JP4228529B2 - 静電潜像現像用トナー、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等に用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーとも云う)とこれを用いた画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体(以下、単に感光体とも云う)の表面に形成したトナー画像を接触転写方式を用いて紙又はプラスチックのシート状の転写材に転写する工程では、転写ロール、ドラム或いはベルト等で構成される転写装置を感光体に弾性的に押圧し、且つバイアス電圧印加下にトナー画像の転写が転写材に行われる。
【0003】
しかし、導電性ゴム等を用いた導電性ゴムローラ或いは導電性ゴム上に誘電体層を設けた誘電ローラ等を介して直接転写材に印加し、これにより発生した電界でトナー画像を転写する接触転写方式では、トナー画像を転写する工程で文字の中抜け欠陥がしばしば発生する。これはトナー同士の凝集力或いは流動性と関係があり、トナー同士の凝集力が低く、トナーの流動性が良いものは文字の中抜け欠陥が発生しにくいことが判っているが、その他の要因が複雑に関わり、文字の中抜け欠陥を解決する有効な手段は未だ提案されていないのが現状である。
【0004】
又、感光体から中間転写体へ、中間転写体から転写材へ電界でトナー画像を転写する転写法では、転写電流が印加されるため、ある程度の圧力を感光体と中間転写体の間にかける必要がある。圧力がかけられた場合、感光体上のトナー画像にも圧力が加わり、トナーの凝集が発生しやすく文字の中抜けが起こりやすい。
【0005】
さらに感光体表面が樹脂で構成されている場合には、トナーの凝集物と感光体との間でも密着が発生し、転写材への転写が阻害され、極端な場合は感光体表面にトナーがフィルム状に固着してしまい画像欠陥が発生する。公知のトナーは加圧により凝集し易く、現時点では中抜け欠陥の発生、転写率の低下、感光体へのトナーフィルミングを防止することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、接触転写方式で画像を形成した時、画像の中抜け欠陥、転写率低下及び感光体へのトナーフィルミングの問題が発生しないトナー、画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、上記請求項1〜51の何れか1項に記載の発明を採用することにより達成される。本発明の課題を解決する手段は以下の項目を主としたものである。
【0008】
1.感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
【0009】
2.感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
【0010】
3.感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上、形状係数の変動係数が16%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
【0011】
4.感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
【0012】
5.感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
【0013】
6.感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
【0017】
7. 前記1〜6項のいずれか1項に記載の画像形成方法を用い、クリーニング、静電潜像形成、現像、転写、定着の工程を有することを特徴とする画像形成装置。
【0018】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
(1)画像の中抜け発生原因
感光体の表面が樹脂で構成されている場合は、トナーの凝集物と感光体の間でも密着が発生し、転写材へトナーの移行が阻害され、極端な場合、密着が強固な部分が全く転写せず、画像が欠損する現象が起こる。
【0019】
この現象は0.1〜2.0mmのライン部に於いて特に顕著に発生する。これは、ライン部ではエッジ現象により、トナーが多くのり、加圧により凝集が起こりやすい。この時の転写画像は輪郭部のみが形成された画像となり、「中抜け」とよばれる画像欠陥が発生し問題である。
【0020】
図1に中抜けの例を示す。図中(a)は中抜けの無い正常な画像であり、(b)は中抜けの発生した問題画像である。
(2)転写率低下
接触転写部で加圧されたトナーは転写材への移行が阻害され、感光体表面に残り転写率が低下する。転写材へ移行しなかったトナーは画像形成に役立たないため、転写率が低くなるほど画像濃度も低くなり問題である。
(3)トナーフィルミングの発生
感光体表面に残ったトナーはクリーニングブレードで除去することになるが、転写率が低下し、感光体表面に残るトナーが増えると、クリーニングブレードにより除去されるトナー量も増え、クリーニングブレードによりトナーが感光体表面にこすりつけられる機会が多くなる。こすりつけられることにより感光体表面にトナーがフィルム状に固着する現象(トナーフィルミング)が発生する。トナーフィルミングが発生すると、実写時にカブリの画像欠陥が発生し問題である。
【0021】
本発明者らは、トナーの形状係数の変動係数、個数粒度分布における個数変動係数及び凝集率等が本発明の課題を解決するために重要であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0022】
文字の「中抜け」は、転写の押圧時にトナーが凝集し、転写されずに感光体上に残ることが原因と推定し、トナー凝集の発生防止について種々検討した。その結果、トナーの形状及び円形度が均一であればトナー同士の接点が減少し、トナーの角がトナーの隙間に入り込むという形態も減少するためトナー凝集が発生しなくなり、中抜けの発生が防止出来ることを見いだした。
【0023】
又、90%以上の高い「転写率」を得る方法についても検討し、転写材を転写部で積極的に押圧支持する時、間に挟まるトナーの形状及び粒径が均一であれば、転写材と感光体の距離が均一にして最小となり所望の転写電界がかかり高い転写率が得られることを見いだした。
【0024】
さらに、感光体の「トナーフィルミング」発生を防止する方法についても検討し、トナーの形状及び円形度が均一であれば、トナーと感光体の付着力が均等に分散し、一点に応力が集中することがなくなり、感光体へのトナーフィルミングも防止出来ることを見いだした。
【0025】
本発明者らは、鋭意検討した結果、トナーを特定の形状及びその分布、凝集率、角の存在の有無及び粒度分布を揃えることにより、接触転写方式を用い、多数枚の画像の形成を行っても文字の「中抜け」が発生しない、高い「転写率」が確保出来且つ感光体上に「トナーフィルミング」が発生しないことを見いだした。
【0026】
本発明者らは鋭意検討した結果、「形状係数の変動係数」が16%以下であり、「個数粒度分布における個数変動係数」が27%以下であり、「20℃、50%RHの環境下に12時間以上放置後のトナー凝集率(以下、単に凝集率ともいう)」が3〜35%であるトナーを使用し、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものを用いる画像形成方法により、本発明の問題を解決出来ることを見いだし、本発明の完成に至ったものである。すなわち、トナー自体の形状の分布を均一化すること等により、高い「転写率」を得るとともに、トナーの凝集を抑制し、転写による「中抜け」画像欠陥の発生を防止し、「トナーフィルミング」を抑制することが出来るものである。
【0027】
又、本発明者らは鋭意検討した結果、「角が無いトナー粒子」では、トナーの耐凝集性が向上するため形状のバラツキが多少大きくても、同様の効果を発揮することを見いだした。すなわち、角が無いトナー粒子が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを使用することで本発明の完成に至ったものである。
【0028】
図2に角が無いトナー(a)及び角があるトナー(b)、(c)のモデル図を示す。
【0029】
さらに、本発明者らは鋭意検討した結果、特定の形状についてその形状を揃えた場合にも、転写押圧部におけるトナーと感光体にかかる負荷を均一化することが出来、同様の効果を発揮することを見いだした。すなわち、形状係数の変動係数が16%以下であり、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であるトナーを使用することで本発明の目的を解決することが出来ることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0030】
本発明者らは、「中抜け」及び「トナーフィルミング」が多いトナー粒子について検討を行った結果、画像形成工程を繰り返した場合には、形が不揃いなトナー粒子及び角となる部分を有するトナー粒子が「トナーフィルミング」し、転写押圧時に凝集を引き起こすトナーが「中抜け」画像不良を多く発生する傾向を見い出した。この理由については明確ではないが、トナー粒子の形が不揃いである場合には、感光体及びトナーの一点に応力が集中し、部分的に過大なストレスが加わることによると推定している。
【0031】
又、このようなストレスの加わり方の違いは、トナー粒子の粒径によっても異なり、粒径の小さいものの方が感光体への付着力が高いために、クリーニング部材を減耗しやすい結果となった。トナー粒子径が大きいものでは、このような減耗は減少するが、解像度等の画質が低下する問題が発生する。
【0032】
以上の観点より検討を加えた結果、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下、トナー凝集率が3〜35%であるトナーを使用することで、転写率、細線再現性に優れ、高品位な画像を長期にわたって形成することが出来ることを見いだし、本発明の完成に至ったものである。
【0033】
又、角が無いトナー粒子を50個数%以上とし、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下に制御することによっても、転写率、細線再現性に優れ、高品位な画像を長期にわたって形成することが出来ることを見いだし、本発明の完成に至ったものである。
【0034】
さらに、トナーを特定の形状としてその形状を揃えた場合にも、「トナーフィルミング」及び「中抜け」画像不良が減少することを見いだした。すなわち、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナーを使用することでも、転写率、細線再現性に優れ、高品位な画像を長期にわたって形成することが出来ることを見いだし、本発明の完成に至ったものである。
【0035】
本発明のトナーの形状係数は、下記式(1)により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0036】
式(1) 形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積
式中、最大径はトナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだ時、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅を示す。又、投影面積はトナー粒子の平面上への投影像の面積を示す。
【0037】
形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、次いで「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用してその写真画像の解析を行い求めた。形状係数は100個のトナー粒子を解析して求めたものである。
