JP4392892B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシン等で代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技者によって遊技が行なわれる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、可変表示装置が設けられたものにおいては、可変表示装置が可変開始された後表示結果が導出表示されるという1つの遊技プロセスが実行された結果、その表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御されるように構成されたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の従来の一般的な遊技機においては、特定遊技状態が発生する遊技プロセスとしては1種類のプロセスしか存在しなかったために、遊技の変化性に乏しくいま一歩興趣を盛り上げることができにくいという欠点があった。
【0004】
そこで、第1の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第1の遊技結果となった場合に特定遊技状態が発生するばかりでなく、第1の遊技プロセスとは別の第2の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第2の遊技結果となった場合に特定遊技状態が発生するようにし、特定遊技状態の発生に達することが可能な遊技プロセスを複数種類設け、遊技の変化性を向上させることが考えられる。
【0005】
しかし、遊技プロセスの種類を増やした場合には、たとえば、第2の遊技プロセスの実行途中に他の第1の遊技プロセスの実行結果が前記第1の遊技結果となって特定遊技状態となり、該特定遊技状態中にさらに前記第2の遊技プロセスの実行結果が前記第2の遊技結果となる事態の発生するおそれがある。かかる場合にはどのように制御するのかが問題となる。
【0006】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特定遊技状態を発生させることが可能な遊技プロセスを複数種類にしながらも、特定遊技状態に関する制御を円滑に行なうことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、遊技者によって遊技が行なわれる遊技機であって、
前記遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段を含み、
該遊技制御手段は、
第1の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第1の遊技結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な第1遊技制御手段と、
前記第1の遊技プロセスとは別の第2の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第2の遊技結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な第2遊技制御手段と、
前記第1の遊技結果に基づいて前記特定遊技状態となっている最中に前記第2の遊技結果となった場合、前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態と前記第2の遊技結果に基づく特定遊技状態とに同時に制御されることを阻止する同時制御阻止手段と、
該同時制御阻止手段により前記第2の遊技結果に基づく特定遊技状態への制御が阻止される場合に、前記第2の遊技結果を特定可能な情報を記憶する遊技結果記憶手段と、
前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態の終了後に前記遊技結果記憶手段の記憶がある場合に、前記第2の遊技結果が得られやすい特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段とを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、表示状態が変化可能な可変表示装置をさらに含み、
前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかは、所定条件の成立により前記可変表示装置が変動開始した後表示結果が導出表示されてその表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態に制御することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、打玉が打込まれる遊技領域と、
該遊技領域に設けられ、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置と、
該可変入賞球装置内の所定箇所に設けられた特定入賞領域に入賞した特定入賞玉を検出する特定入賞玉検出手段とをさらに含み、
前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかは、所定条件の成立により第1の状態となった前記可変入賞球装置内に進入した打玉が前記特定入賞玉検出手段により検出されたことを条件として特定遊技状態に制御することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、打玉が打込まれる遊技領域と、
該遊技領域内に設けられ、打玉が入賞することにより権利発生状態となり該権利発生状態中に打玉が入賞することにより権利発生状態が消滅するように定められた権利発生消滅入賞領域と、
該権利発生消滅入賞領域に入賞した入賞玉を検出する権利発生消滅入賞玉検出手段とをさらに含み、
前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかは、前記権利発生消滅入賞玉検出手段が入賞玉を検出して権利発生状態となっていることを条件として特定遊技状態に制御可能となることを特徴とする。
【0014】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、遊技制御手段の働きにより、前記遊技機の遊技状態が制御される。第1遊技制御手段の働きにより、第1の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第1の遊技結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される。第2遊技制御手段の働きにより、前記第1の遊技プロセスとは別の第2の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第2の遊技結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御される。同時制御阻止手段の働きにより、前記第1の遊技結果に基づいて前記特定遊技状態となっている最中に前記第2の遊技結果となった場合、前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態と前記第2の遊技結果に基づく特定遊技状態とに同時に制御されることが阻止される。該同時制御阻止手段により前記第2の遊技結果に基づく特定遊技状態への制御が阻止される場合に、遊技結果記憶手段の働きにより、前記第2の遊技結果を特定可能な情報が記憶される。前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態の終了後に前記遊技結果記憶手段の記憶がある場合に、特別遊技状態制御手段の働きにより、前記第2の遊技結果が得られやすい特別遊技状態に制御される。
【0018】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかの働きにより、所定条件の成立により前記可変表示装置が変動開始した後表示結果が導出表示されてその表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態に制御される。
【0019】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、特定入賞玉検出手段の働きにより、可変入賞球装置内の所定箇所に設けられた特定入賞領域に入賞した特定入賞玉が検出される。第1遊技制御手段または第2遊技制御手段のいずれかにより、所定条件の成立により第1の状態となった前記可変入賞球装置内に進入した打玉が前記特定入賞玉検出手段により検出されたことを条件として特定遊技状態に制御される。
【0020】
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、打玉が入賞することにより権利発生状態となり該権利発生状態中に打玉が入賞することにより権利発生状態が消滅するように定められた権利発生消滅入賞領域に入賞した入賞玉が権利発生消滅入賞玉検出手段により検出される。第1遊技制御手段または第2遊技制御手段のいずれかの働きにより、前記権利発生消滅入賞玉検出手段が入賞玉を検出して権利発生状態となっていることを条件として特定遊技状態に制御される。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を取り上げて説明するが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシン等であってもよく、遊技者によって遊技が行なわれる遊技機であればすべて対象となる。
【0022】
第1実施の形態
図1は、遊技機の一例のパチンコ遊技機の全体正面図である。
【0023】
パチンコ遊技機1の遊技盤には、遊技領域11が形成されている。パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル5が設けられており、この打球操作ハンドル5を遊技者が操作することにより、上皿7内に貯留されているパチンコ玉を1個ずつ発射することができる。発射されたパチンコ玉は、区画レール3の間を通って遊技領域11内に導かれる。
【0024】
遊技領域11の中央には、可変表示装置付役物可変入賞球装置32が設けられている。この可変表示装置付役物可変入賞球装置32は、従来から一般的な第2種(飛行機タイプ)のパチンコ遊技機に設けられているいわゆるセンター役物に対し、たとえば第1種(フィーバータイプ)のパチンコ遊技機に設けられている可変表示装置を一体的に設けたものである。図中23a,23b,23cは、識別情報の一例としての特別図柄を可変表示させることが可能な特別図柄表示器である。この可変表示装置付役物可変入賞球装置32の両側面には、1対の開閉部材24が設けられている。また可変表示装置付役物可変入賞球装置32内には、特定入賞口(Vポケット)26とその左右に通常入賞口27とが設けられている。特定入賞口26に入賞した特定入賞玉が特定球検出スイッチ29により検出されるとともに、通常入賞口27に入賞した入賞玉が球数検出スイッチ28により検出されるように構成されている。
【0025】
可変表示装置付役物可変入賞球装置32の下方には、第1種始動入賞口15と第2種始動入賞口17とが設けられている。この各始動入賞口は、電動チューリップで構成されており、チューリップ用のソレノイド149,150,251(図2参照)によって可動片16,18が開閉するように構成されている。
【0026】
可変表示装置付役物可変入賞球装置32には、LED等からなる普通図柄表示器20が設けられている。この普通図柄表示器20は、0〜10の数字を可変表示可能なものである。そして、遊技領域11内に打込まれたパチンコ玉が普通図柄用始動口19を通過して通過球検出器113(図2参照)により検出されれば、普通図柄表示器20が可変開始してその後停止し、その停止時の表示結果がたとえば「7」であった場合に、普通当りとなる。この普通当りとなれば、第1種始動口15の可動片16と第2種始動口17の可動片18とが所定期間開成する。なお、普通図柄表示器20が可変表示している際に再度打玉が普通図柄始動口19を通過すれば、その普通図柄始動通過が記憶されてその普通始動記憶数が普通図柄用始動記憶ランプ21により点灯表示される。この始動記憶の上限はたとえば「4」に定められている。
【0027】
遊技領域11内に打込まれたパチンコ玉が第1種始動口15に入賞して始動球検出器30により検出されれば、特別可変表示装置の特別図柄表示器23a,23b,23cが一斉に可変開始し、その後左特別図柄表示器23aが停止され、次に右特別図柄表示器23cが停止され、最後に中特別図柄表示器23bが停止表示され、たとえば「777」等のぞろ目が停止表示されれば、第1種大当りとなる。なお、始動球検出器30の検出があった時点ですでに後述する第2種大当りが発生して特定遊技状態に制御されている場合には、特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示は開始されることなく、後述するようにその入賞が記憶される。これにより、第2種大当り中に、第1種の遊技が新たに進行し始めることがない。
【0028】
特別図柄表示器の表示結果に基づいて第1種大当りとなれば、役物用のソレノイド250a,250b(図2参照)が励磁されて1対の開閉部材24が開成され、打玉が入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。この第1の状態は、所定期間(たとえば30秒間)の経過あるいはパチンコ玉の所定個数(たとえば10個)の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立することにより終了して左右1対の開閉部材24が閉成して打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態となる。
【0029】
第1の状態となっている可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に進入したパチンコ玉は、特定入賞口(Vポケット)26あるいは通常入賞口27のいずれかに入賞する。パチンコ玉が特定入賞口26に入賞して特定球検出スイッチ29により検出されれば、繰返し継続条件が成立して、可変表示装置付役物可変入賞球装置32のその回の第1の状態が終了するのを待って、再度開閉部材24を開成させて第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。
【0030】
前述した特別可変表示装置の特別図柄表示器23a,23b,23cは、可変表示装置付役物可変入賞球装置32が第1の状態となった特定遊技状態(大当り状態)の期間中においては、第1種始動口15にパチンコ玉が入賞したとしても新たな可変表示動作が行なわれないように構成されている。ゆえに、この特別図柄表示器23a,23b,23cが可変表示動作中あるいは大当り制御中において打玉が第1種始動口15に入賞すれば、その始動入賞が記憶されて特別図柄用始動記憶ランプ22にその始動入賞記憶数が表示されるように構成されている。この始動入賞記憶数の上限はたとえば「4」に定められている。
【0031】
また、特別図柄表示器23a,23b,23cの可変停止の表示結果がいわゆるぞろ目となれば、特定遊技状態が発生して前述した大当り制御が実行されるのであるが、このぞろ目の中でも予め定められた特定の図柄(確変図柄という)のぞろ目(たとえば777や333)で停止表示された場合には、その回の大当り制御が終了した後次回の大当り(第2種大当り)が発生する確率が向上した第2種確率変動状態(第2種確変状態)となるように制御される。また、左特別図柄表示器23aと右特別図柄表示器23cとが停止表示されて、左図柄と右図柄とが同じ種類の図柄(たとえば7と7)となってリーチ状態が成立すれば、中特別図柄表示器23bの可変表示動作期間を延長して通常よりゆっくりとした速度で可変表示させ、特定遊技状態(大当り状態)発生に対する遊技者の期待感を盛り上げるように制御される。
【0032】
なお、確変図柄のぞろ目で大当りが発生した場合には、第1種大当りの発生する確率が向上した第1種確率変動状態(第1種確変状態)となるように構成してもよく、また、第1種確変状態に制御されるとともに第2種確変状態に制御されるように構成してもよい。
【0033】
遊技領域11内に打込まれたパチンコ玉が第2種始動口17に入賞してその入賞玉が始動球検出器31により検出されれば、その検出があった時点ですでに第1種大当りが発生して特定遊技状態に制御されていないことを条件として、可変表示装置付役物可変入賞球装置32の1対の開閉部材24が2回開閉される。なお、特定遊技状態中に始動球検出器31により検出された入賞玉は無効とされ、記憶されることもない。これにより、第1種大当り中に、第2種の遊技が新たに進行し始めることがない。
【0034】
