非静電的付着力から構成される。これらの付着力は、帯電量や構成物質の物性など様々な要因に依存する。本発明者らは、これらの要因のうち、特にトナーと像担持体及びクリーニングブレードとの接触面積に着目し、像担持体とトナーの接触面積がクリーニングブレードとトナーの接触面積よりも小さいように、クリーニングブレードと像担持体及び球形化トナーを構成することにより、付着力(Fc)が付着力(Fp)よりも大きくなることを見出した。
【0010】
トナーが付着する部材とトナーの接触面積は、該部材の表面とトナー表面の幾何学的な構成によって決まる。トナーが付着する部材の表面に、該球形化したトナーの体積平均粒径よりも小さい凹凸を設けると、凹凸がない場合に比べて接触面積が小さくなる。したがって、像担持体の表面に該球形化したトナーの体積平均粒径よりも小さい凹凸を設けることにより、像担持体とトナーの接触面積をクリーニングブレードとトナーの接触面積よりも小さくすることができる。
【0011】
像担持体の表面に小さな凹凸を設ける方法としては、像担持体の表面に微粒子を分布させる方法を好ましく用いることができる。ただし、像担持体の表面に微粒子を一度付着させただけでは、クリーニングブレードによって削られて微粒子がなくなってしまう。このため、クリーニングブレードによって削られても、像担持体上に別の微粒子を分布させる必要がある。像担持体の表面に微粒子を分布させる方法としては、像担持体を作製する工程で微粒子を像担持体中に分散させる方法を好ましく用いることができる。この方法では、クリーニングブレードによって像担持体表面の微粒子が削られても、像担持体中に分散した別の微粒子が表面に表われるので、常に像担持体表面に微粒子が分布している。画像形成装置内に像担持体の表面に微粒子を付着させる装置を設けて、常に像担持体上に微粒子が付着しているようにする方法もあるが、コストがかかる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成装置について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、感光体上に静電潜像を形成する潜像形成手段、該感光体上の潜像上にトナー像を形成する現像手段、形成されたトナー像を転写体上に転写する転写手段、転写体上のトナー像を定着する定着手段、転写されずに感光体上に残ったトナーを除去・回収するためのクリーニング手段を有する。
【0013】
図4は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図4において、静電潜像担持体である感光体ドラム(21)の周囲には、該ドラム表面を帯電するための帯電装置(22)、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線でなる露光(23)、ドラム表面の潜像に帯電トナーを付着することでトナー像を形成する現像装置(24)、形成されたドラム上のトナー像を記録紙へ転写するための転写装置(28)、記録紙上のトナーを定着する定着装置(32)、ドラム上の残留トナーを除去・回収するためのクリーニング装置(36)、ドラム上の残留電位を除去するための除電装置(39)が順に配設されている。
【0014】
まず、感光体ドラム(21)は、帯電ローラ(22)によって表面を一様に帯電される。図4の例では、帯電ローラを用いて感光体ドラム(21)を帯電しているが、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電を用いても良い。帯電ローラを用いた帯電は、コロナ帯電を用いた場合よりもオゾン発量が少ない利点があるが、感光体と接触しているためトナーによってローラ表面が汚れるため、帯電ローラをクリーニングする機構が必要になる。
【0015】
帯電した感光体ドラム(21)に画像情報に応じてレーザー光線(23)が照射され、静電潜像が形成される。感光体ドラム(21)上の帯電電位や露光部位を電位センサで検出し、帯電条件や露光条件を制御することもできる。
【0016】
次に、現像装置(24)によって、静電潜像が形成された感光体ドラム(21)上にトナー像が形成される。現像装置(24)では、現像剤がスクリュー(25)によって攪拌・搬送され、現像スリーブ(26)に供給される。現像スリーブ(26)に供給される現像剤は、ドクターブレード(27)によって規制され、供給される現像剤量は、ドクターブレード(27)と現像スリーブ(26)との間隔であるドクターギャップによって制御される。ドクターギャップが小さすぎると、現像剤量が少なすぎて画像濃度不足になり、逆にドクターギャップが大きすぎると、現像剤量が過剰に供給されて感光体ドラム(21)上にキャリア付着が発生するという問題が生じる。現像スリーブ(26)には、周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤が現像スリーブ(26)上にチェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。現像スリーブ(26)と感光体ドラム(21)は、一定の間隙(現像ギャップ)を挟んで近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成されている。現像スリーブ(26)は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成しており、不図示の回転駆動機構によって回転されるようになっている。磁気ブラシは、現像スリーブ(26)の回転によって現像領域に移送される。現像スリーブ(26)には不図示の現像用電源から現像電圧が印加され、磁気ブラシ上のトナーが現像スリーブ(26)と感光体ドラム(21)間に形成された現像電界によってキャリアから分離し、感光体ドラム(21)上の静電潜像上に現像される。なお、現像電圧には交流を重畳させても良い。また、現像ギャップは、現像剤粒径の5〜30倍程度、現像剤粒径が50μmであれば0.3mm〜1.5mmに設定することが可能である。これより広くすると、望ましいとされる画像濃度が出にくくなる。また、ドクターギャップは、現像ギャップと同程度かやや大きくする必要がある。感光体ドラム(21)のドラム径やドラム線速、現像スリーブ(26)のスリーブ径やスリーブ線速は、複写速度や装置の大きさ等の制約によって決まる。ドラム線速に対するスリーブ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1.1以上にする必要がある。なお、現像後の位置にセンサを設置し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。図4の例では、キャリアとトナーからなる磁気ブラシによって現像が行なわれる二成分現像方式を用いているが、本発明は二成分現像方式に限定されるものではなく、現像スリーブ上に形成したトナー薄層を電界で感光体上に現像する一成分現像方式を用いてもよい。
【0017】
磁気ブラシを構成するキャリアには、鉄紛、フェライト紛、磁性粒子を分散した樹脂粒子等の磁性を有する粉体、及び電気特性を制御するために樹脂などで表面を被覆した磁性粉体が好ましく使用される。磁気ブラシを構成するキャリアとしては、感光体ドラム(21)表面へのダメージを軽減するために球形の粒子を用いるのが好ましく、平均粒径は150μm以下のものが好ましい。キャリアの平均粒径が大きすぎると、最密状態に配置してあっても曲率半径が大きく、感光体ドラム(21)と接触していない面積が増え、トナー像の欠けや抜けが発生する。逆に平均粒径があまり小さすぎると、交流電圧を印加する場合には、粒子が動きやすくなって粒子間の磁力を上回り、粒子が飛散してキャリア付着の原因となってしまう。キャリアの平均粒径は、特に30μm以上、100μm以下であることが好ましい。さらに、キャリアの体積抵抗率が低すぎると、現像電圧の印加時にキャリアに電荷が注入され、感光体ドラム(21)へのキャリア付着を起こしたり、感光体の絶縁破壊を起こしたりするため、体積抵抗率が103Ωcm以上のキャリアを使用する必要がある。
