JP2004073302A - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変入賞装置22が開閉作動する特別遊技作動中に、普通図柄X,Yを当り態様で確定表示する場合は、未処理普通図柄当り記憶を記憶手段に記憶保持し、当該特別遊技作動終了後に、普通電動役物15を拡開作動する普通電動役物特別作動を実行する構成とした。これにより、可変入賞装置22の開閉作動と普通電動役物15の拡開作動が同時並行して実行されないから、普通電動役物15の直下にある可変入賞装置22に流入する遊技球数が減少してしまうという問題を除去できる。また、特別遊技作動中の普通図柄X,Yの当り回数を記憶し、この記憶数に基づいて普通電動役物特別作動を実行するため、遊技者は当りを得た利益を失うこともない。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄表示装置に確定表示された第一選出図柄の組合せが所定の大当り態様である場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行するようにしたパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊技領域上に、第一選出図柄を変動表示する第一選出図柄表示装置及び第二選出図柄を変動表示する第二選出図柄表示装置と、開閉片を具備し、この開閉片の開閉作動により内部の入賞領域の開口度が変化する第一電動役物と、この第一電動役物の直上に配設され、開閉翼片を具備し、この開閉翼片の拡開作動により内部の第一選出図柄始動領域の開口度が変化する第二電動役物とを設け、第二選出図柄始動条件が成立すると、第二選出図柄の組合せ態様を確定表示する第二選出図柄生成行程を第二選出図柄表示部で実行し、第二選出図柄の組合せ態様を当り態様とする場合に、第二電動役物の開閉翼片を拡開作動すると共に、第一選出図柄始動条件が成立すると、第一選出図柄の組合せ態様を確定表示する第一選出図柄生成行程を実行し、第一選出図柄の組合せ態様を当り態様とする場合に、第一電動役物を開閉作動して遊技者に所定の利益を付与する特別遊技作動を実行するパチンコ遊技機は良く知られている。
【0003】
ここで、第1種パチンコ遊技機は、第一選出図柄を構成する特別図柄の組合せ態様が大当り態様で確定表示された場合に、特別遊技作動を実行するものである。この特別遊技作動は、第一電動役物を構成する可変入賞装置の開閉片の開放と、所定制限時間の経過、又はこの所定制限時間内での規定個数の入賞満了による開閉片の閉鎖とを順次生じてなる開閉ラウンドを、可変入賞装置内に設けられた入賞領域を遊技球が流入することを継続条件として、所定制限回数まで繰り返し実行するものである。なお、一般的に、可変入賞装置は遊技領域の下方位置に配設され、この可変入賞装置の直上に、第二電動役物を構成する普通電動役物が配設されている。
【0004】
ところで、上述の従来構成は、普通電動役物が拡開作動開始するタイミングと、特別遊技作動が実行開始するタイミングとは、互いに関連性はなく、それぞれ独立したものである。したがって、このような構成であると、特別遊技作動が実行中であるのと同時期に、普通電動役物が拡開作動するような遊技状態が発生する場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、可変入賞装置を開閉作動する特別遊技作動の実行中に普通電動役物が拡開作動することとなると、遊技領域を流下する遊技球が、上方にある普通電動役物に先に捕捉されることとなるため、下方にある可変入賞装置に流入する遊技球数が減少してしまう問題が招来する。この特別遊技作動の実行時間は制限があるため、このように、普通電動役物も可変入賞装置も遊技球が通過し易い遊技状態が発生すると、かえって遊技者は不利益感を抱く場合があった。
そこで、本発明は、上述の遊技者が抱く不利益感を除去できるパチンコ遊技機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述のように、遊技領域上に、第一選出図柄を変動表示する第一選出図柄表示装置及び第二選出図柄を変動表示する第二選出図柄表示装置と、
開閉片を具備し、該開閉片の開閉作動により内部の入賞領域の開口度が変化する第一電動役物と、該第一電動役物の直上に配設され、開閉翼片を具備し、該開閉翼片の拡開作動により内部の第一選出図柄始動領域の開口度が変化する第二電動役物とを設け、第二選出図柄始動条件が成立すると、第二選出図柄の組合せ態様を確定表示する第二選出図柄生成行程期間を発生し、第二選出図柄の組合せ態様を当り態様とする場合に、第二電動役物の開閉翼片を拡開作動する第二電動役物作動期間を発生すると共に、第一選出図柄始動条件が成立すると、第一選出図柄の組合せ態様を確定表示する第一選出図柄生成行程期間を発生し、第一選出図柄の組合せ態様を当り態様とする場合に、第一電動役物を開閉作動して遊技者に所定の利益を付与する特別遊技作動期間を発生する制御内容を具備した遊技制御手段を備えたパチンコ遊技機において、遊技制御手段が、特別遊技作動期間中に、第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、第二電動役物作動期間を発生せずに、未処理第二選出図柄当り記憶を記憶手段に記憶保持し、当該特別遊技作動期間終了後に、この記憶保持した未処理第二選出図柄当り記憶に基づいて第二電動役物を拡開作動する第二電動役物特別作動期間を発生するようにした制御内容を備えるパチンコ遊技機である(請求項1)。ここで、第一選出図柄表示装置及び第二選出図柄表示装置は物理的に別体である構成である必要はなく、一体的な構成であっても良い。他の構成についても同様である。
【0007】
上述の構成について換言すれば、上述のパチンコ遊技機において、遊技制御手段が、特別遊技作動実行中に、第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、第二電動役物を作動せずに、未処理第二選出図柄当り記憶を記憶手段に記憶保持し、当該特別遊技作動終了後に、この記憶保持した未処理第二選出図柄当り記憶に基づいて第二電動役物を拡開作動する第二電動役物特別作動を実行する制御内容を備える構成である(請求項2)。
【0008】
かかる構成にあって、第二選出図柄が当り態様で確定表示された場合であって、その確定表示の時期が、特別遊技作動実行中である場合は、当該特別遊技作動終了後に第二電動役物を拡開作動することとなる。したがって、特別遊技作動と第二電動役物の拡開作動が同時並行して実行される遊技状態が発生することを回避した構成である。かかる構成とすることにより、遊技領域を流下する遊技球が、上方位置にある第二電動役物に先に捕捉されるために下方にある第一電動役物に流入する遊技球数が減少してしまうという問題を除去できることとなる。さらに、特別遊技作動実行後に未処理第二選出図柄当り記憶に基づいて第二電動役物を拡開作動することにより、第二選出図柄が当りとなった利得についても遊技者に確実に提供することができる。
【0009】
また、遊技進行に伴って複数の遊技状態が発生すると共に、各遊技状態ごとに第二電動役物の所定作動態様が予め割り当てられており、各遊技状態で、特別遊技作動が実行中でない場合に第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、割り当てられた所定作動態様に従って第二電動役物を拡開作動する第二電動役物通常作動を実行するパチンコ遊技機にあって、第二電動役物特別作動の作動態様が、当該未処理第二選出図柄当り記憶が記憶保持された際の遊技状態に割り当てられた所定作動態様に基づくものである構成が提案される(請求項3)。
【0010】
