JP4397449B2 - テーブル等における天板の縁材の取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テーブル等において、椅子の肘宛等との接触による破損や、切断加工面の外部への露出を防止するために天板の外周面に取り付けられる縁材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の縁材としては、例えば図7、図8に示されるように、天板02の外周面03を覆う帯体04と、この帯体04における天板02の外周面03との内面04aに、上下方向の略中央位置から外周面03に向けて突設された嵌合片05とが一体的に形成されてなる合成樹脂製の縁材01等がある。
【0003】
この縁材01は、天板02の外周面03の長手方向に形成された凹溝06内に嵌合片05を嵌合した際の嵌合片05に形成された段部07と凹溝06内の外周面との係止作用により、天板02の外周面に取り付けられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テーブルの使用時において、特に帯体04の上端部に図8中矢印で示されるような下向きの外力が加わった場合、帯体04における嵌合片05の上部が変形して、帯体04の対向面04aと外周面03との間に隙間が生じるといった問題があった。
【0005】
この傾向は、特に縁材01が軟質の樹脂等により形成される場合に顕著に発生する。そこで、対向面04aと外周面03との間に接着剤等を注入してこの捲れを防止するといったことも考えられるが、対向面04aを外周面03に密着させた場合に接着剤が天板02上に滲み出て、体裁が悪くなることがあるため、取り付け作業が繁雑になるといった問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、取り付けが容易で、かつ取り付けられた縁材に負荷が加わっても容易に捲れることのないテーブル等における天板の縁材の取付け構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のテーブル等における天板の縁材の取付け構造は、テーブル等における天板の外周面の長手方向に沿って、互いにほぼ平行な状態で上下方向に所定距離離間するように形成される少なくとも2つの凹溝と、
前記天板の外周面を覆う帯体の内面に、互いにほぼ平行な状態で上下方向に所定距離離間する少なくとも2つの嵌合片が突設された縁材とからなり、前記嵌合片は、外面にスプライン等が形成された前記帯体における薄肉部を挟むように上下に突設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、天板の外周面への取り付け時において、縁材の帯体の上下部近傍がそれぞれ2つの嵌合片と凹溝との嵌合作用により固定され、変形しにくくなるので、縁材の上下部に負荷が加わっても、帯体の上下部が容易に捲れることがないばかりか、天板の外周面と帯体の内面との間に隙間が生じにくくなる。そして帯体の外面に装飾用としてのスプライン等を長手方向に形成することで、帯体の一部が薄肉となり、帯体の上下部近傍が変形しやすくなっても、縁材の天板の外周面への取り付け時において肉薄部の上下を嵌合片と凹溝との嵌合作用により固定出来るため、帯体の上下部近傍の捲れを防止出来る。
【0008】
本発明のテーブル等における天板の縁材の取付け構造は、前記嵌合片の先端部の縦断面形状が、略円弧状となることが好ましい。
このようにすれば、上下の嵌合片の先端が凹溝の開口端縁に接触した時に、上下の嵌合片が凹溝内へ滑らかに案内されるので、帯体を外周面方向に押圧するだけで、縁材を天板に容易に取り付けることが出来る。
【0009】
本発明のテーブル等における天板の縁材の取付け構造は、前記内面の上下部が、該内面における中央部よりも天板側に張り出すように形成されていることが好ましい。
このようにすれば、天板の外周面の凹凸や、凹溝加工時において生じたバリ等の要因により、取り付けられた縁材の内面と外周面との間に隙間が生じても、帯体の上下端部が外周面の上下端部にそれぞれ当接されるので、外観が損なわれることがない。
【0011】
本発明のテーブル等における天板の縁材の取付け構造は、前記2つの嵌合片の間隔が、先端部方向にいくに従い幅広になるように形成されていることが好ましい。
このようにすれば、上下の嵌合片の凹溝内への嵌合時において、帯体の上下端部が外周面方向に付勢されるので、捲れにくくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、まず図1には本発明の第1実施例としての縁材1、及びテーブルの天板2の要部断面図が示されている。天板2は、合板もしくはパーティクルボード等からなる基材3により構成されており、この基材3の上下面には、メラミン樹脂等からなる化粧板4が固着されている。
