JPS6146045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車などの車輌用のステアリング
ホイールに関する。

（従来の技術） 一般に、ステアリングホイールは、第１図およ
び第２図に示すように、ステアリングホイール本
体１をグリツプ部２、スポーク部３およびボス部
４により形成し、このスポーク部３およびボス部
４を覆つてパツド５を固定している。

そして、従来、パツド５を固定する場合、ステ
アリングホイール本体１のスポーク部３に数個の
パツド取付部６を形成するとともに、パツド５の
裏面に数個の取付ボス７を突設し、各パツド取付
部６と取付ボス７とを取付ねじ８で螺着してい
る。

しかし、この構造のものでは、ステアリングホ
イール本体１の裏側から取付ねじ８で固定するた
め、組付作業が面倒である。

また、従来、第３図に示すように、ステアリン
グホイール本体１のスポーク部３に係止板９を取
付けるとともに、パツド５の裏側にクランプ弾性
板１０を取付け、係止板９にクランプ弾性板１０
を上方から弾性的に係合してパツド５を取付ける
ものである。

この場合、ステアリングホイール本体１の表側
からパツド５を容易に固定することができるが、
係止板９およびクランプ弾性板１０を別々に取付
けなければならず、部品点数が多くなり、この点
から組立に手数がかかる。さらに、車輌の走行時
に、ステアリングホイールに伝わる振動に対して
パツド５ががたつかないように固定するために
は、クランプ弾性板１０に大きな弾性力が必要で
あり、通常、クランプ力が強くて熱変形の少ない
鉄板製のスプリング材が用いられており、重量も
重くなるとともに、コストアツプとなる。

また、上記いずれのものも、衝撃吸収機能をも
たせるためには、ステアリングホイール本体１と
パツド５との間に衝撃吸収装置を別個に設ける必
要があり、この点からも組立作業に手数がかかる
とともに、コストアツプとなる。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように、従来のステアリングホイールに
おいては、組立作業性および別個の衝撃吸収装置
を設けなければならない問題がある。

本考案は、上述のような点を改良しようとする
もので、容易かつ確実に組付けることができると
ともに、安全なステアリングホイールを提供する
ことを目的とするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案は、グリツプ部１３、スポーク部１５お
よびボス部１７を有するステアリングホイール本
体１１と、このステアリングホイール本体１１の
スポーク部１５およびボス部１７の少なくとも一
方を覆うパツド２２とを備え、上記ステアリング
ホイール本体１１のスポーク部１５およびボス部
１７少なくとも一方に、係止孔２１を有するパツ
ド取付体２０を設け、上記パツド２２に、上記係
止孔２１に挿通係止される係止爪２４を先端に有
する係止片２３を突設し、この係止片２３の側部
に先端の係止爪２４部を除く係止片２３のほぼ全
長にわたつて上記係止孔２１に圧入係止される係
止リブ２５を形成したものである。

（作用） 本考案は、パツド２２の各係止片２３の係止爪
２４をパツド取付体２０の各係止孔２１に挿入係
止して、ステアリングホイール本体１１にパツド
２２を固着し、また、運転者がパツド２２に激突
して衝撃力が加わると、係止リブ２５が変形しな
がら係止孔２１を通過し、衝撃エネルギーを吸収
する。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第４図ないし第９図
を参照して説明する。

１１はステアリングホイール本体で、このステ
アリングホイール本体１１は、グリツプ芯金１２
を有するグリツプ部１３、このグリツプ部１３に
連設され上記グリツプ芯金１２に溶接接続された
スポーク芯金１４を有するスポーク部１５、この
スポーク部１５のスポーク芯金１４の中央部に溶
接接続された連結芯金１６、この連結芯金１６に
溶接接続されたボス部１７からなり、上記スポー
ク部１５およびボス部１７の裏面を覆つて裏カバ
ー１８が取付けられている。さらに、上記スポー
ク部１５の両側にホーン装置１９が取付けられて
いる。そして、上記ボス部１７の上部にパツド取
付体２０が中央部で溶接固定され、このパツド取
付体２０の両端に係止孔２１が穿設されている。

２２は上記ボス部１７を覆う合成樹脂製のパツ
ドで、このパツド２２の裏面に上記各係止孔２１
に対応する係止片２３が一体に突設され、この係
止片２３の先端に係止爪２４が形成されていると
ともに、係止片２３の外側中央部に沿い先端の係
止爪２４部を除く係止片２３のほぼ全長にわたつ
てかつパツド２２の裏面にわたり係止リブ２５が
一体に形成され、この係止リブ２５の下端に傾斜
状の係止部２６が形成されている。

そして、ステアリングホイール本体１１のボス
部１７の上面にパツド２２を配設して、各係止片
２３の係止爪２４をパツド取付体２０の各係止孔
２１に挿入し、その係止爪２４をパツド取付体２
０の裏面に係止し、かつ、係止リブ２５の係止部
２６を係止孔２１に圧入変形させるとともに一部
をパツド取付体２０の上面に当接し、ステアリン
グホイール本体１１にパツド２２が固着されてい
る。

このような構成において、運転者がパツド２２
に激突して衝撃力が加わると、第８図および第９
図に示すように、係止リブ２５が変形しながら係
止孔２１を通過し、衝撃エネルギーを吸収する。

なお、上記実施例では、パツドはボス部を覆う
ものを示したが、スポーク部を覆うものでもよ
く、また、ボス部とスポーク部を覆うようにして
もよい。そして、パツド取付体も、スポーク部、
またはボス部とスポーク部とに設けてもよい。

また、パツド取付体２０はスポーク芯金１４と
一体に形成してもよい。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ステアリングホイール本体に
対してパツドを、パツド取付体の係止孔と係止片
の係止爪との係合により容易に組付けることがで
きるとともに、係止爪と係止リブとにより強固に
固定することができ、しかも、運転者がパツドに
激突して衝撃力が加わつたような場合、係止リブ
が変形しながら係止孔を通過することにより衝撃
エネルギーを吸収できて安全性を高めることがで
き、構造も簡単で、安価にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のステアリングホイールの平面
図、第２図は第１図−部に対応する断面図、
第３図は第１図−部に対応する断面図、第４
図は本考案のステアリングホイールの一実施例を
示す平面図、第５図は第４図−部の断面図、
第６図はパツドの一部の断面図、第７図は係止片
の下面図、第８図および第９図は衝撃が加わつた
場合の断面図である。 １１……ステアリングホイール本体、１３……
グリツプ部、１５……スポーク部、１７……ボス
部、２０……バツド取付体、２１……係止孔、２
２……パツド、２３……係止片、２４……係止
爪、２５……係止リブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 グリツプ部、スポーク部およびボス部を有する
   ステアリングホイール本体と、このステアリング
   ホイール本体のスポーク部およびボス部の少なく
   とも一方を覆うパツドとを備え、 上記ステアリングホイール本体のスポーク部お
   よびボス部の少なくとも一方に、係止孔を有する
   パツド取付体を設け、上記パツドに、上記係止孔
   に挿通係止される係止爪を先端に有する係止片を
   突設し、この係止片の側部に先端の係止爪部を除
   く係止片のほぼ全長にわたつて上記係止孔に圧入
   係止される係止リブを形成したことを特徴とする
   ステアリングホイール。