ここで、例えば、遊技進行に伴って第一選出図柄の組合せ態様を当り態様とする確率が向上する確変遊技状態と、かかる確率が向上しない通常確率遊技状態とが発生する構成にあって、確変遊技状態には、第二電動役物を2秒開放する拡開作動(確変遊技状態における第二電動役物通常作動)の態様が割り当てられ、これに対し、通常確率遊技状態には、0.2秒開放する拡開作動(確変遊技状態における第二電動役物通常作動)するような態様が割り当てられている例が挙げられる。かかる例にあって、通常確率遊技状態から確変遊技状態へ移行した際の特別遊技作動中に第二選出図柄が当り態様となると、かかる当り態様に基づいて、第二電動役物を2秒開放する拡開作動(確変遊技状態における第二電動役物通常作動)するような態様で第二電動役物特別作動を実行することとなる。かかる構成とすることにより、第一電動役物へ流入する遊技球数が第二電動役物の拡開作動により減少してしまう問題を除去しつつ、第二電動役物の拡開作動による利益を遊技者に確実に付与することが可能となる。したがって、遊技者に何ら損失を与えることなく、本来的に獲得した遊技内容を提供することが可能となる。
【0011】
また、第二電動役物特別作動の作動態様が、第二電動役物特別作動を開始した際の遊技状態の直前の遊技状態に割り当てられた所定作動態様に基づくものである構成が提案される(請求項4)。例えば、上述の例を前提とし、確変遊技状態から通常確率遊技状態へ移行した際の特別遊技作動中に第二選出図柄が当り態様となると、第二電動役物が2秒開放する拡開作動(確変遊技状態における第二電動役物通常作動)するような態様で第二電動役物特別作動を実行する例が挙げられる。このように、直前の遊技状態に割り当てられた作動態様が現在の遊技状態より遊技者にとって有利な内容であると、第二電動役物特別作動を実行することにより遊技者に意表を付かせると共に、思いがけない満足感を抱かせることが可能となる。これに対し、直前の遊技状態に割り当てられた作動態様が現在の遊技状態より遊技者にとって不利な内容であると、遊技者は発奮することとなり、遊技者の挑戦意欲を刺激することとなる。また、遊技者は、有利な作動態様で第二電動役物が作動実行することを期待するため、各遊技状態にそれぞれ割り当てられた第二電動役物の所定作動態様に強く注意を向けることとなる。これにより、遊技者は一層遊技に熱中すると共に、遊技状態と作動態様との対応関係を遊技者に一層明確に理解させることができる。
【0012】
また、第二電動役物特別作動の作動態様が、当該第二電動役物特別作動に割り当てられた固有の作動態様に基づくものである構成が提案される(請求項5)。ここで、第二電動役物特別作動の作動態様が、第二電動役物が1秒開放するような拡開作動態様と予め定められている例が挙げられる。このような構成であると、第二電動役物特別作動に特別顕著性が備わることとなり、第二電動役物特別作動の存在意義がより明確となる。
【0013】
また、第二電動役物特別作動の作動態様は、基となる所定作動態様に従う第二電動役物通常作動を未処理第二選出図柄当り記憶の数だけ間欠的に実行する構成が提案される(請求項6)。例えば、上述の例を前提として、確変遊技状態における第二電動役物通常作動に基づいて第二電動役物特別作動を実行すると共に、特別遊技作動中に第二選出図柄が2回当り態様となった場合は、第二電動役物が2秒開放する拡開作動を2回実行することとなる。かかる構成とすることにより、特別遊技作動実行中に記憶保持された記憶数だけ第二電動役物通常作動が実行されることとなるため、遊技者は、提供された遊技内容を容易かつ明確に認識させることが可能となり、集中力を乱されることなく遊技に熱中することができる。
【0014】
これに対し、第二電動役物特別作動の作動態様が、基となる所定作動態様に従う第二電動役物通常作動における第二電動役物の拡開時間を、当該未処理第二選出図柄当り記憶の数だけ積算した時間、開閉翼片を連続開放するものである構成としても良い(請求項7)。例えば、上述の例を前提として、確変遊技状態から通常確率遊技状態へ移行した際の特別遊技作動中に第二選出図柄が2回当り態様となると、第二電動役物が4秒(=2秒×2)開放するような拡開作動態様である第二電動役物特別作動を実行する例が挙げられる。このように、第二電動役物を積算した時間だけ連続開放状態する構成とすることにより、第二電動役物通常作動時に比して遊技球が第一選出図柄始動領域を飛躍的に通過し易くなる。したがって、遊技者にとって有利な遊技内容を提供することが可能となり、遊技者に非常に満足度の高い感情を抱かせることが可能となる。
【0015】
なお、遊技制御手段が、第二電動役物特別作動開始時に記憶保持されている未処理第二選出図柄当り記憶の数によって、当該第二電動役物特別作動の作動態様を変化する制御内容を備える構成が提案される(請求項8)。かかる構成にあって、例えば、基準となる未処理第二選出図柄当り記憶数を予め定め、第二電動役物特別作動開始時に記憶保持されている該確定記憶数が基準記憶数以上であると、請求項7に記載する作動態様を実行し、これに対し基準記憶数以下であると、請求項6に記載する作動態様を実行する構成が提案される。かかる構成とすることにより、遊技内容が変化に富んだものとなり、従来にない新たな遊技性を有することとなる。なお、これまでに述べた具体的な例示は一形態例であり、本発明の技術的思想を減縮するものではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
いわゆる第1種パチンコ遊技機に本発明を適用した一実施例を説明する。
図1に示されるように、パチンコ遊技機の遊技盤1には、その盤面2上にほぼ円形を呈する誘導レール3によって遊技領域4が区画形成されており、この遊技領域4のほぼ中央にセンターケース5が配設されている。そして、このセンターケース5には、液晶表示器、CRT表示器等からなる図柄表示装置6(第一選出図柄表示装置、第二選出図柄表示装置)が組み付けられており、さらにこの図柄表示装置6には図柄表示領域6aが形成されている。なお、図柄表示装置6により、本発明にかかる第一選出図柄表示装置及び第二選出図柄表示装置が構成される。
【0017】
さらに、この図柄表示領域6aの中央位置には特別図柄表示部a,b,cが並成される。そして特別図柄表示部aには特別図柄Aが、特別図柄表示部bには特別図柄Bが、特別図柄表示部cには特別図柄Cがそれぞれ表示される。この特別図柄A,B,C(第一選出図柄)は、それぞれ「0」〜「9」の数字からなると共に、各特別図柄A,B,Cは、前記の数字が順に並んだ特別図柄列を構成している。そして、後述する特別図柄始動条件(第一選出図柄始動条件)が成立すると、特別図柄A,B,Cの組合せ態様を確定表示する特別図柄生成行程(第一選出図柄生成行程)が表示実行される。すなわち、この各特別図柄列が特別図柄表示部a,b,cで上下方向に変動することにより特別図柄A,B,Cが変動表示され、停止したときに横方向に並列表示されている停止図柄列の態様が所定の当り態様である場合に、「大当り」となって後述の特別遊技作動が実行される。なお、本実施形態例にかかる特別図柄A,B,Cにより、本発明にかかる第一選出図柄が構成される。さらに、特別図柄始動条件により第一選出図柄始動条件が構成される。
【0018】
一方、図柄表示領域6aの左上位置には普通図柄表示部x,yが形成される。この普通図柄表示部x,yには、「7」又は「−」を示す普通図柄(第二選出図柄)X,Yが表示される。そして、後述する普通図柄始動条件(第二選出図柄始動条件)が成立すると、普通図柄X,Yの組合せ態様を確定表示する普通図柄生成行程(第二選出図柄生成行程)が表示実行される。すなわち、この普通図柄X,Yが変動表示され、停止したときにX=Y=「7」となる当り態様で表示されると、本発明の要部にかかる普通電動役物(第二電動役物)15(図2イロ参照)が拡開作動を開始する。なお、本実施形態例にかかる普通図柄X,Yにより、本発明にかかる第二選出図柄が構成される。さらに普通図柄始動条件により第二選出図柄始動条件が構成される。
【0019】
また、図柄表示装置6の直上位置には、四個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示装置8が配設されている。この特別図柄始動記憶数表示装置8は、特別図柄始動記憶数Uを表示するものである。ここで、この特別図柄始動記憶とは、後述する主制御基板60(図4参照)の記憶装置RAMの一部領域に、特別図柄始動領域14への遊技球通過ごとに記憶保持されるものである。