【0013】
天板2の外周面5における天板2の上部、及び下部近傍位置には、それぞれ外周面5に対して直交する方向に形成される上部凹溝6及び下部凹溝6’が、外周面5の長手方向に沿って設けられている。
【0014】
縁材1は、天板2の外周面5を長手方向にわたって覆える長さを有する帯体7と、上部凹溝6及び下部凹溝6’内に嵌合可能な上部凸条8及び下部凸条8’とから構成され、これら帯体7と上部凸条8及び下部凸条8’とは、合成樹脂により一体的に成形されている。
【0015】
上部凸条8、下部凸条8’は、帯体7における外周面5に対向する内面7aの上部及び下部所定位置に突設されており、それぞれ内面7aの長手方向に沿って設けられている。上部凸条8、下部凸条8’の上面及び下面には、凹溝7からの逸脱を防止する複数の段部9が形成されているとともに、それぞれの先端部が、縦断面で円弧状となるように形成されている。
【0016】
帯体7の上下幅は、天板の上下幅に対する寸法のばらつきを考慮して、天板2の上下幅よりも若干長寸に形成されている。また、内面7aの上端部7b及び下端部7cは、中央部面に比べて外周面5方向にわずかに突出するように形成されている。
【0017】
次に、本発明の縁材1の天板2への取付方法及びその作用を図1〜図3に基づいて説明していくと、まず図1に示される状態で、上部凸条8を上部凹溝6内に、下部凸条8’を下部凹条6’内にそれぞれ嵌合させる。この時、例えば上部凸条8及び下部凸条8’の先端が、成型時の変形、あるいは保管、搬送時の荷姿による変形のため、上部凸条8と下部凸条8’とのピッチ寸法にばらつきが生じていたり、先端が凹溝6、6’の開口に対して上方もしくは下方を向いていても、先端部は縦断面円弧状に形成されているため、縁材1を外周面5方向に押圧することで、滑らかに進入される。
【0018】
ここで、例えば外周面5に小さな凹凸部や、凹溝6、6’の加工により発生したバリ等が存在する場合、図2に示されるように上部凹溝6内に上部凸条8を、下部凹溝6’内に下部凸条8’をそれぞれ嵌合し、縁材1を天板2方向に押圧しても、凹凸部やバリ等に邪魔されて内面7aが完全に外周面5に当接されず、外周面5と内面7aとの間に隙間が形成される。しかしながら、内面7aにおける上端部7b及び下端部7cが外周面5の上端部及び下端部にそれぞれ当接されるので、外部に隙間が露呈されることがないので、外観が損なわれることがない。
【0019】
また、外周面5に特に上記のような小さな凹凸部やバリ等が存在しない場合、帯体7の上下部近傍が変形され、図3に示されるように内面7a全体が外周面5に密着される。このような上部凹溝6、下部凹溝6’内へ嵌合された上部凸条8、下部凸条8’は、段部9と凹溝6、6’内面との係止作用により逸脱が防止され、縁材1が外周面5に取り付けられる。
【0020】
ここで、本実施例の縁材1にあっては、上部凸条8から帯体7の上部、及び下部凸条8’から帯体7の下部までの距離がそれぞれ短いため、外周面5に取り付けられた帯体7の上部もしくは下部近傍が、上部凸条8と上部凹溝6、及び下部凸条8’と下部凹溝6’の嵌合作用により固定され、変形しにくくなっている。よって、縁材1の上部もしくは下部に負荷が加わっても、外周面5と内面7aとの間に隙間が容易に生じることがない。
【0021】
また、加工精度等の問題により、少なくともいずれか一方の上部凹溝6及び下部凹溝6’が、外周面5に対して直交する軸線方向に対して傾斜して形成されている場合にあっても、上部凸条8(下部凸条8’)の凹溝6(凹溝6’)内への嵌合作用により帯体7の上下端部に捩れが生じにくくなっているので、外周面5と上端部7b及び下端部7cとの間に隙間が生じにくい。
【0022】
図4には、本発明の第2実施例としての縁材1が示されている。本実施例において前述の実施例の縁材1と相違する点は、帯体7の外面7dが、帯体7における上下方向の略中央部に最大の凹み部11を有する凹状に形成されており、この装飾用として形成される凹み部11内に、スプライン12が帯体7の長手方向に形成されている点である。
【0023】
このような凹み部11やスプライン12が形成されることで、帯体7の上下方向の中央部が肉薄になるが、縁材1の外周面5への取り付け時において、この肉薄部を挟んで上下が上部凸条8と下部凸条8’との嵌合作用により固定されるので、帯体7の強度が低下し、上下部が捲れやすく易くなることがない。
【0024】
なお、このような装飾は上記のようなスプライン等に限られるものでなく、帯体の一部に薄肉部を形成するものであればどのようなものでもよい。
