JP2004285601A - 軒樋止まり - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前耳51と後耳52とを備えた軒樋5の開口端に装着される軒樋止まりであって、該軒樋止まりAは、板状の止まり本体1と、この止まり本体1に延設され、軒樋5に内嵌する内嵌部2と、この内嵌部2の前方端部に連接される前耳嵌合凹部3と、ガイドリブ4とからなり、該内嵌部2は、前方側壁21、底面22、および後方側壁23から構成されるとともに、後方端部は、上記ガイドリブ4と共に後耳52を係止する後耳係止部231が設けられている。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軒樋止まりに関する。さらに詳しくは、軒樋の開口端に装着されて、軒樋内に集められた雨水がこぼれ落ちないように塞ぐ軒樋止まりに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軒樋止まりに関しては、種々の先行技術が知られている(特許文献1、2、3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−326241号公報(第1−3頁、第4図)
【特許文献2】
特開2000−282637号公報(第1−3頁、第1図)
【特許文献3】
特開平11−100954号公報(第1−4頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、強度、弾性、成形性等、諸物性に優れた合成樹脂、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が容易に入手可能となり、これらを用いた軒樋装置が提案されている。軒樋装置の中でも、軒樋の左右の開口端に装着される軒樋止まりは、上記樹脂から構成された軒樋自身が弾性係止して用いられ、例えば、従来公知の軒樋止まりとしては、本願図5に示すものが知られている。
【0005】
本願図5からよくわかるように、前耳51と、後耳52とを有する軒樋5に装着される軒樋止まりBは、板状の止まり本体1と、この止まり本体1に延設され、軒樋5に内嵌する内嵌部6とからなるとともに、この内嵌部6は、軒樋5の内周形状にほぼ符合する外周形状を有している。また、この内嵌部6の前方端部は、上記前耳51を係止する前耳係止部61とされ、後方端部は、後耳52を係止する後耳係止部62とされている。
【0006】
しかしながら、上記構成の軒樋止まりBにおいては、上記前耳係止部61に係止された前耳51に降りかかる雨水は、軒樋5に流入することなく垂れ落ちるという問題がある。また、前耳51と前耳係止部61との係止、および後耳52と後耳係止部62との係止は、単に軒樋5の弾性を利用した弾性係止のみであるため、とくに、後耳52が外れ易いという問題もある。本発明はこのような問題を解決するためになされたものであって、軒樋止まりに係止された軒樋の前耳からの雨水の垂れ落ちを防ぐとともに、後耳が後耳係止部から外れるのを防ぐことができる軒樋止まりを提供することを、その課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために考え出されたものであって、つぎのような技術的手段を講じている。すなわち、本発明によれば、前耳と後耳とを備えた軒樋の開口端に装着される軒樋止まりであって、該軒樋止まりは、板状の止まり本体と、この止まり本体に延設され軒樋に内嵌する内嵌部と、この内嵌部の前方端部に連接される前耳嵌合凹部と、ガイドリブとからなり、該内嵌部は、前方側壁、底面、および後方側壁から構成されるとともに、該内嵌部の後方端部には、上記ガイドリブと共に後耳を係止する後耳係止部が設けられていることを特徴とする軒樋止まりが提供される。このようにすることによって、軒樋止まりに降りかかる雨の垂れ落ちを防ぐとともに、後耳が後耳係止部から外れるのを防ぐことができる。
【0008】
上記前耳嵌合凹部の天面は、上記軒樋の前耳を覆うように張り出すとともに内側に傾斜し、その幅方向端部が斜めにカットされることが好ましい。このようにすることによって、内側に傾斜しながら下部に拡がる上記天面が、軒樋の前耳を覆い、軒樋止まりに降りかかる雨の垂れ落ちを防ぐとともに、軒樋内にスムースに雨水を流し込む。