【0038】
前記項目の(1)及び(2)に於いては、この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは70個数%以上である。
【0039】
この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像剤搬送部材等での摩擦帯電性がより均一となり、過度に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面よりトナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナーの帯電性が安定する。
【0040】
又、前記項目の(3)に於いては、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上とすることが必要であり、好ましくは、70個数%以上である。
【0041】
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。具体的にはトナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、トナー粒子を気相中に於いて衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法或いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.0〜1.6、又は1.2〜1.6にしたトナーを作製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して作製する方法がある。又、重合法トナーを作製する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6、又は1.2〜1.6に調製したトナーを同様に通常のトナーへ添加して作製する方法がある。
【0042】
上記方法の中では重合法トナーが作製方法として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0043】
本発明のトナーの形状係数の変動係数は下記式(2)から算出される。
式(2) 変動係数=(S/K)×100(%)
式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。
【0044】
この形状係数の変動係数は16%以下であり、好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して転写率が向上し、「中抜け」及び「トナーフィルミング」が発生しにくくなる。又、帯電量分布がシャープとなり、画質が向上する。
【0045】
重合トナーを作製する時、形状係数及び形状係数の変動係数を、ロットのバラツキが無く、且つ均一に制御するには、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制御させる工程で、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めるのが好適である。
【0046】
モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。
【0047】
即ち、形状等の測定装置をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは融着させることで作製する重合法トナーでは、融着等の工程で逐次サンプリングを実施して形状や粒径を測定し、所望の形状や粒径になった時点で反応を停止する。
【0048】
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することが出来る。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリング出来るため好適である。すなわち、反応装置よりポンプ等を使用し測定サンプルを取り出し、常時モニターし、形状等の測定を行い、所望の形状等になった時点で反応を停止するものである。
【0049】
本発明のトナーの個数粒度分布及び個数変動係数はコールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定することが出来る。本発明に於いてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機社製)にパーソナルコンピューターを接続して行った。
【0050】
個数粒度分布及び個数平均粒径は前記コールターマルチサイザーに径100μmのアパーチャーをセットして測定したデーターからコンピューターを用いて算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。
【0051】
トナーの個数粒度分布における個数変動係数は下記式(3)から算出される。
式(3) 個数変動係数=(S/Dn)×100(%)
式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。
【0052】
本発明のトナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。又、帯電量分布がシャープとなり、高い転写率が得られ画質が向上する。
【0053】
本発明の個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用出来るが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる遠心沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し作製する方法がある。
【0054】
特に懸濁重合法によりトナーを作製する場合、個数粒度分布に於ける個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザー等による機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなる。従って、これを重合して得られるトナーは粒度分布が広いものとなるため、分級操作が必須となる。
【0055】
本発明の角が無いトナー粒子とは、電荷の集中するような突部又はストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を云い、具体的には以下のトナー粒子を角が無いトナー粒子という。
【0056】
すなわち、図2に示すように、トナー粒子の長径をL、L/10を半径Rとする円で、トナー粒子周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、全く円がトナーの外側に実質的にはみださない場合を「角が無いトナー粒子」という。実質的にはみ出さない場合とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下をいう。又、トナー粒子の長径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。
【0057】
角が無いトナーの測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真画像を得る。次いでこの写真画像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
【0058】
本発明のトナーに於いて、角が無いトナー粒子の割合は50個数%以上が好ましく、70個数%以上がより好ましい。角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、現像剤搬送部材等とのストレスにより微細な粒子の発生等がなくなり、いわゆる現像剤搬送部材表面に対する付着性の過度なトナーの存在を防止することが出来るとともに、現像剤搬送部材に対する汚染を抑制することが出来、帯電量もシャープにすることが出来る。又、摩耗、破断しやすいトナー粒子及び電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成することが出来る。
【0059】
角が無いトナーを得る方法は特に限定されるものではない。具体的には、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、トナー粒子を気相中に於いて衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法或いはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって作製する方法等がある。
【0060】
又、樹脂粒子を会合或いは融着させることで形成する重合法トナーに於いては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、撹拌翼の回転数及び撹拌時間等の条件を適当に制御することにより、角が無いトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点以上の温度で、高速回転することにより、表面は滑らかとなり、角が無いトナーが形成出来る。
【0061】
本発明に用いるトナーの粒径は、個数平均粒径で好ましくは2.2〜9μmのものが、より好ましくは3〜8μmのものである。この粒径は、粉砕法によりトナー粒子を形成させる場合には粉砕と分級条件により、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、又は融着時間、さらには重合体自体の組成により制御することが出来る。
【0062】
個数平均粒径が2.2〜9μmであることにより、現像工程に於いて、現像剤搬送部材に対する付着力の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なくすることが出来、現像性を長期に渡って安定化することが出来るとともに、高い転写率が得られ、細線やドット等の画質が向上する。
【0063】
本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とする時、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含まれるトナー粒子の「相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)」が70%以上であることが好ましい。
【0064】
「相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)」が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を抑制することが出来る。
【0065】
前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の測定条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、コンピュータに於いて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0066】
測定条件
(1)測定アパーチャー径:100μm
(2)サンプル調製:電解液(ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製))50〜100mLに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて撹拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより測定液を調製する。
【0067】