【0020】
さらに、図柄表示装置6の直下位置には、四個の発光ダイオードLEDからなる普通図柄始動記憶数表示装置12が配設されている。この普通図柄始動記憶数表示装置12は、後述の普通図柄始動スイッチS2(図4参照)の遊技球検出を、主制御基板60(図4参照)の記憶装置RAMの一部領域が記憶した場合に、その記憶数(普通図柄始動記憶数FU)を表示するものである。
【0021】
一方、センターケース5の両側には、普通図柄作動ゲート(普通図柄始動領域)13,13が設けられ、遊技球が通過すると、この普通図柄作動ゲート13,13に内蔵された普通図柄始動スイッチS2が遊技球通過を検知し、かかる検知信号に基づいて、前記普通図柄X,Yが変動を開始する。すなわち、普通図柄始動スイッチS2の遊技球通過検知により、普通図柄始動条件が成立することとなる。
【0022】
また、センターケース5の直下位置には、内部に特別図柄始動領域(第一選出図柄始動領域)14を有する普通電動役物15が配設されている。この普通電動役物15は、図2イロに示されるように、普通電動役物本体31に拡開可能に枢支された開閉翼片30,30を備え、普通図柄X,Yの図柄内容が、上述の当り態様の場合に、この開閉翼片30,30が通常状態(図2イ参照)と拡開状態(図2ロ参照)とが変換する拡開作動を行う。このように、普通電動役物15は特別図柄始動領域14の開口度を変化させ、遊技球が特別図柄始動領域14を通過し易い(入賞し易い)状態を発生するものである。なお、この開閉翼片30,30の拡開作動は、普通電動役物ソレノイド(図4参照)により作動する。また、この普通電動役物15内には、光電スイッチ、リミットスイッチ等の特別図柄始動スイッチS1(図4参照)が備えられ、この特別図柄始動スイッチS1が、特別図柄始動領域14への遊技球通過を検知すると、これに起因して、特別図柄始動条件が成立し、図柄表示装置6の特別図柄A,B,Cが変動開始する。なお、本実施形態例にかかる普通電動役物15により第二電動役物が構成され、また特別図柄始動領域14により第一図柄始動領域が構成される。
【0023】
また、普通電動役物15の普通電動役物本体31の前面には、7セグ表示器により構成される未処理普通図柄確定記憶数Jを表示する確定記憶数表示部35が配設されている。この未処理普通図柄確定記憶数Jについては、本発明の要部につき後で詳述する。
【0024】
普通電動役物15の直下位置には、内部に特定領域32と一般領域33とを有する大入賞口23を備える可変入賞装置(第一電動役物)22が配設されている。図3に示されるように、この可変入賞装置22は開閉片24を具備し、この開閉片24を大入賞口開放ソレノイド(図4参照)により開閉制御することにより大入賞口23を開放状態又は閉鎖状態のいずれかに変換する。そして、特別図柄A,B,Cの組合せ態様が所定の大当り態様であると、開閉片24が開き、さらに、その開放状態にある開閉片24の上面が案内作用を生じ、大入賞口23へ遊技球を案内する。そして、特定領域32に遊技球が流入すると、次の開閉ラウンドへ移行可能となり、所定ラウンド数だけ開閉片24の開閉作動を生じて、遊技者に所定の利得を付与する。この可変入賞装置22の開閉作動は、後述する特別遊技作動を構成するものである。
【0025】
なお、その内部には、図4で示すように、特定領域32に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS3と、当り中の入賞個数を計数するカウントスイッチS4とが設けられている。ここで特定領域スイッチS3にも、特定領域32に入った遊技球を計数するカウントスイッチとしての機能が備えられている。なお、可変入賞装置22により本発明にかかる第一電動役物が構成され、前記特定領域32と一般領域33とにより本発明にかかる第一電動役物の入賞領域が構成される。
【0026】
図4は、本発明にかかるパチンコ遊技機の遊技作動を制御する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。この記憶装置ROMには、制御プログラムや、各種乱数テーブル等の固定データが格納されている。ここで、この乱数テーブルとしては、大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル 、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル、当り普通乱数テーブル、ハズレ普通図柄乱数テーブル等があり、所定の要件が充足されると主制御用中央制御装置CPUが各乱数テーブルから乱数値を選択する。
【0027】
ここで、各乱数テーブルについて説明する。
大当り特別乱数テーブルは、0〜299の300コマからなる。ここで、特別図柄生成行程で確定表示された特別図柄A,B,Cの表示内容により、次回に「大当り」となる確率が向上する確変遊技状態、又は「大当り」となる確率が変化しない通常確率遊技状態のいずれかが発生する。そして、確変遊技状態では、大当り特別乱数テーブルから選択した大当り特別乱数値KがK=7,11,127,233,277の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は5/300=1/60である。これに対し、通常確率遊技状態では、選択した大当り特別乱数値KがK=7の場合に「大当り」となる。すなわち大当り確率は1/300である。そしてそれ以外はハズレとなる。
【0028】
また、大当り図柄乱数テーブルは、0〜9の10コマからなり、選択した大当り特別乱数値Kが特別図柄A,B,Cを大当り態様とする内容である場合に、特別図柄A,B,Cの組合せ態様を決定するものである。例えば、この大当り図柄乱数テーブルから選択された大当り図柄乱数値LがL=3の場合に、特別図柄A,B,Cの組合せ態様は「3,3,3」となる。また、大当り図柄乱数値Lにより決定された特別図柄A,B,Cの組合せ態様が、奇数図柄により構成される態様となった場合には、当該図柄態様の確定表示後、次の大当り態様の特別図柄A,B,Cの組合せが確定表示するまで、大当り確率が向上する確変遊技状態となる。
【0029】
これに対し、ハズレ図柄乱数テーブルは、選択した大当り特別乱数値Kがハズレである場合に、特別図柄A,B,Cのハズレ態様を決定するものである。なお、このハズレ図柄乱数テーブルからは、ハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcが選択される。
【0030】
また、リーチ乱数テーブルからは、リーチ乱数値Nが選択される。このリーチ乱数値Nは、大当り特別乱数値Kがハズレの内容である場合に、特別図柄生成行程でリーチ変動作動を実行するか否かを決定するものである。
【0031】
そして、リーチ乱数値Nがリーチ変動作動を実行する内容であると、リーチ図柄乱数テーブルから選択したリーチ図柄乱数値Pに従ってリーチ態様の特別図柄A,B,Cを表示する。
【0032】
また、大当り特別乱数値Kが大当り態様とする内容である場合、又はリーチ乱数値Nがリーチ変動作動を実行する内容である場合には、リーチ態様乱数テーブルから選択したリーチ態様乱数値Qに従って非リーチ状態のときと異なるリーチ変動態様を実行する。このリーチ変動態様としては、例えば、ロングリーチ、低速スクロール、逆走行、低速走行からの加速的停止、図柄の反転等の種々の変動態様がある。
【0033】
一方、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS1、普通図柄始動スイッチS2のON作動による通過記憶等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。すなわち、特別図柄始動記憶及び普通図柄始動記憶が記憶保持される。さらに、この記憶装置RAMにより、本発明にかかる未処理普通図柄確定記憶(未処理第二図柄確定記憶)を記憶保持する記憶手段が構成される。かかる未処理普通図柄確定記憶については後述する。