可変表示装置付役物可変入賞球装置32の2回の開閉中に可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に進入したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞してその特定入賞玉が特定球検出スイッチ29により検出されれば、特定遊技状態が発生して、1対の開閉部材24が最大18回開閉させられて第1の状態に制御される。この第1の状態は、開閉部材24の18回の開閉または打玉の所定個数(たとえば10個)入賞のうち早い方の条件が成立することにより終了する。この第1の状態となっている可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に進入したパチンコ玉が特定入賞口26に入賞してその入賞玉が特定球検出スイッチ29により検出されれば、繰返し継続条件が成立して、その時点でその回の第1の状態が終了して次のラウンドの第1の状態への制御を行なって繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回(16ラウンド)と定められている。
【0035】
特定入賞口(Vポケット)26は、1対の可動片50により構成されており、V開放用ソレノイド252(図2参照)が励磁されることによりこの1対の可動片50が開放してパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞しやすくなる。この1対の可動片50は、前述した第2種確変状態のときあるいは第1種のリーチ状態の成立中に開放されるように構成されている。
【0036】
可変表示装置付役物可変入賞球装置32内には、動的振分け装置25が設けられており、ソレノイドやモータ(図示せず)により動いて、可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に進入したパチンコ玉を振分けるように構成されている。この動的振分け装置25によるパチンコ玉の振分け状態次第で、パチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞したり入賞しなかったりする。図中2は、効果音等を発生させるためのスピーカであり、12は風車、13は飾りランプ、14は通常入賞口、10はアウト口、8は下皿である。また上皿7に設けられているレバー6を遊技者が操作すれば、上皿7内に貯留されているパチンコ玉が下皿8に流下するように構成されている。また下皿8に設けられているレバー9を操作することにより、下皿8に貯留されているパチンコ玉を玉箱等に排出させることができる。図中4は鍵であり、遊技場の係員が鍵操作することにより、このパチンコ遊技機1の前枠やガラス枠が解錠されて開成することが可能に構成されている。
【0037】
上記した第1種大当りと第2種大当りとの2種類の大当りが発生し得るパチンコ遊技機1においては、パチンコ玉が第2種始動入賞口17に始動入賞した後、他のパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞する前に特別図柄表示器23a,23b,23cで特別図柄の可変表示が行なわれている場合には、前記他のパチンコ玉が特定入賞口26に入賞して第2種大当り制御が開始された後に特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示結果が特定の表示態様(たとえば777)になる可能性がある。この場合には、まず第2種大当り制御が実行されて、それが終了した後に、第1種大当り制御が実行される。
【0038】
また、パチンコ玉が第2種始動入賞口17に始動入賞した後、他のパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞する前に特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示結果が特定の表示態様になって先に第1種大当りが発生し、第1種大当り制御中に前記他のパチンコ玉が特定入賞口26に入賞して第2種大当りが発生する可能性がある。この場合には、まず第1種大当り制御が実行されて、それが終了した後に、第2種大当り制御が実行される。
【0039】
これにより、大当り制御途中にさらに大当りが発生した場合に後続の大当りが無効化されるようなことがなく、遊技者に損失を与えない。
【0040】
図2〜図4は、第1実施の形態に示されたパチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【0041】
図2および図3を参照して、制御回路は、基本回路145、入力回路135、情報出力回路137、初期リセット回路138、定期リセット回路139、電飾信号回路140、アドレスデコード回路141、LED回路146、ソレノイド回路148、CRT回路154、ランプ回路155、音声合成回路156、音量増幅回路157、電源回路158を含む。
【0042】
基本回路145は、遊技制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1の各種機器を制御する。基本回路145の内部には、マイクロコンピュータ(マイコン)168が設けられている。マイクロコンピュータ168には、遊技制御プログラムを記憶しているROM(Read Only Memory)169、遊技制御プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit )171、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)170、その他図示を省略するがI/O(Input/Output)ポート、クロック発生回路などが設けられている。入力回路135には、可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に設けられた通常入賞口に入賞した玉を検出する球数検出スイッチ28と、特定入賞口(Vポケット)に入賞した特定入賞玉を検出する特定球検出スイッチ29と、普通図柄用始動口19を通過した通過玉を検出する通過球検出器113と、第1種用の始動球検出器30と、第2種用の始動球検出器31とがそれぞれ接続されている。入力回路135は、球数検出スイッチ28から出力されてくる検出信号を基本回路145へ送信する。
【0043】
LED回路146には、普通図柄表示器20,普通始動記憶表示器としてのLED21、特別始動記憶表示器22のLED、各種装飾用のLED147が接続されている。LED回路146は、基本回路145から出力される制御信号に応じて、上記各LEDの点灯状態を制御する。
【0044】
初期リセット回路138は、電源投入時に基本回路145をリセットするための回路である。初期リセット回路138から送られてきた初期リセットパルスに応答して、基本回路145はパチンコ遊技機1を初期化する。
【0045】
定期リセット回路139は、基本回路145に対し、定期的(たとえば2msec毎)にリセットパルスを与え、ROM169に記憶されている遊技制御プログラムを先頭から繰返し実行させるための回路である。
【0046】
ソレノイド回路148は、第1種始動口15や第2種始動口17の可動片16,18を駆動するためのチューリップ用ソレノイド149,150,251、および可変表示装置付役物可変入賞球装置32の開閉部材24を駆動するための役物用ソレノイド250a,250b、Vポケット26の可動片50を駆動するためのV開放用ソレノイド252を制御するための回路である。ソレノイド回路148は、基本回路145から出力される制御信号に応答して、所定のタイミングで各種ソレノイドを励磁して駆動させる。
【0047】
アドレスデコード回路141は、基本回路145内のマイクロコンピュータ168から送られてきたアドレス信号をデコードし、マイクロコンピュータ168内部に含まれるROM169、RAM170などのいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。
【0048】
情報出力回路137は、基本回路145から与えられるデータ信号に基づいて、第1種大当り情報、第2種大当り情報、図柄確定回数情報、確率変動情報(確変情報)、第1種用始動入賞回数、第2種用始動入賞回数、役物2回開閉回数などの各種遊技情報を遊技場のホストコンピュータであるホール用管理コンピュータなどに対し出力する。ここで、第1種大当り情報とは、特別図柄表示器23a,23b,23cの表示結果に従って発生した大当りの発生を示すための情報である。第2種大当り情報とは、前述した開閉部材24が2回開閉している最中に進入したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞することにより発生した大当りの発生を示す情報である。図柄確定数情報とは、第1種始動口15に入賞した打玉の入賞個数のうち実際に特別図柄表示器23a,23b,23cにおける図柄の可変表示の始動に使用された個数を示すための情報である。確率変動情報とは、前述した確変状態の発生に関する情報である。第1種用始動入賞回数情報とは、第1種始動口15に入賞した始動入賞個数すべてを示す情報である。第2種用始動入賞個数情報とは、第2種始動口17に入賞した始動入賞個数すべてを示す情報である。役物2回開閉回数情報とは、パチンコ玉が第2種始動口17に入賞して開閉部材24が2回開閉動作したその動作回数を示すための情報である。
【0049】
電飾信号回路140は、パチンコ遊技機1に設けられた複数種類の電飾の点灯状態を制御する電飾基板(図示省略)へランプ制御データD0〜D3を送信する。ランプ制御データD0〜D3は、電飾の点灯状態を制御するためのデータであり、大当り時、あるいは確変時などにおいて、電飾の点灯状態を指定する。なお、ランプ制御データコモンは共通線信号である。
【0050】
CRT回路154は、基本回路145から出力される制御信号に従って、CRT表示器153を駆動制御するための回路である。CRT回路154からCRT表示器153に送信される信号の中には、コマンド信号としてのCD0〜CD7と、表示制御通信トリガ信号(割込信号)であるINTとが含まれている。さらに、CRT回路154とCRT表示器153とを接続する信号線には、電源供給のための+5V線と、+12V線と、グランド信号線であるGND線とがある。基本回路145は、定期リセット回路139からの定期リセット信号が入力されたタイミングでCRT回路154を介してCRT表示器153の可変表示制御基板(サブ基板)216(図4参照)へ、割込信号(INT)と画像表示制御信号(コマンド信号CD0〜CD7)とを出力する。この両信号に基づいて、CRT回路154がCRT表示器153を表示制御して、特別図柄表示器23a,23b,23cが可変表示制御される。
【0051】
ランプ回路155は、サイドランプ118と接続される。ランプ回路155は、基本回路145から出力される制御信号に応じて、サイドランプ118の点灯状態を制御する。
【0052】
電源回路158は、AC24Vの交流電源に接続され、+30V、+21V、+12V、+5Vの複数種類の直流電圧を各回路に供給するための回路である。なお、電源回路158から発生される+30Vの直流電圧はCRT表示器153へ出力される。
【0053】
音声合成回路156は、基本回路145から出力される音声発生指令信号に応じて効果音データを合成し、合成した効果音データを音量増幅回路157に与える。音量増幅回路157は、効果音を増幅して電飾基板(図示せず)へ出力する。
【0054】
図4は、可変表示制御基板(サブ基板)216に設けられた各種制御回路の構成を示すブロック図である。可変表示制御基板216は、遊技制御基板(コントロール基板)166からの制御信号に応じて可変表示装置付役物可変入賞球装置32の特別図柄表示器32a,32b,32cの表示状態を制御する。
【0055】
可変表示制御基板216には、CRTコントロール回路167、VDP(Video Display Processor )159、リセット回路164、発振回路165、VRAM160、キャラクタROM161、DA変換回路162が設けられている。
【0056】
CRTコントロール回路167は、図2、図3に示した回路が形成されている遊技制御基板166と接続されている。CRTコントロール回路167は、遊技制御基板166から画像表示のためのコマンドデータCD0〜CD7、INT信号を定期的に受ける。さらに、CRTコントロール回路167は、+12Vおよび+5Vの2種類の電源電圧の供給を受ける。また、可変表示制御基板216は、遊技制御基板166から延びるGND線により接地されている。
【0057】
CRTコントロール回路167は、受信したコマンドデータCD0〜CD7に応答して、可変表示制御基板216に形成された回路全体を制御する。CRTコントロール回路167は、VDP159にアドレス信号、データ信号および制御信号を送り、VDP159とCRTコントロール回路167との間で、データ信号の送受信を行なう。そして、CRTコントロール回路167は、受信したデータに基づいて、可変表示制御基板216に形成された回路全体の制御を行なう。
【0058】
VDP159は、発振回路165から供給されるクロック信号を受けて動作し、リセット回路164から供給されるリセット信号を受けて動作がリセットされる。このVDP159は、CRTコントロール回路167からの制御信号に応答して、画像データを生成する。VDP159は、VRAMアドレス信号、VRAMデータ信号、およびVRAM制御信号などの信号をVRAM160へ送信する。VRAM160からVDP159へは、VRAMデータ信号などの信号が返信される。VDP159は、キャラクタROMアドレス信号、キャラクタROMデータ信号およびキャラクタROM制御信号をキャラクタROM161へ送信する。キャラクタROM161からVDP159へは、キャラクタROMデータ信号などの信号が返信される。
【0059】
VDP159は、CRTコントロール回路167から出力される制御信号に応答して、特別図柄表示器23a,23b,23cの画像表示部に表示される画像を構成するための画像データを生成する。VRAM160は、VDP159が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP159が生成し、VRAM160に記憶される画像データは、所定数のドットの集合を単位としたキャラクタの識別番号である。
【0060】
画像データには、複数のキャラクタの識別番号が、表示される配列関係に従って含まれる。これをマップデータという。個々のキャラクタの識別番号は、CRTコントロール回路167内に予め記憶されている。前述した画像表示部に表示される画像を構成するために必要なキャラクタの識別番号がCRTコントロール回路167から読出され、VDP159により、表示画面におけるキャラクタの配列関係を示すためのマップデータとして、VRAM160に記憶される。
【0061】
キャラクタROM161は、キャラクタの識別番号に応答するドットデータを予め記憶している。VDP159は、所定のタイミングでVRAM160からマップデータを読出し、マップデータに含まれる各キャラクタの識別番号に基づいて、各キャラクタのドットデータを読出す。VDP159は、読出したドットデータに基づいて、画像表示信号を生成する。生成された信号は、DA変換回路162によりアナログのRGB(RED,GREEN,BLUE)信号に変換されて表示装置163に出力される。さらにVDP159は、復号同期信号SYNCを表示装置163へ供給する。表示装置163は、送信されてきたRGB信号、復号同期信号SYNCに基づいて、画像表示部に画像を表示する。なお、表示装置163は、遊技制御基板166から延びるGND線により接地されている。
【0062】
図5は、パチンコ遊技機1の遊技制御に用いられる乱数を生成するための各種ランダムカウンタを説明するための説明図である。
【0063】
このパチンコ遊技機1は、前述した特定遊技状態を発生させるか否か等をランダムカウンタのカウント値(乱数)によりランダムに決定する。ランダムカウンタには、ランダム1〜ランダム7の7種類のものがある。ランダム1カウンタは、特別図柄表示器23a,23b,23cの表示結果に基づいて第1種特定遊技状態(第1種大当り)を発生させるか否かをランダムに決定するためのものである。このランダム1カウンタは、0からカウントアップしてその上限である370までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。このカウント動作は、定期リセット回路139からの定期リセット信号が入力される毎に1回ずつ加算される。その結果、2msec毎に1ずつ加算されることとなる。
【0064】
ランダム2カウンタは、0からカウントアップして上限である10までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す。このランダム2カウンタのカウント値は、普通図柄表示器20の表示結果に基づいて発生する普図当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものである。このランダム2カウンタも、定期リセット信号の入力毎に加算され、2msec毎に1ずつ加算される。
【0065】
ランダム3カウンタは、0からカウントアップしてその上限である127までカウントアップすると再度0からカウントアップし直すものである。このランダム3カウンタのカウント値は、リーチ状態を発生させる場合にそのリーチ状態の種類をランダムに決定するために用いられるものである。このランダム3カウンタも、前述した定期リセット信号の入力毎に加算されるために、2msec毎に1ずつ加算される。
【0066】
なお、リーチ状態とは、可変表示装置の可変表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示状態をいう。
【0067】