本発明のトナーの凝集率は3〜35%であり、好ましくは8〜22%であり、より好ましくは9〜18%である。3%未満であるとトナーの流動性が良すぎて機内にトナーが飛散し機内汚れを発生し好ましくない。又35%を越えると「中抜け」が発生したり、「転写率」が低下したりして好ましくない。
【0068】
凝集率とは、下記測定方法で篩上に残ったトナー質量を下記式(4)にあてはめ求めたものである。
【0069】
凝集率の測定は、予めトナーを20℃、50%RHの環境下に12時間放置し、同環境にてパウダーテスター(ホソカワミクロン社製)に目開き篩1:45μm、篩2:75μm、篩3:150μmの3段の試験篩をセットし押さえバー、ノブナットで固定し、振り幅1mmに設定し、次いでトナー2gを秤量し、一番上の篩3に乗せ、90秒間振動を加え、篩上の量を求めることにより行う。
【0070】
式(4) 凝集率=A+B+C
A=篩3上に残ったトナー質量×100/2
B=篩2上に残ったトナー質量×100/2×3/5
C=篩1上に残ったトナー質量×100/2×1/5
(トナー)
本発明に好ましく用いられるトナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合粒子を作製し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で作製することが出来る。会合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤等の分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤等のトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法等があげられる。ここで会合とは樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
【0071】
即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機等で重合性単量体に各種構成材料を溶解或いは分散させる。この各種構成材料が溶解或いは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザー等を使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、撹拌機構が後述の撹拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
【0072】
尚、本発明に於ける水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0073】
又、本発明のトナーを作製する方法として樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは融着させて調製する方法も挙げることが出来る。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることが出来る。すなわち、樹脂粒子と着色剤等の構成材料の分散粒子、或いは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、撹拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、トナーを形成することが出来る。なお、ここに於いて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
【0074】
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することが出来る。
【0075】
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0076】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることも出来る。
【0077】
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することが出来る。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることが出来る。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等の過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤等を挙げることが出来る。
【0078】
又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが出来る。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることが出来る。
【0079】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることが出来る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することが出来る。
【0080】
本発明に用いられるトナーに於いて優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することが出来る。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、質量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0081】
使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることが出来る。これらは組み合わせて使用してもよい。
【0082】
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分及び分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学 17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることが出来る。又、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることも出来る。
【0083】
本発明に用いられる凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0084】
無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対して無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明に於いては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることが出来る。特に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
【0085】
この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%が好ましい。
【0086】
尚、形状を均一化させるためには、着色粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ましいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが好ましい。この理由としては、極性基が存在している重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮するために、形状の均一化が特に図られやすいものと考えられる。
【0087】
本発明に用いられるトナーは樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することも出来る。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものであってもよい。
【0088】
本発明に用いられるトナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することが出来、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事が出来る。
【0089】
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることが出来、又これらの混合物も用いることが出来る。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることが出来、これらの混合物も用いることが出来る。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0090】
着色剤の添加方法としては、乳化重合法で調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集させる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とする方法等を使用することが出来る。なお、着色剤は重合体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
【0091】
さらに、定着性改良剤としての低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0092】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することが出来るものを使用することが出来る。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩或いはその金属錯体等が挙げられる。
【0093】
尚、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0094】
いわゆる重合性単量体中に着色剤等のトナー構成成分を分散或いは溶解したものを水系媒体中に懸濁し、次いで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れを制御することによりトナー粒子の形状を制御することが出来る。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化することで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となった粒子が得られる。又、形状係数が1.2より小さい球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることにより球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形状の分布を本発明の範囲内に制御出来るものである。
【0095】
懸濁重合法に於いては、特定の撹拌翼を使用することで、乱流を形成することが出来、形状を容易に制御することが出来る。この理由として、明確では無いが一般的に使用されている図3に示される様な撹拌翼の構成が一段の場合には、撹拌槽内に形成される媒体の流れが撹拌槽の下部より上部への壁面を伝って動く流れのみになる。そのため、従来では一般的に撹拌槽の壁面等の邪魔板を配置することで乱流を形成し、撹拌の効率を増加することがなされている。しかし、この様な装置構成では、乱流が一部に形成されるものの、むしろ乱流の存在によって流体の流れが停滞する方向に作用し、結果として粒子に対するズリが少なくなるために、形状を制御することができない。
【0096】
好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた撹拌槽について図を用いて説明する。
