JP2759264B2 - 物品の取付構造 - Google Patents

物品の取付構造

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JP2759264B2
JP2759264B2 JP8201870A JP20187096A JP2759264B2 JP 2759264 B2 JP2759264 B2 JP 2759264B2 JP 8201870 A JP8201870 A JP 8201870A JP 20187096 A JP20187096 A JP 20187096A JP 2759264 B2 JP2759264 B2 JP 2759264B2
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直広 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物品をブラケッ
トに取付ける構造に関し、例えば自動車用リザーバタン
クをブラケットに取付ける構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用パワーステアリング系の
リザーバタンク(以下、単にタンクとも称する)をブラ
ケットに取り付ける構造には、例えば実開昭60−105872
号に開示されるものが知られている。これにおいては、
図10に示すように、ブラケット80の左右両端部が折
り曲げられ、上方から下方に向かうにつれてその間隔が
狭まる一対の取付縁82からなる取付部84が形成され
ている。タンク86には、その取付縁82に対応して突
出する一対の差込片88からなる嵌合部90が設けられ
ており、この嵌合部90が取付部84に上方から所定の
長さだけ嵌め込まれ、タンク86はその位置よりも下が
らないようにされている(これを嵌込み限界位置とい
う)。
【0003】図10及び図11に示すように、ブラケッ
ト80とタンク86との間には係止クリップ92が介装
されている。この係止クリップ92は、その上部がブラ
ケット80に止着され、同クリップ80の下部寄り部分
にはタンク86の側へ向けて係止部94が突設されてい
る。そして、係止部94下部の下向き水平状の係止面9
6が、タンク86に突設された係合部98の上向き水平
状の係合面99に面当りすることで、タンク86の上方
への移動が阻止され、タンク86の抜止めがなされるよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来の取付構造にあっては、ブラケット86の取付部84
とタンク86の嵌合部90の製作誤差により、嵌合部9
0の両差込片88の間隔が正規の寸法よりも狭かった
り、あるいは取付部84の両取付縁82の間隔が広い場
合、図12に示すように、タンク86はブラケット80
に対して基準位置よりもさらに下方へ下がって嵌め込ま
れることとなる。この場合には、タンク86の係合面9
9と係止クリップ92の係止面96との間に隙間Sが生
じる。このため、ブラケット80の取付部84に対して
タンク86が前記隙間Sの分だけ上下にがた付くことと
なる。
【0005】また、上記とは逆に、嵌合部90が広く、
取付部84が狭い場合、図13に示すように、タンク8
6はブラケット80に対して基準位置まで嵌め込まれる
ことなく上方に留まることとなる。この場合には、タン
ク86の係合面99と係止クリップ92の係止面96と
が係合するまでには到らず、係止クリップ92の係止部
94はタンク86とは反対側にたわんだままとなる。従
ってブラケット80に対するタンク86は上方へ抜け出
やすい状態となる。
【0006】本発明の目的は、上記した従来の問題点に
鑑み、ブラケットの取付部やタンク等の物品の嵌合部に
製作のバラツキがあっても、その物品(リザーバタンク
等)をブラケットに対してがた付くことなく確実に取り
付けることができる物品の取付構造を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、物品を嵌込みによって取付けるための
ブラケットには、前記物品の嵌込み方向に対して間隔が
次第に狭まる取付部が形成される一方、前記物品には、
前記取付部に嵌込まれる嵌合部が形成され、前記ブラケ
ットと前記物品との間には、同物品の嵌込み方向とは逆
方向の移動を阻止して抜止めをなす係止クリップが介装
された物品の取付構造であって、前記係止クリップは、
その一端側寄り部分が前記ブラケットに止着され、同係
止クリップの他端側寄り部分には前記物品に形成された
係合部と弾性的に係合して物品の抜止めをなす係止部が
形成され、さらに、前記物品の係合部は、前記係止クリ
ップの係止部に対して、前記物品の嵌込み方向に所定範
囲にわたって係合する形状に形成された構成にしたもの
である。
【0008】上記したように構成される物品の取付構造
において、物品の嵌合部がブラケットの取付部に対して
嵌込み限界位置まで嵌め込まれる一方、係止クリップの
係止部が、その物品に形成された係合部に弾性的に係合
して、物品の嵌込み方向とは逆方向の抜止めをなす。そ
して、その際、物品の係合部は係止クリップの係止部に
対し物品の嵌込み方向に所定の範囲にわたって係合する
形状に形成されているため、係止クリップの係止部は、
ブラケットに対する物品の嵌込み量に応じて、係合部の
適所に係合することができる。そのため、ブラケットに