【0025】
また、図5、図6には、縁材1における上部凸条8及び下部凸条8’の変形例が示されている。この上部凸条8及び下部凸条8’は、予め両者間のピッチ寸法が、先端にいくに従い幅広となるように形成されている。すなわち、これら上部凸条8及び下部凸条8’がそれぞれ上部凹溝6及び下部凹溝6’内に嵌合されると、図6に示されるように、帯体7の上端部7b、下端部7cが外周面5方向に強く付勢されるので、帯体7の上部及び下部が捲れにくくなる。
【0026】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0027】
例えば、上部凸条8、下部凸条8’の突出長さや、形状等は任意であり、種々に変更可能である。また、上下の凸条8、8’以外の凸条が内面7aに複数設けられていてもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0029】
(a)請求項1項の発明によれば、天板の外周面への取り付け時において、縁材の帯体の上下部近傍がそれぞれ2つの嵌合片と凹溝との嵌合作用により固定され、変形しにくくなるので、縁材の上下部に負荷が加わっても、帯体の上下部が容易に捲れることがないばかりか、天板の外周面と帯体の内面との間に隙間が生じにくくなる。そして帯体の外面に装飾用としてのスプライン等を長手方向に形成することで、帯体の一部が薄肉となり、帯体の上下部近傍が変形しやすくなっても、縁材の天板の外周面への取り付け時において肉薄部の上下を嵌合片と凹溝との嵌合作用により固定出来るため、帯体の上下部近傍の捲れを防止出来る。
【0030】
(b)請求項2項の発明によれば、上下の嵌合片の先端が凹溝の開口端縁に接触した時に、上下の嵌合片が凹溝内へ滑らかに案内されるので、帯体を外周面方向に押圧するだけで、縁材を天板に容易に取り付けることが出来る。
【0031】
(c)請求項3項の発明によれば、天板の外周面の凹凸や、凹溝加工時において生じたバリ等の要因により、取り付けられた縁材の内面と外周面との間に隙間が生じても、帯体の上下端部が外周面の上下端部にそれぞれ当接されるので、外観が損なわれることがない。
【0033】
(d)請求項4項の発明によれば、上下の嵌合片の凹溝内への嵌合時において、帯体の上下端部が外周面方向に付勢されるので、捲れにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としての縁材及び天板の要部を示す断面図である。
【図2】図1の縁材が天板に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図3】同じく、図1の縁材が天板に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図4】本発明の第2実施例としての縁材が天板に取り付けられた状態を示す断面図である。
【図5】縁材の変形例を示す断面図である。
【図6】図5の作用を示す断面図である。
【図7】従来例としての縁材が取り付けられたテーブルを示す斜視図である。
【図8】図7の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 縁材
2 天板
3 基材
4 化粧板
5 外周面
6 上部凹溝(凹溝)
6’ 下部凹溝(凹溝)
7 帯体
7a 内面
7b 上端部
7c 下端部
7d 外面
8 上部凸条(嵌合片)
8’ 下部凸条(嵌合片)
9 段部
10 先端部
11 凹み部
12 スプライン
Claims (4)
- テーブル等における天板の外周面の長手方向に沿って、互いにほぼ平行な状態で上下方向に所定距離離間するように形成される少なくとも2つの凹溝と、
前記天板の外周面を覆う帯体の内面に、互いにほぼ平行な状態で上下方向に所定距離離間する少なくとも2つの嵌合片が突設された縁材とからなり、前記嵌合片は、外面にスプライン等が形成された前記帯体における薄肉部を挟むように上下に突設されていることを特徴とするテーブル等における天板の縁材の取付け構造。 - 前記嵌合片の先端部の縦断面形状が、略円弧状となる請求項1に記載のテーブル等における天板の縁材の取付け構造。
- 前記帯体の内面の上下部が、該内面における中央部よりも天板側に張り出すように形成されている請求項1または2に記載のテーブル等における天板の縁材の取付け構造。
- 前記2つの嵌合片の間隔が、先端部方向にいくに従い幅広になるように形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のテーブル等における天板の縁材の取付け構造。
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