JP2003005422A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003005422A
JP2003005422A JP2001183905A JP2001183905A JP2003005422A JP 2003005422 A JP2003005422 A JP 2003005422A JP 2001183905 A JP2001183905 A JP 2001183905A JP 2001183905 A JP2001183905 A JP 2001183905A JP 2003005422 A JP2003005422 A JP 2003005422A
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toner
photoconductor
image forming
forming apparatus
cleaning
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JP2001183905A
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Haruo Iimura
治雄 飯村
Takeo Yamaguchi
剛男 山口
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球形化したトナーを使用して、トナー像を転
写した後、感光体上の残留トナーを除去するクリーニン
グ工程を有する画像形成装置において、球形トナーを用
いた場合でも、転写工程後の感光体上の残留トナーを効
率よくクリーニングし、クリーニング不良等の画像不良
が生じない画像形成装置を提供することである。 【解決手段】 製造工程あるいは製造後の工程において
球形化したトナーを使用して感光体上にトナー像を形成
し、該感光体上に形成されたトナー像を転写体上に転写
した後、該感光体上に残留したトナーを除去するクリー
ニング工程を有する画像形成装置において、クリーニン
グ工程に使用する手段のうち少なくとも一つが該感光体
に接触して回転するクリーニングローラであり、該感光
体上に残留したトナーが該クリーニングローラ側に移動
する向きに該クリーニングローラと該感光体間に電界を
形成する手段を設け、該感光体と該トナー間の非静電的
付着力の平均値Fne(nN) を該トナーの体積平均粒径
D(μm) で割った値Fne/Dが0.05〜3(nN/
μm)となるように構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式二成分あるい
は一成分現像剤を用いた複写機、プリンター、ファクシ
ミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関し、更に詳し
くは、球形トナーを用いたトナー画像転写後のクリーニ
ング不良対策を施した画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の画像形成装置で
は、現像工程で感光体上に形成したトナー像を、中間転
写ベルトなどの中間転写体を介して、または直接的に転
写紙などの転写体上に転写して画像を形成しているが、
トナー像転写後の感光体表面には、転写残のトナーが残
留する。このため、感光体上から残留トナーを除去する
クリーニング装置が設けられている。このクリーニング
装置としては、種々のものが知られており、弾性部材か
らなるクリーニングブレードやクリーニングローラのほ
か、ファーブラシ、磁気ブラシ等を用いることができ
る。この中で、クリーニングブレードまたはクリーニン
グローラは、構成が簡単で、装置の小型化が容易で、コ
スト面も有利なので、広く実用化されている。
【0003】近年、画質向上のためにトナーの小粒径
化、球形化が進められ、懸濁重合法、乳化重合法、分散
重合法などによる重合トナーや、熱気流,流動造粒法に
よる球形処理を施したトナーが用いられつつある。しか
し、球形化したトナーを用いた場合、クリーニングブレ
ードまたはクリーニングローラによるクリーニング装置
を備えた画像形成装置において、クリーニング不良によ
る画像不良が発生しやすいという問題点がある。
【0004】この対策として、特開平9−96965号
公報、特開平9−114232号公報、特開平9−27
4364号公報および特開平11−84878号公報等
には、転写工程後の感光体上に残留した球形トナーに対
して各種除電手段を用い、残留トナーの帯電量を低減し
てクリーニング性を改善している。しかしながら、上記
除電手段を新たに設けることは部品点数の増加や製造コ
ストの増加に直結する。
【0005】また、特開平5−333757号、公報特
開平6−167825号公報、特開平6−167826
号公報では、電子写真感光体の表面粗さ、トナーの粒径
分布、トナーへの無機微粒子添加量によってトナーと感
光体間の付着力の平均値及び分布の範囲を規定し、クリ
ーニングブレードを用いて真円度が高い球形トナーをク
リーニングする場合でもクリーニング不良が生じないよ
うにしている。 トナーと感光体間の付着力は、トナーの
帯電に起因する静電的付着力とそれ以外のファンデルワ
ールス力、液架橋力、分子間力等に起因した非静電的付
着力から構成されるが、上記公報ではトナー付着力を非
静電的付着力と静電的付着力に分類して検討していな
い。また、トナーの付着力はトナーの粒径や帯電量に依
存して変化し、クリーニング不良を含めた画像不良の発
生しないトナー付着力の範囲はトナーの粒径や帯電量に
よって異なるが、上記公報ではトナーの粒径や帯電量と
適切なトナー付着力の範囲の関係が記載されていない。
【0006】また、クリーニングローラによるクリーニ
ング装置を備えた画像形成装置において、クリーニング
ローラと感光体間に電圧を印加して感光体上に残留トナ
ーを静電的な力を利用して除去する方法が開示されてい
るが、残留トナーの帯電量が小さい場合にはトナーに作
用する静電的な力が小さく、十分なクリーニング性能が
得られないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、球形トナーを用いた場合でも、転写工程後に感光体
上に残留したトナーを効率よくクリーニングすることが
でき、クリーニング不良等の画像不良が生じない画像形
成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下
記の手段により達成される。請求項1では、製造工程あ
るいは製造後の工程において球形化したトナーを使用し
て感光体上にトナー像を形成し、該感光体上に形成され
たトナー像を転写体上に転写した後、該感光体上に残留
したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形
成装置において、クリーニング工程に使用する手段のう
ち少なくとも一つが該感光体に接触して回転するクリー
ニングローラであり、該感光体上に残留したトナーが該
クリーニングローラ側に移動する向きに該クリーニング
ローラと該感光体間に電界を形成する手段を設け、該感
光体と該トナー間の非静電的付着力の平均値Fne(n
N)を該トナーの体積平均粒径D(μm)で割った値F
ne/Dが0.05〜3(nN/μm)となるように構成
したことを特徴とするものである。
【0009】第二に、上記球形化されたトナーが重合法
により作製されたことを特徴とするものである。
【0010】第三に、上記トナーの体積平均粒径Dが3
〜9μmとなるように調整したことを特徴とするもので
ある。
【0011】第四に、上記トナーの帯電量の平均値Q
(fC)をトナーの体積平均粒径D(μm)の二乗で割
った値Q/D2 の絶対値が0.005〜0.5(fC/
μm2)となるように調整したことを特徴とするもので
ある。
【0012】第五に、上記トナーが、一次粒子径の平均
値が5nm〜100nmである微粒子から成る外添剤に
よって外添処理を施されることを特徴とするものであ
る。
【0013】第六に、上記外添剤が、 疎水化処理された
シリカ、チタン、アルミナのいずれかを少なくとも1種
類以上含有することを特徴とするとするものである。
【0014】第七に、上記感光体が、導電性支持体上に
少なくとも有機材料の電荷発生層又は電荷輸送層が形成
され、あるいはさらに保護層が形成された有機感光体で
あることを特徴とするものである。
【0015】(作用)本発明の画像形成装置の作用につ
いて図を用いて説明する。 図3に、クリーニングローラ
11が感光体12に接触し、感光体12上の転写残トナ
ー13がクリーニングローラ11に接触した状態を示
す。クリーニングローラ11と感光体12間には、トナ
ー13が感光体12からクリーニングローラ11へ移動
する向きに電界15が形成されている。
【0016】クリーニングローラ11は、感光体12の
回転方向14と同じ向き、または逆向きに回転する。転
写残トナー13は、転写工程後に感光体12の回転方向
14に移動し、クリーニングローラ11に接触する。ク
リーニングローラ11が回転方向14と逆向きに回転す
る場合は、この時点で転写残トナー13が感光体12か
ら分離する。クリーニングローラ11が回転方向14と
同じ向きに回転する場合は、転写残トナー13がクリー
ニングローラ11と感光体12の接触部を通過後に感光
体12から分離する。クリーニングローラ11に付着し
た転写残トナー13は、クリーニングローラ11に当接
する不図示のブレードによって、クリーニングローラ1
1から分離し回収される。
【0017】感光体12上の転写残トナー13がクリー
ニングローラ11に接触する時、転写残トナー13には
感光体12との付着力Fp、クリーニングローラ11と
の付着力Fc及び電界によるクーロン力Feが作用す
る。転写残トナー13を感光体12から除去するために
は、付着力Fpよりも大きな力で転写残トナー13を感
光体12から分離する必要がある。付着力Fcとクーロ
ン力Feは、転写残トナー13を感光体12から分離す
る力として作用する。クーロン力Feは転写残トナー1
3の帯電量Qに比例するため、帯電量Qが大きい場合は
大きな力となるが、帯電量Qが小さい場合は感光体12
から分離する力としての寄与が小さい。トナーの付着力
は、トナーの帯電によって生じる静電的付着力と、それ
以外のファンデルワールス力や液架橋力等の非静電的付
着力から構成されるが、帯電量の小さいトナーでは非静
電的付着力の寄与が大きい。このため、 帯電量の小さい
転写残トナーを感光体から分離するためには、 トナーと
感光体間の非静電的付着力を小さくする必要がある。
【0018】本発明者らは、 様々なトナーと感光体につ
いて、遠心分離法を用いて非静電的付着力を測定し、 ま
た電界を利用したクリーニングローラを有する画像形成
装置を用いてクリーニング性能を調べた結果、トナーと
感光体との非静電的付着力Fne(nN)とトナーの体積
平均粒径D(μm)の比Fne/Dが特定の範囲となるよ
うにトナー及び感光体を構成することにより、 帯電量の
小さい転写残トナーでも感光体からの分離が容易でクリ
ーニング性能が良好となることを見出した。
【0019】まず、遠心分離法によるトナーと感光体間
の付着力測定方法について説明する。トナーの付着力を
測定する方法は、トナーの付着している物体からトナー
を分離するのに必要な力を見積もる方法が一般的であ
る。トナーを分離させる方法としては、遠心力、振動、
衝撃、空気圧、電界、磁界等を用いた方法が知られてい
る。この内、遠心力を利用した方法は定量化が容易で、
かつ測定精度が高い。このため、本発明ではトナーと感
光体間の付着力を測定する方法として、遠心分離法を用
いた。
【0020】以下、遠心分離によるトナー付着力測定方
法について説明するが、これについては、文献IS&T
NIP7th p.200(1991)などに記載さ
れている方法が知られている。
【0021】図1、図2は、本発明に係るトナー付着力
測定装置の測定セル、遠心分離装置の一例を示す図であ
る。図1は、トナー付着力測定装置の測定セルの説明図
である。図1において、1は測定セルであり、測定セル
1は、トナーを付着させた試料面2aを有する試料基板
2と、試料基板2から分離したトナーを付着させる付着
面3aを有する受け基板3と、試料基板2の試料面2a
と受け基板3の付着面3aの間に設けられたスペーサ4
から構成される。
【0022】図2は、遠心分離装置の一部断面図であ
る。図2において、5は遠心分離装置であり、遠心分離
装置5は、測定セル1を回転させるロータ6と、保持部
材7を備えている。ロータ6は、自身の回転中心軸9に
対して垂直な断面で穴形状であり保持部材7を設置する
試料設置部8を有している。保持部材7は、棒状部7a
と、棒状部7aに設けられ測定セル1を保持するセル保
持部7b、測定セル1をセル保持部7bから押し出すた
めの穴部7c、棒状部7aを試料設置部8に固定する設
置固定部7dを備えている。セル保持部7bは、測定セ
ル1を設置したときに、測定セル1の垂直方向がロータ
の回転中心軸9に垂直となるように構成される。
【0023】上記の装置を用いてトナーの非静電的付着
力を測定する方法を説明する。まず、試料基板2上に直
接感光体を形成するか、または感光体の一部を切り出し
て試料基板2上に接着剤で貼り付ける。次に、未帯電の
トナーを、試料基板2上の感光体(試料面2a)上に付
着させる。次に、図1のように、試料基板2、受け基板
3及びスペーサ4を用いて測定セル1を構成する。測定
セル1を、保持部材7をロータ6の試料設置部8に設置
したときに、試料基板2が受け基板3とロータ6の回転
中心軸9の間になるように、保持部材7のセル保持部7
bに設置する。保持部材7を、測定セル1の垂直方向が
ロータの回転中心軸9に垂直となるように、ロータ6の
試料設置部8に設置する。遠心分離装置5を稼働してロ
ータ6を一定の回転数で回転させる。試料基板2に付着
したトナーは回転数に応じた遠心力を受け、トナーの受
ける遠心力がトナーと試料面2a間の付着力よりも大き
い場合は、トナーが試料面2aから分離し、付着面3a
に付着する。
【0024】トナーの受ける遠心力Fは、トナーの重量
m、ロータの回転数f(rpm)、ロータの中心軸から
