しかしながら、上記の特許文献3などの構成では、被処理米の投入が終わった後に利用者により開閉扉91が閉じられなかった場合には、開閉扉91が開いたままとなるので、利用者でない者によりごみなどが投入口90内に投げ込まれるおそれがある。
また、利用者は被処理米を投入する前に開閉扉91を開け、また、投入後には、開閉扉91を閉じる動作が必要となるので、多くの手間がかかってしまう欠点がある。
また、上記の特許文献3の構成において、開閉扉91の開閉を検知する検知センサを設けて、被処理米の投入後に、開閉扉91を閉じなければ、精米動作が開始しないように制御することもでき、この場合には、精米処理後に開閉扉91が開いたままとなる不具合を防止できる利点がある。
しかしながら、この構成を採用すると、被処理米が多量にあるなどのために、複数回に分けて被処理米を追加しながら投入しようとした場合に、一旦開閉扉91を閉じて精米処理を開始させると、開閉扉91が閉じた状態にロックされてしまうので、精米処理が終わって開閉扉91のロックが解除されるまで、追加の被処理米を投入できないという問題を生じる。そして、この場合には、精米処理が終わることを待ちながら、開閉扉91を何度も開け閉めして被処理米を投入しなければならず、多くの手間や時間がかかってしまい、不便である。
本発明は上記問題や欠点を解決するもので、利用者でない者によりごみなどが投入口内に投げ込まれることを確実に防止することができ、しかも、利用者の手間も省くことができる自動精米設備を提供することを目的とするものである。
上記問題や欠点を解決するために本発明は、投入された被処理米に対して精米機により自動的に精米処理を行う自動精米設備であって、利用者が被処理米を投入する投入口と、この投入口が設けられている箇所を開閉する開閉扉と、前記開閉扉を閉鎖姿勢に移動させる開閉扉閉鎖手段と、開閉扉を閉鎖姿勢にロックするロック手段と、利用者の有無を検知する人検知センサと、精米機の精米処理が終了した信号と、利用者がいなくなったことを検知した人検知センサからの信号とを認識する自動閉鎖手段とを備え、前記自動閉鎖手段が、精米処理が終了したことと、利用者がいなくなったこととの両方を認識した際に、前記開閉扉閉鎖手段により開閉扉を閉鎖させる構成としたことを特徴とする。
この構成により、開閉扉閉鎖手段と自動閉鎖手段と人検知センサとによって、精米処理が終了し、かつ、利用者がいなくなったことを人検知センサにより検知した際に、開閉扉が自動的に閉鎖姿勢に移動されて投入口が設けられている箇所が閉鎖されロックされる。このように、開閉扉が閉め忘れることなく、必ず閉じられてロックされるので、利用者でない者によりごみなどが投入口内に投げ込まれることを確実に防止できる。また、開閉扉が自動的に閉じられるので、利用者の開閉扉を閉じる手間も省くことができる。また、精米処理が終了し、かつ、利用者がいなくなるまでは、開閉扉が開けられているので、被処理米が多量にあるなどのために、精米処理の開始後に被処理米を追加投入しようとした場合でも、自由に追加投入することができて、便利である。また、精米処理が終了し、かつ利用者がいなくなってから開閉扉が自動的に閉鎖されるので、投入口に対して利用者が作業している際に開閉扉が閉鎖されることを防止できて、極めて安全に開閉扉を自動的に閉鎖させることができて、安全性が向上する。
また、本発明は、開閉扉を開放姿勢に移動させる開閉扉開放手段と、この開閉扉開放手段を用いて前記開閉扉を自動的に開放させる自動開放手段とを設け、精米処理料金の投入を検出したことに応じて、前記自動開放手段により開閉扉を自動的に開放させることを特徴とする。
この構成により、利用者が開閉扉を開ける手間を省くことができる。また、精米処理料金を投入しない限り、開閉扉が開かないため、利用者でない者によりごみなどが投入口内に投げ込まれることを確実に防止できる。
また、本発明は、開閉扉の開放を手動で指示する開放指示手段を設け、精米処理料金が投入され、かつ前記開放指示手段が手動で選択された際に、開閉扉を開放姿勢に移動させることを特徴とする。
この構成によれば、開放指示手段を手動で選択することで、開閉扉が開放姿勢に移動されるので、開閉扉が開くことを利用者が認識した状態で、開閉扉が安全に開放され、また、開放指示手段を選択するだけで開閉扉が開けられるので、利用者が直に開閉扉を開ける手間を省くことができる。
また、本発明は、故障時に開閉扉を閉鎖姿勢にロックするように構成したことを特徴とする。
この構成により、精米設備が故障した際に、投入口内に被処理米などを誤って投入されることを確実に防止することができる。
また、本発明は、開閉扉が、投入口へ連通する連通開口部を開閉するように構成し、閉鎖時に開閉扉が略鉛直面に沿った姿勢となるように配設したことを特徴とする。
この構成により、閉鎖時においては開閉扉が略鉛直面に沿った姿勢となるので、開閉扉を閉じた状態で、開閉扉の上に物などが置かれることがなく、開閉扉が開かないなどのトラブルや、開閉扉を開けた際に、置かれていた物やその一部が投入口の内部に入ってしまうなどのトラブルを生じることを防止できる。
また、本発明は、利用客が自由に行き来できる客室と、限定した人しか入ることができない機械室と、これらの客室と機械室とを仕切る仕切壁とが設けられ、開閉扉が、前記仕切壁に沿って上下方向に移動するように配置したことを特徴とする。
