JP2004184984A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】転写前後の放電を制御し、転写チリ、像崩れ等の異常画像を低減し、高画質の画像を形成しうるようにする。
【解決手段】少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体に静電潜像の形成後、顕像化する現像手段と、顕像(トナー像)を転写体に転写する転写手段を備える画像形成装置において、転写NIP直前の転写手段の上流部に、該像担持体表面に対して一定の距離を保持しながら対向し配置される電圧印加手段(A)、及び/又は、転写NIP直後の転写手段下流部に、転写手段下流部における転写体と像担持体の間に非接触の状態で配設され、該像担持体表面及び転写体上のトナー像に対しての電圧印加手段(B−1)またはアース電極(B−2)を具備する。
【選択図】図6

Description

本発明は、乾式二成分あるいは一成分現像剤を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
複写機等の電子写真方式の画像形成装置においては、像担持体である感光体を帯電した後、原稿像を露光するか、あるいはレーザ走査光学系やLED光書込光学系等により画像信号に応じた光書き込みを行ない、感光体上に静電潜像を形成し、該潜像を現像装置のトナーにより現像して顕像化し、このトナー像を転写紙あるいは転写体等に転写する。そして転写過程後の転写材を定着装置に搬送し、定着装置でトナー像を定着して画像を得ている。このような画像形成装置において、カラー画像の転写方式としては、記録紙を巻き付けた転写ドラムや記録紙を搬送する転写ベルトを用いて感光体上のトナー像を記録紙上に直接転写する方式と、感光体上のトナー像を中間転写体を介して記録紙上に転写する所謂中間転写方式等が広く知られている。
しかしながら、これら各方式の転写過程において、転写チリを始めとする画像の乱れが多く発生することが問題になっている。転写チリとは、感光体と転写ベルト間のギャップが微小な領域において、条件によっては感光体と転写ベルトが接触する位置の前後で転写が行われることがあり、そのため可視像が、本来転写されるべき位置に転写されず、その周辺部に拡散して転写され、結果として画像がぼやけてしまう現象であり、特に細線や文字部分で画像のシャープさを損なわせるものである。また、転写直前に放電が起きることにより、逆帯電トナーが発生し非画像部領域に転写されチリになる問題や転写後に逆帯電トナーが逆転写する問題、記録材上のトナー層が崩れ、像崩れが発生するなどの問題もある。
このような問題を解決するために、例えば特開平8−314289号公報、特開平9−114268号公報(特許文献1)等では、転写NIP前後での転写電界の制御をおこなう種々の装置が提案されている。
特開平8−314289号公報に示された転写装置においては、転写NIPの下流側に転写ベルトを押し上げる部材を転写ベルト裏面から当接させ転写NIP下流の転写電界の及ばない領域で剥離させることにより剥離放電等に起因する逆転写を防いでいる。
しかし、上記特開平8−314289号公報に記載されている転写装置では、剥離放電を防ぐことはできるものの転写電界の及ばない領域で剥離させるために、転写電界による力がかからず、潜在的な付着力の引き合いによる転写が主となり、転写残が多く発生し転写率が著しく劣る。
また、特開平9−114268号公報に示された転写装置においては、転写前シュートにトナーと同極性の電荷を付与し、トナー像を転写体に転写する方向とは逆方向の電界を与え、転写NIP上流側のギャップにおける飛翔による転写を防止している。さらに、転写器から転写前シュートへ漏洩電流に起因する転写器からトナー像担持体への有効電流の減少を補償することで、転写前シュートを転写器に近接配置しても、転写のための有効電流を補償し、転写不良の発生を防止している。
ところが、特開平9−114268号公報に記載されている転写装置では、転写前部分で転写体裏面からトナー像を転写体に転写する方向とは逆方向の電界を与えるために、転写NIPの前で転写体にトナー像が形成されているケースなどには対応できず、カラー機における中間転写方式などには使用できない。
また、近年では画像のデジタル化に対応するために、画像を形成するドットの再現性が要求されており、ドットを形成するトナーに均一性が求められている。従来用いられてきた機械的な粉砕方式によって作成された形状が不均一な粉砕トナーよりも、熱気流、流動造粒法により粉砕トナーに球形処理を施したトナーや、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などによる重合トナー等の球形トナーが採用されつつある。しかし、前記球形化したトナーを用いた場合には、転写中または転写後の記録材上のトナー層が崩れやすく粉砕トナーよりも転写チリや像崩れが顕著である。
特開平9−114268号公報
本発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、転写前後の放電を制御し、転写チリ、像崩れ等の異常画像を低減して、良好で高画質な画像を得られる電子写真方式の画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明によれば、下記(1)〜(45)の構成を特徴とする画像形成装置、及びプロセスカートリッジが提供される。
(1)少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段を備える画像形成装置において、現像手段の下流部から転写NIP直前の転写手段の上流部に該像担持体表面に対して一定の距離を保持しながら対向し配置される、該像担持体表面に対して電圧を印加するための電圧印加手段(A)を具備することを特徴とする画像形成装置。
(2)少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段を備える画像形成装置において、転写NIP直後の転写手段下流部に、転写手段下流部における転写体と像担持体の間に非接触の状態で配設される、該像担持体表面及び転写体上のトナー像に対して電圧を印加するための電圧印加手段(B−1)またはアース電極(B−2)を具備することを特徴とする画像形成装置。
(3)さらに前記(1)に記載の電圧印加手段(A)を具備することを特徴とする前記(2)に記載の画像形成装置。
(4)前記転写手段上流部の電圧印加手段(A)に印加する電圧がトナー極性と同極性の直流電圧であり、かつ像担持体上の画像部電位と非画像部電位との間の値を有する電圧であることを特徴とする前記(1)又は(3)に記載の画像形成装置。
(5)前記転写手段上流部の電圧印加手段(A)に印加する電圧が直流電圧と交流電圧を重畳した電圧であり、該印加電圧の直流電圧成分が像担持体上の画像部電位と非画像部電位との間の値を有する電圧であることを特徴とする前記(1)、(3)又は(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記転写手段下流部の電圧印加手段(B−1)に印加する電圧がトナー極性と同極性で転写過程後の転写体と該電圧印加手段(B−1)の間で放電が起きない程度の電圧であることを特徴とする前記(2)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記転写手段下流部の電圧印加手段(B−1)に印加する電圧がトナー極性と異極性の電圧であることを特徴とする前記(2)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)前記転写手段上流部における前記転写体裏面の前記電圧印加手段(A)に対向する位置に接触配置される裏面接触部材(α)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする前記(1)、(3)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
(9)前記転写手段下流部における前記転写体裏面の前記電圧印加手段(B−1)又は(B−2)に対向する位置に接触配置される裏面接触部材(β)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする前記(2)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)さらに前記(8)に記載の裏面接触部材(α)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする前記(9)に記載の画像形成装置。
(11)前記像担持体を回転自在に支持し、帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つを一体に支持することができ、該像担持体を覆う形状の筐体を支持体として具備し、該支持体上に前記電圧印加手段(A)及び/又は(B−1)を有することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成装置。
(12)帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つの手段が前記筐体状支持体と着脱自在であることを特徴とする前記(11)に記載の画像形成装置。
(13)前記転写体が記録材であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成装置。
(14)前記転写体が中間転写体であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成装置。
(15)前記像担持体がドラム形状であることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成装置。
(16)前記像担持体がベルト形状であることを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成装置。
(17)前記(11)に記載の筐体状支持体が画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(18)前記(11)に記載の筐体状支持体と帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(19)帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つの手段が前記筐体状支持体と着脱自在であることを特徴とする前記(17)又は(18)に記載のプロセスカートリッジ。
(20)前記転写体が記録材であることを特徴とする前記(17)〜(19)のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
(21)前記転写体が中間転写体であることを特徴とする前記(17)〜(19)のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
(22)前記像担持体がドラム形状であることを特徴とする(17)〜(21)のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
(23)前記像担持体がベルト形状であることを特徴とする(17)〜(21)のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
(24)少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する1次転写手段と、トナー像を中間転写体から記録媒体に転写する2次転写手段を備える画像形成装置において、2次転写手段上流部の2次転写NIP直前の位置あるいは1次転写手段下流部から2次転写NIP直前までの中間転写体の移動経路全体に、該中間転写体表面に対して一定の距離を保持しながら沿い対向し配置される、該中間転写体表面に対してトナーと同極性の電圧を印加するための電圧印加手段(C)を具備することを特徴とする画像形成装置。
(25)少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する1次転写手段と、トナー像を中間転写体から記録媒体に転写する2次転写手段を備える画像形成装置において、2次転写手段下流部の2次転写NIP直後の位置あるいは2次転写のNIP直後から1次転写のNIP直前までの中間転写体の移動経路全体に、2次転写手段下流部における転写材と中間転写体の間に非接触の状態で配設される、電圧を印加するための電圧印加手段(D−1)またはアース電極(D−2)を具備することを特徴とする画像形成装置。
(26)さらに前記(24)に記載の電圧印加手段(C)を具備することを特徴とする前記(25)に記載の画像形成装置。
(27)さらに前記(1)に記載の電圧印加手段(A)及び/又は前記(2)に記載の電圧印加手段(B−1)またはアース電極(B−2)を具備することを特徴とする前記(24)〜(26)のいずれかに記載の画像形成装置。
(28)さらに前記(8)に記載の裏面接触部材(α)及び/又は前記(9)に記載の裏面接触部材(β)を具備することを特徴とする前記(24)〜(27)のいずれかに記載の画像形成装置。
(29)前記2次転写手段下流部の電圧印加手段(D−1)に印加する電圧がトナー極性と同極性で転写過程後の中間転写体と該電圧印加手段(D−1)の間で放電が起きない程度の電圧であることを特徴とする前記(25)〜(28)のいずれかに記載の画像形成装置。
(30)前記2次転写手段下流部の電圧印加手段(D−1)に印加する電圧がトナー極性と異極性の電圧であることを特徴とする前記(25)〜(29)のいずれかに記載の画像形成装置。
(31)前記2次転写手段上流部における記録媒体搬送経路裏面の前記電圧印加手段(C)に対向する位置に接触配置される裏面接触部材(γ)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする前記(24)、(26)〜(30)のいずれかに記載の画像形成装置。
(32)前記2次転写手段下流部における記録媒体搬送経路裏面の前記電圧印加手段(D−1)又は(D−2)に対向する位置に接触配置される裏面接触部材(δ)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする前記(25)〜(30)のいずれかに記載の画像形成装置。
(33)さらに前記(31)に記載の裏面接触部材(γ)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする前記(32)に記載の画像形成装置。
(34)前記中間転写体を回転自在に支持し、かつ前記像担持体を支持し、中間転写体を覆う形状の着脱可能である筐体を支持体として具備し、該支持体上に前記2次転写手段前後の電圧印加手段(C)及び/又は(D−1)を具備することを特徴とする前記(24)〜(33)のいずれかに記載の画像形成装置。
(35)前記中間転写体を回転自在に支持し、中間転写体の移動経路の一部を覆う形状の支持体を具備し、該支持体上に前記2次転写手段前後の電圧印加手段(C)及び/又は(D−1)を具備することを特徴とする(24)〜(34)のいずれかに記載の画像形成装置。
(36)前記像担持体がドラム形状であることを特徴とする前記(24)〜(35)のいずれかに記載の画像形成装置。