試料基板のトナー付着面までの距離rを用いて、式
(1)より求められる。 F=m×r×(2πf/60)2 (1) 式(1)のトナーの重量mは、トナーの真比重ρ、円相
当径dを用いて、式(2)より求められる。 m=(π/6)×ρ×d3 (2) 式(1)と式(2)より、トナーの受ける遠心力Fは、
式(3)から求められる。 F=(π3 /5400)×ρ×d3 ×f2 (3)
【0025】遠心分離終了後、保持部材7をロータ6の
試料設置部8から取り出し、保持部材7のセル保持部7
bから測定セル1を取り出す。受け基板3を交換し、測
定セル1を保持部材7に設置し、保持部材7をロータ6
に設置し、ロータ6を前回よりも高回転数で回転させ
る。トナーの受ける遠心力が前回よりも大きくなり、付
着力の大きなトナーが試料面2aから分離して付着面3
aに付着する。遠心分離装置の設定回転数を低回転数か
ら高回転数へ変えて同様の操作を実施することにより、
各回転数で受ける遠心力と付着力の大小関係に応じて、
試料面2a上のトナーが付着面3aに移動する。
【0026】全ての設定回転数について遠心分離を実施
後、各回転数の受け基板3の付着面3aに付着したトナ
ーの粒径を計測する。トナー粒径の測定は、光学顕微鏡
で付着面3a上のトナーを観察し、CCDカメラを通し
て付着面の画像を画像処理装置に入力し、画像処理装置
を用いて各トナーの粒径測定をおこなうことができる。
【0027】ある回転数で分離したトナーの付着力は、
トナーが分離した回転数における遠心力よりも小さく、
分離する前の回転数における遠心力よりも大きいので、
(3)式により両者の遠心力を計算しその平均値をトナ
ーの付着力とした。
【0028】本発明者らは、上記の方法を用いて体積平
均粒径が異なる球形トナーについて感光体との非静電的
付着力を測定した。体積平均粒径D(μm)と非静電的
付着力の平均値Fne(nN)の関係の一例を図4に示
す。なお、平均値Fneは各トナーの付着力の常用対数に
ついて算術平均値Aを算出し、F=10A から求めた。
図4のように、FneはDに比例して増加することがわか
った。FneとDの比Fne/Dは、図4の直線の傾きに対
応する。
【0029】様々な球形トナーと感光体について、電界
を利用したクリーニングローラを有する画像形成を用い
てクリーニング不良等の画像不良の発生状況を検討した
結果、Fne/Dが0.05〜3(nN/μm)、より好
ましくは0.1〜2.5(nN/μm)となるように球
形トナーと感光体を構成することにより、画像不良が発
生しないことを見いだした。Fne/Dが3(nN/μ
m)以上ではクリーニング不良が発生しやすく、クリー
ニング工程通過後の感光体上にクリーニングされていな
いトナーが観察された。また、Fne/Dが0.05(n
N/μm)以下では、トナー飛散に起因する地肌汚れや
転写チリ等の画像不良が発生しやすくなる。
【0030】トナーと感光体間の非静電的付着力は、フ
ァンデルワールス力、液架橋力等から構成されるが、こ
れらの力はトナーと感光体の接触領域の幾何学的な構造
に依存している。特に、感光体との接触領域におけるト
ナー表面の曲率半径の大きさは、非静電的付着力の大き
さを左右する重要な要因である。外添剤によるトナー母
粒子(外添剤を添加していないトナー粒子)表面の被覆
はトナー表面の曲率半径を大きく変化させることができ
るので、非静電的付着力を制御する有効な手段となる。
本発明者らは、様々なトナーについてFne/Dを測定し
た結果、Fne/Dはトナーの構成材料等にも依存する
が、特に、トナー表面の外添剤被覆率に大きく依存する
ことを見出した。外添剤被覆率は、トナー母粒子1粒子
の表面積に対する外添剤被覆面積の比によって定義さ
れ、トナーの電子顕微鏡写真を画像解析することによっ
て計測することができる。本発明者らは、Fne/Dが外
添剤被覆率の増加と共に減少し、一定の外添剤被覆率以
上では飽和する傾向にあり、Fne/Dの大きさ及び外添
剤被覆率依存性は外添剤の粒径及び材料等によって異な
ることを見出した。このため、Fne/Dが前記の規定範
囲となる条件は、外添剤の粒径及び材料等によって調整
する必要がある。
【0031】
【発明の実施の形態】次に、 本発明の電界を利用したク
リーニングローラを有する画像形成装置について、図面
を参照して詳細に説明する。本発明の画像形成装置は、
感光体上に静電潜像を形成する潜像形成手段、該感光体
上の潜像上にトナー像を形成する現像手段、形成された
トナー像を転写体上に転写する転写手段、転写体上のト
ナー像を定着する定着手段、転写されずに感光体上に残
ったトナーを除去・回収するためのクリーニング手段を
有する。
【0032】図5は、本発明の画像形成装置の一例を示
す概略構成図である。図5において、静電潜像担持体で
ある感光体ドラム21の周囲には、該ドラム表面を帯電
するための帯電装置22、一様帯電処理面に潜像を形成
するためのレーザー光線でなる露光23、ドラム表面の
潜像に帯電トナーを付着することでトナー像を形成する
現像装置24、形成されたドラム上のトナー像を記録紙
へ転写するための転写装置28、記録紙上のトナーを定
着する定着装置32、ドラム上の残留トナーを除去・回
収するためのクリーニング装置36、ドラム上の残留電
位を除去するための除電装置39が順に配設されてい
る。
【0033】まず、感光ドラム21は帯電ローラ22に
よって表面を一様に帯電される。図5の例では、帯電ロ
ーラを用いて感光ドラム21を帯電しているが、コロト
ロンやスコロトロン等のコロナ帯電を用いても良い。帯
電ローラを用いた帯電は、コロナ帯電を用いた場合より
もオゾン発量が少ない利点があるが、感光体と接触して
いるためトナーによってローラ表面が汚れるため、帯電
ローラをクリーニングする機構が必要になる。
【0034】帯電した感光体ドラム21に画像情報に応
じてレーザー光線23が照射され、静電潜像が形成され
る。感光ドラム21上の帯電電位や露光部位を電位セン
サで検出し、帯電条件や露光条件を制御することもでき
る。
【0035】次に、現像装置24によって、静電潜像が
形成された感光体ドラム21上にトナー像が形成され
る。現像装置24では、現像剤がスクリュー25によっ
て攪拌・搬送され、現像スリーブ26に供給される。現
像スリーブ26に供給される現像剤はドクターブレード
27によって規制され、供給される現像剤量はドクター
ブレード27と現像スリーブ26との間隔であるドクタ
ーギャップによって制御される。ドクターギャップが小
さすぎると、現像剤量が少なすぎて画像濃度不足にな
り、逆にドクターギャップが大きすぎると、現像剤量が
過剰に供給されて感光体ドラム21上にキャリア付着が
発生するという問題が生じる。現像スリーブ26には、
周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁
石が備えられており、この磁石から発せられる法線方向
磁力線に沿うように、現像剤が現像スリーブ26上にチ
ェーン状に穂立ちされて磁気ブラシが形成される。現像
スリーブ26と感光体ドラム21は、一定の間隙(現像
ギャップ)を挟んで近接するように配置されていて、双
方の対向部分に現像領域が形成されている。現像スリー
ブ26は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹
脂などの非磁性体を円筒形に形成しており、不図示の回
転駆動機構によって回転されるようになっている。
【0036】磁気ブラシは、現像スリーブ26の回転に
よって現像領域に移送される。現像スリーブ26には不
図示の現像用電源から現像電圧が印加され、磁気ブラシ
上のトナーが現像スリーブ26と感光体ドラム21間に
形成された現像電界によってキャリアから分離し、感光
体ドラム21上の静電潜像上に現像される。なお、現像
電圧には交流を重畳させても良い。なお、現像ギャップ
は、現像剤粒径の5〜30倍程度、現像剤粒径が50μ
mであれば0.5mm〜1.5mmに設定することが可
能である。これより広くすると、望ましいとされる画像
濃度がでにくくなる。また、ドクターギャップは、現像
ギャップと同程度かやや大きくする必要がある。感光体
ドラム21のドラム径やドラム線速、現像スリーブ26
のスリーブ径やスリーブ線速は、複写速度や装置の大き
さ等の制約によって決まる。ドラム線速に対するスリー
ブ線速の比は、必要な画像濃度を得るために1. 1以上
にする必要がある。なお、現像後の位置にセンサを設置
し、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス
条件を制御することもできる。図5の例では、キャリア
とトナーからなる磁気ブラシによって現像が行われる二
成分現像方式を用いているが、本発明は二成分現像方式
に限定されるものではなく、現像スリーブ上に形成した
トナー薄層を電界で感光体上に現像する一成分現像方式
を用いてもよい。
【0037】磁気ブラシを構成するキャリアには、鉄
紛、フェライト紛、磁性粒子を分散した樹脂粒子等の磁
性を有する粉体、及び電気特性を制御するために樹脂な
どで表面を被覆した磁性粉体が好ましく使用される。磁
気ブラシを構成するキャリアとしては、感光体ドラム2
1表面へのダメージを軽減するために球形の粒子を用い
るのが好ましく、平均粒径は150μm以下のものが好
ましい。キャリアの平均粒径が大きすぎると最密状態に
配置してあっても曲率半径が大きく、感光体ドラム21
と接触していない面積が増え、トナー像のかけや抜けが
発生する。逆に平均粒径があまり小さすぎると、交流電
圧を印加する場合には、粒子が動きやすくなって粒子間
の磁力を上回り、粒子が飛散してキャリア付着の原因と
なってしまう。キャリアの平均粒径は、特に30μm以
上、100μm以下であることが好ましい。さらに、キ
ャリアの体積抵抗率が低すぎると、現像電圧の印加時に
キャリアに電荷が注入され、感光体ドラム21へのキャ
リア付着を起こしたり、感光体の絶縁破壊を起こしたり
するため、体積抵抗率が103Ωcm以上のキャリアを
使用する必要がある。
【0038】感光ドラム21上に形成されたトナー像
は、感光ドラム21と転写ベルト29が接触する転写ニ
ップに搬送される。同時に、不図示の給紙トレイから搬
送された記録紙が転写ニップに進入する。転写ベルト2
9に接触するローラ30に、不図示の転写用電源によっ
てトナーと逆極性の転写電圧が印加される。感光ドラム
21上に形成されたトナー像は、転写ベルト29と感光
ドラム21間に作用する転写電界によって記録紙へ転写
される。図5の例では転写部材として転写ベルトの代わ
りに転写ローラを用いてもよいが、転写ベルトは転写ロ
ーラに比べて転写ニップを広くとれる利点がある。図5
の例では、転写ベルトを用いた転写方式を用いている
が、紙の背面からトナーと逆極性のコロナチャージを与
えて紙を帯電させて転写するコロナ転写方式を用いても
良い。転写ベルトまたは転写ローラに転写電圧を印加す
る転写方式は、コロナ転写方式に比べて、紙の帯電が少
ないため感光体からの分離が容易で、分離時のはく離放
電による画像不良が生じない利点があるが、ベルトやロ
ーラがトナーで汚れやすくてクリーニング機構が必要と
なり、また前記したように画像の中抜けが発生しやすい
という欠点もある。
【0039】転写の際に感光体ドラムに付着した記録紙
は、分離爪31によって感光体ドラム21から分離され
る。未定着のトナー像が載った記録紙は、定着ローラ3
3と加圧ローラ34によって記録紙に一定の熱と圧力を
加わり、トナーが記録紙上に定着される。なお、定着温
度を一定に保つために、定着ローラ33には不図示のサ
ーミスタが接触しており、定着ヒータ35の温度制御を
行なっている。定着ローラを用いた定着方式は、熱効率
が高く、安全性に優れ、小型化が可能で、低速から高速
まで適用範囲が広い。
【0040】一方、転写されずに感光体ドラム21上に
残留したトナーは、感光体ドラム21と逆方向に回転す
るクリーニングローラ37によって除去される。クリー
ニングローラ37には電源装置40によって電圧が印加
され、残留したトナーが感光ドラム21からクリーニン
グローラ37へ移動する向きに電界が形成される。電源
装置40による印加電圧は、直流電圧だけでも良いし、
交流電圧を追加しても良い。クリーニングローラ37に
付着したトナーは、ブレード38によって除去され、ト
ナー回収装置39に回収される。図5の例では、クリー
ニングローラ37が感光体ドラム21と逆方向に回転す
るが、同じ方向に回転するようにしても良い。また、図
5の例ではクリーニングローラ37だけでクリーニング
しているが、クリーニングブレードを併用することも可
能である。
【0041】残留トナーを除去された感光体ドラム21
は除電ランプ41で初期化され、次回の画像形成プロセ
スに供される。なお、図5の例は一つの感光体ドラムと
一つの現像装置を用いた白黒画像形成装置だが、本発明
は白黒画像形成装置には限定されず、一つの感光体ドラ
ムと複数の現像装置、または複数の感光体ドラムと現像
装置を用いたカラー画像形成装置にも適用できる。
【0042】次に、本発明の画像形成装置に用いられる
トナーについて説明する。本発明に用いられるトナーと
しては、トナーの構成材料である樹脂や着色剤などを混
合攪拌後に溶融混練し、粉砕・分級して作製した粉砕ト
ナー、また粉砕トナーを熱や機械的な力で球形化したト
ナーでも良いが、分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法
により作製されたものが好適である。
【0043】まず、本発明の分散重合トナーから説明す
る。本発明における樹脂粒子Aは親水性有機液体に、そ
の親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これ
に前記親水性液体には溶解するが、生成する重合体は前
記親水性液体にて膨潤されるか、あるいは殆ど溶解しな
い一種または二種以上のビニル単量体を加えて重合する
ことにより製造される。前記の種粒子の形成時及び種粒
子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤としての親水性
有機液体としては、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブ
チルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルア
ルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベ
ンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルア
ルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレ
ングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなど
のアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソ
プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエ
ーテルアルコール類などが代表的なものとして挙げられ
る。
【0044】これらの有機液体は単独で、もしくは二種
以上の混合物して用いることができる。なお、アルコー
ル類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上述
のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用する
ことにより、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性
をもたせない条件下で、有機液体のSP値を種々変化さ
せて重合を行なうことができるので、生成される粒子の
大きさ、種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制する
ことが可能である。この場合の併用する有機液体として
は、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、
四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタン
などのハロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチ
ルグリコール、シリオキサン、テトラヒドロフランなど
のエーテル類、メチラール、ジエチルアセタールなどの
アセタール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ
酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソル
ブアセテートなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸などの酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジ
メチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの硫黄、
窒素含有有機化合物類、その他水も含まれる。また、重
合開始時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種
類及び組成を変化させ、生成する重合体粒子の平均粒
径、粒径分布、乾燥条件などを調整することができる。
【0045】種粒子製造時、または成長粒子の製造時に
使用される高分子分散剤の適当な例としては、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−
シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマー
ル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あ
るいは水酸基を含有するアクリル系単量体、例えばアク
リル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピ
ル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジ
エチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレ
ングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモ
ノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エ
ステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロー
ルメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニ
ルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル
など、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有
する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメ
チロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸
クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビ
ニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン
などの窒素原子またはその複素環を有するものなどのホ
モポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリ
オキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシ
エチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキ
ルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシ
エチレン系、並びにメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセ
ルロース類、または前記親水性モノマーとスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのベンゼン核を
有するものまたはその誘導体、またはアクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重合体、さら
に、架橋性モノマー、例えばエチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、
メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどとの共重合
体も使用可能である。
【0046】これらの高分子分散剤は、使用する親水性
有機液体、目的とする重合体粒子の種、及び種粒子の製
造か成長粒子の製造かにより適宜選択されるが、特に重
合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合体
粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機
液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、
立体的に粒子同士の反撥を高めるために、分子鎖がある
程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のもの
が選ばれる。しかしあまり分子量が高いと、液粘度の上
昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の
粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要
する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、
目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させてお
くことも安定化には効果がある。
【0047】さらに、これら高分子分散剤とともにコバ
ルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、錫、鉛、マグ
ネシウムなどの金属またはその合金(特に粒径1μm以
下のものが好ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケ
ル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素などの酸化物の無
機化合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、燐酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキル
アミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン
脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アル
キルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルア
ンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム
塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化
ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン
界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導
体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型「例
えばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチ
ルアミノエチル)グリシン」などのアミノ酸型やベタイ
ン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の
安定性及び粒径分布の改良をさらに高めることができ
る。
【0048】一般に、種粒子製造時の高分子分散剤の使
用量は目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種
類によって異なるが、親水性有機液体に対し0.1重量
%〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。高分
子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する重合体粒
子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合には
小粒径のものが得られるが、10重量%を越えて用いて
も小径化への効果は少ない。
【0049】また、前記のビニル単量体とは、親水性有
機液体に溶解可能なものであり、例えば、スチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、α−メチルスチレン、p−エチルエチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、
p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどの
スチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸
モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、もし
くはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類などからなる単独または相互の混合物及びこれらを5
0重量%以上含有し、これらと共重合し得る単量体との
相互の混合物を意味する。
【0050】また、本発明における前記の重合体は、耐
オフセット性を高めるために、重合性の二重結合を二個
以上有するいわゆる架橋剤の存在下に重合させたもので
あっても良い。好ましく用いられる架橋剤としては、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導
体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリ
レート、トリエチレングリコールメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリ
レート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン
性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジ
ビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホ
ンなど全てのジビニル化合物、及び三個以上のビニル基
を持つ化合物が挙げられ、これらは単独または混合物な
どで用いられる。
【0051】このように架橋された種粒子を用いて成長
重合反応を引き続いて行った場合には、成長する重合体
粒子の内部が架橋されたものとなる。また一方で、成長
反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有さ
せた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られ
る。
【0052】また、平均分子量を調節する目的として、
連鎖移動定数の大きな化合物を共存させて重合を行わせ
るものに、例えば、メルカプト基をもつ低分子化合物や
四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられる。