この構成により、開閉扉が客室と機械室とを仕切る仕切壁に沿って上下方向に移動するので、開閉扉の取付スペースを、極めて少なくすることができる。
また、本発明は、開閉扉の重量と略同じ力で開閉扉を引上げるカウンタウェイトを設けたことを特徴とする。
この構成により、開閉扉がカウンタウェイトにより釣り合った状態で支持されるので、電動モータなどを利用して開閉扉を昇降させる構成として、停電などにより前記モータへの通電が一時的に途絶えた場合でも、開閉扉が急に落ちたりすることがなくなり、安全である。
また、本発明は、開閉扉閉鎖手段は、開閉扉を閉鎖する際に、開閉扉の自重を利用して開閉扉を閉鎖することを特徴とする。
この構成によれば、開閉扉が閉鎖される際に、万一、投入口が設けられている箇所に手などが挿入された場合でも、開閉扉が自重以上の大きな力では閉じられないので、安全性が向上する。
また、本発明は、開閉扉を吊り下げたワイヤをドラムで巻き上げることにより、開閉扉を開放姿勢側に移動させるように構成し、前記ワイヤをドラムから巻き戻すことにより、開閉扉を閉鎖姿勢に移動させるように構成したことを特徴とする。
この構成により、開閉扉を簡単な構成で昇降させることができる。
以上のように本発明によれば、精米処理が終了し、かつ、利用者がいなくなったことを人検知センサにより検知すると、開閉扉が閉め忘れることなく、必ず閉じられてロックされるので、利用者でない者などによりごみなどが投入口内に投げ込まれることを確実に防止できて、内部の搬送通路や精米機などの処理装置が不潔となったり、前記処理装置が損傷したり、ごみに含まれていたものが白米に混じったりすることを防止でき、良好な衛生状態を保つことができるとともに、精米した白米にその他のものが混じることがないので信頼性が向上する。また、被処理米を投入した後に利用者が開閉扉を閉じなくても済むので、利用者の手間を省くことができて便利である。さらに、精米処理が終了し、かつ、利用者がいなくなったことを人検知センサにより検知するまでは、開閉扉が開けられているので、被処理米が多量にあるなどのために、精米処理の開始に被処理米を追加投入しようとした場合でも、自由に追加投入することができて、便利である。
また、利用者の有無を検知する人検知センサを設け、精米機の精米処理が終了し、かつ、利用者がいなくなったことを検知した際に、開閉扉を自動的に閉鎖させることにより、投入口に対して利用者が作業している際に開閉扉が閉鎖されることを防止できて、極めて安全に開閉扉を自動的に閉鎖させることができて、安全性が向上する。また、複数の利用者がいる場合に、開閉扉が開閉されることなく、続けて精米することも可能となり、効率が良くなる。
また、利用者が精米処理の料金を投入したことに応じて、開閉扉を自動的に開放させることにより、利用者の開閉扉を開ける手間も省くことができて、便利であり、また、精米処理料金を投入しない限り、開閉扉が開かないため、利用者でない者によりごみなどが投入口内に投げ込まれることを確実に防止できる。
また、開放指示手段を手動で選択することにより開閉扉が開放姿勢に移動させるように構成することで、開閉扉が開けられることを利用者が認識した状態で、開閉扉を安全に開けることができ、また、開閉扉が自動的に開けられるので、利用者が開閉扉を開ける手間を省くことができて、便利である。
また、故障時に開閉扉を閉姿勢にロックするように構成することにより、精米設備が故障した際に、投入口内に被処理米などを誤って投入されることを確実に防止することができる。この結果、利用者の誤投入を防止できるので、信頼性が向上する。
また、閉鎖時に開閉扉が略鉛直面に沿った姿勢となるように配設することにより、開閉扉を閉じた状態で、開閉扉の上に物などが置かれることがなく、開閉扉が開かないなどのトラブルや、開閉扉を開けた際に、置かれていた物やその一部が投入口の内部に入ってしまうなどのトラブルを生じることを防止できて、信頼性が一層向上する。
また、開閉扉が客室と機械室とを仕切る仕切壁に沿って上下方向に移動するように配置することで、開閉扉の取付スペースを、極めて少なくすることができる利点がある。すなわち、開閉扉を開閉させる構造として、開閉扉の厚み分のスペースを設けるだけで済んで、開閉のためのスペースを最小限に抑えることができる。
また、開閉扉の重量と略同じ力で開閉扉を引上げるカウンタウェイトを設けることで、電動モータなどを利用して開閉扉を昇降させる構成として、停電などにより前記モータへの通電が一時的に途絶えた場合でも、開閉扉が急に落ちたりすることはなく安全である。また、比較的簡単な構成で開閉扉を昇降させることができるとともに、比較的小さな駆動力の昇降用のモータを使用することができて、製造コストを低く抑えることができる。
また、開閉扉の自重を利用して開閉扉を閉鎖させることにより、開閉扉が閉鎖される際に、万一、投入口が設けられている箇所に手などが挿入されていた場合でも、開閉扉が大きな力で強制的に閉じられないので、安全性が向上する。
また、開閉扉を吊り下げたワイヤをドラムで巻き上げたり巻き戻したりすることで、開閉扉を簡単な構成で昇降させることができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる自動精米設備を図面に基づき説明する。