(37)前記像担持体がベルト形状であることを特徴とする前記(24)〜(35)のいずれかに記載の画像形成装置。
(38)前記中間転写体がドラム形状であることを特徴とする前記(24)〜(37)のいずれかに記載の画像形成装置。
(39)前記中間転写体がベルト形状であることを特徴とする前記(24)〜(37)のいずれかに記載の画像形成装置。
(40)前記裏面接触部材(α)または(β)または(γ)または(δ)が、ローラー形状であることを特徴とする前記(8)〜(23)、(28)〜(39)のいずれかに記載の画像形成装置。
(41)前記裏面接触部材(α)または(β)または(γ)または(δ)が、ブラシ形状であることを特徴とする前記(8)〜(23)、(28)〜(39)のいずれかに記載の画像形成装置。
(42)前記裏面接触部材(α)または(β)または(γ)または(δ)が、ブレード形状であることを特徴とする前記(8)〜(23)、(28)〜(39)のいずれかに記載の画像形成装置。
(43)製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナーを装填したことを特徴とする前記(1)〜(42)のいずれかに記載の画像形成装置又はプロセスカートリッジ。
(44)体積平均粒径が1〜7μmとなるように調整したトナーを装填したことを特徴とする前記(1)〜(43)のいずれかに記載の画像形成装置又はプロセスカートリッジ。
(45)使用されるトナーが、水系媒体中にポリエステル系樹脂からなるトナー組成物を分散せしめ、トナー粒子を形成させるトナーの製造方法で、無機分散剤または微粒子ポリマーの存在下で水系媒体中に分散したポリエステル樹脂から得られるイソシアネート基含有プレポリマーをアミン類により伸長反応及び/又は架橋反応させ、得られた乳化分散液から溶媒を除去することにより得られるトナーを装填したことを特徴とする前記(1)〜(44)のいずれかに記載の画像形成装置又はプロセスカートリッジ。
請求項1及び2に記載の発明の画像形成装置によれば、転写前又は後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリを大幅に低減することができる。
請求項3に記載の発明の画像形成装置によれば、転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができる。
請求項4に記載の発明の画像形成装置によれば、現像後のトナー像を乱さずに1次転写前のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリを効果的に低減することができる。
請求項5に記載の発明の画像形成装置によれば、トナー像を像担持体の方向に押さえ込む作用と引き戻す作用が働くために、トナーが像担持体上で振動し、現像時のトナー像の高さムラを均し位置ズレを修正する効果が得られ、転写エネルギーを軽減し転写残を減らす効果も得られるため、忠実で高画質な画像が得られる。さらに、1次転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリを低減することができる。
請求項6に記載の発明の画像形成装置によれば、転写後のトナー像を押さえ込みつつ1次転写後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリを効果的に低減することができる。
請求項7に記載の発明の画像形成装置によれば、転写後、静電反発力によってトナー層から崩れようとするトナーを回収しつつ1次転写後のギャップでの転写及び放電を抑え、像崩れや転写チリを効果的に低減することができる。
請求項8、9及び10に記載の発明の画像形成装置によれば、転写前後のギャップでの転写及び放電をさらに抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができる。
請求項11に記載の発明の画像形成装置によれば、像担持体と前記電圧印加手段および像担持体周囲の各装置を安定して支持することができる。
請求項12に記載の発明の画像形成装置によれば、請求項11記載の筐体状支持体と像担持体周囲の各装置が着脱可能となり、像担持体周囲の各装置がカートリッジとして交換可能となる。
請求項13に記載の発明によれば、転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減する直接転写方式の画像形成装置を提供することができる。
請求項14に記載によれば、転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減する中間転写方式の画像形成装置を提供することができる。
請求項15に記載の発明の画像形成装置によれば、転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができ、ドラム形状の像担持体を用いるため、転写位置ズレの少ない忠実な画像を提供することができる。
請求項16に記載の発明によれば、転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができ、ベルト形状の像担持体を用いるため、省スペースで形状自由度の高い画像形成装置を提供することができる。
請求項17及び18に記載の発明によれば、像担持体とその周囲の各装置をカートリッジとして画像形成装置から着脱可能とすることができる。
請求項19に記載の発明のプロセスカートリッジによれば、請求項11記載の筐体状支持体と像担持体周囲の各装置が着脱可能となり、像担持体周囲の各装置がさらに小さな単位のカートリッジとして交換可能となる。
請求項20及び21に記載の発明によれば、転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減する直接転写方式または中間転写方式の画像形成装置に用いるプロセスカートリッジを提供することができる。
請求項22に記載の発明のプロセスカートリッジによれば、転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができ、ドラム形状の像担持体を用いるため、転写位置ズレの少ない忠実な画像を提供することができる。
請求項23に記載の発明によれば、転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができ、ベルト形状の像担持体を用いるため、非常に省スペースなプロセスカートリッジを提供することができる。
請求項24に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写前のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリを大幅に低減することができる。
請求項25に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリを大幅に低減することができる。
請求項26に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができる。
請求項27及び28に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写前後に加えて、1次転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをさらにより一層効果的に低減することができる。
請求項29に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写後のトナー像を押さえ込みつつ2次転写後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリを効果的に低減することができる。
請求項30に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写後、静電反発力によってトナー層から崩れようとするトナーを回収しつつ2次転写後のギャップでの転写及び放電を抑え、像崩れや転写チリを効果的に低減することができる。
請求項31、32及び33に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができる。
請求項34及び35に記載の画像形成装置によれば、中間転写体と前記2次転写前後の電圧印加手段および中間転写体周囲の各装置を安定して支持することができる。
請求項36に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写前後、或いはさらに1次転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができ、ドラム形状の像担持体を用いるため、転写位置ズレの少ない忠実な画像を提供することができる。
請求項37に記載の発明によれば、2次転写前後、或いはさらに1次転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができ、ベルト形状の像担持体を用いるため、省スペースで形状自由度の高い画像形成装置を提供することができる。
請求項38に記載の発明の画像形成装置によれば、2次転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができ、ドラム形状の中間転写体を用いるため、転写位置ズレの少ない忠実な画像を提供することができる。
請求項39の記載によれば、2次転写前後のギャップでの転写及び放電を抑え、転写チリをより一層効果的に低減することができ、ベルト形状の中間転写体を用いるため、非常に省スペースな画像形成装置を提供することができる。
請求項40、41の記載によれば、転写体に対して安定した電圧の印加が可能となるため、画像ムラの少ない忠実な画像を提供することができる。
請求項42の記載によれば、装置構成が簡単になり省スペースで低コストな画像形成装置を提供することができる。
請求項43及び44に記載の発明によれば、トナーの形状や粒径を比較的均一にすることができ、画像を形成するドットの再現性の高い画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することができる。
請求項45に記載の発明によれば、画像不良が少なく、画像を形成するドットの再現性のより高い高画質な画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、可視像が形成される像担持体、像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段、像担持体上の潜像上にトナー像を形成する現像手段、さらに像担持体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写手段、或いは、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する第1の転写手段と、中間転写体上のトナー像を記録材上に転写する第2の転写手段を有する。特に像担持体の周囲に付属する各手段が着脱可能である該像担持体に沿う形状の筐体を支持体として具備し、前者の転写手段の場合には、該支持体に該転写手段の上流及び/又は下流に、また後者の第1及び第2の転写手段を有する場合には該支持体に第1の転写手段の上流及び/又は下流に、該像担持体及び転写体に対して電界を付与する電圧印加手段が配設されていることを特徴とする。さらに中間転写体の周囲に前記像担持体を含む支持体及び付属するクリーニング等の各手段が着脱可能である転写体に沿う形状の筐体を支持体として具備し、該支持体に第2の転写手段の上流及び/又は下流に該中間転写体及び記録材に対して電界を付与する電圧印加手段が配設されていることを特徴する。
また、本発明のプロセスカートリッジは、上記構成の画像形成装置における転写手段前後に電圧印加手段を設ける像担持体を内包する筐体状の支持体、あるいは該支持体と帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つの手段を一体に支持したものであり、画像形成装置本体に対して着脱自在である。
次に、本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジについて、中間転写方式の場合を例にとって図面を参照して詳細に説明する。
図1及び図6は、本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジの中間転写方式の場合の一例を示す概略構成図である。なお、同図は、電子写真方式の画像形成装置における像担持体及び転写部材の近傍を示す。また図4及び図9は図1及び図6の各々の画像形成装置の1次転写部の拡大図である。
図1及び図6において、符号1は像担持体である感光体であり、OPC等の感光材料がアルミニウム等のシリンダ状の基体の外周面に形成されている。前記感光体1は矢印の方向に回転駆動され、まずその表面は帯電装置2によって一様に帯電される。次に、露光装置3によって、画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザービームによる走査露光が施され、レーザービームが照射された感光体表面の電位の絶対値が低下し、静電潜像が形成される。このように形成された静電画像は、現像装置4により、帯電したトナーを付着させることでトナー像を可視像化される。現像剤としては、トナーとキャリアを有する粉体状の二成分系現像剤、又はこのうちのキャリアを有さない一成分系現像剤などが用いられ、そのトナーが感光体表面の静電潜像と同極性、図の例ではマイナス極性に帯電され、その帯電トナーが静電潜像に静電的に移行して、当該静電潜像が可視像化される。このように、図示した例では、静電潜像が反転現像方式によって可視像化される。
本発明の構成では帯電装置2、露光装置3、現像装置4、クリーニング装置6が感光体1を囲む筐体7により一体に組み込まれていて、筐体7における現像装置の下流から転写NIP直前までの間に電極板5a、転写NIP後には電極板5bが配設され、各々高圧電源5a′高圧電源5b′により電圧が印加される。図6に示すように好ましくは同時に、転写体9の裏面、転写部上流には裏面接触部材18、及び/又は転写部下流には裏面接触部材19が配設され、各々高圧電源18′高圧電源19′により電圧が印加される。現像装置4によって可視像化されたトナー像は電極板5aによって電圧を印加されつつ第1の転写手段へと搬送される。このとき電極板5aに印加する電圧が直流電圧であれば、感光体1の画像部電位と非画像部電位との間の値の電圧、直流と交流を重畳した電圧であれば、直流成分が感光体1の画像部電位と非画像部電位との間の値の電圧であることが好ましい。また好ましくは同時に、転写体9には裏面接触部材18よって電圧が印加されるが、このとき裏面接触部材18に印加する電圧は、電極板5aに印加された電圧が直流電圧であれば、それと同極性であり、かつ絶対値の低い値であることが好ましく、電極板5aに印加された電圧が直流と交流を重畳した電圧であれば、裏面接触部材18が接地されていることが好ましい。感光体1及び各装置を一体に組み込んだ筐体7が1つのユニットとなったプロセスカートリッジ8になっており画像形成装置本体と着脱可能である。