【0009】
上記ガイドリブが下方に向かって鋭角の形状を有する楔形とすることが好ましい。このようにすることによって、上記内嵌部を軒樋に内嵌するとき、後耳が鋭角部に沿ってスムースに進入し、また、係止後は、このガイドリブがストッパーの役目を果たすため、後耳が後耳係止部から外れることを有効に防ぐ。
【0010】
上記軒樋が弾性を有する合成樹脂から構成されることが好ましい。例えば、硬質塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の成形品を軒樋とすることにより、軒樋自身が弾性復帰力を有するため、前耳、後耳を介して、軒樋止まりの内嵌部にしっかりと、弾性係止することができる。
【0011】
上記内嵌部の前方側壁の軒樋当接面には、接着剤を溜めるための溝部が設けられることが好ましい。この溝部に接着剤を塗り付けて上記内嵌部を軒樋に内嵌することにより、上記した前耳と後耳を介しての係止に、接着力が加わるため、軒樋止まりを軒樋の開口端にさらに、しっかりと装着することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、弾性を有する合成樹脂から構成された軒樋5の、向かって左側の端部に装着される本発明の軒樋止まりAを示す斜視図であり、図2は、軒樋の内部からみた軒樋止まりAの正面図である。図1、図2からよくわかるように、軒樋止まりAは、板状の止まり本体1と、この止まり本体1に延設され、軒樋5に内嵌する内嵌部2と、この内嵌部2の前方端部に連接された前耳嵌合凹部3と、ガイドリブ4とから構成される。
【0013】
内嵌部2は、前方側壁21、底面22、および後方側壁23から構成されるとともに、軒樋5の内周形状にほぼ符合する外周形状を有しており、この内嵌部2の前方端部には軒樋の前耳51と嵌合する前耳嵌合凹部3が連接され、後方端部は、上記ガイドリブ4と共に後耳52を係止する後耳係止部231が設けられている。前耳嵌合凹部3の天面31は、前耳51を覆うように張り出し、内側に傾斜している。
【0014】
上記前耳嵌合凹部3には、軒樋5の前耳51が嵌合するとともに、後耳係止部231は、ガイドリブ4と共に軒樋5の後耳52を挟持するように係止する。このとき、ガイドリブ4は、下方に向かって鋭角の楔形とされているとともに、軒樋5の厚みに相当する分だけ外側にずらせて設けられているため、後耳52が鋭角部に沿ってスムースに進入し、また、係止後は、後耳52が後耳係止部231から外れることを防ぐ。このようにすることにより、軒樋5は、その弾性復帰力も加わって、前耳51と、後耳52とを介して、しっかりと内嵌部2に弾性係止される。かくして、軒樋5の左端部に軒樋止まりAが装着され、板状の止まり本体1が軒樋5の開口端を塞ぎ、軒樋内に集められた雨水は、こぼれ落ちることなく、図示しない竪樋に流される。
【0015】
図3に、軒樋止まりAの平面図を示す。図1、図2、図3からよくわかるように前耳嵌合凹部3の天面31は、前耳51を覆うように張り出し、内側に傾斜するとともに、その幅方向の端部が、図3に示すように斜めにカットされている。
このようにすることにより、内側に傾斜しながら拡がる天面31は、軒樋止まりAに降りかかる雨の垂れ落ちを防ぐとともに、軒樋5内に雨水をスムースに流し込むことができる。
【0016】
図4は、軒樋止まりAの左側面図を示す。図4は、また、上記内嵌部2の前方側壁21の正面図でもあり、図4によく示されているように、前方側壁21の軒樋当接面には、接着剤を溜めるためのV字型の溝部211が設けられている。このとき、溝部211に接着剤を塗り付けて軒樋止まりAを軒樋5に内嵌することにより、既述した前耳51と後耳52による係止に、接着力が加わるため、軒樋止まりAを軒樋5の開口端にしっかりと装着することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明は、前耳51と後耳52とを備えた軒樋5の開口端に装着される軒樋止まりAであって、該軒樋止まりAは、板状の止まり本体1と、この止まり本体1に延設され、軒樋5に内嵌する内嵌部2と、この内嵌部2の前方端部に連接される前耳嵌合凹部3と、ガイドリブ4とからなり、該内嵌部2は、前方側壁21、底面22、および後方側壁23から構成されるとともに、後方端部には上記ガイドリブ4と共に後耳52を係止する後耳係止部231が設けられていることを特徴とする軒樋止まりが提供される。