ランダム4カウンタは、0からカウントアップしてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。このランダム4カウンタのカウント値は、左停止図柄すなわち左特別図柄表示器23aの予定停止図柄をランダムに決定するためのものである。このランダム4カウンタは、定期リセット信号の入力毎に加算されるばかりでなく、割込処理余り時間を利用して無限ループで加算される。前述したように、CPU171は、定期リセット信号の入力と同時にプログラムを先頭から実行して最後まで実行した後次の定期リセット信号の入力を待ち、次の定期リセット信号の入力があったことにより再度プログラムを先頭から実行し直すように動作する。その次のリセット信号の入力を待っているリセット待ち状態のときに、CPU171は、無限ループを利用してランダムカウンタの加算更新処理を繰返し実行する(図6参照)。ランダム4カウンタは、この無限ループを利用した加算処理も行なわれている。
【0068】
ランダム5カウンタは、0からカウントアップしてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。このランダム5カウンタは、ランダム4カウンタが上限値14までカウントアップすることによる桁上げ毎に「1」ずつ加算更新される。ランダム5カウンタのカウント値は、中停止図柄すなわち中特別図柄表示器23bの予定停止図柄をランダムに決定するために用いられる。
【0069】
ランダム6カウンタは、0からカウントアップしてその上限である14までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。ランダム6カウンタは、ランダム5カウンタの桁上げ毎に「1」ずつ加算更新される。ランダム6カウンタのカウント値は、右停止図柄すなわち右特別図柄表示器23cの予定停止図柄をランダムに決定するためのものである。
【0070】
ランダム7カウンタは、0からカウントアップしてその上限である9までカウントアップした後再度0からカウントアップし直すものである。ランダム7カウンタは、2msec毎に1ずつ加算されるとともに、割込処理余り時間を利用して加算処理される。ランダム7カウンタのカウント値は、普通可変表示装置すなわち普通図柄表示器20の外れ図柄をランダムに決定するためのものである。普通図柄表示器20は、前述したように、「7」が表示されたときに普図当りとなる。そして、前述したランダム2カウンタのカウント値に基づいて普図当りにすることが事前決定された場合には、自動的にその「7」で停止表示されるように制御される。一方、ランダム2カウンタのカウント値が抽出されてその抽出値に基づいて外れにすることが事前決定された場合には、ランダム7カウンタのカウント値が抽出されて、抽出値に基づいて普通図柄表示器20の図柄停止表示が行なわれる。このランダム7カウンタは、0から9のカウント値を呈するものであり、0〜6のカウント値のいずれかが抽出された場合にはその抽出値そのものの数字が普通図柄表示器20により停止表示され、7が抽出された場合には「8」が普通図柄表示器20により停止表示され、8が抽出された場合には「9」が普通図柄表示器20により停止表示され、9が抽出された場合には「10」が普通図柄表示器20により停止表示されるように制御される。ゆえに、このランダム7カウンタのカウント値に基づいて普通図柄表示器20を停止表示制御した場合には、「7」が停止表示されることがなく、当り表示になることがない。
【0071】
図6は、図2,図3に示した制御回路の動作を示すフローチャートである。このフローチャートのプログラムは、ROM169に記憶されている。
【0072】
ステップS(以下単にSという)1により、スタックセットがなされ、ステップS2に進み、RAM170の記憶データが正常であるか否かの判断がなされる。電源投入時等においては、RAMの記憶データが正常でないために、制御がS9に進み、RAMが初期化されてシステムイニシャルされる。次に制御がS10に進み、ランダム1〜ランダム7のカウンタの更新処理がなされる。このS10により、ランダム1〜ランダム7のカウント値が「1」ずつ加算更新される。次にS11に進み、入賞記憶エリア格納処理がなされ、次にS11aに進み、情報出力処理がなされる。そしてS12に進み、前述した定期リセット信号の入力待ち時間を利用してランダムカウンタ4〜7のカウント値を更新する処理がなされる。
【0073】
RAMのデータが正常な場合にはS30に進み、I/Oポートの出力処理がなされる。次にS4に進み、入力回路135からのスイッチ入力処理がなされ、S5に進み、特別可変表示処理すなわち特別図柄表示器23a,23b,23cを表示制御するための処理がなされる。次にS6に進み、普通可変表示処理すなわち普通図柄表示器20の可変表示制御を行なう処理がなされる。次にS7に進み、役物駆動制御すなわち可変表示装置付役物可変入賞球装置32を制御するための処理がなされる。次にS8に進み、電動チューリップ駆動制御すなわち電動チューリップで構成された第1種始動口15と第2種始動口17との各可動片16,18を開閉駆動するための制御がなされる。その後制御がS10に進む。
【0074】
図7は、前述したS4に示されたスイッチ入力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S13により、スイッチポート入力処理がなされ、S14に進み、球数検出スイッチ28がONになっているか否かの判断がなされる。球数検出スイッチ28がONになっていない場合には制御がS17に進むが、パチンコ玉が通常入賞口27に入賞した球数検出スイッチ28により検出されれば、S14によりYESの判断がなされてS15に進み、10カウントカウンタが最大であるか否かの判断がなされる。この10カウントカウンタは、可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に入賞したパチンコ玉を計数するカウンタであり、カウント最大値が「10」に定められている。10カウントカウンタのカウント値が既に最大になっている場合にはそれ以上カウントできないためにS17に進むが、10カウントカウンタのカウント値が最大になっていない場合にはS16に進み、10カウントカウンタを「1」加算更新する処理がなされる。
【0075】
次にS17では、特定球検出スイッチ29がONになっているか否かの判断がなされる。特定球検出スイッチ29がONになっていない場合にはS21に進むが、パチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞して特定球検出スイッチ29により検出されれば、制御がS18に進み、10カウントカウンタが最大になっているか否かの判断がなされ、最大になっている場合にS20に進むが、最大になっていない場合にはS19により、その10カウントカウンタに「1」を加算更新する処理がなされる。このS16,S19により、可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に進入した全パチンコ玉数が計数される。次にS20に進み、パチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞したことによってV入賞フラグがセットされる。このV入賞フラグに基づいて、ラウンド数が更新され、または、第1種大当り制御と第2種大当り制御とがともに実行されていない場合には新たに第2種大当り制御が開始される。
【0076】
次にS21に進み、第1種用の始動球検出器がONになっているか否かの判断がなされる。ONになっていない場合にはS24に進むが、パチンコ玉が第1種始動口15に入賞してその始動入賞玉が始動球検出器30により検出されれば、制御がS22に進み、特別始動記憶数が最大になっているか否かの判断がなされる。この特別始動記憶数は前述したように「4」まで記憶可能であり、既に最大になっている場合にはS24に進むが、まだ最大になっていない場合にはS23により、その特別始動記憶に「1」を加算する処理がなされる。
【0077】
次にS24に進み、通過球検出器がONになっているか否かの判断がなされる。ONになっていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、パチンコ玉が普通図柄用始動口19を通過してその通過玉が通過球検出器113により検出されれば、制御がS25に進み、普通記憶数が最大になっているか否かの判断がなされる。この普通始動記憶数も、前述したように、その記憶上限数が「4」に定められている。そして未だに最大になっていない場合にはS26に進み、普通始動記憶に「1」を加算する処理がなされる。
【0078】
図8(a)は、S11に示された入賞記憶エリア格納処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図8(b)は、図9のS40に示された第1種大当り判定のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。また図9,図10は、図5に示された特別可変表示処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【0079】
図8,図9,図10を参照して、S27により、特別始動記憶数が「0」であるか否かの判断がなされる。「0」の場合にはS29に進み、普通始動記憶数が「0」であるか否かの判断がなされる。一方、S23の処理の結果特別始動記憶数が「0」でなくなった場合には、S27によりNOの判断がなされてS28に進み、ランダム1カウンタのカウント値が抽出されてその抽出値を特別始動記憶エリアの対応するエリアに格納する処理がなされた後S29へ進む。この特別始動記憶エリアとは、第1種始動口15に入賞した始動入賞記憶の古い順に対応させて、ランダム1カウンタの抽出値を記憶させるための記憶領域である。
【0080】
S28の処理の後制御はS29に進む。パチンコ玉が普通図柄用始動口19を通過して通過球検出器113により検出されれば、S26の処理がなされて普通始動記憶数が「0」ではなくなる。すると、S29によりNOの判断がなされてS30に進み、ランダム2カウンタの値が抽出されてその抽出値が普通始動記憶エリアの対応するエリアに格納される。この普通始動記憶エリアも、前述した特別始動記憶エリアと同様の記憶領域であり、普通始動記憶の古い順に対応させてランダム2カウンタの抽出値を記憶させておくための記憶領域である。
【0081】
次に図9に基づいて、特別可変表示処理のサブルーチンプログラムを説明する。まず、S37において、既に可変表示動作中であるか否かの判断がなされる。可変表示動作中である場合にはS42に進むが、可変表示動作中でない場合にはS38に進み、第1種大当り制御または第2種大当り制御を実行中であるか否かが判断される。いずれか一方の大当り制御を実行中の場合には、S38によりYESの判断がなされてS54に進み、特別可変表示装置としての特別図柄表示器23a,23b,23cの新たな可変表示動作が行なわれないように制御される。これにより、たとえば、第2種大当り制御中には、第1種の遊技が新たに進行し始める(可変表示の開始)ことがない。
【0082】
S54では、繰返し継続制御の実行回数(ラウンド回数)を計数するラウンドカウンタの値を特別図柄表示器23a,23b,23cのいずれかに表示させる処理がなされ、S55では、10カウントカウンタの計数値を特別図柄表示器23a,23b,23cのいずれかに表示させる処理がなされる。また、V入賞フラグがセットされている場合にはS57により、特定入賞口26へ玉が入賞した旨の表示処理がなされる。
【0083】
一方、S38でNOと判断された場合にはS39に進み、特別始動記憶があるか否かの判断がなされる。特別始動記憶がない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了するが、特別始動記憶がある場合にはS40に進み、第1種大当り判定がなされる。この第1種大当り判定の具体的な内容は、図8(b)に示されている。次にS41に進み、特別始動入賞記憶があるために、それに基づいて、特別可変表示装置可変開始処理がなされる。その結果、特別図柄表示器23a,23b,23cが可変開始される。
【0084】
次にS42に進み、第1種大当りフラグが「大当り」であるか否かの判断がなされる。この第1種大当りフラグは、特別図柄表示器23a,23b,23cの表示結果に従って大当りを発生させることが事前決定された場合にその決定内容を記憶しておくためのフラグである。この第1種大当りフラグは、S40による第1種大当り判定の処理がなされた結果、大当りを記憶させるかまたは外れを記憶させるかの処理がなされる。これについては後述する。第1種大当りフラグが「大当り」でない場合には図10に示されたS58に進むが、「大当り」になっている場合にS43に進み、左図柄停止時期が経過したか否かの判断がなされ、経過していない場合にはサブルーチンプログラムが終了する。
【0085】
この左図柄停止時期は、特別始動記憶に基づいて特別図柄表示器23a,23b,23cが一斉に可変開始した後、最初に停止表示される左特別図柄表示器23aの停止時期のことであり、たとえば可変開始から5秒程度の時間が計時されたときである。左図柄停止時期が経過した場合には制御がS44に進み、現時点におけるランダム4カウンタの値を抽出し、その抽出値に基づいて左図柄すなわち左特別図柄表示器23aを停止表示させる制御がなされる。その結果、抽出されたランダム4カウンタの値に対応した図柄がこの左特別図柄表示器23aに停止表示されることとなる。次にS45に進み、右図柄停止時期が経過したか否かの判断がなされ、経過した段階で制御がS46に進み、左=右にして右図柄を停止させる制御がなされる。このS46のステップが実行されるということは、S42によりYESの判断がなされたときすなわち第1種大当りフラグが「大当り」になっているときであり、大当りが発生されることが事前に決定されている場合である。ゆえに、右図柄を停止制御する際に、その右図柄を左図柄と一致させて同じ図柄で停止表示させる制御がなされる。
【0086】
次にS47に進み、リーチ中フラグがセットされ、S48により、リーチ動作処理がなされる。このリーチ中フラグは、現在リーチ状態となっていることを記憶させておくためのフラグである。そして、左図柄と右図柄とが同じ図柄で停止表示されたために、前述したように、中図柄をゆっくりと長期間にわたって可変表示させる等のリーチ動作制御がなされる。
【0087】
次にS49に進み、中図柄停止時期が経過したか否かの判断がなされ、経過した段階で制御がS50に進み、左=中にして中図柄を停止させる制御がなされる。この結果、中図柄も、左と右と全く同じ種類の図柄が停止表示されることとなり、ぞろめの図柄が揃うこととなる。次にS51に進み、リーチ動作中フラグをクリアする処理がなされる。中図柄が停止した段階でリーチ状態が終了するためにこのS51により、リーチ動作中フラグがクリアされるのである。次にS51aに進み、第2種大当り動作中であるか否かが判断される。第2種大当り動作中でない場合には後述するS52に進むが、図柄の可変表示制御の途中で第2種大当りが発生し、第2種大当り制御が開始されている場合にはこのS51aでYESの判断がなされ、S51bにおいて第1種大当りフラグ=「大当り」状態が所定の格納領域に退避されて保存される。これにより、第1種大当りフラグ=「大当り」に基づいた第1種大当り制御が第2種大当り制御と同時に実行されることがなく、たとえば、第1種大当りが発生したにもかかわらず、すでに第2種大当り制御が実行されて特定遊技状態となっているためにその第1種大当りが無効化されて遊技者に不利益の発生することがない。このように、第2の遊技結果を特定可能な情報が記憶されるため、遊技者にとって望ましい遊技結果が無駄にならず、遊技者に損をさせることなく特定遊技状態に関する制御を円滑に行なうことができる。
【0088】
次にS52に進み、左図柄が確変図柄であるか否かの判断がなされる。確変図柄とは、前述したように、たとえば「777」や「333」のぞろめを構成する図柄(3や7)であり、左図柄がこの確変図柄であった場合には制御がS53が進み、確変フラグがセットされる。この確変フラグのセットにより、普通図柄表示器20が頻繁に当り表示となるように制御される。
【0089】
次に、S42に示された第1種大当り判定のサブルーチンプログラムを図8(b)に基づいて説明する。S31により、特別始動記憶エリア1に格納されているランダム1カウンタのカウント値を抽出する処理がなされる。そしてその抽出されたランダム1カウンタの値が、大当り判定値と一致するか否かの判断がS32によりなされる。大当り判定値とは、たとえば「5」等の予め決められた値である。この大当り判定値がたとえば「5」等の1つの数値であった場合には、S32によりYESの判断がなされる確率は1/371となる(図5参照)。すなわち、1/371の確率で第1種大当りが発生することとなる。このS32によりYESの判断がなされた場合には、S33に進み、第1種大当りフラグを「大当り」にする処理がなされた後制御がS35に進む。
【0090】
なお、第1種確変状態中は前述したように第1種大当りの確率が高まるが、これは、第1種確変状態中の大当り判定値の数が通常遊技状態中よりも増加するためである。
【0091】
