JPH072352Y2 - ステアリングホイールのホイールパッド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ステアリングホイールのボス部及びスポーク
部を被覆するステアリングホイールのホイールパッドに
関する。

従来の技術 従来、ステアリングホイールのホイールパッドは、種々
の形状のものが知られており、例えば、半硬質性合成樹
脂よりなる略Ｔ字状の蓋体であって、各端部をスポーク
部などにねじなどにより固着して、ステアリングホイー
ルのボス部及び複数本のスポーク部を被覆するようにた
ものがある。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上記構造のものでは、パッド自体が半硬
質の合成樹脂で形成されており、かつ一のスポーク部か
らボス部を通って他のスポーク部を被覆するパッドの前
面部分が、パッドの取付作業の簡略化のためにスポーク
部などに何等固着されずに不安定な状態になっており、
パッドの経時変化による劣化などにより、第１図に一点
鎖線で示すように、上記前面部分がボス部やスポーク部
などから離れる、いわゆる、「そり」が発生して、見映
えが悪くなるといった問題がある。

従って、本考案の目的は、上記問題を解決することにあ
って、上記前面部分のそりの発生を効果的に防止するこ
とができるステアリングのホイールパッドを提供するこ
とにある。

問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本考案は、前面部分に係止
部を備えて、該係止部をボス部の衝撃吸収体の係止部に
係止するように構成した。すなわち、上記衝撃吸収体の
前面側表面（すなわち、パッドがスポーク部やボス部に
支持されていない部分に対応する衝撃吸収体の表面）に
備えられかつ上記表面に沿って後方に延びたＬ字状係止
部に上記衝撃吸収体の変形時に係止解除可能に係止する
係止部を、パッド前面側裏面に該裏面に沿って前方に延
びるように備えるように構成した。

考案の作用 パッドをステアリングホイールに固着するときに、パッ
ドの前面に備えた係止部を衝撃吸収体の前面に備えた係
止部に係止して、パッドの前面部分を安定に支持する。

実施例 以下に、本考案にかかる実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

本実施例にかかるホイールパッド１は、第1,4,5図に示
すように、衝撃吸収体５を有するボス部４と、該ボス部
４とステアリングホイール本体２とを接続する３本のス
ポーク部3,3,3とを被覆する略Ｔ字状の半硬質製（軟質
性ポリ塩化ビニル製）蓋体よりなる。

上記ボス部４のボス4aの周囲のボスプレート4bの運転者
側表面には、屈曲した中空の略Ｃ字状金属板よりなる上
記衝撃吸収体５が固着され、自動車走行時に運転者に衝
撃が加わり、該運転者がパッド１に衝突した場合、上記
衝撃吸収体５がへこむことにより上記衝撃を吸収して、
該衝撃から運転者の身体を保護しようとするものであ
る。この衝撃吸収体５の前面5bの表面には、第2,3図に
示すように、運転者側に向かって伸びた係止部としての
一対のＬ字状係止突起5a,5aを突設する。

一方、上記ホイールパッド１は、表層材６と裏層材７を
一体的に固着した２層構造よりなり、左右両端1b,1cと
下端1dとの３箇所をボルト8,8,8で、ステアリングホイ
ールに固着されたリテーナに係着する。この裏層材７の
前面部分1aの裏面には、上記衝撃吸収体５の一対の係止
突起5a,5aを係止する係止部としての係止溝1eを備え
る。

上記構成にかかるホイールパッド１は、その裏層材７の
係止溝1eを衝撃吸収体5aの一対の係止突起5a,5aに係止
させた上で、パッド１の左右両端1b,1c及び下端1dをボ
ルト8,8,8でステアリングホイールに固着されたリテー
ナに係着する。従って、一のスポーク部３からボス部４
を通って他のスポーク部３を被覆するパッド１の前面部
分1aの係止溝1eに、衝撃吸収体５の一対の係止突起5a,5
aが係止して、パッド前面部分1aがボス部４などから離
れにくくすることにより、パッド前面部分1aが衝撃吸収
体５に安定に支持されるので、パッド１の経時変化によ
る劣化などにより上記前面部分1aがボス部４やスポーク
部3,3などから離れる、いわゆる、「そり」が発生しよ
うとしても、、パッド前面部分1aが衝撃吸収体５から離
れることができず、パッド前面部分1aの見映えが良くな
る。

なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、
その他種々の態様で実施できる。例えば、パッド１の前
面部分以外の他の部分、すなわち、両側面部分にも上記
と同様に係止突起5aと係止溝1eとよりなる係止構造を備
えてもよい。また、本考案を適用できるパッド１の形状
はＴ字状に限る必要はなく、２本のスポーク部を有する
ものにおいて、スポーク部３やボス部４に安定して支持
されない部分に適用できるものである。また、衝撃吸収
体５に備える係止部5aは一つでもよい。また、パッド１
に係止溝1eを備える代わりに、係止突起を備えて、該係
止突起が衝撃吸収体５の係止突起5aに係止するようにし
て、上記と同様な効果を奏するようにしてもよい。

考案の効果 上記構成によれば、パッドの係止部を衝撃吸収体の係止
部に係止解除可能に係止させて、一のスポーク部からボ
ス部を通って他のスポーク部を被覆するパッドの前面部
分がボス部、すなわち、衝撃吸収体に安定して支持され
るようにしたので、パッドの経時変化による劣化などに
より上記前面部分がボス部やスポーク部などから離れ
る、いわゆる、「そり」が発生しようとしても、衝撃吸
収体の前面側の表面に沿って延びた係止部にパッド前面
の裏面に沿って延びた係止部を係止させることにより、
パッドの前面部分がスポーク部やボス部から離れにく
く、パッド全体の見映えが良くなる。又、係止部はボル
ト等による固着ではなくかつ係止解除可能に係止するよ
うにしている為、パッドに衝撃が加わり、衝撃吸収体が
変形しようとしたときは、係止部同士が係止解除し、衝
撃吸収体のエネルギー吸収特性を阻害することがなく、
安定した性能を有するエネルギー吸収ステアリングホイ
ールを供給出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例にかかるホイールパッドをス
テアリングホイールに取付状態を示すステアリングホイ
ールの縦断面図、第２図は衝撃吸収体の前面部分を示す
要部斜視図、第３図は衝撃吸収体の正面図、第４図はパ
ッド及び衝撃吸収体を取り除いた状態でのステアリング
ホイールの正面図、第５図はパッドの正面図である。 １……パッド、1a……前面部分、1b……左端、1c……右
端、1d……下端、1e……係止溝、２……ステアリングホ
イール本体、３……スポーク部、４……ボス部、4a……
ボス、4b……ボスプレート、５……衝撃吸収体、5a……
係止突起、６……表層材、７……裏層材、８……ボル
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】衝撃吸収体（５）を備えたボス部（４）及
   びスポーク部（３）を被覆するステアリングホイールの
   ホイールパッドにおいて、 上記衝撃吸収体（５）の前面（5b）側表面に備えられか
   つ上記表面に沿って後方に延びたＬ字状係止部（5a）に
   上記衝撃吸収体の変形時に係止解除可能に係止する係止
   部（1e）を、パッド前面（1a）側裏面に該裏面に沿って
   前方に延びるように備えたことを特徴とするステアリン
   グホイールのホイールパッド。