【0034】
また、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーTMも接続されている。
【0035】
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に発信されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、上述した特別図柄始動スイッチS1が接続されると共に、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS2、特定領域スイッチS3、及びカウントスイッチS4が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに各スイッチS1〜S4の遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物15の開閉翼片30,30を拡開する普通電動役物ソレノイドや、大入賞口23の開閉片24を開閉する大入賞口ソレノイド等が接続され、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0036】
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。なお、この演算ユニットの連成数によって、中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65にそれぞれ送信し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0037】
上記の図柄表示制御基板62には、図柄表示装置6の図柄表示領域6a上で表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出に関するプログラムや固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。なお、この記憶装置ROMに格納された固定データは、特別図柄A,B,Cの可変パターン、特別図柄A,B,Cの組合せ態様パターン、当り遊技パターン、リーチ態様パターン、普通図柄X,Yの組合せ態様パターン等の図柄変動態様等を規定するためのデータである。
【0038】
ここで、図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄表示態様を演出する図柄データを、出力ポートを介して表示用ドライバに送信する。そして、この表示用ドライバが、図柄データに従って図柄表示装置6の図柄表示領域6aに所定の図柄を所定態様で表出させる。
【0039】
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに発信し、このサウンドジェネレータが、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
【0040】
上記の光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードLED、装飾ランプ等で構成される電飾装置、特別図柄始動記憶数表示装置8、普通図柄始動記憶数表示装置12、及び確定記憶数表示部35等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオードLED,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光データを出力ポートを介して、発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に送信し、この光源作動基板が、所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。なお、特別図柄始動記憶数表示装置8、及び普通図柄始動記憶数表示装置12は、それぞれ最高四個まで始動記憶数を記憶保持できる。このため、各始動記憶数がこの上限値に達している遊技状態にあっては、遊技球通過は無効となり、所定数の賞球のみが遊技者に供与される。また、確定記憶数表示部35は、最高九個まで未処理普通図柄確定記憶数Jを記憶保持できる。
【0041】
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から受信した制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読み込み書き込みを行うプリペイドカードユニットと、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続され、遊技球の残球データ等をやり取りする。なお、本発明にかかる遊技制御手段は、上述の各基板60〜65等により構成されるものであって、特別図柄生成行程等を実行したり、遊技者に所定の利益を付与することとなる特別遊技作動を実行したりする制御内容を備えるものである。
【0042】
次に、本発明の制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が発射装置(図示省略)より遊技領域4に発射され、この遊技球が特別図柄始動領域14を通過すると、特別図柄始動スイッチS1がON作動する。そして、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、2msごとに特別図柄始動スイッチS1がON状態を調べる。
【0043】
特別図柄始動スイッチS1のON作動を認識すると主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、図5に示される始動口処理を実行する。まず、記憶装置RAMに特別図柄始動記憶を記憶する。さらに、記憶装置RAMに累積して記憶保持される特別図柄始動記憶数Uが四個以下であるか否かを判定し、特別図柄始動記憶数Uが四個以下の条件を満たさない場合は、特別図柄始動記憶数Uが四個となるように最後に記憶保持された余剰の始動記憶を記憶消化する。そして、始動口処理を終了する。
【0044】
一方、特別図柄始動記憶数Uが四個以下であると、記憶装置ROMに格納されている大当り特別乱数テーブル、大当り図柄乱数テーブル、リーチ乱数テーブル、リーチ図柄乱数テーブル、リーチ態様乱数テーブル、ハズレ図柄乱数テーブル等から、それぞれ乱数値を選択し、選択した各乱数値を一旦、記憶装置RAMに格納する。そして、始動口処理を終了する。
【0045】
次に、図6に示される特別図柄処理について説明する。
主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、2msごとに特別図柄A,B,Cが変動中であるか判定し、変動中であれば変動時間が経過し、変動が停止するのを待って特別図柄処理を終了する。
【0046】
一方、特別図柄A,B,Cが変動中でない場合は、特別図柄始動記憶数Uが存在するか否かを判定し、存在する場合は最先に記憶保持された特別図柄始動記憶を記憶消化し、特別図柄始動記憶数表示装置8で表示される特別図柄始動記憶数Uを一個減算表示する。
【0047】
そして、次に確変FLGがONであるか否かを判定して現在の遊技状態が確変遊技状態であるか調べ、確変遊技状態であれば確変遊技状態時大当り判定用データをセットする。また、確変FLGがOFFであって確変遊技状態でない場合(すなわち、通常確率遊技状態である場合)は、通常確率遊技状態時大当り判定用データをセットする。
【0048】
ここで、本発明にあっては、大当り判定用データセット時に確変遊技状態であれば、遊技状態FLGをONとし、通常確率遊技状態であれば、遊技状態FLGをOFFとする。すなわち、この遊技状態FLGがONであると、大当り特別乱数値Kが確変遊技状態の条件の下で判定されたことを表す。これに対し遊技状態FLGがOFFであると、通常確率遊技状態の条件の下で判定されたことを表す。この遊技状態FLGについては後で再度説明する。
【0049】
