JPH061910Y2 - リヤスポイラ取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、リヤスポイラ取付構造の改良に関する。

（従来の技術） いわゆる空力特性を向上させるために用いられるエアロ
パーツの一つとして、リヤスポイラがある。この種リヤ
スポイラは、特に高速走行時における車体のリヤ部の浮
き上がりを押えて、車体姿勢の安定化を得る。

ところで、リヤスポイラはオプション部品であることが
多く、完成した自動車のテールゲートパネル上に取付固
定される。その取付固定にあたっては種々の手段が採用
されるが、たとえばテールゲートパネルに複数の透孔を
設け、リヤスポイラ裏面に複数の取付用ボルトを突設
し、これを上記透孔に挿入のうえ、取付用ボルトにナッ
トを螺合締結してテールゲートパネル上にリヤスポイラ
を固定する手段。あるいは、テールゲートパネル上に略
コ字状のブラケットを設け、ここにリヤスポイラの裏面
に突出させた舌片状で弾性を有する掛止片を掛合してリ
ヤスポイラの取付固定をなす手段などがある。

しかしながら、テールゲートパネルの裏面には普通、補
強用リンホースが設けられていて、ここに上記透孔を設
けることは避ける必要がある。したがって、透孔位置が
不規則間隔になり、これに合せて上記取付用ボルトを設
けることは非常に面倒であって手間がかかる。あるいは
ブラケットに掛止片を弾性的に掛合する取付構造である
と、車体の振動の影響でリヤスポイラの位置ずれが生じ
る恐れがあり、信頼性が低い。

この他にも種々の取付手段が採用されるが、いずれも手
間がかかったり、確実な取付固定ができないという不具
合がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上述したように、リヤスポイラを取付固定する
のに面倒な手間がかかったり、確実な取付けができず信
頼性が低いなどの不具合を除去し、比較的簡単な構成に
て、容易、かつ確実な取付けをなすリヤスポイラ取付構
造を提供することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） すなわち本考案は、テールゲートパネル上にリヤスポイ
ラを取付固定するものにおいて、上記テールゲートパネ
ル上にスタッドボルトを前後方向に離間するとともに車
幅方向に沿い所定間隔を存して複数列立設し、上記リヤ
スポイラ裏面の車幅方向に沿って上記スタッドボルトと
同一間隔を存してブラケットを設け、これらブラケット
に上記スタッドボルトの前後方向間隔と同一間隔を存し
て掛合部を有するクリップを設けてなり、前部側クリッ
プの掛合部長さ寸法よりも長くしたことを特徴とするリ
ヤスポイラ取付構造である。

（作用） このようにして構成することにより本考案は、リヤスポ
イラをテールゲートパネル後方から前方へスライド付勢
することにより、上記リヤスポイラに設けられるブラケ
ットのクリップが上記テールゲートパネルに設けられる
スタッドボルトに掛合固定し、かつ上記前部側クリップ
の掛合部長さ寸法は後部側クリップの掛合部長さ寸法よ
りも長いので、前部側クリップが先に前部側スタッドボ
ルトに掛合し、後部側クリップが後部側スタッドボルト
に掛合するためのガイドとなす。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面にもとずいて説明する。
第１図に示すように、自動車の車体１を構成するテール
ゲートパネル２上に、前後方向に離間するとともに車幅
方向に沿い所定間隔を存して複数列（図において５列）
の前部側スタッドボルト３ａ…と後部側スタッドボルト
３ｂ…が立設される。これらスタッドボルト３ａ…，３
ｂ…は、第３図ないし第５図にも示すように、いずれも
同一直径のピン部４の最上端に、同一直径の鍔部５を一
体に載設してなる。再び第１図に示すように、６はリヤ
スポイラであって、上記テールゲートパネル２の幅寸法
と略同一の幅寸法を有し、断面略三角状に形成される。
第３図および第４図にも示すように、この裏面にはボス
部７，７が前後方向に離間して突設され、ここに後述す
るブラケット８が固定ねじなどの固定具９を介して取付
固定される。なお再び第１図に示すように、上記ブラケ
ット８はテールゲートパネル２の車幅方向に沿って上記
スタッドボルト３ａ…，３ｂ…と同一間隔を存して複数
（５こ）設けられる。このブラケット８は第２図に示す
ように、金属板を折曲し、もしくは合成樹脂材で形成し
てなる。その前端縁と後端縁は互いに反対方向に折曲さ
れ、それぞれに取付用孔１０…が設けられる。その中心
軸に沿って、前部側クリップ１１，補強用リブ１２，後
部側クリップ１３および補強用リブ１４が設けられる。
上記各補強用リブ１２，１４は、ブラケット８に一体に
設けられる突部である。上記前部側クリップ１１および
後部側クリップ１３は、ブラケット８とは別体に形成さ
れ、上記スタッドボルト３ａ，３ｂのピン部４の長さ寸
法と略同等の肉厚であるとともに、その周端面に沿って
設けられる掛合溝をブラケット８に掛合のうえ接着材な
どを用いて固着してなる。これらクリップ１１，１３の
中心軸線に沿って掛合部１５，１６がそれぞれ設けられ
る。各掛合部１５，１６は略Ｕ字状に切欠されてなり、
その切欠幅は上記ピン部４の直径よりも僅かに大であ
る。そして、前部側クリップ１１の掛合部１５の長さ寸
法Ｌａは後部側クリップ１３の掛合部１６の長さ寸法Ｌ
ｂよりも大となるよう形成され、かつそれぞれの基端部
相互の間隔は上記前部側スタッドボルト３ａと後部側ス
タッドボルト３ｂとの相互間隔寸法と一致する。さらに
また、それぞれの掛合部１５，１６の相対向する辺部に
は、相対向する位置にわずかに突出する突起１７…が一
体に設けられてなる。