【0097】
図3は従来よく用いられた撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す概要図である。
図4はより好ましい撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す概要図である。撹拌槽の外周部に熱交換用のジャケット1を装着した縦型円筒状の撹拌槽2内の中心部に回転軸3を垂設し、該回転軸3に撹拌槽2の底面に近接させて配設された下段の撹拌翼4と、より上段に配設された撹拌翼5がある。上段の撹拌翼5は、下段に位置する撹拌翼4に対して回転方向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明に於いては交差角αは90度未満がよい。この交差角の下限は特に限定されるものでは無いが、5°程度以上、好ましくは10度以上あればよい。これを上面断面図で示したのが図5である。もし3段以上の場合は、それぞれ隣接している撹拌翼間で交差角αが90度未満であればよい。
【0098】
この構成とすることで、上段に配設されている撹拌翼によりまず媒体が撹拌され、下側への流れが形成される。次いで、下段に配設された撹拌翼により、上段の撹拌翼で形成された流れがさらに下方へ加速されるとともにこの撹拌翼自体でも下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速されて進行するものと推定される。この結果、乱流として形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるために、トナーの形状を制御できるものと推定される。
【0099】
尚、図4中、矢印は回転方向を、7は上部材料投入口を8は下部材料投入口を表す。又、9は撹拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0100】
図5は図4の上面断面図である。
ここに於いて撹拌翼の形状については、特に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠きのあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるスリットがあるもの等を使用することが出来る。
【0101】
図6は撹拌翼の形状の概要図を示す。図6中(a)は撹拌翼に中孔部のないもの、(b)は中央に大きな中孔部6があるもの、(c)は横長の中孔部6があるもの、(d)は縦長の中孔部6があるものである。又、これらは上段と下段で中孔部6が異なるものを用いても、同一のものを用いても良い。
【0102】
又、この撹拌翼の構成として使用することができる好ましい構成の例を図7〜11に示す。
【0103】
図7は下段の撹拌翼にスリットを有すると共に端部に折り曲げと突起を有する撹拌槽の概要図を示す。
【0104】
図8は撹拌翼の端部に突起及び又は端部に折り曲げ部を有する撹拌槽の概要図を示す。
【0105】
図9は撹拌翼の構成が3段である撹拌槽の概要図を示す。
図10は上段の撹拌翼に空隙があり下段の撹拌翼の端部に折り曲げと突起を有する撹拌槽の概要を示す。
【0106】
図11は上段の撹拌翼の端部に突起と下段の撹拌翼の端部に折り曲げを有する撹拌槽を示す。なお、撹拌翼の端部における折り曲げ部の角度は5〜45度程度が好ましい。
【0107】
これら折り曲げ部や上部或いは下部への突起を有する構成を持つ撹拌翼は、乱流を効果的に発生するものである。
【0108】
なお、上記の構成を有する上段と下段の撹拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、撹拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の流れが形成されるため、撹拌効率が向上するものと考えられる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅である。
【0109】
さらに、撹拌翼の大きさは特に限定されるものでは無いが、全撹拌翼の高さの総和が静置状態での液面高さの50〜100%、好ましくは60〜95%がよい。
【0110】
又、懸濁重合法に於いて層流を形成させる場合に使用される撹拌翼及び撹拌槽の一例を図4に示す。撹拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を設けないことが特徴である。撹拌翼の構成については、前述の乱流を形成させる場合に使用される撹拌翼と同様に、上段の撹拌翼が、下段の撹拌翼に対して回転方向に先行した交差角αを持って配設された、多段の構成とすることが好ましい。
【0111】
この撹拌翼の形状については、乱流を形成させないものであれば特に限定されないが、図4の方形板状のもの等、連続した面により形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0112】
一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器内の媒体の流れ及び温度分布を制御することで、さらには融着後の形状制御工程に於いて加熱温度、撹拌回転数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布及び形状を任意に変化させることが出来る。
【0113】
即ち、樹脂粒子を会合或いは融着させる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる撹拌翼及び撹拌槽を使用して、融着工程及び形状制御工程での温度、回転数、時間を制御することにより、本発明の形状係数及び均一な形状分布を有するトナーを形成することが出来る。この理由は、層流を形成させた場で融着させると、凝集及び融着が進行している粒子(会合或いは凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速された層流に於いては撹拌槽内の温度分布が均一である結果、融着粒子の形状分布が均一になると推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、撹拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形状を任意に制御出来る。
【0114】
樹脂粒子を会合或いは融着させる重合法トナーに使用される撹拌翼及び撹拌槽としては、前述の懸濁重合法に於いて層流を形成させる場合と同様のものが使用でき、例えば図11に示すものが使用出来る。撹拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を設けないことが特徴である。撹拌翼の構成については、前述の懸濁重合法に使用される撹拌翼と同様に、上段の撹拌翼が、下段の撹拌翼に対して回転方向に先行した交差角αを持って配設された、多段の構成とすることが好ましい。
【0115】
この撹拌翼の形状についても、前述の懸濁重合法に於いて層流を形成させる場合と同様のものが使用でき、乱流を形成させないものであれば特に限定されないが、図4の方形板状のもの等、連続した面により形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0116】
又、本発明のトナーには、外添剤として無機微粒子や有機微粒子等の微粒子を添加して使用することが出来る。外添剤を添加することによりトナーの流動性の向上、帯電特性維持等をはかることが出来る。
【0117】
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア及びアルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、疎水化度(メタノールウェッタビリティー)が40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mLのビーカー中に入れた蒸留水50mLに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せきされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(mL)とした場合に、下記式(5)により疎水化度が算出される。
【0118】
式(5) 疎水化度=(a/(a+50))×100
外添剤の添加量としては、好ましくはトナー中に0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.5〜4.0質量%である。又、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0119】
次に、本発明に係る数値について、従来知られているトナーの数値を説明する。この数値は作製方法により異なるものである。
【0120】
粉砕法により作製したトナーの場合、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子は60個数%程度である。このものの形状係数の変動係数は20%程度である。又、粉砕法では破砕を繰り返しながら粒径を小さくするために、トナー粒子に角部分が多くなり、角が無いトナー粒子の割合は30個数%以下である。従って、形状を揃えて、角が無く、丸みのあるトナーを得ようとする場合には、形状係数を制御する方法として前記した様に熱等により球形化する処理が必要となる。又、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後の分級操作が1回である場合には、30%程度であり、個数変動係数を27%以下とするためには、さらに分級操作を繰り返す必要がある。
【0121】
懸濁重合法により作製したトナーの場合、従来は層流中に於いて重合されるため、ほぼ真球状のトナー粒子が得られ、例えば特開昭56−130762号公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が20個数%程度となり、又形状係数の変動係数も18%程度となり、更に角が無いトナー粒子の割合も85個数%程度となる。又、個数粒度分布における個数変動係数を制御する方法で記した様に、重合性単量体の大きな油滴を、機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくするため、油滴径の分布は広くなり、従って得られるトナーの粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度と大きいものであり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0122】
樹脂粒子を会合或いは融着させることで形成する重合法により作製したトナーの場合、例えば特開昭63−186253号公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子は60個数%程度であり、又形状係数の変動係数は18%程度であり、更に角が無いトナー粒子の割合は55個数%程度である。さらに、トナーの粒度分布は広く、個数粒度分布における個数変動係数は30%であり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0123】
(感光体)
本発明に用いられる感光体は、導電性支持体上に感光層を設けてなる構成であって、感光層は下引き層と表面層から成り、表面層は電荷発生層と電荷輸送層から成り、該感光層の表面層が平均分子量10,000〜100,000のポリカーボネートを含有するものである。好ましくは感光体が表面保護層を有し、且つ該表面保護層が架橋構造を有するシロキサン樹脂を含有するものであり、より好ましくは前記シロキサン樹脂を含有する表面保護層が電荷輸送性の構造単位を架橋構造の一部に含むものである。
【0124】