【0018】
感光体ドラム(21)上に形成されたトナー像は、感光体ドラム(21)と転写ベルト(29)が接触する転写ニップに搬送される。同時に、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙が転写ニップに進入する。転写ベルト(29)に接触するローラ(30)に、不図示の転写用電源によってトナーと逆極性の転写電圧が印加される。感光体ドラム(21)上に形成されたトナー像は、転写ベルト(29)と感光体ドラム(21)間に作用する転写電界によって記録紙へ転写される。図4の例では、転写部材として転写ベルトの代わりに転写ローラを用いてもよいが、転写ベルトは転写ローラに比べて転写ニップを広くとれる利点がある。図4の例では、転写ベルトを用いた転写方式を用いているが、紙の背面からトナーと逆極性のコロナチャージを与えて紙を帯電させて転写するコロナ転写方式を用いても良い。転写ベルトまたは転写ローラに転写電圧を印加する転写方式は、コロナ転写方式に比べて、紙の帯電が少ないため感光体からの分離が容易で、分離時のはく離放電による画像不良が生じない利点があるが、ベルトやローラがトナーで汚れやすくてクリーニング機構が必要となり、また、前記したように画像の中抜けが発生しやすいという欠点もある。
【0019】
転写の際に感光体ドラム(21)に付着した記録紙は、分離爪(31)によって感光体ドラム(21)から分離される。未定着のトナー像が載った記録紙は、定着ローラ(33)と加圧ローラ(34)によって記録紙に一定の熱と圧力を加わり、トナーが記録紙上に定着される。なお、定着温度を一定に保つために、定着ローラ(33)には不図示のサーミスタが接触しており、定着ヒータ(35)の温度制御を行なっている。定着ローラを用いた定着方式は、熱効率が高く、安全性に優れ、小型化が可能で、低速から高速まで適用範囲が広い。
【0020】
一方、転写されずに感光体ドラム(21)上に残留したトナーは、クリーニングブレード(37)によって除去され、トナー回収装置(38)によって回収される。クリーニングブレード(37)のエッジに付着したトナーや紙片等を取り除くために、クリーニングブレード(37)を動かす、または感光体ドラム(21)から時々離す等の機構を設けても良い。
残留トナーを除去された感光体ドラム(21)は除電ランプ(39)で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。
【0021】
なお、図4の例は一つの感光体ドラムと一つの現像装置を用いた白黒画像形成装置だが、本発明は白黒画像形成装置には限定されず、一つの感光体ドラムと複数の現像装置、または複数の感光体ドラムと現像装置を用いたカラー画像形成装置にも適用できる。
【0022】
次に、本発明に用いられる球形化トナーについて説明する。
本発明に用いられる球形化トナーとしては公知のものを利用できるが、分散重合法及び懸濁重合法により作製されたものが好適である。まず、本発明の分散重合トナーから説明する。
〔樹脂粒子A〕
本発明における樹脂粒子Aは親水性有機液体に、その親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これに前記親水性液体には溶解するが、生成する重合体は前記親水性液体にて膨潤されるか、あるいは殆ど溶解しない一種または二種以上のビニル単量体を加えて重合することにより製造される。
【0023】
〔親水性有機液体〕
前記の種粒子の形成時及び種粒子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤としての親水性有機液体としては、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類などが代表的なものとして挙げられる。
【0024】
これらの有機液体は単独で、もしくは二種以上の混合物として用いることができる。なお、アルコール類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上述のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用することで、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性を持たせない条件下で、有機液体のSP値を種々変化させて重合を行なうことにより、生成される粒子の大きさ、種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可能である。この場合の併用する有機液体としては、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタンなどのハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコール、シリオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチラール、ジエチルアセタールなどのアセタール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの硫黄、窒素含有有機化合物類、その他水も含まれる。
また、重合開始時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ、生成する重合体粒子の平均粒径、粒径分布、乾燥条件などを調整することができる。
【0025】
〔分散安定剤〕
種粒子製造時、または成長粒子の製造時に使用される高分子分散剤の適当な例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、並びにメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、または前記親水性モノマーとスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのベンゼン核を有するものまたはその誘導体、またはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重合体、さらに、架橋性モノマー、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどとの共重合体も使用可能である。
【0026】
これらの高分子分散剤は、使用する親水性有機液体、目的とする重合体粒子の種、及び種粒子の製造か成長粒子の製造かにより適宜選択されるが、特に重合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体的に粒子同士の反撥を高めるために、分子鎖がある程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のものが選ばれる。しかし、あまり分子量が高いと、液粘度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させておくことも安定化には効果がある。
【0027】