【0053】また、前記単量体の重合開始剤としては、
例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)な
どのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾ
イルパーオキシド、t−ブチルパーオクトエートなどの
過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムなどの過硫酸化
物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリウム、アミンな
どを併用した系などが用いられる。重合開始剤濃度は、
ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部
が望ましい。
【0054】種粒子を得るための重合条件は、重合体粒
子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせて、親水性有
機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体の濃度、及び配
合比が決定される。一般に、粒子の平均粒径を小さくし
ようとするならば、高分子分散剤の濃度を高く、また平
均粒径を大きくしようとするならば、高分子分散剤の濃
度が低く設定される。一方、粒子径分布を非常に鋭くし
ようとするならば、ビニル単量体濃度を低く、また、比
較的広い分布でもよい場合は、ビニル単量体濃度は高く
設定される。
【0055】粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分
散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上のビ
ニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉
末、界面活性剤、染料、顔料などを添加し、30〜30
0rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速
で、しかもパドル型よりもタービン型の撹拌翼を用い
て、槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しなが
ら、用いた重合開始剤の重合速度に対応した温度にて加
熱し重合が行なわれる。なお、重合初期の温度が生成す
る粒子種に大きな影響を与えるため、単量体を添加した
後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を小量の溶媒
に溶解して投入した方が望ましい。重合の際には窒素ガ
ス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容器内の空
気中の酸素を充分に追い出す必要がある。この酸素パー
ジが不充分であると微粒子が発生し易い。重合を高重合
率域で行なうには5〜40時間の重合時間が必要である
が、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させ
たり、また重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反応
を行なうことにより重合速度を速めることができる。重
合終了後は、そのまま染着工程に用いてもよいし、沈降
分離、遠心分離、デカンテーションなどの操作により不
必要な微粒子、残存モノマー、高分子分散安定剤などを
除いた後に、重合体スラリーとして回収して染着を行な
ってもよいが、分散安定剤を除去しない方が染着の安定
性は高く、不要な凝集が抑制される。
【0056】本発明における染着は次のようなものであ
る。即ち、樹脂粒子Aを溶解せしめない有機溶媒中に樹
脂粒子Aを分散し、この前または後に前記溶媒中に染料
を溶解させ、前記染料を樹脂粒子A中に浸透させ着色せ
しめた後、前記有機溶媒を除去して染着トナーを製造す
る方法において、前記染料の前記有機溶媒に対する液解
度(D1 )及び前記樹脂粒子Aの樹脂に対する前記染料
の溶解度(D2 )の関係が、(D1 )/(D2 )≦0.
5となる染料を選択使用する。これにより、樹脂粒子A
の深部まで染料が浸透(拡散)したトナーを効率よく製
造することができる。この明細書における溶解度は25
℃の温度で測定されたものと定義される。なお、染料の
樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶解度と全く
同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で含有させる
ことができる最大量を意味する。この溶解状態あるいは
染料の析出状態の観察は顕微鏡を用いることにより容易
に行なうことができる。樹脂に対する染料の溶解性を知
るには、上記した直接観察による方法の代わりに間接的
な観察方法によってもよい。この方法は樹脂と溶解度係
数が近似する液体、即ち樹脂をよく溶解する溶媒を用
い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹脂に対する溶解
度として定めてもよい。
【0057】着色に使用する染料としては、前述のよう
に使用する有機溶媒への該染料の溶解度(D1 )より樹
脂粒子を構成する樹脂への該染料の比(D1 )/(D2
)が0.5以下である必要がある。さらに(D1 )/
(D2 )が0.2以下とすることが好ましい。染料とし
ては、上記の溶解特性を満たせば特に制限はないが、カ
チオン染料、アニオン染料などの水溶性染料は環境変動
が大きいおそれがあり、またトナーの電気抵抗が低くな
り、転写率が低下するおそれがあるので、バット染料、
分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、特に油溶性染
料が好ましい。また、所望の色調に応じて数種の染料が
併用することもできる。染着される染料と樹脂粒子との
比率(重量)は、着色度に応じて任意に選択されるが、
通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1〜50重量部
の割合で用いるのが好ましい。例えば、染着溶媒にSP
値の高いメタノール、エタノールなどのアルコール類を
使用し、樹脂粒子としてSP値が9程度のスチレン−ア
クリル系樹脂を使用した場合、使用し得る染料として
は、例えば、以下のような染料が挙げられる。 C.I. SOLVENT YELLOW (6,9,17,31,35,1,102,103,105) C.I. SOLVENT ORANGE (2,7,13,14,66) C.I. SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,
149,150,151,157,158 ) C.I. SOLVENT VIOLET (31,32,33,37 ) C.I. SOLVENT BLUE (22,63,78,83 〜86,91,94,95,104
) C.I. SOLVENT GREEN(24,25 ) C.I. SOLVENT BROWN(3,9 )など。 市販染料では例えば保土谷化学工業社製の愛染SOT染
料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,
3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Bro
wn−2、Blue−1,2、Violet−1、Gr
een−1,2,3、Black−1,4,6,8やB
ASF社製のsudan染料、Yellow−140,
150、Orange−220、Red−290,38
0,460、Blue−670や三菱化成社製のダイア
レジン、Yellow−3G,F,H2G,HG,H
C,HL、Orange−HS,G、Red−GG,
S,HS,A,K,H5B、Violet−D、Blu
e−J,G,N,K,P,H3G,4G、Green−
C、Brown−Aやオリエント化学社製のオイルカラ
ー、Yellow−3G,GG−S,#105、Ora
nge−PS,PR,#201、Scarlet−#3
08、Red−5B、Brown−GR,#416、G
reen−BG,#502、Blue−BOS,HN、
Black−HBB,#803,EE,EX、住友化学
工業社製のスミプラスト、ブルーGP,OR、レッドF
B,3B、イエローFL7G,GC、日本化薬社製のカ
ヤロン、ポリエステルブラックEX−SH3、カヤセッ
トRed−BのブルーA−2Rなどを使用することがで
きる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に使用する溶媒
の組み合わせで適宜選択されるため、上記例に限られる
ものではない。
【0058】染料を樹脂粒子に染着させるために用いる
有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないも
の、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解
性パラメーター(SP値)の差が1.0以上、好ましく
は2.0以上のものが使用される。例えば、スチレン−
アクリル系樹脂粒子に対しては、SP値が高いメタノー
ル、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール
系、あるいはSP値が低いn−ヘキサン、n−ヘプタン
などを使用する。SP値の差があまりに大きすぎると、
樹脂粒子に対する濡れが悪くなり、樹脂粒子の良好な分
散が得られないため、最適なSP値の差は2〜5が好ま
しい。
【0059】染料を溶解した有機溶媒中に樹脂粒子を分
散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下に
保ち、撹拌することが好ましい。これにより、樹脂粒子
の凝集を防ぎながら染着することが可能となる。撹拌の
方法は市販されている撹拌機、例えばホモミキサー、マ
グネチックスタラーなどを用いて撹拌すればよい。ま
た、分散重合などで重合終了時得られるスラリー、つま
り有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している状態の分散
液に、染料を直接添加して前記の条件にて加熱撹拌して
もよい。加熱温度がガラス転移温度超過の場合は樹脂粒
子同士の融着が生じてしまう。染着後のスラリーを乾燥
する方法としては、特に限定はされないが、濾過した後
に減圧乾燥あるいは濾別しないで直接減圧乾燥すればよ
い。本発明において濾別した後に風乾または減圧乾燥し
て得られた着色粒子は、凝集は殆どなく、投入した樹脂
粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再現する。
【0060】次に、本発明の懸濁重合トナーについて説
明する。懸濁重合に使用される重合性単量体はビニル基
を有するモノマーであり、具体的には以下のようなモノ
マーが挙げられる。即ち、スチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、ブチルスチレン、オクチルスチレ
ンなどのスチレン及びその誘導体が挙げられ、なかでも
スチレン単量体が最も好ましい。他のビニル系単量体と
して、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチ
レン系不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビ
ニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸
ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−
2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル
酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロ
ルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−オ
クチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−
メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの
アクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチル
エーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエー
テル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、
メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N
−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル
化合物類、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、
これらの単量体を単独あるいは混合して用いることがで
きる。
【0061】単量体組成物中には、架橋重合体を生成さ
せるために、次のような架橋剤を存在させて懸濁重合さ
せてもよい。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビ
ニルナフタレン、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメ
タクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス
(4−メタクリルロキシジエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフ
ェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、トリメチロールメタンテトラアクリレート、
ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フ
タル酸ジアリルなどが挙げられる。架橋剤の使用量が多
過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着性、
熱圧定着性が劣ることになる。また、架橋剤の使用量が
少くな過ぎると、トナーとして必要な耐ブロッキング
性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール定着におい
て、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロール表面
に付着し、次の紙に転写するという、コールドオフセッ
トが発生してしまう。従って、用いる架橋剤量は、重合
性単量体100重量部に対して0.001〜15重量
部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0062】また、得られるトナーのオフセット防止の
ために、重合組成物に離型剤を含有させることができ
る。離型剤としては低分子量のポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィンが好ましい。この低分子量
オレフィン重合体は、着色剤と共に重合性単量体中に分
散させておくのが好ましい。なお、離型剤は重合性単量
体100重量部に対して1〜15重量部使用することが
好ましい。離型剤の使用量が1重量部未満では、得られ
たトナーが充分な離型効果をもたず、ローラ上にオフセ
ットしやすくなる。逆に使用量が15重量部を超過する
と、トナーから離型剤が摩擦帯電付与部材にスペントす
るようになるし、また、トナーの流動性が極めて悪くな
る。
【0063】単量体に含有される着色剤としては、従来
知られている染料及びカーボンブラック、カーボンブラ
ックの表面を樹脂で被覆してなるグラフト化カーボンブ
ラックのような顔料が使用可能である。その他の着色剤
としては、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染
料、アニリンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザ
イエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブ
ルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエ
ロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノ
アゾ系染料、ジスアゾ系染料などの染顔料がある。な
お、これらの着色剤は、重合性単量体100重量部に対
して0.1〜30重量部使用できる。
【0064】また、必要に応じて帯電制御剤を含有して
もよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例
えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、ク
ロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ロ
ーダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウ
ム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキ
ルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体
または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及
び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニ
グロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム
塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロン
S−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サ
リチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物の
E−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級ア
ンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−4
15(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウ
ム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェ
ニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニ
ウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピ
ーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社
製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147
(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレ
ン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、
カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有す
る高分子系の化合物が挙げられる。
【0065】分散安定剤としては次のものが使用可能で
ある。即ち、ポリビニルアルコール、でん粉、メチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメ
チルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタ
クリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リ
ン酸カルシウム、タルク、粘土、珪藻土、金属酸化物粉
末などが用いられる。これらは水に対して0.1〜10
重量%の範囲で用いるのが好ましい。
【0066】本発明において、重合開始剤は造粒後の単
量体組成物を含む分散液中に添加してもよいが、個々の
単量体組成物粒子に均一に重合開始剤を付与する点から
は、造粒前の単量体組成物に含有させておくことが望ま
しい。このような重合開始剤としては、2,2’−アゾ
ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス−
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−
アゾビス−4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル、アゾビスブチロニトリルなどのアゾ系またはジア
ゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイ
ド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、ラ
ウリルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤が挙
げられる。
【0067】次に、本発明の乳化重合トナーについて説
明する。本乳化重合法では、無機分散剤または微粒子ポ
リマーの存在下で、水系媒体中にイソシアネート基を有
するポリエステルプレポリマーをはじめとするトナー組
成物を分散せしめ、アミン類により伸長反応あるいは架
橋反応によりトナー粒子を形成させる。
【0068】イソシアネート基を有するポリエステルプ
レポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカ
ルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポ
リエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応さ
せた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活
性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基および
フェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メ
ルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいもの
はアルコール性水酸基である。
【0069】ポリオール(1)としては、ジオール(1
−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げら
れ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−
2)の混合物が好ましい。ジオール(1−1)として
は、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,
2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールな
ど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノ
ール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフ
ェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオ
キサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノ
ール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加
物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭
素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノ
ール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ま
しいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付
加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコ
ールとの併用である。3価以上のポリオール(1−2)
としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコ
ール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールな
ど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールP
A、フェノールノボラック、クレゾールノボラックな
ど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオ
キサイド付加物などが挙げられる。
【0070】ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボ
ン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−
2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と
少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸
(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク
酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカ
ルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカ
ルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
【0071】これらのうち好ましいものは、炭素数4〜
20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20
の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン
酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカ
ルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)など
が挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、
上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メ
チルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル
など)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水
酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比
[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、
好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.