一方、複数の駆動ローラ及び従動ローラより成る10a、10b、10c、10dに、可撓性の無端ベルトより成る中間転写ベルト9が巻き掛けられている。この中間転写ベルト9は単層又は多層構造となっており、かかる中間転写ベルト9は、その表面の一部が感光体1に接触し、駆動ローラー10dが図示していない駆動装置によって図1における反時計回りに回転駆動されることにより、中間転写ベルト9は矢印の方向に駆動される。また、ここではローラー10b、10c、10dは接地されている。ローラー10aと感光体1に挟まれた領域で中間転写ベルト9は前記感光体1に対して、所定の押圧力をもって圧接されつつ、感光体1の周速度と等速ないしは略等速の周速度を持って、感光体1の回転方向に対して順方向に回転駆動され、高圧電源10a′により転写ローラー10aに、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。前記感光体1表面に形成されたトナー像は、上記圧接部において中間転写ベルト9の表面に転写される。この転写部を1次転写部と称する。
トナー像を中間転写ベルト9に転写したあとの感光体1の表面に付着する転写残トナーは、感光体用のクリーニング装置6により除去され、感光体表面が清掃され、次いでその感光体表面は図示していない除電装置、例えば除電ランプによってその表面電位が初期化される。なお、クリーニング装置6としてはクリーニングブレード、クリーニングローラー、クリーニングブラシ等を用いることができ、それらを併用してもよい。また、これらのクリーニング部材にトナーと逆極性の電圧を印加して、クリーニングの効率を高めることもできる。このようにして、中間転写ベルト9の表面にトナー像が形成される。中間転写ベルト9上に形成されたトナー像は筐体7に配設されている電極板5b、図6に示すように好ましくはさらに中間転写ベルト9の裏面に配設されている裏面接触部材19によって電圧を印加されつつ第2の転写手段へと搬送される。
第2の転写手段の転写NIP直前までの上流側には電極板11、転写NIP直後からの下流側には電極板12が配設され、各々高圧電源11′、高圧電源12′により電圧が印加され、同時に転写ベルト17の裏面、転写部上流には裏面接触部材20、転写部下流には裏面接触部材21が配設され、各々高圧電源20′、高圧電源21′により電圧が印加される。図の例では電極板11はローラー10b、10cの間に装着され、第2の転写手段上流部の第2の転写NIPの直前まで中間転写ベルト9の移動経路をカバーする支持体13に配設され、電極板12はローラー10c、10dの間の中間転写ベルト9の移動経路をカバーする支持体14に配設される。続いて、中間転写ベルト9に対向して可撓性の無端ベルトより成る転写ベルト17が配置され、この転写ベルト17は、図示していない駆動ローラを含む複数の支持ローラに巻き掛けられて図1に矢印で示す方向に駆動される。またローラー15は転写ベルト17を挟んで中間転写ベルト9に対置された電圧印加部材の一例であり、このローラ15とこれに電流を供給する電源15′とによって、中間転写体上のトナー像を後述する記録媒体に転写する第2の転写手段は構成されている。さらに、図6に示すように好ましくは裏面接触部材20、及び/又は裏面接触部材21は、それぞれ転写ベルト17の裏面の第2の転写NIP上流部、下流部に配設されており、各々高圧電源20′高圧電源21′により電圧が印加され、転写時の転写ベルト17上の電圧を制御することができる。この部分を2次転写手段と称する。
一方、記録材16が図示していない給紙部から給送され、この記録材16は中間転写ベルト9上のトナー像に整合するタイミングで、中間転写ベルト9と転写ベルト17の間に送り込まれる。このとき、転写ベルト17は記録材16を表面に担持して搬送し、ローラ15には、電源15′によって、中間転写ベルト9上のトナー像を構成するトナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加され、これによって中間転写ベルト9上のトナー像が転写紙16の表面に転写される。この転写部を2次転写部と称することにする。記録材16上に形成されたトナー像は支持体14に配設されている電極板12、好ましくはさらに転写ベルト17の裏面に配設されている裏面接触部材19によって電圧を印加されつつ転写ベルト17に担持、搬送され、図示していない定着装置等により定着された後、機外へ排出される。このようにして画像が得られる。また、中間転写ベルト9の表面に残った転写残トナーは、図示していないクリーニング装置により除去される。
次に、1次転写部と2次転写部における本発明の効果の詳細と、これに関する構成、並びに従来の欠点について詳細に説明する。
従来のこの種の画像形成装置においては、トナー像が転写NIPに侵入する前の感光体と転写体とのギャップにおいてトナーが電界に引かれ所謂プレ転写が発生し、これが転写チリの大きな要因となっていた。また、転写前後においては転写電圧(図1の例では電源10a′又は15′による電圧)により転写ベルト又は記録材の電位はトナー像と逆極性となっており、転写前後のトナー像と転写ベルト又は記録材の間のギャップが狭くなっている領域で非常に放電が起こり易くなっている。放電が発生するとトナーの電荷量や極性に変化が起こり、転写チリや転写残の増加、転写後のトナー像の乱れ等が引き起こされる。転写後の感光体と転写体とのギャップにおいても転写前と同様に放電が発生し易く、放電が発生するとトナーの電荷量に変化がおこり逆転写や転写体上のトナー像が大きく乱れ画質の低下を招くなどの問題が起こる。また放電が発生しなかった場合でもトナー同士の静電反発力により転写後のトナー像が崩れる。特に球形化したトナーを用いた場合には、転写中または転写後の転写体上のトナー層が崩れやすく形状が不均一なトナーよりも像崩れが顕著である。
しかし、図1のような本発明の構成をとると、まず1次転写部では、現像装置4によって可視像化された感光体1上のトナー像は電極板5aによってトナーと同極性の電圧を印加されているのでトナーは感光体1の方向に押さえ込まれ、中間転写ベルト9の方向に引かれていくことはない。このとき電極板5aには直流電圧であれば、必ず画像部電位よりも同極性方向に高い値を印加する。非画像部電位よりも高い値を印加してもかまわないが、感光体1上の画像部電位と非画像部電位との間の値の電圧を加えることにより、電極板5による電圧の影響で感光体1上のトナー像が乱れることを防ぐことができる。このとき好ましくは図6に示す構成のものとし、裏面接触部材18に印加する電圧はトナーと同極性で、電極板5aに印加した電圧の絶対値以下の値にする。これにより、転写NIP近傍における電極板5aではカバーしきれない微小な隙間における中間転写体9上の電圧がトナーと同極性方向に低くなるため放電し難くなり、なおかつ電極板5aと中間転写体9との間の電界がトナーが中間転写体9の方向に押さえ込まれる方向に向くため、多色画像を形成する時に転写NIPに侵入してくる中間転写体9上のトナー像が崩れることはない。また、電極板5aに直流と交流を重畳した電圧で、直流成分が感光体1の画像部電位と非画像部電位との間の値の電圧を印加するもでき、この場合はトナー像を感光体1の方向に押さえ込む作用と引き戻す作用が働くために、トナーが感光体1上で振動し、現像時のトナー像の高さムラを均し位置ズレを修正する効果が得られる。さらに、転写エネルギーを軽減し転写残を減らす効果も得られる。ただしこの場合、電極板5aの裏面(感光体1側とは反対側)は中間転写体9に対して電圧が印加されないようにし、裏面接触部材18は接地しておくことが好ましい。
そして、転写NIPを通過後、トナー像は転写ベルト9に転写され搬送される。前述したように転写後の感光体と転写体とのギャップにおいても放電が起こり易くなっているが、図1では電極板5bに電圧を印加することができるため、転写下流部における放電を防ぎ、放電に起因する画質の低下を防ぐことができる。このとき好ましくは図6に示す構成のものとすることにより、同時に、裏面接触部材19に電圧を印加することができるため転写NIP近傍における電極板5bではカバーしきれない微小な隙間における中間転写体9上の電圧を制御することができ、さらに放電し難くなる。このとき電極板5bに、トナー層上で放電が起きない程度のトナーと同極性の電圧を印加した場合は、中間転写ベルト9に転写されたトナー像を押さえ込む方向に電界が作用する。電極板5bがない場合は急激に電界が開放されるため、トナー同士の静電反発力によるトナー層の崩れが顕著となるが、電極板5bによってトナーと同極性の電圧を印加した場合はローラー10bは接地されているため転写後の中間転写ベルト9の電位は10bに近づくにつれて0[V]に近づき、電極板5bと中間転写ベルト9との間のギャップは徐々に離れていくためトナー像を中間転写ベルトに押さえ込む電界が緩やかに消失していくのでトナー層の崩れが起きにくくなる。このとき好ましくは図6に示す構成のものとすることにより、裏面接触部材19には電極板5bに印加した電圧と同極性であり、絶対値の低い値の電圧を印加することにより、転写NIP近傍における微小な隙間での放電を防ぐことができ、転写下流部の裏面接触部材19上では中間転写ベルト9に転写されたトナー像を押さえ込む方向に電界が作用する。電極板5b、裏面接触部材19がない場合は転写後急激に電界が開放されるため、トナー同士の静電反発力によるトナー層の崩れが顕著となる。
一方、トナー極性とは逆極性の電圧を印加した場合には、トナー層と電極板5bとの間の放電を防ぐと同時に、転写後トナー同士の静電反発力により層から崩れようとしたトナーを引き寄せ、画質低下の原因となるのを防ぐ効果がある。この場合、電極板5bに対向する位置の中間転写ベルト9の裏面には図示していない装置、例えばローラーやブレードなどにより接地されていることが好ましい。そして、トナーを電極板5bに引き寄せ過ぎて画質を悪化させない程度の電圧をかける必要がある。このときも図6に示す構成のものとし、裏面接触部材19は接地することが好ましく、この場合トナー層と中間転写体9との間の放電を防ぐと同時に、転写後トナー同士の静電反発力により層から崩れようとしたトナーを引き寄せ、画質低下の原因となるのを防ぐ効果がある。この場合、電極板5bにはトナーを電極板5bに引き寄せ過ぎて画質を悪化させない程度の電圧をかける必要がある。このとき電極5bに吸着したトナーは図示していないクリーニング装置によってクリーニングされる。また、電極板5bに電圧を印加せずに接地させることによっても放電を防ぐ効果は得られる。
図1ではカートリッジカバー8により内包されたプロセスカートリッジが画像形成装置から着脱可能となっており、さらに感光体1を内包する筐体7とクリーング装置、帯電装置、現像装置、や不図示の各装置が着脱可能となっている。これによって、プロセスカートリッジだけでなく、感光体1及びその周囲の装置各々が、カートリッジとして交換可能となり、消耗品や故障品の交換が容易となる。
続いて2次転写では、1次転写に比べると放電を起こす可能性は少ないが、中間転写ベルト上のトナー像が剥離や移動を起こし易い状態となっている。そのため、1次転写と同様にプレ転写が発生する。また、ローラー10cにトナーと同極性の電圧を印加する場合があるが、このときはやはりNIP前後のギャップで放電が起こり易くなる。図1の構成では2次転写NIP直前までの2次転写上流部において、電極板11によってトナーと同極性の電圧を印加されているのでトナーは中間転写ベルト9側に押さえ込まれ、転写ベルト17及び転写紙16の方向に引かれていくことはない。また、トナー同士の静電反発力による移動も抑えることができる。さらに、このとき好ましくは図6に示す構成のものとし、裏面接触部材20には電極板11と同極性であり、電極板11に印加した電圧の絶対値以下の値の電圧を印加することにより、転写ベルト17と電極板11との間の放電を防ぎ、なおかつ2次転写NIP近傍における電極板11ではカバーしきれない微小な隙間における転写ベルト17上の電圧を制御することができる。このため2次転写上流部における放電を防ぎ、放電に起因する画質の低下を防ぐことができる。裏面接触部材20に電圧を印加しない場合には、電極板11の裏面(感光体1側とは反対側)は転写ベルト17及び転写紙16との放電を防ぐために電圧が印加されないようにしておくことが好ましい。
そして、2次の転写NIPを通過後、トナー像は転写紙16に転写され転写ベルト17により担持、搬送される。2次転写後は電極板12に電圧を印加することができるため、2次転写下流部における放電を防ぎ、放電に起因する画質の低下を防ぐことができる。1次転写時と同様にこのとき電極板12に、転写ベルト17と電極板12の間で放電が起きない程度のトナーと同極性の電圧を印加した場合は転写紙16に転写されたトナー像を押さえ込む方向に電界が作用し、トナー層の崩れが起きにくくなる。このとき好ましくは図6に示す構成のものとすることにより、同時に、裏面接触部材21に電圧を印加することができるため2次転写NIP近傍における電極板12ではカバーしきれない微小な隙間における転写ベルト17上の電圧を制御することができ、さらに放電を防ぐことができる。1次転写時と同様にこのとき電極板12に、トナーと同極性の電圧を印加した場合は、裏面接触部材19には電極板5bに印加した電圧と同極性であり、絶対値の低い値の電圧を印加することにより、転写下流部の裏面接触部材21上では転写ベルト17に転写されたトナー像を押さえ込む方向に電界が作用し、トナー層の崩れが起きにくくなる。
一方、トナー極性とは逆極性の電圧を印加した場合には転写紙上のトナー層と電極板12との放電を防ぐと同時に、転写後トナー同士の静電反発力により層から崩れようとしたトナーを引き寄せ、画質低下の原因となるのを防ぐ効果がある。この場合、電極板12に対向する位置の転写ベルト17の裏面には図示していない装置、例えばローラーやブレードなどにより接地されていることが好ましく、トナーを電極板12に引き寄せ過ぎて画質を悪化させない程度の電圧をかける必要がある。このときも図6に示す構成のものとし、裏面接触部材21は接地することが好ましく、この場合トナー層と転写ベルト17との間の放電を防ぐと同時に、転写後トナー同士の静電反発力により層から崩れようとしたトナーを引き寄せ、画質低下の原因となるのを防ぐ効果がある。この場合、電極板12にはトナーを電極板12に引き寄せ過ぎて画質を悪化させない程度の電圧をかける必要がある。このとき電極12に吸着したトナーは図示していないクリーニング装置によってクリーニングされる。また、電極板12に電圧を印加せずに接地させることによっても放電を防ぐ効果は得られる。
以上の理由で、本発明の構成を用いると、プレ転写や放電による転写チリ、静電反発力による像崩れなどの異常画像を低減し、現像されたトナー像あるいは静電潜像に対して忠実な転写像を得ることができる。
なお、図1及び図6は中間転写体を用いる中間転写方式の画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明したが、直接転写方式の画像形成装置及びプロセスカートリッジについても同様である。
また電圧印加手段は、直接転写方式の画像形成装置においては転写手段の上流部、又は下流部の少なくともいずれかに設ければよく、中間転写方式の画像形成装置においては、第1の転写手段の上流部又は下流部、第2転写手段の上流部又は下流部の少なくともいずれかの1箇所に設ければよい。
図6における裏面接触部材についても同様で、直接転写方式の画像形成装置においては転写手段の上流部、又は下流部の少なくともいずれかに設ければよく、中間転写方式の画像形成装置においては、第1の転写手段の上流部又は下流部、第2転写手段の上流部又は下流部の少なくともいずれかの1箇所に設ければよい。
