JP4397098B2 - 軒樋伸縮継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度差による軒樋の伸縮を吸収できる軒樋伸縮継手に関し、特に、内側に嵌装される二個の継手部材を適正な位置に位置決めして軒樋接続作業を行うことができる軒樋伸縮継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
軒樋伸縮継手には種々のタイプのものがあるが、その一つとして、断面U字状の外継手の内側に、軒樋を接続する二個の継手部材を摺動自在に嵌装したタイプのものが知られている。
【0003】
かかる軒樋伸縮継手は、温度変化により軒樋が伸縮すると、それに追従して双方の継手部材が外継手の内側で摺動するため、軒樋の伸縮を吸収できるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の軒樋伸縮継手は、接続作業を行うときには双方の継手部材が外継手の内側の適正な位置に位置決め固定されていないため、継手部材が摺動して適正な位置で軒樋を接続することが難しく、不適正な位置で接続を行うと、その後の軒樋の収縮によって継手部材が外継手から外れ落ちたり、軒樋の伸張によって継手部材同士が当たってそれ以上の伸びを吸収できなくなるという問題があった。
【0005】
また、上記の軒樋伸縮継手は、双方の継手部材が不透水材で水密的に連結されていないため、継手部材と外継手の隙間にそれぞれ防水パッキン等を挟んでも、軒樋を真直ぐに施工しないと軒樋伸縮継手に無理な力が加わり、雨水が漏れやすくなるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題に対処すべくなされたもので、その目的とするところは、双方の継手部材が適正な位置に位置決めされ、漏水も生じない軒樋伸縮継手を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る軒樋伸縮継手は、外カバーの内側に、軒樋を接続する二個の継手部材を摺動可能に嵌装した軒樋伸縮継手であって、上記外カバーに形成した被係合部に、2つの係合片を有する位置決め具を上記継手部材の摺動方向に移動しないように係合させて脱着自在に取付け、位置決め具の一方の係合片を一方の継手部材に固定した内カバーに形成した被係合部に係合させると共に、位置決め具の他方の係合片を他方の継手部材に形成した被係合部に係合させて、双方の継手部材を適正な位置に位置決めしたことを特徴とするものである。
【0008】
このような構成の軒樋伸縮継手は、位置決め具の一方の係合片が一方の継手部材に固定された内カバーに形成された被係合部に係合すると共に、位置決め具の他方の係合片が他方の継手部材に形成された被係合部に係合しているため、双方の継手部材が位置決め具と固定関係にあり、且つ、位置決め具が継手部材の摺動方向に移動しないように外カバーに形成された被係合部に係合して外カバーと固定関係にあるため、この位置決め具を介して双方の継手部材と外カバーが互いに固定され、双方の継手部材が外カバー内側の適正な位置に位置決めされて摺動不能となる。従って、双方の継手部材を適正な位置に位置決めしたまま軒樋の接続作業を行うことができるので、接続後に位置決め具を取り除けば、その後の軒樋の伸縮によって継手部材が外カバーから外れ落ちたり継手部材同士が当たったりすることなく、軒樋の伸縮を満足に吸収することができる。
【0009】
次に、本発明の請求項2に係る軒樋伸縮継手は、上記請求項1の軒樋伸縮継手において、位置決め具に形成した挟持片と係合片とで外カバーの前壁部又は後壁部のいずれか一方の上端部を挟み込んで位置決め具を脱着自在に取付け、該上端部に形成した凸部又は凹部を被係合部として位置決め具を移動しないように係合させたことを特徴とするものである。
【0010】
このような構成の軒樋伸縮継手は、外カバーの前壁部又は後壁部の上端部を挟持片と係合片とで挟み込むだけで位置決め具を簡単に取付けることができ、位置決め具の取外しも簡単に行うことができる。そして、該上端部に形成した凸部又は凹部を被係合部として位置決め具を移動しないように係合させることにより、確実に双方の継手部材を適正な位置に位置決めすることができる。
【0011】