表面層のバインダー樹脂としては、平均分子量10,000〜100,000のポリカーボネートを用いると耐トナーフィルミング性等の点で好ましい。ポリカーボネートの平均分子量が10,000未満の場合は表面層の膜強度が弱くなり、100,000を越えると表面層が不均一になり好ましくない。
【0125】
シロキサン樹脂を含有する表面保護層は感光体の寿命を延ばすと共に、トナーフィルミングされにくく耐トナーフィルミング性の観点からも好ましい。
【0126】
本発明に用いられる感光体の層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有する単層型感光層)等の感光層とその上に保護層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、前記電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層が複数の層から構成されていてもよい。
【0127】
感光層に含有される電荷発生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われる。
【0128】
前記感光層に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0129】
単層構成の感光層及び積層構成の場合の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0130】
本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物質とバインダー樹脂との割合は質量比で1:5〜5:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0131】
又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥することによって形成される。電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合割合は質量比で3:1〜1:3が好ましい。
【0132】
電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特に10〜40μmが好ましい。又、電荷輸送層が複数設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μm以下が好ましく、且つ電荷輸送層の上層の下に設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0133】
架橋構造を有するシロキサン系樹脂層は、前記電荷輸送層を兼ねても良いが、好ましくは電荷輸送層もしくは電荷発生層或いは単層型の電荷発生・輸送層等の感光層の上に、これらとは別層として設けるのがよい。この場合、前記感光層と本発明の樹脂層の間に接着層を設けるのが更に良い。
【0134】
本発明に用いられる導電性支持体の材料としては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられる。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0135】
本発明に用いられる電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を形成するための架橋性(硬化性ともいう)シロキサン樹脂は公知の方法により、即ち、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造される。該有機ケイ素化合物は下記一般式(A)〜(D)のいずれかの構造を有している。
【0136】
【化1】
【0137】
式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Zは水酸基又は加水分解性基を表す。
【0138】
上記一般式中のZが加水分解性基の場合は、加水分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0139】
本発明に用いられる電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を形成する硬化性シロキサン樹脂の原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めることが可能である。従って、これらをコントロールすることにより得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来る。
【0140】
又、前記硬化性樹脂の原料としては前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分解縮合物を用いることもできる。
【0141】
尚、硬化性シロキサン樹脂とは前記の如く、予め有機ケイ素化合物を重合させシロキサン結合を有するオリゴマー、ポリマーとしたものである。そしてさらに重合や架橋反応により3次元網目構造を形成し、硬化する能力を持つ樹脂を意味する。即ち、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ、その結果生成したシロキサン樹脂を意味する。
【0142】
又、前記表面層は硬化性シロキサン樹脂中に水酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂層としてもよい。
【0143】
電荷輸送性能の定義としては、通常のTime−Of−Flight法の電荷輸送能を検知できる公知の方法にて、電荷輸送に起因する検出電流が得られるものとして表現することがきる。
【0144】
本発明に於いて、電荷輸送性能を有する構造単位とはこの部分構造自体が電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示すもの(電荷輸送能付与基)である。本発明に用いるシロキサン樹脂は、電荷輸送物質として用いられる化合物(以後電荷輸送性化合物又はCTMとも云う)を部分構造として有しているか、これと反応して部分構造とすることが出来る樹脂である。
【0145】
上記電荷輸送性化合物としは、例えば正孔輸送型CTM:キサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、スチルベン、アミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を有するものである。
【0146】
一方、電子輸送型CTMとしては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸等の構造を有する。
【0147】
好ましい電荷輸送能付与基は、前記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物を含み、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子を介して或いは該電荷輸送性化合物を部分構造として有する化合物の炭素原子を介して下記一般式中Yの連結原子又は連結基を介して硬化性シロキサン樹脂中に組み込まれているか、あるいは組み込まれるものである。
【0148】
【化2】
【0149】
Xは電荷輸送能付与基であって、該付与基を構成する炭素原子を介して式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価以上の原子又は基である。但し、Yが3価以上の原子の時は上式中のSiとC以外のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0150】
又、上記一般式で示される化合物において、Y原子として、特に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。窒素原子(N)の場合は、NRとなり、Rは水素原子または1価の有機基を表す。
【0151】
電荷輸送付与基Xは上記一般式中では1価の基として図示されているが、シロキサン硬化性樹脂と反応させる電荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0152】
前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞれ電荷輸送能を有する化合物中に導入された水酸基、メルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機珪素化合物との反応によって形成され、硬化性シロキサン樹脂中に電荷輸送化合物を部分構造として取り込む連結基である。
【0153】
次に水酸基、メルカプト基、アミン基を有する電荷輸送性化合物についてさらに具体的に説明する。
【0154】
水酸基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有している化合物である。即ち、代表的には有機ケイ素化合物と結合して、シロキサン系樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよい。
【0155】
X−(R7−OH)m m≧1
ここにおいて、
X:電荷輸送能付与基、
R7:結合手、各置換または無置換のアルキレン基或いはアリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0156】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を電荷輸送能付与基(X)として有し、Xを構成する炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有する化合物である。
【0157】
本発明では感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、現像剤にて現像し形成したトナー画像を接触転写方式を用いて転写材に転写しその後分離、定着及びクリーニングの各工程を繰り返して、多数枚の画像が形成される。
【0158】
(転写ロール)
感光体表面から転写材へのトナー画像の転写は、転写ロールを感光体に弾性的に押圧し、且つバイアス電圧印加下にトナー画像の転写が行われる。前記転写ロールとしては、ゴム或いは多孔性発泡体等から成る弾性体が用いられる。例えば(1)ブリヂストン社製イオン導電タイプ、(2)ブリヂストン社製電子導電タイプ、(3)トーヨーポリマー社製発泡ウレタンルビセルタイプ、(4)住友ゴム工業社製イオン導電タイプ、(5)住友ゴム工業社製EPDMタイプ、(6)住友ゴム工業社製エピクロロヒドリンタイプ、(7)イノアックコーポレーション社製ENDURイオン導電タイプ、(8)タイガースポリマー社製発泡シリコーンタイプ、(9)北辰工業社製発泡ウレタンタイプ、(10)信越ポリマー社製発泡シリコーンタイプ或いは(11)日東工業社製カーボンブラック含有ルビセル発泡タイプ等の各種タイプの転写ロールが挙げられるが、好ましくは発泡タイプのものである。
【0159】
本発明に用いられる画像形成方法では、感光体表面のトナー画像を転写材へ良好に転写をするには、感光体に対する転写ロールの押圧力は2.5〜100kPaが好ましく、10〜80kPaがより好ましい。
【0160】
前記押圧力が2.5〜100kPaであると、トナー画像の転写が十分となり、又感光体表面へトナー中の離型剤が転写されることを防止出来、画像欠陥の発生も防止出来る。又、転写ロールの押圧解除の際の衝撃が小さくなり、転写ズレによる画像欠陥を防止し、感光体の損傷等も防止出来る。
【0161】
又、前記転写ロールに求められる特性としては、例えば反発弾性率、電気抵抗、表面硬度等が重要である。
【0162】