図1〜図5に示すように、この自動精米設備においても、仕切壁1により建屋2の内部が、利用客が自由に出入りできる客室3と、係員や管理人などが出入り可能な機械室4とに仕切られた構造とされている。なお、図1における5は精米済みの白米を収納する白米収納袋、図2における6は、客室3への出入口に配設されている出入口扉、7は係員や管理人などが出入りする管理用扉である。
機械室4には、被処理米(玄米)が投入される投入ホッパ8の本体枠部分、投入ホッパ8内に投入された被処理米を石抜機9側に搬送する張込昇降機10、投入された被処理米から石などの異物を取り除く石抜機9、石抜機9で異物が取り除かれた被処理米を精米機11側に搬送する精米昇降機12、実際に精米処理を行う精米機11、精米機11で発生した糠を糠回収袋13側に排出するための糠排出用送風機14や糠排出用ダクト15、糠排出用サイクロン16などが配設されている。また、機械室4における精米機11の略上方箇所に、精米機11へ供給する被処理米を一時的に溜める精米タンク17が配置され、さらに、石抜機9の上方には、石抜機9への被処理米が一時的に溜められたり、精米タンク17で溢れた被処理米が一時的に溜められたりする玄米タンク18が配設されている。
精米機11は、図6、図7に示すような構造とされている。縦方向に配置された本体ケーシング63内に、駆動モータ64(図5参照)により駆動プーリ25を介して回転される中空の回転軸22が配設され、回転軸22の上部に送りロール23が、また回転軸22の下部に突条部を有する精米ロール24がそれぞれ取り付けられ、これらの送りロール23および精米ロール24が回転軸22とともに一体的に回転する。また、26は送りロール23の外周側に配置されて精米室65の外殻部分をなす金属製の網で、網26内の糠を糠排出部66を介して空気とともに糠排出用送風機14により吸引して糠回収袋13内に排出する。なお、図示しないが、糠排出用送風機14は送風ケーシング内で送風羽根が糠排出用モータによって回転される構造とされている。また、本体ケーシング63の上部には、精米タンク17からの被処理米(玄米)を精米室65内に送り込む供給用スクリュ58および供給用ケーシング59を配設している。本体ケーシング63の下端部には、精米室65からの開度を調節することで精米の際の圧力などを調整する開度規制部材67と、この開度規制部材67と精米ロール24との間から排出される白米を下方に案内する排出筒68とが、それぞれ昇降自在に嵌合されている。そして、精米ロール24を駆動させる駆動モータの電力量などから精米ロール24の負荷(精米状態の負荷)を検出しながら、開度調整用モータ69を作動させることで、開度調整用アーム70を介して開度規制部材67の上下位置を変えて、利用者が選択した精米白度に合った白度の米が得られるように白度制御が行われる。なお、図6、図7における82は、供給用スクリュ58を回転させる玄米供給用モータ、83は、開度調整用モータ69に連結されたねじ軸に螺合して昇降される開度調整用ブロック、84は、開度調整用ブロック83によりその下方への押圧力が調整される付勢ばねである。
図3および図8〜図12に示すように、投入ホッパ8の上面開口部分である投入口20の上方箇所には、仕切壁1から機械室4側(奥側)に窪むように一体形成されてなる投入フード19が設けられ、この投入フード19によって投入空間部21が形成されている。そして、この投入空間部21を介して投入口20が客室3に連通するとともに開口するように配設されている。なお、投入口20には、大きな異物が中に入らないように金属製の網が取り付けられている。また、投入ホッパ8における被処理米を導入する導入部8a(図11参照)の近傍箇所には、投入ホッパ8に被処理米が投入されたことを検知する投入状態検知センサ8bが取り付けられている。
この自動精米設備においては、投入口20を臨む投入空間部21と客室3内空間とが連通する連通開口部27が、開閉扉28によって開閉される構成とされている。この開閉扉28は、連通開口部27を閉鎖する閉鎖姿勢(図3の仮想線(二点鎖線)部、および図10の実線部参照)と、この閉鎖姿勢より真上に移動して連通開口部27を開放する開放姿勢(図3の実線部、および図10の仮想線(二点鎖線)部参照)とにわたって昇降する。そして、開閉扉28により連通開口部27を閉鎖した時には、開閉扉28が略鉛直面に沿った姿勢となるように配置されている。つまり、仕切壁1の裏面における開閉扉28や投入ホッパ8が設けられている箇所の左側側部には上下に延びる左縦枠29Aが、また、右側側部には上下に延びる右縦枠29Bが固着され、これらの左縦枠29Aと右縦枠29Bとにおける連通開口部27の両側部から上方に延びるようにそれぞれガイドレール30が取り付けられている。そして、開閉扉28の両側部の上下寄り箇所にそれぞれ転動自在に取り付けられた4つのガイドローラ31が、前記のガイドレール30に対して内側から摺接した状態で、開閉扉28が昇降するように案内されている。
図3、図8〜図10、図12(a)、(b)に示すように、開閉扉28の上辺部には、開閉扉28を昇降させるためのループ状の昇降用チェーン71の一部と、開閉扉28を、この開閉扉28の重量と略同じ力で引上げるための引上げ用チェーン72の下端部とが固定されている。