次に、本発明の請求項3に係る軒樋伸縮継手は、上記請求項1又は2の軒樋伸縮継手において、二個の継手部材を伸縮自在な水密性の伸縮体で連結すると共に、この伸縮体を内カバーで被覆し、この内カバーの内面上部に形成した溝部を被係合部として位置決め具の一方の係合片を係合させると共に、他方の継手部材に形成した中間板を被係合部として位置決め具の他方の係合片を係合させたことを特徴とするものである。
【0012】
このような軒樋伸縮継手は、水密性の伸縮体によって双方の継手部材を連結しているため漏水の恐れがなく、しかも、伸縮体が内カバーで覆われているため、直射日光を受けて伸縮体が劣化したりゴミが溜ったりすることもない。そして、一方の継手部材に固定した内カバーに形成した溝部と、他方の継手部材に形成した中間板を、それぞれ被係合部として位置決め具の双方の係合片を係合させてあるので、位置決め具を介して双方の継手部材を外カバー内部の適正な位置に確実に位置決めすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る軒樋伸縮継手の斜視図、図2は同軒樋伸縮継手の縦断面図、図3は双方の継手部材の間隔が最大となった状態の同軒樋伸縮継手の縦断面図、図4は同軒樋伸縮継手の外カバーと位置決め具の斜視図、図5は同軒樋伸縮継手の一方の継手部材の斜視図、図6は同軒樋伸縮継手の他方の継手部材の斜視図、図7は同軒樋伸縮継手の伸縮体の斜視図、図8は同軒樋伸縮継手の内カバーの斜視図、図9は同軒樋伸縮継手の内カバーを取外し、外カバーを透して双方の継手部材と伸縮体を斜めから見た透視図、図10は位置決め具の取付け状態を示す側面図である。
【0015】
この軒樋伸縮継手は、図1〜図3に示すように、外カバー1の内側に二個の継手部材2,3を摺動可能に嵌装して、双方の継手部材2,3を伸縮自在な水密性の伸縮体4で連結し、伸縮体被覆用の内カバー5を一方の継手部材3に取付けると共に、位置決め具7を外カバー1に取付けて双方の継手部材2,3を外カバー1内の適正な位置に位置決めしたものである。
【0016】
外カバー1は、塩化ビニル樹脂、AAS(アクリロニトリル−アクリロニトリルゴム−スチレン)樹脂、AS(アクリル−スチレン)樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂などの熱可塑性樹脂で成形されたものであって、図4に示すように、底壁部1aから立上がる前壁部1bの上端と後壁部1cの上端には、継手部材2,3の耳押え部を押さえる略L字形の押え部1dと略コ字形の押え部1eが形成されている。
【0017】
この前壁部1b上端の押え部1dには、位置決め具7を継手部材2,3の摺動方向に移動しないように係合させる被係合部として、一対の凸部1i,1iが形成されており、後述するように、位置決め具7が凸部1i,1iの間に嵌まり込んだ状態で移動不能に係合して脱着自在に取付けられるようになっている。そして、これらの凸部1i,1iの内側には、位置決め具7の係合片7a,7bの略直角屈曲部がそれぞれ嵌まり込む凹部1j,1jが形成されており、これらの凹部1j,1jも被係合部として補助的に機能するものである。なお、凹部1j,1jを深く形成しておけば、凸部1i,1iを補助的に或は形成しなくとも位置決め具7を係合させることも可能である。
【0018】
この外カバー1は、継手部材2,3の形状に対応するように、前壁部1bが少し後側へ彎曲傾斜して後壁部1cよりも高く形成されており、前壁部1bの途中には段部1fが形成されている。また、この外カバー1の底壁部1aの内面(上面)には、突起1g,1hが形成されている。この突起1g,1hについては後で説明する。
【0019】
継手部材2,3はいずれも、外カバー1と同様の熱可塑性樹脂で成形されたものであって、片方の継手部材2は、図5に示すように軒樋接続部2aに長い略U字状の溝型部2bが一体形成されており、もう一方の継手部材3は、図6に示すように軒樋接続部3aに短い略U字状の溝型部3bが一体形成されている。
【0020】
継手部材2の軒樋接続部2aは、軒樋6の形状に対応するように、底壁部2cから立上がる前壁部2dが少し後側へ彎曲傾斜して後壁部2fよりも高く形成され、その途中に段部2eが設けられると共に、この前壁部2dの上端と後壁部2fの上端に、軒樋6の耳部6a,6bを押さえる略L字形の耳押え部2gと略コ字形の耳押え部2hが形成されたものであり、この軒樋接続部2aの内側には軒樋6の内面を押さえる押え板2iが設けられている。従って、図2、図3、図5に一点鎖線で示すように、軒樋6の端部が軒樋接続部2aと内側の押え板2iとの隙間部分に差込まれ、軒樋6の前後の耳部6a,6bが耳押え部2g,2hに押えられて、軒樋6が継手部材2に接続されるようになっている。この軒樋接続部2aの耳押え部2g,2hは、端部側の略半分が切り欠かれているため、軒樋6の差込み作業がし易くなっている。