さらに、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数値Kが、前記大当り判定用データと同一であるか否かを判定する。そして、同一であると、特別図柄生成行程で特別図柄A,B,Cを「大当り」表示することとなる。さらに、大当り図柄乱数値L及びリーチ態様乱数とを有効とする。そして、大当り図柄乱数値Lが確変遊技状態を発生させる確変図柄に相当するか否かを判定する。そして、大当り図柄乱数値Lが確変図柄に相当する場合は、確変FLGをONする。一方、確変図柄でない場合は確変FLGをOFFする。そして、有効としたリーチ態様乱数値Qに基づいてリーチパターンをセットし、さらに、変動時間をセットする。
【0050】
一方、記憶保持した大当り特別乱数値Kが、大当り判定用データと同一でない場合は、特別図柄生成行程で特別図柄A,B,Cを「ハズレ」表示することとなる。さらに、リーチ乱数テーブルから選択したリーチ乱数値Nに基づいてリーチ変動作動を実行するか否かを判定し、リーチ変動作動を実行する場合には、リーチ図柄乱数値P、リーチ態様乱数値Q及びハズレ図柄乱数値Mcを有効とし、これらに基づいて、ハズレリーチ図柄を決定し、リーチパターンをセットする。また、これに対し、リーチ変動作動を実行しない場合には、ハズレ図柄乱数テーブルから選択し、有効としたハズレ図柄乱数値Ma,Mb,Mcに基づいてハズレ図柄を決定し、通常停止パターンをセットする。
【0051】
変動時間がセットされると、以上により特別図柄始動条件が充足されることとなり、特別図柄A,B,Cを上述のセットした各パターンに従って変動開始して所定時間経過後に特別図柄A,B,Cを停止して、特別図柄処理を終了する。
【0052】
さらには、前記特別図柄始動スイッチS1のON作動に基づき、主制御用中央制御装置CPUは、演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に発信すると共に、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64にそれぞれ発信する。
【0053】
主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットのソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。
【0054】
これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。
【0055】
同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードLEDや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0056】
次に、特別図柄A,B,Cの組合せが大当り態様で確定表示する場合に実行する特別遊技作動について説明する。
特別図柄A,B,Cの組合せ態様を大当り態様で確定表示すると、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイドを駆動して、大入賞口23を開放する。そして、大入賞口23に遊技球が流入し、この大入賞口23内の特定領域スイッチS3やカウントスイッチS4がON作動すると、その信号を盤面中継基板61を介して主制御基板60が確認し、必要に応じて、図柄表示制御基板62や払出制御基板65に制御指令を発信する。
【0057】
すなわち、サウンドジェネレータがファンファーレを発すると共に、大入賞口ソレノイドが駆動し、開閉片24を前方に傾動して大入賞口23を開放し、開閉ラウンドを実行する。そして、大入賞口23の特定領域32に遊技球が流入し、特定領域スイッチS3がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片24が閉鎖駆動して、一ラウンドを終了する。そして、その動作終了後に再び大入賞口23を開放して、次の開閉ラウンドへ移行する。一方、所定制限時間(30秒)が経過するか、この所定制限時間内で、特定領域スイッチS3とカウントスイッチS4による遊技球の入賞検知が10個となると、大入賞口23が閉鎖する。このような開閉ラウンドを最大15回繰り返し、遊技者に所定の利益を供与する。そして、利益供与が終了すると特別遊技作動が終了する。
【0058】
次に普通図柄X,Yの変動態様、及び普通電動役物15の作動態様について概説する。
遊技球が普通図柄始動ゲート13を通過すると、普通図柄始動スイッチS2がON作動する。そして、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUが普通図柄始動スイッチS2のON作動を認識すると、普通図柄始動条件が成立し、普通図柄表示部x,yで、普通図柄X,Yが変動開始する。この普通図柄X,Yは、上述のように、「7」又は「−」のいずれかを表示する。一方、この普通図柄X,Yが変動中に、又は普通電動役物15の開放動作中に、普通図柄始動スイッチS2が遊技球通過を検出すると、主制御基板60の記憶装置RAMにその遊技球検出が記憶され、普通図柄始動記憶数表示装置12の発光ダイオードLEDが点灯してその記憶数(普通図柄始動記憶数FU)を遊技者に報知する。なお、普通図柄始動記憶数表示装置12の最大記憶数は四個であり、それ以上の個数は無効とされる。
【0059】
この普通図柄X,Yの変動停止後、又は普通電動役物15の開放動作終了後に、普通図柄始動記憶数表示装置12に表示された普通図柄始動記憶数FUの記憶消化に基づいて普通図柄X,Yは再び変動開始する。そして、変動開始後、確変遊技状態であれば約5秒、通常確率遊技状態であれば約30秒経過すると変動が停止し、X=Y=「7」であれば当りとなる。そしてかかる当り確定表示時期が前記特別遊技作動実行中でない場合は、所定作動態様に従って普通電動役物15が拡開作動を開始する。
【0060】
ここで、確率遊技状態の下で普通図柄X,Yが当り態様で確定表示されると、原則、普通電動役物15は約2.0秒間拡開状態となる。一方、通常確率遊技状態の下で普通図柄X,Yが当り態様で確定表示されると、原則、普通電動役物15が約0.2秒間拡開状態となる。このように、各遊技状態ごとに普通電動役物15の所定作動態様(拡開時間)が予め割り当てられている。
【0061】
ところで、普通図柄X,Yが変動を停止したときに表示する図柄態様は、主制御基板60の記憶装置ROMに格納されている、0〜99までの100コマからなる当り普通乱数テーブルから選択される当り普通乱数値Vにより決定される。そして、普通図柄作動ゲート13への遊技球通過により、普通図柄始動スイッチS2がON作動すると、主制御基板60は記憶装置ROMに格納される当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを選択し、その内容を一旦記憶装置RAMに記憶保持する。そして、普通図柄X,Yが変動開始すると同時に、記憶保持した内容を判定し、当り又はハズレを決定する。ここでは、当り普通乱数値VがV=奇数値であれば当りとなる。
【0062】
当り普通乱数値Vの判定内容がハズレである場合は、当り普通乱数値Vと同時期に、ハズレ普通図柄乱数テーブルから選択されたハズレ普通図柄乱数値Wに従って普通図柄X,Yをハズレ態様で確定表示する。このハズレ普通図柄乱数テーブルは、0〜2の3コマからなり、ハズレ普通図柄乱数値WがW=「0」であるとX=「7」,Y=「−」で確定表示され、W=「1」であるとX=「−」,Y=「7」で確定表示され、W=「2」であるとX=「−」,Y=「−」で確定表示される。
【0063】
次に、本発明の要部について詳述する。
本発明は、可変入賞装置22が開閉作動する特別遊技作動実行中に、普通図柄X,Yが当り態様で確定表示されると、特別遊技作動実行中に普通電動役物15を作動せず、未処理普通図柄確定記憶を記憶装置RAMに記憶保持し、特別遊技作動終了後に、この記憶保持した未処理普通図柄確定記憶に基づいて、普通電動役物15を未処理普通図柄確定記憶数回だけ間欠的に拡開作動する普通電動役物特別作動を実行することを特徴としている。換言すれば、特別遊技作動期間終了後に、当該特別遊技作動期間中に記憶保持した未処理普通図柄確定記憶に基づいて、普通電動役物特別作動を実行する普通電動役物特別作動期間が発生する構成である。