昇降用チェーン71は、投入フード19の天面部上側に固着された横枠44(図12(a)参照)上に取り付けられたブラケット73を介して回転自在に支承された従動スプロケット74と、仕切壁1の裏面上端部に取り付けられた昇降用モータ75(図10参照)により回転される駆動スプロケット76との間で、上下に循環するようにループ状に配置されており、この昇降用チェーン71の一部に、開閉扉28の上辺部が固定部材77(図12(a)参照)を介して固定されている。そして、昇降用モータ75で駆動スプロケット76が回転駆動されることにより、開閉扉28が昇降するように構成されている。
図3および図8〜図12に示すように、引上げ用チェーン72は、仕切壁1の裏面上端部に回転自在な状態で取り付けられた第1中間スプロケット78と、張込昇降機10上端部にブラケット80を介して回転自在な状態で取り付けられた第2中間スプロケット79とにわたって掛け渡されており、第1中間スプロケット78から垂下する引上げ用チェーン72の前側の下端部が開閉扉28に取り付けられている一方、第2中間スプロケット79から垂下する引上げ用チェーン72の後側の下端部に、開閉扉28と略同様の重さのカウンタウェイト81が取り付けられている。そして、このカウンタウェイト81の重量が、開閉扉28に対して引上げ方向に作用して、開閉扉28の重量とカウンタウェイト81の重量とが釣り合い、昇降用チェーン71が移動されていない状態では、開閉扉28はその位置が変動しないように図られているとともに、比較的小さな駆動力の昇降用モータ75の力で支障無く開閉扉28を昇降できるように構成されている。
このように、昇降用モータ75、駆動スプロケット76、従動スプロケット74、昇降用チェーン71により、開閉扉28を閉鎖姿勢に移動させる開閉扉閉鎖手段および開閉扉28を開放姿勢に移動させる開閉扉開放手段が構成されている。
さらに、図8、図10に示すように、開閉扉28の上辺の一部には、開閉扉28の昇降位置を検知するための位置検知用突片41が取り付けられ、また、仕切壁1の裏面上端部には、開閉扉28が上限位置(開放姿勢の位置)に移動された際に、前記位置検知用突部41が当接する上限位置検知スイッチ42が取り付けられ、また、開閉扉28が下限位置(閉鎖姿勢の位置)に移動された際に、前記位置検知用突部41が当接する下限位置検知スイッチ43が前記横枠44の一部に取り付けられている。そして、前記上限位置検知スイッチ42により、開閉扉28が開放姿勢まで移動されたことを検知し、また、前記下限位置検知スイッチ43により、開閉扉28が閉鎖姿勢まで移動されたことを検知するようになっている。
また、図10、図11、図12(c)に示すように、開閉扉28の上辺の一部には、一部に孔が開けられたロック用プレート45が上方に延出するように取り付けられ、一方、前記横枠44には、横方向に出退自在の出退ロッド46aを備えたロック手段としてのソレノイド46が取り付けられている。そして、開閉扉28が閉鎖姿勢にある状態で、ソレノイド46の出退ロッド46aが突出されることで、この出退ロッド46aがロック用プレート45の孔45a(図12(c)参照)に挿入されて、開閉扉28が閉鎖姿勢にロックされるようになっている。
さらに、図8〜図10、図12(d)に示すように、開閉扉28の下辺箇所には、開閉扉28の両側部下端に延設された保持片48に当接して両端部のみ位置規制された姿勢、すなわち、開閉扉28の本体下辺部に対して少しだけ下方に変異した姿勢まで下降自在な接触検知板47が開閉扉28の略全幅にわたって配設されているとともに、前記接触検知板47に上方から臨むように接触検知スイッチ49が開閉扉28の本体部下辺に取り付けられている。そして、昇降用モータ75により駆動スプロケット76が回転されて開閉扉28が下降されつつある場合において、万一、連通開口部27内に手などが挿入されるなどして、この手などが接触検知板47に当接して少し上方に移動した際に、この動作が接触検知スイッチ49により検知され、この動作が検知されると、後述する制御部50によって昇降用モータ75による開閉扉28の下降動作が中断されるようになっている。
また、図1、図4などに示すように、客室3に臨む仕切壁1の略中央箇所(仕切壁1を正面視した場合には精米機11の下方の箇所)には、精米した被処理米を溜める白米ホッパ37が配設され、客室3の床面上における白米ホッパ37の下方近傍箇所には、白米ホッパ37の開閉シャッタを開閉する足踏み式の踏み台37aが配設されている。また、白米ホッパ37や精米機11の側方(客室3側から仕切壁1に向かって左側)には、その前面部が客室3に臨むように操作制御盤35が配設されている。操作制御盤35の前面部には、精米処理料金としてのコインを投入するコイン投入口38や、精白度(例えば、5ぶ、7ぶ、普通、上白など)を選択する複数の精白度選択ボタン39、もち米を選択するもち米選択ボタン56などが設けられている。操作制御盤35の内部には、コインの投入の検知や精白度選択ボタン39の選択などに応じて各部分を制御するとともに後述するように自動閉鎖手段や自動開放手段としても機能する制御部50が内蔵されている。