一方、S32によりNOの判断がなされた場合には、S34に進み、第1種大当りフラグを「外れ」にセットする処理がなされた後S35に進む。S35では、特別始動記憶を「1」減算更新する処理がなされ、次にS36により、特別始動記憶エリアをシフトする処理がなされる。S35により特別始動記憶の数が「1」減算されたために、それに応じて一番古い始動記憶データを消去するとともに2番目に古い始動記憶データを一番古い始動記憶エリアにシフトし、3番目に古い始動記憶データを2番目に古い始動記憶エリアにシフトし、4番目に古い始動記憶データを3番目に古い始動記憶エリアにシフトさせる処理がS36により行なわれるのである。
【0092】
前記S42により、大当りフラグが「大当り」でない場合すなわち「外れ」にセットされている場合には、第1種大当りを発生させないことが事前決定されている場合であり、その場合には制御がS58に進む。S58では、左図柄停止時期が経過したか否かの判断がなされ、経過した段階でS59に進み、ランダム4カウンタの値を抽出してその抽出値に基づいて左図柄を停止させる制御がなされる。その結果、ランダム4カウンタの抽出値に対応する種類の図柄が左特別図柄表示器23aにより表示されることとなる。次にS60により、右図柄停止時期が経過したか否かの判断がなされ、経過した段階でS61に進み、ランダム6カウンタの値を抽出してその抽出値に基づいて右図柄が停止処理される。その結果、ランダム6カウンタの抽出値に対応する種類の図柄が右特別図柄表示器23cにより停止表示される。次にS63に進み、左停止図柄と右停止図柄とが一致するか否かの判断がなされ、一致しない場合にはS66に進むが、一致する場合にはリーチ状態であるために、S64に進み、リーチ中フラグがセットされ、S65により、前述したリーチ動作を行なうための処理がなされる。
【0093】
次にS66では、中図柄停止時期がきたか否かの判断がなされ、停止時期がきた段階でS67に進み、リーチ中フラグをクリアし、S68により、ランダム5カウンタの値を抽出してその抽出値に従った中図柄が左と右の停止図柄の両方に一致するか否かの判断がなされる。一致しない場合にはその抽出したランダム5カウンタの値に基づいて中図柄が停止され、中特別図柄表示器23bにそのランダム5カウンタの抽出値に対応する図柄が停止表示される。一方、S68によりYESの判断がなされた場合には、そのままランダム5カウンタの抽出値に従って中図柄を停止させれば、左停止図柄と右停止図柄と中停止図柄とがすべて一致してぞろめの表示となってしまう。そこで、S69により、ランダム5カウンタの抽出値に対し「1」を加算してその加算値に基づいて中図柄を停止制御する処理がなされる。その結果、S69により、強制的に外れ図柄に制御されることとなる。
【0094】
図11は、S6により示された普通可変表示処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートであり、図12は、S72に示された普通図柄当り判定のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S71により、普通図柄表示器20が可変表示動作中であるか否かの判断がなされ、可変表示動作中である場合にはS74に進む。一方、可変表示動作中でない場合にはS71aに進み、普通始動記憶があるか否かの判断がなされ、ない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。普通始動記憶がある場合にはS72に進み、普図当り判定処理がなされる。次にS73に進み、普通可変表示装置を可変開始させる制御がなされ、普通図柄表示器22が可変表示動作を開始する。
【0095】
次にS74により、停止時期が経過したか否かの判断がなされ、経過した段階でS75に進み、普図当りフラグが「当り」になっているか否かの判断がなされる。この普図当りフラグは、S72に示された普図当り判定による判定結果に従って「当り」または「外れ」にセットされるものである。普図当りフラグが「当り」にセットされている場合には、S77に進み、普通図柄表示器20を「7」で停止させる制御がなされる。一方、普図当りフラグが「外れ」にセットされている場合にはS76に進み、その時点におけるランダム7カウンタのカウント値が抽出されてその抽出値に基づいて普通図柄表示器20が停止表示される。
【0096】
普図当り判定の具体的な制御動作を次に説明する。S78により、普通始動記憶エリア1に格納されているランダム2カウンタの値が抽出される。次にS79により、確変フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS80に進み、リーチ中フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS81に進む。S81では、S78により抽出されたランダム2カウンタの値が通常時当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。この通常時当り判定値は、たとえば「2」等の予め定められた1つの数字で構成されている。その結果、ランダム2カウンタの抽出値が通常時当り判定値と一致する確率は、1/11となり、通常当りの発生確率は1/11となる。つまり、確変状態でなくかつリーチ状態でない場合には、通常当りの発生確率は1/11である。
【0097】
S81によりYESの判断がなされた場合にはS83により、普図当りフラグが「当り」にセットされ、一方、S81によりNOの判断がなされた場合には、S82により、普図当りフラグが「外れ」にセットされる。
【0098】
確変状態のときあるいはリーチ状態のときには制御がS84に進み、S78により抽出したランダム2カウンタの値が高確率時当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。この高確率時当り判定値は、たとえば、「2,5,7」等の予め定められた3つの数値から構成されている。その結果、確変時あるいはリーチ状態時においては、S84によりYESの判断がなされて普図当りとなる確率は、3/11となる。S84によりNOの判断がなされた場合にはS82に進み、普図当りフラグが「外れ」にセットされ、S84によりYESの判断がなされた場合にはS85に進む。
【0099】
S85では、確変フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS83に進み、普図当りフラグが「当り」にセットされる。一方、確変フラグがセットされている場合にS86に進み、確変時当りカウンタを「1」加算更新する処理がなされ、S87により、その確変時当りカウンタの値がNになったか否かの判断がなされる。このNは、確変状態で普通図柄表示器20が頻繁に当り表示になる回数を制限するためのものであり、たとえば40等の数値である。Nが40の数値の場合には、一旦確変状態となれば、高い確率で普通図柄表示器20が「7」の当り表示を行なうこととなり、その高い確率で「7」が表示される回数が40回に制限されることとなる。そして、確変時当りカウンタの値がNに達した段階でS88に進み、確変フラグがクリアされ、通常状態に戻る。次にS89に進み、確変時当りカウンタがクリアされた後にS83に進む。
【0100】
なお、この確変時当りカウンタによっては確変フラグがクリアされないように構成してもよい。その場合には、特別図柄表示器23a,23b,23cによって予め定められた確変終了図柄が停止表示された場合に確変フラグがクリアされるか、または、第2種大当りが所定回数(たとえば2回)発生すれば確変フラグがクリアされるようにするか、または、特別図柄表示器23a〜23cが所定回数変動すれば確変フラグがクリアされるようにする。
【0101】
図13は、S8に示された電動チューリップ駆動制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S90により、チューリップソレノイドが既に駆動中であるか否かの判断がなされ、駆動中である場合にS94へ進む。一方、電動チューリップが開放制御されていないときすなわちチューリップソレノイドが駆動中でないときにはS91へ進み、普通可変表示装置20が停止しているか否かの判断がなされ、停止していないときにはサブルーチンプログラムが終了する。普通可変表示装置20が停止しているときにはS92へ進み、普図当りフラグが「当り」になっているか否かの判断がなされる。「当り」になっていない場合には外れであるためそのままサブルーチンプログラムが終了するが、「当り」になっている場合にはS93へ進み、チューリップソレノイド149,150,251の駆動を開始して電動チューリップからなる始動入賞口15,17のそれぞれの可動片16,18を開放する制御を開始する。
【0102】
次にS94へ進み、所定期間が経過したか否かの判断がなされ、所定期間が経過した段階でS95へ進み、チューリップソレノイドの駆動を停止させて始動入賞口15,17のそれぞれの可動片16,18の開放状態を終了させる。次にS96に進み、普図当りフラグを「外れ」に戻す処理がなされる。
【0103】
図14は、S7に示された役物駆動制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S97により、始動入賞に伴い役物ソレノイド250a,250bが駆動中であるか否かの判断がなされ、駆動中である場合にはS102へ進む。一方、駆動中でない場合にはS98へ進み、第1種大当り制御中であるか否かの判断がなされ、第1種大当り制御中である場合には制御がS110へ進む。一方第1種大当り制御中でない場合にはS99へ進み、第2種大当り制御中であるか否かの判断がなされ、第2種大当り制御中である場合にはS106へ進むが、第2種大当り制御中でない場合にはS100へ進む。
【0104】
S100では、第2種用の始動球検出器31がONになったか否かの判断がなされ、ONになっていない場合にはS108に進み、第1種大当りフラグが「大当り」になっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。一方、パチンコ玉が第2種始動口17に入賞すればS100によりYESの判断がなされてS101に進み、役物ソレノイド250a,250bを2回駆動する制御が開始される。
【0105】
次にS101aへ進み、リーチ中フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはS102へ進む。一方、前述したS47あるいはS64によりリーチ中フラグがセットされている場合には、制御がS101bへ進み、V開放ソレノイド252を励磁して1対の可動片50を開放してパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26へ入賞しやすい状態に制御される。
【0106】
次にS102では、役物ソレノイドの2回駆動制御が終了したか否かの判断がなされ、終了した段階でS103へ進み、特定球検出スイッチ29がONになったか否かの判断がなされる。役物ソレノイドが2回駆動制御されて可変表示装置付役物可変入賞球装置32の1対の開閉部材24が2回開閉している最中に進入したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26へ入賞すれば、特定球検出スイッチがONになりS103によりYESの判断がなされる。その結果、制御がS104へ進み、第2種大当りフラグが「大当り」にセットされて、第2種大当り制御を実行することが確定されることとなる。次にS104aへ進み、第1種大当り動作中であるか否かが判断される。第1種大当り動作中でない場合には後述するS105に進むが、たとえば、第2種大当りに必要なV入賞前に第1種大当りが発生し、第1種大当り制御が開始されている場合にはこのS104aでYESの判断がなされ、S104bにおいて第2種大当りフラグ=「大当り」状態が所定の格納領域に退避されて保存され、その後第2種大当り制御が開始されることなく処理が終了する。これにより、第2種大当りフラグ=「大当り」に基づいた第2種大当り制御が第1種大当り制御と同時に実行されることがない。
【0107】
一方、S104aで第1種大当り動作中でないと判断された場合には、S105へ進み、ラウンドカウンタを「1」にセットする処理がなされる。このラウンドカウンタとは、前述した大当りが発生して繰返し継続制御が実行された場合のその繰返し継続制御の実行回数をカウントするためのカウンタである。そして、S106により第2種大当り制御が実行されるのであり、この第2種大当り制御の実行開始時の初期値としてラウンドカウンタに「1」がセットされるのである。一方、開閉部材24が2回開閉した間にパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26へ全く入賞しなかった場合には、S103によりNOの判断がなされてS107へ進み、第2種大当りフラグを「外れ」にセットする処理がなされる。
【0108】
前述したS33により第1種大当りフラグが「大当り」にセットされている場合には、S108によりYESの判断がなされてS109へ進み、ラウンドカウンタを「1」にセットし、S110により、第1種大当り制御が実行される。
【0109】
図15は、前記S110に示された第1種大当り制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S111により、役物ソレノイド250a,250bが励磁中であるか否かの判断がなされる。励磁中である場合にはS114に進むが、励磁中でない場合にはS112へ進み、インターバル期間が経過したか否かの判断がなされる。このインターバル期間は、特別図柄表示器23a,23b,23cの停止時の表示結果がぞろめとなり大当りが発生する特定の表示態様となった後実際に可変表示装置付役物可変入賞球装置32が第1の状態に制御されて大当り制御が開始されるまでの5秒程度の期間のことである。このインターバル期間が経過した段階でS113へ進み、役物ソレノイド250a,250bを励磁して開閉部材24を開成させるとともに、30秒タイマがセットされる。次にS114へ進み、10カウントカウンタが最大になったか否かの判断がなされ、なっていない場合にS115へ進み、30秒タイマがタイムアップしたか否かの判断がなされ、タイムアップしていない場合にはそのままサブルーチンプログラムが終了する。
【0110】
10カウントカウンタが最大になるかまたは30秒タイマがタイムアップした場合にはS116へ進み、役物ソレノイドが消磁されて開閉部材24が閉じて第2の状態となる。次にS117により、10カウントカウンタと30秒タイマとがクリアされ、S118によりラウンドカウンタを「1」加算更新する処理がなされる。そして、S119によりラウンドカウンタが「17」になったか否かの判断がなされる。既に最終ラウンドである16ラウンドが実行された後S118の処理がなされれば、ラウンドカウンタが「17」になっているため、S120へ進み、第1種大当り制御を終了させるために第1種大当りフラグが「外れ」にセットされる。
【0111】
最終ラウンドまで達していない場合にはS121に進みV入賞フラグがセットされているか否か即ち繰返し継続条件が成立しているか否かの判断を行なう。セットされている場合にはそのままこのサブルーチンプログラムが終了するため、第1種大当りフラグは「大当り」のままであり、以降も第1種大当り制御が継続される。V入賞フラグがセットされていない場合にはS120の処理がなされる。
【0112】
S120で第1種大当りフラグが「外れ」にセットされた後、S120aに進み、所定の格納領域のデータが読出され、「大当り」状態にセットされた第2種大当りフラグが保存されているか否かが判断される。そして、保存されていない場合には第1種大当り制御処理が終了するが、保存されている場合にはS120bに進み、第2種大当り制御が実行される。
【0113】
これにより、第1種大当り制御の終了後、前記S104bにおいて「大当り」状態で保存された第2種大当りフラグに基づいて第2種大当り制御が実行される。このように特定遊技状態の終了後に第2種大当りフラグに基づいて再び特定遊技状態に制御されるために、遊技者は特定遊技状態の終了後に第2種大当りに基づく期待通りの恩恵を受けることができる。
【0114】
図16は、前記S106および前記S120bに示された第2種大当り制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S122により、役物ソレノイド250a,250bが間欠励磁中であるか否かの判断がなされる。第2種大当りの場合には、前述したように、役物ソレノイドが間欠励磁されて開閉部材24が1ラウンドにおいて最大18回開閉を繰返すのである。その役物ソレノイド250a,250bが間欠励磁されている最中の場合にはS125に進むが、間欠励磁中でない場合にはS123へ進み、インターバル期間が経過したか否かの判断がなされる。このインターバル期間は、開閉部材24が2回開閉中に進入したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞した後実際に開閉部材24が開閉を繰返す大当り制御が開始されるまでの期間のことである。このインターバル期間が経過した段階でS124へ進み、役物ソレノイド250a,250bを間欠励磁して開閉部材24を開閉させる制御が開始される。
【0115】