前記転写ロールの弾性体の反発弾性率としては、好ましくは30〜70%である。前記反発弾性が30〜70%であるとトナー画像の転写に十分な感光体への押圧力が得られるので、良好な転写率が得られ、且つ転写時の衝撃が小さく出来るので、転写ズレ等の画像欠陥の発生を防止出来る。なお前記反発弾性率はJIS K7311の測定法により測定される。
【0163】
又、前記転写ロールはトナー画像転写のためのバイアス電圧印加を可能とするため適度の導電性が必要であり、下記測定法で測定した電気抵抗値が1×103〜1×1013Ωであることが好ましい。
【0164】
測定法
直径16mm、長さ310mmの回転軸の上に肉厚4mmの弾性体をもうけた転写ロールを、直径30mmのアルミニウム素管に17kPaの力で押圧し、20℃、50%RHの環境下で、転写ロールの回転軸とアルミニウム素管間の電気抵抗値を測定する。
【0165】
又前記弾性体のアスカーC硬度計による表面硬度は20〜70度である。アスカーC硬度が20〜70度の硬度を有する弾性体からなる転写ロールは、転写が適正に行われ、転写ズレ等の画像欠陥が発生せず好ましい。
【0166】
本発明の多数枚の画像を形成する画像形成方法に用いた画像形成装置を図に基づいて説明する。
【0167】
尚、本発明の多数枚の画像を形成する画像形成方法とは、感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法を云う。
【0168】
図12は転写ロールを用いた画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
図12に於いて感光体10は矢印方向に回転する有機感光体であり、11は前記感光体に一様な帯電を付与する帯電器であり、帯電器はコロナ放電器、ローラ帯電器、磁気ブラシ帯電器であってもよい。12はアナログ像露光又は半導体レーザー、発光ダイオード等を用いたデジタル像露光光であり、該像露光光により感光体上に静電潜像が形成される。この静電潜像は体積平均粒径2.2〜9μmの微粒子トナーを含有する現像剤を収納する現像器13により接触又は非接触で現像されて、前記感光体上にトナー画像が形成される。
【0169】
前記トナー画像はタイミングを合わせて搬送された転写材P上に転写ロール15により直流バイアス印加下、感光体への押圧力2.5〜100kPa、好ましくは10〜80kPaで転写される。
【0170】
前記転写ロール15へバイアス印加する直流バイアスの電源16は、好ましくは定電流電源又は定電圧電源であり、前記定電流電源の場合は5〜15μAであり、定電圧電源の場合は絶対値で400〜1500Vである。
【0171】
前記転写ロール15により画像が転写された転写材Pは感光体10から分離極14により分離され図示しない定着器へと搬送されて加熱定着される。
【0172】
転写後の感光体表面は、クリーニングブレード17によりクリーニングされ、その後除電ランプ(PCL)18で除電されて次の画像形成に備えられる。なお19は給紙ローラであり、20は定着器である。
【0173】
(中間転写体)
感光体から転写材へトナー画像の転写は、中間転写体を用いる方式でも行うことが出来る。即ち、各々4色の現像剤ごとに画像形成部(画像形成ユニット)を設け、各画像形成部に於いて各感光体に各色ごとの可視画像を形成し、これら可視画像を中間転写体に順次転写し、一括して転写材(通常は普通紙であるが、転写可能なものであれば特に限定はない)に転写後、定着してカラー画像を得る方式にも好ましく用いることが出来る。
【0174】
複数色の画像を画像形成部にて形成し、これを同一中間転写体に順次重ねて転写するようにした画像形成方法を図に基づいて説明する。
【0175】
図13は中間転写体(転写ベルト)を用いた画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
【0176】
図13に於いて、カラー画像を得るため画像形成装置は、複数個の画像形成ユニットを備え、各画像形成ユニットにてそれぞれ色の異なる可視画像(トナー画像)を形成し、該トナー画像を同一中間転写体に順次重ねて転写するような画像形成方法である。
【0177】
ここでは、第1、第2、第3及び第4の画像形成ユニットPa,Pb,Pc及びPdが並設されており、該画像形成部はそれぞれ静電潜像形成体である感光体1a,1b,1c及び1dを具備している。
【0178】
感光体1a、1b、1c及び1dはその外周側に潜像形成部2a,2b,2c及び2d、現像部3a,3b,3c及び3d、転写放電部4a,4b,4c及び4d、クリーニング部材及びゴムブレードを有するクリーニング器5a,5b,5c及び5d、帯電器6a,6b,6c及び6dが配置されている。
【0179】
このような構成にて、先ず、第1画像形成ユニットPaの感光体1a上に潜像形成部2aによって原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成される。該潜像は現像部3aのイエロートナーを含有する現像剤で可視画像とされ、転写放電部4aにて、転写ベルト21に転写される。
【0180】
一方、上記のようにイエロートナー画像が転写ベルト21に転写されている間に、第2画像形成ユニットPbではマゼンタ成分色の潜像が感光体1b上に形成され、続いて現像部3bでマゼンタトナーを含有する現像剤で可視画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー画像)は、上記の第1画像形成ユニットPaでの転写が終了した転写ベルトが転写放電部4bに搬入されたときに、該転写ベルト21の所定位置に重ねて転写される。
【0181】
以下、上記と同様な方法により第3,第4の画像形成ユニットPc,Pdによってシアン成分色、ブラック成分色の画像形成が行われ、上記同一の転写ベルト上に、シアントナー画像、ブラックトナー画像が重ねて転写される。このような画像形成プロセスが終了した時点で、転写ベルト21上に多色重ね合せ画像が得られる。一方、転写が終了した各感光体1a,1b,1c及び1dはクリーニング器5a,5b,5c及び5dにより残留トナーが除去され、引き続き行われる次の潜像形成のために供せられる。
【0182】
尚、前記画像形成装置では、転写ベルト21が用いられており、図13に於いて、転写ベルト21は右側から左側へと搬送され、その搬送過程で、各画像形成ユニットPa,Pb,Pc及びPdにおける各転写放電部4a,4b,4c及び4dを通過し、各色転写画像が転写される。
【0183】
転写ベルト21が第4画像形成ユニットPdを通過すると、AC電圧が分離除電放電器22dに加えられ、転写ベルト21は除電され、転写材Pにトナー像が一括転写される。その後転写材Pは定着装置23に入り、定着され、排出口25から排出される。
【0184】
尚、図中、22a、22b、22c及び22dは分離除電放電器である。
又、トナー像の転写を終えた転写ベルト21は、ブラシ状クリーニング部材とゴムブレードを併用したクリーニング器24により、転写残トナーがクリーニングされて、次の画像形成に備えられる。
【0185】
尚、前記した如く、搬送ベルトの如き長尺の転写ベルト21を用いて、その上に多色重ね合わせ像を作り、それを転写材に一括転写する構成にしても、その画像形成ユニットにそれぞれ独立した転写ベルトを具備させ、それから転写材へ、順次各転写ベルトから転写する構成にしてもよい。
【0186】
尚、前記転写ベルトとしては、例えばポリイミド、ポリエーテル、ポリアミド或いはテトラフルオロエチレン・パーフルオロビニルエーテル共重合体等の表面抵抗が1014Ω以上で、厚さ20μm程度の高抵抗フィルムの上に、フッ素系又はシリコン系樹脂に導電剤を添加して表面抵抗を105〜108Ωとした5〜15μm厚の離型層を設けて成るエンドレスフィルムが用いられる。
【0187】
【実施例】
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0188】
〈トナーの作製〉
(トナー作製1:乳化重合会合法)
20L容器にn−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0Lを入れ撹拌溶解した。この溶液に、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく撹拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。この分散液を「着色剤分散液1」とした。又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とした。
【0189】
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とした。過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とした。
【0190】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100LのGL(グラスライニング)反応釜に、ワックスエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径120nm、固形分濃度29.9質量%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全量とを入れ、撹拌を開始した。撹拌翼の構成は図4の構成とした。次いで、イオン交換水44.0Lを加えた。次いで、加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kg、アクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン548gをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテックスA」とした。
【0191】
尚、「ラテックスA」中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、質量平均分子量は1.27万、質量平均粒径は120nmであった。
【0192】
又、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とした。又、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とした。
【0193】
過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とした。
【0194】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのGL反応釜(撹拌翼の構成は図10)に、ワックスエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径120nm、固形分濃度29.9質量%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量を入れ、撹拌を開始した。次いで、イオン交換水44.0Lを投入した。次いで、加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加した。次いで、スチレン11.0kg、アクリル酸n−ブチル4.00kg、メタクリル酸1.04kg及びt−ドデシルメルカプタン9.02gをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱撹拌を行った。次いで、液温度を40℃以下に冷却し撹拌を停止した。ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテックスB」とした。
【0195】
尚、「ラテックスB」中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、質量平均分子量は24.5万、質量平均粒径は110nmであった。
【0196】
塩析剤としての塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とした。