そして、この制御部50により、コイン投入口38からコインが投入されたことを検知した時点で、開閉扉28のロックが解除されるとともにこの開閉扉28が開放姿勢に移動されて開けられるようになっている。なお、客室内の目立つ箇所には、案内表示板が取り付けられ、コインの投入により、開閉扉28が自動的に開けられることなどを示す案内表示が記載されている。また、図示しないが、操作制御盤35の一部にはスピーカなどの音声発生手段が設けられ、制御部50に設けられた記憶部には、利用者などへの案内メッセージが記憶されている。
また、精米動作中に故障が発生した場合には、制御部50により開閉扉28が自動的に閉鎖されるようになっている。つまり、例えば、糠排出用送風機14の送風羽根や送風ケーシング内に糠が付着して送風羽根が回転できない状態となって糠排出用モータに過負荷がかかったり、高水分の玄米が投入されて回転軸22が回転できなくなって精米機11の駆動モータに過負荷がかかったりすることがあり、この場合には、各モータを保護するためにこれらの駆動モータの回転駆動動作を含めて精米動作などの各種駆動動作を停止するが、このように自動精米設備の構成部品の一部が故障した状態となると、制御部50により開閉扉28が自動的に閉鎖されてロックされる(詳しくは、昇降用モータ75が駆動されて開閉扉28が下限位置(閉鎖姿勢の位置)に達するまで自動的に閉じられ、開閉扉28が完全に閉じられた状態で、ソレノイド46の出退ロッド46aが突出されてロック用プレート45の孔45aに挿入され、開閉扉28が下限位置(閉鎖位置)にロックされる)ようになっている。
さらに特に、この実施の形態においては、図1〜図4に示すように、建屋2の客室3の一部、例えば、客室3内の出入口扉が設けられている箇所の上方に、客室3内の利用者の有無を検知する(例えば人体より発せられる赤外線の有無などにより検知する)人検知センサ55が設けられている。そして、精米機11の精米処理が終了した信号を制御部50が認識し、その後さらに、利用者が客室3から出て、客室3内に人がいないことが人検知センサ55により検知され、この検知信号を制御部50が認識してから、開閉扉28が自動的に閉じられて下限位置(閉鎖位置)にロックされるように構成されている。
なお、開閉扉28の一部には透明板が嵌め込まれた覗き窓51が設けられ、投入空間部21や投入口20の様子を外側から見ることができるようになっている。また、仕切壁1の表側における連通開口部27の下方箇所には、手前側に突出する姿勢で載せ台52が設けられており、利用者が持参した被処理米入りの袋などを載せることができるようになっている。
上記構成において、利用者などが建屋2の客室3内にいない状態では、開閉扉28が閉じられているとともに、ロック用プレート45の孔にソレノイド46の出退ロッド46aが突入されており、開閉扉28が閉じられた状態にロックされている。そして、この状態で、単なる通行人など、利用者でない者が建屋2の客室3内に入った場合でも、開閉扉28は閉じられてロックされたままである。これにより、利用者でない者などによってごみなどが投入口20内に投げ込まれることが防止され、これに起因する不具合、すなわち、被処理米が導入される内部搬送通路や精米機11、石抜機9などの内部の処理装置が不潔となったり、これらの装置が損傷したり、ごみに含まれていたものが白米に混じったりする不具合を防止することができ、精米機11、石抜機9などの処理装置などが衛生的に維持されるとともに、前記処理装置の損傷が防止され、信頼性が向上する。
一方、利用者が建屋2の客室3内に入ると、人検知センサ55が利用者などが入ってきたことを検知し、料金(コイン)の投入を促す音声が出力される。これに応じて利用者が建屋2の客室3内に入ってコイン投入口24からコインなどの精米料金を投入すると、この料金の投入が検知されて、制御部50によりソレノイド46の出退ロッド46aが引っ込められてロック用プレート45の孔から離脱され、開閉扉28のロックが解除されるとともに、昇降用モータ75が駆動されて開閉扉28が自動的に開けられる。なお、この際、音声により、開閉扉28が自動的に開けられることが利用者に通知される。また、所望の精白度の精白度選択ボタン39を選択することを促すための音声も出力される。
この後、利用者により被処理米が投入空間部21を通して投入口20内に投入され、何れかの精白度選択ボタン39が選択されて精白度(例えば、5ぶ、7ぶ、普通、上白など)が決定されたり、或いは、もち米選択ボタン56によりもち米が選択されたりすると、精米処理が開始される。すなわち、張込昇降機10および石抜機9が駆動されて異物除去動作が行われ、引き続き、精米昇降機12および精米機11が駆動されて精米処理が行われる。精米処理が終了した際には、白米が白米ホッパ37内に排出されているので、利用者が白米ホッパ37の下方に白米収納袋5を置いた状態で、足踏み式の踏み台37aを踏んで、白米収納袋5内に白米を回収する。
この後、白米を回収した利用者が、客室3を出ると、この利用客が出たことが人検知センサ55に検知される。そして、人検知センサ55からの信号を入力した制御部50により、昇降用モータ75が駆動されて開閉扉28が下限位置(閉鎖位置)に達するまで閉鎖姿勢側に移動されて自動的に閉じられる。なお、この実施の形態においては、音声により、開閉扉28が自動的に閉じられることもアナウンスされる。このように開閉扉28が完全に閉じられると、ソレノイド46の出退ロッド46aが突出されてロック用プレート45の孔45aに挿入され、開閉扉28が下限位置(閉鎖姿勢)にロックされる。