さらに、これら高分子分散剤とともに、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、錫、鉛、マグネシウムなどの金属またはその合金(特に粒径1μm以下のものが好ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素などの酸化物の無機化合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、燐酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型「例えばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン」などのアミノ酸型やベタイン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の安定性及び粒径分布の改良をさらに高めることができる。
【0028】
一般に、種粒子製造時の高分子分散剤の使用量は、目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種類によって異なるが、親水性有機液体に対し0.1重量%〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。高分子分散安定剤の濃度が低い場合には生成する重合体粒子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒径のものが得られるが、10重量%を越えて用いても小径化への効果は少ない。
【0029】
〔単量体〕
また、前記のビニル単量体とは、親水性有機液体に溶解可能なものであり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルエチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、もしくはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類などからなる単独または相互の混合物及びこれらを50重量%以上含有し、これらと共重合し得る単量体との相互の混合物を意味する。
【0030】
また、本発明における前記の重合体は、耐オフセット性を高めるために、重合性の二重結合を二個以上有するいわゆる架橋剤の存在下に重合させたものであっても良い。好ましく用いられる架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合物、及び三個以上のビニル基を持つ化合物が挙げられ、これらは単独または混合物などで用いられる。
【0031】
このように架橋された種粒子を用いて成長重合反応を引き続いて行なった場合には、成長する重合体粒子の内部が架橋されたものとなる。また一方で、成長反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有させた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られる。
【0032】
〔連鎖移動剤〕
また、平均分子量を調節する目的として、連鎖移動定数の大きな化合物を共存させて重合を行なわせるものに、例えば、メルカプト基をもつ低分子化合物や四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられる。
【0033】
〔重合開始剤〕
また、前記単量体の重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムなどの過硫酸化物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリウム、アミンなどを併用した系などが用いられる。重合開始剤濃度は、ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部が望ましい。
【0034】
〔重合条件〕
種粒子を得るための重合条件は、重合体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせて、親水性有機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体の濃度、及び配合比が決定される。一般に、粒子の平均粒径を小さくしようとするならば、高分子分散剤の濃度を高く、また、平均粒径を大きくしようとするならば、高分子分散剤の濃度が低く設定される。一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとするならば、ビニル単量体濃度を低く、また、比較的広い分布でもよい場合は、ビニル単量体濃度は高く設定される。
【0035】
粒子の製造は、親水性有機液体に、高分子分散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上のビニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉末、界面活性剤、染料、顔料などを添加し、30〜300rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速で、しかも、パドル型よりもタービン型の撹拌翼を用いて槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら用いた重合、開始剤の重合速度に対応した温度にて加熱し重合が行なわれる。なお、重合初期の温度が生成する粒子種に大きな影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を小量の溶媒に溶解して投入した方が望ましい。重合の際には、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容器内の空気中の酸素を充分に追い出す必要がある。この酸素パージが不充分であると微粒子が発生し易い。重合を高重合率域で行なうには5〜40時間の重合時間が必要であるが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させたり、また、重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反応を行なうことにより重合速度を速めることができる。
【0036】
重合終了後は、そのまま染着工程に用いてもよいし、沈降分離、遠心分離、デカンテーションなどの操作により、不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分散安定剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収して染着を行なってもよいが、分散安定剤を除去しない方が染着の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。
【0037】
〔染着工程〕
本発明における染着は次のようなものである。即ち、樹脂粒子Aを溶解せしめない有機溶媒中に樹脂粒子Aを分散し、この前または後に前記溶媒中に染料を溶解させ、前記染料を樹脂粒子A中に浸透させ着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染着トナーを製造する方法において、前記染料の前記有機溶媒に対する液解度(D1)及び前記樹脂粒子Aの樹脂に対する前記染料の溶解度(D2)の関係が、(D1)/(D2)≦0.5となる染料を選択使用する。これにより、樹脂粒子Aの深部まで染料が浸透(拡散)したトナーを効率よく製造することができる。本発明における溶解度は25℃の温度で測定されたものと定義される。なお、染料の樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶解度と全く同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で含有させることができる最大量を意味する。この溶解状態あるいは染料の析出状態の観察は、顕微鏡を用いることにより容易に行なうことができる。樹脂に対する染料の溶解性を知るには、上記した直接観察による方法の代わりに間接的な観察方法によってもよい。この方法は、樹脂と溶解度係数が近似する液体、即ち樹脂をよく溶解する溶媒を用い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹脂に対する溶解度として定めてもよい。