【0064】
この本発明の特徴部分である普通図柄・普通電動役物処理を図7イロハに従って説明する。
主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、2msごとに普通図柄・普通電動役物処理を実行する。この普通図柄・普通電動役物処理は、普通図柄表示部x,yで普通図柄生成行程を実行するための制御処理を主に行う普通図柄始動ゲート処理行程α(図7イ参照)と、普通電動役物通常作動を実行するための制御処理を主に行う普通電動役物通常作動処理行程β(図7ロ参照)と、本発明にかかる普通電動役物特別作動を実行するための制御処理を主に行う普通電動役物特別作動処理行程(図7ハ参照)γとにより構成される。
【0065】
まず、普通図柄始動ゲート処理行程αについて図7イに従って説明する。
主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、普通電動役物特別作動FLGがONであるか否かを判定する。この普通電動役物特別作動FLGは、普通電動役物特別作動を実行する際にONとし(図7ロ参照)、一連の普通電動役物特別作動が終了する際にOFFとなる(図7ハ参照)。すなわち、まず現在普通電動役物特別作動実行中であるか否かを調べることとなる。
【0066】
ここで、普通電動役物特別作動FLGがOFF(すなわち、普通電動役物特別作動が実行中でない)であると、普通図柄始動スイッチS2がON状態であるかを判定する。そして、普通図柄始動スイッチS2がON状態である場合は、普通図柄始動記憶数FUが上限(四個)に達しているかを確認し、新たに記憶可能であれば当り普通乱数テーブルから当り普通乱数値Vを選択し、ハズレ普通図柄乱数テーブルからハズレ普通図柄乱数値Wを選択し、各乱数値を格納する。そして、普通電動役物通常作動処理行程βに移行する。
【0067】
一方、普通図柄始動スイッチS2がOFF状態である場合、普通図柄始動記憶数FUが上限に達している場合にも、普通電動役物通常作動処理行程βに移行する。
【0068】
次に、普通電動役物通常作動処理行程βについて図7ロに従って説明する。
まず、普通電動役物15が拡開作動中であるか否かを判定する。ここで、拡開作動中である場合は、普通電動役物特別作動処理行程γに移行する。
【0069】
これに対し、普通電動役物15が停止している場合は、普通図柄X,Yが変動中か否かを判定する。ここで、普通図柄X,Yが停止中であると、この停止が停止図柄表示時間中のものであるか否かを判定する。一方、普通図柄X,Yが変動中であると、セットされた変動時間経過後、選択した乱数値に従って普通図柄X,Yを確定表示し、停止図柄表示時間をセットする。
【0070】
一方、停止図柄表示時間中でない場合は、普通図柄始動記憶数FUが0個でないことを確認した後、選択した当り普通乱数値Vを判定する。さらに、確変FLGがONであるか否かを判定し、確変FLGがON(すなわち、確変遊技状態)であれば確変遊技状態用の普通図柄変動時間をセットし、一方、確変FLGがOFF(すなわち、通常確率遊技状態)であれば通常確率遊技状態用の普通図柄変動時間をセットする。そして、セットした変動時間に従って普通図柄X,Yを変動開始し、当り普通乱数値Vの判定内容に従って普通図柄X,Yを確定表示し、停止図柄表示時間をセットした後、普通電動役物通常作動処理行程βを終了する。
【0071】
一方、普通図柄X,Yが停止状態であって、停止図柄表示時間中である場合には、停止図柄表示時間経過後であるか否かを判定し、経過していない場合は、普通電動役物特別作動処理行程γ(図7ハ参照)に移行する。これに対し停止図柄表示時間経過後であると、次に、普通電動役物15を拡開作動する処理内容に移行する。
【0072】
すなわち、次に特別遊技作動が実行中であるか否かを判定する。ここで、特別遊技作動実行中である場合は、未処理普通図柄確定記憶を記憶保持し、普通電動役物特別作動処理行程γに移行する。
【0073】
これに対し、特別遊技作動が実行中でない場合は、未処理普通図柄確定記憶数Jが存在するか否かを判定する。ここで、未処理普通図柄確定記憶数JがJ=0でなければ、普通電動役物特別作動を実行することとなり、普通電動役物特別作動FLGをONとし、普通電動役物特別作動処理行程γに移行する。
【0074】
一方、未処理普通図柄確定記憶数JがJ=0である場合は、確変FLGがONであるか否かを調べ、各遊技状態に割り当てられた普通電動役物15の拡開作動時間をセットした後、普通電動役物15を拡開作動開始する。この普通電動役物15の拡開作動は、普通電動役物通常作動を構成する。すなわち、確変遊技状態では普通電動役物15を2秒開放し、通常確率遊技状態では0.2秒開放する。
【0075】
次に、普通電動役物特別作動処理行程γ(図7ハ参照)について説明する。
主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、特別遊技作動が実行中であるか否かを判定する。ここで、特別遊技作動が実行中であると普通電動役物特別作動処理行程γを終了する。一方、実行中でない場合は、普通電動役物特別作動FLGがONであるか否かを判定する。
【0076】
この普通電動役物特別作動FLGがOFFあると、普通電動役物15が拡開作動中であるか否かを確認する。作動中でない場合は普通電動役物特別作動処理行程γを終了する。普通電動役物15が作動中である場合は、所定時間経過後に普通電動役物15の拡開作動を停止する。また、普通電動役物特別作動FLGがONであっても、普通電動役物15が拡開作動中であれば、所定時間経過後に作動を停止する。
【0077】
また、普通電動役物15が停止すると、次に、記憶保持される未処理普通図柄確定記憶が0であるかいなかを判定する。J=0である場合は、普通電動役物特別作動FLGをOFFとして普通電動役物特別作動処理行程γを終了する。一方、依然として、記憶保持された未処理普通図柄確定記憶が存在する場合は、当該普通電動役物処理行程γ終了後に、再び実行される普通電動役物処理行程γのなかで記憶消化されることとなる。そして、未処理普通図柄確定記憶が全部記憶消化されるまで繰り返し普通図柄・普通電動役物処理が実行される。
【0078】
一方、この普通電動役物処理行程γ特別作動FLGがONであると、普通電動役物15が拡開作動中でないことを確認し、さらに遊技状態FLGがONであるか否かを判定する。ここで、遊技状態FLGがONであると、確変遊技状態用の拡開時間をセットする。この遊技状態FLGがONであるということは、確変遊技状態が継続中であることを表し、確変遊技状態に割り当てられた普通電動役物通常作動の作動態様に従って普通電動役物15を拡開作動することとなる。
【0079】
一方、遊技状態FLGがOFFであると、通常確率遊技状態用の拡開時間をセットする。この遊技状態FLGがOFFであるということは、通常確率遊技状態に割り当てられた普通電動役物通常作動の作動態様に従って普通電動役物15を拡開作動することとなる。そして、作動時間セット後、記憶保持されている未処理普通図柄確定記憶を一個記憶消化すると共に、確定記憶数表示部35で表示される未処理普通図柄確定記憶数Jを一個減算表示し、普通電動役物15を拡開作動開始する。この普通電動役物15の拡開作動は、本発明にかかる普通電動役物特別作動を構成する。
【0080】