上記のように、精米料金が投入されてから精米処理が終了するまでは、常に開閉扉28が開けられたままであるので、利用者が持ち込んだ被処理米が多量にある場合でも、開閉扉28を利用者が開け閉めしなくても、被処理米を何度も投入することができて、手間が掛からず、便利である。また、精米処理が終了して利用客が客室から出ると、自動的に、開閉扉28が閉じられるので、利用者が開閉扉28を閉鎖する手間も省かれ、これによっても便利である。また、開閉扉28が必ず閉じられるので、ロック動作を確実に行うことができて、信頼性が向上する。
さらに上記構成によれば、精米処理が終了した場合でも、客室3にまだ利用者がいる状態では、開閉扉28の閉動作が行わず、利用者が客室3からいなくなってから開閉扉28が自動的に閉鎖されるので、極めて安全に開閉扉28を自動的に閉鎖させることができて、良好な安全性が確保される。また、万一、開閉扉28が自動的に閉じられつつある際に、客室3に利用客などの人が入ってきて連通開口部27内に手などを挿入した場合でも、この場合には、開閉扉28の下辺に設けられた接触検知板47が手などの挿入物に当たり、この動作が接触検知スイッチ49により検知されて、昇降用モータ75による開閉扉28の下降動作が中断されて停止されるので、これによっても安全性が良好に保たれる。また、開閉扉28を昇降させている途中で、停電などにより昇降用モータ75への通電が一時的に途絶えた場合でも、開閉扉28はカウンタウェイト81により釣り合った状態で支持されているので、開閉扉28が急に落ちたりすることはなく安全である。また、比較的簡単な構成で開閉扉28を昇降させることができるとともに、比較的小さな駆動力の昇降用モータ75で済ますことができて、製造コストを低く抑えることができる利点もある。
また、ある利用者が行わせた精米処理が終了した場合でも、次の利用者が、客室3内にいる場合には、開閉扉28の閉鎖動作が行われないため、次の利用者の精米処理動作を続けて効率的に行うことができる。
なお、開閉扉28が自動的に閉鎖されつつある時点で、客室3内に人が入ってきたことを人検知センサ55により検知した場合には、そのまま、開閉扉28の閉鎖動作を引き続いて行ってもよいが、安全性を考慮して、開閉扉28の閉鎖動作を一時的に中断して、開放方向に移動させるように切り替えたり、所定時間停止したり、開閉扉28の閉鎖速度を低速に切り替えたりしてもよい。
また、開閉扉28により連通開口部27を閉鎖した状態では、開閉扉28が略鉛直面に沿った姿勢となるので、開閉扉28を閉じた状態で、開閉扉28の上に物を置かれることがなく、開閉扉28が開かないなどのトラブルや、開閉扉28を開けた際に、置かれていた物やその一部が投入空間部21を介して投入口20の内部に入ってしまうなどのトラブルを生じることを防止できる。また、開閉扉28が開放される際に、開閉扉28が上方へ退くので、開閉扉28が利用者の身体に当たることも防止できて安全である。さらに、開閉扉28が客室3と機械室4とを仕切る仕切壁1に沿って上下方向に移動するように配置したことにより、開閉扉28の取付スペースを、極めて少なくすることができる利点がある。すなわち、開閉扉28を開閉させる構造として、開閉扉28の厚み分のスペースを設けるだけで済んで、開閉のためのスペースを最小限に抑えることができる。
また、上記実施の形態においては、自動精米設備において故障が発生した場合には、制御部50により開閉扉28が自動的に閉鎖されてロックされるので、精米設備が故障した際に、利用者によって投入口20内に被処理米を誤って投入されることを確実に防止することができる。
すなわち、従来の自動精米設備において故障が発生した場合には、例えば、故障の表示が示されたり、故障の表示板が客室側から見える箇所に露出されたりするだけであり、投入口が客室に露出した状態は変わらないため、利用者が誤って投入口20内に被処理米などを誤って投入してしまうと、その後に、係員などにより故障箇所が直されるまでは、投入された被処理米を取り出すことができなかった。すなわち、実質的には、誤って投入した被処理米を利用者がその場で回収することは不可能であった。
これに対して、本発明によれば、精米設備が故障した際は、利用者が被処理米を誤って投入されること自体を確実に防止できるので、信頼性が向上する。
