JPS6346282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、自動車のステアリングホイールに
おけるステアリングパツドに関するものである。

〔従来技術〕

従来のステアリングパツドには、ステアリング
シヤフト上のボスプレートにパツド本体をビスの
締着により取付けるもの、あるいは取付け部材の
弾性係着により取付けるものが種々存在する。し
かし、前者はビス締めにより取付け作業性が繁雑
であつたし、また、後者はパツド本体が位置ずれ
状態にあつても取付け部材の弾性係着が成される
ことがあり、取付けの正確性に問題があるととも
に、取付け部材の係着後の取付け保持の確実性に
も不安があつた。

〔考案の目的〕 そこで、この考案が目的とすることは、ステア
リングシヤフト上のボスプレートにパツド本体を
ワンタツチで容易に組付けることができ、組付け
作業性の向上を図ることができ、しかも、その組
付けを正確に行えかつ組付け保持を確実に成し得
るステアリングパツドを提供することである。

〔考案の構成〕

上記した目的を達成するためのこの考案は、ス
テアリングシヤフトに固定されたボスプレートの
前面を覆うパツド本体には取付けプレートを固着
し、取付けプレートの上部にはボスプレートの上
部が弾性係着される略逆Ｕ字状のクリツプを配設
し、ボスプレートの下部に取付けられた係着部材
は、取付けプレートの下部が弾性係着される略Ｕ
字状のクリツプ部と、同クリツプ部の後上端から
同クリツプ部の前方へ逆Ｌ字状に延出されたガイ
ド部とから形成し、係着部材のクリツプ部には取
付けプレートの下部に係合する係止爪を設けたも
のである。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。ステアリングホイールを正面で示した
第１図、同ホイールにおけるステアリングパツド
を側断面で示した第２図において、ステアリング
ホイール１０は金属材料からなる芯材１１を外装
材１２で被覆し、円環状のホイール部１３とその
ホイール部１３に連なるスポーク部１４，１４が
形成されている。スポーク部１４，１４に連なる
ボス部１５は芯材１１に一体形成されたボスプレ
ート１６と、同プレート１６の背面を覆うように
外装材１２に一体形成された裏面カバー１７とか
ら成る。ボス部１５にはホイール部１３と同一軸
心の取付け孔１８が貫設されている。ボス部１５
は、取付け孔１８をステアリングシヤフト１９の
先端部（前端部）に筒形ボス２０を介して嵌合し
かつ同シヤフト１９にその先端に螺合された固定
ナツト２１にて締着されている。裏面カバー１７
の上縁部には左右の係合溝２２，２２が略四角形
状に凹設されていて、ボスプレート１６の上縁部
が係合部２３，２３として露出されている（第５
図および第６図参照）。この左右の係合溝２２，
２２の各入口部は開口方向（第６図上方）へ向け
て次第に広くなるテーパ状に形成されている。

ステアリングホイール１０のボス部１５の前面
を覆うパツド本体２４は、衝突荷重により略偏平
状に変形可能な断面コ字状の支持体２５が弾性を
有するカバーパツド材２６で被装された箱型状に
形成されていて、衝突時における二次衝突エネル
ギーを吸収可能である。支持体２５の背面（取付
け面）には、口の字形状をした取付けプレート２
７が固着されている（第３図、第４図および第７
図参照）。取付けプレート２７の上辺部２８の背
面には、弾性を有する板ばね材より略逆Ｕ字状に
形成された左右のクリツプ３０，３０が固着され
ている。クリツプ３０，３０はボスプレート１６
の係合部２３，２３に弾性係着されている。な
お、クリツプ３０，３０は裏面カバー１７の各係
合溝２２，２２にて左右方向の位置決めがなされ
ている。

ボスプレート１６の取付け面（前面）下部には
弾性を有する板ばね材より形成された係着部材３
１が設けられている（第５図および第６図参照）。
この係着部材３１は、第８図および第９図に示す
ように、略Ｕ字状に形成されたクリツプ部３２
と、同クリツプ部３２の後上端から同クリツプ部
３２の前方へ逆Ｌ字状に延出されたガイド部３３
とから成る。クリツプ部３２の後部にはねじ孔３
４が設けられており、このねじ孔３４に対しボス
プレート１６下部の貫孔３５に挿通されたビス３
６を螺着することにより、同ボスプレート１６に
係着部材３１が取付けられている。（第９図二点
鎖線参照）。係着部材３１のクリツプ部３２には
パツド本体２４の取付けプレート２７の下辺部２
９が弾性係着されている。また、クリツプ部３２
の前上部には後下方に向けて係止爪３７が起立さ
れている。この係止爪３７は取付けプレート２７
の下辺部２９上縁に係合して同プレート２７の抜
止めを成している。（第９図参照）。