このようにすることによって、軒樋止まりAに降りかかる雨の垂れ落ちを防ぐとともに、後耳52が後耳係止部231から外れるのを防ぐことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、上記前耳嵌合凹部3の天面31は、上記軒樋5の前耳51を覆うように張り出すとともに内側に傾斜し、その幅方向端部が斜めにカットされる。このようにすることによって、請求項1に記載の発明の効果に加えて、内側に傾斜しながら下部に拡がる上記天面31が、軒樋5の前耳51を覆い、軒樋止まりAに降りかかる雨の垂れ落ちを防ぐとともに、軒樋5内にスムースに雨水を流し込むという効果が得られる。
【0019】
請求項3に記載の発明は、上記ガイドリブ4が下方に向かって鋭角の形状を有する楔形とされる。このようにすることによって、請求項1に記載の発明の効果に加えて、上記内嵌部2を軒樋5に内嵌するとき、後耳52が鋭角部に沿ってスムースに進入し、また、係止後は、このガイドリブ4がストッパーの役目を果たすため、後耳52が後耳係止部231から外れることを有効に防ぐ。
【0020】
請求項4に記載の発明は、上記軒樋5が弾性を有する合成樹脂から構成される。例えば、硬質塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の成形品を軒樋5とすることにより、請求項1に記載の発明の効果に加えて、軒樋自身が弾性復帰力を有するため、前耳51、後耳52を介して、軒樋止まりの内嵌部2にしっかりと、弾性係止することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、上記内嵌部2の前方側壁21の軒樋当接面に、接着剤を溜めるための溝部211が設けられる。この溝部211に接着剤を塗り付けて軒樋止まりの内嵌部2を軒樋5に内嵌することにより、請求項1に記載の発明の効果に加えて、上記した前耳51と後耳52を介しての係止に、接着力が加わるため、軒樋止まりAを軒樋5の開口端にさらに、しっかりと装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軒樋の向かって左側の開口端に装着される本発明の軒樋止まりを示す斜視図である。
【図2】図1に示す軒樋止まりを、軒樋内部からみた正面図である。
【図3】図1に示す軒樋止まりの平面図である。
【図4】図1に示す軒樋止まりの左側面図である。
【図5】従来公知の軒樋止まりを示す斜視図である。
【符号の説明】
A 本発明にかかる軒樋止まり
1 止まり本体
2 内嵌部
21 前方側壁
211 V字型溝部
22 底面
23 後方側壁
231 後耳係止部
3 前耳嵌合凹部
31 天面
4 ガイドリブ
5 軒樋
51 前耳
52 後耳
B 公知の軒樋止まり
6 内嵌部
61 前耳係止部
62 後耳係止部
Claims (5)
- 前耳と後耳とを備えた軒樋の開口端に装着される軒樋止まりであって、該軒樋止まりは、板状の止まり本体と、この止まり本体に延設され軒樋に内嵌する内嵌部と、この内嵌部の前方端部に連接される前耳嵌合凹部と、ガイドリブとからなり、該内嵌部は、前方側壁、底面、および後方側壁から構成されるとともに、該内嵌部の後方端部には、上記ガイドリブと共に後耳を係止する後耳係止部が設けられていることを特徴とする軒樋止まり。
- 上記前耳嵌合凹部の天面は、上記軒樋の前耳を覆うように張り出すとともに内側に傾斜し、その幅方向端部が斜めにカットされた請求項1に記載の軒樋止まり。
- 上記ガイドリブが下方に向かって鋭角の形状を有する楔形である請求項1に記載の軒樋止まり。
- 上記軒樋が弾性を有する合成樹脂からなる請求項1に記載の軒樋止まり。
- 上記内嵌部の前方側壁の軒樋当接面には、接着剤を溜める溝部が設けられている請求項1に記載の軒樋止まり。
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