しかして、リヤスポイラ６をテールゲートパネル２上に
取付固定するには、次に述べるようにして行なう。はじ
め第４図に示すように、裏面側にブラケット８…を備え
たリヤスポイラ６をテールゲートパネル２の後方に対向
し、これを前方へスライド付勢する。このとき、リヤス
ポイラ６の後端部を持上げぎみにして、その前端部をテ
ールゲートパネル２に当接し、後端部を下げながら前方
へスライド付勢するとよい。第５図（Ａ）に示すよう
に、前部側クリップ１１の掛合部１５の長さ寸法Ｌａが
後部側クリップ１３の掛合部１６の長さ寸法Ｌｂより長
いので、上記前部側クリップ１１は先に前部側スタッド
ボルト３ａに掛合する。さらに説明すれば、前部側クリ
ップ１１の掛合部１５が前部側スタッドボルト３ａのピ
ン部４に挿嵌する。この状態のままリヤスポイラ６を前
方にスライド付勢すると、前部側スタッドボルト３ａの
ピン部４は上記掛合部１５に設けられる突起１７，１７
に当接する。後部側クリップ１３は前部側クリップ１１
と前部側スタッドボルト３ａとの掛合をガイドとして前
方に移動し、ここに設けられる掛合部１６の開口端が後
部側スタッドボルト３ｂのピン部４に掛合する。さらに
リヤスポイラ６を前方にスライド付勢すれば、突起１７
…がピン部４に当接し、かつ強制的にこれを通過させ
る。結局、同図（Ｂ）に示すように、各掛合部１５，１
６の基端部に前，後部側スタッドボルト３ａ，３ｂが掛
合し、かつその突起１７に囲まれることにより固定され
る。第３図に示すように、リヤスポイラ６はテールゲー
トパネル２上に取付固定され、よって空力特性の向上化
を得られる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、テールゲートパネ
ル上にスタッドボルトを立設し、リヤスポイラの裏面に
クリップを有するブラケットを設け、前部側クリップの
掛合部長さ寸法を後部側クリップの掛合部長さ寸法より
長くするという、比較的簡単な構成にて、リヤスポイラ
の取付作業の容易化と、確実な取付けによる信頼性の向
上化を図るなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はリヤスポイラ
取付構造を説明する斜視図、第２図はブラケットの斜視
図、第３図はリヤスポイラ取付構造の縦断面図、第４図
は第３図とは異なる状態の縦断面図、第５図（Ａ）およ
び（Ｂ）はリヤスポイラ取付構造を説明する互いに異な
る横断平面図である。 ２…テールゲートパネル、６…リヤスポイラ、３ａ…前
部側スタッドボルト、３ｂ…後部側スタッドボルト、８
…ブラケット、１１…前部側クリップ、１３…後部側ク
リップ、１５，１６…掛合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テールゲートパネル上にリヤスポイラを取
   付固定するものにおいて、上記テールゲートパネル上に
   前後方向に離間するとともに車幅方向に沿い所定間隔を
   存して立設される複数列のスタッドボルトと、上記リヤ
   スポイラ裏面の車幅方向に沿って上記スタッドボルトと
   同一間隔を存して設けられるブラケットと、これらブラ
   ケットに上記スタッドボルトの前後方向間隔と同一間隔
   を存して設けられリヤスポイラをテールゲートパネル後
   方から前方へスライド付勢することにより上記スタッド
   ボルトに掛合固定するクリップとからなり、上記前部側
   クリップは先に前部側スタッドボルトに掛合して後部側
   クリップが後部側スタッドボルトに掛合するためのガイ
   ドとなすようその掛合部長さ寸法を後部側クリップの掛
   合部長さ寸法よりも長くしたことを特徴とするリヤスポ
   イラ取付構造。