【0038】
〔染料〕
着色に使用する染料としては、前述のように使用する有機溶媒への該染料の溶解度(D1)より樹脂粒子を構成する樹脂への該染料の比(D1)/(D2)が0.5以下である必要がある。さらに、(D1)/(D2)を0.2以下とすることが好ましい。染料としては、上記の溶解特性を満たせば特に制限はないが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染料は環境変動が大きいおそれがあり、またトナーの電気抵抗が低くなり、転写率が低下するおそれがあるので、バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応じて数種の染料を併用することもできる。染着される染料と樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応じて任意に選択されるが、通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。例えば、染着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノールなどのアルコール類を使用し、樹脂粒子としてSP値が9程度のスチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、使用し得る染料としては、例えば、以下のような染料が挙げられる。
C.I. SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,1,102,103,105)
C.I. SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66)
C.I. SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,149,150,151,157,158)
C.I. SOLVENT VIOLET(31,32,33,37)
C.I. SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,91,94,95,104)
C.I. SOLVENT GREEN(24,25)
C.I. SOLVENT BROWN(3,9)
など。
【0039】
市販染料では、例えば保土谷化学工業社製の愛染SOT染料:Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8やBASF社製のsudan染料:Yellow−140,150、Orange−220、Red−290,380,460,Blue−670や三菱化成社製のダイアレジン:Yellow−3G,F,H2G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Red−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−C、Brown−Aやオリエント化学社製のオイルカラー:Yellow−3G,GG−S,#105、Orange−PS,PR,#201、Scarlet−#308、Red−5B、Brown−GR,#416、Green−BG,#502、Blue−BOS,HN、Black−HBB,#803,EE,EX、住友化学工業社製のスミプラスト、ブルーGP,OR、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC、日本化薬社製のカヤロン、ポリエステルブラックEX−SH3、カヤセットRed−BのブルーA−2Rなどを使用することができる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に使用する溶媒の組み合わせで適宜選択されるため、上記例に限られるものではない。
【0040】
〔染着用有機溶媒〕
染料を樹脂粒子に染着させるために用いる有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解性パラメーター(SP値)の差が1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用される。例えば、スチレン−アクリル系樹脂粒子に対しては、SP値が高いメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール系、あるいはSP値が低いn−ヘキサン、n−ヘプタンなどを使用する。SP値の差があまりに大きすぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くなり、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適なSP値の差は2〜5が好ましい。
【0041】
〔染着工程〕
染料を溶解した有機溶媒中に樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これにより、樹脂粒子の凝集を防ぎながら染着することが可能となる。撹拌の方法は、市販されている撹拌機、例えばホモミキサー、マグネチックスタラーなどを用いて撹拌すればよい。また、分散重合などで重合終了時得られるスラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している状態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件にて加熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の場合は、樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後のスラリーを乾燥する方法としては、特に限定はされないが、濾過した後に減圧乾燥あるいは濾別しないで直接減圧乾燥すればよい。本発明において濾別した後に風乾または減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集は殆どなく、投入した樹脂粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再現する。
【0042】
次に、本発明の懸濁重合トナーについて説明する。
〔モノマー〕
懸濁重合に使用される重合性単量体は、ビニル基を有するモノマーであり、具体的には以下のようなモノマーが挙げられる。即ち、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ブチルスチレン、オクチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体が挙げられ、なかでもスチレン単量体が最も好ましい。他のビニル系単量体として、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン系不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、これらの単量体を単独あるいは混合して用いることができる。