そして、上述のように、普通電動役物特別作動が実行開始されると、記憶保持された未処理普通図柄確定記憶数だけ、セットされた作動態様に従って普通電動役物15が間欠的に拡開作動することとなる。さらに詳述すると、普通電動役物特別作動における普通電動役物15の作動態様は、遊技状態FLGによって定まる。この遊技状態FLGは、大当り特別乱数値Kが確変遊技状態か又は通常確率遊技状態のいずれの条件の下で判定されたかを表すものである。したがって、例えば、確変遊技状態の下で特別図柄生成行程が実行され、確変図柄でない図柄態様(偶数図柄)が確定表示されて通常確率遊技状態の下で特別遊技作動が実行開始された場合は、確変遊技状態に割り当てられた普通電動役物通常作動態様(2秒開放)に基づいて普通電動役物特別作動が実行されることとなる。さらに、未処理普通図柄確定記憶数が複数である場合は、0.1秒間隔で普通電動役物15を普通電動役物通常作動の作動態様(2秒開放)で拡開作動する。かかる構成とすることにより、確変遊技状態から通確率遊技状態へと移行してしまったことにより不利な遊技となってしまった遊技者に対し、救済的な利得を付与することが可能となる。
【0081】
一方、通常確率遊技状態の下で特別図柄生成行程が実行され、確変図柄で確定表示されて確変遊技状態の下で特別遊技作動が実行開始された場合は、通常確率遊技状態に割り当てられた普通電動役物通常作動態様(0.2秒開放)に基づいて普通電動役物特別作動が実行されることとなる。さらに、未処理普通図柄確定記憶数が複数である場合は、0.5秒間隔で普通電動役物15を普通電動役物通常作動の作動態様(0.2秒開放)で拡開作動する。
【0082】
上述の構成にあって、図8に示されるように、特別遊技作動実行中でない場合に普通図柄X,Yが当りで確定表示された場合は、普通電動役物15は可変入賞装置22の開閉作動と無関係に拡開作動する。一方、特別遊技作動実行中に普通図柄X,Yが当りで確定表示された場合は、普通電動役物15は当該特別遊技作動が終了してから拡開作動することとなる。したがって、可変入賞装置22の開閉作動中には、絶対に普通電動役物15が拡開作動しない構成とすることができる。これにより、上方にある普通電動役物15に遊技球が先に捕捉されて可変入賞装置22に流入する遊技球数が減少してしまうという問題を解消することが可能となる。
【0083】
ここで、普通電動役物特別作動の作動態様として他の実施形態例が提案される。すなわち、普通電動役物特別作動における普通電動役物15の作動態様を、開閉翼片30,30を連続開放する態様とする構成である。ここで、かかる構成の特徴として、この連続開放する時間を、基となる普通電動役物通常作動における普通電動役物15の拡開時間を当該未処理普通図柄確定記憶の数だけ積算した時間とする。
【0084】
例えば、普通電動役物特別作動を実行する際に、未処理普通図柄確定記憶数が五個であり、かつ確変遊技状態に割り当てられた作動態様の拡開時間(一回の拡開作動時間が0.2秒)がセットされている場合は、普通電動役物特別作動における普通電動役物15は1.0秒間(=0.2(秒)×5)連続開放することとなる。かかる構成とすることにより、遊技球が飛躍的に普通電動役物15へ通過し易くなり、遊技者に大きな満足感を付与することが可能となる。
【0085】
なお、他の実施形態例として、確変遊技状態の下で特別図柄生成行程が実行され、通常確率遊技状態の下で特別遊技作動が実行開始された場合にのみ、本発明にかかる普通電動役物特別作動を実行する構成としても良い。かかる構成とすることにより、普通電動役物特別作動の救済的な意義がより明確となる。
【0086】
また、普通電動役物特別作動実行中は普通図柄X,Yが当り態様で確定表示されない構成としても良い。
【0087】
さらに、これまでに述べた構成に代えて、普通電動役物特別作動が実行開始されると、かかる作動固有の普通電動役物15の拡開作動態様で実行する構成としても良い。例えば、遊技進行に伴って発生する様々な遊技状態とは無関係に、普通電動役物特別作動期間が発生した場合は、1秒間だけ開閉翼片30,30を開放する拡開作動を、未処理普通図柄確定記憶数Jだけ間欠的に実行するものとする構成が挙げられる。
【0088】
また、普通電動役物特別作動開始時に記憶保持されている未処理普通図柄確定記憶数Jによって、当該普通電動役物特別作動の作動態様を変化する構成としても良い。例えば、普通電動役物特別作動開始時の未処理普通図柄確定記憶数が五個以上であると、基となる普通電動役物通常作動の拡開時間を積算した時間だけ連続開放する作動態様とし、五個未満であると、未処理普通図柄確定記憶数Jだけ普通電動役物通常作動を間欠的に実行する態様とする構成が提案される。さらに、このいずれかの普通電動役物特別作動の作動態様を遊技者自らが、普通電動役物特別作動開始時に選択可能とする構成としても良い。かかる構成にあっては、パチンコ遊技機前面に選択ボタンを設ける構成が好適である。
【0089】
また、確定記憶表示部35を、発光ダイオードLEDにより構成し、その点灯態様により普通電動役物特別作動が実行中であることを遊技者に報知する構成であっても良い。
【0090】
ここで、本発明は、普通電動役物が可変入賞装置の直上に配設された第3種パチンコ遊技機に適用しても良く、また本発明の主旨を逸脱しない限り実施形態を適宜に変更することが可能である。
【0091】
【発明の効果】
本発明は、特別遊技作動実行期間中に、第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、当該特別遊技作動実行期間終了後に、第二電動役物を拡開作動する第二電動役物特別作動期間を発生するようにしたものである(請求項1)。すなわち、換言すれば、特別遊技作動実行中に、第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、当該特別遊技作動終了後に、第二電動役物を拡開作動する第二電動役物特別作動を実行する構成としたから(請求項2)、第一電動役物の開閉作動と第二電動役物の拡開作動が同時並行して実行される遊技状態が発生しないこととなる。したがって、第二電動役物の直下にある第一電動役物に流入する遊技球数が減少してしまうという問題を除去できる優れた効果を有するものである。これにより、遊技者は第一電動役物の開閉作動中に不利益感を抱くことがなくなり、遊技者が最も優越感に浸ることのできる特別遊技作動を十分に満喫することができる。
【0092】
また、第二電動役物特別作動の作動態様が、当該第二選出図柄当り記憶が記憶保持された際の遊技状態に割り当てられた所定作動態様に基づくものである構成とした場合には(請求項3)、第一電動役物へ流入する遊技球数が第二電動役物の拡開作動により減少してしまう問題を除去しつつ、第二電動役物の拡開作動による利益を遊技者に確実に付与することが可能となる。これにより、遊技者に何ら損失を与えることなく、本来的に獲得した遊技内容を提供することが可能となるため、遊技者は遊技進行に不信感を抱くことがなくなり、客付きの良いパチンコ遊技機を提供することができる効果がある。
【0093】
また、第二電動役物特別作動の作動態様が、第二電動役物特別作動を開始した際の遊技状態の直前の遊技状態に割り当てられた所定作動態様に基づく構成とした場合には(請求項4)、遊技の進行が変化に富んだ内容となる。すなわち、第二電動役物特別作動の作動内容が遊技者にとって有利な内容となったり不利な内容となったりするため、遊技者はその成り行きに一喜一憂することとなり、遊技者を一層遊技に熱中させ、退屈感を抱かせない効果がある。
【0094】
ここで、第二電動役物特別作動の作動態様が、当該第二電動役物特別作動に割り当てられた固有の作動態様に基づく構成とした場合は(請求項5)、第二電動役物特別作動の存在意義がより明確となる。また、第二電動役物特別作動の作動態様を遊技者にとって有利な内容とすることにより、遊技者に一層満足感を抱かせることが可能となる。
【0095】
また、第二電動役物特別作動の作動態様は、基となる所定作動態様に従う第二電動役物通常作動を未処理第二選出図柄当り記憶の数だけ間欠的に実行する構成とした場合には(請求項6)、第一電動役物の開閉作動中に記憶保持された記憶数だけ第二電動役物通常作動が実行されることとなるため、遊技者に遊技の進行内容を明確に認識させることが可能となる。これにより、遊技者は集中力を乱されることなく遊技に熱中することができる。
【0096】