【0197】
フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00Lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とした。
【0198】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径及び形状のモニタリング装置を付けた100LのSUS反応釜(撹拌翼の構成は図10)に、上記で作製した「ラテックスA」20.0kg、「ラテックスB」5.2kg、「着色剤分散液1」0.4kg、及びイオン交換水20.0kgを入れ撹拌した。次いで、40℃に加温し、「塩化ナトリウム溶液G」、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、「ノニオン界面活性剤溶液H」をこの順に添加した。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度を60分かけ85℃まで昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱撹拌して塩析/融着させながら粒径成長させた。次に純水2.1Lを添加して粒径成長を停止させ「融着粒子分散液」を作製した。
【0199】
温度センサー、冷却管、粒径及び形状のモニタリング装置を付けた5Lの反応容器(撹拌翼の構成は図7)に、上記で作製した「融着粒子分散液」5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱撹拌して形状制御した。その後、40℃以下に冷却し撹拌を停止した。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を「会合液」とした。次いで、ヌッチェを用いて、会合液よりウェットケーキ状の「非球形状粒子」を濾取した。その後、イオン交換水で洗浄した。
【0200】
この「非球形状粒子」をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、次いで流動層乾燥機を用いて60℃の温度でさらに乾燥させ「着色粒子」を作製した。得られた「着色粒子」の100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して乳化重合会合法による「トナー」を作製した。
【0201】
前記塩析/融着段階及び形状制御工程のモニタリングに於いて、撹拌回転数及び加熱時間を制御することにより、形状及び形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、形状係数の変動係数、個数粒度分布における個数変動係数及び凝集率を任意に調整して、表1及び2に示す「トナー1〜50」を作製した。
【0202】
【表1】
【0203】
【表2】
【0204】
(トナー作製2:乳化重合会合法)
トナー作製1に於いて、着色剤をカーボンブラックの代わりにベンジジン系イエロー顔料を1.05kg使用した他は同様にして、表3に示す「トナー51〜59」を作製した。
【0205】
(トナー作製3:乳化重合会合法)
トナー作製1に於いて、着色剤をカーボンブラックの代わりにキナクリドン系マゼンタ顔料を1.20kg使用した他は同様にして、表3に示す「トナー60〜68」を作製した。
【0206】
(トナー作製4:乳化重合会合法)
トナー作製1に於いて、着色剤をカーボンブラックの代わりにフタロシアニン系シアン顔料を0.60kg使用した他は同様にして、表3に示すトナー69〜77を作製した。
【0207】
【表3】
【0208】
(トナー作製5:懸濁重合法)
2L容器にスチレン165g、n−ブチルアクリレート35g、カーボンブラック10g、ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物2g、スチレン−メタクリル酸共重合体8g及びパラフィンワックス(mp=70℃)20gを入れ、60℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)にて12000rpmで均一に溶解、分散した。これに重合開始剤として2,2′−アゾビス(2,4−バレロニトリル)10gを加えて溶解し、「重合性単量体組成物」を調製した。次いで、イオン交換水710gに0.1M燐酸ナトリウム水溶液450gを加え、TKホモミキサーにて13000rpmで撹拌しながら1.0M塩化カルシウム68gを徐々に加え、燐酸三カルシウムを分散させた「懸濁液」を調製した。この「懸濁液」に前記「重合性単量体組成物」を添加し、TKホモミキサーにて10000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を「造粒」した。その後、撹拌翼の構成を図6(b)とした反応装置を使用し、75〜95℃にて5〜15時間反応させた。塩酸により燐酸三カルシウムを溶解除去し、次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、次いで濾過、洗浄、乾燥させ「着色粒子」を作製した。得られた「着色粒子」の100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して懸濁重合法による「トナー」を作製した。
【0209】
前記重合時にモニタリングを行い、液温度、撹拌回転数、及び加熱時間を制御することにより、形状及び形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、形状係数の変動係数、個数粒度分布における個数変動係数及び凝集率を任意に調整して、表4に示す「トナー78〜83」を作製した。
【0210】
【表4】
【0211】
(トナー作製6:懸濁重合法)
トナー作製5に於いて、撹拌翼の構成を図7としたこと、及び遠心分離機を用いた液中での分級を行わなかった他は同様にして、表4に示す「トナー84」を作製した。
【0212】
〈感光体の作製〉
(感光体1の作製)
《下引き層》
チタンキレート化合物(TC−750、松本製薬株式会社製) 30g
シランカップリング剤(KBM−503、信越化学株式会社製) 17g
2−プロパノール 150mL
を混合溶解し「下引き層塗布液」を調製した。この塗布液を用いて径60mmの円筒型のアルミニウム支持体上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.5μmの「下引き層」を形成した。
【0213】
《電荷発生層》
Y型チタニルフタロシアニン 60g
シリコーン変性ブチラール樹脂 700g
(X−40−1211M、信越化学株式会社製)
t−ブタノール 1600mL
2−メトキシメチルペンタノン 400mL
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、「電荷発生層塗布液」を調製した。この塗布液を前記「下引き層」の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの「電荷発生層」を形成した。
【0214】
《電荷輸送層》
電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−(4−β− 225g
フェニルスチリルフェニル)−p−トルイジン)
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g
(平均分子量50,000)
酸化防止剤(化合物1) 6g
ジクロロメタン 2000mL
【0215】
【化3】
【0216】
を混合し、溶解して「電荷輸送層塗布液」を調製した。この塗布液を前記「電荷発生層」の上に浸漬塗布法で塗布した後、100℃で60分間乾燥を行い、膜厚25μmの「電荷輸送層」を形成し「感光体1」を作製した。
【0217】
(感光体2の作製)
感光体1と同様に「電荷発生層」までを形成した。
【0218】
《電荷輸送層》
電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−(4−β− 225g
トリルスチリルフェニル)−p−アニシジン)
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 300g
(平均分子量30,000)
酸化防止剤(化合物1) 6g
ジクロロメタン 2000mL
を混合し、溶解して「電荷輸送層塗布液」を調製した。この塗布液を前記「電荷発生層」の上に浸漬塗布法で塗布した後、100℃で60分間乾燥を行い、膜厚25μmの「電荷輸送層」を形成し「感光体2」を作製した。
【0219】
(感光体3の作製)
感光体1の「電荷発生層」上に感光体1の「電荷輸送層塗布液」を浸漬塗布法で塗布した後、100℃で60分間乾燥を行い、膜厚23μmの「電荷輸送層」を形成した。
【0220】
《表面保護層》
メチルメトキシシラン 182g
電荷輸送物質(化合物2) 40g
酸化防止剤(化合物3) 1g
2−プロパノール 225g
2%酢酸 106g
コロイダルシリカ 106g
ジブチル錫アセテート 1g
【0221】
【化4】
【0222】
を混合し、「表面保護層用塗布液」を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形量規制塗布装置により厚さ2μmの層を形成した後、100℃で60分間加熱硬化を行い、架橋構造を有する「シロキサン系表面保護層」を形成し「感光体3」を作製した。
【0223】
〈転写ロール〉
転写ロールとしては下記「転写ロール1及び2」を用いた。
【0224】
「転写ロール1」
住友ゴム工業株式会社製イオン導電タイプ
硬度(アスカーC硬度) 36
電気抵抗 7.5×107Ω
平均気泡径 80μm(単泡)
「転写ロール2」
日東工業株式会社製カーボンブラック含有ルビセル
(ポリウレタン系発泡タイプ)
硬度(アスカーC硬度) 30
電気抵抗 2×108Ω
平均気泡径 20μm(連泡)
前記転写ロール1及び2の印加電圧は−1000Vとした。
【0225】
〈転写ベルト〉
転写ベルトとしては下記「転写ベルト」を用いた。
【0226】
「転写ベルト」は、ポリイミドフィルム(表面抵抗1014Ω、厚さ20μmの高抵抗フィルム)の上に、フッ素系樹脂に導電剤を添加して表面抵抗を7×106Ωとした10μmの厚さの離型層を設けてなるエンドレスフィルム。
【0227】
〈現像剤の作製〉
「トナー1〜84」の各々とシリコーン樹脂で被覆した65μmの「フェライトキャリア」を、トナー/キャリア=50g/950gの割合で混合して、評価用の「現像剤1〜84」を作製した。
【0228】
〈評価〉
1.転写ロールを用いた高速プリンターでの評価
評価は、コニカ株式会社製の高速プリンター「Sitios 7075」(プリント速度75枚/min)を用いて行った。
【0229】
(評価方法)
前記「トナー1〜50、78〜84」、前記「現像剤1〜50、78〜84」を用い、ベタ黒、中間調、文字及び白紙部があるB4版オリジナル画像(10%被覆率画像)を前記プリンターに前記「感光体1〜3」と前記「転写ロール1及び2」を取り付けた改造機で連続プリントし、100万枚目の「転写率」、「中抜けの発生」及び「トナーフィルミングの発生」の評価を行った。クリーニングユニットから回収されたトナーは現像器に戻さず、袋に取った。
【0230】
(評価結果)
「転写率」
下記式(6)により転写率(%)を求めた。
【0231】
式(6)転写率(%)={1−(回収トナーの質量/消費トナーの質量)}×100
「中抜けの発生」
文字の中抜けの発生の有無を目視にて観察した。
【0232】
評価基準は
中抜けの発生無し ○
中抜けの発生有り ×
「トナーフィルミングの発生」
感光体表面にトナーフィルミングの発生の有無を目視にて観察した。
【0233】
評価基準は
トナーフィルミングの発生無し ○
トナーフィルミングの発生有り ×