【0021】
継手部材2の略U字状溝型部2bの先端内面には、伸縮体4の端部の二条の凸リブを嵌着するための二条の細溝2j,2jが形成されており、この細溝の軒樋接続部2a側の溝側壁部2kは一段高く形成されて、内カバー5の係止部を係止させる被係止部となっている。そして、この略U字状溝型部2bの先端外面には、軒樋接続部2aの端部の輪郭と同じ輪郭を有する鍔部2mが形成されており、継手部材2を外カバー1の内側へ嵌装した状態では、この鍔部2mと軒樋接続部2aが外カバー1の内面に当接して、継手部材2が傾くことなくスムーズに摺動できるようになっている。また、この略U字状溝型部2bの後壁部上端には段部2nが形成されており、この段部2nによって内カバー5の後壁部上端の段部が支持されて、内カバー5が傾くことなくスムーズに摺動できるようになっている。更に、軒樋接続部2aと略U字状溝型部2bとの間には、位置決め具7の一方の係合片7aを係合させる被係合部となる中間板2pが設けられており、この中間板2pの下部中央には水抜き用の切欠部2qが形成されていて、略U字状溝型部2bに雨水が溜まらないようになっている。
【0022】
もう一方の継手部材3の軒樋接続部3aは、上記継手部材2の軒樋接続部3aと左右対称の構造であって、底壁部3cから立上がる前壁部3dが少し後側へ彎曲傾斜して後壁部3fよりも高く形成され、その途中に段部3eが設けられると共に、この前壁部3dの上端と後壁部3fの上端に、軒樋6の耳部6a,6bを押さえる略L字形の耳押え部3gと略コ字形の耳押え部3hが略半分切り欠かれて形成されている。そして、この軒樋接続部3aの内側には、軒樋6の内面を押さえる押え板3iが設けられている。
【0023】
また、この軒樋接続部3aに一体形成された短い略U字状溝型部3bの内面には、伸縮体4の端部の二条の凸リブを嵌着するための二条の細溝3j,3jと、内カバー5の取付用フランジ部を嵌合するための嵌合溝3pが設けられており、この嵌合溝3pの溝側壁部は細溝3j,3jの溝側壁部よりも一段高く形成されている。そして、この略U字状溝型部3bの先端外面には、軒樋接続部3aの端部の輪郭と同じ輪郭を有する鍔部3mが形成されており、更に、略U字状溝型部3bの後壁部上端には、内カバー5の後壁部上端の段部を支持する段部3nが形成されている。
【0024】
上記の鍔部3mと軒樋接続部3aとの間の略U字状溝型部3bの外面は凹設され、継手部材3の摺動方向と直角方向の係合溝3rが形成されている。そして、図2,図3に示すように、この係合溝3rの内部に前述した外カバー1内面の突起1gが突入している。そのため、継手部材3が摺動すると、突起1gが係合溝3rの両側の溝側壁(換言すれば鍔部3mと、反対側の軒樋接続部3aの端部)に係合して、継手部材3の摺動範囲が係合溝3rの溝幅の範囲内に制限されるようになっている。
【0025】
同様に、前記継手部材2の軒樋接続部2aと略U字状溝型部2b先端の鍔部2mとの間の空間部には、外カバー1内面のもう一つの突起1hが突入し、継手部材2の摺動範囲が該空間部の範囲内で制限されるようになっている。
【0026】
継手部材2,3を連結する伸縮体4は、図7に示すように全体がU字状に形成された合成ゴム等から成る伸縮自在な水密性の蛇腹体であって、この伸縮体4の両端部外面には二条の凸リブ4a,4aがそれぞれ形成されている。そして、この伸縮体4は、図2,図3、図9に示すように、両端部外面の凸リブ4a,4aを双方の継手部材2,3の前記細溝2j,3jに嵌着することによって継手部材2,3に取付けられ、この伸縮体4を介して双方の継手部材2,3が水密的に連結されている。
【0027】
尚、伸縮体4としては、最初からU字状に形成された蛇腹体の他に、平坦な蛇腹シートを用いて、これを組立時に継手部材2,3の細溝2j,3jに嵌着することでU字状となして水密的に連結してもよく、また、蛇腹体ではない伸縮自在な他の柔軟なシートを伸縮体4として用いて、同様に双方の継手部材2,3を水密的に連結してもよい。
【0028】