【0043】
〔架橋剤〕
単量体組成物中には、架橋重合体を生成させるために、次のような架橋剤を存在させて懸濁重合させてもよい。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリルロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。架橋剤の使用量が多過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着性、熱圧定着性が劣ることになる。また、架橋剤の使用量が少な過ぎると、トナーとして必要な耐ブロッキング性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール定着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロール表面に付着し、次の紙に転写するという、コールドオフセットが発生してしまう。従って、用いる架橋剤量は、重合性単量体100重量部に対して0.001〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0044】
〔離型剤〕
また、得られるトナーのオフセット防止のために、重合組成物に離型剤を含有させることができる。離型剤としては低分子量のポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。この低分子量オレフィン重合体は、着色剤と共に重合性単量体中に分散させておくのが好ましい。なお、離型剤は重合性単量体100重量部に対して1〜15重量部使用することが好ましい。離型剤の使用量が1重量部未満では、得られたトナーが充分な離型効果を持たず、ローラ上にオフセットしやすくなる。逆に、使用量が15重量部を超過すると、トナーから離型剤が摩擦帯電付与部材にスペントするようになるし、また、トナーの流動性が極めて悪くなる。
【0045】
〔着色剤〕
単量体に含有される着色剤としては、従来知られている染料及びカーボンブラック、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆してなるグラフト化カーボンブラックのような顔料が使用可能である。その他の着色剤としては、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Gレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料などの染顔料がある。なお、これらの着色剤は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部使用できる。
【0046】
〔分散安定剤〕
分散安定剤としては次のものが使用可能である。即ち、ポリビニルアルコール、でん粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、珪藻土、金属酸化物粉末などが用いられる。これらは水に対して0.1〜10重量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0047】
〔重合開始剤〕
本発明において、重合開始剤は造粒後の単量体組成物を含む分散液中に添加してもよいが、個々の単量体組成物粒子に均一に重合開始剤を付与する点からは、造粒前の単量体組成物に含有させておくことが望ましい。このような重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0048】
〔磁性体〕
本発明のトナーは、磁性体を含有する型の磁性トナーであってもよい。磁性トナーとするには、単量体組成物に磁性粒子を添加すればよい。本発明に用いることができる磁性体には、例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物の粉末が挙げられる。磁性粒子としては、粒径が0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmのものが用いられるが、小粒径トナーを生成する場合には、粒径0.8μm以下の磁性粒子を使用することが望ましい。この磁性粒子は、単量体組成物100重量部中に10〜60重量部含有されていることが望ましい。また、これら磁性粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤などの表面処理剤、あるいは適当な反応性の樹脂などで処理されていてもよい。この場合、磁性粒子の表面積あるいは表面に存在する水酸基の密度にもよるが、通常、磁性粒子100重量部に対して表面処理剤が5重量部以下、好ましくは0.1〜3重量部の処理で充分な重合性単量体への分散性が得られ、トナー物性に対しても悪影響を及ぼさない。
【0049】
上記の球形化トナーには、トナーの流動性を向上するために外添剤を添加する。外添剤は、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機微粒子、または有機微粒子を使用することができる。また、一次粒子径が1nm〜100nm、好ましくは5nm〜80nmの微粒子が、外添剤として好ましく用いられる。
【0050】
また、本発明の球形化トナーの粒径は、体積平均粒径が3μm〜10μmであるものが望ましい。トナーの体積平均粒径が3μm以下では、画像不良を発生しやすい粒径1μm以下の微粉トナーの割合が大きくなってしまい、体積平均粒径が10μm以上では、電子写真画像の高画質化の要求に対応するのが困難である。
また、本発明における像担持体表面の微細凹凸の好ましいサイズ範囲は10nm〜100nmである。微細凹凸が10nm以下では十分なクリーニング性能が得られず、100nm以上では小粒径のトナーが凹凸に入り込みクリーニング不良の原因になる。
【0051】
次に、本発明の像担持体として用いられる電子写真用感光体について説明する。
本発明の電子写真用感光体は、導電性支持体の上に電荷発生層、電荷輸送層が形成されたもの、更に電荷輸送層の上に保護層が形成されたもの等が使用される。導電性支持体および電荷発生層としては、公知のものならば如何なるものでも使用することができる。本発明の電子写真用感光体の材料としては、セレン及びその合金、アモルファスシリコン等の無機感光体材料でも、有機感光体材料でも良い。
【0052】
有機感光体材料を用いる場合、有機正孔移動物質としては、分子中にトリフェニルアミン部位を有する化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバゾール基を含む化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、線状の主鎖がSiよりなるポリシラン化合物、ポリビニルカルバゾール等、高分子ドナー化合物が挙げられる。
【0053】
また、電荷発生顔料としては、例えばX型の無金属フタロシアニン、π型の無金属フタロシアニン、τ型の無金属フタロシアニン、ε型の銅フタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料やジスアゾ・トリスアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、多環キノン系顔料、インジゴ顔料、ジフェニルメタン、トリメチルメタン系顔料、シアニン系顔料、キノリン系顔料、ベンゾフェノン、ナフトキノン系顔料、ペリレン顔料、フルオレノン系顔料、スクアリリウム系顔料、アズレニウム系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、ポルフィリン系顔料が使用できる。前記有機アクセプタ性化合物と組み合わせて使用が可能なこれら電荷発生顔料の感光層全体に占める量は0.1〜40wt%、好ましくは0.3〜25重量%が適当である。