さらに図1及び図6の例は1つの像担持体と1つの現像装置を用いた1色画像形成装置だが、本発明はこの構成には限定されず、1つまたは複数の像担持体と複数の現像装置を用いたカラー画像形成装置にも適用できる。特に図1及び図6の構成にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のプロセスカートリッジを配設することにより、容易に所謂タンデム方式のカラー画像形成装置として利用することができる。
なお、図6では、裏面接触部材として全て導電性ローラーを用いているが、図11に示すように導電性ブラシを用いることもできる。このような導電性ブラシを用いた場合、多数の線状体が中間転写体7及び/又は転写ベルト17の導電性層に摺擦され、安定した電圧の印加が可能となる。さらに、図12に示すように導電性ブレードを用いることもできる。このような導電性ブレードを用いた場合、装置構成が簡単になり設置スペースの確保やコスト面で有利となる。
また、本発明に用いる像担持体は図1及び図6に示したようなドラム形状に限らず、図3及び図8のようにベルト形状のものを使用してもよい、この場合はプロセスカートリッジの大きさをさらに小さくすることが可能となる。さらに、中間転写体としてベルト形状のものを用いたが、図2及び図7のようにドラム形状であってもかまわない。この場合は、中間転写ベルトに比べて駆動変動が少なく転写位置ズレ等を低減でき、高画質を狙うことができる。ただし、1次転写部における裏面接触部材の配設はできない。また、図1及び図6では2次転写NIP前後の電圧印加手段を中間転写ベルトの一部をカバーする支持体13、14に配設しているが、図2及び図7のように中間転写体全体を内包する筐体に配設することも可能である。この場合は、トナー像の搬送経路全体に電圧印加手段を配設することができ、搬送経路上でのトナーの移動による画質劣化などを防ぐことができる。また、図5及び図10のように転写NIP前後の電極板をプロセスカートリッジや像担持体を囲む筐体を用いない構成にも配設し、使用することも可能である。
次に、本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジに用いられるトナーについて説明する。
本発明に用いられるトナーとしては、従来から用いられている構成材料から得られるトナーが全て使用できるが、製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナーが好適に用いられる。製造後の工程において球形化したトナーとは、例えばトナーの構成材料である樹脂や着色剤などを混合攪拌後に溶融混練し、粉砕・分級して作製した粉砕トナーを熱や機械的な力で球形化したトナーで、製造工程において球形化したトナーとは、例えば分散重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の重合法により作製されたトナーである。特に、重合法はトナーの形状及び粒径制御の容易性、生産性等の点で優れており、本発明に用いられるトナーの作製方法としては好適である。
まず、本発明の分散重合トナーから説明する。
本発明におけるトナーを構成する樹脂粒子は親水性有機液体に、その親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これに前記親水性液体には溶解するが、生成する重合体は前記親水性液体にて膨潤されるか、あるいは殆ど溶解しない一種または二種以上のビニル単量体を加えて重合することにより製造される。
前記樹脂粒子の種粒子の形成時及び種粒子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤としての親水性有機液体としては、メチルアルコール、エチルアルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール類などが代表的なものとして挙げられる。
これらの有機液体は単独で、もしくは二種以上の混合物して用いることができる。なお、アルコール類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上述のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用することで、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性をもたせない条件下で、有機液体のSP値を種々変化させて重合を行なうことにより、生成される粒子の大きさ、種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可能である。この場合の併用する有機液体としては、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、シロキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、メチラール、ジエチルアセタールなどのアセタール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ酸ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの硫黄、窒素含有有機化合物類、その他水も含まれる。
また、重合開始時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合溶媒の種類及び組成を変化させ、生成する重合体粒子の平均粒径、粒径分布、乾燥条件などを調整することができる。
種粒子製造時、または成長粒子の製造時に使用される高分子分散剤の適当な例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子またはその複素環を有するものなどの単独重合体または共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンパルミチルアミン、ポリオキシプロピレンステアリルアミン、ポリオキシプロピレンオレイルアミン、ポリオキシプロピレンパルミチルアミン、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシプロピレンステアリン酸アミド、ポリオキシプロピレンオレイン酸アミド、ポリオキシプロピレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(POE:5〜15)、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(POE:5〜15)などのポリオキシエチレン系、並びにメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、または前記親水性モノマーと、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのベンゼン核を有するものまたはその誘導体、またはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重合体、さらに、架橋性モノマー、例えばエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなどとの共重合体も使用可能である。
これらの高分子分散剤は、使用する親水性有機液体、目的とする重合体粒子の種、及び種粒子の製造か成長粒子の製造かにより適宜選択されるが、特に重合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、立体的に粒子同士の反撥を高めるために、分子鎖がある程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のものが選ばれる。しかしあまり分子量が高いと、液粘度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させておくことも安定化には効果がある。
さらに、これら高分子分散剤と共にコバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、錫、鉛、マグネシウムなどの金属またはその合金(特に粒径1μm以下のものが好ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素などの酸化物の無機化合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、燐酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型「例えばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン」などのアミノ酸型やベタイン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の安定性及び粒径分布の改良をさらに高めることができる。
一般に、種粒子製造時の高分子分散剤の使用量は目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種類によって異なるが、親水性有機液体に対し0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。高分子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する重合体粒子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合には小粒径のものが得られるが、10重量%を越えて用いても小径化への効果は少ない。
また、前記のビニル単量体とは、親水性有機液体に溶解可能なものであり、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、もしくはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類などからなる単独または相互の混合物、及びこれらを50重量%以上含有し、これらと共重合し得る単量体との相互の混合物を意味する。
また、本発明における前記の重合体は、耐オフセット性を高めるために、重合性の二重結合を二個以上有するいわゆる架橋剤の存在下に重合させたものであっても良い。好ましく用いられる架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなど全てのジビニル化合物、及び三個以上のビニル基を持つ化合物が挙げられ、これらは単独または混合物などで用いられる。
このように架橋された種粒子を用いて成長重合反応を引き続いて行った場合には、成長する重合体粒子の内部が架橋されたものとなる。また一方で、成長反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有させた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られる。
また、平均分子量を調節する目的として、連鎖移動定数の大きな化合物を共存させて重合を行わせるものに、例えば、メルカプト基をもつ低分子化合物や四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられる。
また、前記単量体の重合開始剤としては、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクトエートなどの過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムなどの過硫酸化物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリウム、アミンなどを併用した系などが用いられる。重合開始剤濃度は、ビニル単量体100重量部に対して0.1〜10重量部が望ましい。
種粒子を得るための重合条件は、重合体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせて、親水性有機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体の濃度、及び配合比が決定される。一般に、粒子の平均粒径を小さくしようとするならば、高分子分散剤の濃度を高く、また平均粒径を大きくしようとするならば、高分子分散剤の濃度が低く設定する。一方、粒子径分布を非常に鋭くしようとするならば、ビニル単量体濃度を低く、また、比較的広い分布でもよい場合は、ビニル単量体濃度は高く設定する。
樹脂粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上のビニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉末、界面活性剤、染料、顔料などを添加し、30〜300rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速で、しかもパドル型よりもタービン型の撹拌翼を用いて、槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しながら、用いた重合開始剤の重合速度に対応した温度にて加熱し重合を行なう。なお、重合初期の温度が生成する粒子種に大きな影響を与えるため、単量体を添加した後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を少量の溶媒に溶解して投入した方が望ましい。重合の際には窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容器内の空気中の酸素を充分に追い出すことが望ましい。この酸素パージが不充分であると微粒子が発生し易い。重合を高重合率域で行なうには5〜40時間の重合時間が望ましいが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止させたり、また重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反応を行なうことにより重合速度を速めることができる。
重合終了後は、そのまま染着工程に用いてもよいし、沈降分離、遠心分離、デカンテーションなどの操作により不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分散安定剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収して染着を行なってもよいが、分散安定剤を除去しない方が染着の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。