次にS125へ進み、10カウントカウンタが最大になっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS126へ進み、役物ソレノイド間欠励磁回数が18回に達しているか否かの判断がなされ、達していない場合にはS127へ進み、V入賞フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされていない場合にはサブルーチンプログラムが終了する。一方、大当り制御中に可変表示装置付役物可変入賞球装置32内にパチンコ玉が進入する度にS19により10カウントカウンタが「1」ずつ加算更新されるのであり、その10カウントカウンタのカウント値が最大(たとえば10個)に達すればS125によりYESの判断がなされてS128に進み、役物ソレノイドが消磁されて開閉部材24が閉鎖状態となる。また、役物ソレノイドの間欠励磁回数が18回に達した場合にもS128に進み、役物ソレノイド250a,250bが消磁される。一方、大当りに伴う開閉部材24の開閉動作中に進入したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞した場合にはS20によりV入賞フラグがセットされるのであり、その場合にはS127によりYESの判断がなされてS128へ進み、役物ソレノイド250a,250bが消磁されて開閉部材24が閉鎖状態となる。
【0116】
次にS129へ進み、10カウントカウンタをクリアし、S130に進み、ラウンドカウンタを「1」加算更新する処理がなされる。つまり、大当りに伴う開閉部材24の開閉動作が1回終了したために、ラウンドカウンタを「1」加算更新して次回のラウンドに更新するのである。次にS131に進み、ラウンドカウンタが「17」に達しているか否かの判断がなされる。この繰返し継続制御の実行上限回数は16回と定められており、その最終ラウンドである16回が終了した場合には、S130により「1」の加算更新が行なわれた結果ラウンドカウンタが「17」となる。その場合には、それ以上繰返し継続制御を実行させないために、制御がS134へ進み、第2種大当りフラグを「外れ」に戻す処理がなされる。一方、ラウンドカウンタが「17」に達していない場合にはまだ最終ラウンドまで達していないということであるために、制御がS132へ進み、V入賞フラグがセットされているか否かの判断がなされ、パチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞してV入賞フラグがセットされた場合には、繰返し継続条件が成立したということであるために、S134の処理がなされることなく、第2種大当りフラグは「大当り」のまま維持される。その結果、S99によりYESの判断がなされて第2種大当り制御が継続されることとなる。
【0117】
S134で第2種大当りフラグが「外れ」にセットされた後、S134aに進み、所定の格納領域のデータが読出され、「大当り」状態にセットされた第1種大当りフラグが保存されているか否かが判断される。そして、保存されていない場合には第2種大当り制御処理が終了するが、保存されている場合にはS134bに進み、第1種大当り制御が実行される。
【0118】
これにより、第2種大当り制御の終了後、前記S51bにおいて「大当り」状態で保存された第1種大当りフラグに基づいて、図15を用いて説明した第1種大当り制御が実行される。
【0119】
図17は、前記S11aに示された情報出力処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。この情報出力処理のサブルーチンプログラムは、図2に示した情報出力回路137からホール用管理コンピュータに各種の遊技情報を出力するための制御動作を示したものである。S135により、第1種大当りフラグが「大当り」になっているか否かの判断がなされ、なっていなければS136により、第2種大当りフラグが「大当り」になっているか否かの判断がなされ、なっていなければS137により、確変フラグがセットされているか否かの判断がなされ、セットされなければS138に進み、特別可変表示装置の停止時であるか否かの判断がなされ、停止時でなければS139に進み、第1種用の始動球検出器がONであるか否かの判断がなされ、ONでなければS140に進み、第2種用の始動球検出器がONであるか否かの判断がなされ、ONでなければこのサブルーチンプログラムが終了する。
【0120】
前述したS33により第1種大当りフラグが「大当り」にセットされている場合には、S135によりYESの判断がなされてS141へ進み、第1種大当り情報をホール用管理コンピュータに出力する処理がなされる。この第1種大当り情報の出力は、第1種大当りに伴う可変表示装置付役物可変入賞球装置32が第1の状態に制御されるという大当り制御動作が開始されてから大当り制御が終了するまでの間継続して出力される。
【0121】
前述したS104により第2種大当りフラグが「大当り」にセットされている場合には、S136によりYESの判断がなされてS144に進み、第2種大当り情報がホール用管理コンピュータに出力される。この第2種大当り情報の出力は、第2種大当りに伴い可変表示装置付役物可変入賞球装置32が第1の状態に制御される大当り制御が開始されてからその大当り制御が終了するまでの間継続して出力される。
【0122】
前述したS53により確変フラグがセットされている場合には、S137によりYESの判断がなされてS142へ進み、確変状態になっている旨を表わす確変情報がホール用管理コンピュータへ出力される。特別可変表示装置の各特別図柄表示器23a,23b,23cが可変開始した後停止し、現在がその停止時点に相当する場合にはS138によりYESの判断がなされてS145へ進み、ホール用管理コンピュータに図柄確定回数を集計させるためのパルス信号が出力される。ホール用管理コンピュータは、このパルス信号を計数して、現時点で何回目の図柄が確定したかを集計する。
【0123】
パチンコ玉が第1種始動口15に入賞して始動球検出器30により検出されれば、S139によりYESの判断がなされてS143へ進み、ホール用管理コンピュータに第1種用始動入賞回数を計数させるためのパルス信号が出力される。ホール用管理コンピュータは、このパルス信号を受けて、現在までに何回第1種用始動入賞が発生したかを計数する。パチンコ玉が第2種始動口17に入賞して始動球検出器31により検出されれば、S140によりYESの判断がなされてS146へ進み、ホール用管理コンピュータに第2種用始動入賞回数を計数させるためのパルス信号が出力される。ホール用管理コンピュータは、このパルス信号を受けて、現在までに何回目の第2種用始動入賞が発生したかを計数する。
【0124】
第2実施の形態
次に、図18に基づいて第2実施の形態を説明する。この第2実施の形態が前記第1実施の形態と相違する点は、第1種または第2種大当り制御終了時に「大当り」状態にセットされた大当りフラグ(第1種または第2種大当りフラグ)が保存されている場合には、その大当り制御終了後に大当りフラグに基づいて再度大当り制御が実行されるのでなく、特別遊技状態の一例となる確変状態に制御される点である。たとえば、第1種大当り制御終了時に「大当り」状態にセットされた第2種大当りフラグが保存されている場合には、第2種確変フラグが設定され、設定された第2種確変フラグに基づいて前述した第2種確変状態に制御される。一方、第2種大当り制御終了時に「大当り」状態にセットされた第1種大当りフラグが保存されている場合には、第1種確変フラグが設定され、設定された第1種確変フラグに基づいて前述した第1種確変状態に制御される。
【0125】
第2実施の形態では以上のように制御されるため、遊技者は特定遊技状態中に発生した大当りに基づく恩恵をその特定遊技状態終了後に確変状態という形で受けることができる。
【0126】
この第2実施の形態では、図6〜図17に示した第1実施の形態におけるフローチャートのうちの図14、図15、図16のフローチャートを図18、図19、図20のように変更する必要がある。
【0127】
さらに、図8(b)に示した第1種大当り判定処理のフローチャートにおいて、S32でランダム1カウンタの抽出値と大当り判定値とを比較する前に、第1種確変フラグが設定されているか否かを判断するステップ(S31a)と、第1種確変フラグが設定されている場合に第1種確変状態用の大当り判定値をROM169より読出すステップ(S31b)と、第1種確変フラグが設定されていない場合に通常遊技状態用の大当り判定値をROM169より読出すステップ(S31c)とを追加する必要がある。そして、S32では、S31bまたはS31cで読出された大当り判定値と抽出値とを比較して抽出値が大当り判定値であるか否かを判断する。なお、ROM169に記憶される第1種確変状態用の大当り判定値の数と、通常遊技状態用の大当り判定値の数とでは、前者の方が後者よりも多く設定されている。
【0128】
次に、図18を参照して、役物駆動制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートの第1実施の形態(図14参照)からの変更点を説明する。第2実施の形態では、S101で役物ソレノイド250a,250bを2回駆動するステップの後に、第2種確変フラグがセットされているか否かを判断するステップ(S101a)が1つ追加されている。そして、第2種確変フラグがセットされている場合にはリーチ中フラグがセットされていない場合であってもV開放ソレノイド252を励磁して1対の可動片50を開放してパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26へ入賞しやすい、第2種確変状態に制御される(S101c)。その他の点については、第1実施の形態(図14参照)と同一である。
【0129】
次に、図19を参照して、第1種大当り制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートの第1実施の形態(図15参照)からの変更点を説明する。第2実施の形態では、S120bのステップのみが第1実施形態と異なり、S120aで「大当り」状態にセットされた第2種大当りフラグが保存されていると判断された場合には、S120bで第2種確変フラグが設定される。この第2種確変フラグに基づき、第1種大当り制御の終了後、前記S101cにおいて遊技状態が第2種確変状態に制御される。
【0130】
次に、図20を参照して、第2種大当り制御のサブルーチンプログラムを示すフローチャートの第1実施の形態(図16参照)からの変更点を説明する。第2実施の形態では、S134bのステップのみが第1実施形態と異なり、S134aで「大当り」状態にセットされた第1種大当りフラグが保存されていると判断された場合には、S134bで第1種確変フラグが設定される。この第1種確変フラグに基づき、第2種大当り制御の終了後、遊技状態が第1種確変状態に制御される。すなわち、第1種大当り判定処理が実行される際には、ランダム1の抽出値と第1種確変状態用の大当り判定値とが比較される。
【0131】
第3実施の形態
次に、図21に基づいて、第3実施の形態を説明する。この第3実施の形態が前記第1実施の形態と相違する点は、特別図柄表示器23a,23b,23cのうちのいずれかが可変表示動作をしている最中に第2種大当りが発生した場合には、第2種大当り制御が終了するまで特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示動作を維持し、第2種大当り制御が終了した後に最終的な表示結果を導出表示する点である。
【0132】
たとえば、第2種大当りが発生した時点で特別図柄表示器23a,23b,23cのすべてが可変表示動作をしている場合には、第2種大当り制御が終了するまでの間、すべての表示器を可変表示状態に維持する。あるいは、第2種大当りが発生した時点でリーチ状態となっている場合には、第2種大当り制御が終了するまでの間、残る1つの表示器を可変表示状態に維持する。
【0133】
このように制御することにより、特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示動作が開始した後、その最終的な表示結果が導出表示されるまでの間に先に第2種大当りが発生した場合に、その第2種大当りに基づく特定遊技状態中に特別図柄表示器23a,23b,23cの表示結果に基づいて第1種大当りが発生することがない。これにより、2種類の大当りが重複することを防止できる。なお、可変表示装置で特別図柄の可変表示を継続させることに代えて、一旦、特別図柄の可変表示を中断させるように構成してもよい。たとえば、第2種大当りが発生した時点で特別図柄の可変表示を一旦停止し、第2種大当り発生時点での出目を表示する。この際、特別図柄の可変表示が一旦停止されていることを遊技者に理解させるために、特別図柄を上下に微動させ続けるなどしてもよい。その後、第2種大当り制御の終了後に特別図柄の可変表示を再開させて最終的な表示結果を導出表示する。
【0134】
なお、この第3実施の形態では、図6〜図17に示した第1実施の形態におけるフローチャートのうちの図9のフローチャートを図21のように変更する必要がある。
【0135】
さらに、図16に示した第2種大当り制御処理のフローチャートにおいて、S134aおよびS134bのステップは不要となる。この第3実施の形態では、第2種大当り制御中に第1種大当りが発生しないように制御されるため、第2種大当り制御中に「大当り」状態の第1種大当りフラグが保存されることがないからである。
【0136】
次に、図21を参照して、特別可変表示処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートの第1実施の形態(図9参照)からの変更点を説明する。第3実施の形態では、第1実施の形態に比較して、すべての図柄(左図柄,中図柄,右図柄)が停止した際に第2種大当り動作中であるか否かを判断するステップ(S51a)と、第2種大当り動作中の場合に「大当り」状態の第1種大当りフラグを保存するステップ(S51b)とが削除されている。代わりに、S41で特別可変表示装置可変開始処理がなされた後(あるいはS37で可変表示動作中と判断された場合)、第2種大当り動作中であるか否かを判断するステップS41aが追加されている。そして、第2種大当り動作中でない場合には予め定められた図柄停止時期に各図柄を停止させるためのステップに進むが、第2種大当り動作中の場合には各図柄を停止させるためのステップに進むことなく、特別可変表示処理が終了するように構成されている。これにより、第2種大当り動作中は図柄を停止させる制御が行なわれなくなり、第2種大当り動作の終了後に順次図柄が停止する。
【0137】
第4実施の形態
次に、図22〜図24に基づいて第4実施の形態を説明する。
【0138】
図22は、第4実施の形態に係るパチンコ遊技機1のの全体正面図である。また、図23は、第4実施の形態に示されたパチンコ遊技機に用いられる制御回路の一部を示すブロック図である。このブロック図が図2に示した第1実施の形態の制御回路のブロック図と異なる点は、ソレノイド回路148にV前貯留ソレノイド260が追加されている点のみである。なお、図22および図23において、前述した第1実施の形態と同様の部品や装置類には同一の参照番号を付している。
【0139】
この図22に示した第4実施の形態のパチンコ遊技機1は、第1実施の形態のものに比べて、可変入賞球装置が2つ設けられている。そして第1種大当りが発生した場合には可変入賞球装置(アタッカ)33が第1の状態に制御され、第2種大当りが発生した場合には可変表示装置付役物可変入賞球装置32が第1の状態に制御される。
【0140】
この第4実施の形態では、第1実施の形態と異なり、可変入賞球装置(アタッカ)33を開成させるためのアタッカソレノイドが別途設けられ、第1種大当り制御を実行する場合には、そのアタッカソレノイドが駆動制御される一方、役物ソレノイド250a,250bが駆動制御されるのは、パチンコ遊技機が第2種始動口17に入賞した場合の2回駆動制御と第2種大当りが発生した場合の最大18回の開閉駆動制御の場合のみである。さらに、この第4実施の形態では、第1種始動口15のみが電動チューリップで構成されており、この第1種始動口15のみが図13に示した電動チューリップ駆動制御の対象となり、第2種始動口17は開閉動作しない通常の入賞口で構成されている。また、可変表示装置付役物可変入賞球装置32内の特定入賞口(Vポケット)26部分には、遊技盤内より出没可能に構成されたV前貯留部材26aが設けられている。このV前貯留部材26aはV前貯留ソレノイド260(図23参照)が励磁されることにより遊技盤内より現れ、第2種用の特定入賞口26に進入した玉を特定球検出スイッチ29の検出位置上手側で貯留する。このため、V前貯留ソレノイド260(図23参照)が励磁されている間、たとえ玉が特定入賞口26に進入したとしても第2種大当りは発生しない。一方、V前貯留部材26aはV前貯留ソレノイド260が消磁されることにより遊技盤内に埋没する。このため、V前貯留ソレノイド260が消磁されている間は第2種大当りが発生し得る。また、V前貯留ソレノイド260の励磁が解除された際にV前貯留部材26aに玉が貯留されていれば、その貯留玉が特定球検出スイッチ29で検出され、第2種大当りが発生する。なお、図中36は10カウント表示器であり、可変入賞球装置33内に入賞した入賞玉の計数値を表示するものである。
【0141】