【0054】
また、有機正孔輸送物質としては公知のものが利用でき、例えば分子中にトリフェニルアミン部位を有する化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキサジアゾール系化合物、カルバゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、線状の主鎖がSiよりなるポリシラン系化合物、ポリビニルカルバゾール等、高分子ドナー性化合物等が挙げられる。感光層全体に占める該正孔輸送物質の量は、10%以上、好ましくは20〜60重量%が適当である。
【0055】
また、感光層用結着剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂を挙げることができる。これら結着剤の感光層全体に占める量は20〜90%、好ましくは30〜70重量%である。
【0056】
また、帯電性を改良する目的で感光層と導電性基体の間に下引き層を設けることができる。これらの材料としては、前記結着剤材料の他に、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン等公知のものが利用できる。
【0057】
本発明で用いることができる導電性基体としては、公知のものが利用でき、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、ヨウ化銅の薄膜を塗布または貼付したプラスチックフィルムあるいはガラス等が挙げられる。
【0058】
本発明の有機感光体をつくるには、前記電荷発生材料を有機溶媒中に溶解、またはボールミル、超音波等で分散して調整した電荷発生層形成液を浸漬法やブレード塗布、スプレー塗布等の公知の方法で基体上に塗布・乾燥し、その上に前記電荷輸送材料を前記の方法で塗布・乾燥し、さらに微粒子を分散させた有機溶媒を前記の方法により電荷輸送層の上に形成すればよい。あるいは、電荷発生層の上に微粒子を分散させた電荷輸送層を形成しても良い。また、無機感光体材料を用いる場合も、同様にして微粒子を分散した表面層を形成すれば良い。本発明の感光体に使用する微粒子は、シリカ、アルミナ、チタニア等の無機微粒子、または有機微粒子を使用することができる。
【0059】
次に、本発明に用いられるクリーニングブレードについて説明する。
本発明のクリーニングブレードは、ゴム弾性体、特にポリウレタンゴムが好適に用いられる。ポリウレタンゴムは、ポリオールとポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造される。
また、本発明のクリーニングブレードの物性は、硬度(JIS Aスケール)が60〜80、300%モジュラスが100〜250kg/cm2、伸び率が300〜500%、引張強さ(JIS Z2241)が200〜500kg/cm2、反発弾性率が40〜70%であるのが好ましい。
【0060】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、実施例1に使用した球形トナーについて説明する。
スチレンモノマー40重量部にカーボンブラックMA100(三菱化成社製)20重量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを0.5重量部加え、スリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温度計を取り付けた500ml四つ口セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、フラスコ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で6時間60rpmにて撹拌し、グラフトカーボンブラックを得た。次いで、
スチレンモノマー 50重量部
n−ブチルメタクリレート 14.5重量部
1,3−ブタンジオールジメタアクリレート 0.5重量部
t−ブチルアクリルアミドスルフォン酸 3重量部
低分子量ポリエチレン 2重量部
(三井石油化学社製、三井ハイワックス210P)
上記グラフトカーボンブラック 30重量部
の混合物をボールミルで10時間分散した。この分散液に2,2’−アゾビスイソブチロニトリルおよび亜硝酸ナトリウムをそれぞれ1重量部ずつ溶解させた後、ポリビニルアルコールの2%水溶液250重量部に加え、特殊機化社製TKホモミキサー1,000〜6,000rpm、10分間にて撹拌し懸濁液を得た。上記懸濁液をスリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温度計を取り付けた500mlの四つ口セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室温で撹拌し、フラスコ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で5〜8時間、約100rpmにて撹拌して重合を完了させ懸濁重合粒子を作成した。この粒子100重量部を水/メタノール=1/1(重量比)の混合液に固形分30%になるよう再分散し、荷電制御剤としてH4N(CH25CH=C(C252を3重量部添加し、撹拌後濾過乾燥し、体積平均粒径が7.3μmのトナーを得た。
【0061】
上記トナー粒子と一次粒子径の平均値が14nmの疎水性シリカ(キャボット製TS−720)を、シリカの添加量がトナー量の0.5重量%となるように配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して電子写真用トナーを作製した。
上記方法により取得した電子写真用トナーを、リコー製複写機Imagio MF3550(二成分現像方式のモノクロ複写機)用のキャリアと、トナー濃度が2.5重量%となるように混合して2成分現像剤を作製した。このトナーと上記キャリアを充分混ぜ合わせた後、トナーの帯電量をブローオフ法で測定したところ、帯電量は−20.7μC/gであった。
【0062】
次に、実施例1に使用した感光体について説明する。
下記構造式(1)のビスアゾ顔料0.4重量部を、ブチラール樹脂(エスレックBL−S 積水化学(株)製)の5重量%テトラヒドロフラン溶液4重量部、及びテトラヒドロフラン7.6重量部とともにボールミリングし、ミリング後テトラヒドロフランを加えて2重量%に希釈し、電荷発生層形成用塗液を調整した。この感光液を60φのアルミニウム製感光体ドラムに浸漬法で塗布・乾燥させて電荷発生層を形成した。
【0063】
【化1】
Figure 0004400704
次に、下記構造式(2)の正孔輸送物質を6.0重量部と、感光体バインダー樹脂としてシクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成TS2050)9.0重量部を、テトラヒドロフラン67重量部に溶解し、これを浸漬法で電荷発生層上に塗布・乾燥させて、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
【0064】
【化2】
Figure 0004400704