本発明における樹脂粒子の染着は、例えば次のような方法で行なうことができる。即ち、樹脂粒子を溶解せしめない有機溶媒中に樹脂粒子を分散し、この前または後に前記溶媒中に染料を溶解させ、前記染料を樹脂粒子中に浸透させ着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染着トナーを製造する方法において、前記染料の前記有機溶媒に対する液解度(D1)及び前記樹脂粒子の樹脂に対する前記染料の溶解度(D2)の関係が、(D1)/(D2)≦0.5となる染料を選択使用する。これにより、樹脂粒子の深部まで染料が浸透(拡散)したトナーを効率よく製造することができる。この明細書における溶解度は25℃の温度で測定されたものと定義される。なお、染料の樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶解度と全く同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で含有させることができる最大量を意味する。この溶解状態あるいは染料の析出状態の観察は顕微鏡を用いることにより容易に行なうことができる。樹脂に対する染料の溶解性を知るには、上記した直接観察による方法の代わりに間接的な観察方法によってもよい。この方法は樹脂と溶解度係数が近似する液体、即ち樹脂をよく溶解する溶媒を用い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹脂に対する溶解度として定めてもよい。
着色に使用する染料としては、前述のように使用する有機溶媒への該染料の溶解度(D1)と樹脂粒子を構成する樹脂への該染料の溶解度(D)との比(D1)/(D2)が0.5以下であることが好ましい。さらに(D1)/(D2)が0.2以下とすることが特に好ましい。染料としては、上記の溶解特性を満たせば特に制限はないが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染料は環境変動が大きいおそれがあり、またトナーの電気抵抗が低くなり、転写率が低下するおそれがあるので、バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応じて数種の染料が併用することもできる。染着される染料と樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応じて任意に選択されるが、通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。
例えば、染着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノールなどのアルコール類を使用し、樹脂粒子の樹脂としてSP値が9程度のスチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、使用し得る染料としては、例えば、以下のような染料が挙げられる。
C.I. SOLVENT YELLOW(6、9、17、31、35、1、102、103、105)
C.I. SOLVENT ORANGE(2、7、13、14、66)
C.I. SOLVENT RED(5、16、17、18、19、22、23、143、145、146、149、150、151、157、158)
C.I. SOLVENT VIOLET(31、32、33、37)
C.I. SOLVENT BLUE(22、63、78、83〜86、91、94、95、104)
C.I. SOLVENT GREEN(24、25)
C.I. SOLVENT BROWN(3、9)など。
市販染料では例えば保土谷化学工業社製の愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orange−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,2,3、Brown−2、Blue−1,2、Violet−1、Green−1,2,3、Black−1,4,6,8やBASF社製のsudan染料、Yellow−140、150、Orange−220、Red−290、380、460、Blue−670や三菱化成社製のダイアレジン、Yellow−3G、F、H2G、HG、HC、HL、Orange−HS、G、Red−GG、S、HS、A、K、H5B、Violet−D、Blue−J、G、N、K、P、H3G、4G、Green−C、Brown−Aやオリエント化学社製のオイルカラー、Yellow−3G、GG−S、#105、Orange−PS、PR、#201、Scarlet−#308、Red−5B、Brown−GR、#416、Green−BG、#502、Blue−BOS、HN、Black−HBB、#803、EE、EX、住友化学工業社製のスミプラスト、ブルーGP、OR、レッドFB、3B、イエローFL7G、GC、日本化薬社製のカヤロン、ポリエステルブラックEX−SH3、カヤセットRed−BのブルーA−2Rなどを使用することができる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に使用する溶媒の組み合わせで適宜選択されるため、上記例に限られるものではない。
染料を樹脂粒子に染着させるために用いる有機溶媒としては、使用する樹脂粒子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすもの、具体的には溶解性パラメーター(SP値)の差が1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用される。例えば、スチレン−アクリル系樹脂粒子に対しては、SP値が高いメタノール、エタノール、n−プロパノールなどのアルコール系、あるいはSP値が低いn−ヘキサン、n−ヘプタンなどを使用する。SP値の差があまりに大きすぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くなり、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適なSP値の差は2〜5が好ましい。
染料を溶解した有機溶媒中に樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これにより、樹脂粒子の凝集を防ぎながら染着することが可能となる。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例えばホモミキサー、マグネチックスタラーなどを用いて撹拌すればよい。また、分散重合などで重合終了時得られるスラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している状態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件にて加熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の場合は樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後のスラリーを乾燥する方法としては、特に限定はされないが、濾過した後に減圧乾燥あるいは濾別しないで直接減圧乾燥すればよい。本発明において濾別した後に風乾または減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集は殆どなく、投入した樹脂粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再現できる。
次に、本発明の懸濁重合トナーについて説明する。
懸濁重合に使用される重合性単量体はビニル基を有するモノマーであり、具体的には以下のようなモノマーが挙げられる。即ち、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ブチルスチレン、オクチルスチレンなどのスチレン及びその誘導体が挙げられ、なかでもスチレン単量体が最も好ましい。他のビニル系単量体として、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン系不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、これらの単量体を単独あるいは混合して用いることができる。
単量体組成物中には、架橋重合体を生成させるために次のような架橋剤を存在させて懸濁重合させてもよい。架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メタクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールメタンテトラアクリレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。架橋剤の使用量が多過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくなり、熱定着性、熱圧定着性が劣ることになる。また、架橋剤の使用量が少くな過ぎると、トナーとして必要な耐ブロッキング性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール定着において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロール表面に付着し、次の紙に転写するという、コールドオフセットが発生してしまう。従って、用いる架橋剤量は、重合性単量体100重量部に対して0.001〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
また、得られるトナーのオフセット防止のために、重合組成物に離型剤を含有させることができる。離型剤としては低分子量のポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。この低分子量オレフィン重合体は、着色剤と共に重合性単量体中に分散させておくのが好ましい。なお、離型剤は重合性単量体100重量部に対して1〜15重量部使用することが好ましい。離型剤の使用量が1重量部未満では、得られたトナーが充分な離型効果をもたず、ローラ上にオフセットしやすくなる。逆に使用量が15重量部を超過すると、トナーから離型剤が摩擦帯電付与部材にスペントするようになるし、また、トナーの流動性が極めて悪くなる。
単量体に含有される着色剤としては、従来知られている染料及びカーボンブラック、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆してなるグラフト化カーボンブラックのような顔料が使用可能である。その他の着色剤としては、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料などの染顔料がある。なお、これらの着色剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましい。
また、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
分散安定剤としては次のものが使用可能である。即ち、ポリビニルアルコール、でん粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、珪藻土、金属酸化物粉末などが用いられる。これらは水に対して0.1〜10重量%の範囲で用いるのが好ましい。
本発明において、重合開始剤は造粒後の単量体組成物を含む分散液中に添加してもよいが、個々の単量体組成物粒子に均一に重合開始剤を付与する点からは、造粒前の単量体組成物に含有させておくことが望ましい。このような重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メチキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロピルパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
次に、本発明の乳化重合トナーについて説明する。
乳化重合法では、無機分散剤または微粒子ポリマーの存在下で、水系媒体中にイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーをはじめとするトナー組成物を分散せしめ、アミン類により伸長反応及び/又は架橋反応によりトナー粒子を形成させる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネート(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ポリオール(1)としては、ジオール(1−1)および3価以上のポリオール(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。
ジオール(1−1)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。
ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオール(1)と反応させてもよい。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネート(3)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α、α、α′、α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネート(3)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のポリイソシアネート(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超え、或いは1/2未満では、得られるウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明のウレア変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法などにより製造される。ウレア変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステル(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
本発明においては、前記ウレア結合で変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナーバインダー成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、(ii)の酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するプレポリマー(A)からなる分散体を、アミン類(B)と反応させて形成しても良いし、あらかじめ製造したウレア変性ポリエステル(i)を用いても良い。水系媒体中でウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマー(A)と他のトナー組成物(以下トナー原料と呼ぶ)である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、変性されていないポリエステル樹脂などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナー原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、帯電制御剤などの他のトナー原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)を含むトナー組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