伸縮体4を被覆保護する内カバー5は、前記の外カバー1と同様の熱可塑性樹脂からなるもので、図8に示すように、前壁部が後壁部よりも高い略U字状に成形されており、その後壁部上端には段部5aが形成されている。そして、この内カバー5の一端外面には取付用フランジ部5bが形成され、他端外面には係止部となる係止用フランジ部5cが形成されている。また、前壁部の他端寄りの内面上部には2本のリブ5e,5eが設けられ、位置決め具7の一方の係合片7aを係合させる被係合部となる溝部5dが該リブ5e,5eの間に形成されている。
【0029】
この内カバー5は、図2,図3に示すように、一端の取付用フランジ部5bを一方の継手部材3の嵌合溝3pに嵌合して取付けられ、一方の継手部材3の一部となっている。そして、この内カバー5の係止用フランジ部5cは、他方の継手部材2の略U字状溝型部2bの内底面に近接し、ゴミ等が伸縮体4の方へ入り込まないようになっている。
【0030】
位置決め具7は、前述した外カバー1と同様の熱可塑性樹脂で射出成形されたものであって、図4に示すように、2つの側片と頂片とにより略コ字形に形成されている。側片の一方は外カバー1と係合する挟持片7cとなり、他方は継手部材2,3と係合する係合片となる。該係合片は二股状に分岐して途中で略直角に屈曲した形状の2つの係合片7a,7bとなされていて、一方の係合片7aは、前記内カバー5の溝部5dに係合させたとき、その下端部が溝部5dの底面に沿うように斜め前方へ「く」字状に屈曲されている。そして、図4,図10に示すように、双方の係合片7a,7bの後面には係止爪7dが形成されている。また、挟持片7cの下端部も、図4,図10に示すように斜め後方へ「く」字状に屈曲され、この位置決め具7を取り外すときに指が該屈曲下端部に引掛かりやすいようになっている。
【0031】
この位置決め具7は、図1,図2,図10に示すように、挟持片7cと双方の係合片7a,7bとで外カバー1の前壁部1bの上端部を弾性的に挟み込み、双方の係合片7a,7bの係止爪7d,7dを外カバー1上端の押え部1dに上方から係止させることによって取付けられており、該押え部1dに形成した凸部1i,1iを被係合部として、その間に位置決め具7が嵌まり込んだ状態で継手部材2,3の摺動方向に移動できないように係合されている。そして、一方の係合片7aの屈曲下端部が、一方の継手部材3に取付けられた内カバー5の溝部5dを被係合部として該溝部5dに係合され、他方の係合片7bが他方の継手部材2の中間板2pを被係合部として該中間板2pに係合されている。また、双方の係合片7a,7bの略直角屈曲部は、被係合部として補助的に機能する外カバー1上端の凹部1j,1jに嵌まり込み、位置決め具7の移動阻止を補助している。
【0032】
以上のような構成の軒樋伸縮継手は、位置決め具7の一方の係合片7aが一方の継手部材3に取付けられた内カバー5の溝部5dに係合して位置決め具7と一方の継手部材3が固定関係にあり、また、位置決め具7の他方の係合片7bが他方の継手部材2の中間板2pに係合して位置決め具7と他方の継手部材2が固定関係にあり、更に、位置決め具7が外カバー1上端の凸部1i,1iと係合して位置決め具7と外カバー1が固定関係にあるため、結果的に該位置決め具7を介して双方の継手部材2,3と外カバー1が互いに固定され、双方の継手部材2,3が外カバー1内側の適正な位置に位置決めされている。従って、この軒樋伸縮継手は、双方の継手部材2,3を適正な位置に位置決めしたまま軒樋6,6の接続作業を行うことができるので、接続作業が容易である。
【0033】
そして、軒樋接続後、図10に示すように位置決め具7の挟持片7cの屈曲下端部を矢印の方向に指で回すと、位置決め具7を簡単に取り除くことができ、このように位置決め具7を取り除けば、軒樋6,6の伸縮に追従して双方の継手部材2,3が外カバー1内を摺動し、その伸縮を吸収することができる。その場合、軒樋接続の際に双方の継手部材2,3を適正な位置に位置決めしているので、軒樋6,6の伸縮によって継手部材2,3が外カバー1から外れ落ちたり継手部材2,3が互いに当たったりすることはない。
【0034】
特に、この実施形態の軒樋伸縮継手では、軒樋6,6が大きく収縮した場合でも、内カバー5の係止用フランジ部5cが他方の継手部材2の前記細溝の溝側壁部2kに係止して、双方の継手部材2,3の間隔がそれ以上拡大することがないので、伸縮体4に無理な力が加わることがなくて、伸縮体4の伸びによる引き裂きや伸縮性を損なうことがない。また、外カバー1の突起1g,1hが一方の継手部材3の係合溝3rや他方の継手部材2の前記空間部に係合することによって、双方の継手部材2,3の摺動範囲が制限されるため、継手部材2,3が外カバー1から外れ落ちる心配は皆無である。