評価結果を表5、6に示す。
【0234】
【表5】
【0235】
【表6】
【0236】
2.転写ベルトを用いたカラープリンターでの評価
前記「トナー60〜77」、前記「現像剤60〜77」を用い、ベタ黒、中間調、文字及び白紙部があるB4版オリジナル画像(10%被覆率画像)を図13に示した「転写ベルトを用いた画像形成装置」に前記「感光体3」と前記「転写ベルト」を取り付け、連続コピーし、50万枚目の「転写率」、「中抜けの発生」及び「トナーフィルミングの発生」の評価を行った。クリーニングユニットから回収されたトナーは現像器に戻さず、袋に取った。
【0237】
(評価結果)
「転写率」
前記式(6)により転写率(%)を求めた。
【0238】
「中抜けの発生」
文字部の中抜けの発生の有無を目視にて観察した。
【0239】
評価基準は
中抜けの発生無し ○
中抜けの発生有り ×
「トナーフィルミングの発生」
感光体表面にトナーフィルミングの発生の有無を目視にて観察した。
【0240】
評価基準は
トナーフィルミングの発生無し ○
トナーフィルミングの発生有り ×
評価結果を表7に示す。
【0241】
【表7】
【0242】
【発明の効果】
実施例で実証した如く、本発明は上記問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、接触転写方式で画像の中抜け欠陥、転写率低下及び感光体へのトナーフィルミングの問題が発生しないトナー、画像形成方法及び画像形成装置を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】中抜けの例。
【図2】角が無いトナー及び角があるトナーのモデル図。
【図3】従来よく用いられた撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す概要図。
【図4】より好ましい撹拌翼を備えた撹拌槽の一例を示す概要図。
【図5】図4の上面断面図。
【図6】撹拌翼の形状の概要図。
【図7】下段の撹拌翼にスリットを有すると共に端部に折り曲げと突起を有する撹拌槽の概要図。
【図8】撹拌翼の端部に突起及び又は端部に折り曲げ部を有する撹拌槽の概要図。
【図9】撹拌翼の構成が3段である撹拌槽の概要図。
【図10】上段の撹拌翼に空隙があり下段の撹拌翼の端部に折り曲げと突起を有する撹拌槽の概要図。
【図11】上段の撹拌翼の端部に突起と下段の撹拌翼の端部に折り曲げを有する撹拌槽の概要図。
【図12】転写ロールを用いた画像形成装置の一例を示す概略構成図。
【図13】転写ベルトを用いた画像形成装置の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 熱交換用のジャケット
2 撹拌槽
3 回転軸
4 下段の撹拌翼
5 上段の撹拌翼
6 中孔部
10 感光体
11 帯電器
12 像露光光
13 現像器
14 分離極
15 転写ロール
16 バイアス電源
17 クリーニングブレード
18 除電ランプ
19 給紙ローラ
20 定着器
P 転写材
Pa、Pb、Pc、Pd 画像形成ユニット
1a、1b、1c、1d 感光体
2a、2b、2c、2d 潜像形成部
3a、3b、3c、3d 現像部
4a、4b、4c、4d 転写放電部
5a、5b、5c、5d クリーニング器
6a、6b、6c、6d 帯電器
21 転写ベルト
22a、22b、22c、22d 分離除電放電器
23 定着装置
24 クリーニング器
25 排出口
Claims (48)
- 電子写真感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは重合性単量体を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 電子写真感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像用トナーは重合性単量体を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像用トナーは樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られることを特徴とする請求項9〜14の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 電子写真感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したトナー画像を、接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上、形状係数の変動係数が16%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項16又は17に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項16〜18の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは重合性単量体を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請求項16〜19の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られることを特徴とする請求項16〜20の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 請求項1、9及び16の何れか1項に記載の画像形成方法を用い、クリーニング、静電潜像形成、現像、転写、定着の工程を有することを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、形状係数の変動係数が16%以下、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請求項23に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請求項23に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上であることを特徴とする請求項23〜25の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項23〜26の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項23〜27の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは重合性単量体を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請求項23〜28の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られることを特徴とする請求項23〜29の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 電子写真感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請求項31に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることを特徴とする請求項31に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項31〜33の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項31〜34の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは重合性単量体を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請求項31〜35の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水系媒体中で会合させてなることを特徴とする請求項31〜36の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 電子写真感光体上に帯電、像露光を行って形成した静電潜像を、静電潜像現像用トナーを含有する現像剤にて現像し形成したカラートナー画像を、中間転写体に重ねて転写した後、中間転写体から接触転写方式を用いて転写材に転写し、その後分離、定着及びクリーニングを行う各工程を繰り返すことにより、多数枚の画像を形成する画像形成方法に於いて、該静電潜像現像用トナーが、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下及び20℃、50%RHの環境下に12時間放置後のトナー凝集率が3〜35%であり、且つ、該接触転写方式が転写ロールにバイアス電圧を印加して行われる方式であって、該転写ロールの表面硬度がアスカーC硬度で20〜70度のものであることを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーが、角が無いトナー粒子の割合が50個数%以上であることを特徴とする請求項38に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの個数平均粒径が2.2〜9μmであることを特徴とする請求項38又は39に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーの粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムに於いて、最頻階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれる静電潜像現像用トナーの粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項38〜40の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは重合性単量体を水系媒体中で重合させて得られることを特徴とする請求項38〜41の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 静電潜像現像用トナーは樹脂粒子を水系媒体中で会合させてなることを特徴とする請求項38〜42の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 請求項23、31又は38の何れか1項に記載の画像形成方法を用い、クリーニング、静電潜像形成、現像、転写、定着の工程を有することを特徴とする画像形成装置。
- 前記電子写真感光体が導電性支持体上に感光層を設けてなる構成であって、且つ該感光層の表面層が平均分子量が10,000〜100,000のポリカーボネートを含有することを特徴とする請求項1、9、16、23、31及び38のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記電子写真感光体が表面保護層を有し、且つ該表面保護層には架橋構造を有するシロキサン樹脂を含有することを特徴とする請求項1、9、16、23、31及び38のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記シロキサン樹脂を含有する表面保護層には電荷輸送性の構造単位を架橋構造の一部に含むことを特徴とする請求項1、9、16、23、31及び38のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 請求項45〜47のいずれか1項に記載の画像形成方法を用い、クリーニング、静電潜像形成、現像、転写、定着の工程を有することを特徴とする画像形成装置。
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