なお、この実施の形態では、開閉扉28を昇降させるためのループ状の昇降用チェーン71とは別に、開閉扉28の重量と略同じ力で引上げるためにカウンタウェイト81を取り付けた引上げ用チェーン72を設けた場合を述べたが、これに限るものではなく、引上げ用チェーン72を設けずに、昇降用チェーン71における開閉扉28の取付箇所と反対となる途中の部分に、開閉扉28と略同様の重さのカウンタウェイト81を取り付けるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、人検知センサ55により客室3内の利用者の有無を検知する場合を述べたが、これに限るものではなく、開閉扉28の近傍箇所での人の有無を検知して、精米処理が終わり、かつ前記箇所の人がいなくなったことを検知してから開閉扉28を閉じるように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、利用料金としてのコインの投入が検知されてから開閉扉28を自動的に開けるように構成した場合を述べたが、これに限るものではなく、図13に示すように、開閉扉28の開放を指示する開放指示手段としての扉開放ボタン60を例えば開閉扉28が設けられている近傍の箇所(または、操作制御盤35など)に設けてもよい(本発明の第2の実施の形態)。そして、コインの投入が投入された状態で、前記扉開放ボタン60が利用者によって押された時点で、制御部50により開閉扉28を開放させるように構成する。
この構成によれば、利用料金が投入された後、扉開放ボタン60が利用者によって押されて、扉開放ボタン60が自動的に開けられることを利用者が認識した状態で、開閉扉28が開放姿勢に移動されるので、開閉扉28に利用者が手をかけたりすることなく安全な状態で開閉扉28が開けられる。また、この構成においても、開閉扉28が自動的に開けられるので、利用者が開閉扉28を開ける手間を省くことができて、便利である。
次に、参考形態について説明する。
図14、図15に示すように、この参考形態では、人検知センサ55が設けられておらず、精米機11の精米処理が終了した信号を制御部50が認識し、このように精米機11の精米処理が終了すると、制御部により、開閉扉28が自動的に閉じられてロックされるように構成されている。
また、仕切壁1の表面部(客室3に臨む面)における連通開口部27の上方箇所には、開閉扉28の開閉動作が行われる際に、利用者などに注意を促す警告部57(例えば、扉注意などと記載され、所定のタイミングで内蔵ランプが点滅される)が設けられている。
なお、この参考形態においても、上記実施の形態と同様に(図8〜図10、図12(d)参照)、開閉扉28の本体下辺部に対して少しだけ下方に変異した姿勢まで下降自在な接触検知板47が開閉扉28の略全幅にわたって配設されているとともに、前記接触検知板47に上方から臨むように接触検知スイッチ49が開閉扉28の本体部下辺に取り付けられている。そして、開閉扉28が下降されつつある際に、万一、連通開口部27内に手などが挿入されるなどして、この手などが接触検知板47に当接して少し上方に移動した際に、この動作が接触検知スイッチ49により検知され、この動作が検知されると、後述する制御部50によって昇降用モータ75による開閉扉28の下降動作が中断されるようになっている。
上記構成においても、利用者などが建屋2の客室3内にいない状態では、開閉扉28が閉じられてロックされているので、利用者でない者などによってごみなどが投入口20内に投げ込まれることが防止され、これに起因する不具合を防止することができ、精米機11、石抜機9などの処理装置などが衛生的に維持されるとともに、前記処理装置の損傷が防止され、信頼性が向上する。
また、利用者がコイン投入口24からコインなどの精米料金を投入すると、開閉扉28のロックが解除されるとともに自動的に開けられる。そしてこの後、利用者が被処理米を投入した状態で、精米処理が行われるが、この後、精米処理が終了すると、制御部50により、昇降用モータ75が回転され、開閉扉28が下限位置(閉鎖位置)に達するまで閉鎖姿勢側に移動されて自動的に閉じられ、開閉扉28が完全に閉じられた状態で、ソレノイド46の出退ロッド46aが突出されてロック用プレート45の孔45aに挿入され、開閉扉28が下限位置(閉鎖姿勢)にロックされる。なお、このように開閉扉28が閉じられる際には、利用者などに注意を促す警告部57が点滅するなどされる。
このように、この参考形態においても、精米料金が投入されてから精米処理が終了するまでは、開閉扉28が開けられたままであるので、利用者が持ち込んだ被処理米が多量にある場合でも、開閉扉28を利用者が開け閉めしなくても、被処理米を何度も投入することができて、手間が掛からず、便利である。また、精米処理が終了すると、自動的に、開閉扉28が閉じられるので、利用者が開閉扉28を閉鎖する手間も省かれ、これによっても便利である。また、開閉扉28が必ず閉じられるので、ロック動作を確実に行うことができて、信頼性が向上する。また、次の利用者が精米料金を投入すると、開閉扉28が自動的に開けられるので、次の利用者が開閉扉28を開ける手間も省かれ、便利である。
さらに、この参考形態では、開閉扉28が自動的に閉じられつつある際に、万一、連通開口部27内に利用者の手などが挿入された場合でも、開閉扉28の下辺に設けられた接触検知板47が手などの挿入物に当たり、この動作が接触検知スイッチ49により検知されて、昇降用モータ33による開閉扉28の下降動作が中断されて停止されるので、これによっても安全性が良好に保たれる。