また、第二電動役物特別作動の作動態様が、基となる所定作動態様に従う第二電動役物通常作動における第二電動役物の拡開時間を、当該未処理第二選出図柄当り記憶の数だけ積算した時間、開閉翼片を連続開放する構成とした場合は(請求項7)、第二電動役物を連続開放することとなるから、第二電動役物通常作動時に比して遊技球が第一選出図柄始動領域を飛躍的に通過し易くなる。したがって、遊技者にとって著しく有利な遊技内容を提供することが可能となり、遊技者に大きな満足感を抱かせる優れた効果がある。
【0097】
なお、遊技制御手段が、第二電動役物特別作動開始時に記憶保持されている未処理第二選出図柄当り記憶の数によって、当該第二電動役物特別作動の作動態様を変化する制御内容を備える構成とした場合は(請求項8)、遊技内容は変化に富んだものとなり、従来にない新たな遊技性を提供することができる。さらに、遊技者が作動態様の変化内容を経験的に習熟し、未処理第二選出図柄当り記憶数の大小によって利得に差があることを認識することとなると、遊技者が意図的に所望の未処理第二選出図柄当り記憶数を得ようと打球操作することとなり、遊技の興趣性が向上することとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技盤2の正面図である。
【図2】普通電動役物15の正面図であって、イは通常状態、ハは拡開状態を示す。
【図3】普通電動役物15及び可変入賞装置22の配設関係を示す説明図である。
【図4】遊技を制御する制御回路を示すブロック回路図である。
【図5】始動口処理の処理内容を示すフローチャート図である。
【図6】特別図柄処理の処理内容を示すフローチャート図である。
【図7イ】普通図柄・普通電動役物処理のうち、普通図柄始動口処理行程αの処理内容を示すフローチャート図である。
【図7ロ】普通図柄・普通電動役物処理のうち、普通電動役物通常作動処理行程βの処理内容を示すフローチャート図である。
【図7ハ】普通図柄・普通電動役物処理のうち、普通電動役物特別作動処理行程γの処理内容を示すフローチャート図である。
【図8】特別遊技作動、及び普通電動役物15の拡開作動等の作動状況を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
4 遊技領域
6 図柄表示装置
14 特別図柄始動領域
15 普通電動役物
22 可変入賞装置
24 開閉片
30 開閉翼片
32 特定領域
33 一般領域
A,B,C 特別図柄
a,b,c 特別図柄表示部
J 未処理普通図柄当り記憶数
X,Y 普通図柄
x,y 普通図柄表示部
Claims (8)
- 遊技領域上に、
第一選出図柄を変動表示する第一選出図柄表示装置及び第二選出図柄を変動表示する第二選出図柄表示装置と、
開閉片を具備し、該開閉片の開閉作動により内部の入賞領域の開口度が変化する第一電動役物と、
該第一電動役物の直上に配設され、開閉翼片を具備し、該開閉翼片の拡開作動により内部に第一選出図柄始動領域の開口度が変化する第二電動役物とを設け、
第二選出図柄始動条件が成立すると、第二選出図柄の組合せ態様を確定表示する第二選出図柄生成行程期間を発生し、第二選出図柄の組合せ態様を当り態様とする場合に、第二電動役物の開閉翼片を拡開作動する第二電動役物作動期間を発生すると共に、第一選出図柄始動条件が成立すると、第一選出図柄の組合せ態様を確定表示する第一選出図柄生成行程期間を発生し、第一選出図柄の組合せ態様を当り態様とする場合に、第一電動役物を開閉作動して遊技者に所定の利益を付与する特別遊技作動期間を発生する制御内容を具備した遊技制御手段を備えたパチンコ遊技機において、
遊技制御手段が、特別遊技作動期間中に、第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、第二電動役物作動期間を発生せずに、未処理第二選出図柄当り記憶を記憶手段に記憶保持し、当該特別遊技作動期間終了後に、この記憶保持した未処理第二選出図柄当り記憶に基づいて第二電動役物を拡開作動する第二電動役物特別作動期間を発生するようにした制御内容を備えることを特徴とするパチンコ遊技機。 - 遊技領域上に、
第一選出図柄を変動表示する第一選出図柄表示装置及び第二選出図柄を変動表示する第二選出図柄表示装置と、
開閉片を具備し、該開閉片の開閉作動により内部の入賞領域の開口度が変化する第一電動役物と、
該第一電動役物の直上に配設され、開閉翼片を具備し、該開閉翼片の拡開作動により内部の第一選出図柄始動領域の開口度が変化する第二電動役物とを設け、
第二選出図柄始動条件が成立すると、第二選出図柄の組合せ態様を確定表示する第二選出図柄生成行程を実行し、第二選出図柄の組合せ態様を当り態様とする場合に、第二電動役物の開閉翼片を拡開作動すると共に、第一選出図柄始動条件が成立すると、第一選出図柄の組合せ態様を確定表示する第一選出図柄生成行程を実行し、第一選出図柄の組合せ態様を当り態様とする場合に、第一電動役物を開閉作動して遊技者に所定の利益を付与する特別遊技作動を実行する制御内容を具備した遊技制御手段を備えたパチンコ遊技機において、
遊技制御手段が、特別遊技作動実行中に、第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、第二電動役物を作動せずに、未処理第二選出図柄当り記憶を記憶手段に記憶保持し、当該特別遊技作動終了後に、この記憶保持した未処理第二選出図柄当り記憶に基づいて第二電動役物を拡開作動する第二電動役物特別作動を実行する制御内容を備えるものであることを特徴とするパチンコ遊技機。 - 遊技進行に伴って複数の遊技状態が発生すると共に、各遊技状態ごとに第二電動役物の所定作動態様が予め割り当てられており、各遊技状態で、特別遊技作動が実行されていない場合に第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、割り当てられた前記所定作動態様に従って第二電動役物を拡開作動する第二電動役物通常作動を実行するパチンコ遊技機にあって、
第二電動役物特別作動の作動態様が、当該未処理第二選出図柄当り記憶が記憶保持された際の遊技状態に割り当てられた第二電動役物通常作動の作動態様に基づくものであることを特徴とする請求項2記載のパチンコ遊技機。 - 遊技進行に伴って複数の遊技状態が発生すると共に、各遊技状態ごとに第二電動役物の所定作動態様が予め割り当てられており、各遊技状態で、特別遊技作動が実行されていない場合に第二選出図柄を当り態様で確定表示すると、割り当てられた前記所定作動態様に従って第二電動役物を拡開作動する第二電動役物通常作動を実行するパチンコ遊技機にあって、
第二電動役物特別作動の作動態様が、第二電動役物特別作動を開始した際の遊技状態の直前の遊技状態に割り当てられた所定作動態様に基づくものであることを特徴とする請求項2記載のパチンコ遊技機。 - 第二電動役物特別作動の作動態様が、当該第二電動役物特別作動に割り当てられた固有の作動態様に基づくものであることを特徴とする請求項2記載のパチンコ遊技機。
- 第二電動役物特別作動の作動態様が、基となる所定作動態様に従う第二電動役物通常作動を未処理第二選出図柄当り記憶の数だけ、間欠的に実行するものであることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のパチンコ遊技機。
- 第二電動役物特別作動の作動態様が、基となる所定作動態様に従う第二電動役物通常作動における第二電動役物の拡開時間を、当該未処理第二選出図柄当り記憶の数だけ積算した時間、開閉翼片を連続開放するものであることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のパチンコ遊技機。
- 遊技制御手段が、第二電動役物特別作動開始時に記憶保持されている未処理第二選出図柄当り記憶の数によって、当該第二電動役物特別作動の作動態様を変化する制御内容を備えるものであることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれかに記載のパチンコ遊技機。
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