次に、一次粒径16nmの疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル社製アエロジルR972)を1.0重量部と、構造式(1)の正孔輸送物質を2.0重量部と、シクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成TS2050)3.0重量部を、テトラヒドロフラン67重量部に溶解・分散し、この分散液をスプレードライ法で電荷輸送層上に塗布・乾燥させて、膜厚が5μmの微粒子分散層を形成し、実施例1の有機感光体を作製した。
作製した実施例1の感光体の一部を切り出し、その表面に金をスパッタリングし、走査型電子顕微鏡で観察した結果、感光体の表面に一様に分布したシリカ微粒子の凝集体が見られた。
また、実施例1ではポリウレタンゴムのクリーニングブレードを用いた。
【0065】
以下に、実施例1のクリーニングブレードの物性値を示す。
硬度(JIS Aスケール):70、
300%モジュラス:130kg/cm2
伸び率:370%、
引張強さ(JIS Z2241):350kg/cm2
反発弾性率:60%
【0066】
次に、トナーと感光体及びトナーとクリーニングブレードの付着力の測定方法について説明する。
トナーの付着力を測定する方法は、トナーの付着している物体からトナーを分離するのに必要な力を見積もる方法が一般的である。トナーを分離させる方法としては、遠心力、振動、衝撃、空気圧、電界、磁界等を用いた方法が知られている。このうち、遠心力を利用した方法は定量化が容易で、かつ測定精度が高い。このため、実施例1では付着力測定方法として、遠心分離法を用いた。
【0067】
まず、トナー付着力測定を実施する際の装置について説明する。
図1、図2は、本発明に係るトナー付着力測定装置の測定セル、遠心分離装置の一例を示す図である。
図1は、トナー付着力測定装置の測定セルの説明図である。図1において、(1)は測定セルであり、測定セル(1)は、トナーを付着させた試料面(2a)を有する試料基板(2)と、試料基板(2)から分離したトナーを付着させる付着面(3a)を有する受け基板(3)と、試料基板(2)の試料面(2a)と受け基板(3)の付着面(3a)の間に設けられたスペーサ(4)から構成される。
【0068】
図2は、遠心分離装置の一部断面図である。図2において、(5)は遠心分離装置であり、遠心分離装置(5)は、測定セル(1)を回転させるロータ(6)と、保持部材(7)を備えている。ロータ(6)は、自身の回転中心軸(9)に対して垂直な断面で穴形状であり、保持部材(7)を設置する試料設置部(8)を有している。保持部材(7)は、棒状部(7a)と、棒状部(7a)に設けられ測定セル(1)を保持するセル保持部(7b)、測定セル(1)をセル保持部(7b)から押し出すための穴部(7c)、棒状部(7a)を試料設置部(8)に固定する設置固定部(7d)を備えている。セル保持部(7b)は、測定セル(1)を設置したときに、測定セル(1)の垂直方向がロータの回転中心軸(9)に垂直となるように構成される。
【0069】
次に、上記の装置を用いてトナーの付着力を測定する方法を説明する。
まず、感光体またはクリーニングブレードの一部を試料基板(2)の形状に合わせて加工し、試料基板(2)上に接着剤で貼りつける。次に、前記の帯電した球形トナーを試料基板(2)上の試料面(2a)(感光体またはクリーニングブレード)上に付着させる。
【0070】
次に、図1のように、試料基板(2)、受け基板(3)及びスペーサ(4)を用いて測定セル(1)を構成する。測定セル(1)を、保持部材(7)をロータ(6)の試料設置部(8)に設置したときに、試料基板(2)が受け基板(3)とロータ(6)の回転中心軸(9)の間になるように、保持部材(7)のセル保持部(7b)に設置する。保持部材(7)を、測定セル(1)の垂直方向がロータの回転中心軸(9)に垂直となるように、ロータ(6)の試料設置部(8)に設置する。遠心分離装置(5)を稼働してロータ(6)を一定の回転数で回転させる。試料基板(2)に付着したトナーは回転数に応じた遠心力を受け、トナーの受ける遠心力がトナーと試料面(2a)間の付着力よりも大きい場合は、トナーが試料面(2a)から分離し、付着面(3a)に付着する。
【0071】
トナーの受ける遠心力Fは、トナーの重量m、ロータの回転数f(rpm)、ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距離rを用いて、一般式(1)より求められる。
【0072】
【数1】
F=m×r×(2πf/60)2 …(1)
トナーの重量mは、トナーの真比重ρ、円相当径dを用いて、一般式(2)より求められる。
【0073】
【数2】
m=(π/6)×ρ×d3 …(2)
【0074】
一般式(1)と一般式(2)より、トナーの受ける遠心力Fは、一般式(3)から求められる。
【0075】
【数3】
F=(π3/5400)×ρ×d3×r×f2 …(3)
【0076】
遠心分離終了後、保持部材(7)をロータ(6)の試料設置部(8)から取り出し、保持部材(7)のセル保持部(7b)から測定セル(1)を取り出す。受け基板(3)を交換し、測定セル(1)を保持部材(7)に設置し、保持部材(7)をロータ(6)に設置し、ロータ(6)を前回よりも高回転数で回転させる。トナーの受ける遠心力が前回よりも大きくなり、付着力の大きなトナーが、トナーが試料面(2a)から分離して付着面(3a)に付着する。
【0077】
遠心分離装置の設定回転数を低回転数から高回転数へ変えて同様の操作を実施することにより、各回転数で受ける遠心力と付着力の大小関係に応じて、試料面(2a)上のトナーが付着面(3a)に移動する。
全ての設定回転数について遠心分離を実施後、各回転数の受け基板(3)の付着面(3a)に付着したトナーの粒径を計測することにより、一般式(3)を用いて各トナーの付着力を求めることができる。
トナーの粒径及び個数の測定は、光学顕微鏡で付着面(3a)上のトナーを観察し、その画像をCCDカメラを通して画像処理装置に入力し、画像処理装置を用いて各トナーの粒径測定をおこなうことができる。
【0078】
なお、付着力測定に使用した装置及び測定条件は以下のとおりである。
遠心分離装置:日立工機製CP100α
(最高回転数:100,000rpm、最大加速度:800,000×g)
ロータ:日立工機製アングルロータP100AT
画像処理装置:インタークエスト製Hyper700
試料基板と受け基板:直径8mm、厚み1.5mmの円板で、材料はアルミニウム。
スペーサ:外径8mm、内径5.2mm、厚み1mmでのリングで、材料はアルミニウム。
保持部材:直径13mm、長さ59mmの円筒で、材料はアルミニウム。
ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距離:64.5mm
設定回転数f:1000、1600、2200、2700、3200、5000、7100、8700、10000、15800、22400、31600、50000、70700、86600、100000(rpm)
【0079】
以上の方法を用いて、実施例1の帯電した球形トナーと実施例1の感光体、及び実施例1のトナーと実施例1のクリーニングブレードの付着力を測定した。その結果、トナーと感光体の付着力の平均値は108nN、トナーとクリーニングブレードの付着力の平均値は162nNで、トナーとクリーニングブレードの付着力はトナーと感光体の付着力よりも大きい。
【0080】
リコー製複写機Imagio MF3550に、実施例1の現像剤、感光体及びクリーニングブレードを使用して5万枚通紙による連続複写を実施した。初期及び5万枚連続複写後に画像評価を実施し、同時にCCD顕微鏡カメラ(キーエンス社ハイパーマイクロスコープ)によってクリーニング後の感光体のトナー付着を観察した。初期及び5万枚連続複写後のクリーニング後の感光体にトナーは観察されず、画像不良は見られなかった。