【0035】
そして、双方の継手部材2,3が水密性の伸縮体4によって連結されているため漏水の心配がなく、この伸縮体4は内カバー5で被覆保護されているので、直射日光を受けて劣化したり、ゴミが溜まったりする心配もない。
【0036】
上述の実施形態では、位置決め具7を外カバー1の前壁部1bの上端部に取付けて双方の継手部材2,3を位置決めしているが、位置決め具7を外カバー1の後壁部1cの上端部に取付けて双方の継手部材2,3の位置決めを行うようにしてもよいことは言うまでもない。また、位置決め具7き係合片7a,7bは二股状に分岐させているが、この係合片7a,7b同士を連結して段差を有する連結板となし位置決め強度を高めてもよい。更に、外カバー1や継手部材2,3の形状を、丸樋や通常の角樋に対応した形状に変更するなど、種々の設計的変更をしてもよいことは勿論である。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の軒樋伸縮継手は、双方の継手部材を外カバー内の適正な位置に位置決めしたまま軒樋を接続することができるので、位置決め具を取り除いた後、軒樋の収縮に伴って継手部材が外カバーから外れ落ちたり、軒樋の伸張に伴って継手部材同士が当たる心配が解消されるといった顕著な効果を奏し、特に、水密性の伸縮体で双方の継手部材を連結し、内カバーで該伸縮体を被覆するようにした軒樋伸縮継手は、漏水、ゴミ詰まり、伸縮体の劣化等を防止できるといった効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る軒樋伸縮継手の斜視図である。
【図2】同軒樋伸縮継手の縦断面図である。
【図3】双方の継手部材の間隔が最大となった状態の同軒樋伸縮継手の縦断面図である。
【図4】同軒樋伸縮継手の外カバーと位置決め具の斜視図である。
【図5】同軒樋伸縮継手の一方の継手部材の斜視図である。
【図6】同軒樋伸縮継手の他方の継手部材の斜視図である。
【図7】同軒樋伸縮継手の蛇腹体の斜視図である。
【図8】同軒樋伸縮継手の内カバーの斜視図である。
【図9】同軒樋伸縮継手の内カバーを取外し、外カバーを通して双方の継手部材と蛇腹体を斜めから見た透視図である。
【図10】位置決め具の取付け状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 外カバー
1b 前壁部
1c 後壁部
1d,1e 押え部
1i 凸部(被係合部)
1j 凹部(補助的な被係合部)
2,3 継手部材
2p 中間板(被係合部)
4 伸縮体
5 一方の継手部材に取付けられた内カバー
5d 溝部(被係合部)
6 軒樋
7 位置決め具
7a,7b 係合片
7c 挟持片

Claims (3)

  1. 外カバーの内側に、軒樋を接続する二個の継手部材を摺動可能に嵌装した軒樋伸縮継手であって、上記外カバーに形成した被係合部に、2つの係合片を有する位置決め具を上記継手部材の摺動方向に移動しないように係合させて脱着自在に取付け、位置決め具の一方の係合片を一方の継手部材に固定した内カバーに形成した被係合部に係合させると共に、位置決め具の他方の係合片を他方の継手部材に形成した被係合部に係合させて、双方の継手部材を適正な位置に位置決めしたことを特徴とする軒樋伸縮継手。
  2. 前記位置決め具に形成した挟持片と前記係合片とで前記外カバーの前壁部又は後壁部のいずれか一方の上端部を挟み込んで前記位置決め具を脱着自在に取付け、該上端部に形成した凸部又は凹部を被係合部として前記位置決め具を移動しないように係合させたことを特徴とする請求項1に記載の軒樋伸縮継手。
  3. 前記二個の継手部材を伸縮自在な水密性の伸縮体で連結すると共に、この伸縮体を前記内カバーで被覆し、前記内カバーの内面上部に形成した溝部を被係合部として前記位置決め具の一方の係合片を係合させると共に、他方の継手部材に形成した中間板を被係合部として前記位置決め具の他方の係合片を係合させたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軒樋伸縮継手。
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