以上のように構成される第4実施の形態に係るパチンコ遊技機では、第2種始動口17に打玉が入賞した後、特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示結果が大当りの表示結果となり、第2種始動口17への入賞に基づいて特定入賞口(Vポケット)26への入賞が発生する前に第1種大当り制御が開始されると、V前貯留ソレノイド260を励磁する制御がなされる。このため、第1種大当り制御中にさらに第2種大当りが発生してしまうことがない。これにより、2種類の大当りが重複することを防止できる。なお、V前貯留ソレノイド260は、第1種大当り制御が終了した後に第2種始動口17に入賞があったことを条件として消磁されるために、V前貯留部材26aに玉が貯留されていれば、第1種大当り制御終了後にその貯留玉が特定球検出スイッチ29で検出され、第2種大当りが発生する。
【0142】
この第4実施の形態では、図6〜図17に示した第1実施の形態におけるフローチャート中の次の点を変更する必要がある。可変表示装置付役物可変入賞球装置32を駆動制御するS7の役物駆動制御のステップの他に、可変入賞球装置(アタッカ)33を駆動制御するためのアタッカ駆動制御を図6に示したメインルーチンに加える。図7のスイッチ入力のサブルーチンプログラムにおいては、球数検出スイッチおよび特定球検出スイッチを、可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に設けられた第2種用球数検出スイッチおよび第2種用特定球検出スイッチと、可変入賞球装置(アタッカ)33内に設けられた第1種用球数検出スイッチおよび第1種用特定球検出スイッチの2種類に分け、S14〜S20の処理は、それぞれ第1種用と第2種用とに分けて処理する。図9に示した特別可変表示処理においては、S51aとS51bとを削除する。
【0143】
図14に示した役物駆動制御においては、可変表示装置付役物可変入賞球装置32のみの駆動制御内容とし、具体的には、図24に示すような駆動制御内容とする。すなわち、図14のS98,S108〜S110を削除する。また、S97を、第2種始動口17への玉の入賞に伴う2回開閉駆動中であるか否かを判断するステップとする。さらに、図14のS104aとS104bを削除し、代わりにS101c,S101d,S101eを追加する。これにより、S100で第2種用の始動球検出器31がONになったと判断された後に第1種大当りが発生した場合にはS101cでYESの判断がなされてS101dに進み、V前貯留ソレノイド260が励磁される。このため、前述したように第1種大当り制御中に第2種大当りが発生することがない。一方、その後、第1種大当り制御が終了して、さらにS100で第2種用の始動球検出器31がONになったと判断された場合には、S101cでNOの判断がなされてS101eに進み、V前貯留ソレノイド260の励磁が解除される。このため、V前貯留部材26aに玉が貯留されていれば、前述したように第1種大当り制御終了後にその貯留玉が特定球検出スイッチ29で検出され、第2種大当り制御が実行される。
【0144】
また、この役物駆動制御の他に、アタッカ駆動制御のサブルーチンプログラムを追加する必要がある。このサブルーチンプログラムは、基本的には、図14に示した役物駆動制御中の第1種大当り制御に関するステップを分離独立させたものである。具体的には、サブルーチンプログラムの最初に、S97に相当する第1種始動入賞に伴いアタッカソレノイド駆動中であるか否かの判断を行なうステップを設け、それ以降に、図14に示したS98,S108〜S110のステップを設ける。
【0145】
図15に示した第1種大当り制御では、「役物ソレノイド」を「アタッカソレノイド」に変更し、さらに、S120aとS120bとを削除する。以上が、第4実施の形態において、第1実施の形態に示されたフローチャートの主な変更点である。
【0146】
第5実施の形態
次に、図25〜図31に基づいて、第5実施の形態を説明する。
【0147】
この第5実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、前述した第2種のパチンコ遊技機の遊技制御と第3種(権利もの)のパチンコ遊技機の遊技制御とを兼ね備えたものである。パチンコ玉が第2種始動口17に入賞すれば、可変表示装置付役物可変入賞球装置32の開閉部材24が2回開閉駆動され、その間に進入したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26に入賞すれば、前述した第2種大当り制御が実行される。
【0148】
一方、パチンコ玉が特別図柄用の始動口15に入賞して特別図柄用の始動球検出器30により検出されれば、特別図柄表示器23a,23b,23cが可変開始された後停止制御される。その停止時の表示結果が特定の表示態様(たとえば777)となった場合に、権利発生用ソレノイド390(図26参照)が励磁されて権利発生用可変入賞球装置51が開成されて第1の状態となる。権利発生用可変入賞球装置51内には、その中央に特定入賞口52が設けられ、その左右に通常入賞口53が設けられている。権利発生用可変入賞球装置51内に進入したパチンコ玉が特定入賞口52に入賞すれば、その入賞玉が特定球センサ54により検出され、権利発生状態となる。この権利発生状態中に再度パチンコ玉が特定入賞口52内に入賞して特定球センサ54により検出されれば、せっかく発生した権利発生状態が消滅する。
【0149】
権利発生状態の期間中にパチンコ玉がロータ47の切欠内に進入すれば、そのロータ47が回転してその切欠内のパチンコ玉が開閉板始動口48内に入賞する。その入賞玉が開閉板始動センサ49により検出され、第3種大当りが発生して可変入賞球装置33の開閉板34が開成されて第1の状態となる。
【0150】
この可変入賞球装置33の第1の状態は、所定個数(たとえば10個)のパチンコ玉が入賞することにより一旦終了して第2の状態となり、その状態でロータ47の切欠内にパチンコ玉が進入してそのパチンコ玉が開閉板始動センサ49により検出されれば、再度可変入賞球装置33が第1の状態に制御される繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16ラウンドに定められている。
【0151】
さらに第5実施の形態に係るパチンコ遊技機においては、可変表示装置付役物可変入賞球装置32の特定入賞口26部分に第4実施の形態と同一のV前貯留部材26aが設けられているとともに、権利発生用可変入賞球装置51の特定入賞口52部分に第4実施の形態と同様に遊技盤内より出没可能に構成されたV前貯留部材52aが設けられている。
【0152】
V前貯留部材26aの動作は、第4実施の形態の場合と同様である。また、V前貯留部材52aは、V前貯留部材26aと同様にV前貯留ソレノイド261(図26参照)が励磁されることにより遊技盤内より現れ、特定入賞口52に進入した玉を特定球センサ54の検出位置上手側で貯留する。このため、V前貯留ソレノイド261が励磁されている間、たとえ玉が特定入賞口52に進入したとしても権利発生状態とならず、第3種大当りは発生しない。一方、V前貯留部材52aはV前貯留ソレノイド261が消磁されることにより遊技盤内に埋没する。このため、V前貯留ソレノイド261が消磁されている間は権利発生状態となる可能性があり、第3種大当りが発生し得る。また、V前貯留ソレノイド261の励磁が解除された際にV前貯留部材52aに玉が貯留されていれば、その貯留玉が特定球検出センサ54で検出され、権利発生状態となる。
【0153】
この第5実施の形態では、以下のような制御がなされる。すなわち、特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示結果が特定の表示態様となって権利発生用可変入賞球装置51が第1の状態となった場合に、第2種始動口17への入賞に基づいて特定入賞口26への入賞が発生して第2種大当り制御が開始されると、V前貯留ソレノイド261を励磁する制御がなされる。このため、第2種大当り制御中にさらに第3種大当りが発生してしまうことがない。これにより、2種類の大当りが重複して発生し、たとえば、2つの可変入賞球装置32,33を同時に開放する制御が行なわれることによって遊技の射倖性が高まり過ぎてしまうことを防止できる。なお、V前貯留ソレノイド261は、第2種大当り制御が終了した後に消磁されるために、V前貯留部材52aに玉が貯留されていれば、第2種大当り制御終了後にその貯留玉が特定球センサ54で検出され、権利発生状態となる。
【0154】
一方、第1の状態となった可変表示装置付役物可変入賞球装置32の特定入賞口26への入賞が発生する前に、第3種大当りが発生した場合には、V前貯留ソレノイド260を励磁する制御がなされる。このため、第3種大当り制御中にさらに第2種大当りが発生してしまうことがない。これにより、2種類の大当りが重複して発生し、たとえば、2つの可変入賞球装置32,33を同時に開放する制御が行なわれることによって遊技の射倖性が高まり過ぎてしまうことを防止できる。なお、V前貯留ソレノイド260は、第3種大当り制御が終了した後に第2種始動口17に入賞があったことを条件として消磁されるために、V前貯留部材26aに玉が貯留されていれば、第3種大当り制御終了後にその貯留玉が特定球検出スイッチ29で検出され、第2種大当りが発生する。
【0155】
この第5実施の形態に用いられる制御回路は、第1実施の形態に用いた制御回路とほぼ同様のものを用いることが可能であるが、その変更点を図26に基づいて説明する。
【0156】
入力回路135には、可変入賞球装置33内に設けられた第3種10カウントスイッチ132と、特定球センサ54と、開閉板始動センサ49とが接続されている。一方、第1実施の形態に示された始動球検出器31は、この第5実施の形態では存在しない。ソレノイド回路148には、電動チューリップ駆動用のソレノイド149とV開放用ソレノイド252と役物駆動用のソレノイド250a,250bと権利発生用ソレノイド390とV前貯留ソレノイド260,261とが接続されている。
【0157】
第5実施の形態に用いられる制御プログラムのフローチャートは、第1実施の形態に用いられる制御プログラムのフローチャートを一部変更して適用することができる。その変更点は、図27〜図31に基づいて説明する。
【0158】
図27は、メインプログラムのフローチャートであり、S400〜S406,S409〜S414は、第1実施の形態のメインプログラムのフローチャートと同じである。S406の処理の後、この第5実施の形態では、S407のアタッカ駆動制御が実行され、次にS408の権利発生用可変入賞球装置駆動制御がなされた後S409へ進む。
【0159】
図28,図29は、S403に示したスイッチ入力のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。S414により、スイッチポート入力処理がなされ、S415に進み、球数検出スイッチがONになっているか否かの判断がなされる。可変表示装置付役物可変入賞球装置32内に進入したパチンコ玉が球数検出スイッチ27により検出されれば、S416に進み、第2種10カウントカウンタが最大になっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS417に進み、第2種10カウントカウンタを「1」加算する処理がなされた後S418へ進む。一方、S415によりNOの判断がなされた場合およびS416によりYESの判断がなされた場合もS418へ進む。
【0160】
S418では、特定球検出スイッチ29がONになっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS422へ進む。パチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)26へ入賞して特定球検出スイッチ29により検出されればS418によりYESの判断がなされてS419へ進み、第2種10カウントカウンタが最大になっているか否かの判断がなされ、最大になっていない場合にはS420により、第2種10カウントカウンタを「1」加算更新した後にS421へ進む。S421では、V入賞フラグをセットする処理がなされる。
【0161】
次にS422へ進み、10カウントスイッチ(第3種10カウントスイッチ)132がONになったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS425へ進むが、なっている場合にはS423へ進み、第3種10カウントカウンタが最大になっているか否かの判断がなされ、なっている場合にS425へ進むが、なっていない場合にはS424により、第3種10カウントカウンタを「1」加算更新する処理がなされる。
【0162】
次にS425へ進み、特別始動球検出器30がONになったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS428へ進む。パチンコ玉が特別図柄用始動口15へ入賞して特別始動球検出器30がONになればS426へ進み、特別始動記憶が最大になっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS427へ進み、特別始動記憶を「1」加算更新する処理がなされる。
【0163】
次にS428へ進み、通過球検出器131がONになったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS431へ進む。パチンコ玉が普通図柄用始動口19に入賞して通過球検出器113がONになればS429に進み、普通始動記憶が最大になっているか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS430により、普通始動記憶を「1」加算更新する処理がなされる。
【0164】
次に特定球センサ54がONになったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS434へ進む。パチンコ玉が権利発生用可変表示装置51に進入して特定入賞口52に入賞し、その入賞玉が特定球センサ54により検出されれば、S432へ進み、権利発生フラグがセットされているか否かの判断がなされ、権利発生フラグがまだセットされていない場合にはS433により権利発生フラグをセットする処理がなされる。
【0165】
一方、特定球センサがONになった時点で既に権利発生フラグがセットされている場合にはS432によりYESの判断がなされてS437へ進み、権利発生フラグがクリアされる。つまり、権利発生状態でないときにパチンコ玉が特定入賞口52に入賞すれば権利発生状態となるが、権利発生状態となっている最中にパチンコ玉が特定入賞口52へ入賞すればせっかく発生した権利発生状態が消滅する。
【0166】
次にS438へ進み、第3種大当りフラグがセットされているか否かの判断がなされ、既にセットされている場合にはS439により、その第3種大当りフラグがクリアされてその時点で第3種大当り制御が終了する。
【0167】
S433の制御の次に、S434に進み、第3種用の始動球検出器である開閉板始動センサ49がONになったか否かの判断がなされ、なった場合にS435へ進み、権利発生フラグがセットされているか否かの判断がなされる。権利発生フラグがセットされている場合にのみS436へ進み、第3種大当りフラグがセットされ、以降第3種大当り制御が実行されることとなる。
【0168】
次に、図27に示したS406の役物の駆動制御の内容を説明する。役物駆動制御においては、可変表示装置付役物可変入賞球装置32の駆動制御と可変入賞球装置(アタッカ)33の駆動制御とがなされる。
【0169】
可変表示装置付役物可変入賞球装置32の駆動制御の内容は、第4実施の形態として説明した図24と同様であるが、図24のS101cのステップを第3種大当り制御動作中であるか否かを判断するステップに変更する必要がある。
【0170】
可変入賞球装置(アタッカ)33の駆動制御の内容を図30に基づいて説明する。まず、S96により、第3種大当り制御中であるか否か(第3種大当りフラグがセットされているか否か)が判断され、第3種大当り制御中の場合にはS106に進み、第3種大当り制御の処理が行なわれる。第3種大当り制御中でない場合にはS97に進み、権利発生用可変入賞球装置51が開成しているか否かが判断され、開成中である場合にはS101cへ進む。一方、開成中でない場合にはS100へ進み、特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示結果が特定の表示態様となったか否かが判断され、特定の表示態様になっていない場合(特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示結果が外れの表示態様、あるいは、特別図柄表示器23a,23b,23cのうちいずれかが可変表示中)には処理が終了する。一方、特別図柄表示器23a,23b,23cの可変表示結果が特定の表示態様となった場合にはS100によりYESの判断がなされてS101に進み、権利発生用可変表示装置51が開成状態に制御される。
【0171】
次にS101cへ進み、第2種大当り動作中か否かが判断され、第2種大当り動作中の場合にはS101cでYESの判断がなされてS101dに進み、V前貯留ソレノイド261が励磁され、処理が終了する。その後、図28に基づいて前述したスイッチ入力処理が実行されてS431で特定球センサ54がONしたか否かが判断されるが、貯留ソレノイド261が励磁されてV前貯留部材52aが特定球センサ54での玉の検出を阻害するためにNOの判断がなされる。このため、権利発生フラグがセットされることはなく、第2種大当り制御中に第3種大当りが発生することがない。