トナー組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
無機分散剤の例としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物が挙げられる。
また微粒子ポリマーも無機分散剤と同様な効果が確認された。例えばMMAポリマー微粒子1、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5及び2μm、スチレン−アクリロニトリルポリマー微粒子1μm、PB−200H(花王製)、SGP(総研)、テクノポリマーSB(積水化成品工業)、SGP−3G(総研)ミクロパール(積水ファインケミカル)、また上記の無機分散剤、微粒子ポリマーとの併用して使用可能な分散剤としては、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンパルミチルアミン、ポリオキシプロピレンステアリルアミン、ポリオキシプロピレンオレイルアミン、ポリオキシプロピレンパルミチルアミン、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド、ポリオキシエチレンパルミチン酸アミド、ポリオキシプロピレンステアリン酸アミド、ポリオキシプロピレンオレイン酸アミド、ポリオキシプロピレンパルミチン酸アミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(POE:5〜15)、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル(POE:5〜15)などのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に短時間で蒸発除去する方法を採用することができる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
さらに、トナー組成物の粘度を低くするために、ウレア変性ポリエステル(i)やプレポリマー(A)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。溶剤を使用した場合は、伸長および/または架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長および/または架橋反応時間は、プレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
また、そのメカニズムは不明であるが、前記、図1に代表される転写手段前後に電圧印加手段を備えた画像形成装置は上記の無機分散剤または微粒子ポリマーの存在下で水系媒体中に分散したポリエステル樹脂から得られるイソシアネート基含有プレポリマーをアミン類により伸長反応あるいは架橋反応させ、得られた乳化分散液から溶媒を除去することにより得られたトナーを用いることによって、より転写前後の放電を制御でき、転写チリ、像崩れ等の異常画像を低減し、高画質な画像を得られることが確認されている。
得られた乾燥後のトナーの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。また、これによってトナー母体表面の微小な凹凸が平滑化される。具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
本発明のトナーは、磁性体を含有する型の磁性トナーであってもよい。磁性トナーとするには、例えば単量体組成物に磁性粒子を添加すればよい。本発明に用いることができる磁性体には例えば、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物の粉末が挙げられる。磁性粒子としては、粒径が0.05〜5μmのものが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmのものが用いられるが、小粒径トナーを生成する場合には、粒径0.8μm以下の磁性粒子を使用することが望ましい。この磁性粒子は、単量体組成物100重量部中に10〜60重量部含有されていることが望ましい。また、これら磁性粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤などの表面処理剤、あるいは適当な反応性の樹脂などで処理されていてもよい。この場合、磁性粒子の表面積あるいは表面に存在する水酸基の密度にもよるが、通常、磁性粒子100重量部に対して表面処理剤が5重量部以下、好ましくは0.1〜3重量部の処理で、充分な重合性単量体への分散性が得られ、トナー物性に対しても悪影響を及ぼさない。
本発明のトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、該キャリアは樹脂で被覆されていてもよく、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等があげられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンーアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナー、或いは非磁性トナーとしても用いることができる。
また、本発明に用いられるトナーの粒径は、体積平均粒径が1〜7μmであるものが好ましく用いられる。トナーの粒径1μm未満の微粉トナーでは、画像不良が発生しやすくなってしまい、体積平均粒径が7μmを越えるものでは電子写真画像の高画質化の要求に対応するのが困難である。
本発明では、表面が外添剤によって被覆されているトナーが好ましく用いられる。本発明者らは、外添剤で表面を被覆した様々なトナーについて付着力及び帯電量を測定した結果から、トナーと感光体間の付着力及びトナーの帯電量が外添剤の材料、粒径及び外添剤被覆率に依存して変化することを見出した。このため、トナーと感光体間の付着力及びトナー帯電量が前記の高転写率で良好な画像が得られる条件を満たすためには、外添剤の材料、粒径及び外添剤被覆率を適切に選択及び調整することが好ましい。なお、外添剤被覆率はトナー1粒子の表面積に対する外添剤の被覆面積比率で、トナー表面の電子顕微鏡画像を画像解析することによって計測することができる。
本発明に用いられる外添剤としては、公知の有機微粒子及び無機微粒子を使用することができるが、無機微粒子としては、特にシリカ、チタン、アルミナのいずれかを少なくとも1種類以上使用することが好適である。これらの吸湿性を有する無機微粒子の場合は、環境安定性を考慮すると、疎水化処理を施したものが好適に用いられる。前記疎水化処理は、疎水化処理剤と前記微粉末とを高温度下で反応させて行なうことができる。疎水化処理剤としては特に制限はなく、例えばシラン系カップリング剤、シリコーンオイル等を用いることができる。
外添剤の粒径としては、1次粒子径の平均値が5nm〜150nmのものが用いられ、他部材との接触を考えると球形であることが好ましい。
トナーと感光体間の付着力は外添剤被覆率の増加と共に小さくなり飽和する傾向にあり、外添剤被覆率依存性や飽和値は外添剤の材料や粒径等に依存する。このため、外添剤被覆率の適切な範囲も外添剤の材料や粒径等によって異なるが、外添剤被覆率を少なくとも10〜90%に調整することが好ましい。外添剤被覆率が10%未満では、トナーと感光体間の付着力を適切な大きさにするのが困難であり、転写残の増加などを引き起こす。また、外添剤被覆率が90%を超えると、トナーの付着力が極端に低下し、プレ転写などのチリの原因となる。また、外添剤がトナーから分離しやすくなり、感光体等の画像形成装置の構成部材が損傷しやすい。
また、本発明に用いられる外添剤の外添方法は、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノフージョン等の各種混合装置を用いた公知の外添方法を用いることができる。
次に、本発明の画像形成装置に用いられる感光体について説明する。
まず、本発明に用いられるドラム状感光体は、導電性支持体の上に少なくとも感光層が形成されたもの、或いは電荷発生層、電荷輸送層が形成されたもの、更に感光層、或いは電荷輸送層の上に保護層が形成されたもの等が使用される。導電性支持体および電荷発生層、電荷輸送層としては、公知のものならば如何なるものでも使用することができる。本発明の感光体の材料としては、セレン及びその合金、アモルファスシリコン等の無機感光体材料でも良いが、有機感光体材料が好適である。
また、感光体の表面は導電性支持体の表面性や感光体の形成条件等の影響で凹凸が生じるが、凹凸の周期がトナー粒径よりも十分大きければ、トナーと感光体間の付着力に対する影響は小さい。凹凸の周期がトナー粒径と同程度では、トナーが凸部に接触する場合は接触面積が小さいので付着力が小さくなるが、凹部に接触する場合は接触面積が大きいので付着力が大きくなる。凹凸の周期がトナー粒径よりも小さい場合は、トナーとの接触面積が小さいので付着力が小さくなるが、このような凹凸を形成するのは困難である。このため、感光体の表面は、凹凸の周期の平均値がトナーの体積平均粒径よりも十分大きく、少なくとも10倍以上にするのが好ましい。
有機感光体の電荷発生層を構成する電荷発生物質としては、例えばX型の無金属フタロシアニン、π型の無金属フタロシアニン、τ型の無金属フタロシアニン、ε型の銅フタロシアニン、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン等のフタロシアニン顔料やジスアゾ・トリスアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、多環キノン系顔料、インジゴ顔料、ジフェニルメタン顔料、トリメチルメタン系顔料、シアニン系顔料、キノリン系顔料、ベンゾフェノン顔料、ナフトキノン系顔料、ペリレン顔料、フルオレノン系顔料、スクアリリウム系顔料、アズレニウム系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、ポルフィリン系顔料が使用できる。前記有機アクセプタ性化合物と組み合わせて使用が可能なこれら電荷発生物質の感光層全体に占める量は、通常0.1〜40重量%、好ましくは0.3〜25重量%が適当である。
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
本発明に利用される正孔輸送物質としては公知のものが利用でき、無機系物質の例としては前記セレン及びその合金、アモルファスシリコン等が挙げられる。有機物質の例としては、例えば分子中にトリフェニルアミン部位を有する化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、オキサジアゾール系化合物、カルバゾール系化合物、ピラゾリン系化合物、スチリル系化合物、ブタジエン系化合物、線状の主鎖がSiよりなるポリシラン系化合物、ポリビニルカルバゾール等高分子ドナー性化合物等が挙げられる。感光層全体に占める該正孔輸送物質の量は、通常10重量%以上、好ましくは20〜60重量%が適当である。
本発明に利用される電子輸送物質としては公知のものを利用でき、例えば、分子中にフルオレノン骨格を有する化合物、インデノン系化合物、インデノキノキサリン系化合物、フタルイミド系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラジン系化合物、インデノピラジン系化合物、ベンゾフルオレノン系化合物、ペンタジエノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ベンゾキノン系化合物、ナフトキノン系化合物等が挙げられる。
また本発明では前記の電子輸送物質は単独もしくは数種を組み合わせて使用することが出来る。
また、感光層用結着剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂等の付加重合型樹脂、重付加型樹脂、重縮合型樹脂、並びにこれらの繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂を挙げることができる。これら結着剤の感光層全体に占める量は、通常20〜90重量%、好ましくは30〜70重量%である。
また、帯電性を改良する目的で感光層と導電性基体の間に下引き層を設けることができる。これらの材料としては前記結着剤材料の他に、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニルピロリドン等公知のものが利用できる。
本発明で用いることができる導電性支持体としては、公知のものが利用でき、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属板、金属ドラムまたは金属箔、アルミニウム、酸化錫、ヨウ化銅の薄膜を塗布または貼付したプラスチックフィルムあるいはガラス等が挙げられる。
また、ベルト形状の感光体を用いる場合その構成は、上記感光体の構成とほとんど同様なものであるが、その支持体用素材は、一般に知られているエンジニアリングプラスチックベースを用いており、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、ポリカーボネート、ポリアリレートなど公知の材料があげられる。但し本発明はこれらに限定されるものではなく、ベルト支持体としての特性を有するものであればよい。上記支持体用素材の中でポリエチレンナフタレートはその要件を特に満たしたものである。また導電層の形成法としては金属あるいは金属酸化物の蒸着又はスパッタリングによる方法や、金、銀、銅、亜鉛等の金属及びその酸化物あるいはこれらの合金等の導電性微粒子と前記ベース樹脂とを混合したものによる導電性樹脂を塗膜あるいは成型した方法などが挙げられる。
また、保護層には無機微粒子を含有されることが好ましく、該無機微粒子としては、例えば酸化チタン、シリカ、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム等が用いられ、特にはシリカ及びコロイダルシリカが重要であり、これらはチタンカップリング剤又はシランカップリング剤等で被覆して疎水化されるのが好ましい。上記無機微粒子の体積平均粒径は好ましくは0.01〜5μmであり、0.01μm未満では保護層の耐摩耗性及びクリーニング性への寄与が不十分であり、5μmを越えると感光層表面に粒子が突出してクリーニング部材を損傷してクリーニング性を悪化せしめ、画質が劣化し易くなる。
本発明の有機感光体を作製するには、例えば前記電荷発生物質を有機溶媒中に溶解、またはボールミル、超音波等で分散して調整した電荷発生層形成液を浸漬法やブレード塗布、スプレー塗布等の公知の方法で導電性支持体である基体上に塗布・乾燥し、その上に前記電荷輸送物質を前記同様の方法で塗布・乾燥して形成すればよい。
本発明の電極板は導電性材料であって、公知のものが利用できるが、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、ステンレス等の金属板、または金属箔、アルミニウム、酸化錫、ヨウ化銅の薄膜を塗布もしくは蒸着したプラスチックフィルムあるいはガラス等が挙げられる。