3/1〜1.02/1である。
【0072】ポリイソシアネート(3)としては、脂肪
族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソ
シアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシ
アネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシ
ルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネ
ート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート
(α,α,α' ,α' −テトラメチルキシリレンジイソ
シアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソ
シアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラク
タムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の
併用が挙げられる。ポリイソシアネート(3)の比率
は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポ
リエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[O
H]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜
1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1
である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着
性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性
ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフ
セット性が悪化する。末端にイソシアネート基を有する
プレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成
成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは
1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%であ
る。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪
化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で
不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が
悪化する。イソシアネート基を有するプレポリマー
(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基
は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さ
らに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子
当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量
が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0073】アミン類(B)としては、ジアミン(B
1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコー
ル(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸
(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックした
もの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)とし
ては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチル
トルエンジアミン、4,4' ジアミノジフェニルメタン
など);脂環式ジアミン(4,4' −ジアミノ−3,
3' ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロ
ヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジ
アミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価
以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミ
ノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒ
ドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメル
カプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタ
ン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。ア
ミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノ
カプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基を
ブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5の
アミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化
合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらア
ミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と
少量のB2の混合物である。さらに、必要により伸長停
止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整す
ることができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジ
エチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリ
ルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケ
チミン化合物)などが挙げられる。アミン類(B)の比
率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中
のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中の
アミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]と
して、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1
/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2で
ある。[NCO]/[NHx]が2を超え、1/2未満
では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くな
り、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明において
は、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、
ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。
ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通
常100/0〜10/90であり、好ましくは80/2
0〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30
/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、
耐ホットオフセット性が悪化する。
【0074】本発明のウレア変性ポリエステル(i)
は、ワンショット法、などにより製造される。ウレア変
性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以
上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3
万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット
性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量
は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用い
る場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分
子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単
独の場合は、数平均分子量は、通常2000〜1500
0、好ましくは2000〜10000、さらに好ましく
は2000〜8000である。20000を超えると低
温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が
悪化する。本発明においては、前記ウレア結合で変性さ
れたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この
(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)を
トナーバインダー成分として含有させることもできる。
(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー
装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ま
しい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分
と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との
重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様
である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでな
く、ウレア結合以外の化学結合で変性されているもので
もよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが
低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従
って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成
が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)
の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5
/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25
/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。
(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性
が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の
面で不利になる。(ii)の水酸基価は5以上であること
が好ましく、(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは
5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となり
やすい傾向がある。
【0075】トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネー
ト基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、ア
ミン類(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじ
め製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いても良
い。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレ
ポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方
法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル
(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成
物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げ
られる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物である
(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッ
チ、離型剤、荷電制御剤、未変性ポリエステル樹脂など
は、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよ
いが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中
にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。
また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤
などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子
を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成
せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含ま
ない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を
添加することもできる。分散の方法としては特に限定さ
れるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩
擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用
できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速
せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場
合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜300
00rpm、好ましくは5000〜20000rpmで
ある。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合
は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、
通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98
℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステル
(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低
く、分散が容易な点で好ましい。
【0076】ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリ
マー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒
体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは
100〜1000重量部である。50重量部未満ではト
ナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子
が得られない。20000重量部を超えると経済的でな
い。また、必要に応じて、分散剤を用いることもでき
る。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになる
とともに分散が安定である点で好ましい。
【0077】トナー組成物が分散された油性相を水が含
まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキ
ルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミ
ン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、ア
ルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルア
ンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム
塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩
化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオ
ン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘
導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデ
シルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノ
エチル)グリシンやN−アルキル−N, N−ジメチルア
ンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられ
る。
【0078】また微粒子ポリマーも無機分散剤と同様な
効果が確認された。例えばMMAポリマー微粒子1、及
び3μm、スチレン微粒子0.5及び2μm、スチレン
−アクリロニトリル微粒子ポリマー1μm、PB−20
0H(花王製)、SGP(総研)、テクノポリマーSB
(積水化成品工業)、SGP−3G(総研)ミクロパー
ル(積水ファインケミカル)、また上記の無機分散剤、
微粒子ポリマーとの併用して使用可能な分散剤として
は、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させ
ても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シア
ノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、
クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイ
ン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)ア
クリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β
−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプ
ロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリ
ル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2
−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−
ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリ
ル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸
エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセ
リンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニ
ルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、
例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコール
とカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例え
ば酢酸ピニル、プロピオン酸ピニル、酪酸ビニルなど、
アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル
酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロラ
イド類、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイ
ミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはそ
の複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合
体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレン
アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、
ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチ
レンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウ
リルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリル
フェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースなどのセルロース類などが使用できる。得ら
れた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには系全体
を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に短時間で蒸
発除去する方法を採用することができる。なお、分散安
定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶
解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸
カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によっ
て、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他
酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0079】分散剤を使用した場合には、該分散剤がト
ナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸
長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナ
ーの帯電面から好ましい。
【0080】さらに、トナー組成物の粘度を低くするた
めに、ウレア変性ポリエステル(i)や(A)が可溶の
溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度
分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が1
00℃未満の揮発性であることが除去が容易である点か
ら好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシ
レン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−
ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリ
クロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、
ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独ある
いは2種以上組合せて用いることができる。特に、トル
エン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、
1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)
100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、
好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70
部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または
架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。伸
長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)
の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み
合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜
40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度
は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃であ
る。また、必要に応じて公知の触媒を使用することがで
きる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチル
チンラウレートなどが挙げられる。
【0081】本発明のトナーは、磁性体を含有する型の
磁性トナーであってもよい。磁性トナーとするには、単
量体組成物に磁性粒子を添加すればよい。本発明に用い
ることができる磁性体には例えば、鉄、コバルト、ニッ
ケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグネタイト、
ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物の粉末が挙
げられる。磁性粒子としては、粒径が0.05〜5μ
m、好ましくは0.1〜1μmのものが用いられるが、
小粒径トナーを生成する場合には、粒径0.8μm以下
の磁性粒子を使用することが望ましい。この磁性粒子
は、単量体組成物100重量部中に10〜60重量部含
有されていることが望ましい。また、これら磁性粒子は
シランカップリング剤、チタンカップリング剤などの表
面処理剤、あるいは適当な反応性の樹脂などで処理され
ていてもよい。この場合、磁性粒子の表面積あるいは表
面に存在する水酸基の密度にもよるが、通常、磁性粒子
100重量部に対して表面処理剤が5重量部以下、好ま
しくは0.1〜3重量部の処理で、充分な重合性単量体
への分散性が得られ、トナー物性に対しても悪影響を及
ぼさない。
【0082】また、本発明に用いられるトナーの粒径
は、体積平均粒径が3μm〜9μm、より好ましくは4
μm〜8μmであるものが望ましい。トナーの体積平均
粒径が3μm以下では、画像不良を発生しやすい粒径1
μm以下の微粉トナーの割合が大きくなってしまい、体
積平均粒径が9μm以上では電子写真画像の高画質化の
要求に対応するのが困難である。
【0083】また、本発明に用いられるトナーは、帯電
量を適正な範囲にする必要がある。トナーの帯電量が大
きすぎると、トナーと他部材間の静電的付着力が大きく
なり、またトナー同士の静電反発力が大きくなるため、
画像不良が発生しやすくなる。また、トナー帯電量が小
さすぎると、トナーに作用する静電気力が小さくなり、
トナーの現像及び転写ができなくなる。トナーの帯電量
は粒径に依存し、トナー帯電量の平均値Q(fC)を体
積平均粒径D(μm)の二乗で割った値Q/D2の絶対
値を0.005〜0.5(fC/μm2 )、より好まし
くは0.01〜0.4(fC/μm2 )の範囲にする必
要がある。
【0084】また、本発明に用いられるトナーには、無
機または有機微粒子の外添剤を添加するが、外添剤とし
ては疎水化処理されたシリカ、チタン、アルミナの無機
微粒子を少なくとも1種類以上含有したものが好ましく
用いられる。また、外添剤の粒径としては、一次粒子径
の平均値が5nm〜100nm、好ましくは10nm〜
80nmが好ましく用いられる。外添剤の一次粒子径の
平均値が5nm未満では、外添剤がトナー母粒子に埋没
してしまうために外添剤の効果が無くなってしまう。ま
た、外添剤の一次粒子径の平均値が100nmを超える
と、外添剤がトナー母粒子から分離しやすくなり、分離
した外添剤によって感光体等の画像形成装置の構成部材
が損傷しやすい。
【0085】次に、本発明の画像形成装置に用いられる
感光体について説明する。本発明に用いられる感光体
は、導電性支持体の上に少なくとも電荷発生層、電荷輸
送層が形成されたもの、更に電荷輸送層の上に保護層が
形成されたもの等が使用される。導電性支持体および電
荷発生層としては、公知のものならば如何なるものでも
使用することができる。本発明の感光体の材料として
は、セレン及びその合金、アモルファスシリコン等の無
機感光体材料でも良いが、有機感光体材料が好適であ
る。
【0086】また、感光体の表面は導電性支持体の表面
性や感光体の形成条件等の影響で凹凸が生じるが、凹凸
の周期がトナー粒径よりも十分大きければ、トナーと感
光体間の付着力に対する影響は小さい。凹凸の周期がト
ナー粒径と同程度では、トナーが凸部に接触する場合は
接触面積が小さいので付着力が小さくなるが、凹部に接
触する場合は接触面積が大きいので付着力が大きくな
る。凹凸の周期がトナー粒径よりも小さい場合は、トナ
ーとの接触面積が小さいので付着力が小さくなるが、こ
のような凹凸を形成するのは困難である。このため、感
光体の表面は、凹凸の周期がトナー粒径よりも十分大き
くなるようにするのが好ましい。
【0087】有機感光体の電荷発生顔料としては、例え
ばX型の無金属フタロシアニン、π型の無金属フタロシ
アニン、τ型の無金属フタロシアニン、ε型の銅フタロ
シアニン、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニル
フタロシアニン等のフタロシアニン顔料やジスアゾ・ト
リスアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、多環キノン系
顔料、インジゴ顔料、ジフェニルメタン、トリメチルメ
タン系顔料、シアニン系顔料、キノリン系顔料、ベンゾ
フェノン、ナフトキノン系顔料、ペリレン顔料、フルオ
レノン系顔料、スクアリリウム系顔料、アズレニウム系
顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ナフタロ
シアニン系顔料、ポルフィリン系顔料が使用できる。前
記有機アクセプタ性化合物と組み合わせて使用が可能な
これら電荷発生顔料の感光層全体に占める量は0.1〜
40wt%、好ましくは0.3〜25重量%が適当であ
る。
【0088】また、有機正孔輸送物質としては公知のも
のが利用でき、例えば分子中にトリフェニルアミン部位
を有する化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルメ
タン系化合物、オキサジアゾール系化合物、カルバゾー
ル系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、
ブタジエン系化合物、線状の主鎖がSiよりなるポリシ
ラン系化合物、ポリビニルカルバゾール等高分子ドナー
性化合物等が挙げられる。感光層全体に占める該正孔輸
送物質の量は、10%以上、好ましくは20〜60重量
%が適当である。
【0089】また、感光層用結着剤としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹
脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコー
ン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹
脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの繰り返し単位のうち
2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイ
ン酸共重合体樹脂を挙げることができる。これら結着剤
の感光層全体に占める量は20〜90%、好ましくは3
0〜70重量%である。
【0090】また、帯電性を改良する目的で感光層と導
電性基体の間に下引き層を設けることができる。これら
の材料としては前記結着剤材料の他に、ポリアミド樹
脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロ
リドン等公知のものが利用できる。
【0091】本発明で用いることができる導電性基体と
しては、公知のものが利用でき、アルミニウム、ニッケ
ル、銅、ステンレス等の金属板、金属ドラムまたは金属
箔、アルミニウム、酸化錫、ヨウ化銅の薄膜を塗布また
は貼付したプラスチックフィルムあるいはガラス等が挙
げられる。本発明の有機感光体をつくるには、前記電荷
発生材料を有機溶媒中に溶解または、ボールミル、超音
波等で分散して調整した電荷発生層形成液を浸漬法やブ
レード塗布、スプレー塗布等の公知の方法で基体上に塗
布・乾燥し、その上に前記電荷輸送材料を前記の方法で
塗布・乾燥して形成すればよい。
【0092】次に、本発明に用いられるクリーニングロ
ーラについて説明する。本発明のクリーニングローラと
しては、弾性体や弾性発砲体を用いることができる。弾
性体の材料としては、シリコンゴム、ウレタンゴム等が
ある。クリーニングローラは、金属またはプラスチック
ローラの表面に、弾性体や弾性発砲体を形成することに
よって作製できる。また、弾性体や弾性発砲体上に別の
材料で表面層を設けても良い。クリーニングローラは、
Asker−C硬度(JIS K6301、スプリング
式硬さ試験C形)で20°以上、70°以下の硬さに形
成されたものが好ましく用いられる。
【0093】(実施例)以下、本発明の実施例について
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0094】実施例1 まず、本実施例に使用した球形トナーについて説明す
る。スチレンモノマー40重量部にカーボンブラックM
A100(三菱化成社製)20重量部と重合開始剤とし
て2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを0.5重量
部加え、スリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導
入管、温度計を取り付けた500ml四つ口セパラブル
フラスコに入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、
フラスコ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の
湯浴中で6時間60rpmにて撹拌し、グラフトカーボ
ンブラックを得た。次いで、 スチレンモノマー 50重量部 n−ブチルメタクリレート 14.5重量部 1,3−ブタンジオールジメタアクリレート 0.5重量部 t−ブチルアクリルアミドスルフォン酸 3重量部 低分子量ポリエチレン 2重量部 (三井石油化学社製、三井ハイワックス210P) 上記グラフトカーボンブラック 30重量部 上記の混合物をボールミルで10時間分散した。この分