【0172】
一方、その後、第2種大当り制御が終了すれば、S101cでNOの判断がなされてS101eに進み、V前貯留ソレノイド261の励磁が解除される。このため、V前貯留部材52aに玉が貯留されていれば、前述したように第2種大当り制御終了後にその貯留玉が特定球センサ54で検出され、権利発生状態となる。
【0173】
次に、図31に基づいて、図31のS106に示された第3種大当り制御のサブルーチンプログラムを説明する。S350により、第3種大当りフラグが「外れ」であるか否かの判断がなされる。第3種大当りフラグが「当り」の場合には制御がS351へ進み、アタッカソレノイド250が励磁中であるか否かの判断がなされ、励磁中の場合にS353へ進むが、励磁中でなければS352へ進み、インターバル期間が経過したか否かの判断がなされる。そしてインターバル期間が経過した段階でS352aへ進み、アタッカソレノイド250を励磁して可変入賞球装置33を第1の状態に制御するとともに、30秒タイマをセットする処理がなされる。次にS353へ進み、10カウントカウンタが最大になったか否かの判断がなされ、なっていない場合にはS354により、30秒タイマがタイムアップしたか否かの判断がなされ、タイムアップしていない場合にはこのサブルーチンプログラムが終了する。
【0174】
10カウントカウンタが最大または30秒タイマがタイムアップした場合には、制御がS355へ進み、アタッカソレノイド250を消磁して可変入賞球装置33の開閉板34を閉成し、S356により、10カウントカウンタおよび30秒タイマをクリアする処理がなされる。次にS356へ進み、ラウンドカウンタを「1」加算更新し、S357に進み、ラウンドカウンタが「17」になっているか否かの判断がなされる。S355の段階で既に最終ラウンドである16ラウンドが終了した場合には、S357によりYESの判断がなされ、S358に進み、第3種大当りフラグを「外れ」にセットする処理がなされる。一方、未だに最終ラウンドに達していない場合には、S357によりNOの判断がされてS359へ進み、Vフラグがセットされているか否かの判断がなされる。可変入賞球装置33が開成している最中に進入したパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)に入賞すれば、S217によりYESの判断がなされてS220によりV入賞フラグがセットされるのであり、その場合には、S359によりYESの判断がなされ、第3種大当りフラグが「外れ」にセットされることがない。一方、V入賞フラグがセットされていない場合にはS358に進み、第3種大当りフラグが「外れ」にセットされる。
【0175】
このように、第3種大当り制御では、第1種大当り制御と同様に、第1の状態となっている可変入賞球装置33内に所定個数(たとえば10個)のパチンコ玉が入賞するかまたは所定期間(30秒間)経過するかのいずれか早い方の条件が成立することにより可変入賞球装置33が第2の状態となり、第1の状態となっている期間中にパチンコ玉が特定入賞口(Vポケット)に入賞して繰返し継続条件が成立している場合には所定の上限回数(16ラウンド)の範囲内で再度可変入賞球装置33が第1の状態に制御される繰返し継続制御が実行されるのである。そして、最終ラウンドに達した場合または繰返し条件が成立しなかった場合には、第3種大当りフラグが「外れ」にセットされるため、第3種大当り制御のサブルーチンプログラムの次回の実行に際しては、S350によりYESの判断がなされ、S360に進み、アタッカソレノイド250が消磁されてかつ第3種大当り制御が終了される。次にS361へ進み、10カウントカウンタと30秒タイマとがクリアされる。
【0176】
また、第3種大当りフラグが「当り」にセットされている最中に再度パチンコ玉が特定入賞口52に入賞すれば、前述したように第3種大当りフラグが「外れ」に切換えられるために(S439参照)、第3種大当り制御のサブルーチンプログラムの次回の実行に際してはS350によりYESの判断がなされ、その時点で第3種大当り制御が終了することとなる。なお、第3種大当りフラグが「当り」にセットされている最中においてパチンコ玉が特定入賞口52に入賞しても、第3種大当りフラグを「当り」のまま維持してもよい。その場合には、一旦第3種大当りになれば、最終ラウンドまで繰返し継続制御が実行されるかあるいは途中で繰返し継続条件が成立しなかった場合にのみ第3種大当り制御が終了する。
【0177】
以上、説明した第5実施の形態において、権利発生用可変入賞球装置51の特定入賞口52部分にV前貯留部材52aを設ける代わりに、開閉板始動口48内にV前貯留部材52aを設けて、第2種大当り制御中は開閉板始動口48内に進入した玉が開閉板始動センサ49により検出されないように構成してもよい。あるいは、第2種大当り制御中において玉を係留する機構をロータ47内に設けてもよい。このように構成した場合にも、第2種大当り制御中に第3種大当り制御が実際に開始され、可変表示装置付役物可変入賞球装置32が開成している際に可変入賞球装置33も開成してしまうことを防止できる。
【0178】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 複数種類の遊技プロセスとして、第1種、第2種、第3種のパチンコ遊技機で実行される大当り発生までのプロセスを例に挙げて説明した。
【0179】
ここで第1種のパチンコ遊技機の大当りに関する制御過程は以下の通りである。▲1▼始動入賞領域への始動入賞、▲2▼始動入賞に基づいて可変表示装置における可変表示結果を導出させる制御開始(たとえば、特別図柄(識別情報)の可変表示開始)、▲3▼可変表示装置の表示結果の確定、▲4▼可変表示結果が予め定められた特定の表示態様となることに基づいて特定遊技状態に制御(第1種大当り制御)、▲5▼所定の終了条件の成立により特定遊技状態を終了させる。
【0180】
この第1種に対して、前述した第2種または第3種の遊技を組合わせた場合には、第2種大当り制御または第3種大当り制御の実行中(特定遊技状態中)に第1種大当りの発生することを防止するために、特定遊技状態中は第1種の新たな遊技が進行しないように構成する。たとえば、第2種大当りまたは第3種大当りに基づく特定遊技状態中は可変表示装置で特別図柄の新たな可変表示を開始させないようにする。また、可変表示装置で特別図柄の可変表示が行なわれている最中に第2種大当りまたは第3種大当りが発生してしまった場合には第2種大当りまたは第3種大当りに基づく特定遊技状態中に可変表示結果を導出表示させ、その結果が特定の表示態様である場合にはその旨を記憶し、特定遊技状態の終了後にその記憶に基づいて特定遊技状態に制御する。あるいは特定遊技状態の終了後にその記憶に基づいて第1種大当りが発生する確率が向上した第1種確率変動状態(第1種確変状態)に制御してもよい。あるいは、大当りに基づく特定遊技状態が終了するまで、可変表示装置で特別図柄の可変表示を継続し、特定遊技状態の終了後にその表示結果を確定させる。また、可変表示装置で特別図柄の可変表示を継続することに代えて、一旦、特別図柄の可変表示を中断させるように構成してもよい。たとえば、第2種大当りまたは第3種大当りが発生した時点で特別図柄の可変表示を一旦停止し、大当り発生時点での出目を表示する。この際、特別図柄の可変表示が一旦停止されていることを遊技者に理解させるために、特別図柄を上下に微動させ続けるなどしてもよい。
【0181】
第2種のパチンコ遊技機の大当りに関する制御過程は以下の通りである。▲1▼始動入賞領域への始動入賞、▲2▼始動入賞に基づいて可変入賞球装置を第1の状態に制御した後第2の状態に制御(一対の可動片を1回あるいは2回開閉して可変入賞球装置への入賞を可能にする)、▲3▼第1の状態の可変入賞球装置に打玉が進入、▲4▼可変入賞球装置に進入した玉が特定入賞領域へV入賞したことを条件に特定遊技状態に制御(第2種大当り制御)、▲4▼所定の終了条件の成立により特定遊技状態を終了させる。
【0182】
この第2種に対して、前述した第1種または第3種の遊技を組合わせた場合には、第1種大当り制御または第3種大当り制御の実行中(特定遊技状態中)に第2種大当りの発生することを防止するために、特定遊技状態中は第2種の新たな遊技が進行しないように構成する。たとえば、第1種大当りまたは第3種大当りに基づく特定遊技状態中は第2種用の始動入賞を無効にし、始動入賞があっても可変入賞球装置を第1の状態に制御しないように構成する。また、可変入賞球装置が第1の状態となっている最中に第1種大当りまたは第3種大当りが発生してしまった場合には、可変入賞球装置に進入した玉が特定入賞領域へV入賞すればその旨を記憶し、特定遊技状態の終了後にその記憶に基づいて特定遊技状態に制御する。あるいは特定遊技状態の終了後にその記憶に基づいて第2種大当りが発生する確率が向上した第2種確率変動状態(第2種確変状態)に制御してもよい。あるいは、第1種または第3種大当りに基づく特定遊技状態が終了するまで、特定入賞領域に進入した玉を特定球検出センサ手前で一時的に貯留するように構成することが考えられる。また、可変入賞球装置に進入した玉を特定入賞領域よりも上手側(たとえば、特定入賞領域に進入するか通常入賞領域に進入するかが確定しない箇所)で貯留し、第1種または第3種大当りに基づく特定遊技状態が終了した後にその貯留玉を開放するようしてもよい。この場合、開放した玉が特定入賞領域に進入すれば第2種大当り制御が開始されるが、特定入賞領域以外の通常入賞領域に進入すれば第2種大当り制御が開始されることはない。
【0183】
第3種のパチンコ遊技機の大当りに関する制御過程は、たとえば、「図柄タイプ」、「作動判定図柄タイプ」、「機械タイプ」の3種類を例に挙げることができる。
【0184】
「図柄タイプ」の場合の制御過程は以下の通りである。▲1▼始動入賞領域への始動入賞、▲2▼始動入賞に基づいて可変表示装置における可変表示結果を導出させる制御開始(たとえば、図柄(識別情報)の可変表示開始)、▲3▼可変表示装置の表示結果の確定、▲4▼可変表示結果が予め定められた特定の表示態様となることに基づいて権利発生可能状態に制御、▲5▼権利発生可能状態中に権利発生用通過領域を打玉が通過したことに基づいて権利発生状態に制御、▲5▼所定の終了条件の成立により権利発生状態を終了させる。
【0185】
この「図柄タイプ」の第3種に対して、前述した第1種または第2種の遊技を組合わせた場合には、第1種大当り制御または第2種大当り制御の実行中(特定遊技状態中)に第3種大当りの発生することを防止するために、特定遊技状態中は第3種の新たな遊技が進行しないように構成する。たとえば、第1種大当りまたは第2種大当りに基づく特定遊技状態中は可変表示装置で図柄の新たな可変表示を開始させないようにすることが考えられる。また、可変表示装置で図柄が可変表示している最中に第1種大当りまたは第2種大当りが発生してしまった場合には、その大当りに基づく特定遊技状態が終了するまで、可変表示装置で図柄の可変表示を継続し、特定遊技状態の終了後にその表示結果を確定させる。また、可変表示装置で図柄の可変表示を継続することに代えて、一旦、図柄の可変表示を中断させるように構成してもよい。たとえば、第1種大当りまたは第2種大当りが発生した時点で図柄の可変表示を停止し、大当り発生時点での出目を表示する。この際、図柄の可変表示が一旦停止されていることを遊技者に理解させるために、図柄を上下に微動させ続けるなどしてもよい。
【0186】
その他、可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となることを条件として権利発生用通過領域が打玉を進入させることが可能な第1の状態となるように構成されている場合には、第1種大当り制御または第2種大当り制御中は、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となった場合であっても権利発生用通過領域を前記第1の状態に制御せず、代わりに特定の表示態様となったことを示すフラグを記憶しておき、第1種大当り制御または第2種大当り制御が終了した後にそのフラグの記憶に基づいて権利発生用通過領域を前記第1の状態に制御するようにしてもよい。これにより、特別の部材を設けることなく制御プログラムの内容を変更することのみによって第1種大当り制御または第2種大当り制御の実行中に第3種大当りの発生することを防止することができる。あるいは、権利発生用通過領域に進入した打玉(あるいは、進入しそうな打玉)を権利発生用通過領域の検出器手前で貯留可能に構成し、第1種大当り制御または第2種大当り制御の終了後に貯留玉を開放するようにしてもよい。
【0187】
「作動判定図柄タイプ」の制御過程は以下の通りである。▲1▼始動入賞領域への始動入賞、▲2▼始動入賞に基づいて可変表示装置における可変表示結果を導出させる制御開始(たとえば、特別図柄(識別情報)の可変表示開始)、▲3▼可変表示装置の表示結果の確定、▲4▼可変表示結果が予め定められた特定の表示態様となることに基づいて判定図柄用可変入賞球装置を開成させて第1の状態に制御、▲5▼第1の状態の判定図柄用可変入賞球装置に進入した玉が判定図柄用始動入賞領域へ始動入賞したことを条件に判定図柄用可変表示装置における可変表示結果を導出させる制御開始(たとえば、判定用図柄(識別情報)の可変表示開始)、▲6▼判定図柄用可変表示装置の表示結果の確定、▲7▼判定図柄用可変表示装置の表示結果が確定した場合に、判定図柄用可変入賞球装置の判定図柄用始動入賞領域に始動入賞していた始動入賞玉(始動入賞玉は、判定図柄用始動入賞領域内で一時貯留されている)が開放され、▲8▼判定図柄用可変表示装置の可変表示結果が予め定められた特定の表示態様となっていれば、判定図柄用可変入賞球装置に設けられた振分部材が始動入賞玉を特定球センサ方向に振分け、特定の表示態様となっていなければ通常球センサ方向に振分け、特定球センサの検出出力に基づいて権利発生状態に制御、▲9▼権利発生状態中に権利発生用通過領域を打玉が通過したことに基づいて特定遊技状態に制御(第3種大当り制御)、その後、所定の終了条件の成立により特定遊技状態を終了させる。
【0188】
この「作動判定図柄タイプ」の第3種に対して、前述した第1種または第2種の遊技を組合わせた場合には、第1種大当り制御または第2種大当り制御の実行中(特定遊技状態中)に第3種大当りの発生することを防止するために、特定遊技状態中は第3種の新たな遊技が進行しないように構成する。たとえば、特定遊技状態中は可変表示装置および判定図柄用可変表示装置で図柄の新たな可変表示を開始させないようにする。また、可変表示装置で図柄が可変表示している最中に第1種大当りまたは第2種大当りが発生してしまった場合には、その大当りに基づく特定遊技状態が終了するまで、図柄の可変表示を継続し、特定遊技状態の終了後にその表示結果を確定させる。なお、「図柄タイプ」の場合と同様、図柄の可変表示を継続することに代えて、一旦、図柄の可変表示を中断させるように構成してもよい。
【0189】
その他、特定遊技状態中であっても可変表示装置の表示結果が導出表示される段階までは、第3種の新たな遊技が進行することを許容し、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となった時点で第1種大当り制御または第2種大当り制御が行なわれている場合には、判定図柄用可変入賞球装置を第1の状態に制御せず、代わりに特定の表示態様となったことを示すフラグを記憶しておき、第1種大当り制御または第2種大当り制御が終了した後にそのフラグの記憶に基づいて判定図柄用可変入賞球装置を第1の状態に制御するようにしてもよい。これにより、特別の部材を設けることなく制御プログラムの内容を変更することのみによって第1種大当り制御または第2種大当り制御の実行中に第3種大当りの発生することを防止することができる。あるいは、判定図柄用可変入賞球装置に進入した打玉(あるいは、進入しそうな打玉)を判定図柄用始動入賞領域の検出器手前で貯留可能に構成し、第1種大当り制御または第2種大当り制御の終了後に貯留玉を開放するようにしてもよい。または、特定遊技状態中であっても判定図柄用可変表示装置の表示結果が導出表示される直前の段階までは、第3種の新たな遊技が進行することを許容し、判定図柄用可変表示装置の表示結果が導出表示される時点でまだ第1種大当り制御または第2種大当り制御が行なわれている場合には、その大当り制御が終了するまで、判定用図柄の可変表示を継続し、特定遊技状態の終了後にその表示結果を確定させる。あるいは、判定用図柄の可変表示を継続することに代えて、一旦、判定用図柄の可変表示を中断させる。または、特定遊技状態中であっても判定図柄用可変表示装置の表示結果が導出表示される段階までは、第3種の新たな遊技が進行することを許容し、判定図柄用可変表示装置の表示結果が導出表示された時点で第1種大当り制御または第2種大当り制御が行なわれている場合には、判定図柄用可変入賞球装置の判定図柄用始動入賞領域内で一時貯留されている貯留玉の振分部材による振分制御を第1種大当り制御または第2種大当り制御が終了するまで停止するように構成してもよい。または、前記振分制御の段階までを許容し、特定球センサの検出出力があった時点で第1種大当り制御または第2種大当り制御が行なわれている場合には、その後に権利発生用通過領域を打玉が通過したとしてもその通過に基づいてアタッカーを開放する制御は行なわず、第1種大当り制御または第2種大当り制御が終了した後に、アタッカーを開放するように構成してもよい。
【0190】