対する物品の嵌込み限界位置に誤差があっても、係止ク
リップの係止部が物品の係合部と確実に係合することが
でき、ブラケットに対して物品をがた付くことなくかつ
抜止めして取り付けることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
<実施形態1>この発明の実施形態1を図1〜図7にし
たがって説明する。図2において、物品としてのリザー
バタンク(以下、単にタンクという)10は、自動車用
のパワーステアリング系に採用される。タンク10の下
側の側面には、側方へ突出する一対の差込片12からな
る嵌合部14が設けられている。図示のように、両差込
片12の間隔は、上端から下端へ向かうにしたがって狭
くなっている。また、図3に示すように、両差込片12
は、その平断面において、タンク10の外周面からハの
字状に拡開して突出している。
【0010】図2に示すように、両差込片12の間には
両差込片12と同じだけタンク10の側面から突出した
水平面状のつなぎ部16が形成され、つなぎ部16の中
央部上方には係合部18が設けられている。図1に示す
ように、この係合部18は、複数の段差係合面22を上
下方向に備えて階段状に形成されており、最下段の段差
係合面22は、タンク10の側面からつなぎ部16とほ
ぼ同程度突出し、上段へ向かうにつれて各段差係合面2
2の突出度合いが小さくなっている。また、下段から上
段に向かって各段差係合面22の勾配角度が大きくなっ
ており、後述する係止クリップ40の係止部48とほぼ
直角状に係合するようになっている。
【0011】また、係合部18の最上段の段差係合面2
2の上部には上方に向かうにつれてタンク10の側面か
らの突出度合いの大きくなる斜面突出部24が設けられ
ている。また、つなぎ部16の下部には、つなぎ部16
に連なってタンク10の側面から突出する押圧部26が
設けられている。
【0012】図2に示すブラケット30は鉄板等からな
っており、その上部には引掛孔32が打ち抜かれて形成
され、中央部には同様に窓部34が形成されている。ブ
ラケット30の左右両端部は各々折り曲げられて取付縁
36が形成され、両取付縁36が取付部38を構成して
いる。両取付縁36の基部(折り曲げ線部分)の間隔
(内側寸法)は、タンク10の両差込片12に対応し
て、上方から下方へ向かうにつれて狭まっている。ま
た、両取付縁36の折曲角度α(図3も参照)はともに
90°より小さく、タンク10の両差込片12に対応し
て形成されている。また、両取付縁36の長さは、タン
ク10の両差込片12の長さと対応している。
【0013】ブラケット30とタンク10との間に介装
される係止クリップ40(図1,図2)は弾性材料から
なっており、図1に示すように、平板状の基部44の上
端部にはL字状に折り曲げられかつその後図中右側に緩
やかに湾曲した第1差込片42が形成されている。さら
に基部44の中央部の左右両側には、図中左側にほぼU
字状に湾曲しその後左下方へ湾曲した第2差込片46が
形成されている。第1差込片42と第2差込片46との
図中上下方向の最短距離は、ブラケット30の引掛孔3
2と窓部34との間の距離よりも若干短い。そして、図
2中の細線で示すように、第1差込片42がブラケット
30の引掛孔32に図中右側から差し込まれ、基部44
がブラケット30の引掛孔32と窓部34との間の部分
に沿わされ、第2差込片46が弾性変形して窓部34の
最上端部に差し込まれることにより、係止クリップ40
(その上端側寄り部分)がブラケット30に止着され
る。
【0014】図1に示すように、係止クリップ40の基
部44の下端(係止クリップ40の下端側寄り部分)に
は図中右下方へ折り曲げられて係止部48が形成されて
いる。この係止部48は、通常は(何ら力が加えられて
いない自由状態では)、1点鎖線で示すように折曲角度
β0 の状態にある。
【0015】次に、タンク10のブラケット30への取
付けについて説明する。タンク10は、その嵌合部14
がブラケット30の取付部38に、上方からその嵌込み
限界位置まで嵌め込まれることによって取り付けられ
る。嵌合部14および取付部38が寸法誤差なく製作さ
れた場合には、その嵌込み限界位置は、嵌合部14の上
端部および下端部が各々取付部38の上端部および下端
部と一致した位置とされている(これを、以下、基準位
置と称する)。図1は、タンク10がこの基準位置の状
態を示している。
【0016】このタンク10の取付けの際、タンク10
の上方から下方への移動に伴って、押圧部26が係止ク
リップ40の係止部48を下方へ押圧し、係止部48の
折曲角度は図1中2点鎖線で示すように180°近くま
で広がる。そして、押圧部26が通過した後、係止部4
8は自身の弾性により元の折曲げ状態に復帰しようとし
て、折曲角度β1 の状態でタンク10の係合部18の中
段の段差係合面22に係合する。これにより、タンク1
0は上方への移動が阻止され抜止めされることから、タ
ンク10はブラケット30にがた付きなく確実に固定さ
れる。なお、その段差係合面22は係止クリップ40の
係止部48に対して直角状をなすように傾斜しているた
め、その抜止め効果が高い。
【0017】さて、タンク10の両差込片12の間隔が
正規の寸法よりも広いか、あるいはブラケット30の両
取付縁36の間隔が狭い場合、図4及び図5に示すよう
に、タンク10はブラケット30に対して基準位置まで