散液に2,2’−アゾビスイソブチロニトリルおよび亜
硝酸ナトリウムをそれぞれ1重量部ずつ溶解させた後、
ポリビニルアルコールの2%水溶液250重量部に加
え、特殊機化社製TKホモミキサー4000rpm、1
0分間にて撹拌し懸濁液を得た。上記懸濁液をスリーワ
ンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温度計を取
り付けた500mlの四つ口セパラブルフラスコに入
れ、窒素気流下、室温で撹拌し、フラスコ内の酸素を窒
素で置換した。その後、70℃の湯浴中で5〜8時間,
約100rpmにて撹拌して重合を完了させ懸濁重合粒
子を作成した。この粒子100重量部を水/メタノール
=1/1(重量比)の混合液に固形分30%になるよう
再分散し、荷電制御剤としてH4 N(CH2 5 CH=
C(C2 5 2 を3重量部添加し、撹拌後濾過乾燥
し、体積平均粒径が6.7μmの重合トナーを得た。な
お、トナー体積平均粒径の測定は、コールター社製粒径
測定装置TA−II型を用いて実施した。
【0095】上記トナー粒子と一次粒子径の平均値が1
4nmの疎水性シリカ(キャボット製TS−720)
を、シリカの添加量がトナー量の1.2重量%となるよ
うに配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理
してトナーを作製した。作製した実施例のトナーについ
て、以下に述べる方法で外添剤被覆率を測定した。電子
顕微鏡用観察基板にトナーを付着させ、トナーの付着し
た観察基板を金でコーティングし、トナーの表面を電子
顕微鏡(日立製作所製走査電子顕微鏡S−4500)で
観察した。トナー表面を3万倍に拡大した画像をパーソ
ナルコンピュータに取り込み、画像処理ソフト(Med
ia Cybernetics製Image−Pro
Plus)を用いて外添剤の面積を計測し、トナー表面
画像の面積に対する外添剤面積の比を計算して外添剤被
覆率を求めた。5個以上のトナーについて外添剤被覆率
を測定し、その平均値を求めた結果、本実施例のトナー
の外添剤被覆率は33.6%となった。
【0096】本実施例のトナーを、リコー製複写機Im
agio MF3550(二成分現像方式のモノクロ複
写機)用のキャリアと、トナー濃度が2.5重量%とな
るように混合して2成分現像剤を作製した。このトナー
と上記キャリアを充分混ぜ合わせた後、トナー帯電量の
平均値Qを細川ミクロン製のE−スパートアナライザー
によって測定した結果、本実施例のトナーのQ/D2
−0.111(fC/μm2)となった。
【0097】次に、本実施例に使用した感光体について
説明する。下記構造式(1)のビスアゾ顔料0.4重量
部をブチラール樹脂(エスレックBL−S 積水化学
(株)製)の5重量%テトラヒドロフラン溶液4重量
部、及びテトラヒドロフラン7.6重量部とともにボー
ルミリングし、ミリング後テトラヒドロフランを加えて
2重量%に希釈し、電荷発生層形成用塗液を調整した。
この感光液を60φのアルミニウム製感光体ドラムに浸
漬法で塗布・乾燥させて電荷発生層を形成した。
【0098】
【化1】
【0099】次に、下記構造式(2)の正孔輸送物質を
6.0重量部と、感光体バインダー樹脂としてシクロヘ
キシリデンビスフェノールポリカーボネート(Zポリ
カ,帝人化成TS2050)9.0重量部を、テトラヒ
ドロフラン67重量部に溶解し、これを浸漬法で電荷発
生層上に塗布・乾燥させて、膜厚が20μmの電荷輸送
層を形成し、本実施例の有機感光体を作製した。
【0100】
【化2】
【0101】次に、本実施例で使用したクリーニングロ
ーラについて説明する。本実施例では、シリコンゴムを
金属ローラ上に発砲シリコン層を形成し、その表面にシ
リコンゴム層を形成してクリーニングローラを作製し
た。
【0102】遠心分離法を用いて、本実施例の球形トナ
ーと感光体間の非静電的付着力を測定した。本実施例の
感光体を形成したPETフィルムを直径7.8mmの円
板状に切り出し、遠心分離に使用する試料基板上にプラ
スチック用接着剤を用いて貼り付けた。圧縮空気によっ
て本実施例の未帯電トナーを飛散させて感光体上に付着
させ、遠心分離法を用いて付着力を測定した。本実施例
のトナーと感光体間の非静電的付着力の平均値Fneを本
実施例のトナーの体積平均粒径Dで割った値Fne/Dは
1.06(nN/μm)となった。
【0103】なお、付着力測定に使用した装置及び測定
条件は以下のとおりである。 遠心分離装置:日立工機製CP100α(最高回転数:
100、000rpm、最大加速度:800、000
g) ロータ:日立工機製アングルロータP100AT 画像処理装置:インタークエスト製Hyper700 試料基板と受け基板:直径8mm、厚み1.5mmの円
板で、材料はアルミニウム。 スペーサ:外径8mm、内径5.2mm、厚み1mmで
のリングで、材料はアルミニウム。 保持部材:直径13mm、長さ59mmの円筒で、材料
はアルミニウム。 ロータの中心軸から試料基板のトナー付着面までの距
離:64.5mm 設定回転数f:1000、1600、2200、270
0、3200、5000、7100、8700、100
00、15800、22400、31600、5000
0、70700、86600、100000(rpm)
【0104】リコー製複写機Imagio MF355
0を改造し、本実施例のクリーニングローラを用いた図
5のようなクリーニング装置を設置し、本実施例の現像
剤、感光体を使用して5万枚通紙による連続複写を実施
した。なお、クリーニングローラと感光体間には電位差
が500Vとなるように直流電圧を印加した。初期及び
5万枚連続複写後に画像評価を実施し、同時にCCD顕
微鏡カメラ(キーエンス社ハイパーマイクロスコープ)
によってクリーニング後の感光体のトナー付着を観察し
た。初期及び5万枚連続複写後のクリーニング後の感光
体上に残ったトナーは非常に少なく、画像不良は見られ
なかった。
【0105】実施例2 実施例1の重合トナーと一次粒子径の平均値が40nm
の疎水性シリカ(日本エアロジル製RY−50)を、シ
リカの添加量がトナー量の2.2重量%となるように配
合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理してト
ナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を
測定した結果、本実施例のトナーの外添剤被覆率は2
4.8%だった。実施例1と同様にして現像剤を作製し
てトナー帯電量を測定した結果、本実施例のトナーのQ
/D2 は−0.071(fC/μm 2 )だった。実施例
1と同様にして、本実施例のトナーと実施例1の感光体
間の非静電的付着力を測定した結果、Fne/Dは2.9
2(nN/μm)となった。実施例1と同様にして、本
実施例の現像剤及び実施例1の感光体を使用して連続複
写を実施した結果、クリーニング後の感光体上に残った
トナーは少なく、画像不良は見られなかった。
【0106】実施例3 実施例1の重合トナーと一次粒子径の平均値が15nm
の疎水性酸化チタン(テイカ製MT150A)を、酸化
チタンの添加量がトナー量の1.0重量%となるように
配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して
トナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率
を測定した結果、本実施例のトナーの外添剤被覆率は2
9.1%となった。実施例1と同様にして現像剤を作製
してトナー帯電量を測定した結果、本実施例のトナーの
Q/D2 は−0.075(fC/μm2 )となった。実
施例1と同様にして、本実施例のトナーと実施例1の感
光体間の非静電的付着力を測定した結果、Fne/Dは
2.02(nN/μm)となった。実施例1と同様にし
て、本実施例の現像剤及び実施例1の感光体を使用して
連続複写を実施した結果、クリーニング後の感光体上に
残ったトナーは非常に少なく、画像不良は見られなかっ
た。
【0107】実施例4 実施例1における重合工程において、特殊機化社製TK
ホモミキサーの回転数を8000rpmとし、体積平均
粒径が4.8μmの重合トナーを得た。本実施例の重合
トナーと実施例1の疎水性シリカを、シリカの添加量が
トナー量の1.7重量%となるように配合し、ヘンシェ
ルミキサーによって攪拌混合処理してトナーを作製し
た。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結
果、本実施例のトナーの外添剤被覆率は31.7%とな
った。実施例1と同様にして現像剤を作製してトナー帯
電量を測定した結果、本実施例のトナーのQ/D2 は−
0.073(fC/μm2 )となった。実施例1と同様
にして、本実施例のトナーと実施例1の感光体間の非静
電的付着力を測定した結果、Fne/Dは1.06(nN
/μm)となった。実施例1と同様にして、本実施例の
現像剤及び実施例1の感光体を使用して連続複写を実施
した結果、クリーニング後の感光体上に残ったトナーは
少なく、画像不良は見られなかった。
【0108】実施例5 実施例1における重合工程において、特殊機化社製TK
ホモミキサーの回転数を2000rpmとし、体積平均
粒径が8.5μmの重合トナーを得た。本実施例の重合
トナーと実施例1の疎水性シリカを、シリカの添加量が
トナー量の1.0重量%となるように配合し、ヘンシェ
ルミキサーによって攪拌混合処理してトナーを作製し
た。実施例1と同様にして外添剤被覆率を測定した結
果、本実施例のトナーの外添剤被覆率は36.9%とな
った。実施例1と同様にして現像剤を作製してトナー帯
電量を測定した結果、本実施例のトナーのQ/D2 は−
0.124(fC/μm2 )となった。実施例1と同様
にして、本実施例のトナーと実施例1の感光体間の非静
電的付着力を測定した結果、Fne/Dは1.05(nN
/μm)となった。実施例1と同様にして、本実施例の
現像剤及び実施例1の感光体を使用して連続複写を実施
した結果、クリーニング後の感光体上に残ったトナーは
非常に少なく、画像不良は見られなかった。
【0109】比較例1 実施例1の重合トナーと実施例1の疎水性シリカを、シ
リカの添加量がトナー量の0.15重量%となるように
配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理して
トナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率
を測定した結果、本比較例のトナーの外添剤被覆率は
6.5%となった。実施例1と同様にして現像剤を作製
してトナー帯電量を測定した結果、本比較例のトナーの
Q/D2 は−0.089(fC/μm2 )となった。実
施例1と同様にして、本比較例のトナーと実施例1の感
光体間の非静電的付着力を測定した結果、Fne/Dは
3.05(nN/μm)となった。実施例1と同様にし
て、本比較例の現像剤及び実施例1の感光体を使用して
連続複写を実施した結果、クリーニング後の感光体上に
トナーが多数観察され、画像不良が発生した。
【0110】比較例2 実施例1の重合トナーと実施例2の疎水性シリカを、シ
リカの添加量がトナー量の1.2重量%となるように配
合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合処理してト
ナーを作製した。実施例1と同様にして外添剤被覆率を
測定した結果、本比較例のトナーの外添剤被覆率は1
5.3%となった。実施例1と同様にして現像剤を作製
してトナー帯電量を測定した結果、本比較例のトナーの
Q/D2 は−0.073(fC/μm2 )となった。実
施例1と同様にして、本比較例のトナーと実施例1の感
光体間の非静電的付着力を測定した結果、Fne/Dは
3.84(nN/μm)となった。実施例1と同様にし
て、本比較例の現像剤及び実施例1の感光体を使用して
連続複写を実施した結果、クリーニング後の感光体上に
トナーが多数観察され、画像不良が発生した。
【0111】比較例3 実施例1の重合トナーと実施例3の疎水性酸化チタン
を、酸化チタンの添加量がトナー量の0.2重量%とな
るように配合し、ヘンシェルミキサーによって攪拌混合
処理してトナーを作製した。実施例1と同様にして外添
剤被覆率を測定した結果、本比較例のトナーの外添剤被
覆率は8.2%となった。実施例1と同様にして現像剤
を作製してトナー帯電量を測定した結果、本比較例のト
ナーのQ/D2 は−0.089(fC/μm2 )となっ
た。実施例1と同様にして、本比較例のトナーと実施例
1の感光体間の非静電的付着力を測定した結果、Fne/
Dは3.13(nN/μm)となった。実施例1と同様
にして、本比較例の現像剤及び実施例1の感光体を使用
して連続複写を実施した結果、クリーニング後の感光体
にトナーが多数観察され、画像不良が発生した。
【0112】
【発明の効果】本発明に係る、製造工程あるいは製造後
の工程において球形化したトナーを使用して感光体上に
トナー像を形成し、該感光体上に形成されたトナー像を
転写体上に転写した後、該感光体上に残留したトナーを
除去するクリーニング工程を有する画像形成装置におい
て、クリーニング工程に使用する部材の内少なくとも一
つが該感光体に接触して回転するクリーニングローラで
あり、該クリーニングローラと該感光体間に該感光体上
に残留したトナーが該クリーニングローラ側に移動する
向きに電界を形成する手段を設け、該感光体と該トナー
間の非静電的付着力の平均値Fne(nN)を該トナーの
体積平均粒径D(μm)で割った値Fne/Dが0.05
〜3(nN/μm)となるように構成したことを特徴と
する画像形成装置によれば、転写工程後に感光体上に残
留したトナーを、電界を利用したクリーニングローラを
用いてクリーニングする画像形成装置により、球形トナ
ーを用いて画像を形成する場合でもクリーニング不良等
の画像不良が生じない画像形成装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粉体付着力測定装置における測定
セルの説明図である。
【図2】本発明の粉体付着力測定装置の遠心分離装置の
一部断面側面図である。
【図3】像担持体上の転写残トナーがクリーニングロー
ラに接触した状態の説明図である。
【図4】トナーと感光体間の非静電的付着力の平均値F
neとトナー体積平均粒径Dの関係を示す図である。
【図5】本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
1 測定セル 2 試料基板 2a 試料面 3 受け基板 3a 付着面 4 スペーサ 5 遠心分離装置 6 ロータ 7 保持部材 7a 棒状部 7b セル保持部 7c 穴部 7d 設置固定部 8 試料設置部 9 回転中心軸 11 クリーニングブレード 12 感光体 13 トナー 14 感光体の回転方向 15 電界 21 感光体ドラム 22 帯電ローラ 23 露光 24 現像装置 25 スクリュー 26 現像スリーブ 27 ドクターブレード 28 転写装置 29 転写ベルト 30 バイアスローラ 31 分離爪 32 定着装置 33 定着ローラ 34 加圧ローラ 35 定着ヒータ 36 クリーニング装置 37 クリーニングローラ 38 ブレード 39 トナー回収装置 40 電源装置 41 除電ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/087 G03G 21/00 312 21/10 9/08 384 Fターム(参考) 2H005 AA08 AB06 CB07 CB13 EA01 EA05 EA10 2H068 AA01 2H134 GA01 GB02 HA11 HA13 HA14 KG03 KG08 KH01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造工程あるいは製造後の工程において
    球形化したトナーを使用して感光体上にトナー像を形成
    し、該感光体上に形成されたトナー像を転写体上に転写
    した後、該感光体上に残留したトナーを除去するクリー
    ニング工程を有する画像形成装置において、クリーニン
    グ工程に使用する手段のうち少なくとも一つが該感光体
    に接触して回転するクリーニングローラであり、該感光
    体上に残留したトナーが該クリーニングローラ側に移動
    する向きに該クリーニングローラと該感光体間に電界を
    形成する手段を設け、該感光体と該トナー間の非静電的
    付着力の平均値Fne(nN)を該トナーの体積平均粒径
    D(μm)で割った値Fne/Dが0.05〜3(nN/
    μm)となるように構成したことを特徴とする画像形成
    装置。
  2. 【請求項2】 前記トナーは、重合法により作製された
    ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記トナーの体積平均粒径Dは、3〜9
    μmとなるように調整したことを特徴とする請求項1又
    は2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記トナーの帯電量の平均値Q(fC)
    をトナーの体積平均粒径D(μm)の二乗で割った値Q
    /D2 の絶対値は、0.005〜0.5(fC/μ
    2 )となるように調整したことを特徴とする請求項1
    乃至3記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記トナーが、一次粒子径の平均値が5
    nm〜100nmである微粒子から成る外添剤によって
    外添処理を施されることを特徴とする請求項1乃至4記
    載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記外添剤は、 疎水化処理されたシリ
    カ、チタン、アルミナのいずれかを少なくとも1種類以
    上含有することを特徴とする請求項5記載の画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記感光体が、導電性支持体上に少なく
    とも有機材料の電荷発生層又は電荷輸送層が形成され、
    あるいはさらに保護層が形成された有機感光体であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6記載の画像形成装置。
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