「機械タイプ」の制御過程は以下の通りである。▲1▼所定の入賞球装置へ打玉が進入(たとえば、入賞球装置は、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となった場合に打玉を進入させることが可能な状態となる可変入賞球装置でもよい)、▲3▼入賞球装置へ進入した打玉が入賞球装置内(入賞球装置内では、たとえば、特定入賞領域と通常入賞領域とが設けられた回転円盤が常時回転)の特定入賞領域へ入賞することに基づいて特定遊技状態に制御(第3種大当り制御)、▲4▼所定の終了条件の成立により特定遊技状態を終了させる。
【0191】
この「機械タイプ」の第3種に対して、前述した第1種または第2種の遊技を組合わせた場合には、第1種大当り制御または第2種大当り制御の実行中(特定遊技状態中)に第3種大当りの発生することを防止するために、特定遊技状態中は第3種の新たな遊技が進行しないように構成する。たとえば、前記入賞球装置として、可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となった場合に打玉を進入させることが可能な状態となる可変入賞球装置を採用した場合には、特定遊技状態中は第3種用の特定入賞領域の設けられた可変入賞球装置を閉塞させて玉が可変入賞球装置に進入しないように構成したり、前記可変入賞球装置に進入した玉を検出センサ手前で一時的に貯留するように構成することが考えられる。あるいは、玉の発射方向を規制して玉が前記可変入賞球装置方向へ発射されないようにしてもよい。
【0192】
(2) 上記実施の形態では、たとえば、開成した権利発生用可変入賞球装置51の特定入賞口52にパチンコ玉が入賞した状態が権利発生状態といい、権利発生状態の期間中にパチンコ玉が開閉板始動口48内に入賞して可変入賞球装置33の開閉板34が繰返し継続して開成可能となった状態を特定遊技状態という。
【0193】
(3) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0194】
【課題を解決するための手段の具体例】
パチンコ遊技機1により、遊技者によって遊技が行なわれる遊技機が構成されている。基本回路145により、前記遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段が構成されている。図14のS108〜S110(第1種)、図18のS108〜S110(第1種)、図29のS434〜S436(第3種)により、第1の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第1の遊技結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な第1遊技制御手段が構成されている。図14のS103,S104,S105,S106(第2種)、図18のS103,S104,S105,S106(第2種)、図24のS103,S104,S105,S106(第2種)により、前記第1の遊技プロセスとは別の第2の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第2の遊技結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な第2遊技制御手段が構成されている。
【0195】
図9のS51a 図14のS104a 図21のS41aにより、前記第1の遊技結果に基づいて前記特定遊技状態となっている最中に前記第2の遊技結果となった場合、前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態と前記第2の遊技結果に基づく特定遊技状態とに同時に制御されることを阻止する同時制御阻止手段が構成されている。図9のS51b 図14のS104bにより、該同時制御阻止手段により前記第2の遊技結果に基づく特定遊技状態への制御が阻止される場合に、前記第2の遊技結果を特定可能な情報を記憶する遊技結果記憶手段が構成されている。
【0196】
図15のS120a,S120b、図16のS134a,S134bにより、前記第2の遊技制御手段は、前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態の終了後に前記遊技結果記憶手段の記憶に基づいて前記特定遊技状態に制御することが開示されている。
【0197】
図19のS120a,S120bにより、前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態の終了後に前記遊技結果記憶手段の記憶がある場合に、前記第2の遊技結果が得られやすい特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段が構成されている。
【0198】
図21のS41a,S42、図24のS101c,S101dにより、前記第1の遊技結果に基づいて前記特定遊技状態となっている最中に前記第2の遊技プロセスが進行する場合、前記第2の遊技プロセスの実行結果が得られる時期を前記第1の遊技結果に基づいた特定遊技状態の終了時以降に遅延させる遊技プロセス実行結果遅延手段が構成されている。
【0199】
特別図柄表示器23a,23b,23c,普通図柄表示器20により、表示状態が変化可能な可変表示装置が構成されている。そして、前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかは、所定条件の成立により前記可変表示装置が変動開始した後表示結果が導出表示されてその表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば777)となったことを条件として特定遊技状態(第1種大当りや第3種大当り)に制御する。
【0200】
可変表示装置付役物可変入賞球装置32,可変入賞球装置33,権利発生用可変入賞球装置51により、遊技領域に設けられ、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置が構成されている。特定球検出スイッチ29,可変入賞球装置33内に設けられた特定球検出スイッチ29,特定球センサ54により、前記可変入賞球装置内の所定箇所に設けられた特定入賞領域に入賞した特定入賞玉を検出する特定入賞玉検出手段が構成されている。
【0201】
そして、前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかは、所定条件の成立により前記第1の状態となった前記可変入賞球装置内に進入した打玉が前記特定入賞玉検出手段により検出されたことを条件として特定遊技状態(第2種大当り状態または第3種大当り状態)に制御する。
【0202】
図25に示した特定入賞口52により、遊技領域に設けられ、打玉が入賞することにより権利発生状態となり該権利発生状態中に打玉が入賞することにより権利発生状態が消滅するように定められた権利発生消滅入賞領域が構成されている。特定球センサ54により、前記権利発生消滅入賞領域に入賞した入賞玉を検出する権利発生消滅入賞玉検出手段が構成されている。なお、本発明でいう「入賞」とは、遊技領域内のパチンコ玉が所定の入賞領域に進入して再度遊技盤面に放出されるといういわゆる「通過」をも含む広い概念である。
【0203】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に関しては、第1の遊技結果に基づいて特定遊技状態となっている最中に第2の遊技結果となった場合、第1の遊技結果に基づく特定遊技状態と第2の遊技結果に基づく特定遊技状態とに同時に制御されることが阻止されるが第2の遊技結果を特定可能な情報が記憶されるため、遊技者にとって望ましい遊技結果が無駄にならず、遊技者に損をさせることなく特定遊技状態に関する制御を円滑に行なうことができる。さらに、第1の遊技結果に基づく特定遊技状態の終了後に遊技結果記憶手段の記憶がある場合に第2の遊技結果が得られやすい特別遊技状態となるために、遊技者は特定遊技状態の終了後に第2の遊技結果に基づく恩恵を受けることができるとともに、第1の遊技結果に基づく特定遊技状態と第2の遊技結果に基づく特定遊技状態とが重複して発生する場合に比較して射倖性が高まり過ぎることがない。
【0207】
請求項2に関しては、請求項1に関する効果に加えて、第1遊技制御手段または第2遊技制御手段のいずれかは、可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態に制御するために、遊技者にしてみれば、その可変表示装置の表示結果を確認することにより特定遊技状態が発生するか否かがわかり、わかりやすい遊技となる。
【0208】
請求項3に関しては、請求項1に関する効果に加えて、第1遊技制御手段または第2遊技制御手段のいずれかは、第1の状態となった可変入賞球装置内に進入した打玉が特定入賞領域に入賞して特定入賞玉検出手段により検出されたことを条件として特定遊技状態に制御するために、打玉が特定入賞領域に入賞する瞬間すなわち特定遊技状態となる瞬間を遊技者が目で見ることができ、これにより遊技の興趣を向上させることができる。
【0209】
請求項4に関しては、請求項1に関する効果に加えて、権利発生消滅入賞領域に打玉が入賞すれば権利発生状態となりその権利発生状態中に打玉がその権利発生消滅入賞領域に入賞すれば権利発生状態が消滅し、第1遊技制御手段または第2遊技制御手段のいずれかは、前記権利発生状態となっていることを条件として特定遊技状態に制御可能となるのであり、特定遊技状態の発生までの遊技プロセスが複雑で面白味のある変化に富んだ遊技を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の全体正面図である。
【図2】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図3】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図4】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図5】パチンコ遊技機に用いられる各種ランダムカウンタを説明する説明図である。
【図6】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図7】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図10】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図11】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図12】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図13】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図14】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図15】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図16】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図17】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図18】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図19】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図20】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図21】図2に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図22】パチンコ遊技機の全体正面図である。
【図23】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図24】図23に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図25】パチンコ遊技機の全体正面図である。
【図26】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図27】図26に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図28】図26に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図29】図26に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図30】図26に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【図31】図26に示した制御回路の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1は遊技機の一例のパチンコ遊技機、15は第1種始動口、17は第2種始動口、19は普通図柄用始動口、20は普通図柄表示器、23a,23b,23cは可変表示装置の一例の特別図柄表示器、32は可変表示装置付役物可変入賞球装置、29は特定球検出スイッチ、30,31は始動球検出器、33は可変入賞球装置(アタッカ)、47はロータ、48は開閉板始動口、49は開閉板始動センサ、50は可動片、51は権利発生用可変入賞球装置、52は特定入賞口、54は特定球センサ、26a,52aはV前貯留部材、113は通過球検出器、145は基本回路、260,261はV前貯留ソレノイドである。
Claims (4)
- 遊技者によって遊技が行なわれる遊技機であって、
前記遊技機の遊技状態を制御する遊技制御手段を含み、
該遊技制御手段は、
第1の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第1の遊技結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な第1遊技制御手段と、
前記第1の遊技プロセスとは別の第2の遊技プロセスの実行の結果予め定められた第2の遊技結果となった場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能な第2遊技制御手段と、
前記第1の遊技結果に基づいて前記特定遊技状態となっている最中に前記第2の遊技結果となった場合、前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態と前記第2の遊技結果に基づく特定遊技状態とに同時に制御されることを阻止する同時制御阻止手段と、
該同時制御阻止手段により前記第2の遊技結果に基づく特定遊技状態への制御が阻止される場合に、前記第2の遊技結果を特定可能な情報を記憶する遊技結果記憶手段と、
前記第1の遊技結果に基づく特定遊技状態の終了後に前記遊技結果記憶手段の記憶がある場合に、前記第2の遊技結果が得られやすい特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。 - 表示状態が変化可能な可変表示装置をさらに含み、
前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかは、所定条件の成立により前記可変表示装置が変動開始した後表示結果が導出表示されてその表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として特定遊技状態に制御することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。 - 打玉が打込まれる遊技領域と、
該遊技領域に設けられ、遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能な可変入賞球装置と、
該可変入賞球装置内の所定箇所に設けられた特定入賞領域に入賞した特定入賞玉を検出する特定入賞玉検出手段とをさらに含み、
前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかは、所定条件の成立により第1の状態となった前記可変入賞球装置内に進入した打玉が前記特定入賞玉検出手段により検出されたことを条件として特定遊技状態に制御することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。 - 打玉が打込まれる遊技領域と、
該遊技領域内に設けられ、打玉が入賞することにより権利発生状態となり該権利発生状態中に打玉が入賞することにより権利発生状態が消滅するように定められた権利発生消滅入賞領域と、
該権利発生消滅入賞領域に入賞した入賞玉を検出する権利発生消滅入賞玉検出手段とをさらに含み、
前記第1遊技制御手段または前記第2遊技制御手段のいずれかは、前記権利発生消滅入賞玉検出手段が入賞玉を検出して権利発生状態となっていることを条件として特定遊技状態に制御可能となることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
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