も嵌め込まれることなく高い位置に留まる。その際、図
5のように、係止クリップ40の係止部48がβ1 より
大きい折曲角度β2 の状態で、タンク10の係合部18
の下段の段差係合面22に係合し、前述とほぼ同様にし
てタンク10の抜止めがなされる。
【0018】また、上述とは逆に、両差込片12の間隔
が正規寸法よりも狭いか、あるいは両取付縁36の間隔
が広い場合、図6及び図7に示すように、タンク10は
ブラケット30に対して基準位置よりもさらに下方へ嵌
め込まれる。この場合は、図7のように、係止クリップ
40の係止部48がβ1 より小さい折曲角度β3 の状態
で、タンク10の係合部18の上段の段差係合面22に
係合し、前述とほぼ同様にタンク10の抜止めがなされ
る。
【0019】このように、この実施形態1のリザーバタ
ンク10の取付構造によれば、タンク10の嵌合部14
とブラケット30の取付部38との嵌込みによる上下方
向のバラツキが生じた場合でも、ブラケット30に対し
てタンク10ががた付くことなく確実に抜止めされて固
定される。
【0020】<実施形態2>次に、この発明の実施形態
2を図8にしたがって説明する。この実施形態2では、
タンク10の係合部50に特徴がある。この実施形態で
は、嵌合部52が、実施形態1に示した両差込片12の
間の空間が埋められた一体構造をしており、その嵌合部
52には内側にえぐられた断面湾曲状の係合凹部54が
設けられている。そして、係合凹部54の下側部分には
円弧状の内面を有する係合部50が形成されている。そ
して、係止クリップ40の係止部48が、タンク10と
ブラケット30との相対的上下位置に応じて、各々2点
鎖線で示すように係合し、タンク10の上方への抜止め
がなされる。なお、この係合部50には、係止部48の
滑り止めのための細かい刻み目が設けられていてもよ
い。
【0021】<実施形態3>次にこの発明の実施形態3
を図9にしたがって説明する。この実施形態3におい
て、タンク10のの外表面には、複数の係合面60aを
上下方向に備えて断面のこ刃状をなす係合部60が形成
されている。そして、係止クリップ40の係止部48
が、タンク10とブラケット30との相対的上下位置に
応じて各々2点鎖線で示すように係合し、タンク10の
上方への抜止めがなされる。
【0022】以上の実施形態では、物品として自動車用
リザーバタンクに適用した場合を示したが、本発明に係
る物品の取付構造では、その他種々の物品に適用するこ
とができる。その他、当業者の知識に基づき種々の変更
を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示すものであり、ブラケ
ットに対しタンクが基準位置に取り付けられた状態を示
す縦断面図である。
【図2】図1の構造の分解斜視図である。
【図3】図1の構造においてブラケットの取付部とタン
クの嵌合部との嵌合状態を示す平断面図である。
【図4】図1の構造においてタンクがブラケットに対し
て基準位置よりも高い位置に取り付けられた状態を示す
説明図である。
【図5】図4の縦断面図である。
【図6】図1の構造においてタンクがブラケットに対し
て基準位置よりも低い位置に取り付けられた状態を示す
説明図である。
【図7】図6の縦断面図である。
【図8】本発明の実施形態2の主要部を簡略に示す縦断
面図である。
【図9】本発明の実施形態3を簡略に示す縦断面図であ
る。
【図10】従来のリザーバタンクの取付構造を示す分解
斜視図である。
【図11】図10の構造においてブラケットに対しタン
クが基準位置に取り付けられた状態を示す縦断面図であ
る。
【図12】図10の構造においてブラケットに対しタン
クが基準位置よりも低い位置に取り付けられた状態を示
す縦断面図である。
【図13】図10の構造においてブラケットに対しタン
クが基準位置よりも高い位置に取り付けられた状態を示
す縦断面図である。
【符号の説明】
10 リザーバタンク 14,52 嵌合部 18,50,60 係合部 30 ブラケット 38 取付部 40 係止クリップ 48 係止部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品を嵌込みによって取付けるためのブ
    ラケットには、前記物品の嵌込み方向に対して間隔が次
    第に狭まる取付部が形成される一方、 前記物品には、前記取付部に嵌込まれる嵌合部が形成さ
    れ、 前記ブラケットと前記物品との間には、同物品の嵌込み
    方向とは逆方向の移動を阻止して抜止めをなす係止クリ
    ップが介装された物品の取付構造であって、 前記係止クリップは、その一端側寄り部分が前記ブラケ
    ットに止着され、同係止クリップの他端側寄り部分には
    前記物品に形成された係合部と弾性的に係合して物品の
    抜止めをなす係止部が形成され、 さらに、前記物品の係合部は、前記係止クリップの係止
    部に対して、前記物品の嵌込み方向に所定範囲にわたっ
    て係合する形状に形成されていることを特徴とする物品
    の取付構造。
JP8201870A 1996-07-31 1996-07-31 物品の取付構造 Expired - Lifetime JP2759264B2 (ja)

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