本発明の裏面接触部材として、まず導電性ローラーを用いているが、導電性ローラーは、例えばSUS、Fe等からなる給電電極を兼ねた芯金上にローラ状の導電性ゴムあるいは導電性スポンジの弾性層を設けて構成されているもの用いる。弾性体層には、高抵抗から中抵抗のゴムにカーボン等低抵抗の材料を添加されており、1×10〜1×1010Ωcmに抵抗調節されていることが好ましい。次に導電性ブラシの場合は、例えばレーヨン、アクリルなどの繊維にカーボンを分散させたものを用いる。このとき体積抵抗は1×10〜1×10Ωcmに調整されてることが好ましい。さらに、導電性ブレードの場合は、例えば高圧印加可能のウレタン樹脂製のブレードを用いる。このとき体積抵抗は1×10〜1×10Ωcmに調整されていることが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例における画像形成装置の概略構成は前述した図1と略同様である。本実施例では、図1におけるプロセスカートリッジ8を転写される順番にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分備え、中間転写ベルト9上に並べたタンデム型の構成のカラー画像形成装置を用いた。また、感光体上の非画像領域の電位Vを−600〜−800(V)、画像領域の電位Vを−100〜−250(V)とし、1次転写上流部における高圧電源5a′に印加するバイアスは直流電圧VDCを−250〜−600(V)、交流電圧VPPを1200(V)として重畳させた電圧、1次転写及び2次転写下流部における高圧電源5b′、12′に印加するバイアスは50〜500(V)、2次転写上流部における高圧電源11′に印加するバイアスは−50〜−500(V)に設定した。
使用したトナーは構成材料である樹脂や着色剤などを混合攪拌後に溶融混練し、粉砕・分級して作製した不定形トナーで、体積平均粒径は6.8(μm)である。またキャリアは芯材のマグネタイト粉をシリコーン樹脂で被覆した体積平均粒径50μmのキャリアである。
[画質評価]
実施例1の装置構成及び印加電圧等の条件と同様にしたリコー製IPsio Color 8150(二成分現像方式のカラープリンター)の改造機を用いて、チリ画像とドット再現性の評価を実施した。
複写速度:カラー28CPM
画素密度:600dpi
各評価項目に対する4段階の評価見本を用意し、複写画像及び感光体表面を目視及びCCD顕微鏡カメラ(キーエンス社ハイパーマイクロスコープ)によって観察し、評価見本と比較することによって4段階に評価した。各段階の評価はそれぞれ以下の状態を表す。複写試験における画質評価結果を表1に示す。
4:問題が無い
3:ほぼ問題が無い
2:やや問題がある
1:問題がある
(実施例2)
画像形成装置の装置構成及び印加電圧等の条件は実施例1と同様にし、実施例1で用いたトナーを熱気流中で結着樹脂の軟化点以上の温度に加熱することにより球形化処理を施し、さらに分級したトナーを用いた。実施例1と同様にして画質評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1の画像形成装置の装置構成から4色全ての電極板5a、5b及び電極板11、12と該電極板に付随する電圧印加装置を取り外した構成とし、取り外した電極板以外の電圧印加条件等は実施例1と同様にした。比較例1では実施例1と同様の不定形トナーを用い、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(比較例2)
装置構成及び印加電圧等の条件は比較例1と同様にし、実施例2と同様の球形トナーを用い、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は比較例1と同様の装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(実施例3)
装置構成は実施例1の装置構成から電極板5b、11、12及び高圧電源5b′、11′、12′を取り除いた構成にした。また、トナーは実施例2と同様の球形トナーを用いた。上記構成にて、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(実施例4)
装置構成は実施例1の装置構成から電極板5a、11、12及び高圧電源5a′、11′、12′を取り除いた構成にした。また、トナーは実施例2と同様の球形トナーを用いた。上記構成にて、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(実施例5)
装置構成は実施例1の装置構成から電極板11、12及び高圧電源11′、12′を取り除いた構成にした。また、トナーは実施例2と同様の球形トナーを用いた。上記構成にて、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(実施例6)
装置構成は実施例1の装置構成から電極板5a、5b、12及び高圧電源5a′、5b′、12′を取り除いた構成にした。また、トナーは実施例2と同様の球形トナーを用いた。上記構成にて、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(実施例7)
装置構成は実施例1の装置構成から電極板5a、5b、11及び高圧電源5a′、5b′、11′を取り除いた構成にした。また、トナーは実施例2と同様の球形トナーを用いた。上記構成にて、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(実施例8)
装置構成は実施例1の装置構成から電極板5a、5b及び高圧電源5a′、5b′を取り除いた構成にした。また、トナーは実施例2と同様の球形トナーを用いた。上記構成にて、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(実施例9)
装置構成は前述した図2と略同様とし、図2におけるプロセスカートリッジ8を転写される順番にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分備え、中間転写ドラム9上に並べたカラー複写機を使用し、印加電圧等の条件は上記実施例1と同様にした。また、実施例2と同様の球形トナーを用いた。上記構成にて、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
(実施例10)
装置構成は前述した図3と略同様とし、図3におけるプロセスカートリッジ8を転写される順番にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分備え、中間転写ベルト9上に並べたカラー複写機を使用し、印加電圧等の条件は上記実施例1と同様にした。また、実施例2と同様の球形トナーを用いた。上記構成にて、実施例1と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表1に示す。
また上記構成ではプロセスカートリッジ、画像形成装置本体ともに非常に小さくすることができるため、省スペース化に有効であることが確認された。
[評価結果]
Figure 2004184984
表1から本発明による実施例の画像形成装置の使用により良好かつ忠実で高画質な画像を得られることがわかる。また、チリ画像になりやすい球形トナーを制御することによりさらに忠実な画像が得られている。
(実施例11)
本実施例における画像形成装置の概略構成は前述した図6と略同様である。本実施例では、図6におけるプロセスカートリッジ8を転写される順番にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分備え、中間転写ベルト9上に並べたタンデム型の構成のカラー画像形成装置を用いた。次に、感光体上の非画像領域の電位Vを−600〜−800(V)、画像領域の電位Vを−100〜−250(V)とし、1次転写上流部における高圧電源5a′に印加するバイアスは−250〜−600(V)、1次転写及び2次転写下流部における高圧電源5b′、12′に印加するバイアスは−50〜−500(V)、2次転写上流部における高圧電源11′に印加するバイアスは−50〜−500(V)に設定した。また、1次転写上流部の高圧電源18′に印加するバイアスは0〜−600(V)、1次転写及び2次転写下流部における高圧電源19′、21′に印加するバイアスは0〜−500(V)、2次転写上流部の裏面接触部材20に高圧電源20′から印加されるバイアスは0〜−500(V)に設定した。
使用したトナーは構成材料である樹脂や着色剤などを混合攪拌後に溶融混練し、粉砕・分級して作製した不定形トナーを熱気流中で結着樹脂の軟化点転以上の温度に加熱することにより球形化処理を施し、さらに分級したトナーを用いた。体積平均粒径は6.8(μm)である。キャリアは芯材のマグネタイト粉をシリコーン樹脂で被覆した体積平均50(μm)のキャリアである。また裏面接触部材としては全て導電性ローラ(ウレタン系導電ゴムにカーボンまたはイオン導電物質を添加し、抵抗を10Ωcm〜10 Ωcmに調整)を使用した。
[画質評価]
実施例6の装置構成及び印加電圧等の条件と同様にしたリコー製IPsio Color 8150(二成分現像方式のカラープリンター)の改造機を用いて、チリ画像とドット再現性の評価を実施した。
複写速度:カラー28CPM
画素密度:600dpi
各評価項目に対する4段階の評価見本を用意し、複写画像及び感光体表面を目視及びCCD顕微鏡カメラ(キーエンス社ハイパーマイクロスコープ)によって観察し、評価見本と比較することによって4段階に評価した。各段階の評価はそれぞれ以下の状態を表す。複写試験における画質評価結果を表2に示す。
4:問題が無い
3:ほぼ問題が無い
2:やや問題がある
1:問題がある
(実施例12)
装置構成は実施例11の装置構成と同様とし、1次転写上流部における高圧電源5a′に印加するバイアスを直流電圧VDCを−250〜−600(V)、交流電圧VPPを700〜1200(V)として重畳させた電圧、1次転写上流部の高圧電源18′に印加するバイアスは0(V)、つまり接地させた状態に変更した。その他の条件は全て実施例11と同様にした。上記構成にて、実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例13)
装置構成は実施例11の装置構成と同様とし、1次転写上流部における高圧電源5a′に印加するバイアスを直流電圧VDCを−250〜−600(V)、交流電圧VPPを700〜1200(V)として重畳させた電圧、1次転写及び2次転写下流部における高圧電源5b′、12′に印加するバイアスは50〜500(V)、1次転写上流部、1次転写及び2次転写下流部の高圧電源18′、19′、20′に印加するバイアスは0(V)、つまり接地させた状態に変更した。その他の条件は全て実施例11と同様にした。上記構成にて、実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例14)
装置構成は実施例11の装置構成と同様とし、1次転写及び2次転写下流部における高圧電源5b′、12′に印加するバイアスは50〜500(V)、1次転写及び2次転写下流部の高圧電源19′、20′に印加するバイアスは0(V)、つまり接地させた状態に変更した。その他の条件は全て実施例11と同様にした。上記構成にて、実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例15)
画像形成装置の装置構成及び印加電圧等の条件は実施例11と同様にし、実施例11で用いたトナーにおいて球形化処理を施していない不定形トナーを用いた。実施例11と同様にして画質評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例11の画像形成装置の装置構成から4色全ての電極板5a、5b及び電極板11、12と該電極板に付随する電圧印加装置、裏面接触部材18、19、20、21及び該裏面接触部材に付随する電圧印加装置を取り外した構成とし、取り外した電極板、裏面接触部材以外の電圧印加条件等は実施例11と同様にした。比較例3では実施例15と同様の不定形トナーを用い、実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(比較例4)
装置構成及び印加電圧等の条件は比較例3と同様にし、実施例12と同様の球形トナーを用い、実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は比較例3と同様の装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例16)
装置構成は実施例11の装置構成から電極板5b、11、12及び高圧電源5b′、11′、12′、裏面接触部材19、21、20及び高圧電源19′、20′、21′を取り除いた構成にした。また、上記削除した以外の構成、印加電圧、使用トナー等の全ての条件は実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例17)
装置構成は実施例1の装置構成から電極板5a、11、12及び高圧電源5a′、11′、12′、裏面接触部材18、20、21及び高圧電源18′、20′、21′を取り除いた構成にした。また、上記削除した以外の構成、印加電圧、使用トナー等の全ての条件は実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例18)
装置構成は実施例11の装置構成から電極板11、12及び高圧電源11′、12′、裏面接触部材20、21及び高圧電源20′、21′を取り除いた構成にした。また、上記削除した以外の構成、印加電圧、使用トナー等の全ての条件は実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例19)
装置構成は実施例11の装置構成から電極板5a、5b、12及び高圧電源5a′、5b′、12′、裏面接触部材18、19、21及び高圧電源18′、19′、21′を取り除いた構成にした。また、上記削除した以外の構成、印加電圧、使用トナー等の全ての条件は実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例20)
装置構成は実施例11の装置構成から電極板5a、5b、11及び高圧電源5a′、5b′、11′裏面接触部材18、19、20及び高圧電源18′、19′、20′を取り除いた構成にした。また、上記削除した以外の構成、印加電圧、使用トナー等の全ての条件は実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例21)
装置構成は実施例11の装置構成から電極板5a、5b及び高圧電源5a′、5b′裏面接触部材18、19及び高圧電源18′、19′を取り除いた構成にした。また、上記削除した以外の構成、印加電圧、使用トナー等の全ての条件は実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例22)
装置構成は前述した図7と略同様とし、図7におけるプロセスカートリッジ8を転写される順番にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分備え、中間転写ドラム9上に並べたカラー複写機を使用し、印加電圧、使用トナー等のその他全ての条件は上記実施例21と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例23)
