JPH0139643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、自動車の室内のパネルにガーニツシ
ユを取付ける自動車用ガーニツシユ装置に関す
る。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

自動車の室内においては、第１図に示すよう
に、フロントピラーガーニツシユ１、フロントル
ーフガーニツシユ２、サイドルーフガーニツシユ
３、センターピラーアツパーガーニツシユ４、セ
ンターピラーロアーガーニツシユ５、リアサイド
ルーフガーニツシユ６などが取付けられている。

そして、これらのガーニツシユは、たとえば、
サイドルーフガーニツシユ３について示すと、第
２図および第３図に示すように、ガーニツシユ３
の裏面の支持体７にクリツプ８をその基部のフラ
ンジ９を介して係合し、ガーニツシユ３をルーフ
１０とウエルト１１との間に配置して、クリツプ
８をパネル１２に形成した長孔１３に嵌挿してい
る。

このような構造の場合、パネル１２の長孔１３
によつて、ガーニツシユ３の長手方向へのバラツ
キ、また、高温雰囲気下におけるガーニツシユ３
の長手方向への変形は吸収することはできるが、
ガーニツシユ３の幅方向のバラツキ、変形は吸収
することができない。すなわち、パネル１２にガ
ーニツシユ３を取付ける際、幅方向にはクリツプ
８を無理な状態で嵌挿することとなり、なお、ク
リツプ８自体は嵌挿時にたわんでも遊びがないた
め、取付後にガーニツシユ３に無理な力が加わ
り、第１図鎖線に示すように変形させやすい。と
くに、フロントピラーガーニツシユ１とサイドル
ーフガーニツシユ３とを角度をもつて合成樹脂で
一体に形成した場合には、その折曲部において応
力が集中して大きく変形する。

〔考案の目的〕

本考案は、上述のような問題を解決しようとす
るもので、クリツプの位置をパネルへの取付方向
と直交する方向に位置調節可能とし、ガーニツシ
ユの変形などを防止することを目的とするもので
ある。

〔考案の概要〕

本考案は、裏面に支持体を設け自動車の室内の
パネルを覆うガーニツシユと、基端にフランジを
設け上記パネルに係着されるクリツプと、上記ガ
ーニツシユの支持体に挿入支持される係止部およ
びこの係止部の支持体への挿入方向と交叉する方
向において上記クリツプのフランジを挿入支持す
る支持部を有するスペーサと、を備えたことを特
徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を第４図および第５図
を参照して説明する。

２１は自動車の室内のパネルを覆う合成樹脂製
のガーニツシユで、このガーニツシユ２１の裏面
には相対したＬ字状の一対の支持体２２が一体に
突設されている。

２３は鉄板などのばね性を有する金属板からな
るクリツプで、このクリツプ２３は、上記第２図
および第３図のパネル１２の長孔１３に挿入係止
される係止爪部２４の両端基部にフランジ２５が
一体に折曲形成され、このフランジ２５の両端上
部に係止突起２６が形成されている。

２７は合成樹脂で一体に形成されたスペーサ
で、このスペーサ２７は、基板２８の一面両側に
上記ガーニツシユ２１の支持体２２に挿入係合さ
れるＬ字状の係止部２９が設けられ、この係止部
２９上に突部３０が形成されているとともに、基
板２８の他面の上記係止部２９と直交する方向の
両側に上記クリツプ２３のフランジ２５が挿入係
合されるＬ字状の支持部３１が設けられている。

そして、組立に際しては、クリツプ２３のフラ
ンジ２５をスペーサ２７の相対した支持部３１間
に挿入し、このクリツプ２３を取付けたスペーサ
２７の係止部２９をガーニツシユ２１の支持体２
２に挿入する。ついで、ガーニツシユ２１を車体
のパネルに対して配置し、クリツプ２３の係止爪
部２４をパネルの長孔に押圧挿入して固定する。

この状態において、ガーニツシユ２１の支持体
２２に対しスペーサ２７の係止部２９はその中央
部の突部３０により弾性的に係止され、常時はそ
の弾性的な抵抗によつてその位置を固定されてい
て動くことがなく、他部品からの負荷または雰囲
気温度による変形によつてのみ動き、変位置を吸
収する。また、スペーサ２７の支持部３１に対し
クリツプ２３のフランジ２５はその両端部の係止
突部２６により同様に弾性的に支持され、常時は
動くことがなく、他部品からの負荷または変形に
よつてのみ動き、変位量を吸収する。

すなわち、高温雰囲気下においては、ガーニツ
シユ２１が伸長すると、パネルの長孔に沿つてク
リツプ２３が長さ方向に移動する。なお、この場
合、大きな移動量に対しては、スペーサ２７の係
止部２９がガーニツシユ２１の支持体２２に対し
て移動する。また、パネルの位置の誤差や長孔を
穿設する際の誤差に対しては、スペーサ２７の支
持部３１に対してクリツプ２３がガーニツシユ２
１の幅方向に移動して誤差を吸収する。

なお、実施例にあたつて、クリツプ２３は、第
６図に示すように、フランジ２５は係止爪部２４
の一端のみに設けたものでもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ガーニツシユにスペーサを介
してクリツプを取付けたことにより、他部品との
誤差による負荷または高温雰囲気下における変形
などを吸収することができ、したがつて、長尺の
ガーニツシユを形成することが可能となり、たと
えば、フロントピラーガーニツシユとサイドルー
フガーニツシユのように角度をもつているような
場合にも一体化ができ、部品点数が減少して部品
管理を容易にすることができるとともに、重合部
が少なくなつて外観も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の車室内の斜視図、第２図は従
来のガーニツシユ装置の斜視図、第３図はその分
解斜視図、第４図は本考案の装置の一実施例を示
す分解斜視図、第５図はその組付状態の断面図、
第６図はクリツプの他の実施例を示す斜視図であ
る。 ２１…ガーニツシユ、２２…支持体、２３…ク
リツプ、２５…フランジ、２７…スペーサ、２９
…係止部、３１…支持部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 裏面に支持体を設け自動車の室内のパネルを覆
   うガーニツシユと、 基端にフランジを設け上記パネルに係着される
   クリツプと、 上記ガーニツシユの支持体に挿入支持される係
   止部およびこの係止部の支持体への挿入方向と交
   叉する方向において上記クリツプのフランジを挿
   入支持する支持部を有するスペーサと、 を備えたことを特徴とする自動車用ガーニツシユ
   装置。