なお、この参考形態においては、開閉扉28を精米機11の精米処理の終了時に閉鎖してロックする場合を述べたが、必ずしも厳密に精米処理終了時に限定されるものではなく、精米処理終了時の所定時間前や所定時間経過後に自動的に閉鎖してロックするように構成してもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図16〜図19に示すように、この実施の形態では、開閉扉28は、その上辺部に下端が取り付けられた金属製のワイヤ32により吊り下げられ、前記ワイヤ32は、仕切壁1の裏面上端部に配設されたドラム34により巻き取られるよう構成されており、前記ドラム34は、仕切壁1の裏面上端部に取り付けられた正逆方向に回転自在の昇降用モータ33により回転される。そして、開閉扉28が閉鎖姿勢側から開放姿勢側に向かって移動される(開動作が行われる)際には、昇降用モータ33およびドラム34が所定の正回転方向に回転されることで、この昇降用モータ33の駆動力によって、ワイヤ32を介して開閉扉28が上昇される。一方、開閉扉28が開放姿勢側から閉鎖姿勢側に向かって移動される(閉動作が行われる)際には、昇降用モータ33およびドラム34が所定の逆回転方向に回転されることにより、開閉扉28の自重を利用してワイヤ32を介して開閉扉28が下降される。なお、ドラム34は一方の直径が少し小さくなった円錐台形状のものが用いられて、開閉扉28を昇降させる際にワイヤ32同士がからまないようになっている。このように、この実施の形態では、昇降用モータ33、ドラム34、ワイヤ32により、開閉扉28を閉鎖姿勢に移動される開閉扉閉鎖手段および開閉扉28を開放姿勢に移動される開閉扉開放手段が構成されている。
また、開閉扉28の上辺には、ワイヤ32と並んでベルト36もその下端で取り付けられ、このベルト36は、仕切壁1の裏面上端部に固定された緊急ロック式巻き取り装置40によって巻き取られるようになっている。そして、ワイヤ32が万一切断して、開閉扉28が急激に落下しようとした場合でも、前記緊急ロック式巻き取り装置40により、ベルト36がそれ以上引き出されることが阻止されて、開閉扉28が急激に落下することが防止されるように構成されている。この緊急ロック式巻き取り装置40は、自動車のシートベルトに取り付けられているものと同様の機能を有するものであり、ベルト36が所定値以上の速度で引き出されようとした場合に、内部に設けられたロック装置が作動して、この引出し動作が阻止されるよう構成されている。
このように、昇降用モータ33およびドラム34でワイヤ32を巻き上げたり巻き戻したりして開閉扉28を昇降する構成とすることによっても、開閉扉28を比較的簡単な構成で昇降させることができ、製造コストの増加を抑えることができる。また、開閉扉28に落下防止用のベルト36を取り付けるとともに、このベルト36に緊急ロック式巻き取り装置40を取り付けたことにより、開閉扉28が開けられているときや、開閉扉28の開閉動作が行われている際に、万一、ワイヤ32が切れた場合でも、開閉扉28が急激に落下することが防止されるため、良好な安全性を維持することができる。
また、上記実施の形態では、ワイヤ32を巻き取るドラム34を回転させるための昇降用モータ33として、正逆回転可能なものを用いた場合を述べたが、これに限るものではなく、例えば、一方向(ワイヤ32を巻き取る方向)のみ回転可能で、かつ、ドラム34を所定位置に止めたり、回転自在な状態に開放したりすることができるブレーキ機能付きの回転モータを採用して、開閉扉を上昇させる場合には前記回転モータを正方向に回転させる一方、開閉扉を下降させる際には、ブレーキ機能を開放して、複数回に分けて下降させてもよい。
また、上記の何れの実施の形態においても、開閉扉28を開ける際に開閉扉28全体が一体的に上方に移動する構成を図示したり述べたりしたが、これに限るものではない。すなわち、上記のように、開閉扉28全体が一体的に上方に移動する構成では、連通開口部27の上方スペースとして開閉扉28全体が移動できるだけの比較的大きな高さのスペースが必要となるが、これに代えて、図20(a)に示すように、開閉扉61を蛇腹で折り畳み可能で、上方に移動した際に巻き取ることができるように構成してもよく、この場合には、連通開口部27の上方の高さスペースを少なくても収納可能である。また、図20(b)に示すように、両側方奥側に開くような観音開き式の開閉扉62を採用してもよく、この場合には、投入空間部21内の両側部の収納スペースだけで済ますことができる利点がある。
また、操作制御盤35の一部に液晶などの表示部を設けて、開閉扉28が開けられる際に、例えば、「投入口用扉が開きます」と表示されるようにして利用者の注意を促したり、開閉扉28が完全に開けられると、操作制御盤35の表示部53に、被処理米の投入を促す表示が行われ、例えば、「玄米を投入してください」と表示されたりするように構成してもよい。
また、何れの実施の形態においても、コイン投入口38から投入したコインは、そのコインが偽物であったり、ゲーム用などの他用途のものであったりした場合には返却されるが、正規のコインは一度投入されると内部に全て回収されるようになっており、これによっても、利用者以外のものが悪戯により、正規のコインを投入して開閉扉28、61、62を開け閉めすることを防止するようになっている。
また、上記実施の形態では、被処理米が玄米である場合を述べたが、これに限るものではなく、籾摺装置を備えて、投入口に投入される被処理米が籾である自動精米設備にも適用できることはもちろんである。