装置構成は前述した図8と略同様とし、図8におけるプロセスカートリッジ8を転写される順番にブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色分備え、中間転写ベルト9上に並べたカラー複写機を使用し、印加電圧、使用トナー等のその他全ての条件は上記実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
また上記構成ではプロセスカートリッジ、画像形成装置本体ともに非常に小さくすることができるため、省スペース化に有効であることが確認された。
(実施例24)
装置構成は実施例11の装置構成における裏面接触部材(α)、(β)、(γ)、(δ)として導電性ブラシ(レーヨン、アクリルなどの繊維にカーボンを分散させ、1×10Ωcm〜1×10Ωcmに調整)を用いた。その他の装置構成及び印加電圧、使用トナー等の条件は実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
(実施例25)
装置構成は実施例11の装置構成における裏面接触部材(α)、(β)、(γ)、(δ)として導電性ブレード(ウレタン樹脂製ブレードにカーボンを分散させ、1×10 Ωcm〜1×10Ωcmに調整)を用いた。その他の装置構成及び印加電圧、使用トナー等の条件は実施例11と同様にした。次に実施例11と同様にして画質評価を行った。ただし、画質評価に用いた装置は本実施例に示した装置構成にした。画質評価結果を表2に示す。
[評価結果]
Figure 2004184984
表2から本発明による実施例の画像形成装置の使用により良好かつ忠実で高画質な画像を得られることがわかる。また、チリ画像になりやすい球形トナーを制御することによりさらに忠実な画像が得られている。
本発明に係る中間転写方式の画像形成装置の概略を示す構成図である。 本発明に係る図1とは異なる形態の中間転写方式の画像形成装置の概略を示す構成図である。 本発明に係る図1とは異なる形態の中間転写方式の画像形成装置の概略示す構成図である。 本発明に係る画像形成装置の1次転写部の拡大図である。 本発明に係る図4とは異なる形態の画像形成装置の1次転写部の拡大図である。 図1の画像形成装置に裏面接触部材とそのための電源を設けた構成図である。 図2の画像形成装置に裏面接触部材とそのための電源を設けた構成図である。 図3の画像形成装置に裏面接触部材とそのための電源を設けた構成図である。 図4の画像形成装置の1次転写部に裏面接触部材とそのための電源を設けた場合の拡大図である。 図5の画像形成装置の1次転写部に裏面接触部材とそのための電源を設けた場合の拡大図である。 裏面接触部材がブラシ形状の場合の画像形成装置の1次転写部の拡大図である。 裏面接触部材がブレード形状の場合の画像形成装置の1次転写部の拡大図である。
符号の説明
1 像担持体
2 帯電装置
2′ 電源
3 露光装置
4 現像装置
4′ 電源
5a 電極板
5a′ 電源
5b 電極板
5b′ 電源
6 クリーニング装置
7 筐体
8 カートリッジカバー
9 中間転写体
10a ローラー
10a′ 電源
10b ローラー
10c ローラー
10d ローラー
11 電極板
11′ 電源
12 電極板
12′ 電源
13 カバー
14 カバー
15 ローラー
15′ 電源
16 転写紙
17 転写ベルト
18 裏面接触部材
18′ 電源
19 裏面接触部材
19′ 電源
20 裏面接触部材
20′ 電源
21 裏面接触部材
21′ 電源
1a ローラー
1b ローラー
1c ローラー
1d ローラー

Claims (45)

  1. 少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段を備える画像形成装置において、現像手段の下流部から転写NIP直前の転写手段の上流部に該像担持体表面に対して一定の距離を保持しながら対向し配置される、該像担持体表面に対して電圧を印加するための電圧印加手段(A)を具備することを特徴とする画像形成装置。
  2. 少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段を備える画像形成装置において、転写NIP直後の転写手段下流部に、転写手段下流部における転写体と像担持体の間に非接触の状態で配設される、該像担持体表面及び転写体上のトナー像に対して電圧を印加するための電圧印加手段(B−1)またはアース電極(B−2)を具備することを特徴とする画像形成装置。
  3. さらに請求項1に記載の電圧印加手段(A)を具備することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記転写手段上流部の電圧印加手段(A)に印加する電圧がトナー極性と同極性の直流電圧であり、かつ像担持体上の画像部電位と非画像部電位との間の値を有する電圧であることを特徴とする請求項1又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記転写手段上流部の電圧印加手段(A)に印加する電圧が直流電圧と交流電圧を重畳した電圧であり、該印加電圧の直流電圧成分が像担持体上の画像部電位と非画像部電位との間の値を有する電圧であることを特徴とする請求項1、3又は4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記転写手段下流部の電圧印加手段(B−1)に印加する電圧がトナー極性と同極性で転写過程後の転写体と該電圧印加手段(B−1)の間で放電が起きない程度の電圧であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記転写手段下流部の電圧印加手段(B−1)に印加する電圧がトナー極性と異極性の電圧であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記転写手段上流部における前記転写体裏面の前記電圧印加手段(A)に対向する位置に接触配置される裏面接触部材(α)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする請求項1、3〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記転写手段下流部における前記転写体裏面の前記電圧印加手段(B−1)又は(B−2)に対向する位置に接触配置される裏面接触部材(β)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. さらに請求項8に記載の裏面接触部材(α)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記像担持体を回転自在に支持し、帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つを一体に支持することができ、該像担持体を覆う形状の筐体を支持体として具備し、該支持体上に前記電圧印加手段(A)及び/又は(B−1)を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つの手段が前記筐体状支持体と着脱自在であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記転写体が記録材であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 前記転写体が中間転写体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 前記像担持体がドラム形状であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 前記像担持体がベルト形状であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. 請求項11に記載の筐体状支持体が画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 請求項11に記載の筐体状支持体と帯電手段、露光手段、現像手段及びクリーニング手段の少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  19. 帯電手段、露光手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つの手段が前記筐体状支持体と着脱自在であることを特徴とする請求項17又は18に記載のプロセスカートリッジ。
  20. 前記転写体が記録材であることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  21. 前記転写体が中間転写体であることを特徴とする請求項17〜19のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  22. 前記像担持体がドラム形状であることを特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  23. 前記像担持体がベルト形状であることを特徴とする請求項17〜21のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  24. 少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する1次転写手段と、トナー像を中間転写体から記録媒体に転写する2次転写手段を備える画像形成装置において、2次転写手段上流部の2次転写NIP直前の位置あるいは1次転写手段下流部から2次転写NIP直前までの中間転写体の移動経路全体に、該中間転写体表面に対して一定の距離を保持しながら沿い対向し配置される、該中間転写体表面に対してトナーと同極性の電圧を印加するための電圧印加手段(C)を具備することを特徴とする画像形成装置。
  25. 少なくともトナー像を担持するための像担持体と、像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、像担持体上にトナー像を形成する現像手段と、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する1次転写手段と、トナー像を中間転写体から記録媒体に転写する2次転写手段を備える画像形成装置において、2次転写手段下流部の2次転写NIP直後の位置あるいは2次転写のNIP直後から1次転写のNIP直前までの中間転写体の移動経路全体に、2次転写手段下流部における転写材と中間転写体の間に非接触の状態で配設される、電圧を印加するための電圧印加手段(D−1)またはアース電極(D−2)を具備することを特徴とする画像形成装置。
  26. さらに請求項24に記載の電圧印加手段(C)を具備することを特徴とする請求項25に記載の画像形成装置。
  27. さらに請求項1に記載の電圧印加手段(A)及び/又は請求項2に記載の電圧印加手段(B−1)またはアース電極(B−2)を具備することを特徴とする請求項24〜26のいずれかに記載の画像形成装置。
  28. さらに請求項8に記載の裏面接触部材(α)及び/又は請求項9に記載の裏面接触部材(β)を具備することを特徴とする請求項24〜27のいずれかに記載の画像形成装置。
  29. 前記2次転写手段下流部の電圧印加手段(D−1)に印加する電圧がトナー極性と同極性で転写過程後の中間転写体と該電圧印加手段(D−1)の間で放電が起きない程度の電圧であることを特徴とする請求項25〜28のいずれかに記載の画像形成装置。
  30. 前記2次転写手段下流部の電圧印加手段(D−1)に印加する電圧がトナー極性と異極性の電圧であることを特徴とする請求項25〜29のいずれかに記載の画像形成装置。
  31. 前記2次転写手段上流部における記録媒体搬送経路裏面の前記電圧印加手段(C)に対向する位置に接触配置される裏面接触部材(γ)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする請求項24、26〜30のいずれかに記載の画像形成装置。
  32. 前記2次転写手段下流部における記録媒体搬送経路裏面の前記電圧印加手段(D−1)又は(D−2)に対向する位置に接触配置される裏面接触部材(δ)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする請求項25〜30のいずれかに記載の画像形成装置。
    Figure 2004184984
  33. さらに請求項31に記載の裏面接触部材(γ)と、該裏面接触部材に電圧を印加する電圧印加手段又は該裏面接触部材を接地する手段を具備することを特徴とする請求項32に記載の画像形成装置。
  34. 前記中間転写体を回転自在に支持し、かつ前記像担持体を支持し、中間転写体を覆う形状の着脱可能である筐体を支持体として具備し、該支持体上に前記2次転写手段前後の電圧印加手段(C)及び/又は(D−1)を具備することを特徴とする請求項24〜33のいずれかに記載の画像形成装置。
  35. 前記中間転写体を回転自在に支持し、中間転写体の移動経路の一部を覆う形状の支持体を具備し、該支持体上に前記2次転写手段前後の電圧印加手段(C)及び/又は(D−1)を具備することを特徴とする請求項24〜34のいずれかに記載の画像形成装置。
  36. 前記像担持体がドラム形状であることを特徴とする請求項24〜35のいずれかに記載の画像形成装置。
  37. 前記像担持体がベルト形状であることを特徴とする請求項24〜35のいずれかに記載の画像形成装置。
  38. 前記中間転写体がドラム形状であることを特徴とする請求項24〜37のいずれかに記載の画像形成装置。
  39. 前記中間転写体がベルト形状であることを特徴とする請求項24〜37のいずれかに記載の画像形成装置。
  40. 前記裏面接触部材(α)または(β)または(γ)または(δ)が、ローラー形状であることを特徴とする請求項8〜23、28〜39のいずれかに記載の画像形成装置。
  41. 前記裏面接触部材(α)または(β)または(γ)または(δ)が、ブラシ形状であることを特徴とする請求項8〜23、28〜39のいずれかに記載の画像形成装置。
  42. 前記裏面接触部材(α)または(β)または(γ)または(δ)が、ブレード形状であることを特徴とする請求項8〜23、28〜39のいずれかに記載の画像形成装置。
  43. 製造工程あるいは製造後の工程において球形化したトナーを装填したことを特徴とする請求項1〜42のいずれかに記載の画像形成装置又はプロセスカートリッジ。
  44. 体積平均粒径が1〜7μmとなるように調整したトナーを装填したことを特徴とする請求項1〜43のいずれかに記載の画像形成装置又はプロセスカートリッジ。
  45. 使用されるトナーが、水系媒体中にポリエステル系樹脂からなるトナー組成物を分散せしめ、トナー粒子を形成させるトナーの製造方法で、無機分散剤または微粒子ポリマーの存在下で水系媒体中に分散したポリエステル樹脂から得られるイソシアネート基含有プレポリマーをアミン類により伸長反応及び/又は架橋反応させ、得られた乳化分散液から溶媒を除去することにより得られるトナーを装填したことを特徴とする請求項1〜44のいずれかに記載の画像形成装置又はプロセスカートリッジ。
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