上記したステアリングパツドにおいて、組付け
前の状態が示された第５図および第６図のボスプ
レート１６に対し第３図および第４図のパツド本
体２４を組付けるには、まず、ボスプレート１６
とパツド本体２４の取付け面相互を対向状にし
て、係着部材３１のクリツプ部３２とガイド部３
３間に取付けプレート２７の下辺部２９を指向さ
せる（第１０図参照）。次に、パツド本体２４を
後上方へ斜状に移動させて、取付プレート２７の
下辺部２９を係着部材３１のクリツプ部３２とガ
イド部３３間に介入してクリツプ部３２上に位置
させる（第１１図参照）。次に、ボスプレート１
６に取付けプレート２７を押し付けるようにして
パツド本体２４を下方へ移動させて、左右のクリ
ツプ３０，３０をボスプレート１６の係合部２
３，２３に弾性係着するとともに、取付けプレー
ト１６の下辺部２９を係着部材３１のクリツプ部
３２に弾性係着しかつ係止爪３７を取付けプレー
ト２７の下辺部２９上縁に係合することにより、
組付け作業が完了する（第１２図参照）。

なお、本例では、ボスプレート１６へのクリツ
プ３０の係着時には、同クリツプ３０が裏面カバ
ー１７のテーパ状の入口部にてガイドされるの
で、左右方向の位置決めを容易になし得る。ま
た、ボスプレート１６よりパツド本体２４を取外
すときには、ビス３６を弛緩してパツド本体２４
を係着部材３１とともに上方へ移動させれば良
い。

〔考案の効果〕

すなわち、この考案によれば、ステアリングシ
ヤフト上のボスプレートにパツド本体が相対的に
略逆Ｕ字軌跡を描くように移動されることで、ビ
スを用いることなく、ワンタツチで容易に組付け
ることがき、組付け作業性が向上する。また、ボ
スプレート上の係着部材のクリツプ部とガイド部
との間にパツド本体の取付けプレートの下部を介
入させることにより、パツド本体が所定の組付け
位置へ次第にガイドされるので、その組付けが正
確に行われる。また、パツド本体の取付けプレー
トは係着部材のクリツプ部の係止爪にて抜止めさ
れるので、組付け保持が確実に成される。

また、係着部材に形成したガイド部によつて、
そのガイド部とクリツプ部との間に入れられた取
付けプレートの抜け落ちが防止される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図はステアリングホイールの正面図、第２図は同
ホイールのステアリングパツドの側断面拡大図、
第３図はパツド本体の側断面図、第４図はパツド
本体の背面図、第５図はステアリングホイールの
ボス部の側断面図、第６図は同ボス部の正面図、
第７図は取付けプレートの斜視図、第８図は係着
部材の斜視図、第９図は同係着部材の断面図、第
１０図〜第１２図は組付け過程を順次示す略示断
面図である。 １６……ボスプレート、１９……ステアリング
シヤフト、２４……パツド本体、２７……取付け
プレート、３０……クリツプ、３１……係着部
材、３２……クリツプ部、３３……ガイド部、３
７……係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステアリングシヤフトに固定されたボスプレー
   トの前面を覆うパツド本体には取付けプレートを
   固着し、取付けプレートの上部にはボスプレート
   の上部が弾性係着される略逆Ｕ字状のクリツプを
   配設し、ボスプレートの下部に取付けられた係着
   部材は、取付けプレートの下部が弾性係着される
   略Ｕ字状のクリツプ部と、同クリツプ部の後上端
   から同クリツプ部の前方へ逆Ｌ字状に延出された
   ガイド部とから形成し、係着部材のクリツプ部に
   は取付けプレートの下部に係合する係止爪を設け
   たことを特徴とするステアリングパツド。