【0081】
(実施例2)
一次粒径15nmの疎水性酸化チタン微粒子(テイカ製MT150A)を0.8重量部と、構造式(1)の正孔輸送物質を2.0重量部と、シクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成TS2050)3.0重量部を、テトラヒドロフラン67重量部に溶解・分散し、この分散液を実施例1でドラム上に形成した電荷輸送層上に、スプレードライ法を用いて塗布・乾燥させて、膜厚が5μmの微粒子分散層を形成し、実施例2の有機感光体を作製した。実施例1と同様にして走査型電子顕微鏡で感光体表面を観察した結果、感光体の表面に一様に分布した酸化チタンの凝集体が見られた。
実施例1と同様にして、実施例1のトナーと実施例2の感光体の付着力を測定した結果、トナーと感光体の付着力の平均値は127nNで、トナーとクリーニングブレードの付着力(162nN)はトナーと感光体の付着力よりも大きい。
実施例2の感光体を用いて実施例1と同様にして連続複写を実施した結果、初期及び5万枚連続複写後のクリーニング後の感光体にトナーは観察されず、画像不良は見られなかった。
【0082】
(実施例3)
疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル社製アエロジルR972)を4.0重量部と、構造式(1)の正孔輸送物質を6.0重量部と、感光体バインダー樹脂としてシクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成TS2050)9.0重量部を、テトラヒドロフラン67重量部に溶解分散し、これを浸漬法で実施例1の電荷発生層上に塗布・乾燥させて、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、実施例3の有機感光体を作製した。実施例1と同様にして走査型電子顕微鏡で感光体表面を観察した結果、感光体の表面に一様に分布したシリカの凝集体が見られた。
実施例1と同様にして、実施例1のトナーと実施例3の感光体の付着力を測定した結果、トナーと感光体の付着力の平均値は91nNで、トナーとクリーニングブレードの付着力(162nN)はトナーと感光体の付着力よりも大きい。
実施例3の感光体を用いて実施例1と同様にして連続複写を実施した結果、初期及び5万枚連続複写後のクリーニング後の感光体にトナーは観察されず、画像不良は見られなかった。
【0083】
(比較例1)
実施例1でドラム上に形成した電荷発生層及び電荷輸送層上に微粒子分散層を設けずに、比較例1の有機感光体とした。
実施例1と同様にして、実施例1のトナーと比較例1の感光体の付着力を測定した結果、トナーと感光体の付着力の平均値は223nNで、トナーとクリーニングブレードの付着力(162nN)はトナーと感光体の付着力よりも小さい。
比較例1の感光体を用いて実施例1と同様にして連続複写を実施した結果、初期及び5万枚連続複写後のクリーニング後の感光体にトナーが多数観察され、黒すじ等の画像不良が発生した。
【0084】
(比較例2)
疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル社製アエロジルR972)を0.1重量部と、構造式(1)の正孔輸送物質を2.0重量部と、シクロヘキシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成TS2050)3.0重量部を、テトラヒドロフラン67重量部に溶解・分散し、この分散液を実施例1でドラム上に形成した電荷輸送層上に、スプレードライ法を用いて塗布・乾燥させて、膜厚が5μmの微粒子分散層を形成し、比較例2の有機感光体を作製した。実施例1と同様にして走査型電子顕微鏡で感光体表面を観察した結果、感光体の表面にシリカの凝集体が見られた。
実施例1と同様にして、実施例1のトナーと比較例2の感光体の付着力を測定した結果、トナーと感光体の付着力の平均値は185nNで、トナーとクリーニングブレードの付着力(162nN)はトナーと感光体の付着力よりも小さい。
比較例2の感光体を用いて実施例1と同様にして連続複写を実施した結果、初期及び5万枚連続複写後のクリーニング後の感光体にトナーが観察され、黒すじ等の画像不良が発生した。
【0085】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、電子写真用トナーとして球形化トナーを用い、転写工程後に像担持体上に残留したトナーをクリーニングブレードを用いてクリーニングする画像形成装置において、球形化トナーとクリーニングブレードの付着力が球形化トナーと像担持体の付着力よりも大きくなるように構成することにより、球形化トナーをクリーニングブレードで効率よくクリーニングすることが可能な画像形成装置を提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粉体付着力測定装置における測定セルの説明図である。
【図2】本発明に係る粉体付着力測定装置の遠心分離装置の一部断面側面図である。
【図3】像担持体上の転写残トナーがクリーニングブレードに接触した状態の説明図である。
【図4】本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 測定セル
2 試料基板
2a 試料面
3 受け基板
3a 付着面
4 スペーサ
5 遠心分離装置
6 ロータ
7 保持部材
7a 棒状部
7b セル保持部
7c 穴部
7d 設置固定部
8 試料設置部
9 回転中心軸
11 クリーニングブレード
12 像担持体
13 トナー
14 像担持体の回転方向
21 感光体ドラム
22 帯電ローラ
23 露光
24 現像装置
25 スクリュー
26 現像スリーブ
27 ドクターブレード
28 転写装置
29 転写ベルト
30 バイアスローラ
31 分離爪
32 定着装置
33 定着ローラ
34 加圧ローラ
35 定着ヒータ
36 クリーニング装置
37 クリーニングブレード
38 トナー回収装置
39 除電ランプ
Fc 付着力
Fp 付着力

Claims (3)

  1. 像担持体上にトナー像を形成し、該像担持体上に形成されたトナー像を転写体上に転写した後、クリーニングブレードを用いて該像担持体上に残留したトナーを除去する工程を有し、製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナーを使用して該トナー像を形成する画像形成装置において、該像担持体表面に、該球形化したトナーの体積平均粒径よりも小さな微粒子を分散させた層を設けることで凹凸が設けられており、これにより、該クリーニングブレードと該球形化したトナーとの付着力が、該像担持体と該球形化したトナーとの付着力よりも大きく設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記像担持体表面の微細凹凸の範囲が10nm〜100nmであることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 該像担持体と該球形化したトナーとの接触面積が、該クリーニングブレードと該球形化したトナーとの接触面積よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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